JPH06102830B2 - 貴金属皮膜を有する樹脂粉粒体及びその製造方法 - Google Patents

貴金属皮膜を有する樹脂粉粒体及びその製造方法

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JPH06102830B2
JPH06102830B2 JP63276735A JP27673588A JPH06102830B2 JP H06102830 B2 JPH06102830 B2 JP H06102830B2 JP 63276735 A JP63276735 A JP 63276735A JP 27673588 A JP27673588 A JP 27673588A JP H06102830 B2 JPH06102830 B2 JP H06102830B2
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    • B29B9/00Making granules
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C18/16Chemical coating by decomposition of either liquid compounds or solutions of the coating forming compounds, without leaving reaction products of surface material in the coating; Contact plating by reduction or substitution, e.g. electroless plating
    • C23C18/31Coating with metals
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B9/00Making granules
    • B29B9/16Auxiliary treatment of granules
    • B29B2009/163Coating, i.e. applying a layer of liquid or solid material on the granule

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は導電材、電磁波シールド材として利用可能な貴
金属皮膜を有する樹脂粉粒体に関する。
〔従来の技術 及び発明が解決しようとする課題〕
従来、導電材、電磁波シールド材の他にら顔料等として
金属の粉粒体が使用されているが、この粉粒体は金属で
あるために比重が大きく、粉粒体を分散せしめる媒体の
粘度が低いと粉粒体が沈降して均一に分散され難く、粉
粒体の添加量が少ない場合、粉粒体が不均一に分散する
と粉粒体添加の目的を充分に達成できなくなり、また粉
粒体を多量に添加するとコスト高となるとともに、粉粒
体を添加した媒体の物性に低下を来す等の欠点があっ
た。また上記金属が銅、ニッケル、鉄などの卑金属であ
る場合には、化学的に不安定で導電性の長期信頼性が乏
しいものであった。しかし貴金属の粉粒体を用いた場合
には導電性の長期信頼性は向上するが、上記貴金属自体
が高価でありまた上記卑金属に比べて更に比重が大きい
ために分散が不均一になるという傾向は顕著であり、充
分な導電性を発現させるためには添加量を多くしなけれ
ばならず、添加した媒体の物性が低下し、コストは飛躍
的に増大することになり、導電性の長期信頼性とコスト
を両立させるのが困難であった。
これらの金属粉粒体にかわるものとして、メッキ等によ
って表面に金属皮膜を形成した粉粒体や、樹脂表面にエ
ッチングによって多数の細孔を形成し、この孔内に金属
を沈着析出させた粉粒体(特開昭62−50364号公報)も
提案されている。
しかしながら樹脂粉粒体の表面に金属メッキを施すに
は、例えば 界面活性剤を含むアルカリ性液で樹脂粉粒体を洗浄す
るクリーニング工程 クロム酸/硫酸混合液等の如きエッチング液に接触さ
せて表面に微細孔を形成するエッチング工程 錫化合物液、パラジウム化合物液及び塩酸等を含んだ
液に浸漬する工程と、酸処理により触媒活性化する工程
の通常2工程からなる触媒工程 水洗工程 金属の無電解メッキ液を作用させて金属メッキを施す
メッキ工程 水洗工程 乾燥工程 等の多くの工程が必要であり、また貴金属メッキを施す
場合には一般に直接メッキは行われず、先ずニッケル、
銅等の卑金属による下地メッキを施いた後、その上に貴
金属メッキを施すために更に工程数が多くなり、しかも
粉粒体の場合には成形品のように簡単に処理液から取り
出して次工程の処理液に浸漬するというわけにはいか
ず、各工程を終了して次の工程に移る際には濾過工程を
経なければならないから、工程数が多ければ多いほど作
業が煩雑になり、作業効率の低下をきたすという欠点が
ある。
また特開昭62−50364号公報に記載された方法も、メッ
キ法と同様の処理を必要とするため作業効率が悪いとと
もに、この方法では析出した金属の層が不連続層となり
易く、このため充分な導電性が得られ難く、導電材のよ
うい高い導電性を要求される用途には使用し難いという
欠点があった。さらにこれらの方法で得られる樹脂粉粒
体は、金属層表面にエッチングにより形成された孔によ
る凹凸が現れて表面平滑性が不充分となり、この樹脂粉
粒体を充填した場合、充填率が低下して粒子間に間隙を
生じる問題があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、従来に比して
簡易に製造でき、低比重で導電性及び長期導電信頼性に
優れ、導電材等を低コストで提供可能な貴金属皮膜を有
する粉粒体及びその製造方法を提供することを目的とす
る。
即ち本発明は、 (1)ポリマー骨格に金属吸着性の官能基を結合してな
る樹脂の粉粒体を貴金属化合物の溶液と接触させて官能
基に貴金属イオンを吸着させた後、ヒドラジン、ヒドラ
ジン塩(ヒドラジン硫酸塩、ヒドラジン塩酸塩)、ホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、蟻酸、グリオキザー
ル、ロッシェル塩、ヒドロキシルアミン、水素、ブドウ
糖、アスコルビン酸、次亜燐酸、次亜燐酸塩から選ばれ
た1種又は2種以上の混合物からなる還元剤溶液と接触
させて還元して貴金属を析出せしめて形成した貴金属皮
膜を表面に有することを特徴とする貴金属皮膜を有する
樹脂粉粒体。
(2)ポリマー骨格に金属吸着性の官能基を結合してな
る樹脂の粉粒体の該官能基に還元剤を吸着させ、貴金属
化合物の溶液と接触させ、貴金属イオンを還元して析出
せしめて形成した貴金属皮膜を表面に有することを特徴
とする貴金属皮膜を有する樹脂粉粒体。
(3)ポリマー骨格に金属吸着性の官能基を結合してな
る樹脂の粉粒体を貴金属化合物の溶液と接触させて官能
基に貴金属イオンを吸着させた後、ヒドラジン、ヒドラ
ジン塩(ヒドラジン硫酸塩、ヒドラジン塩酸塩)、ホル
ムアルデヒド、アセトアルデヒド、蟻酸、グリオキザー
ル、ロッシェル塩、ヒドロキシルアミン、水素、ブドウ
糖、アスコルビン酸、次亜燐酸、次亜燐酸塩から選ばれ
た1種又は2種以上の混合物からなる還元剤を貴金属化
合物溶液中に添加するか又は貴金属イオンを吸着した樹
脂粉粒体を貴金属化合物溶液から取り出して還元剤溶液
と接触させて、貴金属イオンを還元して貴金属皮膜を樹
脂粉粒体表面に形成するようにしたことを特徴とする貴
金属皮膜を有する樹脂粉粒体の製造方法。
を要旨とするものである。
本発明において金属吸着性の官能基とは、貴金属イオン
(錯イオン、複イオン等のイオンも含む)と塩、錯化合
物、キレート化合物等を形成し得る基であり、例えばア
ミノ基、イミノ基、アンモニウム基、アゾ基、ピリジニ
ウム基、アミド基、イミド基、ニトリル基、ニトリロ
基、ケトン基、カルボン酸基、スルホン酸基、燐酸基、
ホスファイト基、硫酸基等が挙げられる。本発明におい
て、金属吸着性の官能基は樹脂粉粒体の樹脂のポリマー
骨格に結合していることを必須とするものである。本発
明において用いる樹脂粉粒体には、これらの官能基が単
独で存在していても良いが、アニオン性(例えばカルボ
ン酸基、スルホン酸基等)の基とカチオン性(例えばア
ミノ基、イミノ基等)の基の両方が存在していても良
い。またアニオン性部分とカチオン性部分の両方を同時
に有する官能基(例えばイミノジ酢酸基等)を有してい
ても良い。更にこれらの官能基は遊離型(例えば−SO3
H、−NH2等であっても、塩型(例えば−SO3Na等)であ
っても、或いはこれらの両方が混在していても良い。こ
れらの官能基を有する樹脂粉粒体としては、一般に陽イ
オン交換樹脂、陰イオン交換樹脂等のイオン交換樹脂、
キレート樹脂等が用いられる。
イオン交換樹脂の具体例としては、スチレン−ジビニル
ベンゼンコポリマーをスルホン化した樹脂又はスチレン
スルホン酸−ジビニルベンゼコポリマー或いはこれらの
塩、ポリスチレンをスルホン化した樹脂、スチレンスル
ホン酸−スチレンコポリマー、スチレンスルホン酸−ス
チレン−ジビニルベンゼンターポリマー或いはこれらの
塩、シビニルベンゼン−アクリル酸コポリマー或いはそ
の塩、ジビニルベンゼン−メタクリル酸コポリマー或い
はその塩、スチレン−アクリル酸コポリマー或いはその
塩、スチレン−メタクリル酸コポリマー或いはその塩、
スチレン−ジビニルベンゼン−アクリル酸ターポリマー
或いはその塩、スチレン−ジビニルベンゼン−メタクリ
ル酸ターポリマー或いはその塩、N−トリアルキル・メ
チルアンモニウム・スチレン−ジビニルベンゼンコポリ
マー、N−ジアルキル・モノエタノール・メチルアンモ
ニウム・スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、ジビ
ニルベンゼン−アクリル酸アミドコポリマーのN−モノ
メチレン(又はトリメチレン)・アルキルアミン付加
物、ジビニルベンゼン−スチレンコポリマーのN−ジア
ルキル・メチレンアミン付加物、ジビニルベンゼン−ビ
ニルピリジンコポリマー等の陽イオン交換樹脂、陰イオ
ン交換樹脂等が挙げられる。またキレート樹脂の例とし
ては、ジビニルベンゼン−スチレンコポリマーのメチレ
ンイミノジ酢酸付加物或いはその塩、ジビニルベンゼン
−スチレンコポリマーのメチレンイミノポリエチレンイ
ミン付加物、ジビニルベンゼン−スチレンコポリマーの
エチレンジアミンジ酢酸付加物或いはその塩、ジビニル
ベンゼン−スチレンコポリマーのメチレンアミノメチレ
ン燐酸付加物或いはその塩、エポキシ樹脂のイミノジプ
ロピオン酸、イミノジ酢酸付加物或いはその塩等が挙げ
られる。また上記イオン交換樹脂、キレート樹脂の他
に、例えばアクリル酸系エステル−アクリル酸(又はメ
タクリル酸)コポリマー、ポリアミド、ポリアクリロニ
トリル、尿素樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、ビニルトルエン−マレイン酸コポリマー等の、一般
にはイオン交換樹脂として使用されていないが、金属イ
オン吸着性の官能基を有する樹脂も用いることができ
る。
更に、金属イオン吸着性の官能基を有さない樹脂、例え
はポリスチレン、スチレン−ビニルトルエンコポリマ
ー、スチレン−ジビニルベンゼンコポリマー、スチレン
−アクリル酸エステル(又はメタクリル酸エステル)コ
ポリマー、アクリル酸エステル系樹脂、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(例え
ばポリエチレンテレフタレート等)、エポキシ樹脂、AB
S樹脂、AS樹脂、フェノール樹脂等の樹脂では、金属イ
オン吸着性の官能基導入のための処理(例えばスルホン
化処理等)を施してスルホン酸基、硫酸基、燐酸基、ホ
スファイト基、カルボン酸基、ケトン基、アミノ基、イ
ミノ基、ニトリロ基、アゾ基、アミド基、イミド基、ニ
トリル基、ピリジニウム基、アンモニウム基等を導入す
ることにより用いることができる。
官能基を有さない樹脂にスルホン酸基を導入する方法と
しては、濃硫酸と樹脂を接触させて加熱する方法、樹脂
を発煙硫酸と反応させる方法等が挙げられ、例えばスチ
レン−ジビニルベンゼンコポリマーは、濃硫酸とともに
加熱処理してスルホン化することにより、金属イオン吸
着性のスルホン酸基を導入することができる。またカル
ボン酸基は、アクリル酸、メタクリル酸、或いはアクリ
ル酸エステル、メタクリル酸エステル、無水アレイン
酸、アクリロニトリル等のグラフト重合可能なモノマー
の少なくとも1種をグラフト重合させ、必要により加水
分解することにより導入することができる。更に例えば
ポリスチレン系樹脂等にスルホン酸基、燐酸基、ホスフ
ァイト基、カルボン酸基、アミノ基等の金属イオン吸着
性の官能基を導入するには、これらの官能基または誘導
体基を有する反応性モノマー、オリゴマー等を重合、縮
合、グラフト重合させる等の方法が挙げられる。上記反
応性モノマー或いはオリゴマーとしては例えばアクリル
(或いはメタクリル)酸(カルボン酸基導入)、スチレ
ンスルホン酸(スルホン酸基導入)、アクリロイル(或
いはメタクリロイル)オキシエチルアシッドホスフェー
ト(燐酸基導入)、アクリロイル(或いはメタクリロイ
ル)オキシエチルホスファイト(ホスファイト基導
入)、アクリロイル(或いはメタクリロイル)オキシエ
チルコハク酸(カルボン酸基)、ジメチルアミノエチル
アクリレート(或いはメタクリレート)(アミノ基導
入)等が挙げられる。
上記の各種の金属イオン吸着性の官能基を有する樹脂は
単独又は種々混合して用いることができる。また樹脂粉
粒体は前記金属イオン吸着性の官能基が表面に存在する
ことが好ましいが、多孔質の樹脂粉粒体では、表面以外
にも(即ち孔内にも)官能基が存在していて差し支えな
い。これら粉粒体の形状は球状、板状、鱗片状、無定型
状のいずれであっても良く、その大きさは概ね0.1μ〜2
mmが好ましい。
本発明の貴金属皮膜を有する樹脂粉粒体を製造するに
は、まず上記金属イオン吸着性の官能基をポリマー骨格
に結合している樹脂粉粒体を貴金属化合物の溶液と接触
せしめて官能基に貴金属イオンを吸着させるが、貴金属
化合物としては、金、銀、白金、バラジウム、ロジウム
等の化合物の1種または2種以上の混合物が好ましい。
これら貴金属化合物の水溶液としては塩、錯体等の水溶
液が用いられ、具体例としては、硝酸銀水溶液、硝酸銀
−アンモニア水溶液、硝酸銀−エチレンジアミン水溶
液、硝酸銀と各種水溶性アミンとを含む水溶液、硝酸銀
−アンモニア−クエン酸塩水溶液、硝酸銀−アンモニア
−エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム(EDTA)水溶
液、硝酸銀−アンモニア−ジエチレントリアミンペンタ
酢酸ナトリウム(DTP)水溶液、シアン化銀アルカリ性
水溶液等の銀イオン(或いは銀錯イオン)含有水溶液が
挙げられる。またパラジウム、金、白金、ロジウム等の
貴金属のイオン又はこれらの金属の錯イオンを含む水溶
液としては、塩化パラジウム水溶液、塩化パラジウム−
アンモニア水溶液、塩化パラジウムカリウム水溶液、塩
化パラジウムナトリウム水溶液、塩化金酸水溶液、塩化
金酸ナトリウム水溶液、塩化金酸カリウム水溶液、塩化
金酸アンモニウム水溶液、シアン化金カリウム−シアン
化カリウム水溶液、シアン化金ナトリウム−シアン化ナ
トリウム水溶液、塩化白金酸水溶液、塩化白金酸ナトリ
ウム水溶液、塩化白金酸カリウム水溶液、塩化白金酸ア
ンモニウム水溶液、シアン化白金ナトリウム水溶液、シ
アン化白金カリウム水溶液、アミノ塩化白金水溶液、塩
化ロジウム水溶液、塩化ロジウム−アンモニア水溶液、
塩化ロジウムナトリウム水溶液、塩化ロジウムカリウム
水溶液等が挙げられる。これら貴金属イオン(又は貴金
属錯イオン)を含む水溶液は、貴金属塩又は貴金属錯塩
を溶解せしめて得ることもできるが、貴金属錯イオンを
含む水溶液の場合には、金属錯塩の形で水に添加して溶
解させる方法の他に、例えば硝酸銀−アンモニア錯イオ
ンを含む水溶液の場合には硝酸銀にアンモニア水を添加
して溶解させる等、水溶液中で錯イオンを形成させたも
のであっても良い。これらの水溶液の他に市販の各種メ
ッキ液も使用することができる。貴金属化合物水溶液中
における貴金属イオン又は貴金属錯イオンの含有濃度
は、貴金属塩或いは貴金属錯塩を0.1〜30重量%添加し
て得られる濃度が好ましい。またこれらの貴金属化合物
の水溶液中には必要に応じて各種添加剤を含有せしめる
ことができる。このような添加剤としては、例えば塩化
アンモニウム、乳酸、クエン酸、酒石酸、酢酸ナトリウ
ム等の緩衝剤、チオ硫酸アンモニウム、ロート油、1,3,
6−ナフタレンスルホン酸、メタノール、エタノール、
プロパノール、グリコールエーテル、ポリエチレングリ
コール、フルフラール等の光沢剤等が挙げられる。また
水溶液中で錯イオンを形成させる場合にはアンモニア、
アミン類、ジアミン類、グリコール、グリシン、メラミ
ン、尿素、乳酸、クエン酸、酒石酸、アミノプロピオン
酸、ニトリロ酢酸、エチレンジアミンテトラ酢酸、ヒド
ロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ジエチレント
リアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢
酸、サリチル酸、マンデル酸、ジアミノシクロヘキサン
テトラ酢酸或いはこれらの塩(例えばナトリウム塩
等)、シアン化カリウム、シアン化ナトリウム、チオシ
アン酸カリウム等の錯化剤を併用することができる。
上記貴金属化合物の水溶液に金属イオン吸着性の官能基
を有する樹脂粉粒体を浸漬することにより、貴金属イオ
ン或いは貴金属錯イオンが樹脂の官能基に吸着される
が、樹脂粉粒体の水溶液中への浸漬時間は、官能基の種
類、貴金属イオン(又は貴金属錯イオン)の種類及び濃
度、水溶液のpHの大小等によっても異なるが、通常1〜
120分程度である。また貴金属化合物の水溶液は、貴金
属の種類、粉粒体の官能基の種類に応じて、吸着速度、
吸着量の点から好ましいpHとなるように酸又はアルカリ
を用いて調製することが好ましい。
官能基に貴金属イオン(又は貴金属錯イオン)を吸着せ
しめた後、還元する際に用いられる還元剤としてはヒド
ラジン、ヒドラジン塩(ヒドラジン硫酸塩、ヒドラジン
塩酸塩等)、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、蟻
酸、グリオキザール、ロッシェル塩、ヒドロキシルアミ
ン、水素、ブドウ糖、アスコルビン酸、次亜燐酸、次亜
燐酸塩から選ばれた1種又は2種以上の混合物が使用で
きる。還元工程は金属化合物の水溶液中に樹脂粉粒体を
添加して官能基に貴金属イオン(又は貴金属錯イオン)
を吸着させた後、この水溶液中に直接還元剤を添加して
行っても、樹脂粉粒体を金属化合物の水溶液から取り出
して別工程で行ってもよい。還元作用によって樹脂粉粒
体に吸着された貴金属イオン(又は錯イオン)が還元さ
れ、貴金属が析出して表面に貴金属皮膜が形成させる。
還元温度は、低すぎると反応速度が遅く効率が悪く、ま
た高すぎると溶液が沸騰して作業効率の低下をきたすた
め、一般に5〜100℃であり、常温で還元して貴金属を
析出せしめることもできるが、加熱しながら還元するこ
とが好ましい。また還元する際の水溶液のpHは3〜13程
度とすることが好ましい。還元の初期段階ではまず樹脂
に吸着された貴金属イオン(又は貴金属錯イオン)が析
出して金属核が形成され、反応が進むことの金属核の上
で貴金属層が成長連続化して貴金属皮膜が形成されると
考えられる。この貴金属皮膜の厚さは0.01〜50μ程度が
好ましい。貴金属皮膜の厚さは貴金属化合物水溶液中の
貴金属イオン(錯イオン)濃度や、樹脂粉粒体中の官能
基の割合、還元時間等により調節することができる。ま
た得られる粉粒体の色は樹脂及び貴金属の種類、貴金属
皮膜の膜厚、貴金属化合物水溶液の性状(例えばpH
等)、還元剤の種類等の違いにより黒色、褐色、黄褐
色、淡褐色、微黄褐色、赤色、赤褐色、灰色、紫赤色等
となる。
本発明の貴金属皮膜を有する樹脂粉粒体はまた、ポリマ
ー骨格に金属吸着性及び還元剤吸着性の官能基を結合し
てなる樹脂の粉粒体の該官能基に還元剤を吸着させた
後、貴金属化合物の溶液と接触させ、貴金属イオンを還
元して析出せしめて、上記樹脂粉粒体の表面に貴金属皮
膜を形成して構成することができる。
上記金属吸着性及び還元剤吸着性の官能基は酸型であっ
てもアルカリ型であっても良い。上記酸型の官能基とし
ては例えば、スルホン酸基、硫酸基、燐酸基、ホスファ
イト基、カルボン酸基、イミノジカルボン酸基等が挙げ
られる。酸型の官能基にはアルカリ性の還元剤が吸着さ
れる。このようなアルカリ性の還元剤としては例えば、
ヒドラジン、ヒドラジン塩(ヒドラジン硫酸塩、ヒドラ
ジン塩酸塩)、ヒドロキシルアミン等が挙げられる。
またアルカリ型の官能基としては例えば、ピリジニウム
基、アンモニウム基、アミノ基、イミノ基、アミド基、
イミド基等が挙げられる。アルカリ型の官能基には酸性
の還元剤が吸着される。このような酸性の還元剤として
は例えば、蟻酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、グリオキザール、次亜燐酸、ブドウ糖、アスルコビ
ン酸等が挙げられる。
上記の如き本発明樹脂粉粒体を製造するにあたっては、
例えば官能基が酸型である場合、まずアルカリ性の還元
剤をこの官能基に吸着させ、次いで貴金属化合物の水溶
液と接触させて貴金属イオンを還元して貴金属を析出せ
しめて、樹脂粉粒体の表面に貴金属皮膜を形成する。
本発明の粉粒体は、例えばエポキシ樹脂等に添加混練す
る等により導電性インキ、導電性塗料や導電性ペースト
或いは導電性接着剤等を製造するための導電材として、
或いは電磁波シールド材として好適に利用される。
〔実施例〕
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
実施例1 平均粒径50μのキレート樹脂(ジビニルベンゼン−スチ
レンコポリマーのスチレン基部分にメチレンイミノジ酢
酸基を導入したキレート樹脂)粉末2gを銀錯化合物溶液
(イオン交換水90mlに硝酸銀10gを溶解し、EDTA5g、28
%アンモニア水15mlからなる水溶液)50g中に浸漬して2
2℃にて30分間放置した。次にこの錯化合物の水溶液中
に抱水ヒドラジン30gを攪拌しながら添加し、30分間そ
のまま室温で放置して銀を析出せしめて銀皮膜を有する
粉末を得た。この粉末を濾過し、イオン交換水で洗浄し
た後、アルコール中に浸漬して脱水し、次いで濾過後、
60℃で脱水乾燥して銀色の粉末を得た。この粉末を直径
15mmのプラスチック製容器に充填して抵抗を測定したと
ころ、0.01Ω/cmという高い導電性を示した。更に1年
経過後に上記銀色の粉末を再測定したところ、製造当初
と変わらない0.01Ω/cmという抵抗値を示し、長期導電
信頼性を有していることが確認された。
実施例2 平均粒径7μのスチレン−ジビニルベンゼコポリマーの
白色球状粉末10gに濃硫酸360gを加えて攪拌しながら120
℃で3時間スルホン反応を行って得られた茶褐色のスラ
リーを濾過した後、200mlのイオン交換水中に加えて攪
拌後、再度濾過した。更にイオン交換水により濾過液の
酸性がなくなるまで洗浄した後、60℃で加熱乾燥して褐
色粉末を得た。得られた粉末2gを銀錯化合物水溶液(イ
オン交換水90ml、硝酸銀10g、28%アンモニア水20gから
なる水溶液)40mlに加えて15分間攪拌した。次いでこの
水溶液中に抱水ヒドラシン30gを添加して20分間放置し
て銀を析出せしめ銀皮膜を有する粉末を得た。この粉末
を実施例1と同様にして洗浄、乾燥して灰白色の粉末を
得た。この粉末の抵抗を実施例1と同様にして測定した
ところ、0.1Ω/cmという高い導電性を示した。更に1年
経過後に上記灰白色の粉末を再測定したところ、製造当
初と変わらない0.1Ω/cmという抵抗値を示し、長期導電
信頼性を有していることが確認された。
実施例3 平均粒径5μのポリアミド粉末2gとエチルアルコール1m
lとを10%硝酸銀水溶液50g中に添加して攪拌しながら30
分間放置した。次いでこの水溶液中に10%グルコース水
溶液30gと濃アンモニア水10gを加え、攪拌しながら70℃
で60分間放置して銀を析出しせめ銀皮膜を有する粉末を
得た。この粉末を実施例1と同様にして洗浄、乾燥した
ところ黒灰色の粉末が得られた。この粉末の抵抗を実施
例1と同様にして測定したところ、1Ω/cmという高い
導電性を示した。
実施例4 平均粒径1μのポリベンゾグアナミン粉末2gとエチルア
ルコール2mlを、実施例1と同様の銀錯化合物水溶液50g
中に添加して攪拌しながら30分間放置した。次いでこの
水溶液中に5%水酸化ナトリウム水溶液5ml、抱水ヒド
ラジン30gを攪拌しながら順次添加し60℃で30分間放置
して銀を析出せしめて銀皮膜を有する粉末を得た。この
粉末を実施例1と同様にして洗浄、乾燥して淡褐色の粉
末を得た。この粉末の抵抗を実施例1と同様にして測定
したところ、0.1Ω/cmという高い導電性を示した。
実施例5 平均粒径0.2mmのジビニルベンゼン−スチレンコポリマ
ーのポリアミン付加体粒子1gを、2%のパラジウム錯化
合物水溶液(塩化パラジウム2g、28%アンモニア水90m
l、イオン交換水10mlからなる溶液)100mlに加え、攪拌
しながら30分間放置した。次いでこの水溶液中に抱水ヒ
ドラジン20gを徐々に添加して70℃で30分間加熱攪拌し
てパラジウムを析出せしめ、表面にパラジウム皮膜を有
する粒子を得た。この粒子を実施例1と同様にして洗
浄、乾燥して灰黒色の粒子を得た。この粒子の抵抗を実
施例1と同様にして測定したところ、0.5Ω/cmという高
い導電性を示した。
実施例6 平均粒径0.5mmのエポキシ樹脂のイミノジプロピオン酸
付加体(キレート樹脂)粒子2gを実施例6同様のパラジ
ウム錯化合物水溶液200mlに加えて攪拌しながら60分間
放置した。次いでこの水溶液中に抱水ヒドラジン50gを
徐々に添加して50℃で60分間加熱攪拌してパラジウムを
析出せしめ表面にパラジウム皮膜を有する粒子を得た。
この粒子を実施例1と同様にして洗浄、乾燥して灰黒色
の粒子を得た。この粒子の抵抗を実施例1と同様にして
測定したところ、0.1Ω/cmという高い導電性を示した。
実施例7 平均粒径100μのキレート樹脂(ジビニルベンゼン−ス
チレンコポリマーのスチレン基部分にメチレンイミノジ
酢酸基を導入したキレート樹脂)2gを3%塩化金酸水溶
液(塩化金酸4.5gをイオン交換水145.5g中に溶解した水
溶液)150g中に浸漬して30分間放置した。次いでこの水
溶液中に抱水ヒドラジン60gを攪拌しながら徐々に添加
して60℃にて30分間加熱攪拌して金を析出せしめ、表面
に金皮膜を有する粉末を得た。この粉末を実施例1と同
様にして洗浄、乾燥して濃赤紫色の粉末を得た。この粉
末の抵抗を実施例1と同様にして測定したところ、0.1
Ω/cmという高い導電性を示した。更に1年経過後に上
記の粉末を再測定したところ、製造当初と変わらない0.
1Ω/cmという抵抗値を示し、長期導電信頼性を有してい
ることが確認された。
実施例8 平均粒径1mmの多孔質状のスチレン−ジビニルベンゼン
(モル比で55:45)コポリマー粒子10gに、メタクリル酸
10g、ジ−tert−ブチルパーオキシド(重合開始剤)0.1
g及びメチルエチルケトン20gからなる溶液を添加し、攪
拌してこの溶液を樹脂に含浸させ、次いで遠心分離して
過剰の溶液を除去した後、70℃で1時間加熱して樹脂粉
末中に含有させているメチルエチルケトンを蒸発除去
し、しかる後、メタクリル酸を硬化せしめた。次に得ら
れた硬化樹脂粒子2g、エチルアルコール2ml、硝酸銀5
g、濃アンモニウム水5g及びクエン酸ナトリウム2gをイ
オン交換水40gに溶解した水溶液中に添加し、60分間放
置して銀イオンを吸着させた。次いでこの水溶液中に抱
水ヒドラジン50gを加えて60℃で1時間加熱攪拌して銀
を析出せしめ銀皮膜を有する樹脂粒子を得た。この粒子
を実施例1と同様にして洗浄、乾燥して灰白色の粒子を
得た。この粒子の抵抗を実施例1と同様にして測定した
ところ、0.1Ω/cmという高い導電性を示した。
実施例9 平均粒径7μmのスチレン−ジビニルベンゼンコポリマ
ーの白色状粉末10gに濃硫酸360gを加えて攪拌しながら1
20℃で3時間スルホン化反応を行って得られた茶褐色の
スラリーをろ過した後、200mlのイオン交換水中に加え
て攪拌後再度ろ過した。さらにイオン交換水によりろ過
の酸性がなくなるまで洗浄した後、60℃で熱風乾燥して
褐色粉末を得た。得られた粉末2gに10%ヒドラジン水溶
液100mlを添加し10分間攪拌し、ヒドラジンを樹脂粉末
に吸着させた後、ろ過し、ヒドラジン分がなくなるまで
イオン交換水で洗浄する。次に銀錯化合物水溶液(イオ
ン交換水90ml、硝酸銀10g、28%アンモニア水20gからな
る水溶液)40mlを添加し、25分間放置して銀を析出せし
め、銀皮膜を有する粉末を得た。この粉末を実施例1と
同様に洗浄、乾燥して灰白色の粉末を得た。この粉末の
抵抗を実施例1と同様にして測定したところ、0.1Ω/cm
という高い導電性を示した。また1年経過後に上記の粉
末を再測定したところ、製造当初と変わらない抵抗値を
示し、長期導電信頼性を有していることが確認された。
実施例10 平均粒径5μmのポリアミド粉末2gにエチルアルコール
1mlと10%蟻酸水溶液100mlを加え、10分間攪拌し、蟻酸
を樹脂粉末に吸着させた後、ろ過し、蟻酸分がなくなる
までイオン交換水で洗浄する。次に銀錯化合物水溶液
(イオン交換水90ml、硝酸銀10g、28%アンモニア水20g
からなる水溶液)40mlを添加し、10分間放置した後更に
約50℃で10分間加温して銀を析出せしめ、銀皮膜を有す
る粉末を得た。この粉末を実施例1と同様に洗浄、乾燥
して灰白色の粉末を得た。この粉末の抵抗を実施例1と
同様にして測定したところ、0.1Ω/cmという高い導電性
を示した。また1年経過後に上記の粉末を再測定したと
ころ、製造当初と変わらない抵抗値を示し、長期導電信
頼性を有していることが確認された。
比較例1 平均粒径50μのポリスチレン粉末5gをフロン系溶剤で洗
浄した後、40℃の42%フッ化水素酸水溶液で1時間エッ
チング処理を施した。次いでこの粉末をイオン交換水で
洗浄後、還元性錫塩水溶液(塩化パラジウム0.2g、塩化
第1錫10gを含有)1に添加して1時間放置した。そ
の後、濾過し、硝酸銀20gをイオン交換水に溶解し1
とした溶液のpHをアンモニアでアルカリ性に調整した溶
液を添加し、25℃で1時間攪拌した後、濾過、洗浄して
灰色の粉末を得た。この粉末の電気抵抗を実施例1と同
様にして測定したところ、∞Ω/cmであった。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明の貴金属皮膜を有する樹脂粉
粒体は、貴金属皮膜が金属イオン吸着性の官能基を有す
る樹脂粉粒体の官能基に貴金属イオンを吸着させた後、
還元剤溶液と接触させて還元して貴金属を析出せしめて
形成したものであるため、エッチングによって樹脂粉粒
体表面に細孔を形成し、この孔内に金属を析出せしめて
得られる樹脂粉粒体のように表面の金属層が不連続にな
ることがなく、連続した金属皮膜を有し優れた導電性を
発現する。また皮膜が貴金属からなるために、化学的に
安定で長期導電信頼性に富むという効果を有する。また
本発明の樹脂粉粒体を得るに際してはエッチング工程、
触媒化工程等の煩雑な処理工程を必要としないため、従
来に比して少ない工程で製造できる。更にエッチングに
よって樹脂粉粒体表面に微細孔を形成することがないか
ら、金属皮膜表面の平滑性が高く、充填材等として充填
して用いた場合、粒子相互が密着し充填率が高いという
効果を有する。また従来の方法により得られた樹脂粉粒
体における金属層には触媒化工程ならびにめっき工程等
において使用する異種元素(例えば錫、燐、ボロン等)
の混入を避けられなかったが、本発明の樹脂粉粒体では
貴金属皮膜は純粋な単一金属成分から構成し、夾雑する
異種元素の影響を受けないようにすることができるため
に、電気的性質が優れている。しかも本発明の樹脂粉粒
体は導電性、電磁波シールド性の金属的性質を有するに
もかかわらず、金属粉末に比べてはるかに比重が小さい
ため、本発明の樹脂粉粒体を導電材、電磁波シールド材
として樹脂や各種液体等に添加して使用する際の分散性
に優れ、均一に分散されるために添加量が少なくて済
み、低コストで充分に所期の目的を達成することができ
る等の効果を有する。
尚、従来の化学メッキ方法として、被メッキ基材を、金
属捕捉性官能基を有する化学物を含む水性溶液又は有機
溶媒溶液と接触させ、基材表面に金属捕捉性官能基を持
つ化学物の皮膜を形成させるか或いは金属捕捉性官能基
を持つ化合物を基材中に混入し、しかして該被メッキ基
材を、還元剤としてボロン化合物を含むメッキ液で処理
するメッキ方法が知られているが、まず前者の表面処理
法により金属捕捉性官能基の皮膜を形成する方法では皮
膜の付加状態が悪かったり(例えば固体表面に表面処理
化合物の液の濡れが悪かったりすると、はじいた部分に
は皮膜が付加しない)、或いは皮膜が剥離したりする虞
れがあり、金属捕捉性官能基の均一分布が困難であり、
また後者の基材中に混入する方法では、基材表面におい
て金属捕捉性官能基を持つ化合物を均一に分布させるこ
とは困難である。このようにいずれの場合においても、
金属捕捉性官能基の付加分布状態が不均一になり、その
結果、金属の皮膜形成状態が不均一になり且つ皮膜の欠
落も起こり易いという欠点がある。
本発明ではポリマー骨格に金属吸着性の官能基を結合し
てなる樹脂の粉粒体を用いるので、表面の金属吸着性官
能基の分布状態は均一であり、従って金属皮膜形成状態
も均一となり、その結果、導電性に優れたものとなる
上、導電性の経時劣化がなく、長期導電信頼性にも優れ
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−199773(JP,A) 特開 平1−242782(JP,A) 特開 昭60−59070(JP,A) 特開 昭62−124278(JP,A) 特開 昭64−87509(JP,A) 特開 昭61−64882(JP,A) 金属表面技術協会編「金属表面技術講座 9 無電解メッキ」(3版)昭46.4.25 (株)朝倉書店 P.144〜147

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリマー骨格に金属吸着性の官能基を結合
    してなる樹脂の粉粒体を貴金属化合物の溶液と接触させ
    て官能基に金属イオンを吸着させた後、ヒドラジン、ヒ
    ドラジン塩(ヒドラジン硫酸塩、ヒドラジン塩酸塩)、
    ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、蟻酸、グリオキ
    ザール、ロッシェル塩、ヒドロキシルアミン、水素、ブ
    ドウ糖、アスコルビン酸、次亜燐酸、次亜燐酸塩から選
    ばれた1種又は2種以上の混合物からなる還元剤溶液と
    接触させて還元して貴金属を析出せしめて形成した貴金
    属皮膜を表面に有することを特徴とする金属皮膜を有す
    る樹脂粉粒体。
  2. 【請求項2】ポリマー骨格に金属吸着性及び還元剤吸着
    性の官能基を結合してなる樹脂の粉粒体の該官能基に還
    元剤を吸着させた後、貴金属化合物の溶液と接触させ、
    貴金属イオンを還元して析出せしめて形成した貴金属皮
    膜を表面に有することを特徴とする貴金属皮膜を有する
    樹脂粉粒体。
  3. 【請求項3】ポリマー骨格に金属吸着性の官能基を結合
    してなる樹脂の粉粒体を貴金属化合物の溶液と接触させ
    て官能基に貴金属イオンを吸着させた後、ヒドラジン、
    ヒドラジン塩(ヒドラジン硫酸塩、ヒドラジン塩酸
    塩)、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、蟻酸、グ
    リオキザール、ロッシェル塩、ヒドロキシルアミン、水
    素、ブドウ糖、アスコルビン酸、次亜燐酸、次亜燐酸塩
    から選ばれた1種又は2種以上の混合物からなる還元剤
    を貴金属化合物溶液中に添加するか又は貴金属イオンを
    吸着した樹脂粉粒体を貴金属化合物溶液から取り出して
    還元剤溶液と接触させて、貴金属イオンを還元して貴金
    属皮膜を樹脂粉粒体表面に形成するようにしたことを特
    徴とする貴金属皮膜を有する樹脂粉粒体の製造方法。
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