JPH11253616A - 弾球遊技機 - Google Patents

弾球遊技機

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Publication number
JPH11253616A
JPH11253616A JP5873698A JP5873698A JPH11253616A JP H11253616 A JPH11253616 A JP H11253616A JP 5873698 A JP5873698 A JP 5873698A JP 5873698 A JP5873698 A JP 5873698A JP H11253616 A JPH11253616 A JP H11253616A
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JP
Japan
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opening
ball
area
hit ball
solenoid
Prior art date
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Application number
JP5873698A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Iida
飯田  勉
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Sanyo Bussan Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Bussan Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切替装置が故障した場合に、かかる故障を発
見することができる弾球遊技機を提供すること。 【解決手段】 大入賞口の開口13aへ入賞した打球3
0を特定領域23a1または通常領域23a2へ向けて
転動させる傾斜板23cは、ソレノイド24が非作動状
態の場合に、特定領域23a1へ向けて下降傾斜するよ
うに構成されている。よって、ソレノイド24が故障等
により作動しない場合に、大入賞口の開口13aへ入賞
した打球30は特定領域23a1へ向けて転動されて、
特定領域23a1を通過するため、通常領域23a2を
通過する打球30が検出器27により検出されず、ノー
カウントエラーが発生する。従って、ソレノイド24が
故障等により作動しない場合には、ノーカウントエラー
が発生してパチンコ遊技機1の遊技が制御装置により中
断されるので、かかる遊技の中断によりソレノイド24
の故障等が発見される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、所定条件の成立
に基づく特別遊技状態の発生により開放される入賞領域
を有する弾球遊技機に関し、特に、切替装置が故障した
場合に、かかる故障を発見することができる弾球遊技機
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】 打球を遊技領域へ打ち込んで遊技を行
うパチンコ遊技機などに代表される弾球遊技機には、所
定条件下で特別遊技状態となって、遊技者に所定の遊技
価値が付与されるものがある。このようなパチンコ遊技
機によれば、この所定の遊技価値により、例えば、打球
が入賞しやすいように遊技領域の下側部分に設けられた
可変入賞装置の入賞口(特定入賞口または大入賞口)を
所定時間(例えば、30秒間)、又は、所定個数(例え
ば、10個)の打球が入賞するまで開放させる。この可
変入賞装置は、主に、入賞口へ入賞した打球を通常の入
賞球として処理する通常領域と、入賞口へ入賞した打球
が通過することにより特別遊技状態の継続権の成立を決
定する特定領域と、その特定領域または通常領域へ向け
て下降傾斜可能に形成された傾斜板と、その傾斜板の傾
斜方向を通常領域または特定領域へ向けて切り替えるソ
レノイドと、通常領域を通過する打球を検出して計数す
る検出装置とを備えている。
【0003】ところで、かかる可変入賞装置から検出装
置を不正に取り外して、可変入賞装置の入賞口を所定時
間一杯に開放させ、入賞口へ所定個数を越えた打球を入
賞させて、賞球の払い出しを増加させる不正行為が問題
になっている。このような不正行為の防止対策として、
実開平6−486号公報に記載されたパチンコ遊技機
は、通常領域を通過する打球が特別遊技状態中に検出装
置によって1個も検出されない場合に、その遊技を強制
的に中断するように構成されている。よって、かかる遊
技の中断により、検出装置の不正な取り外しが発見され
る。しかも、このように構成されたパチンコ遊技機で
は、可変入賞装置の傾斜板が特定領域へ向けて下降傾斜
した状態で故障した場合には、入賞口へ入賞した打球が
すべて特定領域を通過するため、特別遊技状態中に検出
装置によって打球が1個も検出されず、パチンコ遊技機
の遊技が強制的に中断される。よって、かかる遊技の中
断により、傾斜板等の故障が発見されるのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、かか
るパチンコ遊技機の可変入賞装置の傾斜板は、ソレノイ
ドが非作動状態の場合に、通常領域へ向けて下降傾斜す
るように構成されている。よって、例えば、ソレノイド
が故障して作動できない場合には、入賞口へ入賞した打
球は、傾斜板を介してすべて通常領域へ向けて転動し、
検出装置により検出される。このため、ソレノイドの故
障によるパチンコ遊技機の異常があるにも関わらず、パ
チンコ遊技機の遊技が中断されず、ソレノイドの故障を
発見することができないという問題点があった。
【0005】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、切替装置が故障した場合に、かか
る故障を発見することができる弾球遊技機を提供するこ
とを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】 この目的を達成するた
めに、請求項1記載の弾球遊技機は、所定条件の成立に
基づく特別遊技状態の発生に伴って開放される入賞領域
と、その入賞領域に設けられ打球が通過可能な特定領域
と、その特定領域と共に前記入賞領域に設けられ打球が
通過可能な通常領域と、その通常領域を通過する打球を
検出する検出装置とを備え、その検出装置により特別遊
技状態中に打球が検出されない場合に遊技を中断するも
のであり、前記入賞領域に配設され、その入賞領域へ入
賞した打球を前記通常領域または特定領域へ向けて転動
させるために、その通常領域または特定領域へ向けて下
降傾斜可能に形成された傾斜部材と、その傾斜部材の傾
斜方向を前記通常領域または特定領域へ向けて切り替え
る切替装置とを備え、前記傾斜部材は、その切替装置の
非作動時に前記特定領域へ向けて下降傾斜するように形
成されている。
【0007】この請求項1記載の弾球遊技機によれば、
入賞領域へ入賞した打球を通常領域または特定領域へ向
けて転動させる傾斜部材は、切替装置の非作動時に特定
領域へ向けて下降傾斜するように形成されている。よっ
て、切替装置が故障等により作動しない場合に、入賞領
域へ入賞した打球を特定領域へ向けて転動させて特定領
域を通過させることができる。このため、切替装置が故
障した際に打球は通常領域を通過しないので、打球が検
出装置により検出されず、弾球遊技機の遊技が中断され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の好ましい実施例
について、添付図面を参照して説明する。本実施例で
は、弾球遊技機の一例としてパチンコ遊技機を用いて説
明する。図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の
正面図である。このパチンコ遊技機1は、いわゆる第1
種パチンコ遊技機であり、その前面(図1の紙面に対し
て手前側)には前面枠2が配設されている。この前面枠
2は、略矩形額縁状に形成されており、その略中央部分
には略矩形状の開口2aが穿設され、かかる開口2aの
内周には金枠3が周設されている。この金枠3の内側の
上方には、ガラス板4a,4bをそれぞれ装着可能なガ
ラス扉枠4が開閉可能に配設されており、ガラス扉枠4
の後方(図1の紙面に対して奥側)には遊技盤5が配置
されている。尚、ガラス板4aはガラス扉枠4の前側部
分に装着され、ガラス板4bはガラス板4aの後側部分
に装着される。即ち、ガラス板4aと遊技盤5との間に
ガラス板4bが装着されるのである。
【0009】遊技盤5の前面には略円弧状の外レール6
が植立され、その外レール6の内側位置には円弧状の内
レール7が植立されている。この内レール7および外レ
ール6により囲まれた遊技盤5の前面には、打球(遊技
球)30が打ち込まれる遊技領域8が形成されており、
遊技領域8の周囲には、打球30が入賞することにより
5個から15個の打球30が賞球として払い出される複
数の入賞口9が設けられている。この複数の入賞口9が
設けられた遊技領域8の略中央部分には、複数種類の識
別情報としての図柄などを表示する液晶(LCD)ディ
スプレイ(可変表示装置)10が設けられている。この
LCDディスプレイ10の表示画面は横方向に3分割さ
れており、3分割された各表示領域において、それぞれ
図柄の変動表示が行われるのである。
【0010】LCDディスプレイ10の下方には、図柄
作動ゲート(第1種始動口)11が設けられている。図
柄作動ゲート11を打球30が通過することにより、L
CDディスプレイ10の変動表示が開始される。また、
図柄作動ゲート11の下方には可変入賞装置12が設け
られている。この可変入賞装置12は、遊技盤5に取着
可能に形成された本体フレーム13を備えており、その
略中央部分には2以上の打球30が同時に通過可能な幅
広の矩形状の開口である大入賞口の開口13aが穿設さ
れている。この大入賞口の開口13aは、大入賞口の一
部を構成しており、LCDディスプレイ10の変動後の
表示結果が予め定められた図柄の組み合わせ(大当たり
表示)の1つと一致する場合に、打球30が入賞しやす
いように所定時間(例えば、30秒間)経過するまで、
又は、所定個数(例えば、10個)の打球30が大入賞
口の開口13aへ入賞するまで、開放されるものであ
る。この大入賞口の開口13aの開閉動作の行われ得る
状態が、いわゆる所定の遊技価値の付与された状態(特
別遊技状態)である。尚、大入賞口は、大入賞口の開口
13a、並びに、後述する開閉シャッタ14、傾斜面1
5c1が形成された取付部材15cの上側部分および傾
斜面15d1が形成された取付部材15dの上側部分で
構成されている(図2参照)。
【0011】大入賞口の開口13aには、開閉シャッタ
14が配設されている。この開閉シャッタ14は、主
に、大入賞口の開口13aの形状に適合して形成された
略板状の扉部材14aを備えており、この扉部材14a
により大入賞口の開口13aを開閉するものである。こ
の開閉シャッタ14の扉部材14aの下側両端には、略
円柱状の一対の支軸14bがそれぞれ形成されている。
この一対の支軸14bは本体フレーム13の前面に凹設
された軸支溝13cに回動可能に軸支されており(図2
参照)、この一対の支軸14bにより、開閉シャッタ1
4は所定範囲で前後方向(図1の紙面に対する垂直方
向)へ傾動(揺動)可能に本体フレーム13に配設され
る。よって、大入賞口の開口13aは、開閉シャッタ1
4が前方へ向けて傾動され開かれることにより開放され
る一方、開閉シャッタ14が後方へ傾動され閉じられる
ことにより閉鎖されるのである。また、本体フレーム1
3の前面であって、開閉シャッタ14の前方にはガード
部材15が配設されている。尚、ガード部材15の詳細
については、後述する。
【0012】この可変入賞装置12の下方であって、上
述した遊技領域8の最下方には、いずれの入賞口にも入
賞しなかった打球30を遊技領域8外へ排出するための
アウト口16が形成されている。このアウト口16の形
成された遊技領域8の前方に配設されたガラス扉枠4の
下方には、金枠3に開閉可能に取着された前面扉板(腰
板)17が配設されている。この前面扉板17の前面に
は打球30を貯留し、かつ、打球発射装置(図示せず)
へ打球30を供給する上皿18が配設され、その上皿1
8の下方であって、前面枠2の下側部分には上皿18に
貯留しきれなかった打球30を貯留するための下皿19
が配設されている。また、下皿19の右側部分には、打
球30を遊技領域8へ打ち込むために遊技者により操作
される操作ハンドル20が配設され、かかる操作ハンド
ル20の内部には打球発射装置の駆動モータ(図示せ
ず)を回転させるためのスイッチであるハンドルスイッ
チ20aが内蔵されている。
【0013】図2は、遊技盤5から取り外された可変入
賞装置12の外観斜視図であり、ガード部材15を透明
視して図示すると共に、上述の開閉シャッタ14を前
方、即ち、ガード部材15側へ向けて傾動して、大入賞
口の開口13aを開放した状態を図示している。図2に
示すように、上述した可変入賞装置12は略板状体に形
成された本体フレーム13を備え、この本体フレーム1
3はポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する合成樹
脂材料で構成されている。よって、打球30が衝突する
ことにより、本体フレーム13が欠けるなどして破損す
ることを防止することができる。この本体フレーム13
は、可変入賞装置12を遊技盤5の前面に取り付けるた
めのものであり、その略中央部分には上述した大入賞口
の開口13aが穿設され、本体フレーム13の縁部分に
は遊技盤5の前面にねじ止めするための6つ通穴13b
がそれぞれ穿設されている。また、本体フレーム13の
前面であって、大入賞口の開口13aの左右両縁部に
は、上述した開閉シャッタ14の一対の支軸14bのそ
れぞれを軸支する矩形状の軸支溝13c,13c(図2
では右側のみ図示する)がそれぞれ凹設されている(図
5参照)。
【0014】本体フレーム13の前面であって、大入賞
口の開口13aの前方には略板状に形成されたガード部
材15が配設されている。このガード部材15は、開閉
シャッタ14が前方へ向けて傾動され大入賞口の開口1
3aが開放される場合に、ガラス扉枠4の遊技盤5側に
装着されるガラス板4b(図1参照)と開閉シャッタ1
4との間隙に打球30が挟まり込むことを防止する部材
である。ガード部材15は、透明な耐衝撃性を有するポ
リカーボネート樹脂等の合成樹脂材料で構成されてい
る。このガード部材15は略三日月状に形成された前面
板15aを備えており、この前面板15aの前面縁部分
には着色剤による縁取りや絵模様等の装飾模様が施され
ており、遊技者の興趣の向上を図ることができる。この
前面板15aは、本体フレーム13の前面に対して略平
行となるように形成されており、その裏面には前面板1
5aと本体フレーム13とを連結するために本体フレー
ム13の前面にねじ止めされる取付部材15b,15
c,15d,15eが後方へ向けて突設されている。
【0015】各取付部材15b〜15eのうち、取付部
材15c,15dはそれぞれ左右対称に形成されてい
る。この取付部材15cと取付部材15dとの間隙には
大入賞口の開口13aおよび開閉シャッタ14が配置可
能に形成され、この取付部材15cと取付部材15dと
の間隙は、開閉シャッタ14が閉鎖されている場合に、
打球30がアウト口16に向けて通過できるように上下
方向に貫通して形成されている。この取付部材15cと
取付部材15dとの間隙の左右方向幅は開閉シャッタ1
4の長手方向(左右方向)幅より大きく形成されている
ので、取付部材15cと取付部材15dとの間隙内で開
閉シャッタ14を開閉する場合に、開閉シャッタ14が
取付部材15cと取付部材15dとに衝突することを防
止することができる。
【0016】また、取付部材15c,15dの上面に
は、その両者の間隙へ向けて下降傾斜した傾斜面15c
1,15d1が形成されており、かかる傾斜面15c
1,15d1へ向けて落下してきた打球30を取付部材
15cと取付部材15dとの間隙へ転がり落とすことが
でき、打球30が取付部材15c,15dの上面に載り
留まることを防止することができる。よって、開閉シャ
ッタ14が開かれている場合には、打球30を開閉シャ
ッタ14へ導いて、大入賞口の開口13aへと入賞させ
ることができ、また、開閉シャッタ14が閉じられてい
る場合には、取付部材15c,15dの間隙へ打球30
を転がり落として通過させ、アウト口16へ打球30を
導き、アウト球として処理することができる。尚、大入
賞口は、上述した大入賞口の開口13a、開閉シャッタ
14、傾斜面15c1が形成された取付部材15cの上
側部分および傾斜面15d1が形成された取付部材15
dの上側部分で構成されている。
【0017】取付部材15c,15dは、本体フレーム
13の各支軸溝13cにそれぞれ軸支された開閉シャッ
タ14の各支軸14bの前方にそれぞれ配置されてお
り、各支軸14bが各支軸溝13cから抜け落ちること
を防止している。尚、図2では、本体フレーム13の各
支軸溝13cに軸支された開閉シャッタ14の各支軸1
4bのうち、開閉シャッタ14の右側に形成された支軸
14bのみを図示している。
【0018】また、各取付部材15b〜15eのうち、
取付部材15b,15eはそれぞれ左右対称に形成され
ており、取付部材15bおよび取付部材15eの上面に
は、落下してきた打球30を転がり落とすために、左方
向へ向けて下降傾斜した傾斜面15b1および右方向へ
向けて下降傾斜した傾斜面15e1がそれぞれ形成され
ている。よって、かかる傾斜面15b1または傾斜面1
5e1へ向けて落下してきた打球30を可変入賞装置1
2の外方へ向けて転がり落とすことができ、打球30が
取付部材15b,15eの上面に載り留まることを防止
することができる。更に、取付部材15bと取付部材1
5cとの間隙および取付部材15dと取付部材15eと
の間隙には、打球30が通過可能な通路12a,12b
が貫通して形成されており、かかる通路12a,12b
を通過した打球30を遊技領域8の最下方に設けられた
アウト口16へ導き、アウト球として処理することがで
きる。
【0019】図3は、図2の可変入賞装置12を部分的
に断面視した外観斜視図であり、ガード部材15を透明
視して図示すると共に、図中の矢印は開閉シャッタ14
の開く方向を示している。図3に示すように、本体フレ
ーム13の後面右側部分には、開閉シャッタ14を閉鎖
するための駆動力を供給するソレノイド21が配設され
ている。このソレノイド21は、主に、プランジャ21
aと、そのプランジャ21aを開閉シャッタ14配設
側、即ち、図3の左側へ向けて付勢するコイルスプリン
グ21b(図5参照)とを備えており、その作動状態に
おいてプランジャ21aが図3の右側方向へ移動する一
方、その非作動状態においてプランジャ21aがコイル
スプリング21bの付勢により図3の左側方向へ移動す
るように構成されている。
【0020】このソレノイド21により駆動力が供給さ
れる開閉シャッタ14は、本体フレーム13と同様に、
ポリカーボネート樹脂等の耐衝撃性を有する合成樹脂材
料で略板状体に形成され、主に、上述した扉部材14a
および一対の支軸14bを備えている。この扉部材14
aの両端部分には、開閉シャッタ14を開くための一対
のウェイト部材14cがそれぞれ一体成形されている。
この一対のウェイト部材14cは所定の重量の部材で形
成されており、上述した一対の支軸14bよりガード部
材15の前面板15a側に形成されている。即ち、開閉
シャッタ14の重心位置は、その一対の支軸14bの軸
心(揺動中心)よりガード部材15側に配置される。よ
って、開閉シャッタ14には、各ウェイト部材14cの
重量による反時計回り方向(図中の矢印方向)の回転力
が加わっている。また、図3に示すように大入賞口の開
口13aを開放した状態での開閉シャッタ14は、一対
の支軸14bの軸心回りにおいて、自由に揺動可能な状
態である。このため、各ウェイト部材14cの重量によ
る反時計回り方向(図中の矢印方向)の回転力により、
開閉シャッタ14を、前方、即ち、ガード部材15の前
面板15a側へ向けて各支軸14bの軸心回りに傾動す
ることができるのである。
【0021】また、一対のウェイト部材14cの後側面
には、開閉シャッタ14が前方へ傾動して大入賞口の開
口13aが開放される場合に、開閉シャッタ14の傾動
を所定の角度で停止するための開放停止面14c1がそ
れぞれ形成されている(図3では右側のウエイト部材1
4cについてのみ図示する)。よって、かかる各開放停
止面14c1が本体フレーム13の前面に当接すること
により、開閉シャッタ14の前方(図中の矢印方向)へ
向けた傾動を停止することができる。また、開放停止面
14c1により開閉シャッタ14の傾動が停止された場
合、開閉シャッタ14の扉部材14aは、大入賞口の開
口13aへ向けて下降傾斜されるので、遊技領域8の上
方から落下してきた打球30を大入賞口の開口13aへ
容易に導き入賞させることができる。
【0022】この開閉シャッタ14の扉部材14aの右
端部であって、支軸14bの後方部分には、略円柱状の
押下ピン14dが外方(図3の右側)へ向けて突設され
ている。この押下ピン14dは、開閉シャッタ14を閉
鎖する場合に、ソレノイド21によって作動される作動
部材22により下方へ向けて押下されるものであり、か
かる作動部材22による押下ピン14dの押下により、
開閉シャッタ14を後方へ向けて傾動することができ、
その扉部材14aを倒立させて、大入賞口の開口13a
を閉鎖することができる。この押下ピン14dの上方に
は作動部材22の一端部分に形成された揺動アーム22
aが延出されており、この作動部材22の他端部分には
支持ピン22bが挿嵌されている。この作動部材22
は、かかる支持ピン22bにより本体フレーム13およ
び後方箱部材23に回動可能に支持されている。また、
この支持ピン22bの上方であって、作動部材22の右
側上端には、上述したソレノイド21のプランジャ21
aが係合可能な係合溝22cが凹設されており、この係
合溝22cおよびプランジャ21aを介して、ソレノイ
ド21と作動部材22とが連結されている。よって、作
動部材22の揺動アーム22aは、ソレノイド21のプ
ランジャ21aの動作に応じて、支持ピン22bを揺動
中心軸として揺動(傾動)することができるのである。
尚、開閉シャッタ14の開閉動作についての詳細は後述
する。
【0023】開閉シャッタ14の後方であって、本体フ
レーム13の後側面には、合成樹脂材料で略中空箱状体
に形成された後方箱部材23がねじ止め等により取着さ
れている。この後方箱部材23は、大入賞口の開口13
aへ入賞した打球30の各種処理を行うためのものであ
り、その内部には打球30が入賞可能な内空間23aが
内設されている。この内空間23aの前面には本体フレ
ーム13に穿設された大入賞口の開口13aと連通する
通口23bが穿設されており、内空間23aの右側部分
には特定領域(Vゾーン)23a1が設けられるととも
に、内空間23aの左側部分には特定領域23a1に連
通した通常領域23a2が設けられている。
【0024】この特定領域23a1は、大入賞口の開口
13aへ入賞した打球30が通過することにより、特別
遊技状態の継続権の成立を決定する領域である。例え
ば、大入賞口の開口13aの開放中、即ち、特別遊技状
態中に、打球30が特定領域23a1を通過すると、継
続権が成立して、大入賞口の開口13aの閉鎖後、再
度、その大入賞口の開口13aを所定時間(例えば、略
30秒間)経過するまで、又は、所定個数(例えば、1
0個)の打球30が大入賞口の開口13aへ入賞するま
で開放することができる。この大入賞口の開口13aの
開閉動作は、最高で16回(16ラウンド)繰り返し可
能に設定されている。また、通常領域23a2は、大入
賞口の開口13aへ入賞した打球30が通過することに
より、かかる打球30を通常の入賞球として処理する領
域である。例えば、打球30が通常領域23a2を通過
すると、その通過した1個の打球30について、15個
の賞球を遊技者に払い出すことができる。
【0025】尚、大入賞口の開口13aの開放中に、打
球30が特定領域23a1を通過しても、その通過した
1個の打球30について、15個の賞球が遊技者に対し
て払い出される。
【0026】これらの特定領域23a1および通常領域
23a2の間部分であって、内空間23aの後方底部に
は、大入賞口の開口13aに入賞した打球30を特定領
域23a1または通常領域23a2に振り分けるための
傾斜板23cが配設されている。この傾斜板23cは、
その左右方向における略中央部分において、後方箱部材
23に揺動可能に軸支されており、図3では、特定領域
23a1へ向けて下降傾斜した状態で停止されている。
この傾斜板23cは、後方箱部材23の後面左側に配設
されたソレノイド24によって駆動することができる。
【0027】尚、後方箱部材23の裏面側には薄板状の
後方プリンタ回路基板25がねじ止めにより取着され、
この後方プリンタ回路基板25はソレノイド21,24
とそれぞれ電気的に接続されており、ソレノイド21,
24の動作を制御するための電気的信号を入力するため
にケーブル等が接続されるコネクタ(図示せず)が設け
られている。
【0028】図4は、後方箱部材23の部分的な斜視断
面図であり、傾斜板23cが特定領域23a1へ向けて
下降傾斜した状態を図示している。図4に示すように、
上述した後方箱部材23の内空間23aの右側部分には
特定領域23a1が形成されており、その下側部分には
特定領域23a1を通過する打球30を検出する直方体
状の入賞球検出器26が配設されている。この入賞球検
出器26は特定領域23a1の底部を構成しており、そ
の左側上面には打球30が1個ずつ通過可能な円形状の
開口である入賞球検出部26aが穿設されている。よっ
て、かかる入賞球検出部26aを打球30が通過するこ
とにより、特定領域23a1を通過した打球30を検出
することができると共に、かかる特定領域23a1を通
過した打球30を可変入賞装置12の下方に配設される
入賞球集合樋(図示せず)へ流下させて、入賞球排出ユ
ニット(図示せず)へ排出することができる。
【0029】一方、上述した後方箱部材23の内空間2
3aの左側部分には通常領域23a2が形成されてお
り、その下側部分には通常領域23a2を通過する打球
30を検出する直方体状の入賞球検出器27が配設され
ている。この入賞球検出器27は通常領域23a2の底
部を構成しており、その左側上面には打球30が1個ず
つ通過可能な円形状の開口である入賞球検出部27aが
穿設されている。よって、かかる入賞球検出部27aを
打球30が通過することにより、通常領域23a2を通
過した打球30を検出することができる共に、かかる通
常領域23a2を通過した打球30を可変入賞装置12
の下方に配設される入賞球集合樋(図示せず)へ流下さ
せて、入賞球排出ユニット(図示せず)へ排出すること
ができる。
【0030】また、大入賞口の開口13aへ入賞した打
球30の個数を入賞球検出器26,27により検出する
ことができるので、打球30の合計個数が所定個数(例
えば、10個)に達した場合には、特別遊技状態の開始
時から所定時間(例えば、30秒間)が経過していなく
ても、開閉シャッタ14を閉鎖させて、大入賞口の開口
13aを閉鎖することができる。よって、可変入賞装置
12の大入賞口の開口13aへ入賞する打球30の個数
が制限されるので、パチンコ遊技機1の射幸性の過剰な
上昇を制限することができるのである。
【0031】尚、入賞球検出器26,27は本体フレー
ム13(図2および図3参照)へ向けて着脱可能に挿入
されており、本実施例の入賞球検出器26,27には磁
気センサを備えた近接スイッチを使用している。
【0032】この特定領域23a1および通常領域23
a2の間には、上述した傾斜板23cが配設されてい
る。この傾斜板23cは、上述したように、大入賞口の
開口13aへ入賞した打球30を特定領域23a1また
は通常領域23a2へ振り分けるものであり、その上側
部分には打球30を載せることが可能な略矩形板状の上
部板23c1が形成されている。この上部板23c1の
前後両端面には、略円柱状の支軸23c2,23c2が
外方へ向けて突設されており、傾斜板23cは、各支軸
23c2,23c2により後方箱部材23に揺動可能に
軸支されている。支軸23c2,23c2のうち上部板
23c1の前側端面に突設された支軸23c2の下方に
は、略円柱状の係合ピン23c3が前方へ向けて突設さ
れており、この係合ピン23c3は、各支軸23c2,
23c2を介して揺動可能に軸支された傾斜板23cに
ソレノイド24の駆動力を伝達するためのものである。
尚、傾斜板23cの動作についての詳細は後述する。
【0033】また、傾斜板23cの左右両端下方であっ
て、後方箱部材23の底部上端面には、傾斜板23cが
特定領域23a1および通常領域23a2へ向けて下降
傾斜する場合に、傾斜板23cの傾動を所定の角度で停
止するための傾動停止面23d,23dがそれぞれ形成
されている。よって、かかる右側の傾動停止面23dと
傾斜板23cの右端部下面とが当接することにより、傾
斜板23cの特定領域23a1へ向けた傾動を停止する
ことができる。一方、かかる左側の傾動停止面23dと
傾斜板23cの左端部下面とが当接することにより、傾
斜板23cの通常領域23a2へ向けた傾動を停止する
ことができる。
【0034】図5は、傾斜板23cが特定領域23a1
へ向けて下降傾斜した状態での可変入賞装置12の裏面
概略図であり、開閉シャッタ14が開放された状態を示
している。尚、図中の2点鎖線は、本体フレーム13の
一部および入賞球検出器26,27を図示しており、図
中矢印Xはソレノイド24の非作動時におけるプランジ
ャ24aの移動方向を示し、矢印Yは打球30の流下方
向を示している。
【0035】図5に示すように、上述した傾斜板23c
は可変入賞装置12の本体フレーム13の略中央部分に
配設されており、本体フレーム13におけるソレノイド
21の反配設側(図5の右側)には上述したソレノイド
24が配設されている。このソレノイド24は、開閉シ
ャッタ14を開閉させるソレノイド21と略同一に構成
されている。ソレノイド24は、傾斜板23cの傾斜方
向を切り替えるための駆動力を供給するものであり、主
に、プランジャ24aと、そのプランジャ24aを開閉
シャッタ14配設側(図5の左側)へ向けて付勢するコ
イルスプリング24bとを備えている。このソレノイド
24は、その作動状態においてプランジャ24aが反矢
印X方向(図5右側方向)へ移動する一方、その非作動
状態においてプランジャ24aがコイルスプリング24
bの付勢により矢印X方向(図5左側方向)へ移動して
突出するように構成されている。このソレノイド24の
プランジャ24aの先端部下方には略ひょうたん状に形
成された作動部材28が配設されている。
【0036】作動部材28は、ソレノイド24のプラン
ジャ24aの動作をリンク部材29へ伝達するものであ
り、その下側部分には下方へ向けて延出された揺動アー
ム28aが形成されており、その上端部にはソレノイド
24のプランジャ24aの先端部が係合可能な略U字状
の係合溝28bが凹設されている。よって、この係合溝
28bとプランジャ24aとを係合することにより、作
動部材28およびソレノイド24を連結することができ
る。この作動部材28の略中央部分には、断面視円形状
の支持ピン28cが挿嵌されており、かかる支持ピン2
8cを介して作動部材28は本体フレーム13および後
方箱部材23に回動可能に支持されている。よって、作
動部材28の揺動アーム28aは、ソレノイド24のプ
ランジャ24aの動作に応じて、支持ピン28cを揺動
中心軸として揺動(傾動)することができるのである。
また、この揺動アーム28aの先端部28a1は略直方
体状のリンク部材29の一端部(図5の右側)に形成さ
れた係合溝29aに回動可能に係合されている。
【0037】リンク部材29は、作動部材28と傾斜板
23cとを連結するものであり、その傾斜板23c側の
端部(図5左側)には上述した傾斜板23cの係合ピン
23c3が回動可能に係合される係合溝29bが形成さ
れ、かかる係合溝29bには係合ピン23c3が回動可
能に係合されている。このように、かかるリンク部材2
9および作動部材28を介して傾斜板23cおよびソレ
ノイド24を連結することにより、傾斜板23cは、ソ
レノイド24が作動状態の場合に、通常領域23a2へ
向けて下降傾斜され、ソレノイド24が非作動状態の場
合に、特定領域23a1へ向けて下降傾斜されるのであ
る。よって、ソレノイド24が故障等により作動しない
場合には、大入賞口の開口13aへ入賞した打球30を
全て特定領域23a1へ向けて転動させ、特定領域23
a1を通過させることができる。
【0038】次に、上記のように構成された、傾斜板2
3c、作動部材28、リンク部材29およびソレノイド
24の動作について説明する。まず、ソレノイド24が
作動状態の場合、そのプランジャ24aは反矢印X方向
へ向けて移動する。プランジャ24aが反矢印X方向へ
向けて移動すると、プランジャ24aの先端部に係合さ
れた係合溝28bが反矢印X方向へ引かれて、作動部材
28が支持ピン28cを中心に時計方向へ回転される。
この作動部材28の回転に伴って、作動部材28の揺動
アーム28aが矢印X方向へ向けて傾動されると、揺動
アーム28aの先端部28a1がリンク部材29の係合
溝29a内で時計方向へ回転しつつ、リンク部材29を
矢印X方向へ向けて押してスライドさせる。リンク部材
29がスライドすると、その係合溝29bに係合された
傾斜板23cの係合ピン23c3が係合溝29b内で時
計方向へ回転しつつ矢印X方向へ押されて、傾斜板23
cが支軸23c2を中心に時計方向へ回転される。この
傾斜板23cの回転により、傾斜板23cの上部板23
c1の上面が通常領域23a2へ向けて下降傾斜され
る。よって、かかる場合に、大入賞口の開口13aへ入
賞した打球30は、傾斜板23cによって、通常領域2
3a2へ向けて転動し、入賞球検出器27の入賞球検出
部27aを通過して、入賞球検出器27により検出され
るのである。
【0039】また、ソレノイド24が非作動状態の場合
には、そのプランジャ24aはコイルスプリング24b
により付勢されて矢印X方向へ向けて移動して突出す
る。プランジャ24aが矢印X方向へ向けて移動する
と、プランジャ24aの先端部に係合された係合溝28
bが矢印X方向へ押されて、作動部材28が支持ピン2
8cを中心に反時計方向へ回転される。この作動部材2
8の回転に伴って、作動部材28の揺動アーム28aが
反矢印X方向へ向けて傾動されると、揺動アーム28a
の先端部28a1がリンク部材29の係合溝29a内で
反時計方向へ回転しつつ、リンク部材29を反矢印X方
向へ向けて押してスライドさせる。リンク部材29がス
ライドすると、その係合溝29bに係合された傾斜板2
3cの係合ピン23c3が係合溝29b内で反時計方向
へ回転しつつ矢印X方向へ引かれて、傾斜板23cが支
軸23c2を中心に反時計方向へ回転される。この傾斜
板23cの回転により、傾斜板23cの上部板23c1
の上面が特定領域23a1へ向けて下降傾斜される。よ
って、かかる場合に、大入賞口の開口13aへ入賞した
打球30は、傾斜板23cによって、特定領域23a1
へ向けて転動し、入賞球検出器26の入賞球検出部26
aを通過して、入賞球検出器26により検出されるので
ある。
【0040】次に、可変入賞装置12の動作について説
明する。まず、遊技者が操作ハンドル20を操作しハン
ドルスイッチ20aがオンされると、打球発射装置(図
示せず)の駆動モータ(図示せず)が回転されて、打球
30が遊技領域8へ打ち込まれる。遊技領域8に打ち込
まれた打球30が図柄作動ゲート11を通過すること、
LCDディスプレイ10の変動表示が開始され、この変
動結果が予め定められた図柄の組み合わせ(大当たり表
示)の1つと一致する場合、即ち、特別遊技状態となっ
た場合に、可変入賞装置12のソレノイド21が作動状
態となる一方、ソレノイド24が非作動状態となる。
【0041】ソレノイド21の作動後、そのプランジャ
21aが図3に示すように右方向へ向けて移動され、係
合溝22cを介してプランジャ21aに連結された作動
部材22がその支持ピン22bを中心に時計方向へ回転
され、揺動アーム22aが上方位置に移動されて、揺動
アーム22aによる押下ピン14dの押下状態が解除さ
れる。押下ピン14dの押下状態解除後、開閉シャッタ
14は自由に揺動可能な状態となり、ウェイト部材14
cの重量による回転力により、開閉シャッタ14が前方
(図3中の矢印方向)へ向けて、即ち、支軸14bの軸
心回りに反時計回り方向へ傾動される。かかる開閉シャ
ッタ14の傾動はウェイト部材14cの後側面に形成さ
れた開放停止面14c1が本体フレーム13に当接する
ことにより停止され、扉部材14aが大入賞口の開口1
3aへ向けて下降傾斜した状態で、大入賞口の開口13
aが所定時間(例えば、30秒間)経過するまで、又
は、所定時間(例えば、10個)の打球30が大入賞口
の開口13aへ入賞するまで開放される。大入賞口の開
口13aが開放されると、遊技領域8を流下してきた多
数の打球30は、開閉シャッタ14の扉部材14aに沿
って大入賞口の開口13aへ導かれ、大入賞口の開口1
3aに入賞する。
【0042】一方、ソレノイド24は非作動状態とされ
ているので、ソレノイド24により駆動される傾斜板2
3cは、作動部材28およびリンク部材29を介して特
定領域23a1へ向けて下降傾斜されている。この状態
で、大入賞口の開口13aへ打球30が入賞すると、打
球30は後方箱部材23の内空間23aへ入賞した後、
傾斜板23cの上部板23c1に乗って特定領域23a
1へ向けて転動し、特定領域23a1の底部の入賞球検
出器26の入賞球検出部26aを通過して、図5の矢印
Y方向へ向けて流下される。打球30が入賞球検出部2
6aを通過して入賞球検出器26により検出されると、
パチンコ遊技機1の特別遊技状態の継続権が成立すると
共に、パチンコ遊技機1は、特定領域23a1を通過し
た1個の打球30について15個の打球30を賞球とし
て遊技者に払い出す。このように、特定領域23a1を
1個の打球30が通過すると、ソレノイド24が作動状
態となる。
【0043】ソレノイド24が作動状態となると、傾斜
板23cが、作動部材28およびリンク部材29を介し
て通常領域23a2へ向けて下降傾斜される。この状態
で大入賞口の開口13aへ打球30が入賞すると、打球
30は後方箱部材23の内空間23aへ入賞した後、傾
斜板23cの上部板23c1に乗って通常領域23a2
へ向けて転動し、通常領域23a2の底部の入賞球検出
器27の入賞球検出部27aを通過する。打球30が入
賞球検出部27aを通過して入賞球検出器27により検
出されると、パチンコ遊技機1は、通常領域23a2を
打球30が1個通過する毎に15個の打球30を賞球と
して遊技者に払い出す。
【0044】その後、大入賞口の開口13aは、入賞球
検出器26,27により検出された打球30の合計個数
が所定個数に達するまで、または、大入賞口の開口13
aの開放時間が所定時間を経過するまで開放される。入
賞球検出器26および入賞球検出器27により検出され
た打球30の合計個数が所定個数(例えば、10個)に
達した場合には、特別遊技状態の開始時から所定時間
(例えば、30秒間)が経過していなくても、大入賞口
の開口13aが開閉シャッタ14により閉鎖される。例
えば、特別遊技状態の開始後、入賞球検出器26により
特定領域23a1を通過する1個の打球30が検出さ
れ、かつ、入賞球検出器27により通常領域23a2を
通過する9個の打球30が検出された場合には、特別遊
技状態の開始時から30秒間経過していなくても、大入
賞口の開口13aが閉鎖される。よって、可変入賞装置
12の大入賞口の開口13aへ入賞する打球30の個数
が制限されるので、射幸性の過剰な上昇が抑制されるの
である。
【0045】このように、大入賞口の開口13aを閉鎖
する場合には、まず、ソレノイド21の作動が停止状
態、即ち、ソレノイド21が非作動状態にされ、プラン
ジャ21aがコイルスプリング21bにより付勢され図
3の左側方向へ向けて移動される。プランジャ21aが
左方向へ移動されると、係合溝22cを介してプランジ
ャ21aに連結された作動部材22がその支持ピン22
bを中心に反時計回り方向に回転され、揺動アーム22
aが下方位置に移動されて、揺動アーム22aにより押
下ピン14dが押下される。かかる押下により、開閉シ
ャッタ14が後方(図3中の反矢印方向)へ向けて、即
ち、支軸14bの軸心回りに時計回り方向へ傾動され
る。開閉シャッタ14の傾動が更に継続されると、開閉
シャッタ14の扉部材14aが略垂直状態に倒立され
て、大入賞口の開口13aが閉鎖される。大入賞口の開
口13aが閉鎖されると、遊技領域8を流下してきた打
球30は、ガード部材15の前面板15aと本体フレー
ム13との間隙を通過してアウト口16へ導かれ、アウ
ト球として処理される。
【0046】また、通常領域23a2を通過する打球3
0が特別遊技状態中に入賞球検出器27により1個も検
出されない場合、即ち、ノーカウントエラーが発生した
場合には、パチンコ遊技機1に搭載された制御装置(図
示せず)により、その遊技が強制的に中断される。よっ
て、例えば、かかる遊技の中断によりソレノイド24の
故障等が発見されるのである。
【0047】以上に説明したように、本実施例のパチン
コ遊技機1によれば、大入賞口の開口13aへ入賞した
打球30を特定領域23a1または通常領域23a2へ
向けて転動させる傾斜板23cは、ソレノイド24が非
作動状態の場合に、特定領域23a1へ向けて下降傾斜
するように構成されている。よって、ソレノイド24が
故障等により作動しない場合に、大入賞口の開口13a
へ入賞した打球30を特定領域23a1へ向けて転動さ
せることができる。このため、大入賞口の開口13aへ
入賞した打球30は特定領域23a1を通過するので、
通常領域23a2を通過する打球30を検出する入賞球
検出器27により検出されず、ノーカウントエラーが発
生する。よって、ソレノイド24が故障等により作動し
ない場合には、ノーカウントエラーが発生してパチンコ
遊技機1の遊技が制御装置により中断されるので、かか
る遊技の中断によりソレノイド24の故障等を発見する
ことができる。
【0048】以上、実施例に基づき本発明を説明した
が、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形
が可能であることは容易に推察することができるもので
ある。
【0049】例えば、本実施例の可変入賞装置12の入
賞球検出器26,27には磁気センサを用いた近接スイ
ッチを使用したが、これらの入賞球検出器には光センサ
や接触型スイッチを使用しても良い。
【0050】
【発明の効果】 請求項1記載の弾球遊技機によれば、
入賞領域へ入賞した打球を通常領域または特定領域へ向
けて転動させる傾斜部材は、切替装置の非作動時に特定
領域へ向けて下降傾斜されるように形成されているの
で、切替装置が故障等により作動しない場合に、入賞領
域へ入賞した打球を特定領域へ向けて転動させることが
できる。このため、入賞領域へ入賞した打球は特定領域
を通過するので、通常領域を通過する打球を検出する検
出装置により検出されない。よって、切替装置が故障等
により作動しない場合に、入賞領域へ入賞した打球は検
出装置により検出されないので、弾球遊技機の遊技を中
断することができ、かかる遊技の中断により切替装置の
故障等を発見することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であるパチンコ遊技機の正
面図である。
【図2】 遊技盤から取り外された可変入賞球装置の外
観斜視図である。
【図3】 図2の可変入賞球装置を部分的に断面視した
外観斜視図である。
【図4】 後方箱部材の部分的な斜視断面図である。
【図5】 傾斜板が特定領域へ向けて下降傾斜した状態
での可変入賞装置の裏面概略図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機(弾球遊技機) 12 可変入賞装置(入賞領域) 23a1 特定領域 23a2 通常領域 23c 傾斜板(傾斜部材) 24 ソレノイド(切替装置) 27 入賞球検出器(検出装置) 27a 入賞球検出部 30 打球

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定条件の成立に基づく特別遊技状態の
    発生に伴って開放される入賞領域と、その入賞領域に設
    けられ打球が通過可能な特定領域と、その特定領域と共
    に前記入賞領域に設けられ打球が通過可能な通常領域
    と、その通常領域を通過する打球を検出する検出装置と
    を備え、その検出装置により特別遊技状態中に打球が検
    出されない場合に遊技を中断する弾球遊技機において、 前記入賞領域に配設され、その入賞領域へ入賞した打球
    を前記通常領域または特定領域へ向けて転動させるため
    に、その通常領域または特定領域へ向けて下降傾斜可能
    に形成された傾斜部材と、 その傾斜部材の傾斜方向を前記通常領域または特定領域
    へ向けて切り替える切替装置とを備え、 前記傾斜部材は、その切替装置の非作動時に前記特定領
    域へ向けて下降傾斜するように形成されていることを特
    徴とする弾球遊技機。
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