JP3627171B2 - 球払出遊技機 - Google Patents
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【産業上の利用分野】
本発明は、球払出遊技機、例えばパチンコ機の入賞装置に関し、特に開閉自在な開閉部材と、打球の入賞によって遊技者に特別の利益を付与する特別入賞口とを備えた、例えばいわゆるセブン機、飛行機タイプ、権利物といったパチンコ機等に使用する入賞装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、球払出遊技機、例えばパチンコ機の入賞装置としては、例えば取付基板の前面に打球を受け入れない第1状態と打球を受け入れ易い第2状態とに変換することができる左右一対の開閉片又は前後方向へ開閉自在な開閉扉を設け、第2状態において受け入れた打球が特別入賞口へ入賞すると開閉片又は開閉扉を所定時間づつ連続して複数回繰返えし開閉動作すると共に、前記した回数を1サイクルとし、そのサイクル更新を所定回数まで可能とした特別遊技状態(大当り状態)を発生させるようにして多量の入賞球を得ることができるように構成したものが知られている。そして、前記特別遊技状態は、開閉片又は開閉扉が所定回数開閉動作するか又は所定個数の打球が入賞するまでの間にその入賞球が特別入賞口に入賞するとその時点でサイクルを更新し特別入賞口に入賞しなかった場合には特別遊技状態が終了するように電気的に制御されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかして、上記した入賞装置にあっては、その入賞態様がほとんど同じで規格化されているため、遊技者から飽きられつつある。また、特別入賞口への打球の入賞が多分に偶然性によるものが多く、このため特別入賞口に入賞できないで少ないサイクルで特別遊技状態が終了したり、反対にサイクルが始まるとすぐに特別入賞口に入賞して次のサイクルに移行してしまい少ない入賞球しか得ることができない状態で特別遊技状態か終了してしまうなど遊技者に十分な満足を与えていないという問題点があった。本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、遊技球が所定の入賞領域へ即座には入賞しないようにしつつも、当該入賞領域へ最終的には遊技球が入賞されるという安心感を遊技者に与えることができる入賞装置を備えた球払出遊技機を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明においては、
遊技球を遊技盤面に発射させる機能を有するとともに、その遊技盤面には、開放時に遊技球を受け入れるように構成されるとともにその受け入れられた遊技球が特別入賞領域を含む複数の入賞領域のいずれかに入賞するように構成された入賞装置を備えた球払出遊技機において、前記入賞装置に受け入れられた遊技球を該入賞装置内の所定の入賞領域の手前で受け止める第1位置と、受け止めない第2位置とに移動可能な球受手段を設け、前記第1位置では球受手段によって複数の遊技球を受け止め得るように構成し、
前記球受手段を、互いに近接した位置と離間した位置とに切り換えられる一対の球受部材によって構成し、互いに近接した位置を前記第1位置とし、互いに離間した位置を前記第2位置とし、
前記各球受部材は第1位置においてそれぞれ1個づつ遊技球を受け止め可能であり、前記各球受部材によって1個づつ遊技球を受け止めた状態では、これら受け止められた一対の遊技球の上部に積み重なるように更に1個の遊技球が受け止められるように構成し、
前記第1位置における遊技球の受け止め状態から前記各球受部材が前記第2位置に切り換えられることにより、前記各球受部材に受け止められた各遊技球はそれぞれ前記特別入賞領域以外の入賞領域に入賞され、かつ前記上部に積み重なるように受け止められていた遊技球のみが前記特別入賞領域に入賞されるように構成した。
この場合、前記各球受部材はリンク機構を介して単一の駆動源に接続されていることが好ましい。また、前記各球受部材は互いに近接した位置にて上方に開口されるように配置された球受凹部を有しており、該球受凹部に遊技球を受け止め可能とされており、互いに離間した位置では球受凹部が側方に開口されるように配置されることで当該球受凹部に受け止められていた遊技球が落下して遊技球を受け止め不能となるものであることが好ましい。
【0005】
【作用】
入賞装置に入賞した後、所定の入賞領域に入賞しようとする遊技球は、入賞装置の第1位置に配置された球受部材によって、当該所定の入賞領域への入賞が留保される。この留保は前記球受部材の第2位置への移動に伴って解除され、最終的に前記所定の入賞領域へ遊技球が導かれることとなる。従って、入賞装置へ早いうちに入賞した遊技球も前記球受部材を第1位置に配置することによって所定の入賞領域に入賞しないようにすることが可能であり、その受け止められた遊技球は後になって球受部材を第2位置に切り換えることで所定の入賞領域に導かれ得るため、遊技者には入賞装置の開放初期より所定の入賞領域へ最終的には確実に遊技球が導かれるという安心感を与えることも可能となる。しかも、その所定の入賞領域を遊技者に付与される価値状況の高い特別入賞領域としておけば、その安心感は絶大なものとなり、遊技者に一層安心して遊技を楽しませることができる利点がある。
【0006】
【作用】
入賞装置が開放されると遊技球を受け入れ可能な状態となり、入賞装置に受け入れられた遊技球は特別入賞領域を含む複数の入賞領域のいずれかに入賞される。ここで、入賞装置内には、前記受け入れられた遊技球を1個づつ受け止め得る球受部材を一対備えてなる球受手段が配置されている。球受部材が互いに近接する第1位置に配置された状況では、各球受部材に1個づつ遊技球が受け止められるとともに、これら受け止められた一対の遊技球の上部に積み重なるように更に1個の遊技球が受け止められる。この状況から、球受部材が互いに離間する第2位置に切り換えられると、各球受部材に受け止められていた遊技球はそれぞれ特別入賞領域以外の入賞領域に入賞され、前記上部に積み重なるように受け止められていた遊技球のみが特別入賞領域に入賞される。
【0007】
前記開閉扉2の後方に位置した取付基板1の裏面上部には箱枠9が固着される。また、前記開閉扉2は、下部両側に軸ピン10,10が突設されており、その軸ピン10,10を開口の周縁に形成された凹部11,11に嵌挿し、これが外れないように箱枠9の前面縁に当接させることによって開閉可能に取付けられている。また、開閉扉2の裏面側の一側には箱枠9の後壁に形成されたスリット12に臨む扇形状の歯車部13が形成されており、他方の下部一側にはスリット14から下方に突出する回動規制片15が形成されている。
【0008】
前記箱枠9の後壁背面には開閉扉2を開閉させるためのソレノイド16が固着される。該ソレノイド16のプランジャ17には図5に示すようにラック18が形成された連結部材19が固定されており、該連結部材19のラック18と開閉扉2の歯車部13とが噛合されている。そして、前記ソレノイド16のプランジャー17は、該ソレノイド16が消磁した状態ではコイルばね20によって下方へ付勢されており、これによって開閉扉2が図5実線で示すように打球を受け入れない直立した第1状態に維持される。なお、21は回動規制片15を当接させて開閉扉2の開き角度を規制するためのストッパ片である。
【0009】
また、前記箱枠9の内部には、開閉扉2が第2状態において受け入れた打球を中央へ導く傾斜通路22,22が形成され、その両傾斜通路22,22の下流端に受け入れた打球の個数をカウントするための入賞球検出器23が設けられている。そして、入賞球検出器23で検出された打球は、前面板3の上端に形成された球受部24に受けられて導出口25から前面板3の前面の入賞空間8に導かれる。
【0010】
前記入賞球受枠5は、その内側空間が仕切壁26によって3つの入賞領域に区分されており、中央部は特別入賞領域としての特別入賞口27とされ、その左右は一般入賞口28,28とされている。そして、特別入賞口27には、入賞球を検出して特別遊技状態の開閉サイクルを継続させるための入賞球検出スイッチ29が設けられている。また、特別入賞口27、一般入賞口28,28に入賞した打球は前面板3に形成された開口30から取付基板1の通路枠31へ導かれて後方へ流出する。
【0011】
また、前面板3の前面の入賞空間8のほぼ中央には、打球を受け止めて停留させる停留部材としての一対の球受部材32a,32bが外側方向へ移動自在に設けられている。この球受部材32a,32bは、円柱状の本体33a,33bと該本体33a,33bの前面を覆う飾り板34a,34bとから構成され、本体33a,33bの上面に一個の打球を受けることが可能な半円状の凹部35a,35bが形成されている。また、本体33a,33bの後面の中心より外方位置に回動軸36a,36bが固着されており、該回動軸36a,36bを前面板3に形成された円弧状のガイド孔37a,37bから後方へ突出させている。
【0012】
一方、取付基板1に形成された後面壁1a,1aの前面に支軸38a,38bが固着されており、該支軸38a,38bにアーム部材39a,39bの一端が回動自在に軸支されている。そして、該アーム部材39a,39bの他端の軸挿通孔40a,40bに前記球受部材32aの回動軸36a,36bが挿通されており、これによって、球受部材32a,32bがアーム部材39a,39bの支軸38a,38bを回動中心として外側方向へ移動自在に支持されることになる。なお、アーム部材39a,39bは、一端に形成した軸孔41a,41bを支軸38a,38bに嵌挿して回動自在に支持される。また、前記アーム部材39a,39bの軸挿通孔40a,40bから突出する回動軸36a,36bの突出端には係合ピン42a,42bを突設したリンク部材43a,43bが装着される。なお、回動軸36a,36bと該回動軸36a,36bが嵌合されるリンク部材43a,43bの嵌合孔44a,44bは、互いに回動しないような形状に選ばれている。したがって、リンク部材43a,43bが回動すると回動軸36a,36bも共に回動する。また、回動軸36a,36bの突出端には抜止め用のEリング45a,45bが嵌着されている。
【0013】
また、前記取付基板1の裏面には、複数の間隔保持用突起46を介して球受部材32a,32bを回動させるためのソレノイド47が固着される。ソレノイド47のプランシジャ48下端には連結部材49が固着される。連結部材49の両側位置には横長孔50a,50bが形成され、この横長孔50a,50bに連動部材51a,51bの係合ピン52a,52bが挿入される。連動部材51a,51bは、外側下部に形成された軸孔53a,53bを取付基板1の後面壁1aの裏面に固着された支軸54a,54bに挿通して回動自在に支持され、さらに上部に形成された軸挿通孔55a,55bにリンク部材43a,43bの係合ピン42a,42bが嵌挿される。そして、前記ソレノイド47のプランシジャ48は、該ソレノイド47が消磁した状態ではコイルばね56によって下方へ付勢されており、これによって両球受部材32a,32bが図2実線のように中央位置で互いに接触状態に置かれるように付勢している。
【0014】
次に、上記構成からなる本発明の一実施例の入賞装置の作用を説明する。ソレノイド16が励磁されるとこれのプランジャ17がコイルばね20の付勢に抗して上方へ引かれ、図5鎖線のようにラック18が上昇して歯車部13を回動させる。このため、開閉扉2は図5鎖線で示すように前方へ回動して打球の受け入れが可能なように開成される。この際に、回動規制片15が箱枠9のスリット14の上部に形成したストッパ片21に当接してその開き角度が規制されるようになっている。一方、ソレノイド47が励磁されるとプランシジャ48が上方へ引かれて連動部材51a,51bが支軸54a,54bを支点に回動し、リンク部材43a,43bを介してアーム部材39a,39bを支軸38a,38bを支点に回動させる。このアーム部材39a,39bの回動により球受部材32a,32bが外側方向へ移動しながら外向きに回転する動作を行う。
【0015】
しかして、開閉扉2に受け入れられた打球は、箱枠9の内部に導かれて入賞球検出器23で検出されながら導出口25から入賞空間8に流出し、球受部材32a,32bに向かって落下する。一方、球受部材32a,32bは、ソレノイド47が消磁した状態では図6実線のように凹部35a,35bを上にし、かつ特別入賞口27の上方位置で互いに接触した状態(第1位置)に置かれており、このため、球受部材32a,32bに向かって落下する打球は、凹部35a,35bに受けられたり、或いは図6鎖線で示すようにその凹部35a,35bに受けられた2個の打球の上部中央に受けられたり、さらにはこれらの打球に接触しながら左右両側を流下する。そして、球受部材32a,32bに受けられないで左右両側を流下する打球は一般入賞口28,28に導かれて入賞球となる。なお、前記入賞球検出器23は、セブン機や飛行機タイプの10カウントスイッチとしても利用できる。なお、セブン機は、周知のように、所定の始動条件を満たしたときに図柄を可変表示し、その後確定表示する図柄表示装置を備えたパチンコ機である。
【0016】
一方、球受部材32a,32b上に3個の打球が受けられているとき、ソレノイド47が励磁されて該球受部材32a,32bが外側方向へ移動しながら外向きに回転(第2位置)すると、凹部35a,35bに受けられていた打球は図7に示すように球受部材32a,32bの外向き回動により左右両側に落とされて一般入賞口28,28に導かれ、中央の打球はそのまゝ真下に落下して特別入賞口27に入賞する。そして、これら球受部材上の入賞球の動きがすべて視認できるため、非常に面白いものとなる。なお、本実施例においては、開閉部材を前後方向へ開閉自在な開閉扉として説明したが、例えば左右両側に開閉する開閉翼片等のような型式のものでもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、入賞装置に受け入れられた遊技球が即座に特別入賞領域を含む複数の入賞領域のいずれかに入賞してしまうのではなく、一旦球受部材に受け止められ、かつ各球受部材上に積み重なるようにしてその入賞が留保される。その状況から、球受部材の位置が切り換えられ、球受部材に直接受け止められていた遊技球が他の入賞領域に入賞される一方、それら遊技球上に積み重なった状態で受け止められていた遊技球が特別入賞装置に入賞される。その結果、3つの遊技球が積み重なるように受け止められた時点で最終的には上部の遊技球が特別入賞領域に入賞されるという遊技者の安心感、そこに至るまでの遊技球の積み重なりが発生するか否かの遊技者の高揚感、その遊技球の積み重なりという特異な態様などが相俟って、遊技の興趣を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る入賞装置の斜視図である。
【図2】一部を断面にして示す図1の入賞装置の正面図である。
【図3】図1の入賞装置の分解斜視図である。
【図4】図1の入賞装置の中央縦断側面図である。
【図5】開閉扉部分を一部断面にして示す側面図である。
【図6】球受部材の作用説明図である。
【図7】球受部材の作用説明図である。
【符号の説明】
1 取付基板
2 開閉扉(開閉部材)
4 囲い枠
8 入賞空間
25 導出口
27 特別入賞口(特別入賞領域)
28,28 一般入賞口(入賞領域)
32a,32b 球受部材
Claims (3)
- 遊技球を遊技盤面に発射させる機能を有するとともに、その遊技盤面には、開放時に遊技球を受け入れるように構成されるとともにその受け入れられた遊技球が特別入賞領域を含む複数の入賞領域のいずれかに入賞するように構成された入賞装置を備えた球払出遊技機において、
前記入賞装置に受け入れられた遊技球を該入賞装置内の所定の入賞領域の手前で受け止める第1位置と、受け止めない第2位置とに移動可能な球受手段を設け、前記第1位置では球受手段によって複数の遊技球を受け止め得るように構成し、
前記球受手段を、互いに近接した位置と離間した位置とに切り換えられる一対の球受部材によって構成し、互いに近接した位置を前記第1位置とし、互いに離間した位置を前記第2位置とし、
前記各球受部材は第1位置においてそれぞれ1個づつ遊技球を受け止め可能であり、前記各球受部材によって1個づつ遊技球を受け止めた状態では、これら受け止められた一対の遊技球の上部に積み重なるように更に1個の遊技球が受け止められるように構成し、
前記第1位置における遊技球の受け止め状態から前記各球受部材が前記第2位置に切り換えられることにより、前記各球受部材に受け止められた各遊技球はそれぞれ前記特別入賞領域以外の入賞領域に入賞され、かつ前記上部に積み重なるように受け止められていた遊技球のみが前記特別入賞領域に入賞されるように構成したことを特徴とする球払出遊技機。 - 前記各球受部材はリンク機構を介して単一の駆動源に接続されている請求項1に記載の球払出遊技機。
- 前記各球受部材は互いに近接した位置にて上方に開口されるように配置された球受凹部を有しており、該球受凹部に遊技球を受け止め可能とされており、互いに離間した位置では球受凹部が側方に開口されるように配置されることで当該球受凹部に受け止められていた遊技球が落下して遊技球を受け止め不能となる請求項1又は2に記載の球払出遊技機。
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