JPH0610168B2 - 新規光学活性ジエステル誘導体及びその組成物 - Google Patents

新規光学活性ジエステル誘導体及びその組成物

Info

Publication number
JPH0610168B2
JPH0610168B2 JP60113578A JP11357885A JPH0610168B2 JP H0610168 B2 JPH0610168 B2 JP H0610168B2 JP 60113578 A JP60113578 A JP 60113578A JP 11357885 A JP11357885 A JP 11357885A JP H0610168 B2 JPH0610168 B2 JP H0610168B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optically active
liquid crystal
oco
formula
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP60113578A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS61271252A (ja
Inventor
和利 宮沢
博道 井上
孝 犬飼
兼詞 寺島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP60113578A priority Critical patent/JPH0610168B2/ja
Publication of JPS61271252A publication Critical patent/JPS61271252A/ja
Publication of JPH0610168B2 publication Critical patent/JPH0610168B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal Substances (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔利用分野〕 本発明は新規な液晶物質及び該液晶物質を含有する液晶
組成物に関し、更に詳しくは光学活性基を有するカイラ
ル液晶物質及びそれらを含有するカイラル液晶組成物に
関する。
〔従来の技術〕
現在、液晶表示素子としてはTN(Twisted Nematic)型
表示方式が最も広く用いられているが、応答速度の点に
於て発光型表示素子(エレクトロルミネツセンス、プラ
ズマデイスプレイ等)と比較して劣っており、この点に
於ける改善は種々試みられているにも拘らず、大巾な改
善の可能性はあまり残っていないようである。そのため
TN型表示素子に代わる別の原理による液晶表示装置が
種々試みられているが、その一つに強誘電性液晶を利用
する表示方式がある(N.A.Clark;APPlied Phys.lett.,3
6,899(1980))。この方式は強誘電性液晶のカイラルスメ
クテックC相(以下SC*相と略称する)あるいはカイラ
ルスメクチックH相(以下SH*相と略称する)を利用す
るもので、それらの相が室温付近にあるのが望ましい。
〔発明の目的〕
本発明者らはこの表示方式に利用されるに、より適する
液晶物質の開発を主たる目的として、光学活性基を有す
る液晶物質を種々探索して本発明に到達した。
〔発明の構成〕
即ち、本発明の第一は一般式 (但し、上式に於いて、Xは-COO-あるいは-OCO-のいず
れかであり、YはXが-COO-のとき-COO-又は-OCO-であ
り、Xが-OCO-のとき-OCO-である。また、Z*は炭素数
4〜10の光学活性なアルコキシ基またはアルコキシカ
ルボニル基を示し、Aは炭素数4〜12の光学活性でな
いアルキル基またはアルコキシ基を示す)で表される光
学活性化合物である。本発明の第二は前記の(I)式で
表される光学活性化合物を少なくとも一つ含有し、少な
くとも二つの成分からなる液晶組成物である。
(I)式の化合物のうちでも特に好ましい性質を有する
ものは、次の化学構造を有するものである。
(上記、各式に於てAは前記と同じであるが特に炭素数
4〜12のアルキル基又はアルコシキ基を示し、R*は
炭素数4〜10の光学活性なアルキル基を示し、特に1
−メチルヘプチル基又は2−メチルブチル基を示す) これらの化合物のうちの代表的なものの相転移温度自発
分極の値及びチルト角を第1表及び第2表に示す。
本発明の液晶組成物において(I)式の化合物の外に用
いられる成分としては、既に知られている強誘電性液晶
化合物が好ましい。これらの化合物はSC*相及び/又はS
H*相を有する物が好ましいが、室温を含む広い温度範囲
で強誘電性を示すという点からSC*を示す化合物が好ま
しく用いられる。
本発明の化合物の製造法を(Ia)〜(If)式の化合
物について例示する。以下においてA、R*、Bnおよ
びXはそれぞれアカイラルなアルキル基またはアルコキ
シ基、光学活性カルキル基、ベンジル基、およびハロゲ
ン原子、トシル基、メシル基、トリフルオロメタンスル
ホニル基などの脱離基を示し、DMAPは4−ジメチル
アミノピリジンを意味する。
(Ia)式の化合物 すなわち、ハイドロキノンモノベンジルエーテルに塩基
性条件の下で光学活性アルキルハライドもしくはアルキ
ルトシレートを作用させた後、接触還元により脱ベンジ
ル化を行い、4−光学活性アルコキシフエノールとす
る。この物にピリジン、トリエチルアミン、DMAPな
どの塩基性条件の下で4−ベンジルオキシ安息香酸クロ
リドを作用させた後、接触還元により脱ベンジル化を行
い、光学活性4−(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)
アルコキシベンゼンとする。さらに、4−置換安息香酸
クロリドを作用させて(Ia)式の化合物を製造する。
(Ib)式の化合物 すなわち、4−ベンジルオキシ安息香酸クロリドに光学
活性アルコールを作用させてエステルとした後、接触還
元して脱ベンジル化し、光学活性4−ヒドロキシ安息香
酸エステルとする。この物に4−ヒドロキシ安息香酸を
反応させて光学活性4−ヒドロキシ安息香酸4’−アル
コキシカルボニルフエニルエステルを得る。この物に、
さらに4−置換安息香酸クロリドを作用させて(Ib)
式の化合物を得る。
(Ic)式の化合物 すなわち、4−ヒドロキシ安息香酸メチルにR*Xを作
用させて光学活性4−アルコシキ安息香酸メチルとした
後、加水分解して光学活性4−アルコキシ安息香酸を得
る。これを塩化チオニルにより酸クロリドとした後、塩
基性溶媒下で4−(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)
アルキルベンゼンもしくは4−(4−ヒドロキシベンゾ
イルオキシ)アルコキシベンゼンと反応させて(Ic)
式の化合物を得る。
(Id)式の化合物 すなわち、テレフタル酸に光学活性アルコールを作用さ
せてモノエステルとした後、塩化チオニルを作用させる
ことにより酸クロリド得る。これに塩基性溶媒の下で4
−(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)アルキルベンゼ
ンもしくは4−(4−ヒドロキシベンゾイルオキシ)ア
ルコキシベンゼンを作用させて(Id)式の化合物を得
る。
(Ie)式の化合物 すなわち、ハイドロキノンモノベンジルエーテルと4−
置換安息香酸クロリドとの反応により得られるエステル
を接触還元して4−(4−置換ベンゾイルオキシ)フエ
ノールを得る。この物に光学活性4−アルコキシ安息香
酸クロリドを塩基性溶媒中で作用させて(Ie)式の化
合物を得る。
(If)式の化合物 すなわち、光学活性4−アルコキシカルボニル安息香酸
クロリドを塩基性溶媒中で4−(4−アルキルベンゾイ
ルオキシ)フエノールもしくは4−(4−アルコキシベ
ンゾイルオキシ)フエノールと反応させて(If)式の
化合物を製造することができる。
〔発明の作用効果〕 一般式(I)で示される化合物のうち、あるものは単体
でSC*相を呈することが観察できるが、単体でSC*相が観
察できないものに於いても結晶化点以下に於いてSC*
を潜在的に有しており、これらのものもSC*液晶組成物
の配合成分として利用できる。前記(Ia)〜(If)
式の化合物のうち(Ie)及び(If)の化合物は、他
のものに比較してSC*相を生じる傾向が小さい。
(I)式に於いて、Z*が光学活性アルキル基、例えば
2−メチルブチル基であるものは、自発分極の大きさ
(Ps値)が小さく、(Ia)〜(If)式に示されるよ
うなZ*=OR又はZ*=COOR*のものの方がより大な
るPsを有するためSC*組成物の配合成分として優れてい
る。本発明の(I)式の化合物のあるものは、第2表に
示すような大きなPs値を有する。特に試料No.4、5、
6、12、13、16、20(第2表)に示すようにZ
*の型のもの、即ち光学活性2−アルカノールより誘導さ
れた物質は大なるPs値を有する。このような大なる値
は、例えば特開昭53−22883号記載の次式 の化合物のPs値が、本発明者らの測定によれば約1nC/c
m2という小さい値であるのに比較すれば驚くべき値であ
るといえるものである。更にこれらの物質のすぐれた特
徴としてSC*相のチルト角(基板に対する傾斜角)が大
であることがあげられる(第2表)。後に説明されるSC
*液晶組成物を使用するゲスト・ホスト型光スイッチン
グ素子に於いては、SC*相のチルト角は理想的には45
°が望ましい。従ってこれらの特徴はゲスト・ホスト型
光スイッチング素子用のSC*液晶組成物の構成成分とし
てのきわめてすぐれた性能を示すものである。
SC*相の光スイッチング効果を表示素子として応用する
場合TN表示方式に比べて3つのすぐれた特徴がある。
第1の特徴は非常に高速で応答し、その応答時間は通常
のTN表示方式の素子と比較すると、応答時間は1/100
以下である。第2の特徴はメモリー効果があるというこ
とであり、上記の高速応答性とあいまって、時分割駆動
が容易である。第3の特徴はTN表示方式で濃淡の階調
をとるには、印加電圧を調節して行なうが、しきい値電
圧の温度依存性や応答速度の電圧依存性などの難問があ
る。しかしSC*相の光スイッチング効果を応用する場合
には極性の反転時間を調節することにより、容易に階調
を得ることができ、グラフィック表示に非常に適してい
る。
表示方法としては、2つの方式が考えられ、1つの方法
は2枚の偏光子を使用する複屈折型、他の1つの方法は
二色性色素を使用するゲストホスト型である。SC*相は
自発分極をもつため、印加電圧の極性を反転することに
より、らせん軸を回転軸として分子が反転する。SC*
を有する液晶組成物を液晶分子が電極面に平行にならぶ
ように配向処理を施した液晶表示セルに注入し、液晶分
子のダイレクターと一方の偏光面を平行になるように配
置した2枚の偏光子の間に該液晶セルをはさみ、電圧を
印加して、極性を反転することにより、明視野および暗
視野(偏光子の対向角度により決まる)が得られる。一
方ゲスト・ホスト型で動作する場合には、印加電圧の極
性を反転することにより明視野及び着色視野(偏光板の
配置により決まる)を得ることができる。
一般にスメクチック状態で液晶分子をガラス壁面に平行
に配向させることは難かしく、数十キロガウス以上の磁
場中で等方性液体から非常にゆっくりと冷却する(1℃
〜2℃/hr)ことにより、液晶分子を配向させている
が、スメクチック相を呈する温度より高温域でコレステ
リック相を有する液晶物質では磁場の代わりに50V〜
100Vの直流電圧を印加しながらコレステリック相を
呈する温度から1℃/minの冷却速度でスメクチック相
を呈する温度へ冷却することにより、容易に均一に配向
したモノドメイン状態を得ることができる。
尚、(I)式の化合物に対応するラセミ体は、下記に示
す光学活性体の製法に於いて中間原料として光学活性体
の代りに相当するラセミ体を使用することによって、同
様に製造されるものであるが、光学活性体とほぼ同じ相
転移点を示す。
(I)式の化合物は、又、光学活性炭素原子を有するた
め、これをネマチック液晶に添加することによって捩れ
た構造を誘起する能力を有する。捩れた構造を有するネ
マチック液晶、即ちカイラルネマチック液晶はTN型表
示素子のいわゆるリバース・ドメイン(reverse domai
n、しま模様)を生成することがないので(I)式の化
合物はリバース・ドメイン生成の防止剤として使用でき
る。
尚、原料の光学活性アルカノール類のうち、S(+)−
2−オクタノール、R(−)−2−オクタノール、S
(−)−2−メチルブタノールは市販品として比較的安
価に入手できるが、他の光学活性アルカノール類は現在
のところ高価で大量の使用には向かない。
本発明者らは公知の方法(R.H.Pickardら.J.Chem.So
c.,99,45(1911)記載の方法)に従ってラセ
ミ体の光学分割をおこなって得たものを原料として使用
したが、これらの光学活性アルカノール類を使用するこ
とによって(I)式に於けるZ*の異る諸物質が得られ
る。Z*の鎖長による液晶相転移温度の変化は、わずか
であるので最も容易に入手し得る2−オクタノ−ル及び
2−メチルブタノール以外の光学活性アルカノールを原
料とすることに格別な利点はない。
〔実施例〕
以下、実施例により本発明につき詳細に説明する。
尚、以下の実施例に於ては原料の光学活性アルコールと
してはS型のものを使用した例だけを記載するがR型の
光学活性アルコールを原料とした場合にも夫々同一の相
転移温度のものが得られる。これは理論上からも当然の
ことである。但し施光度、ら旋の捩れ向き、自発分極の
向きはS型とR型とでは逆になる。
実施例1 〔光学活性p−〔P′−(1−メチルヘプチルオキシ)
ベンゾイルオキシ〕安息香酸p−オクチルオキシフエニ
ルエステル((I)式に於いて、X=−OCO−、Y=
−OCO−、 A=C17O−のもの(試料No.13)の製造〕 (i)光学活性p−トルエンスルホン酸1−メチルヘプチ
ルエステルの製造 S(+)−2−オクタノール200g(1.536モ
ル)を乾燥ピリジン600mlに溶解し、そこへ系内の温
度が10℃以上にならないようにしながらp−トルエン
スルホン酸クロリド292.8g(1.536モル)を
乾燥トルエン440mlに溶解した溶液を滴下する。滴下
終了後、室温で1時間攪拌したのち、系内の温度を50
℃に加温し、そのまま2時間保ってから冷却する。更に
水1とトルエン500mlを加えて攪拌する。分離した
トルエン層を6N−HCl、次いで2N−苛性ソーダ水
溶液で洗浄し、更に中性になるまで水洗する。トルエン
を留去すると残留物として321.0gの光学活性p−
トルエンスルホン酸1−メチルヘプチルエステルを得
た。
(ii)光学活性p−(1−メチルヘプチルオキシ)安息香
酸の製造 p−ヒドロキシ安息香酸メチルエステル177.0g
(1.16モル)をメタノール800mlに溶解し、水酸
化カリウム65.0g(1.16モル)を加える。発熱
がおさまったら(i)で製造した光学活性p−トルエンス
ルホン酸1−メチルヘプチルエステル300.0g
(1.06モル)を加え、約4時間還流し室温で放置す
る。冷却したら水1とトルエン500mlを加えて攪拌
する。分離したトルエン層を2N−苛性ソーダ水溶液で
十分洗浄し、更に中性になるまで水洗する。トルエンを
留去したのち残留物をエタノール50mlに溶解し、水酸
化ナトリウム30.0gを水150mlに溶解したものを
加え1時間ほど還流する。そののち反応物を塩酸酸性に
し析出した結晶を過し、ヘプタンから再結晶して光学
活性p−(1−メチルヘプチルオキシ)安息香酸96.
2gを得た。
(iii)光学活性p−(1−メチルヘプチルオキシ)安息
香酸クロリドの製造 (ii)で得られた光学活性p−(1−メチルヘプチルオキ
シ)安息香酸90.0g(0.36モル)に塩化チオニ
ル51.2g(0.43モル)を加え約2時間還流す
る。その後減圧蒸留によって過剰の塩化チオニルを完全
に除去し、光学活性p−(1−メチルヘプチルオキシ)
安息香酸クロリド90.0gを得た。
(iv)p−ヒドロキシ安息香酸p−オクチルオキシフエニ
ルエステルの製造 p−ヒドロキシ安息香酸20.0g(0.145モ
ル)、p−オクチルオキシフエノール49.0g(0.
22モル)をトルエン900mlに溶解し、ホウ酸0.4
5gと濃硫酸0.73gを加える。反応によって生じる
水を除去しながら約21時間還流する。その後トルエン
の大部分を留去し冷却し析出した結晶を過する。この
結晶をエタノールから2回再結晶することによってp−
ヒドロキシ安息香酸p−オクチルオキシフエニルエステ
ル22.4gを得た。
(v)表題化合物の製造 (iv)で得られたp−ヒドロキシ安息香酸p−オクチルオ
キシフエニルエステル20.0g(0.060モル)を
ピリジン70mlに溶解する。ここへ氷冷しながら(iii)
で得られた光学活性p−(1−メチルヘプチルオキシ)
安息香酸クロリド13.7g(0.051モル)を滴下
する。約50〜60℃に保ちながら2時間攪拌し一晩放
置する。その後トルエン300ml、水200mlを加え攪
拌し、トルエン層を6N−HCl次いで2N−苛性ソー
ダ水溶液で洗浄し更に中性になるまで水洗する。トルエ
ンを留去し残留物をエタノールから再結晶することによ
り目的物である光学活性p−〔p′−(1−メチルヘプ
チルオキシ)ベンゾイルオキシ〕安息香酸p−オクチル
オキシフエニルエステル10.8gを得た。このものの
相転移点は、C−Ch点77.5℃、Ch−I点11
5.6℃、Ch−SC*点67.7℃であった。
又、この化合物の元素分析値は次の如く計算値とよく一
致した。
実測値 計算値(C36H46O6として) C 75.20% 75.23% H 7.90% 8.07% 本実施例において種々の光学活性アルコールを用いるこ
とによって対応する種々の(Ic)式の化合物を得るこ
とができる。また、前記の工程(v)において酸塩化物と
して光学活性p−アルコキシカルボニル安息香酸クロリ
ド、特に光学活性p−(1−メチルヘプチルオキシカル
ボニル)安息香酸クロリドあるいはp−(2−メチルブ
トキシカルボニル)安息香酸クロリドを用いることによ
って(Id)式の化合物を製造できる。
実施例2 〔光学活性p−(p′−オクチルオキシベンゾイルオキ
シ)安息香酸p−(1−メチルヘプチルオキシ)フエニ
ルエステル((I)式に於いて、X=-COO-、Y=-COO-、 A=C8H17O−のもの(試料No.5)の製造〕 (i)p−ベンジルオキシ安息香酸クロリドの製造 p−ベンジルオキシ安息香酸100.0g(0.44モ
ル)に塩化チオニル63.1g(0.53モル)を加
え、約2時間還流する。過剰の塩化チオニルを減圧蒸留
により完全に除去しp−ベンジルオキシ安息香酸クロリ
ド63.4gを得た。
(ii)光学活性p−(1−メチルヘプチルオキシ)フエノ
ールの合成 ハイドロキノンモノベンジルエーテル200.0g
(1.00モル)に、エタノール1000ml、実施例1
で合成したp−トルエンスルホン酸1−メチルヘプチル
エステル212.0g(1.10モル)、水酸化ナトリ
ウム48.0g(1.20モル)を水50.0gに溶解
したものを加え約10時間還流を行なう。エタノールを
留去し残留物に6N−HCl400ml、トルエン500
mlを加え攪拌する。トルエン層を6N−HCl、次いで
2N−苛性ソーダ水溶液で洗浄したのち中性になるまで
水洗しトルエン層を乾燥したのち、トルエンを留去す
る。残留物を活性アルミナ200gのカラムクロマトに
かける。
この残留物をエタノール200mlに溶解し、5%Pd/
Cl0.0gの存在下に於いて還元し粗製の光学活性p
−(1−メチルヘプチルオキシ)フエノールを得た。こ
れを減圧において蒸留し光学活性p−(1−メチルヘプ
チルオキシ)フエノール142.4g(1.5mmHg13
2℃)を得た。
(iii)光学活性p−ベンジルオキシ安息香酸p−(1−
メチルヘプチルオキシ)フエニルエステルの製造 (ii)で得られた光学活性p−(1−メチルヘプチルオキ
シ)フエノール50.0g(0.22モル)をピリジン
300mlに溶解し、そこへp−ベンジルオキシ安息香酸
クロリド50.0g(0.20モル)をトルエン300
mlに溶解したものを、氷冷しながら滴下する。約50〜
60℃に保ちながら2時間攪拌し一晩放置する。その後
トルエン1500ml、水1000mlを加え攪拌し、トル
エン層を6N−HCl、次いで2N−苛性ソーダ水溶液
で洗浄し、更に中性になるまで水洗する。トルエンを留
去し、残留物をエタノールから再結晶することにより光
学活性p−ベンジルオキシ安息香酸p−(1−メチルヘ
プチルオキシ)フエニルエステル69.0を得た。
(iv)光学活性p−ヒドロキシ安息香酸p−(1−メチル
ヘプチルオキシ)フエニルエステルの製造 (iii)で得られた光学活性p−ベンジルオキシ安息香酸
p−(1−メチルヘプチルオキシ)フエニリルエステル
69.0g(0.16モル)を酢酸エチル−エタノール
混合溶媒(2:1)1000mlに溶解し、5%Pd/C
15.0gの存在下に於いて還元し光学活性p−ヒドロ
キシ安息香酸p−(1−メチルヘプチルオキシ)フエニ
ルエステル49.8gを得た。
(v)表題化合物の製造 (iv)で得られた光学活性p−ヒドロキシ安息香酸p−
(1−メチルヘプチルオキシ)フエニルエステル11.
2g(0.033モル)をピリジン50mlに溶解し、こ
こへp−オクチルオキシ安息香酸クロリド8.0g
(0.030モル)を氷冷しながら滴下する。約50〜
60℃に保ちながら2時間攪拌し一晩放置する。その後
トルエン300ml、水200mlを加え攪拌し、トルエン
層を6N−塩酸、次いで2N−苛性ソーダ水溶液で洗浄
し、更に中性になるまで水洗する。トルエンを留去し、
残留物をエタノールから再結晶することにより目的物で
ある光学活性p−(p′−オクチルオキシベンゾイルオ
キシ)安息香酸p−(1−メチルヘプチルオキシ)フエ
ニルエステル5.9gを得た。このものの相転移点は、
C−SA点75.0℃、SA−I点134.1℃であっ
た。
又、この化合物の元素分析値は次の如く計算値とよく一
致した。
実測値 計算値(C36H46O6として) C 74.90% 75.23% H 8.10% 8.07% 本実施例においてp−トルエンスルホン酸1−メチルヘ
プチルエステルの代わりに種々の光学活性p−トルエン
スルホン酸エステルを用いることによって、対応する種
々の(Ia)式の化合物が製造できる。また、前記の工
程(iii)において光学活性フエノールとして、p−アル
コキシカルボニルフエノール、特にp−(1−メチルヘ
プチルオキシカルボニル)フエノールあるいはp−(2
−メチルブトキシカルボニル)フエノールを使用するこ
とによって(Ib)式の化合物を製造することができ
る。
実施例3 〔光学活性p−(2−メチルブトキシカルボニル)安息
香酸p−(p′−オクチルオキシベンゾイルオキシフエ
ニルエステル((I)式に於いてX=-COO-、Y=-OCO-、 A=C17O−のもの(試料No.21)の製造〕 (i)p−オキチルオキシ安息香酸p−ベンジルオキシフ
エニルエステルの製造 ハイドロキノンモノベンジルエーテル100.0g
(0.50モル)をピリジン600mlに溶解し、p−オ
クチルオキシ安息香酸クロリド122.2g(0.45
モル)をトルエン600mlに溶解したものを氷冷しなが
ら滴下する。約50〜60℃に保ちながら2時間攪拌し
一晩放置する。その後トルエン3000ml、水2000
mlを加え攪拌し、トルエン層を6N−塩酸次いで2N−
苛性ソーダ水溶液で洗浄し、更に中性になるまで水洗す
る。トルエンを留去し、残留物をエタノールから再結晶
することによりp−オクチルオキシ安息香酸p−ベンジ
ルオキシフエニルエステル121.0を得た。
(ii)p−(p′−オクチルオキシベンゾイルオキシ)フ
エノールの製造 p−オクチルオキシ安息香酸p−ベンジルオキシフエニ
ルエステル50.0g(0.12モル)を酢酸エチル−
エタノール混合溶媒(2:1)800mlに溶解し、5%
Pd/C2.5gの存在下に於いて還元しp−(p′−
オクチルオキシベンゾイルオキシ)フエノール38.6
gを得た。
(iii)表題化合物の製造 (ii)で得られたp−(p′−オクチルオキシベンゾイル
オキシ)フエノール10g(0.029モル)をピリジ
ン100mlに溶解し、そこへ光学活性p−(2−メチル
ブトキシカルボニル)安息香酸クロリド5.6g(0.
027モル)をトルエン50mlに溶解したものを氷冷し
ながら滴下する。約50〜60℃に保ちながら2時間攪
拌し、トルエン層を6N−HCl次いで2N−苛性ソー
ダ水溶液で洗浄し、更に中性になるまで水洗する。トル
エンを留去し、残留物をエタノールから再結晶すること
により目的物である光学活性p−(2−メチルブトキシ
カルボニル)安息香酸p−(p’−オクチルオキシベン
ゾイルオキシ)フエニルエステル7.2gを得た。
このものの相転移点はC−Ch点106.5℃、Ch−
I点145.5℃であり、また元素分析値は以下の如く
計算値とよく一致した。
実測値 計算値(C33H40O6として) C 74.10% 74.41% H 7.40% 7.57% 本実施例記載の方法と類似の方法で前記(If)式のも
のがすべて製造できる。又、本実施例の第3段階に於い
て光学活性物質として光学活性p−アルコキシ安息香酸
クロリド、特に光学活性p−(1−メチルヘプチルオキ
シ)安息香酸クロリドあるいは光学活性p−(2−メチ
ルブトキシ安息香酸クロリドを使用することによって種
々の(Ie)式の化合物を製造することができる。
実施例4(使用例1) からなるネマチック液晶組成物を配向処理剤として、ポ
リビニルアルコール(PVA)を塗布し、その表面をラ
ビングして平行配向処理を施した透明電極からなる電極
間隔10μmのセルに注入してTN型表示セルとし、こ
れを偏光顕微鏡下で観察したところ、リバース・ツイス
トドメインを生じているのが観察された。
この上記のネマチック液晶組成物に本発明の試料No.9
の化合物を1重量%添加し、同様にTN型セルにて観察
したところ、リバース・ツイストドメインは解消され、
均一なネマチック相が観察された。
実施例5(使用例2) 前記第1表中の試料No.16の光学活性ジエステル液晶
化合物と他の光学活性液晶化合物を用いて、下記の組成
の液晶組成物を調製した。
組成物の調製法は、上記4種の液晶化合物を所定の重量
秤量し、4種の化合物を試料ビン中で加熱溶解しながら
混合するものである。得られた組成物を配向処理とし
て、PVAを塗布し、表面をラビングして平行配向処理
を施した透明電極を備えたセル厚2μmのセルに注入
し、この液晶素子を2枚の直交する偏光子の間に設置
し、電界を印加したところ、20Vの印加によって透過
光強度の変化が観測された。この時の透過光強度の変化
から応答時間を求めると、25℃で約0.7msecの値を
示した。
尚、上記液晶組成物について、偏光顕微鏡によりテクス
チュアの温度変化を調べたところ、15℃から50℃の
温度範囲で強誘電性液晶となることが判明し、その自発
分極の大きさは、25℃で20nC/cm2であり、チルト角
は24°であった。
実施例6(使用例3) 前記第1表中の試料番号13及び15の光学活性ジエス
テル液晶化合物及び他の光学活性液晶化合物を用い、実
施例5と同様な方法で下記の組成の液晶組成物を調製し
た。
この組成物に二色性色素としてアントラキノン系色素の
D−16(BDH社製)を3重量%添加していわゆるゲ
スト・ホスト型にしたものを実施例5と同様なセル(た
だし、セル厚は10μm)に注入し、1枚の偏光子を偏
光面が分子軸に平行になる様に設置し、電界を印加した
ところ、40Vの印加によって、透過光強度の変化が観
測された。この時の透過光強度の変化から応答時間を求
めると、25℃で約2msecの値を示した。
尚、上記液晶組成物について、偏光顕微鏡により、テク
スチュアの温度変化を調べたところ、20℃から60℃
の温度範囲で強誘電性液晶となることが判明し、その自
発分極の大きさは、25℃で18nC/cm2であり、チルト
角は35°であった。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (但し、上式に於いて、Xは-COO-あるいは-OCO-のいず
    れかであり、YはXが-COO-のとき-COO-又は-OCO-であ
    り、Xが-OCO-のとき-OCO-である。また、Z*は炭素数
    4−10の光学活性なアルコキシ基又はアルコキシカル
    ボニル基を示し、Aは炭素数4−12の光学活性でない
    アルキル基又はアルコキシ基を示す)で表わされる光学
    活性化合物。
  2. 【請求項2】(I)式に於けるZ*が光学活性な1−メ
    チルヘプチルオキシ基である特許請求の範囲第1項記載
    の光学活性化合物。
  3. 【請求項3】(I)式に於けるZ*が光学活性な2−メ
    チルブトキシ基である特許請求の範囲第1項記載の光学
    活性化合物。
  4. 【請求項4】(I)式に於けるZ*が光学活性な1−メ
    チルヘプチルオキシカルボニル基である特許請求の範囲
    第1項記載の光学活性化合物。
  5. 【請求項5】(I)式に於けるZ*が光学活性な2−メ
    チルブトキシカルボニル基である特許請求の範囲第1項
    記載の光学活性化合物。
  6. 【請求項6】一般式 (但し、上式に於いて、Xは-COO-あるいは-OCO-のいず
    れかであり、YはXが-COO-のとき-COO-又は-OCO-であ
    り、Xが-OCO-のとき-OCO-である。また、Z*は炭素数
    4−10の光学活性なアルコキシ基又はアルコキシカル
    ボニル基を示し、Aは炭素数4−12の光学活性でない
    アルキル基又はアルコキシ基を示す)で表わされる光学
    活性液晶化合物を少なくとも1種含有することを特徴と
    する少なくとも2成分からなる液晶組成物。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第6項に記載のカイラルス
    メクチック液晶組成物。
  8. 【請求項8】一般式 (但し、上式に於いて、Xは-COO-あるいは-OCO-のいず
    れかであり、YはXが-COO-のとき-COO-又は-OCO-であ
    り、Xが-OCO-のとき-OCO-である。また、Z*は炭素数
    4−10の光学活性なアルコキシ基又はアルコキシカル
    ボニル基を示し、Aは炭素数4−12の光学活性でない
    アルキル基又はアルコキシ基を示す)で表わされる光学
    活性液晶化合物を少なくとも1種含有する少なくとも2
    成分からなるカイラルスメクチックC相を呈する液晶組
    成物を使用して構成された光スイッチング素子。
JP60113578A 1985-05-27 1985-05-27 新規光学活性ジエステル誘導体及びその組成物 Expired - Lifetime JPH0610168B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60113578A JPH0610168B2 (ja) 1985-05-27 1985-05-27 新規光学活性ジエステル誘導体及びその組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP60113578A JPH0610168B2 (ja) 1985-05-27 1985-05-27 新規光学活性ジエステル誘導体及びその組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS61271252A JPS61271252A (ja) 1986-12-01
JPH0610168B2 true JPH0610168B2 (ja) 1994-02-09

Family

ID=14615784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP60113578A Expired - Lifetime JPH0610168B2 (ja) 1985-05-27 1985-05-27 新規光学活性ジエステル誘導体及びその組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0610168B2 (ja)

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1510610A (en) * 1975-11-06 1978-05-10 Dainippon Toryo Kk Optically active benzoylbenzoates

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1510610A (en) * 1975-11-06 1978-05-10 Dainippon Toryo Kk Optically active benzoylbenzoates

Also Published As

Publication number Publication date
JPS61271252A (ja) 1986-12-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0578542B2 (ja)
JPH0417174B2 (ja)
JPH0699392B2 (ja) 強誘電性ピリジン化合物及び液晶組成物
JPH0623135B2 (ja) 液晶物質及び液晶組成物
JPH0610170B2 (ja) 新規光学活性化合物及び液晶組成物
US4729847A (en) Optically active liquid crystal compound having methyleneoxy group and composition containing same
JP2760836B2 (ja) ジオキサン系液晶物質
EP0439190B1 (en) Component for liquid crystal composition and liquid crystal composition containing the same
JPH0443898B2 (ja)
JPS6330300B2 (ja)
US4759869A (en) Liquid crystalline carbonic acid ester and liquid crystal composition containing same
JPH0339499B2 (ja)
JPS63313768A (ja) チオエ−テル化合物及び液晶組成物
JP2548943B2 (ja) 新規光学活性化合物
JPH0610168B2 (ja) 新規光学活性ジエステル誘導体及びその組成物
JPH0615508B2 (ja) 液晶性カルボナ−ト安息香酸誘導体及び組成物
JP2521126B2 (ja) 光学活性液晶化合物
JPH0533944B2 (ja)
JP3186825B2 (ja) 液晶化合物
JP3095435B2 (ja) 液晶化合物
JP2742548B2 (ja) 光学活性化合物およびそれを含む液晶組成物
JP2632683B2 (ja) 極めて大きな自発分極を有する液晶性化合物
JP2596806B2 (ja) 光学活性化合物及びその用途
JPH0665660B2 (ja) 液晶化合物及び液晶組成物
JPH0699353B2 (ja) 光学活性ヒドロキシビフェニル

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term