JP4637559B2 - 着色粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、彩度の高い金属調透明着色粒子を得るための製造方法に関するものである。
従来、着色金属調外観を付与する場合には、アルミニウム粉等の金属ペーストと顔料を混合した塗料を被塗物に塗布する方法があったが、このような被膜では、顔料とアルミニウム粉がランダムに分散しているため、被膜表面からの入射光がアルミニウム粉表面で反射しても、途中で顔料に遮られるため、輝度や透明感が失われやすい傾向がある。
これに対して、特公平6−92546号公報(特許文献1)には、アルミニウム等のメタリック顔料の表面に、二重結合を有する1種以上のカルボン酸を熱重合して得られた1個以上の二重結合と2個以上のカルボキシル基とを有するカルボン酸を介して着色顔料を予め化学吸着させてなる着色メタリック顔料の製造方法が記載されている。
特許第2619266号公報(特許文献2)には、貴金属イオンを表面に捕捉させた芯材粉末を還元して、該貴金属を芯材表面に担持せしめる第一工程、前工程で処理された芯材粉末を分散させて水性懸濁液を調整し、これに無電解めっき構成液を少なくとも2液にして、個別かつ同時に添加して、無電解めっき反応を行わせる第二工程、および得られた無電解めっき粉末を可動状態で300〜450℃の温度に加熱処理して、めっき層を発色させる第三工程によって着色無電解めっき粉末を製造する方法が記載されている。
また、特開2001−247998号公報(特許文献3)には、非水溶性の無機または有機の微粉末(染料や顔料等)を、芳香族アゾ化合物残基を有するアゾ界面活性剤と共に水媒体中に分散させて金属めっき浴に添加し、電解を行うことによって、陰極に複合メッキを形成させる方法が記載されている。
特公平6−92546号公報 特許第2619266号公報 特開2001−247998号公報
しかし、金属調の輝度を有しながら、透明感のある彩度の高い着色粒子を得ようとする場合、特許文献1のような隠蔽性の高い金属基体は不適切である。また、特許文献1の方法では、基体粒子が酸やアルカリ等と反応する場合があるため、実用的な耐久性の確保を目的とした樹脂等による保護被覆層が必要となり、製造工程が煩雑となりやすい。特許文献2に記載の方法では、高温での加熱処理によって粒子表面に薄い酸化皮膜が形成され、その薄膜の光干渉により種々の色彩が得られるが、加熱温度、加熱時間等を厳密に管理しなければ一定の色彩を得ることができないという欠点がある。特許文献3のような電解法によるめっきでは、水中で分散してしまう基体粒子を固定電極とすることができないため、粒状の基体粒子の着色には不向きである。このように、上記特許文献に記載の各方法では、彩度の高い金属調透明着色粒子を得ることは難しい状況である。
ところで、一般的な着色材料のうち、有機顔料は高い彩度を有し、鮮やかな色彩を呈することが知られている。この有機顔料を上記特許文献2に記載されているような無電解めっき法に利用すれば、彩度の高い金属調透明着色粒子が得られるものと期待できる。
しかしながら、無電解めっきを行う場合、単に有機顔料を添加するのみでは、基体粒子の表面で金属被膜が形成され難くなる。すなわち、無電解めっき法における有機顔料の導入は、めっき反応の阻害要因となるおそれがある。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたものであり、金属調の輝度を有しながら、透明感のある彩度の高い着色粒子を得ることを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定分散剤によって分散された有機顔料を、透明性を有する非金属の基体粒子が懸濁した水性分散液と混合した後、金属塩溶液及び還元剤溶液を滴下する方法に想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.透明性を有する基体粒子、及び有機顔料を含み、カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤が添加された水性分散液(A)を調製し、該水性分散液(A)を攪拌しながら金属塩溶液(B)及び還元剤溶液(C)を同時に滴下して、無電解めっき反応を行わせることを特徴とする着色粒子の製造方法。2.透明性を有する基体粒子の表面をアミノ基含有シランカップリング剤で処理し、次いで貴金属からなるめっき核を基体粒子表面に生成させた後、該基体粒子、及び有機顔料を含み、カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤が添加された水性分散液(A)を調製し、該水性分散液(A)を攪拌しながら金属塩溶液(B)及び還元剤溶液(C)を同時に滴下して、無電解めっき反応を行わせることを特徴とする着色粒子の製造方法。3.前記水性分散液(A)が、水1000重量部に対して、前記基体粒子を10〜100重量部、前記有機顔料を0.001〜0.5重量部、前記カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤をカチオン性顔料分散剤とノニオン性顔料分散剤の合計量で0.0001〜0.05重量部含むものである1.または2.に記載の着色粒子の製造方法。4.前記金属塩溶液(B)における金属塩の濃度が5〜50g/Lである1.〜3.のいずれかに記載の着色粒子の製造方法。
本発明では、無電解めっき反応において、安定的に有機顔料を導入することができる。すなわち、本発明の着色粒子の製造方法によれば、透明を有する基体粒子表面において、金属塩溶液から還元析出した金属被膜に埋もれるように有機顔料が固定化され、しかも該金属被膜は基体粒子の透明性が失われない程度に被着されるため、金属光沢を呈すると同時に有機顔料の彩度の高い色彩と基体粒子の透明感を併せた美麗な外観を有する着色粒子を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明における基体粒子としては、透明性を有する非金属の基体粒子を使用する。このような基体粒子は、ガラス、プラスチック、天然石等の透明性を有するものであれば特に限定されるものではなく、これらの粉砕粒子、フレーク、フィルム片、ビーズ、ファイバー等、あらゆる形状のものが可能である。これら基体粒子は、透明性が損なわれない限り、金属蒸着等が施されたものであってもよい。基体粒子の平均粒子径は、通常10〜1000μm(好ましくは100〜600μm)程度である。
本発明では、後述の無電解めっき反応を円滑に行うために、これら基体粒子に予め表面処理を行うことが望ましい。この表面処理の際にシランカップリング剤を用いることで、有機顔料と金属被膜の基体粒子への固着が強固なものとなる。シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。この中でも特に、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基含有シランカップリング剤が好ましい。このような表面処理は、通常、シランカップリング剤を溶解した水に、基体粒子を添加攪拌して分散させ、その後、濾過、乾燥工程を経て完了する。このような表面処理を行う場合、各成分の比率は、水100重量部に対して、基体粒子10〜50重量部、シランカップリング剤0.001〜1重量部とすることが望ましい。
基体粒子を表面処理した後、続いて、該基体粒子を貴金属塩の水分散液に分散させて、基体粒子の表面に貴金属微細粒子を担持させる。この工程によって基体粒子表面に担持された貴金属は、後述の金属塩の還元析出において触媒作用を成すと共に金属析出成長の核(めっき核)となる。このような貴金属としては、例えばパラジウム、銀等をあげることができ、貴金属塩としては塩化パラジウム、硝酸銀等を用いることができる。このとき各成分の比率は、水100重量部に対して、基体粒子を10〜50重量部、貴金属塩を0.001〜0.01重量部とすることが望ましい。
本発明では、以上のような基体粒子と、有機顔料と、カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤を必須成分とする水性分散液(A)を調製する。本発明では、このように基体粒子と有機顔料とその分散剤を共存させ、さらに分散剤として特定のものを採用することにより、基体粒子表面における金属被膜の形成と、その金属被膜への有機顔料の固定化が可能となる。有機顔料とその分散剤を水性分散液(A)以外の溶液に混合した場合は、めっき反応が阻害され、目的とする着色粒子を得ることができない。
このような水性分散液(A)は、通常、水1000重量部に対して、基体粒子を10〜100重量部、有機顔料を0.001〜0.5重量部、顔料分散剤(カチオン性顔料分散剤とノニオン性顔料分散剤の合計量)を0.0001〜0.05重量部含むものである。水性分散液(A)における各成分の比率がこのような範囲内であれば、基体粒子の透明性を保持しつつ、彩度の高い種々の色彩を付与することが可能となる。
水性分散液(A)における有機顔料としては、例えばフタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料、モノアゾレッド、ファーストイエロー、パーマネントイエロー、ジスアゾイエロー等のアゾ系顔料、ペリレンレッド等のペリレン系顔料、キナクリドンレッド等のキナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、メチン・アゾメチン系顔料、ベンゾイミダゾロン系顔料、ジオキサジン系顔料等が挙げられる。これら有機顔料は、最終的に得ようとする着色粒子の色相に応じて、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明では、有機顔料の分散剤として、カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤を使用する。本発明では、このような分散剤を選択することにより、基体粒子表面において金属被膜が形成され、その金属被膜中に有機顔料が固定化される。顔料分散剤としては、アニオン性顔料分散剤が一般的であるが、本発明においてアニオン性分散剤を使用すると、基体粒子表面で金属被膜が形成され難くなる。
カチオン性顔料分散剤としては、例えばアルキルアミン塩、アルキルアミンポリオキシエチレン付加物、脂肪族トリエタノールアミンモノエステル塩、アシルアミノエチルジエチルアミン塩、脂肪族ポリアミン縮合物等のアミン・アミン塩型、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アシルアミノアルキル型アンモニウム塩、アシルアミノアルキルピリジニウム塩、ジアシロキシエチルアンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩型、アルキルイミダゾリン、1−ヒドロキシエチル−2−アルキルイミダゾリン、1−アシルアミノエチル−2−アルキルイミダゾリン等のイミダゾリン・イミダゾリウム塩型等が挙げられる。
ノニオン性顔料分散剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル等のエーテル型、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル等の水溶性のエステル型等が挙げられる。
水性分散液(A)においては、上記顔料分散剤として、少なくともカチオン性顔料分散剤を必須成分として使用することが望ましい。
水性分散液(A)を調製するには、基体粒子を、顔料分散液(有機顔料を、カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤により水性媒体に分散させたもの)とともに水に混合・分散させる方法が好適である。このとき、顔料分散液とともに錯化剤を添加することが望ましい。
錯化剤は遊離したカチオン濃度をコントロールするために有効な成分である。このような錯化剤は、金属イオンと安定な可溶性錯体を形成するものであればよく、例えば、クエン酸、酢酸、酒石酸、シュウ酸、乳酸、マロン酸、リンゴ酸、サリチル酸、チオグリコール酸、エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、グリセロール、メソーエリトリトール、アドニトール、トランス−1,2−シクロヘキサジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン−2−オール四酢酸、トリエタノールアミン、トリイソパノールアミン、ニトリロ三酢酸、シアン化ナトリウム等が挙げられる。また、錯化剤の濃度はめっき速度に作用するために、調整する必要がある。この濃度は2〜40g/Lとすることが好ましい。
このような水性分散液(A)では、水1000重量部に対して、基体粒子を10〜100重量部(好ましくは20〜50重量部)、顔料分散液を10〜100重量部(好ましくは20〜50重量部)、錯化剤を2〜20重量部(好ましくは5〜10重量部)の比率とすることが望ましい。このうち、顔料分散液については、水100重量部に対して、有機顔料を0.01〜0.5重量部(好ましくは0.1〜0.2重量部)、顔料分散剤(カチオン性顔料分散剤とノニオン性顔料分散剤の合計量)を0.001〜0.05重量部(好ましくは0.05〜0.1重量部)の比率とすることが望ましい。
本発明では、上記水性分散液(A)に対して、金属塩溶液(B)と還元剤溶液(C)を同時に滴下する。この工程では、水性分散液(A)がめっき浴となり、滴下した各溶液の酸化−還元反応、すなわち無電解めっき反応によって、金属が有機顔料を巻き込みながら、基体粒子表面に析出する。このとき、水分散液(A)は適度に攪拌しておく必要がある。攪拌方法は公知の方法を採用することができ、水分散液(A)に滴下した金属塩溶液(B)と還元剤溶液(C)が瞬時に拡散・均一化する程度であればよい。このとき、水性分散液(A)に対する金属塩溶液(B)、還元剤溶液(C)の重量比率は、通常、50:(1〜5):(1〜5)程度である。
水性分散液(A)に金属塩溶液(B)と還元剤溶液(C)を滴下する際に用いる装置の一例を図1に示す。
本発明では、上述のカチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤を使用(特にカチオン性顔料分散剤を必須成分として使用)することによって、有機顔料の分散が良好となり、さらに、アミノ基含有シランカップリング剤で処理した基体粒子との作用によって、メッキ金属析出前の基体粒子への有機顔料の吸着が抑制される結果、金属光沢と透明着色感のバランスに優れた着色粒子が形成される。
基体粒子表面に析出させる金属(めっき金属)としては、ニッケルやその合金が好ましいが、その他に銅、コバルト、銀、パラジウム、金を使用することもできる。また、亜鉛やマグネシウムも使用することが可能である。金属塩溶液(B)においては、これら金属の塩を使用する。このような金属塩は、水溶性であればよく、例えば前記各種金属の硫酸塩、硝酸塩、塩酸塩、シアノ錯塩、酢酸塩、炭酸塩等が使用できる。
金属塩溶液(B)における金属塩の濃度は、目的とする金属感の程度に応じ適宜設定すればよいが、通常は5〜50g/L程度とすればよい。より具体的に、例えばニッケルの場合は10〜30g/L、銅の場合では10〜40g/Lが好ましい。金属塩の濃度がこのような範囲内であれば、基体粒子の透明性を保持しつつ、基体粒子表面に金属を被着させることができる。
還元剤溶液(C)としては、例えば、次亜リン酸塩、ヒドラジン、テトラヒドロホウ酸塩、ジメチルアミノボラン、ホルマリン、塩化鉄、チオ尿素、アスコルビン酸、三塩化チタン等の水溶液が挙げられる。これらはめっき金属の種類に応じて適宜組み合わせて使用することができ、ニッケルの場合は次亜リン酸ナトリウム、ジメチルアミノボラン、ヒドラジン、テトラヒドロホウ酸カリウムが好適であり、銅の場合は、ホルマリン、ジメチルアミノボラン、テトラヒドロホウ酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、グリオキシル酸、塩化鉄が好適であり、銀の場合はジメチルアミノボラン、テトラヒドロホウ酸カリウムが好適である。
還元剤溶液(C)の濃度は、めっき反応が還元剤の酸化により放出される電子によって進行するため、めっき速度に大きく影響する。また、還元剤の濃度がある限界を超えるとめっき液の安定性が悪くなるため、例えば、ニッケルめっきでの次亜リン酸塩の濃度は4.0〜30.0g/Lとすること望ましい。
また、還元剤が最適に作用するために、還元剤溶液(C)のpHは適宜調整することが望ましい。このpHは、めっきの金属種と還元剤および金属イオンの錯化剤との組み合わせによって最適な状態となるように適宜設定すればよく、例えば、硫酸ニッケル−次亜リン酸ナトリウムでは3〜12、特に8〜12とすることが望ましく、また銅−ホルマリンでは10〜13、銅−次亜リン酸ナトリウムでは微量のニッケルイオンを還元剤としpH9〜10程度の弱アルカリ性、テトラシアノ金(III)酸塩−次亜リン酸塩では3〜14、特にめっき浴温度が95℃未満の場合は3.0〜7.5、95℃以上では6.0〜13.0とすることが好ましい。
本発明における無電解めっきでは、反応の進行に伴い、金属イオン濃度が減少するとともに、例えば次亜リン酸塩の場合、
H2PO2- + H2O → H2PO3- + 2H+ + e−
で示される酸化反応によって水素イオン濃度が増大し、めっき浴のpHが低下する。このようなpH低下は、めっき膜の組成および形状に作用するおそれがあるため、めっき浴(水性分散液(A))には緩衝剤を添加することが望ましい。緩衝剤としては、一般に弱酸が使用でき、例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、トリメチル酢酸等のモノカルボン酸類、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、マレイン酸、イタコン酸等のジカルボン酸類、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、クエン酸等のオキシカルボン酸類、またホウ酸、炭酸、亜硫酸等の無機酸、ポリカルボン酸等の有機酸等が挙げられ、そのアルカリ金属塩との混合溶液が使用される。なお、上記のオキシカルボン酸やポリカルボン酸は緩衝剤として働く以外に、錯化剤としても作用する。
無電解めっき反応を行う際、めっき浴の温度は通常60〜90℃とする。めっき浴の温度がこのような範囲内であれば、浴が安定しめっきが効果的に実施される。
以上のような無電解めっき反応は、通常、水素ガスの発生が終了するまで行えばよい。無電解めっき反応後の溶液をろ過、乾燥することにより、金属調の透明性を有する着色粒子を得ることができる。このときの乾燥温度は、有機顔料が分解しない範囲内に設定すればよく、通常50〜100℃程度である。乾燥時間は、乾燥温度に応じて適宜設定すればよいが、例えば乾燥温度80℃の場合は2時間程度とすればよい。
本発明によって得られる着色粒子は、コーティング材料、シート材料、プラスチック成形材料等に使用することができる。この際、透明性を有する樹脂等によって着色粒子を固定化することにより、着色粒子の彩度、金属感、透明感等を十分に生かすことができる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
(実施例1)
カチオン性顔料分散剤(ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド)0.1g/L水溶液1.0Lに、フタロシアニンブルーを1.0g添加し450rpmで10分間処理し顔料分散液とした。
一方、平均粒子径160μmの鱗片状ガラスフレーク30gを、アミノシランカップリング剤(N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシラン)0.1g/L水溶液200mLに投入して、約60分間攪拌することにより分散させた後、濾過分離し、80℃の温度で乾燥した。乾燥後のガラスフレーク30gを0.1g/Lの塩化パラジウムおよび5mL/Lの塩酸からなる活性化液200mLに10分間、攪拌、浸漬させ濾過分離し、80℃の温度で乾燥した。次いで、5g/Lクエン酸三ナトリウム水溶液500mLに活性化処理したガラスフレークを10g投入し、ガラスフレークの活性化を完結させるため次亜リン酸ナトリウムを1g添加溶解させ、水素ガスの発生に伴う発泡現象が終了したところで、触媒化処理を終了とした。
この溶液中に上記の顔料分散液を10mL添加して水性分散液(a)を作製した。
水性分散液(a)の温度を80℃に設定した後、13.0g/L硫酸ニッケル溶液15mL(b)および11.0g/L次亜リン酸ナトリウムと4.0g/L水酸化ナトリウムの混合液15mL(c)の各液をそれぞれ0.5mL/minの速度で水性分散液(a)へ攪拌しながら同時に滴下した。
水素ガス発生の終了した時点をめっき反応の終了点とし、濾過分離し、次いで80℃の温度で乾燥した。
以上の方法により、ニッケルをバインダーとした金属色を有する半透明の青色フレークが得られた。
(実施例2)
フタロシアニンブルーの替わりにキナクリドンレッドを用いた以外は実施例1と全く同様の処理を行った。その結果、ニッケルをバインダーとした金属色を有する半透明の赤色フレークが得られた。
(実施例3)
フタロシアニンブルーの替わりにベンゾイミダゾロンを用いた以外は実施例1と全く同様の処理を行った。その結果、ニッケルをバインダーとした金属色を有する半透明の黄色フレークが得られた。
(実施例4)
(b)液として18g/L硫酸銅水溶液を使用し、(c)液として27.0g/L次亜リン酸ナトリウムと15.0g/L水酸化ナトリウムの混合液を使用した以外は、実施例1と全く同様の処理を行った。その結果、銅をバインダーとした金属色を有する半透明の青色フレークが得られた。
本発明に使用する装置の概略を示す図である。
符号の説明
1:ガラスセル
2:ホッティングスターラー
3:回転子
4:滴下ポンプ
5:水性分散液(A)
6:金属塩溶液(B)
7:還元剤溶液(C)

Claims (4)

  1. 透明性を有する基体粒子、及び有機顔料を含み、カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤が添加された水性分散液(A)を調製し、
    該水性分散液(A)を攪拌しながら金属塩溶液(B)及び還元剤溶液(C)を同時に滴下して、無電解めっき反応を行わせることを特徴とする着色粒子の製造方法。
  2. 透明性を有する基体粒子の表面をアミノ基含有シランカップリング剤で処理し、次いで貴金属からなるめっき核を基体粒子表面に生成させた後、
    該基体粒子、及び有機顔料を含み、カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤が添加された水性分散液(A)を調製し、
    該水性分散液(A)を攪拌しながら金属塩溶液(B)及び還元剤溶液(C)を同時に滴下して、無電解めっき反応を行わせることを特徴とする着色粒子の製造方法。
  3. 前記水性分散液(A)が、水1000重量部に対して、前記基体粒子を10〜100重量部、前記有機顔料を0.001〜0.5重量部、前記カチオン性顔料分散剤及び/またはノニオン性顔料分散剤をカチオン性顔料分散剤とノニオン性顔料分散剤の合計量で0.0001〜0.05重量部含むものである請求項1または2に記載の着色粒子の製造方法。
  4. 前記金属塩溶液(B)における金属塩の濃度が5〜50g/Lである請求項1〜3のいずれかに記載の着色粒子の製造方法。

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