JPH06101607A - エンジンシステム - Google Patents

エンジンシステム

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Publication number
JPH06101607A
JPH06101607A JP4255076A JP25507692A JPH06101607A JP H06101607 A JPH06101607 A JP H06101607A JP 4255076 A JP4255076 A JP 4255076A JP 25507692 A JP25507692 A JP 25507692A JP H06101607 A JPH06101607 A JP H06101607A
Authority
JP
Japan
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battery
temperature
starting
engine
state
Prior art date
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Pending
Application number
JP4255076A
Other languages
English (en)
Inventor
Mitsuru Nagase
永瀬  満
Takeshi Atago
武士 阿田子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Automotive Engineering Co Ltd
Priority to JP4255076A priority Critical patent/JPH06101607A/ja
Publication of JPH06101607A publication Critical patent/JPH06101607A/ja
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 バッテリの状態に関わらず、エンジンの始動
を確実に行なうことのできるエンジン制御システムを提
供することを目的とする。 【構成】 エンジン制御用バッテリ26とは別に、電気
加熱触媒用バッテリ22を備える。通常時は、エンジン
制御用バッテリ26によりスタータを駆動させエンジン
を始動する。エンジン制御用バッテリ26が弱っている
場合や低温時には、電気加熱触媒用バッテリ22に切り
換えてあるいは両バッテリを併用してエンジンを始動す
る。 【効果】 エンジン制御用バッテリが充電不足,劣化,
バッテリ上がりを起してもエンジンの始動を確実にする
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの始動を確実
に行なうことのできるエンジンシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気加熱触媒制御装置は、エス・
エー・イー、テクニカル、ペーパー、シリーズ、900
503(1990年)第61項から70項(SAE、Te
chnical,Paper,Series、9005
03(1990)Page,61−70)において論じら
れているように、レジスタ−タイプの金属担体で構成さ
れた触媒に電流を通電する事により加熱する方式で、低
温時の排気ガス性能を改善できることについて述べられ
ている。そのような電気的に加熱される触媒は、従来の
12V電源システムを用いて30秒以内に約350℃の
触媒活性化温度に到達するよう設計されている。これら
の制御手段は、所望望の触媒の動作温度まで昇温できる
よう、触媒加熱用電流供給手段と触媒の温度検出手段と
が具備されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の電気加
熱触媒制御装置は、エンジン制御用バッテリとは別に、
電気加熱触媒用バッテリを備えているが、電気加熱触媒
用バッテリは当然の如く電気加熱触媒の通電のみに使用
されるだけであった。
【0004】その一方で、エンジン制御用バッテリは車
両運転中は常時充電と放電を繰返えす極めて過酷な使用
状況に置かれており、充電不足や劣化が生じやすく、そ
の寿命は短くなりがちである。この結果、バッテリ上が
りが生じ易く、消費電流の大きいスタータの駆動は困難
となる。そして最悪時にはエンジンの始動不可能な状態
になってしまうこともあった。
【0005】本発明は、それぞれ使用目的の異なる2つ
以上のバッテリ(エンジン制御用と電気加熱触媒用)を
適切に使用することにより、エンジン制御用バッテリに
よるエンジン始動が不可能または困難な状況の場合でも
エンジンの始動を可能にすることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになされたものでその一態様としては、エンジ
ンと、エンジンを始動する始動手段と、上記始動手段に
電力を供給可能に構成された第1のバッテリと、上記始
動手段に電力を供給可能に構成された第2のバッテリ
と、上記第1および第2のバッテリの状態を検出する状
態検出手段と、上記状態検出手段の検出結果に基づいて
上記第1および第2のバッテリの状態を判定し、上記第
1のバッテリと上記第2のバッテリのうち、エンジンの
始動に使用するバッテリ(以下”始動バッテリ”とい
う)を決定し、該始動バッテリを用いて上記始動手段を
作動させる制御手段と、を有することを特徴とするエン
ジンシステムが提供される。
【0007】上記制御手段は、上記第1および第2のバ
ッテリのうち状態の良い方を上記始動バッテリとするも
のであってもよい。
【0008】あるいは、上記制御手段は、始動バッテリ
の決定の基準となる予め決定された第1基準状態を有
し、上記第1のバッテリの状態が上記第1基準状態より
も悪い状態であり、かつ、上記第2のバッテリの状態が
上記第1基準状態よりもよい状態である場合には、上記
第2のバッテリを始動バッテリとするものであってもよ
い。この場合、上記第1および第2のバッテリの温度を
検出する温度検出手段を有し、上記制御手段は、上記温
度検出手段の検出結果に対応して上記第1基準状態を変
更することが好ましい。
【0009】排気ガス中の有害物質を処理するための触
媒と、電力を用いて上記触媒を加熱する加熱手段とを有
し、上記第2のバッテリは、上記加熱手段に電力を供給
可能に構成されているものであってもよい。この場合に
は、上記第1のバッテリのみを用いて上記始動手段を作
動させる場合に限り、上記制御手段は、上記第2のバッ
テリにより上記加熱手段に電力を供給させることが好ま
しい。
【0010】上記状態検出手段は、上記第1および第2
のバッテリの、端子電圧、電解液の比重、充電量のうち
少なくとも一つを検出するものであってもよい。
【0011】上記制御手段は、予め設定された基準試行
時間と、予め設定された基準試行回数と、上記始動手段
を作動させた回数および時刻を監視する監視手段とを有
し、上記基準試行時間内に、上記基準試行回数を越えて
上記始動手段をさせる場合には、改めて上記始動バッテ
リの決定を行なうことが好ましい。
【0012】上記第1および第2のバッテリの温度に対
応した温度を検出する温度検出手段を有し、上記制御手
段は、始動バッテリの決定において使用される第2基準
状態を有し、上記第1および第2のバッテリのいずれも
が該第2基準状態よりもよい状態であり、かつ、上記温
度検出手段の検出結果に基づいて、上記第1および第2
のバッテリの温度が予め設定された温度よりも低い場
合、上記第1および第2のバッテリの両方を始動バッテ
リとし、両バッテリを並列に接続して上記始動手段を作
動させるものであっても良い。
【0013】本発明の他の態様としては、複数のバッテ
リから電気機器への電力供給を制御するバッテリ制御装
置において、上記複数のバッテリのおのおのの状態を検
出する状態検出手段と、上記状態検出手段の検出結果に
基づいて上記各バッテリの状態を判定し、上記電気機器
に電力を供給するバッテリを決定し、該決定されたバッ
テリを用いて上記電気機器に電力を供給する制御手段
と、を有することを特徴とするバッテリ制御装置が提供
される。
【0014】
【作用】状態検出手段は、第1のバッテリと、第2のバ
ッテリと、の端子電圧、電解液の比重等を検出する。制
御手段は、この検出結果に基づいて上記第1および第2
のバッテリの状態を判定し、始動バッテリを決定する。
そして、該始動バッテリを用いて始動手段を作動させ、
エンジンを起動する。
【0015】該始動バッテリの決定においては、二つの
方法が考えれらる。1番目の方法は、第1のバッテリと
第2のバッテリとのうち状態の良い方を上記始動バッテ
リとするものである。
【0016】2番目の方法は、第1のバッテリを第2の
バッテリよりも優先し、第1のバッテリが使用できない
場合に限り、第2のバッテリの使用を検討する方法であ
る。具体的には、上記第1のバッテリの状態が第1基準
状態よりも悪く、かつ、上記第2のバッテリの状態が上
記第1基準状態よりもよい状態である場合、上記制御手
段は、上記第2のバッテリを始動バッテリとする。
【0017】この場合、制御手段は、温度検出手段の検
出結果に対応して第1基準状態を変更する。
【0018】該2番目の方法は、第2のバッテリが、本
来的には、エンジンの始動以外の目的、例えば、触媒を
加熱する加熱手段への電力の供給、のために設けられた
ものである場合に適する。
【0019】1番目の方法、2番目の方法のいずれにつ
いても、基準試行時間内に基準試行回数を越えて上記始
動手段をさせる場合に、改めて上記始動バッテリの決定
を行なえばより確実に始動を行なうことができる。
【0020】また、第1のバッテリおよび第2のバッテ
リとのいずれもが第2基準状態よりもよい状態である場
合、すなわち、両バッテリが特に良好な状態にある場合
には、両者を並列に接続して上記始動手段を作動させれ
ば、極めて温度の低い状態でも確実に始動を行なうこと
ができる。
【0021】以上述べたとおり、バッテリの劣化や充電
不足等の原因によりエンジン始動ができなくなる事態が
少ない。更には例えば、−30℃のように低温での始動
は、バッテリの消費電流は大きく負担は大きいが、この
ような状況でも、バッテリを並列に接続することにより
容量アップ効果が得られ、1つのバッテリの負担は小さ
くなり、確実に始動を行なうことができる。また、数度
の始動失敗にも十分耐えうることが出来る。
【0022】
【実地例】本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0023】まず、本実施例の概要を図2、図3を用い
て説明する。図2は本実施例のシステム全体を、図3は
その入出力仕様を4気筒エンジンで示したものである。
【0024】Keyスイッチをオフからオンにするとア
クセサリ位置になり、ラジオなど一部の電気負荷の電力
は使用が可能である。イグニッションスイッチ36の信
号114がオフからオンになるとECM27が作動を開
始する。ECM27は、エンジン制御用バッテリ26の
端子電圧値106と比重115,電気加熱触媒用バッテ
リ22の端子電圧値113と比重117からバッテリ状
態を判定し、始動時に使用するバッテリを決定する。こ
の時、エンジン制御用バッテリ26と電気加熱触媒用バ
ッテリ22とのうち一方にでも問題がある場合には、イ
ンジケ−タ内のランプによる表示や音声により運転者へ
の警告を行なう(なお、このバッテリの決定方法が本発
明の重要な点であるため、この点については後ほど詳細
に説明する。)。同時に燃料ポンプ11へ制御信号20
3を出力し、各制御部品の自己診断機能を作動し、イン
ジケータ内のチェックランプ等により運転者に異常があ
るかないかを知らせる。ここまでの電力は全てエンジン
制御用バッテリ26より供給される。ここでスタータス
イッチ37の信号103がオフからオンになるとスター
タモータ33が駆動しクランキングを開始し、完爆判定
をするとエンジン始動となり、スタータスイッチ103
がオフされる。
【0025】エンジン始動後はオルタネータ25により
電気エネルギーは各種電気負荷とエンジン制御用バッテ
リ26と電気加熱触媒用バッテリ22へ供給される。
【0026】エンジンへの吸入空気は、エアクリーナー
1により濾過された後、エアフローセンサ2で質量もし
くは流量を検出後、シリンダへ吸入される。吸入空気量
はECM27からの制御信号204で制御されるISC
バルブ10の開度とスロットルバルブの開度で決定さ
れ、その制御信号はおもにスロットルセンサ3の信号値
107,アイドルスイッチの信号値102をECM27
へ出力する。また、吸気温センサ30で吸入空気温度を
検出しECM27に検出値110を出力する。供給され
る燃料は、燃料ポンプ11により吐出されて供給される
が、その間に燃料性状センサ12を通過しインジェクタ
4より噴射される。その時、エアカットバルブ6により
送られた空気は燃料と衝突することにより燃料の微粒化
を促進させる。エアカットバルブ6への空気量はECM
27からの制御信号206によってソレノイドバルブ9
により決定される。燃料の噴射量201は、水温センサ
31により検出された値105、エアフローセンサ2で
検出された値100、クランク角センサ32により検出
された値101、燃料性状センサ12で検出された値1
11などを入力信号とするECM27により決定され
る。シリンダに吸入された混合気は、ECM27からの
制御信号202をによりイグニッションコイルで発生し
た高電圧の電気エネルギーを点火プラグ5で着火、爆
発、燃焼し、排気バルブより排出される。この間、ノッ
クセンサ29により異常燃焼によるノッキング検出を行
い、検出値108をECM27に出力する。燃焼した混
合気は排気ガスとなり排出される。排出された排気ガス
の一部は、ECM27の制御信号209により制御され
るEGRコントロールバルブ8を介しEGRバルブ7で
吸気管に還流され排気ガス中の窒素酸化物発生を抑制す
る為、混合気と共にシリンダ内に吸入される。EGR量
を制御するための吸気管内圧力の検出は吸気圧センサ2
8により行われ、その検出値109はECM27へ出力
する。メイン触媒18の上流と下流に取り付けられたO
2センサ19,20により排気ガス中に含まれるO2濃
度からシリンダ内で起った燃焼状態および触媒状態を検
出する。O2センサは1つ以上とし、その代用はA/F
センサでも可能である。O2センサ19,20が活性化
すると、その検出値104をもとにフィードバック制御
が行われる。EGR取り込み位置の下流からは二次空気
用ポンプ13による空気供給を行う。二次空気量はEC
M27からの制御信号207によってVCカットソレノ
イドバルブ16でコントロールされ、エアカットバルブ
14で調整する。排気ガスの逆流防止はチェックバルブ
15により行われ、二次空気用ポンプ13の駆動はEC
M27からの制御信号205により出力される。二次空
気と混合された排気ガスは,二次空気用ポンプ13の下
流に設置された電気加熱触媒(EHC)17によって炭
化水素、一酸化炭素等の有害物質を浄化される。電気加
熱触媒17は、電気加熱触媒用バッテリ22により始動
前または始動後からの通電開始が制御可能であり、EH
C用温度センサ21で温度を検出し、その検出値112
をECM27に出力する。電気加熱触媒17が所定温度
に達した場合は通電を終了するためにECM27からE
HC用リレー24に制御信号208を出力し、EHC用
リレー24を制御する。ただし、EHC用リレーは1つ
以上とする。
【0027】次に本実施例の特徴である、エンジン始動
時のバッテリの決定および使いわけを図1を用いて説明
する。
【0028】図中、26はエンジン制御用バッテリ、2
2は電気加熱触媒用バッテリ22、34はスイッチ、3
5はスイッチ、24はEHC用リレー、17は電気加熱
触媒、33はスタータモータ、37はスタータスイッ
チ、36はイグニッションスイッチ、27はECMを示
している。
【0029】スイッチ34は、イグニッションスイッチ
36のオン(閉)/オフ(開)に関係なく、初めはオン
(閉)状態とされている。イグニッションスイッチ36
がオフ(開)からオン(閉)となると、エンジン制御用
バッテリ26の電力によりECM27は起動し、該エン
ジン制御用バッテリ26と電気加熱触媒用バッテリ22
の状態を検出する。該状態の検出は、両バッテリのバッ
テリ電圧値(VB0)106,電圧値(VBEHC)11
3、電解液の比重(ρ0)115,比重(ρEHC)11
7、電解液温度または電解液温度に相当する温度T0,
TEHCを直接または間接的に検出することによって行な
う。そして、その検出結果に基づいて、始動時に使用す
るバッテリを決定し、ECM27からの制御信号21
0,220,208により、スイッチ34,スイッチ3
5,EHC用リレー24のオン(閉)/オフ(開)を制
御する。
【0030】そして、すべての準備が整った後、スタ−
タスイッチ37をONし、スタ−タモ−タ33によりエ
ンジンが起動される。以下、エンジン始動に使用するバ
ッテリに応じて場合分けしてさらに詳細に説明する。
【0031】通常のようにエンジン制御用バッテリ26
でエンジンを始動する場合には、スイッチ34はオン
(閉)状態とし、スイッチ35はオフ(開)とされる。こ
の場合、エンジン制御用バッテリ26と電気加熱触媒用
バッテリ22は独立している。スタータスイッチ37が
オフ(開)からオン(閉)となると、エンジン制御用バ
ッテリ26からスタータモータ33へ電流が供給され、
エンジンが始動される。また、これと同時にEHC用リ
レー24がオフ(開)からオン(閉)にされて、電気加
熱触媒17は電気加熱触媒用バッテリ22により通電さ
れ、加熱される。
【0032】電気加熱触媒用バッテリ22によりエンジ
ンの始動を行なう場合には、スイッチ34はオフ(開)
し、スイッチ35はオン(閉)する。なお、この時、E
HC用リレー24はオフ(開)される。スタータスイッ
チ37がオフ(開)からオン(閉)となると、電気加熱
触媒用バッテリ22によりスタータモータ33へ電流が
供給され、エンジンが始動される。この場合、EHC用
リレー24がオフ(開)のままで、電気加熱触媒用バッ
テリ22による電気加熱触媒17への通電は行われな
い。また、エンジン制御用バッテリ26からの通電は行
なわれないように、スイッチ34はオフのままとされて
いる。
【0033】エンジン制御用バッテリ26と電気加熱触
媒用バッテリ22とを両方を併用ししてエンジンを始動
する場合は、スイッチ34、スイッチ35は両方共、オ
ン(閉)にされる。なお、EHC用リレー24はオフ
(開)される。これにより、エンジン制御用バッテリ2
6と電気加熱触媒用バッテリ22は並列に接続される。
スタータスイッチ37がオフ(開)からオン(閉)とな
ると、両方のバッテリからスタータモータ33へ電力が
供給され、エンジンが始動される。この場合には、電気
加熱触媒17への通電は行われない。
【0034】以上述べてきたスタ−タモ−タ33起動時
のスイッチ34,35等の設定と、使用バッテリとの関
係を図4にまとめて示した。
【0035】バッテリ状態の検出方法およびエンジン始
動に使用するバッテリの決定基準を説明する。
【0036】第1番目の例として、バッテリ状態の検出
を電解液比重に基づいて行なう例を説明する。
【0037】比重は、下記数1に基づいてバッテリの起
電力Eと電解液温度Tとから算出することができる。
【0038】
【数1】 ρ20=(E/6)−0.84+0.0007(T−20) 起電力Eは、オルタネータ25による充電がなされてい
ない状態での電圧が良く、例えばイグニッションスイッ
チ36がオンで且つスタータスイッチ37がオフの時の
バッテリ電圧を用いる。なお、本実施例においては、V
0106,VBEHC113が、この起電力Eに相当する
デ−タとして得られる。
【0039】電解液温度Tの測定手段としては、温度セ
ンサを用いるのが良いが、他に温度により出力特性が変
化する性質の物を利用して代用することも考えられる。
また、電解液温度を直接検出することが好ましいが、例
えばエンジンの冷却水温度、エンジンルーム内の温度、
エンジンオイルの温度、外気温度、エンジンへの吸入空
気温度、電気加熱触媒の温度、触媒の温度、バッテリの
ケースまたはその付近の温度、等を代用することも考え
られる。
【0040】なお、比重の検出方法はこれに限定される
ものではなく、比重計を用いて直接測定しても良い。
【0041】このようにして検出された比重に基づく使
用バッテリの決定は、例えば、図5に示すような判定マ
ップを用いて行なう。この図の横軸はエンジン制御用バ
ッテリ比重ρ0、縦軸は電気加熱触媒用バッテリ比重ρ
EHCを示している。
【0042】この例では、比重が1.1を起点に左下か
ら右上にかけてリニアに引かれた境界線に対し、右下側
をA領域,左上側をB領域とし、各々の領域ごとに使用
するバッテリを変えている。
【0043】A領域に該当する場合は、エンジン制御用
バッテリ26を使用してエンジンを始動させる。
【0044】B領域に該当する場合は、電気加熱触媒用
バッテリ22を使用してエンジンを始動させる。
【0045】さらに、温度が極端に低い場合には、両方
のバッテリの比重が1.24(図中、ρ1で示す)以上
の領域をC領域としている。ただし、該C領域は、温度
が極端に低い場合のみ設定されるものであり、通常の温
度領域では、比重が1.24以上であっても上記A領域
あるいはB領域として扱われる。エンジンの冷却水温度
が−30℃以下のような低温の時にC領域に該当する場
合は、エンジン制御用バッテリ26と電気加熱触媒用バ
ッテリ22を並列に接続して、両者を併用してエンジン
を始動する。
【0046】なお、これ以降の説明においても、エンジ
ン制御用バッテリ26を使用してエンジンを始動させる
領域をA領域、電気加熱触媒用バッテリ22を使用して
エンジンを始動させる領域をB領域等と呼ぶこととす
る。ただし、各領域の範囲はバッテリ状態の検出方法、
判定マップの設定によって決定されるものであり、各例
において必ずしも一致するものではない。
【0047】バッテリ状態の検出方法の第2番目の例と
して、バッテリの端子電圧による方法を挙げることがで
きる。該検出方法は、説明するまでもなく電圧計を用い
て行なえば良い。このようにして検出された端子電圧に
基づく使用バッテリの決定は、例えば、図6に示すよう
な判定マップを用いて行なう。この図の横軸はエンジン
制御用バッテリの端子電圧VB0、縦軸は電気加熱触媒
用バッテリの端子電圧VBEHCを示している。
【0048】この例では、端子電圧が10Vを起点に左
下から右上にかけてリニアに引かれた境界線に対し、右
下側をA領域,左上側をB領域とし、各々の領域ごとに
使用するバッテリを変えている。
【0049】A領域に該当する場合は、エンジン制御用
バッテリ26を使用してスタータ33を駆動し、始動さ
せる。
【0050】B領域に該当する場合は、電気加熱触媒用
バッテリ22を使用してスタータ33を駆動し始動させ
る。
【0051】さらに、温度が極端に低い場合には、両方
のバッテリの端子電圧が12.4V(図中、VB1で示
す)以上の領域をC領域として別途設定する。ただし、
該C領域は、温度が極端に低い場合のみ設定されるもの
であり、通常の温度領域では、端子電圧が12.4(V)
以上であっても上記A領域あるいはB領域として扱う。
エンジンの冷却水温度が−30℃以下のような低温の時
にC領域に該当する場合は、エンジン制御用バッテリ2
6と電気加熱触媒用バッテリ22を並列に接続して、両
者を併用してスタータ33を駆動する。
【0052】なお、各領域の境界線は、この例に示した
ものに限定されない。例えば、線形関数として持つ場合
もある。
【0053】バッテリ状態の検出方法の第3番目の例と
して、バッテリの充電状態による方法を挙げることがで
きる。
【0054】充電状態(残存容量比)βはバッテリの放
電量AHと比重ρから測定する場合は、以下の計算によ
り算出することができる。
【0055】
【数2】AH=バッテリ定格容量×(完全充電時比重−
測定時比重)÷(完全充電比重−全放電時比重)
【0056】
【数3】 β=(1−(AH/バッテリ定格容量))×100 尚、測定時の比重は上記数1を用いてあるいは比重計に
より検出する。
【0057】このようにして検出された端子電圧に基づ
く使用バッテリの決定は、例えば、図7に示すような判
定マップを用いて行なう。この図の横軸はエンジン制御
用バッテリの充電状態β0、縦軸は電気加熱触媒用バッ
テリの端充電状態βEHCをしめしている。
【0058】この例では、充電状態が0(%)を起点に
左下から右上にかけてリニアに引かれた境界線に対し、
右下側をA領域,左上側をB領域とし、各々の領域ごと
に使用するバッテリを変えている。
【0059】A領域に該当する場合は、エンジン制御用
バッテリ26を使用してスタータ33を駆動し、始動さ
せる。
【0060】B領域に該当する場合は、電気加熱触媒用
バッテリ22を使用してスタータ33を駆動し始動させ
る。
【0061】さらに、温度が極端に低い場合には、両方
のバッテリの充電状態が75%(図中、β1で示す。)
以上はC領域として別途設定する。ただし、該C領域
は、温度が極端に低い場合のみ設定されるものであり、
通常の温度領域では、充電状態が75%以上であっても
上記A領域あるいはB領域として扱う。エンジンの冷却
水温度が−30℃以下のような低温の時にC領域に該当
する場合は、エンジン制御用バッテリ26と電気加熱触
媒用バッテリ22を並列に接続して、両者を併用してス
タータ33を駆動する。
【0062】上記図5、図6、図7に示した例は、判定
に際して使用するデ−タが、それぞれ、比重、端子電
圧、充電状態と異なっているものの、バッテリの決定方
法自体は、同じであった。すなわち、エンジン制御用バ
ッテリ26と、電気加熱触媒用バッテリ22とは対等な
関係にあり、原則として状態の良い方を選択してエンジ
ンの始動に使用していた。しかし、使用するバッテリの
決定方法はこれに限定されるものではなく、例えば、通
常は、エンジン制御用バッテリ26を用いてエンジンを
始動するが、エンジン制御用バッテリ26の状態がエン
ジンを始動できないほど悪いと判断された場合にかぎ
り、電気加熱触媒用バッテリ22を使用することとして
も良い。この場合の、判定マップを図8、図10、図1
2に示す。
【0063】図8は、バッテリ状態を比重を用いて検出
する場合のものである。この例においては、エンジン制
御用バッテリ26の比重ρ0が、判定値ρxよりも小さ
く、かつ、電気加熱触媒用バッテリ22の比重ρEHC
判定値ρxよりも大きい場合のみB領域とされている。
そして、それ以外の領域は、すべてA領域とされてい
る。また、温度が極端に低い場合には、C領域を設定す
る点については図5に示した例と同様である。判定値ρ
xは、エンジンを始動できるか否かの目安を示すもの
で、温度によってバッテリの特性が変化することに対応
して、判定値ρxの値も、図9に示すとおり、温度に応
じて変更される。
【0064】比重ρ0および比重ρEHCが共に、判定値ρ
xよりも小さい場合、すなわち、両方のバッテリがとも
に始動困難である場合を、A領域(エンジン制御用バッ
テリ26のみを使用して始動を行なう)としているの
は、このような状態で両方のバッテリを併用すると、両
者が共に完全に使用不能状態となるおそれがあるからで
ある。
【0065】図10は、バッテリ状態を比重を用いて検
出する場合のものである。この例においては、エンジン
制御用バッテリ26の端子電圧VB0が判定値VBxより
も小さく、かつ、電気加熱触媒用バッテリ22の端子電
圧VBEHCが判定値VBxよりも大きい場合のみB領域と
されている。そして、それ以外の領域は、すべてA領域
とされている。また、温度が極端に低い場合には、C領
域を設定する点については図6に示した例と同様であ
る。判定値VBxは、エンジンを始動できるか否かの目
安を示すもので、温度によってバッテリの特性が変化す
ることに対応して、判定値VBxの値も、図11に示す
とおり、温度に応じて変更される。
【0066】端子電圧VB0および端子電圧VBEHCが共
に、判定値VBxよりも小さい場合、すなわち、両方の
バッテリがともに始動困難である場合を、A領域(エン
ジン制御用バッテリ26のみを使用して始動を行なう)
としているのは、このような状態で両方のバッテリを併
用すると、両者が共に完全に使用不能状態となるおそれ
があるからである。
【0067】図12は、バッテリ状態を充電状態(残存
容量比)βを用いて検出する場合のものである。この例
においては、エンジン制御用バッテリ26の充電状態β
0が判定値βxよりも小さく、かつ、電気加熱触媒用バッ
テリ22の充電状態βEHCが判定値VBxよりも大きい場
合のみB領域とされている。そして、それ以外の領域
は、すべてA領域とされている。また、温度が極端に低
い場合には、C領域を設定する点については図6に示し
た例と同様である。判定値βxは、エンジンを始動でき
るか否かの目安を示すもので、温度によってバッテリの
特性が変化することに対応して、判定値βxの値も、図
13に示すとおり、温度に応じて変更される。
【0068】充電状態β0および充電状態βEHCが共に、
判定値βxよりも小さい場合、すなわち、両方のバッテ
リがともに始動困難である場合を、A領域(エンジン制
御用バッテリ26のみを使用して始動を行なう)として
いるのは、このような状態で両方のバッテリを併用する
と、両者が共に完全に使用不能状態となるおそれがある
からである。
【0069】なお、図8における判定値ρx、図10に
おける判定値VBx、図12における判定値βxが、特許
請求の範囲において言う第1基準状態に該当するもので
ある。また、比重ρ1(=1.24)、端子電圧VB
1(=12.4)、β1(=75%)が特許請求の範囲に
おいて言う第2基準状態に該当するものである。
【0070】次に、各スイッチ動作のタイミングおよび
これに伴うバッテリ状態の変化等を、使用するバッテリ
毎に、いくつかの具体例を上げて詳細に説明する。
【0071】図14の例は、図5の判定マップを使用し
た場合のものである。イグニッションスイッチ(IG S
W)36がオンにされると(注:この時、スタータスイ
ッチ(STSW)37は、オフの状態にある)、エンジン制御
用バッテリ26の比重ρ0、電気加熱触媒用バッテリ2
2の比重ρEHC、バッテリ温度(注:バッテリ温度に代
わって、エンジン冷却水温度、エンジンルーム内の温
度、エンジンオイルの温度、外気温度、エンジンへの吸
入空気温度、電気加熱触媒の温度、触媒の温度、バッテ
リのケースまたはその付近の温度、等を代用することも
考えられる。)を検出する。この図の例においては、比
重ρ0の値が、比重ρEHCより高い値であるためA領域と
判定し(注:この場合、温度は、−30℃よりも高いと
仮定する。)、エンジン制御用バッテリ26によるエン
ジン始動を行なう。従って、スイッチ34をオン,スイ
ッチ35をオフとする。スタータスイッチ37がオフか
らオンに切り替わると、エンジン制御用バッテリ26が
スタータモータ33に電力を供給し、駆動させる。その
結果エンジンを始動することが出来る。
【0072】図15の例は、図5の判定マップを使用し
た場合のものである。イグニッションスイッチ(IG S
W)36がオンにされると(注:この時、スタータスイ
ッチ(STSW)37は、オフの状態にある)、エンジン制御
用バッテリ26の比重ρ0、電気加熱触媒用バッテリ2
2の比重ρEHC、バッテリ温度(注:バッテリ温度に代
わって、エンジン冷却水温度、エンジンルーム内の温
度、エンジンオイルの温度、外気温度、エンジンへの吸
入空気温度、電気加熱触媒の温度、触媒の温度、バッテ
リのケースまたはその付近の温度、等を代用することも
考えられる。)を検出する。この図の例においては、比
重ρEHCは、比重ρ0の値よりも大きい値であるため、B
領域と判定し(注:この場合、温度は、−30℃よりも
高いと仮定する。)、電気加熱触媒用バッテリによるエ
ンジン始動を行なう。従って、スイッチ35をオン,ス
イッチ34をオフにする。スタータスイッチ37がオフ
からオンに切り替わると、電気加熱触媒用バッテリ22
がスタータモータ33に電力を供給し、駆動させる。そ
の結果エンジンを始動することが出来る。
【0073】図16は、図6の判定マップを使用した場
合のものである。イグニッションスイッチ(IG SW)3
6がオンにされると(注:この時、スタータスイッチ(S
T SW)37は、オフの状態にある)、エンジン制御用バ
ッテリ端子電圧VB0、電気加熱触媒用バッテリ端子電
圧VBEHC、バッテリ温度(注:バッテリ温度に代わっ
て、エンジン冷却水温度、エンジンルーム内の温度、エ
ンジンオイルの温度、外気温度、エンジンへの吸入空気
温度、電気加熱触媒の温度、触媒の温度、バッテリのケ
ースまたはその付近の温度、等を代用することも考えら
れる。)を検出する。この図の例においては、エンジン
制御用バッテリ端子電圧VB0の値が、電気加熱触媒用
バッテリ22の端子電圧VBEHCより大きい値であるた
めA領域と判定し(注:この場合、温度は、−30℃よ
りも高いと仮定する。)、エンジン制御用バッテリ26
によるエンジン始動を行なう。従って、スイッチ34を
オンに、また、スイッチ35をオフにする。
【0074】領域がAからBに切り替わる場合には、ス
イッチ34をオフに、スイッチ35をオンにする。その
後、スタータスイッチ37がオフからオンに切り替わる
と、電気加熱触媒用バッテリ22がスタータモータ33
を駆動するための電力を供給し、エンジンを始動する。
【0075】但し、スタータスイッチ37が最初にON
にされてから所定時間(t0)内に所定回数(nst,こ
の例では、nst=3)以上オン/オフを繰り返されてい
る場合には、該所定時間(t0)を経過後、端子電圧V
0と端子電圧VBEHCとを比較して、使用するバッテリ
を再検討する。この図の例においては、所定時間
(t0)内にスタ−タスイッチ37が3回操作されてい
るため、4回目の操作時に端子電圧を再チェックしてい
る。その結果、端子電圧VBEHCの方が電圧が高いた
め、該4回目の始動時には、電気加熱触媒用バッテリ2
2からの電力を使用してスタ−タモ−タ33を駆動して
いる。このようなエンジン始動動作中のバッテリの切り
変えについては後ほど図21のフロ−チャ−トを用いて
その手順を詳細に説明する。なお、ここで言う所定時間
(t0)、所定回数(nst)が特許請求の範囲において
言う基準試行時間、基準試行回数に該当するものであ
る。
【0076】図17は、図6の判定マップを使用した場
合のものである。イグニッションスイッチ(IG SW)3
6がオンにされると(注:この時、スタータスイッチ(S
T SW)37は、オフの状態にある)、エンジン制御用バ
ッテリ端子電圧VB0、電気加熱触媒用バッテリ端子電
圧VBEHC、バッテリ温度(注:バッテリ温度に代わっ
て、エンジン冷却水温度、エンジンルーム内の温度、エ
ンジンオイルの温度、外気温度、エンジンへの吸入空気
温度、電気加熱触媒の温度、触媒の温度、バッテリのケ
ースまたはその付近の温度、等を代用することも考えら
れる。)を検出する。この図の例においては、端子電圧
VB0の値は端子電圧VBEHCより低い値であるためB領
域と判定し(注:この場合、温度は、−30℃よりも高
いと仮定する。)、電気加熱触媒用バッテリ22による
エンジン始動を行なう。従って、スイッチ35をオン,
スイッチ34をオフにする。スタータスイッチがオフか
らオンに切り替わると、電気加熱触媒用バッテリ22が
スタータモータ33を駆動するための電力を供給し、エ
ンジンを始動する。
【0077】但し、スタータスイッチ37を所定回数
(この例では3回)以上オン/オフを繰り返した場合
は、端子電圧VB0と端子電圧VBEHCとを比較し、使用
するバッテリを改めて判定する。そして、場合によって
は、使用するバッテリを途中で変更する。
【0078】図18は、始動時の温度が非常に低い場合
のものである。なお、判定マップは、図5に示したもの
を使用したものとする。
【0079】イグニッションスイッチ(IG SW)36が
オンにされると(注:この時、スタータスイッチ(ST S
W)37は、オフの状態にある)、エンジン制御用バッテ
リ26の比重ρ0、電気加熱触媒用バッテリ22の比重
ρEHC、バッテリの温度(注:バッテリ温度に代わっ
て、エンジン冷却水温度、エンジンルーム内の温度、エ
ンジンオイルの温度、外気温度、エンジンへの吸入空気
温度、電気加熱触媒の温度、触媒の温度、バッテリのケ
ースまたはその付近の温度、等を代用することも考えら
れる。)を検出する。電気加熱触媒用バッテリ比重ρ
EHCの方がエンジン制御用バッテリ比重ρ0より高い値で
あるため、通常の温度領域であればB領域と判定するは
ずである。しかし、この図の例においては、バッテリの
温度が判定値T1(この例においては−30℃)よりも
低温であり、かつ、電気加熱触媒用バッテリ比重ρEHC
およびエンジン制御用バッテリ比重ρ0は共に、判定値
ρ1(この図の例においては1.24)よりも高いた
め、C領域と判断し、エンジン制御用バッテリ26と、
電気加熱触媒用バッテリ22とを併用してエンジン始動
を行なう。従って、スイッチ34,スイッチ35を、共
にオンにする。スタータスイッチ37オフからオンに切
り替わると、両方のバッテリからスタータモータ33に
電力が供給され、エンジンを始動する。
【0080】図19は、始動時の温度が非常に低い場合
のものである。なお、判定マップは、図5に示したもの
を使用したものとする。
【0081】イグニッションスイッチ(IG SW)36が
オンにされると(注:この時、スタータスイッチ(ST S
W)37は、オフの状態にある)、エンジン制御用バッテ
リ26の比重ρ0、電気加熱触媒用バッテリ22の比重
ρEHC、バッテリの温度(注:バッテリ温度に代わっ
て、エンジン冷却水温度、エンジンルーム内の温度、エ
ンジンオイルの温度、外気温度、エンジンへの吸入空気
温度、電気加熱触媒の温度、触媒の温度、バッテリのケ
ースまたはその付近の温度、等を代用することも考えら
れる。)を検出する。エンジン制御用バッテリ比重ρ0
の方が電気加熱触媒用バッテリ比重ρEHCよりも高い値
であるため通常の温度であれば、A領域と判定する。し
かし、この図の例においては、バッテリの温度が判定値
T1(この例においては−30℃)よりも低温であり、
かつ、電気加熱触媒用バッテリ比重ρEH Cおよびエンジ
ン制御用バッテリ比重ρ0は共に、判定値ρ1(この図の
例においては1.24)よりも高いためC領域と判断
し、エンジン制御用バッテリ26と、電気加熱触媒用バ
ッテリ22とを併用してエンジン始動を行なう。従っ
て、スイッチ34,スイッチ35を、共にオンにする。
スタータスイッチ37オフからオンに切り替わると、両
方のバッテリからスタータモータ33に電力が供給さ
れ、エンジンを始動する。
【0082】図20は、図8の判定マップの使用を前提
としたものである。イグニッションスイッチ(IG SW)
36がオンにされると(注:この時、スタータスイッチ
(ST SW)37は、オフの状態にある)、エンジン制御用
バッテリ26の端子電圧VB0、電気加熱触媒用バッテ
リ22の端子電圧VBEHC、バッテリ温度(注:バッテ
リ温度に代わって、エンジン冷却水温度、エンジンルー
ム内の温度、エンジンオイルの温度、外気温度、エンジ
ンへの吸入空気温度、電気加熱触媒の温度、触媒の温
度、バッテリのケースまたはその付近の温度、等を代用
することも考えられる。)を検出する。
【0083】この図の例においては、端子電圧VB0
値が、判定値VBXより大きいため、A領域と判定し
(注:この場合、温度は、−30℃よりも高いと仮定す
る。)エンジン制御用バッテリ26による始動を行な
う。該1回目の試みではエンジンが起動しなかったた
め、改めてスタ−トスイッチ37をONにすると、この
時には、端子電圧VB0の値が、判定値VBXより小さく
なっており、エンジン制御用バッテリ26による始動は
困難である。一方、端子電圧VBEHCは判定値VBXより
大きい。従って、B領域と判定し(注:この場合、温度
は、−30℃以上であると仮定する。)、電気加熱触媒
用バッテリ22によるエンジン始動を行なう。従って、
スイッチ35をオン,スイッチ34をオフとし、スタ−
タ33に電力の供給を行なう。
【0084】この例においては、今まで述べてきた例と
は異なり、バッテリ状態の判定をスタ−タスイッチ37
がONにされると同時に行なっているが、これに限定さ
れるものではない。イグニッションスイッチ36がON
であり、かつ、スタ−タスイッチ37がOFFになって
いる状態では、常に、バッテリ状態を監視しつづけ、そ
の時々に応じて、始動に使用するバッテリを決定し、ス
イッチ34,35の設定を予め変更しておく構成として
もよい。
【0085】次に、図16において述べたエンジン始動
動作途中でのバッテリ切り換え処理を図21のフロ−チ
ャ−トを用いて説明する。
【0086】イグニッションスイッチ36がONにされ
ると(ステップ1001)、まず、ECM27が起動さ
れる。該ECM27は、エンジン制御用バッテリ26の
電解液の比重ρ0,電気加熱触媒用バッテリ22の電解
液の比重ρEHC等を検出し(ステップ1002)、エン
ジン始動に使用するバッテリを決定する(ステップ10
03)。また、スタ−タ33を起動した回数を格納する
変数nの値を初期化する(ステップ1004)。そし
て、その後、スタ−トスイッチ36の状態変化を監視し
つつ、待機状態となる(ステップ1005)。ステップ
1005において、該スタ−トスイッチ36がオフから
オンへ切り換えられたことを検知すると、何回目の始動
動作であるかを判断するため、上記変数nの値を確認す
る(ステップ1006)。変数n=0であった場合、す
なわち、第一回目の始動動作であった場合には、時間
(t)の経時を開始する(ステップ1007)。そし
て、その後、ステップ1003で決定されていたバッテ
リを用いてスタ−タ33を作動させ、エンジンの始動を
試みる(ステップ1008)。そして、その後、変数n
に1を加える(ステップ1009)。また、エンジンが
始動したか否かを判定する(ステップ1010)。該判
定は、エンジン回転数(Ne)に基づいて行なう。回転
数が所定の回転数(本実施例においては、200rp
m)以上であればエンジン運転中と判断し、処理を終了
する。そして、これ以後、スタ−タスイッチが操作され
ても、エンジン始動動作は行なわない。一方、回転数が
上記所定の回転数(この場合、200rpm)未満であ
った場合には、エンジン始動しなかったものと判定し、
ステップ1005に戻り、再び待機状態となる。
【0087】ステップ1006において変数n>0であ
った場合、すなわち、第2回目以降の始動動作であった
場合には、変数nの値が所定回数(nst:本実施例にお
いては3回)に達しているか否か(ステップ101
1)、また、ステップ1007において計時を開始した
時間(t)が、所定時間(t0:本実施例においては3
0秒)に達しているか否か(ステップ1012)を判定
する。該ステップ1011、1012において、所定回
数(nst)に達していない場合、また、達していても既
に所定時間(t0)が経過している場合には、ステップ
1008に進み、同様にして、エンジンの始動を試み
る。一方、変数nの値が所定回数(nst)に達してお
り、かつ、所定時間(t0)も経過していない場合に
は、ステップ1002に戻り、バッテリの選択の段階か
ら改めて処理を行なう。
【0088】なお、この例においては、バッテリ状態の
確認を所定時間内に所定回数以上セルモ−タが作動され
た場合に行なっているが、図20の例のように毎回行な
っても良い。
【0089】以上説明したとおり、上記実施例において
は、その時々に応じて始動に適したバッテリを選択し使
用することができるため始動ミスが少なくなる。また、
バッテリを傷めることも少ない。
【0090】なお、以上説明および図面において示した
端子電圧等の具体的な数値およびその変化の様子等は、
単に説明を明確にするために例示的に、また、模式的に
示したものであり、本願発明はこれらの数値に限定され
るものではない。
【0091】また、上記実施例においては、エンジン制
御用バッテリと、電気加熱触媒用バッテリとの二つをそ
の制御の対象としていたが、これに限定されるものでは
ない。他のバッテリを有する場合には、これも切り換え
の対象としてもよい。
【0092】
【発明の効果】本発明によればは、エンジン制御用バッ
テリによる始動が困難または不可能となったときには、
電気加熱触媒用バッテリを使用することによってエンジ
ンの始動が困難となるようなことを回避出来る。さらに
は、寒冷地仕様車であっても特別に大容量のバッテリを
搭載する必要性も無くなるため、低価格,小型軽量の制
御装置を提供できるという効果をも有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における回路を示すブロック
図である。
【図2】上記実施例のシステム全体図である。
【図3】本実施例における制御回路(ECM27)への
入出力を示す図である。
【図4】スイッチの設定状態を示す表である。
【図5】判定マップの一例を示す図である。
【図6】判定マップの一例を示す図である。
【図7】判定マップの一例を示す図である。
【図8】判定マップの一例を示す図である。
【図9】判定値ρxの温度変化を示すグラフである。
【図10】判定マップの一例を示す図である。
【図11】判定値VBxの温度変化を示すグラフであ
る。
【図12】判定マップの一例を示す図である。
【図13】判定値βxの温度変化を示すグラフである。
【図14】制御動作の一例を示すタイミング図である。
【図15】制御動作の一例を示すタイミング図である。
【図16】制御動作の一例を示すタイミング図である。
【図17】制御動作の一例を示すタイミング図である。
【図18】制御動作の一例を示すタイミング図である。
【図19】制御動作の一例を示すタイミング図である。
【図20】制御動作の一例を示すタイミング図である。
【図21】バッテリ切り換えの処理を示すフロ−チャ−
トである。
【符号の説明】
17・・・電気加熱触媒、22・・・エンジン制御用バ
ッテリ、24・・・EHCリレー、26・・・電気加熱
触媒用バッテリ、27・・・ECM(エンジン制御装
置)、33・・・スタータ、34・・・スイッチ1、3
5・・・スイッチ2、36・・・イグニッションスイッ
チ、37・・・スタータスイッチ、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿田子 武士 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンと、 エンジンを始動する始動手段と、 上記始動手段に電力を供給可能に構成された第1のバッ
    テリと、 上記始動手段に電力を供給可能に構成された第2のバッ
    テリと、 上記第1および第2のバッテリの状態を検出する状態検
    出手段と、 上記状態検出手段の検出結果に基づいて上記第1および
    第2のバッテリの状態を判定し、上記第1のバッテリと
    上記第2のバッテリのうち、エンジンの始動に使用する
    バッテリ(以下”始動バッテリ”という)を決定し、該
    始動バッテリを用いて上記始動手段を作動させる制御手
    段と、 を有することを特徴とするエンジンシステム。
  2. 【請求項2】上記制御手段は、上記第1および第2のバ
    ッテリのうち状態の良い方を上記始動バッテリとするこ
    とを特徴とする請求項1記載のエンジンシステム。
  3. 【請求項3】上記制御手段は、始動バッテリの決定の基
    準となる予め決定された第1基準状態を有し、 上記第1のバッテリの状態が上記第1基準状態よりも悪
    い状態であり、かつ、上記第2のバッテリの状態が上記
    第1基準状態よりもよい状態である場合には、 上記第2のバッテリを始動バッテリとすること、 を特徴とする請求項1記載のエンジンシステム。
  4. 【請求項4】上記第1および第2のバッテリの温度を検
    出する温度検出手段を有し、 上記制御手段は、上記温度検出手段の検出結果に対応し
    て上記第1基準状態を変更すること、 を特徴とする請求項3記載のエンジンシステム。
  5. 【請求項5】排気ガス中の有害物質を処理するための触
    媒と、 電力を用いて上記触媒を加熱する加熱手段と、を有し、 上記第2のバッテリは、上記加熱手段に電力を供給可能
    に構成されていること、 を特徴とする請求項3記載のエンジンシステム。
  6. 【請求項6】上記第1のバッテリのみを用いて上記始動
    手段を作動させる場合に限り、上記制御手段は、上記第
    2のバッテリにより上記加熱手段に電力を供給させるこ
    と、 を特徴とする請求項5記載のエンジンシステム。
  7. 【請求項7】上記状態検出手段は、上記第1および第2
    のバッテリの、端子電圧、電解液の比重、充電量のうち
    少なくとも一つを検出するものであること、 を特徴とする請求項1記載のエンジンシステム。
  8. 【請求項8】上記制御手段は、予め設定された基準試行
    時間と、予め設定された基準試行回数と、上記始動手段
    を作動させた回数および時刻を監視する監視手段とを有
    し、上記基準試行時間内に、上記基準試行回数を越えて
    上記始動手段をさせる場合には、改めて上記始動バッテ
    リの決定を行なうこと、 を特徴とする請求項1記載のエンジンシステム。
  9. 【請求項9】上記第1および第2のバッテリの温度に対
    応した温度を検出する温度検出手段を有し、 上記制御手段は、 始動バッテリの決定において使用される第2基準状態を
    有し、 上記第1および第2のバッテリのいずれもが該第2基準
    状態よりもよい状態であり、かつ、上記温度検出手段の
    検出結果に基づいて、上記第1および第2のバッテリの
    温度が予め設定された温度よりも低い場合、上記第1お
    よび第2のバッテリの両方を始動バッテリとし、両バッ
    テリを並列に接続して上記始動手段を作動させること、 を特徴とする請求項1記載のエンジンシステム。
  10. 【請求項10】複数のバッテリから電気機器への電力供
    給を制御するバッテリ制御装置において、 上記複数のバッテリのおのおのの状態を検出する状態検
    出手段と、 上記状態検出手段の検出結果に基づいて上記各バッテリ
    の状態を判定し、上記電気機器に電力を供給するバッテ
    リを決定し、該決定されたバッテリを用いて上記電気機
    器に電力を供給する制御手段と、 を有することを特徴とするバッテリ制御装置。
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