JPH0724180B2 - 銀―錫酸化物系電気接点の製造方法 - Google Patents
銀―錫酸化物系電気接点の製造方法Info
- Publication number
- JPH0724180B2 JPH0724180B2 JP61144450A JP14445086A JPH0724180B2 JP H0724180 B2 JPH0724180 B2 JP H0724180B2 JP 61144450 A JP61144450 A JP 61144450A JP 14445086 A JP14445086 A JP 14445086A JP H0724180 B2 JPH0724180 B2 JP H0724180B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- silver
- electrical contact
- tin oxide
- sno
- contact
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Manufacture Of Switches (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、銀−錫酸化物系電気接点の製造方法に関する
ものである。
ものである。
(従来の技術) 従来、銀−錫酸化物系電気接点の製造方法には、後酸化
法、前酸化法(予備酸化法)、粉末冶金法がある。
法、前酸化法(予備酸化法)、粉末冶金法がある。
後酸化法は、銀合金の状態で最終接点形状に仕上げる
か、又はその近くまでにした後、内部酸化する方法であ
る。前酸化法は、銀合金の粉末又は粒を内部酸化し、こ
れを成形圧縮、焼結した後塑性加工により接点とする方
法である。粉末冶金法は、銀と酸化物の粉末を機械的に
混合し、これを成形圧縮、焼結した後、塑性加工により
接点とするものである。
か、又はその近くまでにした後、内部酸化する方法であ
る。前酸化法は、銀合金の粉末又は粒を内部酸化し、こ
れを成形圧縮、焼結した後塑性加工により接点とする方
法である。粉末冶金法は、銀と酸化物の粉末を機械的に
混合し、これを成形圧縮、焼結した後、塑性加工により
接点とするものである。
(発明が解決しようとする問題点) ところで上記いずれの方法により作られた銀−錫酸化物
系電気接点も銅系の台材に直接接合すると、接合強度が
不十分で長期間の使用において衝撃により剥離すること
があり得るので、信頼性に欠ける。この為現状では銀層
を介在して銀−錫酸化物系電気接点を銅系の台材に接合
し、接合強度を上げているが、銀層の供給工程が増え、
しかもコスト高となる。また上記の方法により作られた
銀−錫酸化物系電気接点は耐溶着性、耐消耗性、接触抵
抗特性に優れているが、初期の接触抵抗が不安定であ
る。
系電気接点も銅系の台材に直接接合すると、接合強度が
不十分で長期間の使用において衝撃により剥離すること
があり得るので、信頼性に欠ける。この為現状では銀層
を介在して銀−錫酸化物系電気接点を銅系の台材に接合
し、接合強度を上げているが、銀層の供給工程が増え、
しかもコスト高となる。また上記の方法により作られた
銀−錫酸化物系電気接点は耐溶着性、耐消耗性、接触抵
抗特性に優れているが、初期の接触抵抗が不安定であ
る。
そこで本発明は、台材に直接接合しても接合強度が高
く、また初期の接触抵抗の安定した銀−錫酸化物系電気
接点を作る方法を提供しようとするものである。
く、また初期の接触抵抗の安定した銀−錫酸化物系電気
接点を作る方法を提供しようとするものである。
(問題点を解決するための手段) 上記問題点を解決するための本発明の銀−錫酸化物系電
気接点9の製造方法は、錫酸化物を分散した銀合金ビレ
ット1を、高周波誘導加熱により900〜1000℃に加熱し
て表面の錫酸化物を銀マトリックスより分離せしめて、
表面に銀に富む層2を有する銀合金ビレット3を作り、
次にこの銀合金ビレット3押出、引抜加工して銀合金線
材4、5となし、次いでこの銀合金線材を接点形状に加
工することを特徴とするものである。
気接点9の製造方法は、錫酸化物を分散した銀合金ビレ
ット1を、高周波誘導加熱により900〜1000℃に加熱し
て表面の錫酸化物を銀マトリックスより分離せしめて、
表面に銀に富む層2を有する銀合金ビレット3を作り、
次にこの銀合金ビレット3押出、引抜加工して銀合金線
材4、5となし、次いでこの銀合金線材を接点形状に加
工することを特徴とするものである。
(作用) 上記の製造方法により得られた銀−錫酸化物系電気接点
は、接点接触面に薄い銀に富む層が形成されているの
で、接点の使用初期の接触抵抗が低く安定したものとな
る。また台材との接合面にも薄い銀に富む層が形成され
ているので、銀層を介在することなく銅系の台材と直接
接合することができ、その接合強度は高いもので、長期
間の使用において衝撃により剥離することがない。
は、接点接触面に薄い銀に富む層が形成されているの
で、接点の使用初期の接触抵抗が低く安定したものとな
る。また台材との接合面にも薄い銀に富む層が形成され
ているので、銀層を介在することなく銅系の台材と直接
接合することができ、その接合強度は高いもので、長期
間の使用において衝撃により剥離することがない。
(実施例) 本発明の銀−錫酸化物系電気接点の製造方法の一実施例
を第1図a乃至fによって説明する。第1図aに示され
るAg−SnO2より成る直径100mm、長さ180mmのビレット1
を、高周波誘導加熱により900〜1000℃で10分間加熱し
て、表面のSnO2をAgマトリックスより分離せしめて、第
1図bに示す如く表面にAgに富む層2を有するAg−SnO2
のビレット3を作った。次にこのAg−SnO2のビレット3
を押出加工して第1図cに示す如く直径6mmのAg−SnO2
線材4となした後このAg−SnO2線材4を引抜加工して第
1図dに示す如く直径1mmのAg−SnO2線材5を作った。
次いでこのAg−SnO2線材5を、第1図eに示す如く幅2m
m、高さ0.2mmに円弧状に成形すると共に幅2mm、厚さ0.3
mmのCu−Ni20wt%より成る帯状台材6に接合してAg−Sn
O2電気接点帯材7を作り、然る後これを長さ2mmに切断
して第1図fに示す如く台材8付Ag−SnO2電気接点9を
作った。
を第1図a乃至fによって説明する。第1図aに示され
るAg−SnO2より成る直径100mm、長さ180mmのビレット1
を、高周波誘導加熱により900〜1000℃で10分間加熱し
て、表面のSnO2をAgマトリックスより分離せしめて、第
1図bに示す如く表面にAgに富む層2を有するAg−SnO2
のビレット3を作った。次にこのAg−SnO2のビレット3
を押出加工して第1図cに示す如く直径6mmのAg−SnO2
線材4となした後このAg−SnO2線材4を引抜加工して第
1図dに示す如く直径1mmのAg−SnO2線材5を作った。
次いでこのAg−SnO2線材5を、第1図eに示す如く幅2m
m、高さ0.2mmに円弧状に成形すると共に幅2mm、厚さ0.3
mmのCu−Ni20wt%より成る帯状台材6に接合してAg−Sn
O2電気接点帯材7を作り、然る後これを長さ2mmに切断
して第1図fに示す如く台材8付Ag−SnO2電気接点9を
作った。
然してこの台材8付Ag−SnO2電気接点9と従来のAg−Sn
O2電気接点材を直接又は厚さ0.1mmの銀層を介在してCu
−Ni20wt%より成る台材に接合して成る2種類の前記電
気接点9と同一寸法、同一形状の電気接点とを、接点材
と台材との接合強度を測定する為に各100個についてビ
ール試験を行った処、下記の表−1に示すような結果を
得た。
O2電気接点材を直接又は厚さ0.1mmの銀層を介在してCu
−Ni20wt%より成る台材に接合して成る2種類の前記電
気接点9と同一寸法、同一形状の電気接点とを、接点材
と台材との接合強度を測定する為に各100個についてビ
ール試験を行った処、下記の表−1に示すような結果を
得た。
上記の表−1で明らかなように実施例の台材8付Ag−Sn
O2電気接点9は、従来例1のAg−SnO2電気接点材を直接
Cu−Ni20wt%台材に接合したものよりも遥かに接合強度
が高く安定しており、従来例2のAg−SnO2電気接点材を
銀層を介在してCu−Ni20wt%台材に接合したものと比べ
ても遜色の無い高く安定した接合強度を有することが判
る。
O2電気接点9は、従来例1のAg−SnO2電気接点材を直接
Cu−Ni20wt%台材に接合したものよりも遥かに接合強度
が高く安定しており、従来例2のAg−SnO2電気接点材を
銀層を介在してCu−Ni20wt%台材に接合したものと比べ
ても遜色の無い高く安定した接合強度を有することが判
る。
また実施例の台材8付Ag−SnO2電気接点9及び従来例
1、2の台材付Ag−SnO2電気接点を、夫々第2図に示す
如くスプリング端子材10に接合して可動接点11及び固定
接点12として接触力40g、開離力45gのリレーを構成し、
ミオームメーターにより端子間の抵抗値を測定(15mA1K
Hzの定常電流により電圧降下法)した処、下記の表に示
すような結果を得た。
1、2の台材付Ag−SnO2電気接点を、夫々第2図に示す
如くスプリング端子材10に接合して可動接点11及び固定
接点12として接触力40g、開離力45gのリレーを構成し、
ミオームメーターにより端子間の抵抗値を測定(15mA1K
Hzの定常電流により電圧降下法)した処、下記の表に示
すような結果を得た。
上記の表−2で明らかなように実施例の台材8付Ag−Sn
O2電気接点を備えた接点の接触抵抗値は従来1、2のそ
れよりも著しく低く安定していることが判る。
O2電気接点を備えた接点の接触抵抗値は従来1、2のそ
れよりも著しく低く安定していることが判る。
尚、上記本発明の製造方法の実施例ではAgSnO2電気接点
と台材とを帯状の状態で接合しているが、夫々所要の形
状に仕上げた後に接合するようにしても良いものであ
る。
と台材とを帯状の状態で接合しているが、夫々所要の形
状に仕上げた後に接合するようにしても良いものであ
る。
(発明の効果) 以上詳記した通り、本発明の銀−錫酸化物系電気接点の
製造方法によれば、銀層を介在することなく台材との強
度が高く、しかも初期の接触抵抗が低く安定した銀−錫
酸化物系電気接点を容易に作ることができるという優れ
た効果がある。
製造方法によれば、銀層を介在することなく台材との強
度が高く、しかも初期の接触抵抗が低く安定した銀−錫
酸化物系電気接点を容易に作ることができるという優れ
た効果がある。
第1図a乃至fは本発明の銀−錫酸化物系電気接点の製
造方法の一実施例の工程を示す図で第1図aはAg−SnO2
のビレット1、bは表面にAgに富む層2を有するAg−Sn
O2のビレット3、cはAg−SnO2線材4、dはcを引抜加
工したAg−SnO2線材5、eは円弧状に成形したAg−SnO2
線材をCu−Ni20wt%の帯状台材6に接合したAg−SnO2電
気接点帯材7、fは台材8付Ag−SnO2電気接点9、第2
図はリレーの可動接点と固定接点を示す図である。
造方法の一実施例の工程を示す図で第1図aはAg−SnO2
のビレット1、bは表面にAgに富む層2を有するAg−Sn
O2のビレット3、cはAg−SnO2線材4、dはcを引抜加
工したAg−SnO2線材5、eは円弧状に成形したAg−SnO2
線材をCu−Ni20wt%の帯状台材6に接合したAg−SnO2電
気接点帯材7、fは台材8付Ag−SnO2電気接点9、第2
図はリレーの可動接点と固定接点を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】錫酸化物を分散した銀合金ビレット(1)
を、高周波誘導加熱により900〜1000℃に加熱して表面
の錫酸化物を銀マトリックスより分離せしめて、表面に
銀に富む層(2)を有する銀合金ビレット(3)を作
り、次にこの銀合金ビレット(3)を押出、引抜加工し
て銀合金線材(4)、(5)となし、次いでこの銀合金
線材を接点形状に加工することを特徴とする銀−錫酸化
物系電気接点(9)の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61144450A JPH0724180B2 (ja) | 1986-06-20 | 1986-06-20 | 銀―錫酸化物系電気接点の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61144450A JPH0724180B2 (ja) | 1986-06-20 | 1986-06-20 | 銀―錫酸化物系電気接点の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS632216A JPS632216A (ja) | 1988-01-07 |
JPH0724180B2 true JPH0724180B2 (ja) | 1995-03-15 |
Family
ID=15362518
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61144450A Expired - Lifetime JPH0724180B2 (ja) | 1986-06-20 | 1986-06-20 | 銀―錫酸化物系電気接点の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0724180B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5168407A (en) * | 1990-03-26 | 1992-12-01 | Nippon Mining Company, Ltd. | Flying magnetic head |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6134818A (ja) * | 1984-07-27 | 1986-02-19 | 田中貴金属工業株式会社 | 電気接点の製造方法 |
-
1986
- 1986-06-20 JP JP61144450A patent/JPH0724180B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS632216A (ja) | 1988-01-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5559183B2 (ja) | 電気接点用半完成品の製造方法、及び、電気接点用半完成品、及び、電気接点部材 | |
JP6051298B2 (ja) | リベット型接点及びその製造方法 | |
JP2012507833A (ja) | 電気接点用半完成品の製造方法、及び、電気接点用半完成品、及び、電気接点部材 | |
WO2018117021A1 (ja) | テープ状接点材及びその製造方法 | |
KR20090044162A (ko) | 판상형 복합 전기접점소자의 제조방법 | |
JPH0724180B2 (ja) | 銀―錫酸化物系電気接点の製造方法 | |
JPH05120940A (ja) | バイメタル電気接点 | |
EP0265878A2 (en) | Method of producing a welded electrical contact assembly | |
JP2641549B2 (ja) | Ag―酸化物系複合接点材料およびその製造方法 | |
US2221286A (en) | Electric contact | |
JPS6363614B2 (ja) | ||
GB1604975A (en) | Integrated alloy electrical contact materials | |
JP2641548B2 (ja) | Ag―酸化物系複合接点材料およびその製造方法 | |
JP3070807B2 (ja) | Ag−NiO電気接点の製造方法 | |
JPH06101360B2 (ja) | スリツプリング用ブラシとその製造方法 | |
JP2670119B2 (ja) | 電気接点材料の製造方法 | |
JPH0318284B2 (ja) | ||
JPH0673467A (ja) | リベット形複合接点素子の製造方法 | |
KR810001762B1 (ko) | 은-산화주석(Ag·SnO)계 합금을 사용한 복합 전기접점 | |
JPS59217912A (ja) | 電気接点の製造方法及びその方法に用いる電気接点材 | |
JPH0520961A (ja) | 電気接点・摺動接触材料の製造方法 | |
JPH04355017A (ja) | リベット形複合接点材料の製造方法 | |
JP2751100B2 (ja) | 電気接点用Ag−酸化物系複合条材 | |
JPH05128926A (ja) | バイメタル電気接点 | |
JPS5949660B2 (ja) | 複合体のAg−SnO系合金電気接点材料 |