JP5036360B2 - 吸収冷凍機 - Google Patents
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Description
ところが、構造が複雑で専用の熱交換器を吸収器本体内に組み込むために高価になる不都合がある。
すなわち、空冷吸収器の円筒状の伝熱器体中に蒸発器が一体に組み込んで構成され、再生器からの臭化リチウム濃溶液を上部空間側溶液散布トレイに導入し、その溶液散布トレイから伝熱器体の内壁面に液膜状態で流下させるとともに下部側液溜め部からの冷媒蒸気吸収後の臭化リチウム希溶液を溶液ポンプによりクロスフィン熱交換器構造よりなる空冷吸収液冷却器を介設した吸収液循環路(希溶液循環路)を通してスプレーノズルに導入した後、伝熱器体の上部空間側内壁面に霧状に吹き付けて上方から下方に緩やかに流下させ、各流下状態において蒸発器で蒸発し、エリミネータを介して拡散供給される冷媒蒸気を吸収させるようになっている(特許文献1参照)。
そこで、吸収器本体の上部から吸収液を液滴状態で散布するように構成したものがあるが、次のような問題があった。
冷媒蒸気との接触面積を多くするためには、吸収液を細かい液滴にして散布するのが好ましいが、液滴を密に散布すると蒸発器から導入される冷媒蒸気の流れを阻害し、冷媒蒸気の流れ方向の下流側では吸収液と接触せず、吸収性能が低下する。逆に液滴を疎に散布すると、吸収器本体の水平方向での面積を大きくしなければならず、大型化する問題があった。
横一側面に蒸発器に連なって冷媒蒸気を導入する導入路を備えた吸収器本体と、前記吸収器本体の上部に設けられて、吸収液を液滴として散布する吸収液散布手段と、前記吸収液散布手段に供給される前に吸収液を過冷却する過冷却器とを備えた吸収冷凍機において、
前記吸収液散布手段を、
吸収液の液滴を散布する吸収液散布孔を分散配備して構成し、
かつ、前記吸収液散布孔を、前記導入路から導入される冷媒蒸気の流れ方向に密で流れ方向に直交する水平方向に疎な状態で分布するように分散させるとともに、前記吸収液散布孔の密な間隔と疎な間隔との比が1:4〜1:5になるように構成してあることを特徴とする。
請求項1に係る発明の吸収冷凍機の構成によれば、冷媒蒸気の流れ方向よりも疎な状態で分布された吸収液散布孔から散布される液滴の間を通じて冷媒蒸気を流し、冷媒蒸気の流れ方向に沿って密な状態で分布された吸収液散布孔から散布される液滴に接触させて冷媒を吸収液に吸収させることができる。
したがって、吸収液散布孔を冷媒蒸気の流れ方向には密、それに直交する水平方向には疎に分布させるという合理的な配置構成により、冷媒蒸気の流れを阻害せずに液滴との接触面積を大きくして吸収性能を向上できる。
しかも、密と疎の間隔の比が1:4未満では冷媒蒸気の流れを液滴によって阻害される。一方、密と疎の間隔の比が1:5を越えると、必要量の吸収液を散布する上で、冷媒蒸気の流れ方向に直交する水平方向に長くなり、機体が大型化する。これらのことに鑑み、密と疎の間隔の比を1:4〜1:5にするから、機体を大型化することなく冷媒蒸気の流れを阻害せずに液滴との接触面積を大きくして吸収性能を向上できる。
請求項1に記載の吸収冷凍機において、
吸収液散布孔の直径と前記吸収液散布孔の密な間隔との比を1:3〜1:4に構成する。
直径と密な間隔との比が1:3未満では、冷媒蒸気の流れ方向の力によって密な方向で液滴どうしが接触し、大きな液滴になって表面積が減少する不都合がある。一方、直径と密な間隔との比が1:4を越えると、必要量の吸収液を散布する上で、冷媒蒸気の流れ方向に長くなり、機体が大型化する。これらのことに鑑み、請求項2に係る発明の吸収冷凍機の構成によれば、直径と密な間隔との比を1:3〜1:4にするから、機体を大型化することなく液滴との接触面積を大きくして吸収性能を向上できる。
請求項1または請求項2のいずれかに記載の吸収冷凍機において、
吸収液散布孔の直径を1〜2mmに構成する。
直径が1mm未満になると、冷媒蒸気の流れ方向の力によって流れ方向に液滴が移動しやすく、密な方向で液滴どうしが接触し、大きな液滴になって表面積が減少する不都合がある。一方、直径が2mmを越えると、吸収液量に対する液滴の表面積が減少する。これらのことに鑑み、請求項3に係る発明の吸収冷凍機の構成によれば、直径を1〜2mmにするから、冷媒蒸気の流れに影響されずに吸収性能を向上できる。
請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の吸収冷凍機において、
吸収液散布手段がトレイの底面に吸収液散布孔を分散配備して構成する。
請求項4に係る発明の吸収冷凍機の構成によれば、トレイの底面に吸収液散布孔を形成するから、プレス成形などによって製作でき、例えば、パイプに吸収液散布孔を形成するような場合に比べて構成的に簡単で安価にして吸収性能を向上できる。
請求項4に記載の吸収冷凍機において、
トレイ内に収容される吸収液中に充填して吸収液を水平方向に分散する充填材を備えて構成する。
請求項5に係る発明の吸収冷凍機の構成によれば、トレイ内に収容される吸収液の量が少なくても、充填材の充填している分だけ液深を大きくでき、トレイのわずかな傾きで吸収液がトレイの全面に行き渡らなくなるといったことを回避でき、より良好に吸収液を分散して散布できる。
したがって、吸収液散布孔を冷媒蒸気の流れ方向には密、それに直交する水平方向には疎に分布させるという合理的な配置構成により、冷媒蒸気の流れを阻害せずに液滴との接触面積を大きくして吸収性能を向上できる。
しかも、密と疎の間隔の比が1:4未満では冷媒蒸気の流れを液滴によって阻害される。一方、密と疎の間隔の比が1:5を越えると、必要量の吸収液を散布する上で、冷媒蒸気の流れ方向に直交する水平方向に長くなり、機体が大型化する。これらのことに鑑み、密と疎の間隔の比を1:4〜1:5にするから、機体を大型化することなく冷媒蒸気の流れを阻害せずに液滴との接触面積を大きくして吸収性能を向上できる。
蒸発器7の下部と冷媒液用液溜め部13とにわたって、冷媒ポンプ15および冷熱取り出し用熱交換器16を介装した循環配管17が接続されている。
冷熱取り出し用熱交換器16に、ガスヒートポンプ用の冷媒入口管18と冷媒出口管19とが接続され、吸収器5における吸収液による冷媒の吸収に伴って冷媒液を蒸発冷却し、その冷却冷媒液によってガスヒートポンプ用の冷媒を冷却するようになっている。
充填材25の上部に、スプレーノズル27が設けられ、そのスプレーノズル27と吸収器5の下部とが、吸収液ポンプ28と過冷却器29とを介装した第4の配管30を介して接続され、吸収液を循環しながら過冷却し、吸収液に吸収させる冷媒量を増加し、更に、吸収液を充填材25上に散布し、トレイ22内での液深を大きくしながら水平方向に分散して吸収液を供給し、吸収液散布孔23から液滴状態で滴下できるようになっている。29aは、過冷却器29のファンを示している。
外寸が縦横320×317mmのトレイを使用し、実施例品としては、縦方向(冷媒蒸気の流れ方向に直交する水平方向)に22mmのピッチで15列、かつ、横方向(冷媒蒸気の流れ方向)に5.5mmのピッチで、直径1.6mmの吸収液散布孔を各列55個(合計825個)形成したものを使用した。
一方、比較例品としては、直径1.6mmの吸収液散布孔を10×10mmのピッチで29個づつ(合計841個)形成したものを使用した。
上記の結果、比較例品では冷凍能力が6.8〜7.3程度であるのに対して、実施例品では7.5〜8.0であり、約10%高い冷凍能力を得られ、吸収性能を向上できていることが明らかであった。
密と疎の間隔の比が1:4未満では冷媒蒸気の流れを液滴によって阻害される。一方、密と疎の間隔の比が1:5を越えると、必要量の吸収液を散布する上で、冷媒蒸気の流れ方向に直交する水平方向に長くなり、機体が大型化するからである。
直径と密な間隔との比が1:3未満では、冷媒蒸気の流れ方向の力によって密な方向で液滴どうしが接触し、大きな液滴になって表面積が減少する不都合がある。一方、直径と密な間隔との比が1:4を越えると、必要量の吸収液を散布する上で、冷媒蒸気の流れ方向に長くなり、機体が大型化するからである。
直径が1mm未満になると、冷媒蒸気の流れ方向の力によって流れ方向に液滴が移動しやすく、密な方向で液滴どうしが接触し、大きな液滴になって表面積が減少する不都合がある。一方、直径が2mmを越えると、吸収液量に対する液滴の表面積が減少するからである。
また、吸収液散布手段21としては、密な状態で吸収液散布孔を形成したパイプを、冷媒蒸気の流れ方向に直交する水平方向に疎な間隔で配設して構成するものでも良い。
8…エリミネータ(導入路)
20…吸収器本体
21…吸収液散布手段
22…トレイ
23…吸収液散布孔
25…充填材
29…過冷却器
Claims (5)
- 横一側面に蒸発器に連なって冷媒蒸気を導入する導入路を備えた吸収器本体と、前記吸収器本体の上部に設けられて、吸収液を液滴として散布する吸収液散布手段と、前記吸収液散布手段に供給される前に吸収液を過冷却する過冷却器とを備えた吸収冷凍機において、
前記吸収液散布手段を、
吸収液の液滴を散布する吸収液散布孔を分散配備して構成し、
かつ、前記吸収液散布孔を、前記導入路から導入される冷媒蒸気の流れ方向に密で流れ方向に直交する水平方向に疎な状態で分布するように分散させるとともに、前記吸収液散布孔の密な間隔と疎な間隔との比が1:4〜1:5になるように構成してあることを特徴とする吸収冷凍機。 - 請求項1に記載の吸収冷凍機において、
吸収液散布孔の直径と吸収液散布孔の密な間隔との比が1:3〜1:4である吸収冷凍機。 - 請求項1または2に記載の吸収冷凍機において、
吸収液散布孔の直径が1〜2mmである吸収冷凍機。 - 請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の吸収冷凍機において、
吸収液散布手段がトレイの底面に吸収液散布孔を分散配備したものである吸収冷凍機。 - 請求項4に記載の吸収冷凍機において、
トレイ内に収容される吸収液中に充填して吸収液を水平方向に分散する充填材を備えてある吸収冷凍機。
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