JPH06102680A - 電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ - Google Patents

電子写真感光体、該電子写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリ

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JPH06102680A
JPH06102680A JP4274882A JP27488292A JPH06102680A JP H06102680 A JPH06102680 A JP H06102680A JP 4274882 A JP4274882 A JP 4274882A JP 27488292 A JP27488292 A JP 27488292A JP H06102680 A JPH06102680 A JP H06102680A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大きな感度を有し、しかも繰り返し使用時の電
位が安定に維持でき、電荷輸送層にクラックを生じた
り、電荷輸送化合物の結晶化などが生じないこと、反転
現像系でも転写メモリ−が生じにくい電子写真感光体を
提供することである。 【構成】下記のトリアリ−ルアミン化合物を含有する感
光層を有することを特徴とする電子写真感光体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真感光体、該電子
写真感光体を備えた電子写真装置並びにファクシミリに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体としては、セレ
ン、硫化カドミウム、酸化亜鉛などを主成分とする感光
層を有する無機感光体が広く用いられてきた。これらは
ある程度の基礎特性を備えてはいるが、成膜性、可塑性
などに問題がある。さらに無機光導電性材料は一般的に
毒性が強く、製造上並びに取り扱い上にも大きな制約が
あった。
【0003】一方、有機導電性化合物を主成分とする有
機感光体は、無機感光体の上記欠点を補うなど多くの利
点を有し、これまで数多くの提案がされ、いくつか実用
化されてきている。このような有機感光体として、ポリ
−N−ビニルカルバゾ−ルに代表される光導電性ポリマ
−などと2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノンな
どのルイス酸とから形成される電荷移動錯体を主成分と
する感光体が提案されている。これらの有機光導電性ポ
リマ−は軽量性、成膜性などの点では優れているが、感
度、耐久性、環境変化による安定性などの面で無機光導
電性材料に劣り、必ずしも満足できるものではない。
【0004】電荷発生機能と電荷輸送機能とをそれぞれ
別の物質に分担させた機能分離型電子写真感光体が、従
来の有機感光体の欠点とされていた感度や耐久性に著し
い改善をもたらした。このような機能分離型感光体は、
電荷発生物質と電荷輸送物質の各々の材料選択範囲が広
く、任意の特性を有する電子写真感光体を比較的容易に
作成できるという利点を有している。電荷発生材料とし
ては、アゾ系顔料、多環キノン顔料、シアニン色素、ス
クエアリック酸染料、ピリリウム塩系色素などが知ら
れ、中でもアゾ系顔料は耐光性が強い、電荷発生能力が
大きい、材料合成が容易などの点から数多くの顔料が提
案されている。電荷輸送材料としては、例えば特公昭5
2−4188号公報のピラゾリン化合物、特公昭55−
42380号公報および特開昭55−52063号公報
のヒドラゾン化合物、特公昭58−32372号公報お
よび特開昭61−132955号公報のトリフェニルア
ミン化合物、特開昭54−151955号公報および特
開昭58−198043号公報のスチルベン化合物など
が知られている。これらの電荷輸送材料に要求されるこ
とは、光、熱に対して安定であること、コロナ放電によ
り発生するオゾン、NOX 、硝酸などに対して安定であ
ること、高い電荷輸送能を有すること、有機溶剤、結着
剤との相溶性が高いこと、製造が容易で安価出あること
などが挙げられる。また近年の更なる電子写真感光体の
高耐久化の要望に伴い、耐久性向上のために感光層上に
保護層を設けたり、複写機やレ−ザ−ビ−ムプリンタ−
などで感光体を長期保存することなどにより、電荷輸送
層にクラックが生じたり、電荷輸送材料が結晶化、相分
離するという現象が生じ画像欠陥となることがある。ま
た近年のデジタル化に対応した反転現像系では、一次帯
電と転写帯電が逆極性のため、転写の有無により帯電性
が異なるいわゆる転写メモリ−が生じ、画像上濃度むら
として非常に現れやすくなっている。
【0005】従来の低分子の有機化合物を電荷輸送材料
として用いた電子写真感光体では、前述の問題点や要求
を一部は満足するが全てを高いレベルで満足するものは
ないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は第一に
大きな感度を有し、しかも繰り返し使用時の電位が安定
に維持できる電子写真感光体を提供すること、第二に感
光層上に保護層を設けたり、複写機やレ−ザ−ビ−ムプ
リンタ−などで長期保存しても電荷輸送層にクラックを
生じたり、電荷輸送化合物の結晶化などが生じない電子
写真感光体を提供すること、第三に反転現像系でも転写
メモリ−が生じにくい電子写真感光体を提供すること、
第四に製造が容易でかつ安価に提供できる新規な有機光
導電性化合物を提供すること、該電子写真感光体を備え
た電子写真装置並びにファクシミリを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は下記一般式
(1)で示すトリアリ−ルアミン化合物を含有する感光
層を有することを特徴とする電子写真感光体から構成さ
れる。一般式(1)
【化2】 式中、R1 、R2 およびR3 は水素原子、置換基を有し
てもよいアルキル基、アラルキル基または芳香環基を示
し、Ar1 、Ar2 およびAr3 は置換基を有してもよ
い芳香環基を示す。ある。
【0008】具体的には、アルキル基としては炭素数1
〜4の基、アラルキル基としてはベンジル、フェネチ
ル、ナフチルメチルなどの基、芳香環基としてはフェニ
ル、ナフチルなどの基が挙げられる。
【0009】上記基が有してもよい置換基としては炭素
数1〜4のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロポキ
シなどのアルコキシ基、フェニル、ナフチルなどの芳香
環基またはフッ素、塩素、ヨウ素、臭素などのハロゲン
原子などが挙げられる。
【0010】次に本発明の一般式(1)で示すトリアリ
−ルアミン化合物の代表例を表1〜4に挙げる。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0011】本発明の電子写真感光体は、前記一般式
(1)で示すトリアリ−ルアミン化合物からなる電荷輸
送物質と適当な電荷発生物質を組み合わせて構成され
る。感光体の構成としては、例えば以下の形態が挙げら
れる。 (1)電荷発生物質を含有する層/電荷輸送物質を含有
する層 (2)電荷輸送物質を含有する層/電荷発生物質を含有
する層 (3)電荷発生物質と電荷輸送物質を含有する層 (4)電荷発生物質を含有する層/電荷発生物質と電荷
輸送物質を含有する層
【0012】前記一般式(1)で示すトリアリ−ルアミ
ン化合物は、正孔に対し高い輸送能を有するため、上記
形態の感光層における電荷輸送物質として用いることが
できる。感光層の形態が(1)の場合は負帯電、(2)
の場合は正帯電が好ましく、(3)および(4)の場合
は正帯電、負帯電いずれでも使用することができる。
【0013】本発明の電子写真感光体では、接着性向上
や電荷注入制御のために、感光層の表面に保護層や絶縁
層を設けてもよい。なお、本発明の電子写真感光体は前
記感光体の基本構成に限定されるものではない。
【0014】上記基本構成のうち特に(1)の形態が好
ましく、さらに詳細に説明する。本発明において導電性
支持体としては、例えばアルミニウム、アルミニウム合
金、ステンレス、銅などの金属や合金を板形状またはド
ラム形状にしたもの、ガラス、樹脂、紙などの非導電性
支持体や上記の導電性支持体上にアルミニウム、パラジ
ウム、ロジウム、金、白金などの金属を蒸着もしくはラ
ミネ−トすることにより薄膜形成したもの、ガラス、樹
脂、紙などの非導電性支持体や上記導電性支持体上に導
電性高分子、酸化スズ、酸化インジウムなどの導電性物
質の層を蒸着あるいは塗布することにより形成したもの
などが挙げられる。
【0015】本発明において、電荷発性物質としては、
例えばモノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾなどのアゾ系顔
料、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニンなどの
フタロシアニン系顔料、インジゴ、チオインジゴなどの
インジゴ系顔料、ペリレン酸無水物、ペリレン酸イミド
などのペリレン系顔料、アンスラキノン、ピレンキノン
などの多環キノン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリ
ウム塩、チオピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色
素、セレン、非晶質シリコンなどの無機物質などが挙げ
られる。
【0016】電荷発生層は前記のような電荷発生物質を
適当な結着剤樹脂に分散して塗工液を調製し、これを導
電性支持体上に塗工することにより形成することができ
る。また導電性支持体上に蒸着、スパッタ、CVDなど
の乾式法で薄膜を形成することによって形成できる。
【0017】結着剤樹脂としては広範囲な結着性樹脂か
ら選択でき、例えばポリカ−ボネ−ト、ポリエステル、
ポリアリレ−ト、ブチラ−ル樹脂、ポリスチレン、ポリ
ビニルアセタ−ル、ジアリルフタレ−ト樹脂、アクリル
樹脂、メタクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フェノ−ル樹
脂、シリコン樹脂、ポリサルホン、スチレン−ブタジエ
ンコポリマ−、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹
脂、塩化ビニル−サクサンビニルコポリマ−などが挙げ
られる。これらは単独または共重合体として1種または
2種以上混合して用いてもよい。
【0018】電荷発生層中に含有する樹脂は、80重量
%以下、好ましくは40重量%以下である。また電荷発
生層の膜厚は5μm以下、特には0.01〜2μmの薄
膜層とすることが好ましい。また電荷発生層には種々の
増感剤を添加してもよい。
【0019】電荷輸送層は前記一般式(1)で示すトリ
アリ−ルアミン化合物と適当な結着剤樹脂とを組み合わ
せて形成することができる。結着剤樹脂としては前記電
荷発生層に用いられる結着剤樹脂が挙げられ、さらにポ
リビニルカルバゾ−ル、ポリビニルアントラセンなどの
光導電性高分子化合物が挙げられる。
【0020】結着剤樹脂と前記一般式(1)で示すトリ
アリ−ルアミン化合物との配合割合は、結着剤樹脂10
0重量部あたり、トリアリ−ルアミン化合物を10〜5
00重量部とすることが好ましい。電荷輸送層の膜厚は
電荷キヤリアを輸送する限界があるので、必要以上に厚
くすることはできないが、5〜40μm、特には10〜
30μmの範囲が好ましい。さらに電荷輸送層中に酸化
防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤または公知の電荷輸送物
質を必要に応じて添加することができる。
【0021】電荷発生層および電荷輸送層の形成方法と
しては浸漬コ−ティング法、スプレ−コ−ティング法、
スピンナ−コ−ティング法、ロ−ラ−コ−ティング法、
マイヤ−バ−コ−ティング法、ブレ−ドコ−ティング法
などのコ−ティング法を用いて行うことができる。
【0022】本発明の電子写真感光体は電子写真複写機
に利用するのみならず、レーザービ−ムプリンター、C
RTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター、
レーザー製版、ファクシミリなどの電子写真応用分野に
も広く用いることができる。
【0023】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置から構成される。
【0024】また、本発明は前記本発明の電子写真感光
体を備えた電子写真装置およびリモ−ト端末からの画像
情報を受信する手段を有するファクシミリから構成され
る。
【0025】次に、本発明の電子写真感光体を備えた電
子写真装置並びにファクシミリについて説明する。図1
に本発明のドラム型感光体を用いた一般的な転写式電子
写真装置の概略構成を示した。図において、1は像担持
体としてのドラム型感光体であり軸1aを中心に矢印方
向に所定の周速度で回転駆動される。該感光体1はその
回転過程で帯電手段2によりその周面に正または負の所
定電位の均一帯電を受け、次いで露光部3にて不図示の
像露光手段により光像露光L(スリット露光・レ−ザ−
ビ−ム走査露光など)を受ける。これにより感光体周面
に露光像に対応した静電潜像が順次形成されていく。そ
の静電潜像は、次いで現像手段4でトナ−現像され、そ
のトナ−現像像が転写手段5により不図示の給紙部から
感光体1と転写手段5との間に感光体1の回転と同期取
りされて給送された転写材Pの面に順次転写されてい
く。像転写を受けた転写材Pは感光体面から分離されて
像定着手段8へ導入されて像定着を受けて複写物(コピ
−)として機外へプリントアウトされる。像転写後の感
光体1の表面はクリ−ニング手段6にて転写残りトナ−
の除去を受けて清浄面化され、前露光手段7により除電
処理がされて繰り返して像形成に使用される。感光体1
の均一帯電手段2としてはコロナ帯電装置が一般に広く
使用されている。また、転写装置5もコロナ転写手段が
一般に広く使用されている。電子写真装置として、上述
の感光体や現像手段、クリ−ニング手段などの構成要素
のうち、複数のものを装置ユニットとして一体に結合し
て構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に
構成しても良い。例えば、感光体1とクリ−ニング手段
6とを一体化してひとつの装置ユニットとし、装置本体
のレ−ルなどの案内手段を用いて着脱自在の構成にして
もよい。このとき、上記の装置ユニットのほうに帯電手
段および/または現像手段を伴って構成してもよい。ま
た、光像露光Lは、電子写真装置を複写機やプリンタ−
として使用する場合には、原稿からの反射光や透過光、
あるいは、原稿を読み取り信号化し、この信号によりレ
−ザ−ビ−ムの走査、発光ダイオ−ドアレイの駆動、ま
たは液晶シャッタ−アレイの駆動などにより行われる。
また、ファクシミリのプリンタ−として使用する場合に
は、光像露光Lは受信デ−タをプリントするための露光
になる。
【0026】図2は、この場合の1例をブロック図で示
したものである。コントロ−ラ10は画像読取部9とプ
リンタ−18を制御する。コントロ−ラ10の全体はC
PU16により制御されている。画像読取部からの読取
りデ−タは、送信回路12を通して相手局に送信され
る。相手局から受けたデ−タは受信回路11を通してプ
リンタ−18に送られる。画像メモリには所定の画像デ
−タが記憶される。プリンタコントロ−ラ17はプリン
タ−18を制御している。13は電話である。回線14
から受信された画像(回線を介して接続されたリモ−ト
端末からの画像情報)は、受信回路11で復調された
後、CPU16は画像情報の信号処理を行い順次画像メ
モリ15に格納される。そして、少なくとも1ペ−ジの
画像がメモリ15に格納されると、そのペ−ジの画像記
憶を行う。CPU16は、メモリ15より1ペ−ジの画
像情報を読み出しプリンタコントロ−ラ17に信号かさ
れた1ペ−ジの画像情報を送出する。プリンタコントロ
−ラ17は、CPU16からの1ペ−ジの画像情報を受
け取るとそのペ−ジの画像情報記録を行うべく、プリン
タ−18を制御する。なお、CPU16は、プリンタ−
18による記録中に、次のペ−ジの受信を行っている。
以上のように、画像の受信と記録が行われる。
【0027】
【実施例】
実施例1 アルミ支持体上にN−メトキシメチル化6ナイロン(重
量平均分子量3万8千)5gとアルコ−ル可溶性共重合
ナイロン(重量平均分子量3万)10gをメタノ−ル8
0gに溶解した液をマイヤ−バ−で塗布し、乾燥後の膜
厚が1μmの下引き層を形成した。
【0028】次にチタニルオキシフタロシアニン6gを
シクロヘキサノン160gにフェノキシ樹脂3gを溶か
した液に加え、ボ−ルミルで36時間分散した。この分
散液を先に形成した下引き層の上に乾燥後の膜厚が0.
2μmとなるようにブレ−ドコ−ティング法で塗布し、
乾燥して電荷発生層を形成した。
【0029】次に、前記化合物例2のトリアリ−ルアミ
ン化合物10gをポリカ−ボネ−トZ型樹脂(重量平均
分子量6万5千)13gをクロロベンゼン85gに溶解
し、これを電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が18μmと
なるようにブレ−ドコ−ティング法で塗布し、乾燥して
電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真感光体を作成
した。
【0030】作成した電子写真感光体に−5KVのコロ
ナ放電を行った。この時の表面電位(初期電位V0 )を
測定した。さらにこの感光体を1秒間暗所で放置した後
の表面電位を測定した。感度は暗減衰した後の電位V1
を1/6に減衰するのに必要な露光量(E1/6:μJ
/cm2 )を測定することによって評価した。この際、
光源としてガリウム/アルミニウム/ヒ素の三元系半導
体レ−ザ−(出力:5mW、発振波長780nm)を用
いた。
【0031】次に同上の半導体レ−ザ−を備えた反転現
像方式の電子写真方式プリンタ−であるレ−ザ−ビ−ム
プリンタ−(商品名LBP−SXの改造機、キヤノン
(株)製)に作成した電子写真感光体を取り付けて、転
写電流OFF時の一次帯電電圧をVa1とし、転写電流O
N時の一次帯電電圧をVa2として、転写メモリ−(Va1
−Va2)を測定し、その後画像形成試験を行った。条件
は、一次帯電後の表面電位を−700V、像露光後の表
面電位を−150V(露光量1.2μJ/cm2)、転
写電位を+700V、現像極性を負極性、プロセススピ
−ドを47mm/sec、現像条件(現像バイアス)を
−450V、像露光後スキャン方式をイメ−ジスキャ
ン、一次帯電前露光を8.1ルックス/秒の赤色全面露
光、画像形成はレ−ザ−ビ−ムを文字信号および画像信
号に従ってラインスキャンして行ったが、文字、信号と
もに良好なプリントが得られた。
【0032】また、感光層のクラックの促進試験とし
て、前記作成した電子写真感光体の表面に指油を付着さ
せ、常温常圧下で4時間放置し、感光層にクラックが生
じているか否かを観察した。さらに、電荷輸送化合物の
結晶かの促進試験として、前記作成した電子写真感光体
の表面に指油を付着させ、45℃で4日間放置して電荷
輸送化合物の結晶かが生じているか否かを観察した。
【0033】実施例2〜8 実施例1で用いた化合物例2のトリアリ−ルアミン化合
物に代えて、他の化合物例のトリアリ−ルアミン化合物
を用いた他は、実施例1と同様にして実施例2〜8に対
応する電子写真感光体を作成した。各感光体の電子写真
特性、転写メモリ−、感光層のクラックおよび電荷輸送
化合物の結晶化の評価を実施例1と同様の方法によって
行った。結果を表5および6に示す。
【0034】比較例1〜5 実施例1で用いた化合物例2のトリアリ−ルアミン化合
物に代えて、下記構造式で示す化合物A〜Eを用いた他
は、実施例1と同様にして比較例1〜5に対応する電子
写真感光体を作成した。各感光体の電子写真特性、転写
メモリ−、感光層のクラックおよび電荷輸送化合物の結
晶化の評価を実施例1と同様の方法によって行った。結
果を表5および6に示す。 化合物A
【化3】 化合物B
【化4】 化合物C
【化5】 化合物D
【化6】 化合物E
【化7】
【0035】
【表5】
【表6】
【0036】実施例9 下記構造式のジスアゾ顔料6gをブチラ−ル樹脂(ブチ
ラ−ル化度65モル%)3.2gをシクロヘキサノン1
00ミリリットルに溶解した液と共にサンドミルで12
時間分散し、塗工液を調製した。
【化8】
【0037】この塗工液をアルミシ−ト上に乾燥後の膜
厚が0.2μmとなるようにマイヤ−バ−で塗布し、電
荷発生層を形成した。
【0038】次に電荷輸送物質として化合物例4のトリ
アリ−ルアミン化合物10gとポリカ−ボネ−ト(重量
平均分子量5万)12.0gをクロロベンゼン80gに
溶解し、この液を先の電荷発生層の上にマイヤ−バ−で
塗布し、乾燥後膜厚が20μmの電荷輸送層を形成し、
電子写真感光体を作成した。
【0039】作成した電子写真感光体を静電複写紙試験
装置(商品名Model SP−428、川口電機
(株)製)を用いてスタチック方式で−5KVでコロナ
帯電し、暗所で1秒間保持した後、照度20ルックスで
露光し、帯電特性を測定した。帯電特性としては、表面
電位V0 と1秒間暗減衰させたときの電位V1 を1/5
に減衰するのに必要な露光量(E1/5)を測定した。
【0040】さらに、繰り返し使用したときの明部電位
と暗部電位の変動を測定するために、作成した電子写真
感光体をPPC複写機(商品名NP−3825、キヤノ
ン(株)製)の感光体ドラム用シリンダ−に貼り付け
て、同機で5千枚複写を行い、初期と5千枚複写後の明
部電位VL の変動分△VL および暗部電位VD の変動分
△VD を測定した。なお、初期のVD とVL はそれぞれ
−700V、−200Vとなるように設定した。また、
感光層のクラックおよび電荷輸送化合物の結晶化の促進
試験を実施例1と同様の方法で行った。結果を表7およ
び8に示す。
【0041】実施例10〜13 実施例9で用いた化合物例4のトリアリ−ルアミン化合
物に代えて、他の化合物例のトリアリ−ルアミン化合物
を用いた他は、実施例9と同様にして実施例10〜13
に対応する電子写真感光体を作成した。各感光体の電子
写真特性、転写メモリ−、感光層のクラックおよび電荷
輸送化合物の結晶化の評価を実施例1と同様の方法によ
って行った。結果を表7及び8に示す。
【0042】比較例6〜10 実施例9で用いた化合物例4のトリアリ−ルアミン化合
物に代えて、前記化合物A〜Eを用いた他は、実施例9
と同様にして比較例6〜10に対応する電子写真感光体
を作成した。各感光体の電子写真特性、転写メモリ−、
感光層のクラックおよび電荷輸送化合物の結晶化の評価
を実施例1と同様の方法によって行った。結果を表7お
よび8に示す。
【表7】
【表8】
【0043】実施例16 4−(4−ジメチルアミノフェノ−ル)−2,6−ジフ
ェニルチアピリリウムパ−クロレ−ト5gと化合物例3
0のトリアリ−ルアミン化合物8gを共重合ポリエステ
ル(重量平均分子量4万)のトルエン(80重量部)−
ジオキサン(20重量部)溶液100gに混合し、ボ−
ルミルで60時間分散した。この分散液をアルミシ−ト
上にマイヤ−バ−で塗布し、130℃で1時間乾燥さ
せ、12μmの膜厚の感光層を形成し、電子写真感光体
を作成した。
【0044】作成した電子写真感光体の初期特性を実施
例9と同様の方法で測定したところV0 :−698V、
1 :−690、E1/5:3.7ルックス・秒であっ
た。また実施例1と同様に感光層のクラックおよび電荷
輸送物質の結晶化の促進試験を行ったところ、クラック
に関しては8時間後でも全く認められず、結晶化に関し
ても1週間後でも全く認められなかった。
【0045】
【発明の効果】本発明の電子写真感光体は、感光層に特
定構造のトリアリ−ルアミン化合物を含有することによ
り、高感度、繰り返し帯電、露光による連続画像形成に
際して、明部電位と暗部電位の変動が小さく、耐久性に
優れ、さらに反転現像系においても転写メモリ−が極め
て小さく、かつ画像欠陥を生じる感光層のクラックや電
荷輸送化合物の結晶化が極めて起こりにくいという顕著
な効果を奏し、さらに該電子写真感光体を備えた電子写
真装置並びにファクシミリにおいても同様の顕著な効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的な転写式電子写真装置の概略構成図で
ある。
【図2】 電子写真装置をプリンタ−として使用したフ
ァクシミリのブロック図である。
【符号の説明】
1 像担持体としてのドラム型感光体(本発明の電子
写真感光体) 2 コロナ帯電装置 3 露光部 4 現像手段 5 転写手段 6 クリ−ニング手段 7 前露光手段 8 像定着手段 L 光像露光 P 像転写を受けた転写材 9 画像読取部 10 コントロ−ラ− 11 受信回路 12 送信回路 13 電話 14 回線 15 画像メモリ 16 CPU 17 プリンタコントロ−ラ 18 プリンタ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金丸 哲郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示すトリアリ−ルア
    ミン化合物を含有する感光層を有することを特徴とする
    電子写真感光体。一般式(1) 【化1】 式中、R1 、R2 およびR3 は水素原子、置換基を有し
    てもよいアルキル基、アラルキル基または芳香環基を示
    し、Ar1 、Ar2 およびAr3 は置換基を有してもよ
    い芳香環基を示す。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電子写真感光体を備えた
    電子写真装置およびリモ−ト端末からの画像情報を受信
    する手段を有するファクシミリ。
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