JPH0680608A - グリセリン誘導体 - Google Patents

グリセリン誘導体

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JPH0680608A
JPH0680608A JP4258969A JP25896992A JPH0680608A JP H0680608 A JPH0680608 A JP H0680608A JP 4258969 A JP4258969 A JP 4258969A JP 25896992 A JP25896992 A JP 25896992A JP H0680608 A JPH0680608 A JP H0680608A
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formula
glycerin
compound
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nmr
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JP4258969A
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Hisatoyo Kato
久豊 加藤
Masao Yoshida
▲祇▼生 吉田
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 DNA、RNAなどのオリゴマー中の任意の
位置に任意の数のチオールリンカー、カルボキシルリン
カーあるいは非同位体標識を導入し、他の物質との共有
結合体の調製、あるいは、プローブの検出などに利用で
きるグリセリン誘導体を提供する。 【構成】 グリセリンの2級水酸基にアルキレン基を介
してカルボキシル基またはチオール基の結合した式
(I)のグリセリン誘導体。 (但し、式中のR、Rは水酸基の保護基または水素
原子、Rは、保護基または非同位体標識を有するか有
さないチオール基またはカルボキシル基を示し、nは4
以上の任意の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばDNA、RNA
などのオリゴマー中の任意の位置に任意の数のチオール
リンカー、カルボキシルリンカーあるいは非同位体標識
を導入し、他の物質との共有結合体の調製、あるいは、
プローブの検出などに利用できるグリセリン誘導体を提
供するものである。
【0002】
【従来の技術】核酸オリゴマーにチオールリンカーを導
入するための誘導体としては、直鎖のメルカプトアルコ
ール誘導体が知られている[Connolly B.A., Nucleic Ac
ids Res.,13, 4485(1985)]。これらの誘導体は、例え
ば、ホスホロアミダイト法によりDNAオリゴマーの
5'-末端水酸基に結合させることができ、下記式で示さ
れるアミダイト試薬が市販されている。
【0003】
【化2】
【0004】しかし、この直鎖メルカプトアルコール誘
導体を用いる方法では、チオールリンカーはDNAオリ
ゴマーの5'-末端水酸基にしか導入することができな
い。
【0005】また、核酸オリゴマーにカルボキシルリン
カーを導入するための物質としては、アミノカプロン酸
が知られているが[Keller G.H. et al, Analytical Bio
che-mistry, 170, 441(1988)& 177, 27(1989)]、アミノ
カプロン酸は、下記反応式に示されるように、核酸塩基
中のプリン塩基に導入されるため、カルボキシルリンカ
ーの導入位置と数は限定される。また、核酸塩基部にリ
ンカーを導入した場合、核酸本来の機能が損なわれる可
能性もある。
【0006】
【化3】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】DNAオリゴマーなど
にチオールリンカーまたはカルボキシルリンカーを導入
し、他の物質との共有結合体の調製あるいは非同位体標
識を導入しプローブの検出などに用いる研究が活発に行
なわれるようになり、合成が容易なより長鎖の各種のリ
ンカーを導入できる誘導体の提供が望まれており、本発
明者等はそれらの要望に答えるべく、より長鎖のチオー
ルリンカー、カルボキシルリンカーあるいは非同位体標
識を、DNA、RNAなどのオリゴマー中の任意の位置
に、任意の数だけ導入することの出来る誘導体を提供す
る目的で研究を行ったのである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意研究を行い、特定のグリセリン誘導
体が、合成が容易で、長鎖のチオールリンカー、カルボ
キシルリンカーまたは非同位体標識を、オリゴマー中の
任意の位置に、任意の数だけ導入できる誘導体であるこ
とを見出し、本発明を完成したのである。すなわち、本
発明は次の式(I)で示されるグリセリン誘導体に関する
ものである。
【0009】
【化4】
【0010】但し、式中のR1、R2は水酸基の保護基ま
たは水素原子、R3は、保護基または非同位体標識を有
するか有さないチオール基またはカルボキシル基を示
し、nは4以上の任意の整数を示す。
【0011】〇 合成方法 式(I)で表わされるグリセリン誘導体は例えば次の反応
式に示した経路で合成することができる。
【0012】
【化5】
【0013】すなわち、まず市販の1,3-ジベンジルグ
リセリンを溶媒に溶解し、塩基およびX(CH2)n-1
(Xはハロゲン原子、Yはハロゲン原子またはニトリル
基を示す)を−80℃〜80℃で反応させた後、常法に
より、シリカゲルカラム等で精製することにより、対応
するニトリル化合物またはハロゲン化物が得られ
る。 本反応に用いる溶媒としては、アセトニトリル、
テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホムアミド、1,
4-ジオキサン、テトラヒドロフラン-水混合物などが例
示され、塩基としては、ブチルリチウム、水素化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが例示さ
れる。また、本反応においては、テトラブチルアンモニ
ウムブロミド、トリス-[2-(2-メトキシエトキシ)エチ
ル]アミンなどの触媒を用いるとより効果的である。次
に、上記で得られたニトリル化合物は、常法で加水分
解することにより、カルボン酸誘導体に、また、ハロ
ゲン化物は、常法で置換反応を行うことにより、チオ
ール誘導体に変換することができる。さらに、各誘導
体、は、常法により、各官能基の保護および保護基
の変換あるいは、非同位体標識の導入反応を行うことに
より、式(I)で示される各種のグリセリン誘導体に変換
することができる。
【0014】本発明の式(I)で表わされるグリセリン誘
導体において、水酸基の保護基とは、通常の有機合成手
法で用いられるものが本発明においても用いられ、具体
的にはトリチル型保護基、ベンジルおよびアリル型保護
基、アシル型保護基、カルバモイル型保護基、シリル型
保護基、炭酸エステル型保護基、アセタールおよびケタ
ール型保護基などが例示され、本発明にとり好ましいも
のは、ベンジル基または4,4'-ジメトキシトリチル基
である。チオール基の保護基も、通常の有機合成手法で
用いられるものであり、具体的にはトリチル型保護基、
ベンジルおよびアリル型保護基、アシル型保護基、マロ
ネート型保護基、炭酸エステル型保護基、アセタールお
よびケタール型保護基などが例示され、本発明にとり好
ましいものは、アセチル基、ベンゾイル基またはトリチ
ル基である。カルボキシル基の保護基も、同様であり、
具体的には1〜3級アルキル型保護基、ベンジルおよび
アリル型保護基、シリル型保護基、アセタールおよびケ
タール型保護基などが例示され、本発明にとり好ましい
ものは、エチル基、t-ブチル基、ベンジル基または4-
ニトロベンジル基である。また、非同位体標識として
は、プローブの検出などに用いることができるものであ
り、ビオチン誘導体、ジニトロフェニル誘導体、ダンシ
ル誘導体、フルオロセイン誘導体、ローダミン誘導体、
アミノフルオレン誘導体などが例示され、本発明にとり
好ましいものは、ビオチン、ダンシル、スルホローダミ
ン(テキサスレッド)、または2,4-ジニトロフェニル
基である。アルキル基の鎖長を示すnは4以上の任意の
整数であるが、原料入手の困難性を考慮すると20以下
の整数が本発明にとり好ましい。
【0015】○利用方法 本発明のグリセリン誘導体は、DNA、RNAなどのオ
リゴマー中の任意の位置に任意の数のチオールリンカ
ー、カルボキシルリンカーあるいは非同位体標識を導入
することができ、他の物質との共有結合体の調製、ある
いは、プローブの検出などに利用されるものである。D
NA、RNAなどのオリゴマーに本発明のグリセリン誘
導体を導入する方法としては、リン酸トリエステル法、
ホスホロアミダイト法、H−ホスホネート法あるいはチ
オホスファイト法など公知の方法をあげることができ
る。
【0016】
【作用】本発明のグリセリン誘導体においては、リンカ
ーをオリゴマー中の任意の位置に任意の数だけ導入する
ことができること、および、従来の核酸塩基部に導入す
る方法に比較して、核酸本来の機能を損なう可能性が低
いという作用を示す。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明で提供されるグリ
セリン誘導体の合成例について説明するが、本発明は、
これらの実施例に限定されるものではない。なお、実験
例1〜実験例2は、本発明のグリセリン誘導体の合成に
用いた原料化合物の調製例である。
【0018】実験例11,3-ジベンジル-2-(4-シアノブチル)-グリセリンの
合成
【0019】
【化6】
【0020】1,3-ジベンジルグリセリン18.5g(6
7.9mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド10.9
g(33.8mmol)および粉末状85%水酸化カリウム2
2.5g(341mmol)をアセトニトリル250mlに懸濁
し、撹拌しながら5-ブロモバレロニトリル16.5ml(1
34mmol)を滴下した。室温下で6時間攪拌後、60℃
に加熱しさらに2時間反応させた。放冷後、不溶物をロ
別し、ロ液を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィーによる精製を行ない、無色液状の化合物19.2gを
得た(収率80%)。NMRおよび元素分析により標記
化合物であることを確認した。NMRシグナルのケミカ
ルシフト、IRチャートの波数およびシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーの移動度を以下に示し、NMRのチャ
ートを図1に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.53−2.50(6
H、m) 3.40−3.75(7H、m) 4.47(4H、s) 7.20(10H、s) IR(KBr)cm-1:2870 1450 1370
1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.56(ヘキ
サン:酢酸エチル=1:1)
【0021】実験例21,3-ジベンジル-2-(5-ブロモペンチル)グリセリン
の合成
【0022】
【化7】
【0023】1,3-ジベンジルグリセリン17.8g(6
5.4mmol)、テトラブチルアンモニウムブロミド4.22
g(13.1mmol)および1,5-ジブロモペンタン75.0g
(326mmol)のアセトニトリル300ml溶液に攪拌しな
がら粉末状85%水酸化カリウム21.5g(326mmol)
を加えた。室温下で10時間反応させた後、不溶物を濾
別し、濾液を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーによる精製を行い、無色液状の化合物26.6gを得た
(収率97%)。NMRおよびIR分析により標記化合
物であることを確認した。NMRチャートのケミカルシ
フト、IRチャートの波数およびシリカゲル薄層クロマ
トグラフィーの移動度を以下に示し、NMRのチャート
を図2に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.20−2.17(6
H、m) 3.20−3.77(9H、m) 4.50(4H、s) 7.24(10H、s) IR(KBr)cm-1:2940 2860 1450
1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.47(ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1)
【0024】実施例11,3-ジベンジル-2-(4-カルボキシブチル)グリセリ
の合成
【0025】
【化8】
【0026】1,3-ジベンジル-2-(4-シアノブチル)
グリセリン2.08g(5.88mmol)のエタノール50ml溶
液に水酸化ナトリウム3.53g(88.3mmol)の水15ml
溶液を加え、19時間加熱還流した。放冷後、3.5%塩
酸110mlを加え、クロロホルムルで抽出し、飽和食塩
水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、
シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行
い、無色液状の化合物2.15gを得た(収率98%)。
NMRおよびIR分析により標記化合物であることを確
認した。NMRチャートのケミカルシフト、IRチャー
トの波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移
動度を以下に示し、NMRのチャートを図3に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.43−1.93(4
H、m) 2.10−2.53(2H、m) 3.30−3.77(7H、m) 4.47(4H、s) 7.20(10H、s) 8.67−9.43(1H,br) IR(KBr)cm-1:2870 1710 1450
1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.53(クロ
ロホルム:メタノール=10:1)
【0027】実施例21,3-ジベンジル-2-[4-(エチル)ペンタノエート]グ
リセリン の合成
【0028】
【化9】
【0029】1,3-ジベンジル-2-(4-カルボキシブチ
ル)グリセリン560mg(1.50mmol)、エタノール0.1
0ml(1.70mmol)のジクロロメタン10ml溶液にジシク
ロヘキシルカルボジイミド370mg(1.79mmol)、およ
び、ジメチルアミノピリジン250mg(2.05mmol)を加
え、1.5時間反応させた後、クロロホルムルで抽出し、
飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、
濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精
製を行い、淡黄色液状の化合物379mgを得た(収率6
3%)。NMRおよびIR分析により標記化合物である
ことを確認した。NMRチャートのケミカルシフト、I
Rチャートの波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフ
ィーの移動度を以下に示し、NMRのチャートを図4に
示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.26(3H、t) 1.47−1.88(4H、m) 2.10−2.47(2H、m) 3.37−3.75(7H、m) 4.09(2H、q) 4.50(4H、s) 7.25(10H,s) IR(KBr)cm-1:2910 2870 1730
1450 1370 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.50(ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1)
【0030】実施例31,3-ジベンジル-2-[4-(p-ニトロベンジル)ペンタ
ノエート]グリセリン の合成
【0031】
【化10】
【0032】1,3-ジベンジル-2-(4-カルボキシブチ
ル)グリセリン560mg(1.50mm1)、p-ニトロベンジ
ルアルコール230mg(1.50mmol)のジクロロメタン1
0ml溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド370mg
(1.79mmol)、および、ジメチルアミノピリジン250
mg(2.05mmol)を加え、1.5時間反応させた後、クロロ
ホルムルで抽出し、飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マ
グネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロマト
グラフィーによる精製を行い、淡黄色液状の化合物37
9mgを得た(収率63%)。NMRおよびIR分析によ
り標記化合物であることを確認した。NMRチャートの
ケミカルシフト、IRチャートの波数およびシリカゲル
薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示し、NMR
のチャートを図5に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.47−2.00(4
H、m) 2.22−2.60(2H、m) 3.28−3.80(7H、m) 4.51(4H、s) 5.15(2H、s) 7.25(10H、s) 7.43(2H、d) 8.15(2H、d) IR(KBr)cm-1:2920 2860 1740
1520 1350 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.42(ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1)
【0033】実施例41,3-ジベンジル-2-(5-ベンゾイルチオペンチル)グ
リセリン の合成
【0034】
【化11】
【0035】1,3-ジベンジル-2-(5-ブロモペンチ
ル)グリセリン4.22g(10.0mmol)、チオ安息香酸1.
80ml(15.3mmol)のジオキサン30ml溶液に水酸化ナ
トリウム600mg(15.0mmol)水5.0ml溶液を加え、室
温下で20時間反応させた。ヘキサン−酢酸エチル
(1:1)で抽出し、水および飽和食塩水で洗浄した。無
水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラム
クロマトグラフィーによる精製を行い、淡桃色液状の化
合物4.26gを得た(収率89%)。NMRおよびIR
分析により標記化合物であることを確認した。NMRチ
ャートのケミカルシフト、IRチャートの波数およびシ
リカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示
し、NMRのチャートを図6に、IRのチャートを図7
に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.37−1.87(6
H、m) 2.92−3.21(2H、m) 3.32−3.77(7H、m) 4.53(4H、s) 7.17−7.63(13H、m) 7.80−8.07(2H、m) IR(KBr)cm-1:2860 1660 1450
1210 1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.42(ヘキ
サン:酢酸エチル=4:1)
【0036】実施例51,3-ジベンジル-2-(5-スルフヒドリルペンチル)グ
リセリン の合成
【0037】
【化12】
【0038】1,3-ジベンジル-2-(5-ベンゾイルチオ
ペンチル)グリセリン1.17g(2.44mmol)のエタノー
ル30ml溶液に水酸化ナトリウム800mg(20.0mmol)
の水10ml溶液を加え、室温下で3.5時間反応させた。
クロロホルムで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーによる精製を行い、無色液状の
化合物790mgを得た(収率86%)。NMRおよびI
R分析により標記化合物であることも確認した。NMR
チャートのケミカルシフト、IRチャートの波数および
シリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度を以下に示
した。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.15−1.85(7
H、m) 2.23−2.68(2H、m) 3.33−3.75(7H、m) 4.48(4H、s) 7.22(10H、m) IR(KBr)cm-1:2930 2860 1450
1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.25(ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1)
【0039】実施例61,3-ジベンジル-2-(5-トリチルチオペンチル)グリ
セリン の合成
【0040】
【化13】
【0041】1,3-ジベンジル-2-(5-スルホヒドリル
ペンチル)グリセリン500mg(1.33mmol)のジメチル
ホルムアミド7ml溶液にジイソプロピルエチルアミン
0.46ml(2.64mmol)、およびトリチルクロリド550
mg(1.97mmol)を加え、室温下で20時間反応させた。
ヘキサン−酢酸エチル(1:1)で抽出し、水および飽和
食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を
行い、淡黄色液状の化合物539mgを得た(収率66
%)。NMRおよびIR分析により標記化合物であるこ
とも確認した。NMRチャートのケミカルシフト、IR
チャートの波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフィ
ーの移動度を以下に示し、NMRのチャートを図8に、
IRのチャートを図9に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.04−1.73(6
H、m) 1.94−2.03(2H、m) 3.21−3.70(7H、m) 4.47(4H、s) 6.85−7.51(25H、m) IR(KBr)cm-1:2930 2860 1600
1490 1450 1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.22(ヘキ
サン:酢酸エチル=10:1)
【0042】実施例71,3-ジベンジル-2-[5-(o,p-ジニトロフェニル)チ
オペンチル]グリセリン の合成
【0043】
【化14】
【0044】1,3-ジベンジル-2-(5-スルフヒドリル
ペンチル)グリセリン151mg(0.403mmol)のピリジ
ン4ml溶液にジニトロフルオロベンゼン0.10ml(0.7
96mmol)を加え、室温下で30分間反応させた。クロ
ロホルムで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、淡燈
色液状の化合物188mgを得た(収率86%)。NMR
およびIR分析により標記化合物であることも確認し
た。NMRチャートのケミカルシフト、IRチャートの
波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度
を以下に示し、IRのチャートを図10に示す。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.38−2.00(6
H、m) 2.70−3.13(2H、m) 3.38−3.80(7H、m) 4.50(4H、s) 7.23(10H、s) 7.40(1H、d) 8.23(1H、dd) 8.97(1H、d) IR(KBr)cm-1:2860 1720 1590
1520 1340 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.65(ヘキ
サン:酢酸エチル=1:1)
【0045】実施例81-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(S-トリチル-5-
チオペンチル)グリセリン の合成
【0046】
【化15】
【0047】1,3-ジベンジル-2-(5-ブロモペンチ
ル)グリセリン8.50g(20.2mmol)、N,N-ジメチル
アニリン20.0ml(158mmol)のジクロロメタン200
ml溶液に無水塩化アルミニウム16.2g(121mmol)を
氷冷下で加え、室温下で1時間反応後、さらに5時間加
熱還流した。放冷後、クロロホルム−ピリジン(2:1)
で抽出し、水で洗浄した。濃縮後、シリカゲルカラムク
ロマトグラフィーによる精製を行い、淡緑色液状の化合
物2.31gを得た(収率47%)。NMRおよびIR分
析により下記式で示される
【0048】
【化16】
【0049】2-(5-ブロモペンチル)グリセリンである
ことを確認した。該化合物のNMRチャートのケミカル
シフト、IRチャートの波数およびシリカゲル薄層クロ
マトグラフィーの移動度を以下に示し、NMRチャート
を図11にIRチャートを図12に示した。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.10−2.60(8
H、m) 3.17−3.90(9H、m) IR(KBr)cm-1:3340 2920 1470
1080 970 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.34(クロ
ロホルム:メタノール=10:1)
【0050】上で得られた2-(5-ブロモペンチル)グリ
セリン12.4g(51.4mmol)、N,N-ジイソプロピルエ
チルアミン13.5ml(77.5mmol)のジクロロメタン50
ml溶液に4,4'-ジメトキシトリチルクロリド18.3g
(54.0mmol)のジクロロメタン150ml溶液を氷冷下で
滴下し、室温下で5時間反応後、クロロホルムで抽出
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫
酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィーによる精製を行い、淡黄色液状の化合物
I、20.1gを得た(収率72%)および淡黄色液状の
化合物II、5.90gを得た(収率14%)。NMRおよ
びIR分析により下記式で示される
【0051】
【化17】
【0052】1,3-ビス-(4,4'-ジメトキシトリチル)
-2-(5-ブロモペンチル)グリセリンおよび、
【0053】
【化18】
【0054】1-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(5-
ブロモペンチル)グリセリンであることを確認した。こ
れらの化合物のNMRチャートのケミカルシフト、IR
チャートの波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフィ
ーの移動度を以下に示し、。 1,3-ビス-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(5-ブロ
モペンチル)グリセリン1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.20−2.08(6
H、m) 2.97−3.90(21H、m) 6.53−6.90(8H、m) 6.97−7.50(18H、m) シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.50(ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1) 1-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(5-ブロモペンチ
ル)グリセリン1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.20−2.20(7
H、m) 2.97−3.90(15H、m) 6.60−6.93(4H、m) 7.05−7.55(9H、m) IR(KBr)cm-1:3450 2930 1610
1510 1250 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.27(ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1) なお、この化合物のNMRチャートを図13に示した。
【0055】1,3-ビス-(4,4'-ジメトキシトリチル)
-2-(5-ブロモペンチル)グリセリン5.03g(5.95mm
ol)、トリチルチオール1.73g(6.26mmol)のN,N-
ジメチルホルムアミド30ml溶液に60%油性水素化ナ
トリウム260mg(6.50mmol) を加え、室温下で2.5
時間反応させた。ヘキサン−酢酸エチル(1:1)で抽出
し、水および飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥、濃縮後、ジクロロメタン50mlに溶解し、
攪拌しながらジクロロ酢酸4.50ml(54.3mmol)のジク
ロロメタン25ml溶液を滴下した。室温下で30分間反
応させた後、10%炭酸ナトリウム水溶液100mlで洗
浄した。無水硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮後、シリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、淡黄
色液状の化合物840mgを得た(収率19%)。NMR
およびIR分析により標記化合物であることを確認し
た。NMRチャートのケミカルシフト、IRチャートの
波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度
を以下に示し、IRチャートを図14に示した。1 H−NMR(CDCl3 )δ:1.10−1.68(6
H、m) 1.83−2.30(3H、m) 3.00−3.83(13H、m) 6.62−6.92(4H、m) 7.03−7.57(24H、m) IR(KBr)cm-1:3450 2930 1510
1250 1180 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.44(ヘキ
サン:酢酸エチル=2:1)
【0056】実施例91,3-ジベンジル-2-(S-ビオチニル-5-チオペンチ
ル)グリセリン の合成
【0057】
【化19】
【0058】1,3-ジベンジル-2-(5-ベンゾイルチオ
ペンチル)グリセリン1.00g(2.09mmol)のエタノー
ル30ml溶液に水酸化ナトリウム800mg(20.0mmol)
の水10ml溶液を加え、室温下で3.5時間反応させた
後、クロロホルムで抽出し、水および飽和食塩水で洗浄
した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、N,N-ジメ
チルホルムアミド10mlに溶解し、ビオチン-N-ヒドロ
キシスクシイミドエステル800mg(2.34mmol)、およ
びN,N-ジメチルアミノピリジン250mg(2.05mmol)
を加え、55℃で3.5時間攪拌した後、クロロホルムで
抽出し、10%炭酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水
で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮後、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、無
色液状の化合物291mgを得た(収率28%)。NMR
およびIR分析により標記化合物であることも確認し
た。NMRチャートのケミカルシフト、IRチャートの
波数およびシリカゲル薄層クロマトグラフィーの移動度
を以下に示し、NMRのチャートを図15に、IRのチ
ャートを図16に示した。1 H−NMR(CDCl3 )δ:0.90−2.00(12
H、m) 2.08−3.27(7H、m) 3.37−3.77(7H、m) 4.08−4.58(6H、m) 5.50−5.75(1H、br) 5.93−6.22(1H、br) 7.26(10H、s) IR(KBr)cm-1:3220 2930 2860
1700 1100 シリカゲル薄層クロマトグラフィーRf:0.51(クロ
ロホルム:メタノール=10:1)
【0059】
【発明の効果】本発明で提供されるグリセリン誘導体
は、例えばDNA、RNAなどのオリゴマー中の任意の
位置に、任意の数のカルボキシルリンカー、チオールリ
ンカー、あるいは非同位体標識を導入することを可能と
し、核酸塩基部に導入する方法に比べて、核酸本来の機
能を損なう可能性が低くいという優れた効果を奏するも
ので、利用価値の高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のグリセリン誘導体の原料として合成し
た1,3-ジベンジル-3-(4-シアノブチル)-グリセリン
のNMRチャート。
【図2】本発明のグリセリン誘導体の原料として合成し
た1,3-ジベンジル-2-(5-ブロモペンチル)グリセリ
ンのNMRチャート。
【図3】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベン
ジル-2-(4-カルボキシブチル)グリセリンのNMRチ
ャート。
【図4】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベン
ジル-2-[4-(エチル)ペンタノエート]グリセリンのN
MRチャート。
【図5】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベン
ジル-2-[4-(p-ニトロベンジル)ペンタノエート]グリ
セリンのNMRチャート。
【図6】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベン
ジル-2-(5-ベンゾイルチオペンチル)グリセリンのN
MRチャート。
【図7】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベン
ジル-2-(5-ベンゾイルチオペンチル)グリセリンのI
Rチャート。
【図8】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベン
ジル-2-(5-トリチルチオペンチル)グリセリンとして
実験例7で合成した化合物のNMRチャート。
【図9】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベン
ジル-2-(5-トリチルチオペンチル)グリセリンのIR
チャート。
【図10】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベ
ンジル-2-[5-(o,p-ジニトロフェニル)チオペンチ
ル]グリセリンのIRチャート。
【図11】本発明のグリセリン誘導体の原料として合成
した2-(5-ブロモペンチル)グリセリンのNMRチャー
ト。
【図12】本発明のグリセリン誘導体の原料として合成
した2-(5-ブロモペンチル)グリセリンのIRチャー
ト。
【図13】本発明のグリセリン誘導体の原料として合成
した1-(4,4'-ジメトキシトリチル)-2-(5-ブロモペ
ンチル)グリセリンのNMRチャート。
【図14】本発明のグリセリン誘導体である1-(4,4'
-ジメトキシトリチル)-2-(S-トリチル-5-チオペンチ
ル)グリセリンのIRチャート。
【図15】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベ
ンジル-2-(S-ビオチニル-5-チオペンチル)グリセリ
ンのNMRチャート。
【図16】本発明のグリセリン誘導体である1,3-ジベ
ンジル-2-(S-ビオチニル-5-チオペンチル)グリセリ
ンのIRチャート。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(I)で示されるグリセリン誘
    導体。 【化1】 但し、式中のR1、R2は水酸基の保護基または水素原
    子、R3は、保護基または非同位体標識を有するか有さ
    ないチオール基またはカルボキシル基を示し、nは4以
    上の任意の整数を示す。
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