JP2632007B2 - 磁性無電解めっき粉体の製造方法 - Google Patents

磁性無電解めっき粉体の製造方法

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JP2632007B2 JP63166257A JP16625788A JP2632007B2 JP 2632007 B2 JP2632007 B2 JP 2632007B2 JP 63166257 A JP63166257 A JP 63166257A JP 16625788 A JP16625788 A JP 16625788A JP 2632007 B2 JP2632007 B2 JP 2632007B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、雲母粉体に濃密で実質的に連続性の磁性皮
膜を形成する磁性無電解めっき粉末の製造方法に関す
る。
〔従来の技術〕
従来、有機質や無機質の芯材に金属皮膜を無電解めっ
き法によって形成する方法は、多様の産業分野で実用さ
れている。通常の無電解めっき法は、予め調製されため
っき液に芯材を浸漬して経験的に定められた時間内で反
応させたのち、反応を停止させる手段が採られている。
このような従来技術とは異なり、芯材を水性スラリー
化したのち、これに無電解めっき液を添加してめっき皮
膜を形成する技術(添加方式)が本出願人によって開発
されている(特開昭60−59070号公報、特開昭60−19779
号公報、特開昭60−177182号公報、特開昭60−177183号
公報)。また有機質芯材に無電解めっきする方法におい
て、貴金属捕捉性表面処理剤で貴金属を担持させる予備
処理を施したのち、無電解めっきをおこなうことにより
摩擦下の抵抗性に優れる金属皮膜を形成する技術につい
ても既に提案している(特開昭61−65882号公報)。こ
のほか、無電解めっきしたニッケル被膜マイカを加熱処
理することにより発色させる方法が知られている(特開
昭59−78248号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、これまで粉体状の芯材に磁性を帯びた
金属の無電解めっき皮膜を形成する方法については開発
されていない。
例えばNiまたはNi−Co系金属は磁性を有することか
ら、これらのめっき皮膜も磁性を有する筈であるが、従
来の建浴方式を適用する場合にはめっき処理の条件によ
って析出金属皮膜の物性が可変するため必ずしも全ての
めっき皮膜が磁性を帯びるとは限らない。すなわち、次
亜リン酸ナトリウムを還元剤として建浴方式によりNi無
電解めっきを施す場合には、一般に採用されるpH4〜5.5
の浴組成では形成されるNiめっき皮膜はリン含有量が多
い非晶質金属となるため、非磁性となる。また、pH6〜
8の範囲ではリン含有量が低下して析出金属は磁性を示
すが、めっき速度が遅延すると共に金属皮膜の光沢が消
失する現象が生じる。pHが9以上になると、めっき浴が
不安定となって自己分解し易いなどの問題が起こるた
め、アルカリ側でのめっき処理は実用的ではなくなる。
本発明者らは、先行技術の添加方式による無電解めっ
き技術を特定の条件下でおこなうと、芯材が無機質の粉
体であっても均質で強固な磁性金属皮膜を形成しえる事
実を確認した。
本発明は前記の知見に基づいて開発されたもので、そ
の目的は雲母粉体に濃密で実質的に連続性の強固なNiま
たはCo系の磁性めっき皮膜を形成することができる磁性
無電解めっき粉体の製造方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の目的を達成するための本発明による磁性無電解
めっき粉体の製造方法は、アミノシランカップリング剤
により表面処理した粉末状雲母芯材を貴金属塩の酸性水
溶液に分散させたのち還元処理して芯材表面に貴金属を
担持させる触媒化工程と、前工程で処理された芯材を錯
化材水溶液に均一分散させてpH7〜10の水性スラリーを
形成し、該水性スラリーにNi、Coもしくはこれら合金の
金属塩およひ次亜リン酸ナトリウムからなるめっき液を
分別添加して無電解めっき処理を施す無電解めっき工程
とからなることを構成上の特徴とする。
本発明の被めっき基材となる芯材としては、粉末状の
雲母が選択的に使用される。
触媒化工程は、粉末状雲母芯材を予めアミノシランカ
ップリング剤により表面処理を施したのち、貴金属塩の
酸性水溶液に分散させ、ついで還元処理するプロセスで
おこなわれる。貴金属塩としては、例えば塩化パラジウ
ムや硝酸銀等が用いられ、希薄な塩酸に溶解させて酸性
水溶液とする。該溶液における貴金属塩の濃度は、0.05
〜1g/の範囲に設定することが好ましい。還元処理
は、前記酸性水溶液に分散させて貴金属イオンを捕捉さ
せた芯材の表面を還元剤によって還元させる。還元剤と
しては、次亜リン酸ナトリウムが好ましく用いられる。
この場合、溶液中に錯化剤を介在さてもよい。したがっ
て、めっき液を構成する還元剤をこの前処理工程で用い
ることが合理的である。
無電解めっき工程は、触媒化処理後の芯材を錯化剤水
溶液に均一分散させてpH7〜10の水性スラリーを形成
し、この水性スラリーに磁性金属塩と次亜リン酸ナトリ
ウムを分別添加する操作でおこなわれる。錯化剤として
は、めっき金属イオンに対して錯化作用のある化合物が
用いられる。これには、例えばクエン酸、ヒドロキシ酢
酸、酒石酸、リンゴ、乳酸、グルコン酸等のヒドロキシ
カルボン酸またはそのアルカリ金属塩やアンモニウム
塩、グリシン等のアミノ酸、エチレンジアミン、アルキ
ルアミン等のアミン類、その他のアンモニウム塩、EDT
A、ピロリン酸塩等が挙げられ、その1種もしくは2種
以上が適用される。これら錯化剤の含有量は、水性スラ
リーに対し1〜100g/、望ましくは5〜50g/の範囲
とする。
水性スラリーのpHを7〜10に調整することは本発明の
重要な条件で、このpH範囲を外れる場合には磁性を呈す
る良質なめっき皮膜を形成することができなくなる。
水性スラリーに添加する磁性金属塩としては、Ni、Co
もしくはこれらの合金の金属塩、例えば硫酸塩、硝酸
塩、塩化物等が適用される。これら金属塩の溶液は、次
亜リン酸ナトリウム溶液と分別添加させる。ここに分別
添加とは、各液を混合せずに個別たは同時に水性スラリ
ーに添加することを意味する。この際、金属塩と次亜リ
ン酸ナトリウムの配合比はモル比として1:1〜5の範囲
に設定することが好ましい。
上記の触媒化工程および無電解めっき工程を介して粉
末状芯材芯材には磁性金属のめっき皮膜が形成される
が、得られためっき粉体は加熱発色処理を施すことによ
って任意の色調に変色させることができる。
この加熱発色処理は極めて微妙であって、加熱の温度
と時間およびめっき金属の物性によって多様な金属光沢
を呈するようになる。加熱の条件は250〜600℃、好まし
くは300〜450℃の温度域でおこなわれ、0.1〜4時間処
理される。この条件外では、発色しないか、発色後に灰
色を呈して美観を損なうなどの現象を招く。加熱の方法
は、電気炉のような静的加熱または流動床炉やロータリ
ーキルンのような動的加熱のいずれでもよい。
加熱の温度と時間は相関性が大であり、例えばNiめっ
き雲母粉体では、350℃の一定温度において最初は黄色
に呈色し、その後次第に赤紫色、青色、緑色に経時変化
する。また、このような着色めっき皮膜の金属光沢性
は、通常、芯材の形状および大きさに影響を受け、形状
が大きく平滑面のある芯材ほど美観のある着色めっき皮
膜が得られる。その他、めっき皮膜の色調は、めっき層
の厚さ、めっき金属芯材の種類によっても微妙に変化す
る。
〔作 用〕
本発明によれば、アミノシランカップリング剤により
表面処理した粉末状雲母芯材を貴金属塩の酸性水溶液に
分散させたのち還元処理する触媒化工程において、雲母
粉体面に均一な触媒核が形成される。引く続き芯材を錯
化剤水溶液に均一分散させてpH7〜10に調整するという
選択的条件により水性スラリーを形成し、この水性スラ
リーにNiまたはCo系の金属塩と次亜リン酸ナトリウムを
分別添加する無電解めっき工程を介して無電解めっき雲
母粉体が形成される。この2段工程による作用によっ
て、芯材の表面に濃密で実質的に連続性のめっき皮膜が
被覆され、かつ全体として磁性を有する無電解めっき粉
体が得られる。
また、上記の磁性無電解めっき粉体を特定の条件で加
熱発色処理すると、めっき皮膜を各種の色調に変色させ
ることが可能となる。この加熱発色の機構に関する詳細
は不明であるが、加熱に伴って形成される薄い酸化皮膜
の光干渉によるものと考えられる。かかる加熱発色処理
により磁性特性にも変化が認められるが、非磁性めっき
粉体が磁性を帯びることはあっても、その逆に磁性めっ
き粉末が非磁性になることはない。
〔実施例〕
実施例1〜8、比較例1〜2 〔触媒化工程〕 真比重2.89、平均粒径20.8μmの雲母粉体30gをアミ
ノシランカップリング剤〔チッソ(株)製“S−330"0.
1g/水溶液1に投入し、約15分間撹拌して十分に分
散させたのち、濾過分離した。ついで、105℃の温度で
乾燥した芯材を0.1g/の塩化パラジウムおよび0.1ml/
の塩酸からなる活性化溶液1に投入し、十分に撹拌
分散さたのち濾過、リパルプ、濾過を順次に施してパラ
ジウムイオンを捕捉させた。
次に、パラジウムイオンを捕捉した雲母粉末を各種の
錯化剤水溶液1に投入して均一に撹拌分散して水性ス
ラリーを調製した。用いた錯化剤の種類および水性スラ
リーのpHを表1に示した。
ついで、水性スラリーを80℃に加温したのち、次亜リ
ン酸ナトリウム粉末を2g投入して撹拌溶解させた。添加
後、間もなく水素ガス発生に伴って発泡し始めたが、発
泡が終了したところで触媒化処理を完了させた。
〔無電解めっき工程〕
ついで、表2に示す無電解めっき液をa液とb液に分
けてそれぞれ86mlを10ml/粉の添加速度で撹拌しながら
同時に添加して、常に当初のpHを保持した。
無電解めっき液の全量を添加したのち、水素の発生が
停止するまで80℃の温度に保持しながら暫時撹拌を続け
た。ついで、水性スラリーを濾過、水洗、濾過、乾燥の
各処理を施して無電解ニッケルめっき被覆の雲母粉末を
得た。
濾過後の濾液は、いずれも無色透明であった。したが
って、無電解めっき液は完全にめっき反応により雲母表
面へニッケルめっきしたことが確認された。
得られたむ電解ニッケルめっき雲母粉体のうち実施例
1〜8のものはいずれも磁性を帯びていたが、比較例1
〜2のものは殆んど磁性を示さなかった。また、実施例
による無電解ニッケルめっき雲母粉体につき、電子顕微
鏡でその表面を観察したところ、いずれも微細な金属粒
子による均一かつ平滑な面を有しており、濃密で実質的
に連続皮膜として沈積被覆していることが認められた。
第1−a図(倍率500倍)および第1−b図(倍率5000
倍)は実施例による無電解めっき雲母粉体の表面粒子構
造を示した電子顕微鏡写真である。
実施例9 真比重2.89、平均粒径4.9μm、比表面積7.0m2/gの雲
母粉末30gを実施例1と同様にパラジウムイオンの捕捉
処理をおこない、5g/の酒石酸ナトリムウ水溶液1
に投入して分散させて温度70℃に加温した。
ついで、次亜リン酸ナトリウム粉末3gを添加溶解さ
せ、水素ガスの発生に伴う発泡現象が終了したところで
触媒化工程を完結させた。ついで、この水性スラリーに
224g/硫酸ニッケル溶液(a液)および226g/次亜リ
ン酸ナトリウム溶液と85g/水酸化ナトリウム溶液との
混合液(b液)からなるめっき液600mlを10ml/min.の速
度で分別添加した。添加は撹拌下でおこない、液のpHを
常に8.0±0.2に保持した。無電解めっき液の全量を添加
したのち、水素の発生が停止するまで70℃に保持しなが
ら撹拌を続けた。ついで、定法により回収操作を施して
無電解ニッケルめっき雲母粉体を得た。このめっき雲母
は磁性を有していた。
得られた無電解めっき雲母粉体につき、種々の加熱条
件を設定して電気炉で加熱したところ、表3に示すよう
な美観のある磁性着色めっき粉体が得られた。
実施例10〜17 真比重2.89、平均流径4.9μm、比表面積7.0m2/gの雲
母粉末30gを実施例1と同様にしてパラジウム捕捉処理
をおこない、5g/の酒石酸ナトリウム水溶液1に投
入して分散させ温度70℃に加温した。これに次亜リン酸
ナトリウム粉末3gを添加溶解させ、水素ガスの発生に伴
う発泡現象が終了したところで触媒化工程を完結させ
た。
次に、この水性スラリーに224g/硫酸ニッケル溶液
(a液)および226g/次亜リン酸ナトリウム溶液と85g
/水酸化ナトリウム溶液との混合液(b液)からなる
めっき液を表4に示す量に設定して各液共に10ml/min.
の添加速度で撹拌下に分別添加した。この間、スラリー
のpHを8.0に保持した。全量添加後、水素の発生が停止
するまで70℃に保持しながら撹拌を続けた。引き続き、
常法により回収操作を施してそれぞれ表4に示す金属化
率の無電解ニッケルめっき雲母粉体を得た。
得られた無電解めっき雲母粉体は、いずれも微細なニ
ッケル金属粒子による濃密で実質的に連続性のニッケル
皮膜が被覆された磁性を有するめっき品であった。
なお、表4の金属化率はめっき液添加量から求められ
る計算値であるが、めっき反応終了後の炉液がいずれも
無色透明であるところから、ほヾ理論的にめっき反応が
行われていることが判った。
実施例18 実施例9において、表5に示す組成のめっき液を用
い、各液とも5ml/min.の添加速度で分別添加した以外
は、全て同一条件で処理して無電解Ni−Co合金めっき雲
母粉体を得た。このめっき粉体は磁性を有し、また電子
顕微鏡観察により均一な連続性皮膜であることが認めら
れた。
実施例19 実施例9において、表6に示す組成のめっき液を用
い、各液とも5ml/min.の添加速度で分別添加する以外は
全て同一条件で処理して無電解Ni−Co合金めっき雲母粉
体を得た。このめっき粉体は磁性を有し、また電子顕微
鏡観察により均一な連続性皮膜であることが認められ
た。
比較例3 真比重2.89、平均粒径4.9μm、比表面積7.0m2/gの雲
母粉末30gを塩化第1錫10g/および塩酸1ml/からな
る水溶液2に投入し、撹拌下でよく分散させて15分間
感受性処理をおこなった。この処理物を水洗後、塩化パ
ラジウム1g/および塩酸1ml/からなる水溶液2に
投入し撹拌下でよく分散させ5分間活性処理をおこない
雲母粉末の表面に触媒核を形成させた。
ついで、硫酸ニッケル30g/、次亜リン酸ナトリウム
25g/、クエン酸ナトリウム20g/、酢酸ナトリウム10
g/および酢酸鉛0.001g/からなるpH5のめっき液20
を60℃に加温して建浴し、その浴に前記の触媒処理を施
した雲母粉を投入し撹拌分散させた。なお、反応中溶液
のpHは自動調節装置を用い160g/水酸化ナトリウム水
溶液の添加によりpH5に保持させた。また、途中で反応
が停止したら、200g/次亜リン酸ナトリウム水溶液を
小量づつ添加して反応を継続させた。次亜リン酸ナトリ
ウム水溶液を加えても発泡しなくなったら、全ての添加
を止め、濾過水洗し、濾過乾燥して、無電解ニッケル雲
母を得た。
得られた無電解ニッケルめっき雲母粉体は磁性を示さ
ず、また第2図の電子顕微鏡写真に示すように金属粒子
が粗くかつ不均質で、瘤状粒子が存在しているのみなら
ず、芯材の露出面が認められるものであった。
比較例4 真比重2.89、平均粒径4.9μm、比表面積7.0m2/gの雲
母粉末30gを比較例3と同様にして触媒化処理をおこな
い、20g/酒石酸ナトリウム水溶液1に投入して分散
させたのち、温度を70℃に加温して水性スラリーを調製
した。これに、次亜リン酸ナトリウム粉末を3g投入し撹
拌溶解させた。添加後間もなく発洗し始めたが、暫くし
て発洗が収まった時点で触媒化処理を完結させた。
この水性スラリーに224g/硫酸ニッケル水溶液(a
液)および226g/次亜リン酸ナトリウム溶液と119g/
水酸化ナトリウムの混合水溶液(b液)の核10.72を1
0ml/min.の速度で撹拌下に分別添加した。全量添加後、
水素の発生が停止するまで70℃の温度を保持しながら撹
拌を続けた。
ついで、濾過水洗し、濾過および乾燥の各処理を順次
に施して無電解ニッケルめっき雲母粉体を得た。得られ
ためっき品は磁性を帯びていたが、第3図の電子顕微鏡
写真に示すように金属粒子が瘤状に析出した表面性状を
呈しており、濃密な連続性のめっき皮膜は形成されてい
なかった。
比較例5 真比重2.89、平均粒径4.9μm、比表面積7.0m2/gの雲
母粉末30gを実施例1と同一工程で触媒化処理を行っ
た。次に比較例3と同一条件で建浴しためっき液(pH
5)により無電解ニッケルめっきを施して無電解ニッケ
ルめっき雲母粉体を得た。
得られためっき品は磁性を示さず、そのめっき皮膜は
第4図の電子顕微鏡写真に示すように金属粒子が粗く、
不均質のものであった。
比較例6 真比重2.89、平均粒径4.9μm、比表面積7.0m2/gの雲
母粉体30gにつき実施例1と同一条件でパラジウムイオ
ンの捕捉による触媒化処理を施した。処理後の芯材雲母
を、5g/酒石酸ナトリウム水溶液1に投入して分散
させ、温度を70℃に加温して水性スラリーを調製した。
ついで、224g/硫酸ニッケル水溶液(a液)および2
26g/次亜リン酸ナトリウムと119g/水酸化ナトリウ
ムの混合水溶液(b液)の各20mlを撹拌下に分別添加し
てめっき反応を開始させたのち、直ちにa液およびb液
を同様にして10ml/min.の速度で各液量2.4添加した。
全量添加後、水素の発生が停止するまで70℃を保持しな
がら撹拌を続けた。この液を濾過、水洗、濾過および乾
燥して得た無電解ニッケルめっき雲母粉体は、第5−a
図(拡大倍率500倍)および図5−b(拡大倍率5000
倍)の電子顕微鏡写真に示したように実施例1のめっき
品に比べてめっき皮膜性状が劣るものであった。
めっき皮膜の評価 実施例10〜17および比較例1〜4で得られた無電解ニ
ッケルめっき雲母粉体6.3mlをポリプロピレン35.7ml(3
2.13g)〔三菱油化(株)製、MA−4、PPホモポリマ
ー〕と共にBRABENDER PLASTOGLAPHを用いて温度220℃、
回転数30rpmの条件で5分間混練したのち、熱ロールで
板状に圧延し、更にホットプレスで厚さ1mmの板を成形
した。成形した板を30×60mmに裁断した試験片につき電
気比抵抗値を測定した。その結果を表7に示した。
表7から明らかなように、比較例品は実施例品に比べ
てニッケルめっき膜厚が大であるにもか拘らず、樹脂混
練後の電気比抵抗が高くなっている。これは、樹脂との
混練に際して摩擦により、めっき皮膜の剥離が生じたこ
とを意味するから、本発明に係るめっき皮膜はいずも摩
擦抵抗性の大きい被覆力のすぐれたものであることが判
明する。
〔発明の効果〕
以上のとおり、本発明によれば特定の触媒化工程なら
びに無電解めっき工程からなる無電解めっき処理を介し
て雲母芯材面に瘤状粒子やめっきムラ等のない均質微細
な金属粒子による濃密で実質的に連続製の磁性めっき皮
膜を形成することが可能となる。また、この無電解磁性
めっき粉体に加熱処理することによって着色性のめっき
皮膜に転化させることができる。
この種の磁性めっき品は従来知られていなかったの
で、興味ある磁性材料として各種の応用分野への有用性
が期待できる。
【図面の簡単な説明】 図は無電解ニッケルめっき雲母粉体表面の粒子構造を示
した電子顕微鏡写真で、第1−a図(拡大倍率500倍)
および第1−b図(拡大倍率5000倍)は本発明の実施例
によるもの、第2図(拡大倍率10000倍)は比較例3、
第3図(拡大倍率10000倍)は比較例4、第4図(拡大
倍率10000倍)は比較例5、そして第5−a図(拡大倍
率500倍)および第5−b図(拡大倍率5000倍)は比較
例6のものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/20 H01F 1/20 (56)参考文献 特開 昭60−181294(JP,A) 特開 昭59−182961(JP,A) 特開 昭62−30885(JP,A) 特開 平1−242782(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノシランカップリング剤により表面処
    理した粉末状雲母芯材を貴金属塩の酸性水溶液に分散さ
    せたのち還元処理して芯材表面に貴金属を担持させる触
    媒化工程と、前工程で処理された芯材を錯化剤水溶液に
    均一分散させてpH7〜10の水性スラリーを形成し、該水
    性スラリーにNi、Coもしくはこれら合金の金属塩および
    次亜リン酸ナトリウムからなるめっき液を分別添加して
    無電解めっき処理を施す無電解めっき工程とからなるこ
    とを特徴とする磁性無電解めっき粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1の工程により得られた磁性無電解
    めっき粉体を、250〜600℃の温度域で0.1〜4時間加熱
    発色処理する磁性無電解めっき粉体の製造方法。
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