JPH06101984A - 熱交換器用伝熱管 - Google Patents

熱交換器用伝熱管

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JPH06101984A
JPH06101984A JP27536792A JP27536792A JPH06101984A JP H06101984 A JPH06101984 A JP H06101984A JP 27536792 A JP27536792 A JP 27536792A JP 27536792 A JP27536792 A JP 27536792A JP H06101984 A JPH06101984 A JP H06101984A
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heat transfer
transfer tube
tube
heat exchanger
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満 石川
Akihiro Fujita
明浩 藤田
Yukio Hayakawa
由紀夫 早川
Shinji Kakizaki
真二 柿崎
Naoji Isshiki
尚次 一色
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 箱型の熱交換器に対してスペース効率がよ
く、また伝熱性のよい伝熱管を提供する。 【構成】 熱交換器用伝熱管20を偏平管とし、偏平管
の内周面または外周面の略全面に複数本の円弧溝21を
条設する。伝熱管20に流体ガイド部材22を差込ん
で、当該流体を円弧溝21に導く。伝熱管を縦横比の大
きな偏平管とすることで矩形スペースに効率よく配列で
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸収式若しくは吸収圧縮
式冷凍装置に好適な伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】熱交換器用伝熱管は伝熱効率を向上する
べく種々の形状の物が提案され、例えば特開平2−89
997号には伝熱管の内面に螺旋溝を形成したものが示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図14は従来の内面溝
付き伝熱管の部分断面図であり、上記特開平2−899
97号公報の第4図に相当するものであるが、伝熱面積
を増すために形成した溝101の底102の両側部に液
が溜まってよどみ、一方、山103の頂上付近は液膜が
薄くなる。内側(管中心側)は液の流れが良好である。
即ち、内面が曲率一律でないために液の厚さや液の流速
が不均一になり、吸収熱伝達は向上しない。
【0004】また、伝熱管100が正円断面管であり、
収納する熱交換器が直方体の箱である場合は角断面に丸
断面を配列することとなり、充填率即ちスペース効率が
小さくなり、また空冷などの時は流動抵抗が大きい。そ
こで本発明の目的は箱型の熱交換器に対してスペース効
率がよく、空気側圧力損失が小さくて伝熱性のよい伝熱
管を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するべく
本発明は、熱交換器用伝熱管を偏平管とし、偏平管の内
周面または外周面の略全面に複数本の円弧溝を条設す
る。
【0006】前記円弧溝は、直径2Rの円をピッチPで
配列した場合の円弧で形成し、ピッチPを直径2Rの
0.75〜0.9倍の範囲に設定するとよい。偏平管は
縦横比が少なくとも2.0であることを特徴とする。
【0007】また、流体を前記円弧溝に導く流体ガイド
部材を、偏平管の一端に備えることが望ましい。
【0008】
【作用】縦横比の大きな偏平管とすることで矩形スペー
スに効率よく伝熱管を配列できる。そして円弧溝は等曲
率面であるので、均一液膜が形成され吸収熱伝達率は高
まる。
【0009】偏平管に形成した円弧溝に流体を流す。そ
のために流体ガイド部材が流体を円弧溝に導く作用をな
す。
【0010】
【実施例】本発明の実施例を添付図面に基づいて以下に
説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明の伝熱管を採用するに好適な吸収式冷凍機
の原理図であり、吸収式冷凍機1は吸収器2、再生器
3、凝縮器4、膨張弁5、蒸発器6、ポンプ7、内部熱
交換器8および連絡配管からなる。このサイクルでは例
えば冷媒は純水、吸収液はリチウムブロマイド(LiB
r)である。
【0011】膨張弁5で低圧とされた冷媒液は蒸発器6
で外部の熱を吸収して蒸発する。このときの蒸発熱が冷
凍機の冷却源となる。蒸発器6で生成された低圧の冷媒
蒸気は吸収器2で吸収液に吸収される。吸収液は冷媒蒸
気で薄められた希液となり、ポンプ7、内部熱交換器8
を介して再生器3に至る。2Fはファンであって吸収器
2の放熱を促進する。再生器3は、エンジン9から約1
05℃の熱湯が導入される。その温水ヒータ9Hで吸収
液(希液)は加熱され、内包していた冷媒を蒸発という
形で放出する。冷媒を放出して濃くなった吸収液は内部
熱交換器8に向い、内部熱交換器8で保有熱を低温側の
希液に与えることで自身はやや低温になり、吸収器2に
戻る。上記エンジン9は任意のボイラや加熱源であって
もよい。
【0012】一方、再生器3で生成された高圧の冷媒蒸
気は凝縮器4に至る。冷媒蒸気は大気温度より数十℃高
いので、ファン4Fの送風で冷却され、結果として保有
熱を大気に放出する。冷媒蒸気は冷却されて液化し、高
圧の冷媒液の状態で膨張弁5に至り、膨張弁5で膨張減
圧される。
【0013】以上のごとく吸収式冷凍機1は従来の圧縮
機(コンプレッサ)の役目を吸収器2と再生器3とに置
き換えたのでコンプレッサ音が無く、コンプレッサ動力
が不要となる。また、フロンを全く必要としない。
【0014】図2は本発明の伝熱管を適用した吸収器の
部分破断斜視図であり、吸収器10(図1の吸収器2に
相当し、便宜上符号を変更した。)は上部チャンバ11
と下部チャンバ12との間に複数本の伝熱管20…を渡
し、上部チャンバ11内部に3本の液滴下チューブ13
を配置してなり、冷媒入口管14から上部チャンバ11
内に冷媒蒸気を取入れ、また吸収液入口管15から濃い
吸収液を取入れて液滴下チューブ13へ分配する。
【0015】伝熱管20の構成および作用は詳しくは後
述するが、簡単に説明すると濃い吸収液と冷媒蒸気の混
合体を上から下へ流し、この間に混合体を風で冷却する
ものである。その為に伝熱管20の外部には伝熱フィン
16が密に配設されている。下部チャンバ12に集めら
れた吸収液(冷媒で薄められた希液)は吸収液出口管1
7から流出し、再生器(図1の符号3)へ向う。
【0016】図3は図2の部分拡大断面図であり、伝熱
管20は寸法Lだけ上部チャンバ11内に突出し、ま
た、伝熱管20の各上部にリング形状の第1の流体ガイ
ド部材22が差込まれている。
【0017】図4は本発明の伝熱管と第1の流体ガイド
部材を示す斜視図であり、第1の流体ガイド部材22は
薄板を伝熱管20内面に嵌合する形状に曲げ、かつスト
ッパ部22aを折り曲げ形成してなる。ストッパ部22
aがあるために第1の流体ガイド部材22は伝熱管20
の上部に止まる。
【0018】図5は図3の5−5線断面図であり、伝熱
管20は縦横比が例えば4:1の長円偏平管であり、内
周面に片側9本の円弧溝21…が形成されていることを
特徴とする。図6は本発明の伝熱管の円弧溝の拡大図で
あり、円弧溝21は例えば直径2Rが2.4mmの円を
2.0mmのピッチPで並べたものであり、隣り合う円
相互の交点が円弧溝21の側面頂点21aとなる。な
お、側面頂点21aは円弧溝の谷21bを基準とした呼
称である。
【0019】また、上記縦横比は2.0〜6.0の範囲
が実用域である。即ち、縦横比が2.0未満では角型容
器に装着した際にスペース効率の向上が顕著でなく、ま
た、6.0を越えると引抜き加工若しくは押出し加工が
難かしくなり、製造費が嵩む。
【0020】図6においてピッチPが小さくなれば側面
頂点21aは低くなり谷21bに近接し、ピッチPが大
きくなれば側面頂点21aは高くなる。即ち、ピッチP
が過大(P≧2R)若しくは過小(P≦R)になると側
面頂点21aの位置が高過ぎる若しくは低過ぎることに
なる。そこで、ピッチPは直径2Rの0.75〜0.9
倍の範囲で好ましくは0.83倍とする。
【0021】以上の構成からなる伝熱管および流体ガイ
ド部材の作用を次に述べる。図3において、上部チャン
バ11の内部で且つ液滴下チューブ13の外方には冷媒
蒸気が充満している。一方、液滴下チューブ13はそれ
の小孔13a…から濃い吸収液を滴下する。但し、小孔
13a…は伝熱管20に対し図面表裏方向にずれている
ので、滴下液が伝熱管20に直接入ることはない。
【0022】吸収液は上部チャンバ11の底に寸法Lの
深さで溜まる。吸収液は滴下中および貯溜中に冷媒蒸気
を、液が飽和するまで吸収する。そして寸法Lを越え、
即ちオーバフローした吸収液は伝熱管20に流入するこ
とになる。
【0023】この際、図4に示した第1の流体ガイド部
材22が在るため、吸収液は図5に示す円弧溝21…に
等分配されて流れ落ちる。伝熱管20がほぼ鉛直に保持
されれば、吸収液は円弧溝21…に沿って流下し、伝熱
管20の中央の空洞へ偏る恐れはない。よって、伝熱管
20の外面を空気で冷却すれば、熱伝導率のよい伝熱管
20の壁を介して円弧溝21内吸収液は冷却される。従
って、第1の流体ガイド部材22は円弧溝21…付き伝
熱管20の熱交換率を大幅に向上するものである。
【0024】また、長円偏平管は図2のような箱型の熱
交換器(吸収器10)に配列しやすく、スペース効率は
良好となる。
【0025】図7は本発明の流体ガイド部材の別実施例
図、図8は図7の作用説明図である。第2の流体ガイド
部材23は長円板24の両端にフック25,25を取付
け、長円板24に息抜き用のベントパイプ26を取付け
てなり、小型軽量で取り扱いが楽である。図8に示すよ
うに第2の流体ガイド部材23を伝熱管20の上端に取
付けることで、吸収液を円弧溝21…に導くことが出来
る。
【0026】上記図7,図8は吸収液を上から下向きに
流し(図8実線矢印)、冷媒蒸気を下から上向きに流す
(図8想像線矢印)ものに好適であり、未凝縮蒸気はベ
ントパイプ26を介して抜けるようになっている。
【0027】図9は本発明の伝熱管の別実施例図であ
り、伝熱管30は外周面に円弧溝32を有した長円偏平
管であり、管断面の縦横比は2.0〜6.0の範囲とさ
れている。円弧溝32は前記円弧溝21と同様にピッチ
Pは直径2Rの0.75〜0.9倍の範囲で好しくは
0.83倍である。
【0028】図10は第3の流体ガイド部材35の平面
図であって、第3の流体ガイド部材35は平板にプレス
加工等で係止片36…を残して長円の開口を形成する。
図11は図10の11−11線断面図であり、係止片3
6,36に想像線で示した伝熱管30が係止された状態
を示す。係止片36の図面手前および奥は上下に通じた
隙間が開いている。
【0029】図12は図9の伝熱管の作用図であり、第
3の流体ガイド部材35に伝熱管30を垂下し、伝熱管
30の上部を上部チャンバ11に接続し、上部チャンバ
11と流体ガイド部材35との間に液滴下チューブ13
を配置して、この液滴下チューブ13の小孔13aから
吸収液を滴下すれば、吸収液は第3の流体ガイド部材3
5上面を介して、係止片36…付近から流下する。この
際に、吸収液は係止片36…即ち流体ガイド部材35に
ガイドされて、伝熱管30の外周面の円弧溝32…(図
9参照)に沿って流れることに特徴がある。一方、伝熱
管30の内部には例えば温水が下から上に流され、温水
は伝熱管30壁を介して吸収液を温める。
【0030】図13は本発明の伝熱管を採用した再生器
の部分破断斜視図であり、再生器40の内部には伝熱管
30…が縦向きに配列されている。これら伝熱管30…
は上端が上部チャンバ11に接続され、少し下に第3の
流体ガイド部材35が取付けられ、これら上部チャンバ
11と流体ガイド部材35との間に液滴下チューブ13
が配設されている。再生器40は温水で吸収液を暖め
て、液中の冷媒を蒸発作用で分離するものであるから、
再生器40の下部の温水入口管41から取入れた温水を
伝熱管30…内を通過せしめ、上部の温水出口管42か
ら排出する。
【0031】一方、吸収液(希液)は吸収液入口管43
から取入れられ、伝熱管30…の外面を通って暖めら
れ、冷媒蒸気と吸収液(濃液)に分けられ、各々冷媒出
口管44若しくは吸収液出口管45から放出される。4
6はデミスタであって、吸収液の飛散液滴が冷媒出口管
44に至るのを阻止する。
【0032】前記吸収器10や再生器40の伝熱管2
0,30が鉛直である場合は問題ないが、車両に搭載す
る等して傾斜する場合には流体ガイド部材22,23,
35を長くすればよい。また、本発明の伝熱管20,3
0および流体ガイド部材22,23,35は再生器や吸
収器の他熱交換器に広く適用することができる。
【0033】
【発明の効果】以上に述べた通り本発明は、縦横比の大
きな偏平管とすることで矩形スペースに効率よく伝熱管
を配列できる。そして円弧溝は等曲率面であるので、均
一液膜が形成され吸収熱伝達率は高まる。
【0034】さらに、流体を流体ガイド部材で円弧溝に
導くようにすれば、流体は均一に流れて管外の流体と良
好に熱交換する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の伝熱管を採用するに好適な吸収式冷凍
機の原理図
【図2】本発明の伝熱管を適用した吸収器の部分破断斜
視図
【図3】図2の部分拡大断面図
【図4】本発明の伝熱管と第1の流体ガイド部材を示す
斜視図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】本発明の伝熱管の円弧溝の拡大図
【図7】本発明の流体ガイド部材の別実施例図
【図8】図8は図7の作用説明図
【図9】本発明の伝熱管の別実施例図
【図10】本発明の第3の流体ガイド部材の平面図
【図11】図10の11−11線断面図
【図12】図9の伝熱管の作用図
【図13】本発明の伝熱管を採用した再生器の部分破断
斜視図
【図14】従来の内面溝付き伝熱管の部分断面図
【符号の説明】
1…吸収式冷凍機、10…吸収器、20,30…伝熱
管、21,32…円弧溝、22…第1の流体ガイド部
材、23…第2の流体ガイド部材、35…第3の流体ガ
イド部材、40…再生器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早川 由紀夫 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 柿崎 真二 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 一色 尚次 東京都世田谷区経堂2丁目29番6号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏平管の内周面または外周面の略全面に
    複数本の円弧溝を条設してなる熱交換器用伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記円弧溝は、直径2Rの円をピッチP
    で配列した場合の円弧で形成され、上記ピッチPは上記
    直径2Rの0.75〜0.9倍の範囲に設定されたこと
    を特徴とする請求項1記載の熱交換器用伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記偏平管の縦横比が少なくとも2.0
    であることを特徴とした請求項2記載の熱交換器用伝熱
    管。
  4. 【請求項4】 流体を前記円弧溝に導く流体ガイド部材
    を、偏平管の一端に備えたことを特徴とする請求項1記
    載の熱交換器用伝熱管。
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