JPH06101360B2 - スリツプリング用ブラシとその製造方法 - Google Patents

スリツプリング用ブラシとその製造方法

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JPH06101360B2
JPH06101360B2 JP60197579A JP19757985A JPH06101360B2 JP H06101360 B2 JPH06101360 B2 JP H06101360B2 JP 60197579 A JP60197579 A JP 60197579A JP 19757985 A JP19757985 A JP 19757985A JP H06101360 B2 JPH06101360 B2 JP H06101360B2
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秀樹 大橋
信也 清水
峰男 丸岡
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は、人工衛生などに搭載されるパドル駆動装置に
内蔵するスリップリング装置のブラシに係るもので、特
に接触片に固体潤滑剤を含有するものにおいて、この接
触片と支持ばねとの結合に関するものである。
〔発明の技術的背景とその問題点〕 一般に人工衛生など真空中において使用されるこの種ス
リップリング及びブラシは、特にブラシの耐磨耗性、す
なわち潤滑性が問題となり、これまでにも銀−二硫化モ
リブデン−炭素(以下Ag−MoS2−Cという),銀−二硫
化モリブデン−銅(以下Ag−MoS2−Cuという)など、電
気伝導性の良いAgと固体潤滑剤を主成分とする自己潤滑
性複合材料がすぐれた特性を示すことが報告されてい
る。
これらは何れも、素材の粉末を混合して焼結したもので
あるが室温で加圧したのち通電加熱により焼結を行うも
のと、真空中で加圧、加熱焼結するいわゆるホットプレ
ス法と大別して二通りの方法があることも周知である。
前記AgとMoS2を含有する材料の磨耗などに及ぼす混合比
の影響を調べてみると、第4図に示されるよう磨耗量お
よび摩擦係数についてはMoS2の量を増すに伴い初め急激
に減少するが15wt%付近で最小値をとつた後、今後は緩
やかに増加して全体としてV字形に似た変化を示す。
これに対し接点部の硬さは銀より軟質のMoS2量増加に従
つて当然のことながら単調に低下している。このような
結果から、MoS2の添加による摩擦係数の低下と、軟質化
が一つの目安になって上述した磨耗量の変化がもたらさ
れたのであろういう、一応の定性的な推論ができる。
このように耐磨耗性すなわち潤滑性を向上するためにMo
S2を少々程度混入するのが適当といわれているゆえんで
ある。
一方接触片自体は、支持ばねに取付けるにあたつて、
加締め、ろう付、半田付などの方法があるがにつ
いては接合の信頼性が小さい。は熱による支持ばねの
変質が生じ、はこれら及びの点を解消し得るもの
であるがこのようなAg−MoS2−CまたはCuの三元焼結合
金、特にMoS2の含有することが起因して半田の“ぬれ
性”が悪いといわれていることから実用化が困難であつ
た。
従つて、Agがほぼ100%あれば半田付には支障がないこ
と、この100%の素材に対するAgが例えば95%でMoS2
5%の素材とは例えばホットプレス法による製造過程に
おいてそれぞれ容易に接合することができる点に着目す
れば、この接触片と支持ばねとの半田付は可能となる。
〔発明の目的〕
本発明は以上の点に鑑みてなされたもので、スリップリ
ング用ブラシの接触片と支持ばねを半田付により接合す
ることができるようにするこにより上記従来の欠点を除
去するようにしたものである。
〔発明の概要〕
すなわち、いわゆるホットプレス法を用い、モールド詰
めの工程でAg100%の素材、Agに対してMoS2を微量含有
した素材を複層にしておき、これを一体的に焼結させる
ようにして接触片を形成することにより、支持ばねに対
して半田付可能なブラシを得ることと同時にその製造方
法を提供するものである。
〔発明の実施例〕
以下第1〜第3図,第5図及び第6図に示される本発明
の一実施例について説明すると(1)は複数個の導体リ
ング(2)…を、絶縁部(3)…を介して設けたリング
本体(4)と、前記それぞれの導体リング(2)…に対
向して設けたブラシ(5)…とからなるスリップリング
装置である。このブラシ(5)は第2図に示されるよう
に支持ばね(5a),(5b)の先端部において、前記導体
リング(2)…に先端が接触する接触片(5b),(5b)
を半田付Dにより接合しているものである。この一つが
第3図に示されるようにAg含有率がほぼ100%の第1の
層(5b1),Agが95%MoS2及びCが5%の第2の層(5b
2)及びAgが90%MoS2及びCが10%の第3の層(5b3)の
3層からなつている。
そして、その製造方法は先ず第5図及び第6図に示され
るようにAg100%の第1の素材Aを粉砕−乾燥−ふるい
−モールド詰めする第1の工程、Ag−95%,MoS2・C−
5%の第2の素材Bを同様にモールド詰めする第2の工
程及びAg−90%,MoS2・C−10%の第3の素材Cを同様
モールド詰めする第3の工程そして、これらの素材A〜
Cを通電焼結する第4の工程、この焼結されたものを適
宜の形状に成形するプロジェクション加工の第5の工程
及び洗浄の第6の工程よりなるものである。前記第1〜
第3のモールド詰め工程は第5図に示されるように素材
A〜Cが成形型(10)内に予め3層になるよう積層さ
れ、これが後述する加圧・加熱手段により焼結するもの
である。前記成形型(10)は、電気ヒータ(11a)を理
設した筒状の絶縁枠部(11)と導電性の底部(12)より
なる有底筒状のもので、この底部より前記素材A〜Cが
順次積層されるものである。
(13)は加圧棒で絶縁枠部(11)の開口部より矢視方向
に加圧するものである。
この加圧棒(13)及び前記底部(12)には通電端子(13
a)及び(13a)を設け、前記素材A〜Cに直接電流を流
すことにより自己発熱させるようにしているものであ
る。
なお、第2図における(6)は導体リング(2)の裏側
において設けた中空絶縁体(7)の透孔(7a)を介して
前記導体リングに接続したリード線で前記中空部を通し
てブラシ側からの電力を、このリード線側に供給するよ
うになつている。
しかし、ブラシを製作するにあたつて詳述すると、先ず
300メッシュ程度に粉砕したAgが乾燥、ふるいを通した
それぞれの素材A〜Cを第5図に示されるように成形型
(10)に順次積層しモールド詰めする。次に型(10)内
を10-2torr程度真空引きした後電気ヒータ(11a)及び
リード線(13a)に電流をながすことによる間接加熱及
び自己発熱により900℃前後まで加熱する。これと同時
にそのままの状態で約10分間約く0.2ton/cm2の荷重を加
圧棒に加えて加圧し、いわゆる通電焼結を行なう。その
後200℃前後までは負荷を加えたまま、それ以後は室温
まで負荷を除いて上記真空中で自然冷却する。
このようにすることにより、素材AとB及び素材BとC
との間においてはMoS2の含有量の差分が全体の5%前後
に設定したものであるが、その各々の素材の結合面イ及
びロにおいては相互の粒子が入り込んだブリッジ状態と
なつたまま焼結され、第1〜第3の層(5b1)〜(5b3
を有する適宜の形状に成形し、洗浄してブラシ本体が製
作される。
次にこのように製作されたブラシ本体は第3図に示され
るようにその第1の層(5b1)側を例えばりん青銅製の
支持ばね(5a)に対しろう付Dするものである。このろ
う付にあたつては、問題となつていた“ぬれ性”が前記
第1の層(5b1)ではMoS2の含有のないことにより解消
され、融点が620℃〜900℃程度と比較的低い温度で両者
を結合することができるものである。
[発明の効果] 本発明によれば以上のように、MoS2などの固体潤滑剤を
含有す接触片と、これを結合する支持ばねとより構成さ
れ、前記接触片は、前記支持ばねに対する接合部は半田
付け性の良くないMoS2が含有しないように第1の層が形
成され、前記支持ばねに対する半田付による結合が十分
なものとすることができるようにしたものであるから、
これら接触片と支持ばねの結合にあたつて従来のように
加締めによる場合の信頼性の問題、ろう付による場合の
ろう付時の熱による支持ばねの変質の問題を解消するこ
とができつつ、導体リング1つに対する接触部である第
3の層にあつてはその耐磨耗性向上のためのMoS2を含有
させることを可能にしたものであつてより信頼性が向上
するものである。
また、前記第1の層及び第3の層を結合するにあたっ
て、前記第1の層及び第3の層相互に対してこの層相互
にMoS2の成分比としてそれぞれ5%程度の差によって、
ホットプレス法による焼結時において一体化することが
できる第2の層を含有するものであるから、前記第1の
層及び第3の層を結合する、いわばブリッジの役割をな
し、全体として一体的に結合することができるスリップ
リング用ブラシを得ることができるのである。
更に、接触片としてAg−MoS2−CまたはCuの3元焼結合
金層により形成され、支持ばねに対しては、Agの含有率
をほぼ100%で、半田に対するぬれ性が良好な第1の層
を半田付けにより結合するようにしたから、良好な結合
が得られ、機械強度がの保持のみならず、該部における
導電性の改善と信頼性の向上につながるものである。
次に、この接触片の製造方法として、ほぼAgの成分より
なる粉状に乾燥させた第1の素材Aをふるいにかけ、加
熱型にモールド詰めする第1の工程と、MoS2を少々含有
するAgを主成分とする粉状に乾燥させた第2の素材B更
には第3の素材Cを前記加熱型内の第1の素材Aの上層
に積層する第2の工程と、MoS2を素材Bに比し少々増加
させたAgを主成分とする粉状に乾燥させた素材Cを前記
加熱型内の素材Bの上層に積層する第3の工程と、前記
素材A及びCに対して、前記型自体による加熱あるいは
更に前記各素材に通電することによる自己発熱により加
熱焼結するようにした第4の工程を具備するようにした
から、いわゆるホットプレス法におけるモールド詰工程
において、素材A〜Cを順次型に入れ込むのみでよいの
で特段の加工工程は必要でない。またこの点に鑑みて、
上述実施例によれば、いわゆる素材はA〜Cの3種類と
したが、これを必要により例えば5種類とする各種類相
互のMoS2の成分比の差分を5%以下にして、素材相互の
焼結時の結合強度をより一層高めるようにすることも可
能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施した一般的スリップリングを示す
図、第2図は第1図のII〜II線に沿う断面図、第3図は
スリップリング用ブラシの要部の側面図、第4図は接触
片に含有されるMoS2の含有割合に対する磨耗量と摩擦係
数の関係を示す図、第5図は本発明の製造工程において
用いる成形型と加圧棒及び素材のモールド詰時の状態を
示す概略断面図で第6図は本発明の製造方法における製
造工程のフロー図である。 (1)…スリップリング装置、(2)…導体リング、
(3)絶縁部、(4)…リング本体、(5)…ブラシ、
(5a)…支持ばね、(5b)…接触片、(5b1)…第1の
層、(5b2)…第2の層、(5b3)…第3の層、A〜C…
第1〜第3の素材、(10)…成形型、(11)…絶縁枠
部、(11a)…電気ヒータ、(12)…底部、(13)…加
圧棒。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 信也 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝小向工場内 (72)発明者 丸岡 峰男 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝小向工場内 (72)発明者 佐藤 祥治 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝小向工場内 (56)参考文献 特開 昭50−42309(JP,A) 実開 昭55−10349(JP,U)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MoS2を含有する接触片と、これと結合する
    支持ばねとより構成され、前記接触片は、前記支持ばね
    に直接結合されるほぼ100%のAg含有率の第1の層と、
    該第1の層に結合されるAgと主成分として微量のMoS2
    混入した第2の層と、該第2層に結合される前記第2の
    層より幾分Agの含有率を少なくし、その分MoS2の含有率
    を増加した第3の層を具備したことを特徴とするスリッ
    プリング用ブラシ。
  2. 【請求項2】ほぼAgの成分によりなる粉状に乾燥させた
    素材Aをふるいにかけ、加熱型にモールド詰めする第1
    の工程と、MoS2を少々含有するAgを主成分とする粉状に
    乾燥させた素材Bを、前記加熱型内の素材Aの上層に積
    層する第2の工程と、前記素材Bに比しMoS2を少々増加
    させると同時にAgを少々減少させたAgとからなる粉状に
    乾燥させた素材Cを、前記加熱型内の素材Bの上層に積
    層する第3の工程と、前記素材A〜Cに対して、前記型
    自体による加熱あるいは更に前記各素材に通電すること
    による自己発熱により前記各素材を加熱焼結するように
    した第4の工程を含み、これら各工程を経て得られた接
    触片素材の前記素材A側の層を支持ばねに対して半田付
    により結合するようにしたスリップリング用ブラシの製
    造方法。
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