JPH0610118A - 蒸着方法及び蒸発装置 - Google Patents

蒸着方法及び蒸発装置

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JPH0610118A
JPH0610118A JP4170528A JP17052892A JPH0610118A JP H0610118 A JPH0610118 A JP H0610118A JP 4170528 A JP4170528 A JP 4170528A JP 17052892 A JP17052892 A JP 17052892A JP H0610118 A JPH0610118 A JP H0610118A
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JP
Japan
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sulfur
crucible
vapor deposition
heater
evaporation
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Pending
Application number
JP4170528A
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English (en)
Inventor
Yoshito Tanaka
義人 田中
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Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
Original Assignee
Renesas Semiconductor Manufacturing Co Ltd
Kansai Nippon Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発光層作製時に硫黄の共蒸着を精度良く安定
して行うことができる蒸着方法と蒸発装置を提供する。 【構成】 高温の真空装置内で高い蒸気圧の物質を蒸着
するに際し、蒸発源であるルツボ1下部に溶接したステ
ンレスパイプ3に水を流すことにより冷却を行い、内部
に設置したヒータ線4と熱電対5により加熱及び温度制
御を行う蒸発源を用いて硫黄6の共蒸着を行う。冷却部
がルツボ1と接しているため、ルツボ1内の冷却は効率
よく行われ、ルツボ1上部は外部からの輻射熱やヒータ
4からの熱により加熱され硫黄6が再凝集することなく
蒸発口から出ていく。ヒータ4が直接硫黄6に接してい
るため温度制御に対する応答が早い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い蒸気圧を有する物
質の蒸着方法と蒸発装置に関し、特にアルカリ土類硫化
物を母体材料とする薄膜EL素子の発光層成膜時に用い
る硫黄の蒸着方法と蒸発装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ土類硫化物、例えば硫化ストロ
ンチウム(SrS)を発光層の母体材料とする薄膜EL
素子を作製する場合、SrSを加圧成形したペレットを
用いて電子ビーム蒸着により成膜することが一般的であ
る。しかし、SrS等のアルカリ土類硫化物は金属と硫
黄の解離がおこりやすく、膜中での硫黄欠陥が発生した
り硫黄に変わって酸素が膜中に取り込まれて、膜のスト
イキオメトリにずれが生じ易い。これを防ぐために成膜
中の硫黄の共蒸着が提案されている。硫黄の共蒸着の方
法としては、SrSペレット中に硫黄粉末を混合す
る、蒸着機内に硫化水素(H2 S)を導入する、ある
いは 硫黄蒸発用のルツボを設けて硫黄を蒸発させる等
が提案されている。
【0003】しかし、ペレット中に硫黄を混合した場合
にSrSと硫黄の蒸気圧の差により硫黄のみがさきに蒸
発してしまい、安定的な硫黄の供給が行えない。またH
2 Sは金属に対する腐食性が強く毒性も強いため、装置
の対腐食処理、除外装置の設置などに多くの費用を要す
る。
【0004】次に、硫黄を専用の蒸発源を用いて供給す
る場合について図を参照して述べる。図4は従来用いら
れている硫黄用の蒸発源の一例である。図において、7
はルツボ、8はルツボの外部に設置あるいはルツボ材料
中に埋め混んだ加熱用ヒータ、9は外部の熱を遮断する
ため水冷パイプを備えた冷却部である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】硫黄は蒸気圧が高いた
め安定的に蒸発させるためには50〜100℃程度の温
度範囲で制御する必要がある。一方、SrSなどのアル
カリ土類硫化物を発光層に用いる薄膜EL素子では、一
般に発光層成膜時の基板温度が高いほど結晶性の良い膜
が得られると言われている。このときの基板温度はおよ
そ450〜500℃である。このため基板からの輻射熱
はかなり大きく、硫黄用蒸発源の遮熱は大変重要であ
る。この点で、図4に示した従来の蒸発源では、横方向
の遮熱は行えるが上部の基板からの輻射熱は遮断できな
いため、基板からの輻射熱によりルツボ7内の温度が必
要以上に上昇してしまう。また上部からの輻射熱を遮断
するために冷却部9をルツボ7の上部にまで設置する
と、ルツボ7から蒸発した硫黄が冷却部9において再凝
集してしまうため基板への硫黄6の供給が行われなくな
ってしまう。
【0006】また、図4に示した蒸発源では、加熱用ヒ
ータ8によりルツボ7をとおして内部の硫黄6を加熱し
ているため、ルツボ7の熱容量の分だけ硫黄の温度制御
が遅くなる。制御温度範囲が数10℃と狭いため、熱容
量の増加が制御性に与える影響は大きく、安定的な蒸発
が得られなくなる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の蒸着方法は、蒸発口を有する耐熱性容器の
内部に蒸発物質とヒータを収納し、該耐熱性容器の蒸発
物質収納部を冷却しながら、前記ヒータにより蒸発物質
を加熱蒸発させることを特徴とする。
【0008】また、前記蒸発物質は、その融点又は沸点
が、耐熱性容器の到達温度(非冷却時)よりも低いよう
な高い蒸気圧を有するものであることを特徴とする。
【0009】また、前記蒸発物質が硫黄であることを特
徴とする。
【0010】また,蒸発装置としては、耐熱性容器の上
部に蒸発口を有し、下部に冷却部を有し、かつ容器内に
加熱用ヒータを具備したことを特徴とする。
【0011】また、前記加熱用ヒータが絶縁性のセラミ
ックでコーティングされていることを特徴とする。
【0012】
【作用】上述の蒸着方法及び蒸発装置によれば、耐熱性
容器(以下ルツボと称する)の下部はルツボに接した冷
却部により効率よく冷却され、かつ基板からの輻射熱に
よる硫黄の温度上昇を防ぐことができる。また内部に設
置した加熱用ヒータにより硫黄を直接加熱するため応答
性がよく細かな制御が行える。
【0013】また、ルツボの上部及び蒸発口付近は内部
のヒータや基板からの輻射熱により加熱されているた
め、硫黄は再凝集することなくルツボの外部へ蒸発して
いく。
【0014】
【実施例】以下、図を参照しながら本発明について説明
する。
【0015】図1は本発明の蒸発装置の一実施例による
蒸発源の概略を示す一部断面視正面図である。
【0016】同図において、1はステンレス製のルツ
ボ、2は同じくステンレス製の蓋、3はルツボ下部に巻
き付け溶接した冷却水用ステンレスパイプ、4はタング
ステン製のヒータ線、5は温度測定用の熱電対、6はル
ツボ内に入れた硫黄である。ヒータ線4とルツボ1本体
あるいは蓋2はセラミック製のスペーサ等適宜の手段に
よって非接触を保っている。また、ステンレスパイプ3
には外部の循環冷却装置(図示せず)を用いて冷却水が
導入されている。
【0017】従来の蒸発源と本発明による蒸発源につい
て、基板からの輻射熱のみによるルツボ内温度の変化を
測定した。結果を図2に示す。従来の蒸発源では200
℃程度まで上昇しており、硫黄の蒸発制御が不可能であ
ることがわかる。一方本発明による蒸発源ではほとんど
温度上昇がみられず冷却が十分であることが分かる。
【0018】蒸発量の制御は熱電対5によってルツボ1
内の温度を制御することにより行える。図3は蒸発源の
温度を制御したときの蒸着装置内の硫黄分圧の経時変化
の様子を示したものである。硫黄分圧には四重極質量分
析計によりM/e=64(S2に相当)について測定し
た値を任意単位で用いている。図3から温度の上昇にと
もなって硫黄分圧は上昇し、かつ温度一定の範囲では安
定しており、硫黄6の供給が温度に比例して安定的に行
われていることが分かる。循環冷却装置等を用いて冷却
水温度を一定に保てば、さらに精密に蒸発量を制御する
ことが出来る。また、本発明の冷却手段は、上記の冷却
水に限定されず、液体窒素などの液化気体でもよいし、
ペルチエ効果を応用した電子冷却でもよい。
【0019】また、冷却水温度がある程度安定していれ
ば、ヒータ線4に流す電流を一定に保つことによっても
安定な蒸発量を得ることができる。このように、本発明
によれば、使用できる蒸発物質として、硫黄に限定され
ず、その融点又は沸点がルツボの到達温度(非冷却時)
よりも低いような蒸気圧の高い物質であればどのような
ものでもよい。
【0020】本実施例においてはスペーサを用いてヒー
タ線4とルツボ1との絶縁を得ているが、ヒータ線4に
セラミックコーティングを施すことによっても絶縁を得
ることができる。この様なヒータ線を用いればカドミウ
ム(Cd)等の導電性の物質を蒸発させることも可能で
ある。
【0021】なお、本発明は薄膜EL素子だけでなく、
高い蒸気圧を有する物質を蒸着する必要のあるものなら
どのようなものにでも適用できることは言うまでもな
い。
【0022】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に拠れば、高
い雰囲気温度の蒸着装置内で、基板からの輻射熱の影響
を受けることなく、硫黄のように蒸気圧の高い物質を高
精度で安定して蒸発させることができる。これにより硫
黄欠陥や酸素の混入の少ない高品質のアルカリ土類硫化
物薄膜を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蒸発装置の一実施例の、蒸発源の概
略を示す一部断面視正面図。
【図2】 基板からの輻射熱によるルツボ温度の変化を
示す図。
【図3】 ルツボ温度の経過時間と蒸着装置内の硫黄分
圧の関係を示す図。
【図4】 従来の蒸発源を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 ルツボ 2 ルツボ装置 3 冷却水用パイプ 4 ヒータ線 5 熱電対 6 硫黄

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蒸発口を有する耐熱性容器の内部に蒸発物
    質とヒータを収納し、該耐熱性容器の蒸発物質収納部を
    冷却しながら、前記ヒータにより蒸発物質を加熱蒸発さ
    せることを特徴とする蒸着方法。
  2. 【請求項2】前記蒸発物質は、その融点又は沸点が、非
    冷却時の耐熱性容器の到達温度よりも低いような高い蒸
    気圧のものであることを特徴とする請求項1記載の蒸着
    方法。
  3. 【請求項3】前記蒸発物質が硫黄であることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の蒸着方法。
  4. 【請求項4】耐熱性容器の上部に蒸発口を、下部に冷却
    部を有し、かつ容器内に加熱用ヒータを具備したことを
    特徴とする蒸発物質の蒸発装置。
  5. 【請求項5】前記加熱用ヒータが絶縁性のセラミックで
    コーティングされていることを特徴とする請求項4記載
    の蒸発装置。
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