JPH06102797B2 - 洗浄剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は洗浄剤組成物に関し、更に詳しくは衣類の縮み
防止性（フェルト収縮防止性）に優れた軽質の洗浄剤組
成物に関する。

〔従来の技術及びその課題〕

ウール製品、絹製品等の繊細な衣料は、生地を傷めない
ように軽質の洗剤を使用して手洗いであるいは弱い機械
力をかけて洗濯されている。

しかし、これらの衣料中でも特にウール製品はぬるま湯
中で軽くもみ洗い又は押し洗いする等の細心の注意を払
ってもなお縮む傾向（フェルト収縮）があることは日常
よく経験するところである。

先に、本発明者らはカチオン性基又は三級アミノ基を有
する粒径が0.005〜0.2μｍの微細な高分子ラテックスを
配合した軽質洗剤がフェルト収縮防止に著しい効果があ
ることを見出した（特開昭63−8492号公報、特開昭63−
89596号公報）。しかしながら、このような微細な高分
子ラテックスの製造は特殊な製造条件を必要とするな
ど、工業的に不利な面があった。

〔課題を解決するための手段〕

本発明者らは高分子ラテックスに代わる基剤について鋭
意研究した結果、ある種のシリコーン化合物を配合した
洗浄剤が優れたフェルト収縮防止効果を奏することを見
出し本発明を完成するに至った。

すなわち本発明は、 （ａ） 界面活性剤 ５〜70重量％ （ｂ） 下記一般式（Ｉ） 〔式中、 R:炭素数１〜４のアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基 R₁:炭素数１〜４のアルキル基であり、それぞれ異なっ
ていてもよい a,b;2〜６の整数 R₂,R₃;水素原子又は炭素数１〜４のアルキル基を示す c;1〜６の整数 d;0〜30の整数 R₄;炭素数６〜18のアルキル基 を示す。〕 で表されるアミノ変性シリコーンアミド化物 0.05〜５重量％ を含有してなる洗浄剤組成物を提供してなるものであ
る。

本発明に洗浄主基剤として使用される界面活性剤（ａ）
は、従来一般に使用されている疎水基の炭素数が８〜24
を有するものでよく、例えば陰イオン性界面活性剤とし
ては、直鎖又は分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、
アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又は
アルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカン
スルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はエステル、飽和
又は不飽和脂肪酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル
カルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、Ｎ−アシルアミ
ノ酸型界面活性剤、アルキル又はアルケニル燐酸エステ
ル又はその塩等が例示される。

また、両性界面活性剤としては、カルボキシ又はスルホ
ベタイン型界面活性剤等が、非イオン性界面活性剤とし
ては、ポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレン
オキサイド付加物、蔗糖脂肪酸エステル、脂肪酸エステ
ル、脂肪酸グリセリンモノエステル、アルキルアミンオ
キサイド等が例示される。

これらの界面活性剤の中でも特にアルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、オレフィンスルホ
ン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルが好適である。

界面活性剤は通常洗浄剤組成物中に５〜70重量％、好ま
しくは10〜40重量％配合される。

本発明に用いられる（ｂ）成分はアミノ変性シリコーン
中の窒素原子に結合する水素原子が、炭素数７〜24のア
シル基（アシル基鎖中にポリオキシエチレン鎖を有して
いてもよい）で置換された構造を有するアミノ変性シリ
コーンアミド化物である。アシル基の炭素数が７未満の
場合には十分なフェルト収縮防止効果が得られない。か
かるアミノ変性シリコーンアミド化物としては下記一般
式（Ｉ）で表される化合物が使用され、特にアシル基鎖
中に１〜30モル、好ましくは１〜10モルのポリオキシエ
チレン鎖を有するものが少量で優れた効果を奏するので
望ましい。

〔式中、 R:炭素数１〜４のアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基 R₁:炭素数１〜４のアルキル基であり、それぞれ異なっ
ていてもよい であり、ここで a,b;2〜６、好ましくは２〜３の整数 R₂,R₃;水素原子又は炭素数１〜４のアルキル基を示す であり、ここで c;1〜６、好ましくは２〜４の整数 d;0〜30、好ましくは１〜30、特に好ましくは１〜10の
整数 R₄;炭素数６〜18のアルキル基 を示す。〕 上記一般式（Ｉ）で示されるシリコーン化合物の分子量
は2000〜150000、アミン当量は1000〜20000の範囲が好
ましく、m,nはこれらに対応する数である。

（ｂ）成分は組成物中に0.05〜５重量％、好ましくは0.
1〜３重量％配合される。

尚、従来ジメチルポリシロキサンに代表されるシリコー
ン化合物は泡調節剤として一般に汎用されている。ま
た、特開昭60−215099号公報にはアミノ変性シリコーン
又はその誘導体を洗剤に少量配合することにより衣類に
柔軟性を付与できることが記載されている。しかしなが
ら、本発明で使用するアミノ変性シリコーンアミド化物
は従来洗剤系中で使用されているこれらのシリコーン化
合物とはその構造及び作用効果の両者において異なるも
のである。

本発明組成物の残部は水、芒硝等のフィラーであるが、
この種の軽質洗剤に配合される他の任意成分を配合する
ことができる。このような任意成分として、ポリアクリ
ル酸、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコー
ル、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤；プ
ロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の酵
素；塩化カルシウム等の酵素安定化剤；エタノール等の
低級アルコール；ベンゼンスルホン酸塩、ｐ−トルエン
スルホン酸塩等の低級アルキルベンゼンスルホン酸塩；
プロピレングリコール等のグリコール類；安息香酸塩、
尿素等の可溶化剤;t−ブチルヒドロキシトルエン、ジス
チレン化クレゾール等の酸化防止剤；その他蛍光染料、
青味付剤、香料、抗菌剤等が挙げられる。

また、本発明組成物は通常の洗剤ビルダー成分を実質上
含まないことが望ましいが、ジグリコール酸塩、リン酸
塩、炭酸塩等のビルダー成分を２〜３重量％以下であれ
ば配合することもできる。

〔実 施 例〕

以下実施例にて本発明を説明するが、本発明はこれらに
限定されるものではない。

実施例１ 第１表に示す各種洗浄剤組成物を調製し、以下の方法に
よりフェルト収縮率及び面積収縮率を測定した。

〔Ｉ〕フェルト収縮率及び面積収縮率の測定 （１）供試布の調製 三方をロックミシンでかがった、大きさ10×10cmのウー
ルの未加工布を、常温の水道水に30分間浸漬後、脱水槽
にて30秒間脱水し、網の上に載せて平干しし、20℃、65
％RHで４時間以上調湿した。この布に油性のサインペン
で４カ所印を付け、それぞれに番号を付した後、それぞ
れの印の間の長さを測定し（タテa₁ ⁰,a₂ ⁰;ヨコb₁ ⁰,
b₂ ⁰）、この長さを原長とした。

（２）洗濯方法 ターグ−Ｏ−トメーター（Terg-O-Tometer,上島製作所
製）を用い、（１）で得た供試布３枚を１つのポットに
入れ、120r.p.m.で10分間回転させて洗濯を行った。各
洗剤濃度は0.25重量％とし、水温は20℃とした。すすぎ
としては、一回目はポット中の流水すすぎ、二回目は手
洗い桶中の流水すすぎを行った。次いでこの供試布を洗
濯機の脱水槽の壁につけて30秒間脱水後、網の上にのせ
て平干しして乾燥させ、20℃、65％RHで４時間以上調湿
した。

更に、先に（１）で付した印について再度それらの間の
長さを測定し（タテa₁ ^W,a₂ ^W;ヨコb₁ ^W,b₂ ^W）、これから
次式に従ってフェルト収縮率を算出し、それより面積収
縮率を算出した。この結果を第１表に示す。

〈収縮率の算出（IWS TM9より）〉 R.M.:洗濯前の測定値（原長） W.M.:洗濯後の測定値 〈面積収縮率の算出〉 W.S.:横方向のフェルト収縮率 L.S.:縦方向のフェルト収縮率 分子量14000、アミン当量4670 シリコーン（２）；一般式（Ｉ）において R,R₁:CH₃ 分子量7000、アミン当量3500 シリコーン（３）；一般式（Ｉ）において R,R₁:CH₃ 分子量6000、アミン当量3000 高分子ラテックス； ｎ−ブチルアクリレート／ジエチルアミノエチルメタク
リレート＝95/5、重量平均径0.07μｍ、ガラス転移点21
9゜Ｋ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】（ａ） 界面活性剤 ５〜70重量％ （ｂ） 下記一般式（Ｉ） 〔式中、 R:炭素数１〜４のアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキ
   シ基 R₁:炭素数１〜４のアルキル基であり、それぞれ異なっ
   ていてもよい a,b;2〜６の整数 R₂,R₃;水素原子又は炭素数１〜４のアルキル基を示す c;1〜６の整数 d;0〜30の整数 R₄;炭素数６〜18のアルキル基 を示す。〕 で表されるアミノ変性シリコーンアミド化物0.05〜５重
   量％ を含有してなる洗浄剤組成物。