JPH0610157A - 高光沢硬質被覆組成物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 金属表面にホーロー様の高光沢硬質被覆を形成する組成
物を提供する。組成物は無鉛ガラスフリットとシリコー
ン樹脂を主成物とし、有機溶剤に分散したスラリーより
なる。組成物は金属表面に塗布し、乾燥後、ガラスフリ
ットの溶融温度以上の温度に加熱して融着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【従来の技術】鉛化合物を含むガラスフリットを主成分
とする組成物を、アルミ基材に熱溶融させて被覆し、硬
質皮膜として利用することは、既に「アルミホーロー」
として知られている。しかし、これは鉛化合物を含有し
ており、取り扱い時、特に塗装時において塗料ミストの
回収及び排水処理等に多くの費用がかかり、使用場所、
用途が限定されているのが現状である。

【０００２】

【課題を解決するための方法】本発明者は、無鉛タイプ
のガラスフリットにより、同性能の皮膜が得られるなら
ば、使用用途が広がると考え、検討を重ねた結果、本発
明に至ったものである。本発明は、無鉛ガラスフリット
とシリコーン樹脂とを有機溶剤に分散させた組成物を加
熱溶融させて得られる高光沢硬質被覆組成物に関する。

【０００３】本発明に用いられる無鉛ガラスフリットに
は、リン酸系、ホウケイ酸系のガラスフリットが挙げら
れる。これらの体膨張係数は、３５０〜５００×１０^-7
の範囲が好ましく、この範囲外のものを使用した場合に
は、得られる塗膜にクラックが生じ易くなり好ましくな
い。シリコーン樹脂としては、耐熱塗料等に一般に用い
られるメチル、フェニルシリコーン樹脂が使用できる。
この際、メチル基の含有量が多い樹脂を使用した場合
は、得られる塗膜の光沢が高くなり、逆にフェニル基の
含有量の多い樹脂の場合は、光沢が低くなる傾向があ
る。

【０００４】無鉛ガラスフリットとシリコーン樹脂の配
合割合としては、ガラスフリット１００重量部に対し、
シリコーン樹脂２．５〜１０重量部（固型分換算）が好
ましい。シリコーン樹脂の配合割合が前記記載量以下の
場合、予備乾燥時の密着が悪く、爪で容易に剥がれる。
また、逆に多い場合、焼成後得られる塗膜の光沢が低く
なり、汚染性が悪く好ましくない。

【０００５】本発明の被覆組成物は、通常のエアースプ
レーで塗布し、有機溶剤を低温（８０〜１５０℃位の温
度）で飛散させ、その後ガラスフリットが溶融する温度
（４５０〜６００℃）で加熱焼成することにより、硬質
で耐食性、耐汚染性、高光沢を有する皮膜が得られる。
以下、実施例により本発明を詳しく説明する。

【０００６】

【実施例】表１記載の様に各成分を配合しこれを、溶剤
脱脂したアルミ板にエアースプレー塗装し、５７０℃で
１０分間焼成した。このときの膜厚は、４０〜６０μで
あった。

【０００７】

【表１】

【０００８】得られた塗膜につき、塗膜外観、密着性、
汚染性の各試験を行いその結果を表２に示した。

【０００９】

【表２】

【００１０】表２より、シリコーン樹脂の配合量は、フ
リット１００重量部に対し、２．５〜１０重量部（固型
分換算）が適当であることがわかる。一方、シリコーン
樹脂を配合しないＡ及び、１０重量部を超えるＥは、艶
消塗膜となり、汚染性も悪くなる。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鉛化合物を含有しないガラスフリット１０
   ０重量部に対し、シリコーン樹脂（固型分換算）２．５
   〜１０重量部を混合した組成物を必須成分とし、必要に
   応じ着色顔料、体質顔料、増粘剤を加え、これらを有機
   溶剤に分散させたスラリーよりなる高光沢硬質被覆組成
   物。
2. 【請求項２】請求項１の組成物を金属表面に塗装し、乾
   燥後ガラスフリットの溶融温度以上に加熱焼成してなる
   高光沢硬質皮膜。