JPH06102093B2 - パチンコ機の打球入賞装置 - Google Patents

パチンコ機の打球入賞装置

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JPH06102093B2
JPH06102093B2 JP19462992A JP19462992A JPH06102093B2 JP H06102093 B2 JPH06102093 B2 JP H06102093B2 JP 19462992 A JP19462992 A JP 19462992A JP 19462992 A JP19462992 A JP 19462992A JP H06102093 B2 JPH06102093 B2 JP H06102093B2
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吉平 新山
広司 伊東
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株式会社ソフィア
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遊技盤の遊技部内を流
下する打球を受け入れ不可能な第1状態と受け入れ可能
な第2状態とに変換する一対の可動部材を左右側方に有
するパチンコ機の打球入賞装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】打球を受け入れない第1状態と受け入れ
易い第2状態とに変換可能な可動部材を有する従来の打
球入賞装置は、一般入賞口や特別入賞口を有する入賞領
域としての凹室と、該凹室と連通する球受け入れ領域を
閉塞可能な可動部材とが設けられ、球受け入れ領域を閉
塞する位置に上記可動部材を待機させることで、打球を
凹室へ受け入れ不可能な第1状態を生ぜしめ、可動部材
を左右方向に回動させることにより球受け入れ領域を開
放し、打球を凹室内へ受け入れ可能な第2状態を生ぜし
める構成となっている。
【0003】そして、斯かる打球入賞装置は、所謂第2
種のパチンコ機において、補助遊技と特別遊技に用いら
れている。この第2種のパチンコ機の遊技内容は、例え
ば特定の入賞口(始動口)に入賞することを条件とし
て、打球入賞装置を比較的短時間だけ1〜2回程度間歇
的に第1状態から第2状態に変換させる補助遊技を行
い、この補助遊技において特別入賞口へ入賞することを
条件として、更に補助遊技から特別遊技へ移行し、この
特別遊技においては所定条件が満たされる(所定時間の
経過もしくは所定個数の入賞球検出)まで打球入賞装置
を間歇的に第2状態に変換することを1サイクルとし
て、このサイクル中に打球入賞装置内の特別入賞口へ打
球が入賞することを条件として、更にサイクル更新を行
い、特定の終了条件(例えば、16サイクル目が終了、
もしくは特別入賞口へ入賞せずに当該サイクルが終了し
た場合)が満たされるまで特別遊技を行うのである。し
たがって、特別遊技が発生した場合、遊技者は多量の賞
球を獲得することができるのである(例えば、特開昭5
8−1125号公報、特開昭58−190462号公報
等)。
【0004】また、一つの球受け入れ領域を左右1対の
可動部材で閉塞・開放する構成の打球入賞装置のほか
に、複数(例えば左右1対)の球受け入れ領域を有し、
各球受け入れ領域を閉塞・開放する可動部材を夫々1個
宛て設けることで、第2状態変換時には流路の異なる打
球を各球受け入れ領域から凹室内に受け入れる構成の打
球入賞装置もある。斯かる打球入賞装置においては、打
球入賞装置の上方で左右何れの方向に流路が変換された
球にも、第2状態の打球入賞装置へ入賞する可能性が残
されており、単一の球受け入れ領域を形成した打球入賞
装置に比して、打球入賞装置への入賞可能性に対する遊
技者の期待感を高めることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
従来の打球入賞装置は、球受け入れ領域と凹室とが直
接連通する構成となっているために、球受け入れ領域か
ら受け入れられた打球が凹室内へ招じ入れられて、特別
入賞口や一般入賞口に入るまでの時間が短く、また凹室
内における打球の動きの変化に乏しい。このため、打球
入賞装置を用いて行う補助遊技および特別遊技におい
て、遊技者に特別入賞口への入賞期待感および入賞した
ときの喜びを印象付け難く、遊技の興趣を充分に高める
ことができなかった。
【0006】また、従来の打球入賞装置における可動部
材は、左右方向に回動することで球受け入れ領域を開放
する構成となっているので、凹室と連通する球受け入れ
領域は経時的に変化することとなる。すなわち、第1状
態の可動部材が左右方向へ回動開始してから最大回動角
度に達するまで球受け入れ領域は徐々に拡大して行く
が、第2状態の可動部材が再び第1状態へ回動復帰して
行くまで球受け入れ領域は徐々に縮小して行くこととな
る。したがって、回動部材が最大回動角度となった際の
球受け入れ領域に到達し得る位置へ球が流下してきた場
合であっても、可動部材が左右方向に完全に開ききる前
に球が流下してきた場合や、再び第1状態に変換開始し
た後に球が流下してきた場合には、僅かなタイミングの
ズレによって入賞のチャンスを逸することとなってしま
う。加えて、変換中の可動部材に流下球が衝突した場合
には、可動部材の衝撃力によって流下球が球受け入れ領
域とは異なる方向へ弾き飛ばされてしまうこともある。
斯かる事態が頻発すると、補助遊技の発生回数は低く、
補助遊技から特別遊技へ移行する可能性は更に低いもの
となるため、遊技者の遊技意欲を高めることができな
い。
【0007】さらに、補助遊技において打球入賞装置の
可動部材が第2状態への変換動作を始めてから第1状態
に復帰するまでの比較的短い時間(例えば0.6秒)に
対して、実質的に球受け入れ領域が開放された状態(少
なくとも1個の球を受け入れ可能な状態)になる時間
は、一層短いものとなってしまう。このため、補助遊技
から特別遊技へ移行する確率が低い場合には、遊技者の
不満は更に高まり、遊技者は遊技意欲を失い易い。
【0008】このように、従来の打球入賞装置を用いた
パチンコ機で不利益を受けた多くの遊技者が当該機種の
パチンコ機を避けるようになると、遊技店におけるパチ
ンコ機の稼働率といった観点から、延いては遊技店自体
が不利益を受けることにも繋がる。
【0009】そこで、補助遊技および特別遊技における
打球入賞の期待感を高めると共に、遊技意欲を十分に高
揚させ、遊技上の興趣を格別に高めることが可能な打球
入賞装置の開発が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記に鑑み提案
されたもので、遊技盤(45)表面のガイドレール(4
6)で囲まれた遊技部(47)の略中央部分に配置され
るパチンコ機の打球入賞装置(1)において、上記打球
入賞装置(1)は、上記遊技盤(45)表面に取り付け
られる取付基板(2)と、比較的に大きな領域に設定さ
れて、上記取付基板(2)に開設される主開口部(3)
と、該主開口部(3)より小さな領域に設定されて、上
記取付基板(2)の主開口部(3)の左右側方に各々開
設される一対の副開口部(4,4)と、上記各副開口部
(4,4)に各々対応して設けられて、該副開口部
(4,4)を閉塞して遊技部を流下する打球を受け入れ
不可能な第1状態と、前方に傾動することにより副開口
部(4,4)を開放して打球を受け入れ可能な第2状態
と、に変換する一対の可動部材(8,8)と、上記主開
口部(3)の上方部分を覆うように上記取付基板(2)
上に突出形成される鎧部(5)と、上記主開口部(3)
の下方部分を囲むように上記取付基板(2)上に突出形
成される球流入阻止部(6)と、上記取付基板(2)の
裏側に上記主開口部(3)に対応して設けられて、前面
が開口する主凹室部(13)と、上記取付基板(2)の
裏側に上記各副開口部(4,4)に各々対応して設けら
れて、上記可動部材(8,8)が第2状態に変換して受
け入れた打球を上記主凹室部(13)に案内する一対の
副凹室部(14,14)と、上記主凹室部(13)内の
特定部分に設けられて、上記一対の可動部材(8,8)
の第2状態変換により受け入れた打球を一般入賞球とす
る一般入賞口(例えば第1,第2一般入賞口17,2
4)および上記一対の可動部材(8,8)の第2状態変
換により受け入れた打球を特別入賞球とする特別入賞口
(23)と、を備えるものとした。
【0011】
【作用】打球入賞装置の左右両側部に設けた副開口部を
閉塞する第1状態の可動部材が、前方に傾動することに
よって副開口部を開放する第2状態に変換するので、副
凹室部へ球を受け入れる球受入れ領域の左右方向の幅
は、可動部材の変換状態によって経時的に変化すること
が無く、副開口部の左右方向の幅と等しくなる。
【0012】また、可動部材を前方に傾動させることで
第2状態に変換させることにより、可動部材が前方傾動
を開始(第1状態から第2状態へ変換開始)してから、
遊技盤の盤面に沿って流下する球を受け入れるのに十分
な球受入れ領域が形成されるまでの時間が短くなる。
【0013】可動部材が第2状態に変換して受け入れた
打球は、先ず副凹室部内に招じ入れられ、その後に主凹
室部へ導かれ、更に一般入賞口もしくは特別入賞口の何
れかへ入賞することとなり、打球入賞装置内へ入賞して
から入賞球の種別が確定するまでの流下時間が長くな
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面にもとづいて説
明する。
【0015】打球入賞装置1は図1に示すように、パチ
ンコ機の遊技盤の表面に取付ける取付基板2のほぼ中央
に大きな主開口部3を開設するとともに、該主開口部3
の左右側方に小さな副開口部4,4を開設し、主開口部
3の開口縁の上半に鎧部5を突設するとともに主開口部
3の開口縁の下半に球流入阻止部6を突設し、左右の副
開口部4,4には扇形の突部7を有する扉板状の可動部
材8を各々回動自在に軸着し、取付基板2の裏側には凹
室9を設けてある。なお、上記した球流入阻止部6は、
底部を後述する球載置部に向けて僅かに下り傾斜させる
ことが望ましい。
【0016】また、本実施例においては、副開口部4,
4と主開口部3とを連続させて設けると共に、鎧部5と
球流入阻止部6との間に空隙部を形成する構成とし、該
空隙部より凹室9への球流入を阻止するために、扇形の
突部7,7を各可動部材8,8に形成するものとした。
斯くすることによって、可動部材8,8が前方に傾動し
て副開口部4,4が開成された際には、鎧部5と球流入
阻止部6との間の空隙部からも凹室9内へ球を受け入れ
ることが可能となり、打球入賞装置1内に受け入れた打
球の動きの変化を高めることができる。しかしながら、
鎧部5と球流入阻止部6との間の空隙部を廃すると共
に、副開口部4,4と主開口部3とを離隔形成して、受
け入れた球を全て副凹室部4,4へ一旦招じ入れるよう
にしても良い。
【0017】上記した可動部材8は、軸着基端部から延
出した腕部10を有し、該腕部10の先端部には作動杆
11の先端部分を上方から臨ませてある。また、作動杆
11には駆動源として設けた第1ソレノイド12のプラ
ンジャを上方から臨ませてある。第1ソレノイド12が
消磁した状態においては、第1ソレノイド12の復帰ス
プリング等の付勢力によりプランジャが作動杆11を押
圧するので、該作動杆11の先端部分が腕部10を下方
に押し下げる。したがって、各可動部材8は、図1で示
すように起立して取付基板2の副開口部4を塞ぎ、打球
を受け入れない第1状態を維持する。
【0018】一方、第1ソレノイド12を励磁すると、
プランジャが上昇して作動杆11の押圧を停止するの
で、可動部材8が自由に回動可能な状態となる。この状
態になると、突部7に設けたウエイトの付勢により前方
に傾動して副開口部4を開放し、突部7が取付基板2の
表面に当接して停止する。したがって、可動部材8は副
開口部4に向って僅かに下り傾斜した状態で停止し、流
下してきた打球を受け入れて副開口部4に入賞させ易い
第2状態に変換する。可動部材8が第2状態に変換した
ときに受け止めた打球は、副開口部4を通って凹室9内
に導入される。
【0019】なお、図面に示す実施例においては、略四
角形の平板な可動部材8,8の下縁部を水平方向の軸で
回動自在に支承するものとし、可動部材8,8が第2状
態に変換された際には、副開口部4,4の略々全面が球
受入れ領域として機能する構成としたが、これに限定さ
れるものではない。例えば、任意形状の可動部材の適宜
な位置を貫通する回動軸を若干傾斜させる構成とした場
合には、第2状態に変換(前方に傾動)した際に傾斜状
となる回動部材の板面に当接した流下球が斜め方向に弾
かれて副凹室部内へ招じ入れられること、打球入賞装置
内へ入賞した打球の動きの変化を高めることができ、入
賞に対する期待感を一層高めることが可能となる。
【0020】凹室9は、前面開口部分が取付基板2の主
開口部3に連通する主凹室部13と、該主凹室部13の
左右に位置して前面の開口部分が取付基板2の副開口部
4に連通する副凹室部14,14と、主凹室部13の正
面壁部の上端部分から後方に突設した後方凹室部15と
からなる。そして、奥の略々中央に向って僅かに下り傾
斜した主凹室部13の底面部には、図4に示すように、
ほぼ中央の奥に球載置部16を形成するとともに該球載
置部16の左右の第1一般入賞口17,17を開口した
第1入賞領域18を形成し、正面壁部のほぼ中央には縦
方向の第1切欠部19を、後方凹室部15の底面部には
第2切欠部20を第1切欠部19と連通させて形成し、
該第1、第2切欠部19,20内に移送手段として機能
する回転ドラム21を支軸22により回動自在に軸支
し、該回転ドラム21の一部を正面壁部から前方に突出
させるとともに、回転ドラム21の外周面の下部を上記
球載置部16に臨ませる。また、上記した後方凹室部1
5の正面に特別入賞口23を形成するとともに、該特別
入賞口23の左右に第2一般入賞口24,24を形成し
て第2入賞領域25を構成する。
【0021】上記した回転ドラム21は、プラスチック
等の非磁性材からなる中空体であり、外周面の裏側には
支軸22を中心にしてほぼ120度間隔で永久磁石2
1′…を配設し、図5に示すように、支軸22の端部に
取付けたギア26に減速器付モ一タ27の出力軸のギア
28を噛合してある。したがって、モータ27を作動さ
せると、回転ドラム21が図3時計方向に緩やかに回転
して外周面を第1入賞領域18の球載置部16から第2
入賞領域25に向けて緩やかに上昇する。球載置部16
に打球があると、この打球は回転ドラム21内の永久磁
石21′の磁気作用により回転ドラム21の外周面に吸
着され、そのまま回転ドラム21の回転に伴って上昇す
る。
【0022】この様にして上昇した打球が第2入賞領域
25の第2切欠部20の縁に当ると、この第2切欠部2
0の縁によって掬い上げられて回転ドラム21の外周面
から離脱し、後方凹室部15の底面の下り傾斜により転
動して特別入賞口23、又は第2一般入賞口24,24
のいずれかに入賞する。凹室9の裏側には、図3に示す
ように、上端の入口が特別入賞口23に連通した特別入
賞球流下路29と、上端の入口が第2一般入賞口24,
24に連通した一般入賞球流下路30とに途中までを区
画した入賞球流下樋31を設け、特別入賞球流下路29
と一般入賞球流下路30とが合流した下端の出口を第1
入賞領域18の第1一般入賞口17,17の近傍下方に
開口し、特別入賞球流下路29の途中には特別入賞検出
器32を臨ませてある。
【0023】したがって、第2入賞領域25の特別入賞
口23に入った打球は、特別入賞球流下路29を流下す
る途中で特別入賞検出器32により検出された後に出口
からカウント樋33内に流入する。また、第2入賞領域
25の第2一般入賞口24に入った打球は、一般入賞球
流下路30を流下してからカウント樋33内に流入す
る。カウント樋33は、第2入賞領域25において入賞
して入賞球流下樋31内を流下した入賞球と、第1入賞
領域18において入賞した入賞球とを合流させ、流下途
中に臨設した計数検出器34により1個宛検出する。
【0024】また、本実施例では主凹室部13の正面壁
部の第1切欠部19の左右に左右方向に長尺な長孔35
…を開設し、各長孔35内に挿通した支持杆36の先端
に障害部材37を回動可能に止着し、図6に示すよう
に、凹室9の裏側に突出した各支持杆36の後端部分を
連動杆38に接続するとともに、該連動杆38に第2ソ
レノイド39のプランジャを連結部材40を介して接続
する。したがって、第2ソレノイド39を繰り返し励磁
したり消磁したりすると、各支持杆36が長孔35内を
左右に移動し、各障害部材37が回転ドラム21の前方
に出没する。回転ドラム21の外周面に打球が吸着され
た状態で上昇し、このときに上記した障害部材37が回
転ドラム21の前方に移動すると、障害部材37が打球
に接触してこの打球を落下させる場合がある。したがっ
て、回転ドラム21の外周面に吸着した打球が必ずしも
第2入賞領域25に到達するとは限らない。
【0025】また、図3に示すように、第2入賞領域2
5を形成した後方凹室部15の正面壁部の上部に移動杆
41を前後方向に移動自在に設け、該移動杆41の後方
凹室部15内側の先端に装飾表示部材42を取付け、凹
室9の外部に突出した後端には第3ソレノイド43のプ
ランジャを臨ませる。移動杆41は、常にはスプリング
44の付勢により後退して停止し、第3ソレノイド43
が励磁するとプランジャに押圧されて後方凹室部15内
を前進する。したがって、第3ソレノイド43を繰り返
し励磁・消磁すると、装飾表示部材42が後方凹室部1
5内を前後動する。
【0026】次に、上記した構成からなる打球入賞装置
1を取付けたパチンコ機における遊技について説明す
る。
【0027】図7に示すパチンコ機の遊技盤45は、表
面にガイドレール46で囲んだ遊技部47を形成し、該
遊技部47のほぼ中央に上記打球入賞装置1を配置し、
該打球入賞装置1の下方に第1、第2、第3始動口48
a,48b,48cを配置してある。
【0028】遊技部47内を流下する打球が運良くチュ
ーリップ式の第1始動口48aに入ると、該第1始動口
48aが打球を受け入れ易い状態に変換するとともに、
該始動口48aに設けた第1球検出器49aが当該打球
を検出して制御装置(図示せず)に信号を送る。制御装
置は、第1球検出器49aからの信号を受けると、各第
1ソレノイド12を所定時間(例えば、0.8秒)宛2
回だけ励磁する。すなわち、打球入賞装置1の左右の可
動部材8,8が所定時間宛打球を受け入れない第1状態
から打球を受け入れ易い第2状態に2回変換する補助遊
技が開始されるのである。
【0029】ここで、可動部材8,8は下縁部の軸を支
点として前方に傾動することで第2状態に変換されるの
で、可動部材8,8が第1状態から第2状態に変換開始
されてから、遊技盤45の盤面に沿って流下する球を受
け入れるのに十分な球受入れ領域が形成されるまでの時
間は、左右方向に往復回動する可動部材を備える従来の
打球入賞装置に比して、十分短くなる。しかも、第2状
態から第1状態に復帰させる時間も短縮されるので、球
受入れ領域が最大限に形成されている延べ時間は更に長
くなる。したがって、第2状態への変換時間が比較的短
く設定される補助遊技においても、流下球を受け入れ可
能な球受け入れ領域が保持されている延べ時間が比較的
長くなり、打球入賞装置1への入賞確率を高めることが
でき、遊技者の遊技意欲を高揚させることが可能であ
る。
【0030】さらに、可動部材8,8が第2状態に変換
される際にも、球受入れ領域の左右方向の幅は副開口部
4,4の左右方向の幅に保たれるので、可動部材の変換
状態によって経時的に変化することが無く、副開口部の
左右方向の幅と等しく保持される。したがって、左右方
向に往復回動する可動部材を備える従来の打球入賞装置
の如く、可動部材の変換タイミングと流下球の流下タイ
ミングとの僅かなズレによって入賞のタイミングを逸す
るようなことはなく、可動部材8,8が第2状態に保持
されている間に球受入れ領域へ到達した球は確実に副凹
室部4,4内へ招じ入れられる。
【0031】加えて、可動部材8,8の変換動作(前方
傾動および後方起動)が迅速に行われるので、変換動作
中の可動部材8,8に流下球が弾かれて入賞を逸する可
能性が低くなり、この点からも、遊技者の高まった入賞
期待感を裏切って、遊技者の遊技意欲を減退させるよう
な事態を極力回避し、所謂客付きの良いパチンコ機と成
し得る。
【0032】なお、打球が第2始動口48b又は第3始
動口48cに入ると、第2球検出器49b又は第3球検
出器49cからの信号により制御装置が第1ソレノイド
12,12を所定時間(例えば、0.5秒間)1回だけ
励磁するので、各可動部材8は、1回だけ第1状態から
第2状態に変換する。また、可動部材8が第2状態に変
換したときに、可動部材8によって凹室9内に導かれな
かった打球の内、可動部材8の側端に当った打球が流下
方向を変換して当該打球入賞装置1の横に配設した入賞
具50に導かれるように入賞具50の配置を調整した
り、障害釘等の位置を適宜に配置してある。
【0033】可動部材8が第2状態に変換したときに該
可動部材8上に流下した打球は、副開口部4を通って副
凹室部14内に導入され、該副凹室部14の底面の僅か
な傾斜により転動して主凹室部13内の第1入賞領域1
8に流下する。第1入賞領域18に入った打球は、第1
一般入賞口17に入るか又は球載置部16上で停止す
る。なお、第1一般入賞口17に入った打球はカウント
樋33内を流下する途中で計数検出器34により検出さ
れた後、遊技盤の裏側に配設してある入賞球集合樋(図
示せず)に排出される。
【0034】このように、可動部材8,8が第2状態に
変換して受け入れた打球は、先ず副凹室部14,14内
に招じ入れられ、その後に主凹室部13へ導かれ、更に
第1入賞領域18の第1一般入賞口17もしくは第2入
賞領域25の特別入賞口23の何れかへ入賞することと
なるので、打球入賞装置1内へ入賞してから入賞球の種
別が確定するまでの流下時間が長くなると共に、副凹室
部14,14から主凹室部13内の特別入賞口23もし
くは第1,第2一般入賞口17,24へ入賞するまでの
打球の動きの変化が高まる。したがって、打球入賞装置
を用いて行う補助遊技および特別遊技において、遊技者
に特別入賞口への入賞の喜びを深く印象付け、遊技の興
趣を格別に高めることができる。なお、本実施例におい
ては、入賞球の動きの変化を高めるために、主凹室13
内を第1入賞領域18と第2入賞領域25とに分割し
て、副凹室14から球が導入される第1入賞領域18と
は異なる第2入賞領域25に特別入賞口23を設ける構
成としたが、同一の入賞領域内に一般入賞口と特別入賞
口とを設けるようにしても、副凹室部14,14から主
凹室部13へ球が受け入れられる構成であれば、従来の
打球入賞装置に比して十分に「入賞球の流下時間の延
長」と「流下球の動きの変化」とを期すことができる。
【0035】一方、球載置部16上に停止した打球は、
回転ドラム21が常に回動しているので、内部の永久磁
石21′が球載置部16に到来した時に回転ドラム21
の外周面に吸着されて第2入賞領域25に移送される。
なお、回転ドラム21の外周面に吸着した打球は必ずし
も第2入賞領域25に移送される訳ではなく、移送され
る途中で障害部材37により落下されることもあり、第
1入賞領域18に落下した打球は、前記と同様に第1一
般入賞口17に入るか或は再度球載置部16上で停止す
る。
【0036】回転ドラム21の回転により第2入賞領域
25に移送された打球は、特別入賞口23、又は第2一
般入賞口24に入賞する。特別入賞口23に入った打球
は入賞球流下樋31の特別入賞球流下路29内を流下す
る途中で特別入賞検出器32により検出されてからカウ
ント樋33内に入り、又、第2一般入賞口24に入った
打球は、入賞球流下樋31内を通ってカウント樋33内
に案内され、夫々カウント樋33内を流下する途中で計
数検出器34により検出された後、入賞球集合樋に排出
される。
【0037】打球が特別入賞口23に入ると特別遊技の
権利が発生し、特別入賞検出器32からの信号を受けた
制御装置が第3ソレノイド43を繰り返し励磁して装飾
表示部材42を前後動することにより遊技者に特別権利
が発生した旨を可視表示するとともに、各第1ソレノイ
ド12を励磁して特別遊技を開始する。
【0038】特別遊技は、各第1ソレノイド12を所定
回数(例えば、18回)励磁して各可動部材8を第1状
態から第2状態に所定回数(例えば、18回)変換す
る。この所定回数の変換を1サイクルとし、このサイク
ル中に打球が特別入賞口23に入るとその都度サイクル
の更新を行うとともに、第3ソレノイド43を励磁して
装飾表示部材42を前後動させて遊技者にサイクルの更
新が行われたことを可視表示する。そして、このサイク
ルの更新は、例えば最高16サイクルまで行われる。な
お、あるサイクル中に打球入賞装置1への入賞個数が所
定数(例えば、10個)に達し、特別入賞口23への入
賞がなかった場合にはその時点で特別遊技を終了する。
なお、この特別遊技においても、本発明に係る打球入賞
装置1は上記補助遊技で説明したと同様な作用効果を期
せるものである。
【0039】なお、本発明における可動部材8の駆動源
は本実施例に示した第1ソレノイド12に限定されるも
のではないと共に、その駆動力伝達機構も本実施例に限
定されるものではない。副開口部14,14を遮蔽する
第1状態から、前方に傾動して副開口部14,14と可
動部材8,8との間に球受け入れ領域が形成される第2
状態に変換可能であれば、如何なる構成であっても良
い。
【0040】また、移送手段は、内部に永久磁石21′
を備えた回転ドラム21に限定されるものではなく、打
球を第1入賞領域18から第2入賞領域25に移送する
機能を備えていればどのような構成でもよく、例えば打
球をバケット乃至爪片で1個宛移送するものでもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
球入賞装置の左右両側部に設けた副開口部を閉塞する第
1状態の可動部材が、前方に傾動することによって副開
口部を開放する第2状態に変換するので、副凹室部へ球
を受け入れる球受入れ領域の左右方向の幅は、可動部材
の変換状態によって経時的に変化することが無く、副開
口部の左右方向の幅と等しくなる。したがって、左右方
向に往復回動する可動部材を備えた従来の一般的な打球
入賞装置の如く、第1状態の可動部材が第2状態へ変換
開始してから再び第1状態に復帰するまで球受け入れ領
域が徐々に変化してゆくことがないので、前方傾動した
状態の可動部材における球受入れ領域に流下してきた球
は、確実に副凹室部へ受け入れられることとなり、流下
球の僅かなタイミングのズレによって入賞のチャンスを
逸するような不利益を遊技者が受けることはない。
【0042】しかも、本発明に係る打球入賞装置の可動
部材が変換(前方傾動)を開始してから、遊技盤面に沿
って流下する球を受け入れるのに十分な球受入れ領域が
形成されるまでに要する時間は、従来の打球入賞装置の
可動部材が最大回動角度に達するまでに要する時間に比
して、著しく短縮化することができる。よって、補助遊
技や特別遊技において可動部材が第1状態と第2状態に
変換される総時間に対して、実際に可動部材が変換状態
にある相対的な時間が短くなるので、可動部材が往復回
動する従来の打球入賞装置に比して、流下球が変換中の
可動部材に衝突する可能性が低くなり、変換中の可動部
材に流下球が衝突することで、流下球が球受け入れ領域
とは異なる方向へ弾き飛ばされてしまうような不利益を
遊技者が受けることを少なくできる。
【0043】加えて、比較的短時間に設定される補助遊
技における打球入賞装置の変換時間においても、本発明
に係る打球入賞装置によれば、実質的に球受け入れ領域
が開放された状態(少なくとも1個の球を受け入れ可能
な状態)にある時間は、従来の打球入賞装置に比して十
分に長いものとなるので、補助遊技から特別遊技へ移行
する確率を著しく低下させることが無い。
【0044】したがって、打球人賞装置の第2状態変換
中に球を打球入賞装置内へ入賞させることが比較的容易
となるので、補助遊技の発生回数が著しく低くなった
り、補助遊技から特別遊技へ移行する可能性を全く予期
させないような遊技進行となることを防ぐことができ
る。
【0045】また、可動部材が第2状態に変換して受け
入れた打球は、先ず副凹室部内に招じ入れられ、その後
に主凹室部へ導かれ、更に一般入賞口もしくは特別入賞
口の何れかへ入賞することとなるので、打球入賞装置内
へ入賞してから入賞球の種別が確定するまでの流下時間
が長くなると共に、副凹室部から凹室内の特別入賞口も
しくは一般入賞口へ入賞するまでの打球の動きの変化が
高まる。したがって、打球入賞装置を用いて行う補助遊
技および特別遊技において、遊技者に特別入賞口への入
賞期待感および入賞したときの喜びを深く印象付け、遊
技の興趣を格別に高めることができる。
【0046】このように、補助遊技および特別遊技にお
いて主な入賞装置として機能する打球入賞装置で遊技上
の興趣を十分に高めることができるので、遊技店におけ
るパチンコ機の稼働率を高めて、遊技店が営業上の不利
益を受けることも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可動部材により副開口部を塞いで打球を受け入
れない第1状態とした打球入賞装置の斜視図である。
【図2】第1状態とした打球入賞装置の正面図である。
【図3】打球入賞装置の中央縦断面図である
【図4】第1入賞領域と第2入賞領域の拡大斜視図であ
る。
【図5】回転ドラムの斜視図である。
【図6】障害部材を移動する機構の概略を示す斜視図で
ある。
【図7】打球入賞装置を取付けたパチンコ機の遊技盤の
正面図である。
【符号の説明】
1 打球入賞装置 2 取付基板 3 主開口部 4 副開口部 5 鎧部 6 流入阻止部 8 可動部材 13 主凹室部 14 副凹室部 17 第1一般入賞口 23 特別入賞口 24 第2一般入賞口 45 遊技盤 47 遊技部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技盤表面のガイドレールで囲まれた遊
    技部の略中央部分に配置されるパチンコ機の打球入賞装
    置において、上記打球入賞装置は、上記遊技盤表面に取
    り付けられる取付基板と、比較的に大きな領域に設定さ
    れて、上記取付基板に開設される主開口部と、該主開口
    部より小さな領域に設定されて、上記取付基板の主開口
    部の左右側方に各々開設される一対の副開口部と、上記
    各副開口部に各々対応して設けられて、該副開口部を閉
    塞して遊技部を流下する打球を受け入れ不可能な第1状
    態と、前方に傾動することにより副開口部を開放して打
    球を受け入れ可能な第2状態と、に変換する一対の可動
    部材と、上記主開口部の上方部分を覆うように上記取付
    基板上に突出形成される鎧部と、上記開口部下方部分を
    囲むように上記取付基板上に突出形成される球流入阻止
    部と、上記取付基板の裏側に上記主開口部に対応して設
    けられて、前面が開口する主凹室部と、上記取付基板の
    裏側に上記各副開口部に各々対応して設けられて、上記
    可動部材が第2状態に変換して受け入れた打球を上記主
    凹室部に案内する一対の副凹室部と、上記主凹室部内の
    特定部分に設けられて、上記一対の可動部材の第2状態
    変換により受け入れた打球を一般入賞球とする一般入賞
    口および上記一対の可動部材の第2状態変換により受け
    入れた打球を特別入賞球とする特別入賞口と、を備えた
    ことを特徴とするパチンコ機の打球入賞装置。
JP19462992A 1992-06-30 1992-06-30 パチンコ機の打球入賞装置 Expired - Lifetime JPH06102093B2 (ja)

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