JPH06100486A - グリセリン誘導体 - Google Patents

グリセリン誘導体

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JPH06100486A
JPH06100486A JP4279489A JP27948992A JPH06100486A JP H06100486 A JPH06100486 A JP H06100486A JP 4279489 A JP4279489 A JP 4279489A JP 27948992 A JP27948992 A JP 27948992A JP H06100486 A JPH06100486 A JP H06100486A
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JP
Japan
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nmr
compound
glycerin
mmol
silica gel
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JP4279489A
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English (en)
Inventor
Hisatoyo Kato
久豊 加藤
Masao Yoshida
▲祇▼生 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 DNA、RNAなどのオリゴマー中の任意の
位置に任意の数のチオールリンカー、カルボキシルリン
カーあるいは非同位体標識を導入し、他の物質との共有
結合体の調製、あるいは、プローブの検出などに利用で
きるグリセリン誘導体の製造原料として有用なグリセリ
ン誘導体の提供。 【構成】 次式で示されるグリセリン誘導体。 (式中、R及びRは水酸基の保護基又は水素原子、
はニトリル基、水酸基またはハロゲン原子を示し、
Aは鎖中にエーテル結合を有することもあるアルキレン
基を示す。) 【効果】 上記グリセリン誘導体を用いると、目的とす
る特定のグリセリン誘導体が極めて容易に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばDNA、RNA
などのオリゴマー中の任意の位置に任意の数のビオチニ
ル基または他の官能基を有するアミノリンカーあるいは
非同位体標識を導入し、他の物質との共有結合体の製造
あるいは、プローブの検出などに利用できるグリセリン
誘導体の製造原料などとして有用な、特定構造のグリセ
リン誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】本発明者等は、先にDNA、RNAなど
のオリゴマー中の任意の位置に任意の数のビオチニル基
または他の官能基を有するアミノリンカーあるいは非同
位体標識を導入し、他の物質との共有結合体の調製ある
いは、プローブの検出などに利用できる以下の式で示さ
れる数種のグリセリン誘導体を提案した。
【0003】
【化2】
【0004】但し、式中のR1 及びR2 は水酸基の保護
基又は水素原子、R3 及びR4 はアミノ基の保護基、水
素原子、ビオチニル基または非同位体標識を示し、又そ
れらは互いに結合して環を構成していてもよく、nは5
以上の任意の整数を示す。
【0005】
【化3】
【0006】但し、式中のR1、R2は水酸基の保護基ま
たは水素原子、R3は、保護基または非同位体標識を有
するか有さないチオール基またはカルボキシル基を示
し、nは4以上の任意の整数を示す。
【0007】
【化4】
【0008】但し、式中のR1 およびR2 は水酸基の保
護基または水素原子、R3は、保護基または非同位体標
識を有するか有さないカルボキシル基、アミノ基または
チオール基、Lは1個または複数の−O−、−S−、−
NHCO−または−CONH−結合を鎖中に含むアルキ
レン基を示す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれらのグリ
セリン誘導体の製造に有用な特定構造のグリセリン誘導
体を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記特定
のグリセリン誘導体の合成が特定構造のグリセリン誘導
体を使用することにより容易に合成できることを見出し
て本発明を完成したのである。すなわち、本発明は次の
式(I)で示されるグリセリン誘導体に関するものであ
る。
【0011】
【化5】
【0012】但し、式中のR1 及びR2 は水酸基の保護
基又は水素原子、R3 はニトリル基、水酸基またはハロ
ゲン原子を示し、Aは鎖中にエーテル結合を有すること
もあるアルキレン基を示す。
【0013】〇 合成方法 式(I)で表わされるグリセリン誘導体は例えば以下のよ
うにして合成することができる。市販の1,3-ジベンジル
グリセリンとX(CH2)nY(Xはハロゲン原子、Yはハ
ロゲン原子またはニトリル基)を−80℃〜80℃で、
塩基の存在下、溶媒中で反応させた後、常法によりシリ
カゲルカラム等で精製することにより対応する本発明の
グリセリン誘導体であるニトリル化合物又はハロゲン化
物が得られる。本反応に用いる溶媒としては、アセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン−水
混合物などが例示され、塩基としては、ブチルリチウ
ム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが例示され
る。また、本反応においては、テトラブチルアンモニウ
ムブロミド、トリス-[2-(2-メトキシエトキシ)エチ
ル]アミンなどの触媒を用いるとより効果的である。さ
らにハロゲン化物は、HO(CH2)mOHおよびX(C
2)tXを順次反応させることにより種々の本発明のグ
リセリン誘導体とすることができる。
【0014】水酸基の保護基は、通常の有機合成手法で
用いられるものであり、トリチル型保護基、ベンジル型
保護基、アリル型保護基、アシル型保護基、カルバモイ
ル型保護基、シリル型保護基、炭酸エステル型保護基、
アセタールおよびケタール型保護基等が例示され、本発
明にとり好ましいものは、ベンジル基または4,4'-ジメ
トキシトリチル基である。アルキレン基は任意の鎖長の
ものを用いることができるが、原料の入手の困難性を考
慮するとエーテル結合で切断された部分の鎖長が20以
下のものが本発明にとり好ましい。
【0015】
【作用】本発明の特定構造のグリセリン誘導体を用いる
と、例えばDNA、RNAなどのオリゴマー中の任意の
位置に任意の数のビオチニル基または他の官能基を有す
るアミノリンカーあるいは非同位体標識を導入し、他の
物質との共有結合体の調製あるいは、プローブの検出な
どに利用できるグリセリン誘導体が極めて容易に製造で
きるという優れた作用を示す。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明で提供されるグリ
セリン誘導体の合成および利用例について説明するが、
本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。 <実施例1>1,3-ジベンジル-3-(4-シアノブチル)-グリセリンの合成
【0017】
【化6】
【0018】1,3-ジベンジルグリセリン6.80g(25.
0mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド4.03g
(12.5mmol)および粉末状85%水酸化カリウム8.25
g(125mmol)をアセトニトリル100mlに懸濁し、撹
拌しながら5-クロロバレロニトリル8.50ml(75.5mmo
l)を滴下した。室温で22時間反応させた後、不溶物を
ロ別した。ロ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーによる精製を行ない、無色液状の化合物8.20
gを得た(収率93%)。NMRおよび元素分析により
標記化合物であることを確認した。NMRシグナルのケ
ミカルシフト、IRチャートの波数、元素分析およびシ
リカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示
し、NMRのチャートを図1に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.53−2.50(6
H、m) 3.40−3.75(7H、m) 4.47(4H、s) 7.20(10H、s) C2227NO3 として計算値(%):C=74.74 H
=7.71 N=3.96 実測値(%):C=74.57 H=7.92 N=3.90 IR(KBr)cm-1:2870 1450 1370
1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.56(ヘキ
サン:酢酸エチル=1:1)
【0019】<実施例2>1,3-ジベンジル-3-(4-シアノブチル)-グリセリンの合成 1,3-ジベンジルグリセリン275mg(1.01mmol)をテト
ラヒドロフラン8mlに溶解し、−78℃で1.27Mブチ
ルリチウム/ヘキサン溶液840μl(1.07mmol)を滴
下した。同温でトリス-[2-(2-メトキシエトキシ)エチ
ル]アミン320μl(1.00mmol)および5-ブロモバレ
ロニトリル130μl(1.06mmol)滴下した。室温まで
昇温し17時間反応後、N,N-ジメチルホルムアミド2ml
を加え、25時間加熱還流した。反応終了後、酢酸エチ
ルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後、濃縮残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーで精製し、無色液状の標記化合物131mgを得
た(収率48%)。
【0020】<実施例3>1,3-ジベンジル-2-(5-ブロモペンチル)グリセリン の合
【0021】
【化7】
【0022】1,3-ジベンジルグリセリン17.8g(65.
4mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド4.22g
(13.1mmol)および1,5-ジブロモペンタン75.0g(3
26mmol)のアセトニトリル300ml溶液に攪拌しなが
ら粉末状85%水酸化カリウム21.5g(326mmol)を
加えた。室温下で10時間反応させた後、不溶物を濾別
し、濾液を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー
による精製を行い、無色液状の化合物26.6gを得た
(収率97%)。NMRおよびIR分析により標記化合
物であることを確認した。NMRチャートのケミカルシ
フト、IRチャートの波数およびシリカゲル薄層クロマ
トグラフィーの移動度を以下に示し、NMRのチャート
を図2に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.20−2.17(6
H、m) 3.20−3.77(9H、m) 4.50(4H、s) 7.24(10H、s) IR(KBr)cm-1:2940 2860 1450
1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.47(ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1)
【0023】<実施例4>1,3-ジベンジル-2-(10-ブロモデシル)グリセリン の合成
【0024】
【化8】
【0025】1,3-ジベンジルグリセリン5.45g(20.
0mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド3.23g
(10.0mmol)および1,10-ジブロモデカン30.7g(10
2mmol)のアセトニトリル150ml溶液に粉末状85%
水酸化カリウム6.60g(100mmol)を加え、3時間撹
拌した。反応終了後、不溶物をロ別し、濃縮残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、無色、液状
の化合物7.71gを得た。NMRおよび元素分析によ
り、標記化合物であることを確認した(収率78%)。
NMRシグナルのケミカルシフトと元素分析の結果を以
下に示し、NMRのチャートを図3に、IRのチャート
を図4に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.07−2.13(16
H、m) 3.23−3.83(9H、m) 4.51(4H、s) 7.26(10H、s) C27343Brとしての計算値(%):C=65.97
H=8.10 実測値(%):C=65.75 H=8.24 IR(KBr)cm-1:2930 2850 1450
1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.61(ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1)
【0026】<実施例5>2-(5-ブロモペンチル)グリセリン の合成
【0027】
【化9】
【0028】1,3-ジベンジル-2-(5-ブロモペンチル)グ
リセリン8.50g(20.2mmol)、N,N-ジメチルアニリン
20.0ml(158mmol)のジクロロメタン200ml溶液に
無水塩化アルミニウム16.2g(121mmol)を氷冷下で
加え、室温下で1時間反応後、さらに5時間加熱還流し
た。放冷後、クロロホルム−ピリジン(2:1)で抽出
し、水で洗浄した。濃縮後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーによる精製を行い、淡緑色液状の化合物2.3
1gを得た(収率47%)。NMRおよびIR分析によ
り標記化合物であることを確認した。該化合物のNMR
チャートのケミカルシフト、IRチャートの波数および
シリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示
し、NMRチャートを図5にIRチャートを図6に示し
た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.10−2.60(8
H、m) 3.17−3.90(9H、m) IR(KBr)cm-1:3340 2920 1470
1080 970 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.34(クロ
ロホルム:メタノール=10:1)
【0029】<実施例6>1,3-ビス-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(5-ブロモペン
チル)グリセリン および1-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2
-(5-ブロモペンチル)グリセリンの合成
【0030】
【化10】
【0031】
【化11】
【0032】実施例5で得られた2-(5-ブロモペンチル)
グリセリン12.4g(51.4mmol)、N,N-ジイソプロピル
エチルアミン13.5ml(77.5mmol)のジクロロメタン5
0ml溶液に4,4'-ジメトキシトリチルクロリド18.3g
(54.0mmol)のジクロロメタン150ml溶液を氷冷下で
滴下し、室温下で5時間反応後、クロロホルムで抽出
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによる精製を行い、淡黄色液状の化合物
I、20.1gを得た(収率72%)および淡黄色液状の
化合物II、5.90gを得た(収率14%)。NMRおよ
びIR分析によりそれぞれ標記化合物であることを確認
した。これらの化合物のNMRチャートのケミカルシフ
ト、IRチャートの波数およびシリカゲル薄層クロマト
グラフィーの移動度を以下に示し、。1,3-ビス-(4,4'-
ジメトキシトリチル)-2-(5-ブロモペンチル)グリセリン1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.20−2.08(6
H、m) 2.97−3.90(21H、m) 6.53−6.90(8H、m) 6.97−7.50(18H、m) シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.50(ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1) 1-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(5-ブロモペンチル)グ
リセリン1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.20−2.20(7
H、m) 2.97−3.90(15H、m) 6.60−6.93(4H、m) 7.05−7.55(9H、m) IR(KBr)cm-1:3450 2930 1610
1510 1250 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.27(ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1) なお、この化合物のNMRチャートを図7に示した。
【0033】<実施例6> 下記構造式化合物の合成
【0034】
【化12】
【0035】1,3-ジベンジル-2-(10-ブロモデシル)グリ
セリン3.27g(6.65mmol)、1,10-デカンジオール5.
80g(33.3mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミ
ド1.07g(3.32mmol)のジオキサン30ml溶液を60
℃に加熱後、粉末状85%水酸化カリウム2.20g(3
3.3mmol)を加え4.5時間反応させた。放冷後、不溶物
を濾別し、濾液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグ
ラフィーによる精製を行い、淡黄色液状の化合物2.64
gを得た(収率68%)。NMRおよびIR分析により
標記構造式の化合物であることを確認した。NMRチャ
ートのケミカルシフト、IRチャートの波数およびシリ
カゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示し
た。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.00−1.90(32
H、m) 2.23−2.57(1H、br) 3.13−3.80(13H、m) 4.52(4H、s) 7.25(10H、s) IR(KBr)cm-1:3450 2930 2850
1450 1110 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.19(ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1)
【0036】<実施例7> 下記構造式化合物の合成
【0037】
【化13】
【0038】実施例6で得られた化合物3.50g(5.9
8mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド970mg
(3.01mmol)および1,10-ジブロモデカン9.00g(3
0.0mmol)のアセトニトリル30ml溶液に攪拌しながら
粉末状85%水酸化カリウム2.00g(30.3mmol)を加
えた。室温下で10時間反応させた後、不溶物を濾別
し、濾液を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー
による精製を行い、無色液状の化合物3.59gを得た
(収率75%)。NMRおよびIR分析により標記構造
式の化合物であることを確認した。NMRチャートのケ
ミカルシフト、IRチャートの波数およびシリカゲル薄
層クロマトグラフィーの移動度を以下に示し、IRのチ
ャートを図8に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.07−2.20(48
H、m) 3.17−3.73(17H、m) 4.50(4H、s) 7.23(10H、s) IR(KBr)cm-1:2930 2850 1470
1450 1120 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.36(ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1)
【0039】<実施例8> 下記構造式化合物の合成
【0040】
【化14】
【0041】実施例7で得られた化合物10.0g(12.
4mmol)、N,N'-ジメチルアニリン9.50ml(74.9mmol)
のジクロロメタン75ml溶液に無水塩化アルミニウム
6.61g(49.6mmol)を氷冷下で加え、室温下で1時間
反応後、さらに3.5時間加熱還流した。放冷後、クロロ
ホルムで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグ
ネシウムにより乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーによる精製を行い、白色固体状の化合物
5.57gを得た(収率72%)。NMRおよびIR分析
により標記構造式の化合物であることを確認した。NM
Rチャートのケミカルシフト、IRチャートの波数およ
びシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に
示し、NMRのチャートを図9にIRのチャートを図1
0に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.03−2.43(50
H、m) 3.07−3.88(17H、m) 4.50(4H、s) 7.23(10H、s) IR(KBr)cm-1:3330 2920 2850
1470 1380 1120 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.44(クロ
ロホルム:メタノール=10:1)
【0042】<実施例9> 下記構造式化合物の合成
【0043】
【化15】
【0044】実験例7で得られた化合物5.24g(8.4
0mmol)、N,N'-ジイソプロピルエチルアミン1.80ml
(10.3mmol)のジクロロメタン30ml溶液に4,4'-ジメ
トキシトリチルクロリド3.10g(9.15mmol)のジクロ
ロメタン50ml溶液を室温下で滴下し、20時間反応
後、クロロホルムで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を
行い、無色液状の化合物6.28gを得た(収率81
%)。NMRおよびIR分析により標記構造式の化合物
であることを確認した。NMRチャートのケミカルシフ
ト、IRチャートの波数およびシリカゲル薄層クロマト
グラフィーの移動度を以下に示し、NMRのチャートを
図11にIRのチャートを図12に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:0.97−2.25(49
H、m) 2.93−3.90(23H、m) 6.57−7.87(13H、m) IR(KBr)cm-1:3450 2930 2850
1610 1510 1250 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.24(ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1)
【0045】<利用例1>
【0046】1-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(N-ビオ
チニル-5-アミノペンチル)-グリセリンの合成
【0047】
【化16】
【0048】1-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(5-アミ
ノペンチル)-グリセリン317mg(0.661mmol)のN,N'
−ジメチルホルムアミド3ml溶液にビオチニル-N-ヒド
ロキシスワシイミド237mg(0.694mmol)を加え、室
温で3時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムで抽出
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥後、濃縮残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィーで精製し、白色粉末状の化合物43
1mgを得た(収率92%)。NMRおよび元素分析によ
り標記化合物であることを確認した。NMRシグナルの
ケミカルシフトと元素分析の結果を以下に示し、NMR
のチャートを図13に示す。 1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.10−1.90(12
H、m) 1.97−2.33(2H、m) 2.40−2.85(3H、m) 2.90−3.83(16H、m) 4.03−4.53(2H、m) 5.47−5.62(1H、m) 5.90−6.50(2H、m) 6.62−6.90(4H、m) 7.00−7.50(9H、m) C395137Sとして 計算値(%):C=66.34 H=7.30 N=5.95 実測値(%):C=66.14 H=7.51 N=5.75
【0049】チオホスファイト誘導体の合成
【0050】
【化17】
【0051】上記反応式に従って合成した1-(4,4'-ジメ
トキシトリチル)-2-(N-ビオチニル-5-アミノペンチル)
グリセリン540mg(0.77mmol)とチオホスファイト化
試薬320mg(0.80mmol)とをUSP. 4,8 0 8,7 0 8
に記載の方法に従って反応させチオホスファイト誘導体
650mgを得た(収率82%)。NMRシグナルのケミ
カルシフトを以下に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.03−1.83(12
H、m) 1.93−2.47(14H、m) 2.60−2.83(2H、m) 3.00−3.87(16H、m) 4.03−4.53(2H、m) 5.20−5.37(1H、m) 5.70−5.93(1H、m) 6.13−6.50(1H、m) 6.60−7.63(18H、m)
【0052】<利用例2>5'-ビオチニル-DNAオリゴマー(18mer)の合成 利用例1で合成したチオホスファイト誘導体を用い、U
SP. 4,8 0 8,7 0 8に記載の方法に従って5'-ビオチニ
ル-DNAオリゴマー(18mer:Biotin-CCAGACAACGATCGG
ATG)の合成を行ない、高速液体クロマトグラフィーによ
り、図14に示される様に目的物の生成が確認された。
尚、高速液体クロマトグラフィーにはμ・Bondpack C-1
8 カラムを使用し、5→25%アセトニトリル/酢酸ト
リエチルアンモニウム水溶液を用いた。
【0053】
【発明の効果】本発明の提供されるグリセリン誘導体を
用いると、例えばDNA、RNAなどのオリゴマー中の
任意の位置に任意の数のビオチニル基または他の官能基
を有するアミノリンカーあるいは非同位体標識を導入
し、他の物質との共有結合体の製造あるいは、プローブ
の検出などに利用できるグリセリン誘導体が極めて容易
に製造できるため、その利用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたグリセリン誘導体、1,3-ジ
ベンジル-2-(4-シアノブチル)-グリセリンのNMRチャ
ート
【図2】実施例3で得られたグリセリン誘導体、1,3-ジ
ベンジル-2-(5-ブロモペンチル)-グリセリンのNMRチ
ャート
【図3】実施例4で得られたグリセリン誘導体、1,3-ジ
ベンジル-2-(10-ブロモデシル)-グリセリンのNMRチ
ャート
【図4】実施例4で得られたグリセリン誘導体、1,3-ジ
ベンジル-2-(10-ブロモデシル)-グリセリンのIRチャ
ート
【図5】実施例5で得られたグリセリン誘導体、2-(5-
ブロモペンチル)-グリセリンのNMRチャート
【図6】実施例5で得られたグリセリン誘導体、2-(5-
ブロモペンチル)-グリセリンのIRチャート
【図7】実施例5で得られたグリセリン誘導体、1-(4,
4'-ジメトキシトリチル)-2-(5-ブロモペンチル)グリセ
リンのNMRチャート
【図8】実施例7で得られたグリセリン誘導体のIRチ
ャート
【図9】実施例8で得られたグリセリン誘導体のNMR
チャート
【図10】実施例8で得られたグリセリン誘導体のIR
チャート
【図11】実施例9で得られたグリセリン誘導体のNM
Rチャート
【図12】実施例9で得られたグリセリン誘導体のIR
チャート
【図13】利用例1で合成した1-(4,4'-ジメトキシトリ
チル)-2-(N-ビオチニル-5-アミノペンチル)-グリセリン
のNMRチャート
【図14】利用例2で合成した5'-ビオチニル−DNA
オリゴマー(18mer)の高速液体クロマトグラフィーチ
ャート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/23 C 7419−4H 255/13 9357−4H

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(I)で示されるグリセリン誘
    導体。 【化1】 但し、式中のR1 及びR2 は水酸基の保護基又は水素原
    子、R3 はニトリル基、水酸基またはハロゲン原子を示
    し、Aは鎖中にエーテル結合を有することもあるアルキ
    レン基を示す。
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