JP3485023B2 - ヌクレオシド化合物 - Google Patents

ヌクレオシド化合物

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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は新規なヌクレオシド
化合物に関するものであり、本発明のヌクレオシド化合
物は、例えば、オリゴデオキシリボヌクレオチドの製造
中間原料として有機合成化学、生化学および医薬産業
上、有用な化合物である。 【0002】 【従来の技術】これまでのオリゴデオキシリボヌクレオ
チドおよびオリゴリボヌクレオチドの合成に関しては、
固相合成法が採用されている。この方法は、各種有機溶
剤に不要な固相担体上で、逐次、DNA鎖もしくはRN
A鎖を伸長させていくものである。上記固相合成法に
は、鎖長を伸長させる際、過剰に用いた試薬や溶媒等が
容易に除去できるという利点があり、そのため必要に応
じて過剰の試薬を用いることによって各素反応を100
%近く進行させ、所望の配列を有するオリゴデオキシリ
ボヌクレオチドおよびオリゴリボヌクレオチドを製造す
ることができる。DNA鎖あるいはRNA鎖を伸長させ
るためのヌクレオチド試薬としては、ケスターらが開発
したβ−シアノホスホロアミダイトを用い、固相担体と
しては多孔質ガラスを用いることが一般的である[エイ
チ・ケスター(H. Kster)ら、テトラヘドロン・レター
ズ(Tetrahedron Lett.),52, 5843(1983). および
特許協力条約(PCT) WO97/42202を参照]。しかしなが
ら、上記の従来法には大きな制約がある。1つは固相上
での精密な反応制御が極めて難しいため、所望の反応規
模で設計する際には、その条件設定に多大な困難さを伴
うことである。また、使用する多孔質ガラスは極めて高
価である。さらに、過剰に試薬を用いることが基本であ
るため、大量にオリゴデオキシリボヌクレオチド類を得
たい場合、経済的に極めて不利になる。具体的には、多
孔質ガラスを利用して、1ミリモルを上回るような規模
に反応を設計し実施することは、技術的に容易なことで
はなく、多大なコストを要することになる。これらの問
題は、近年、オリゴデオキシリボヌクレオチド類を医薬
品用途で利用しようとした場合、その供給が事実上困難
なことを意味しており、深刻な問題とされている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、オリ
ゴデオキシリボヌクレオチドおよびオリゴリボヌクレオ
チドの製造において、より入手が容易な固相担体を利用
して、大量にオリゴヌクレオチド類を得るための出発原
料、あるいは鎖長を伸長する基本構成単位(ビルディン
グブロック)として利用でき、オリゴヌクレオチド製造
上の中間生成物の分離・精製を容易にすることができる
新規なヌクレオシド化合物を提供することである。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を行った結果、ヌクレオシドの保
護基部分にポリエチレングリコール(PEG)が導入さ
れたヌクレオシド化合物をオリゴデオキシリボヌクレオ
チドの製造に利用した場合、上記課題が解決されること
を見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発
明は、下記式(1)で表されるヌクレオシド化合物であ
る。 【0005】 【化3】 【0006】(式中、R1およびR2は水素原子またはヌ
クレオチド化学において通常用いられる保護基を示し、
3は水素原子、水酸基、アルコキシ基またはトリアル
キルシリルオキシ基を示し、Aは2価基でアリレン基ま
たはヘテロ原子を含んでもよい直鎖もしくは分岐鎖を含
むアルキレン基を示し、Bは下記式(2)のいずれかの
基を示し、nは3以上の整数を示す) 【0007】 【化4】 【0008】 【発明の実施の形態】本発明におけるヌクレオシド化合
物は、前記式(1)で表されるように、核酸塩基のアミ
ノ基またはイミノ基の保護基に、ポリエチレングリコー
ル鎖を含むことを特徴とする化合物である。前記式
(1)におけるBとしては、前記式(2)で表されるア
デニン、グアニン、シトシン、チミンおよびウラシルの
誘導体が挙げられる。また、R1およびR2におけるヌク
レオチド化学において通常用いられる保護基としては、
4、4’−ジメトキシトリチル基、トリメチルシリル基
およびt−ブチルジメチルシリル基などが挙げられ、A
としてはフェニレン基、メチレン基およびジメチルエチ
レン基などが挙げられる。 【0009】本発明におけるヌクレオシド化合物は、例
えば、下記式(3)で表されるヌクレオシドと下記式
(4)で表されるポリエチレングリコールのカルボン酸
誘導体から製造することができる。 【0010】 【化5】 【0011】(式中、BおよびR3は前記式(1)と同
じである) 【0012】 【化6】 【0013】(式中、Xはハロゲン原子、アシルオキシ
基またはアゾリル基を示し、Aおよびnは前記式(1)
と同じである) 【0014】また、前記式(3)で表される水酸基をト
リメチルシリル基で保護したヌクレオシドは、下記の方
法により製造することができる。即ち、ピリジン共沸を
施したデオキシリボヌクレオシドを不活性ガス雰囲気
下、ピリジンに懸濁させ、3〜5当量のトリメチルクロ
ロシランを、0℃〜室温の条件で、15〜30分反応さ
せる。この反応混合物は精製すること無く、次反応に用
いれば良い[ジー・エス・チー(G. S. Ti)ら、ジャー
ナルオブアメリカンケミカルソサイヤティー(J.Amer.
Chem. Soc.),104, 1316(1982). を参照]。また、
前記式(4)に示したポリエチレングリコールのカルボ
ン酸誘導体は、以下の方法で製造することができる。ま
ず、市販のポリエチレングリコールモノメチルエーテル
を水酸化ナトリウムの存在下、トシルクロリドと反応さ
せることにより、ポリエチレングリコールモノメチルエ
ーテルのトシル化物を得る。次いで、炭酸カリウム、カ
リウム−tert−ブトキシドおよび水素化ナトリウム
等の塩基の存在下、上記トシル化物とアルコールもしく
はフェノール性水酸基を有するエステル類、例えば、4
−ヒドロキシ安息香酸メチル、グルコール酸メチル等を
アセトニトリルまたはテトラヒドロフラン中で加熱還流
すると、トシル化物はエーテル化物に変換し、これをア
ルカリ加水分解することによって、末端にカルボキシル
基を有するポリエチレングリコールモノメチルエーテル
が得られる。上記で得られたポリエチレングリコール誘
導体を塩化チオニルと加熱処理して酸クロリドとする
か、3級アミンの存在下、塩化ピバロイルと反応させ混
酸無水物とするか、またはN,N’−カルボジイミダゾ
ールと反応させアゾール誘導体とする。 【0015】上記で得られた前記式(4)で表されるポ
リエチレングリコールのカルボン酸誘導体を、不活性ガ
ス雰囲気下、水酸基を保護したヌクレオシドと0℃〜4
0℃の温度範囲で2時間から24時間程度反応させ、さ
らに、水酸基の脱保護を行えば、核酸塩基のアミノ基あ
るいはイミノ基の保護基としてポリエチレングリコール
を含む本発明のヌクレオシド化合物が得られる。なお、
イミノ基の保護基として導入する場合は、この反応にお
いて3級アミン、例えば、ジイソプロピルエチルアミン
を共存させると、速やかに反応が進行する。 【0016】上記で得られるヌクレオシド化合物の生成
は、薄層クロマトグラフィーなどで確認でき、1H−核
磁気共鳴(NMR)スペクトルを測定することによっ
て、その構造を同定することができる。 【0017】本発明におけるヌクレオシド化合物は新規
化合物であり、この化合物はアセトニトリル、テトラヒ
ドロフラン、ピリジンおよび有機塩素系溶媒などには可
溶であり、これらポリエチレングリコールに対する良溶
媒を用いれば、種々の反応はすべて完全な溶液として実
施することが可能である。前記ヌクレオシド化合物は、
核酸塩基部分に導入したポリエチレングリコール鎖の性
質に従い、その溶解性を変化させることができる。ポリ
エチレングリコールモノメチルエーテルの数平均分子量
が1,500以上の場合、特にエーテル類に難溶とな
る。このためヌクレオシド化合物やその誘導体を含む溶
液に、例えば、ジエチルエーテルまたはジイソプロピル
エーテルを適量加えると、それらが沈澱し、容易に回収
することができる。また、ポリエチレングリコールモノ
メチルエーテルの数平均分子量が1,500以上の場合
はエタノールまたは2−プロパノールで再結晶し、回収
することも有効であり、高純度のものが回収できる。な
お、本発明のヌクレオシド化合物はオリゴヌクレオチド
類の合成に対して、末端出発原料としても、ヌクレオチ
ド鎖を構築するビルディングブロックとしても利用する
ことができる。 【0018】 【実施例】以下、実施例により本発明の化合物について
詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。実施例1から6では数平均分子量35
0の、実施例7には数平均分子量2,000のポリエチ
レングリコールモノメチルエーテルを用いた場合の実施
例を記載した。 【0019】(合成例1)トシル−モノメトキシポリエ
チレングリコール CH3O(CH2CH2O)nSO264CH3 数平均分子量(Mn)350のモノメトキシポリエチテ
ングリコール(81g,0.23mol)をテトラヒド
ロフラン(80ml)に溶解し、5N水酸化ナトリウム
水溶液(80ml)を加え0℃に冷却した。この溶液に
テトラヒドロフラン(80ml)に溶解したp−トルエ
ンスルホニルクロリド(60g,0.31mol)を5
℃以下を維持しながら2時間かけて滴下した。滴下終了
後さらに2時間攪拌し、反応液を氷水(200ml)に
投入した。クロロホルム(3×200ml)で抽出し、
有機層を水洗(3×200ml)、飽和食塩水(300
ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。こ
の溶液の溶媒を留去するとトシル−モノメトキシポリエ
チレングリコールが得られた(114g,収率98.3
%)。なお、得られた化合物の1H NMR(400M
Hz,CDCl3)は、δ=7.80(d,J=8.0
Hz,2H,ArH),7.35(d,J=8.0H
z,2H,ArH),4.16(t,J=4.8Hz,
2H,SO3CH2),3.80−3.50(m),3.
38(s,3H,OCH3),2.25(s,3H,A
rCH3)であった。 【0020】(合成例2)安息香酸−モノメトキシポリ
エチレングリコール CH3O(CH2CH2O)n64COOH 合成例1で得たトシル−モノメトキシポリエチレングリ
コール(114g,0.226mol)を無水アセトニ
トリル溶液(1000ml)に溶解し、これに4−ヒド
ロキシ安息香酸メチル(76g,0.50mol)と炭
酸カリウム(69g,0.50mol)を加えた。この
懸濁液をアルゴン気流下、2時間加熱還流し、放冷後氷
水500mlに加えた。クロロホルム(4×500m
l)で抽出し、有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液
(3×300ml)で洗浄、水洗(500ml)し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去
すると安息香酸メチル−モノメトキシポリエチレングリ
コールが得られた(109g,収率98.7%)。得ら
れた化合物の1H NMR(400MHz,CDCl3
は、δ=7.98(d,J=8.8Hz,2H,Ar
H),6.93(d,J=8.8Hz,2H,Ar
H),4.18(t,J=4.8Hz,2H,ArOC
2),3.88(s,3H,CO2CH3),3.87
(t,J=4.8Hz,2H,OCH2),3.85−
3.50(m),3.38(s,3H,OCH3)であ
った。上記で得られた安息香酸メチル−モノメトキシポ
リエチレングリコール(109g,0.225mol)
を1N水酸化ナトリウム(1000ml)に溶解させ、
室温下、1終夜攪拌した。反応液はジエチルエーテル
(3×300ml)で洗浄し、水層に濃塩酸160ml
を加えて酸性とし、クロロホルム(3×300ml)で
抽出した。有機層は水洗(500ml)し、無水硫酸マ
グネシウムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去すると安
息香酸−モノメトキシポリエチレングリコールが得られ
た(104g,収率98.3%)。得られた化合物の1
H NMR(400MHz,CDCl3)は、δ=8.
02(d,J=8.8Hz,2H,ArH),6.94
(d,J=8.8Hz,2H,ArH),4.20
(t,J=4.8Hz,2H,ArOCH2),3.8
8(t,J=4.8Hz,2H,OCH2),3.80
−3.50(m),3.38(s,3H,OCH3)で
あった。 【0021】(合成例3)安息香酸クロリド−モノメト
キシポリエチレングリコール CH3O(CH2CH2O)n64COCl 合成例2で得られた安息香酸−モノメトキシポリエチレ
ングリコール(10g,21.3mmol)を無水トル
エン(40ml)に懸濁させ、ここに塩化チオニル(1
0ml)を加えた。アルゴン気流下、30分加熱還流
し、過剰の塩化チオニルと溶媒を留去すると、安息香酸
クロリド−モノメトキシポリエチレングリコールが得ら
れた。得られた化合物の1H NMR(400MHz,
CDCl3)は、δ=8.07(d,J=8.8Hz,
2H,ArH),6.99(d,J=8.8Hz,2
H,ArH),4.23(t,J=4.8Hz,2H,
ArOCH2),3.89(t,J=4.8Hz,2
H,OCH2),3.79−3.51(m),3.38
(s,3H,OCH3)であった。安息香酸クロリド−
モノメトキシポリエチレングリコールは精製せず、溶媒
留去後さらに3時間以上減圧乾燥させたものを次反応に
そのまま用いた。 【0022】(実施例1)2’−デオキシシチジンの核
酸塩基へのモノメトキシポリエチレングリコール修飾体
の導入 ピリジン共沸(2×20ml)を施した2’−デオキシ
シチジンモノ塩酸塩(13.18g,52mmol)
を、アルゴン雰囲気下、無水ピリジン(120ml)に
懸濁させ0℃に冷却した。ここにトリメチルクロロシラ
ン(19.0ml,150mmol)を添加し15分攪
拌した。合成例2に示した方法で合成した安息香酸−モ
ノメトキシポリエチレングリコール(17.60g,3
4.9mmol)から合成例3の方法で合成した安息香
酸クロリド−モノメトキシポリエチレングリコールをア
ルゴン雰囲気下、無水ピリジン(80ml)に溶解し、
これを先の反応溶液に添加し、室温にて2時間攪拌し
た。0℃に冷却し、蒸留水(10ml)添加して反応を
停止し、約1/2に濃縮した後、0℃にて30%アンモ
ニア水(20ml)を加え20分攪拌した。溶媒を留去
し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200ml)を加
え、クロロホルム(3×100ml)で抽出した。有機
層は水洗(2×200ml)し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した。この溶液の溶媒を留去し、シリカゲルカラム
クロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=10
0/5)で精製するとデオキシシチジンのPEG修飾体
が得られた(18.85g,収率82.4%)。得られ
た化合物の1H NMR(400MHz,CDCl3
は、δ=9.30(brs,1H,NH),8.41
(d,J=7.2Hz,1H,H6),7.83(d,
J=7.6Hz,2H,ArH),7.48(br,1
H,H5),6.92(d,J=7.6Hz,2H,A
rH),6.29−6.10(m,1H,H1'),
5.07(brs,1H),4.74−4.40(b
r,2H),4.27−4.00(m,3H),4.0
0−3.42(m),3.36(s,3H,OC
3),2.70−2.50(m,1H,H2"),2.
35−2.18(m,1H,H2')であった。 【0023】(実施例2)2’−デオキシアデノシンの
核酸塩基へのモノメトキシポリエチレングリコール修飾
体の導入 ピリジン共沸(2×20ml)を施した2’−デオキシ
アデノシン(5.025g,20mmol)を、アルゴ
ン雰囲気下、無水ピリジン(50ml)に懸濁させ0℃
に冷却した。ここにトリメチルクロロシラン(12.7
ml,100mmol)を添加し、室温下、15分攪拌
した。合成例2に示した方法で合成した安息香酸−モノ
メトキシポリエチレングリコール(10.0g,21.
3mmol)から、合成例3の方法で合成した安息香酸
クロリド−モノメトキシポリエチレングリコールをアル
ゴン雰囲気下、無水ピリジン(50ml)に溶解し、こ
れを先の反応溶液に添加し、1終夜攪拌した。再び0℃
に冷却し、蒸留水(10ml)添加して反応を停止し、
約1/2に濃縮した後、0℃にて30%アンモニア水
(20ml)を加え15分攪拌した。溶媒を留去し、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液を(100ml)加え、ク
ロロホルム(3×100ml)で抽出した。有機層は飽
和食塩水(100ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。この溶液の溶媒を留去し、シリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=1
00/3→100/5)で精製するとデオキシアデノシ
ンのPEG修飾体が得られた(5.50g,収率39.
1%)。得られた化合物の1HNMR(400MHz,
CDCl3)は、δ=9.42(s,1H,NH),
8.68(s,1H,H8),8.19(s,1H,H
2),7.97(d,J=8.4Hz,2H,Ar
H),6.97(d,J=8.4Hz,2H,Ar
H),6.47−6.36(m,1H,H1'),5.
79−5.65(m,1H),4.74(br,1
H),4.30−4.03(m,4H),3.97−
3.43(m),3.36(s,3H,OCH3),
2.96−2.83(m,1H,H2"),2.45−
2.35(m,1H,H2')であった。 【0024】(実施例3)2’−デオキシアデノシンの
PEG修飾体のトリチル化 ピリジン共沸(2×20ml)を施した、実施例2で得
られたデオキシアデノシンのPEG修飾体(4.643
g,6.54mmol)を、アルゴン雰囲気下、無水ピ
リジン(30ml)に溶解し0℃に冷却した。ここに
4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(3.0g,
9.0mmol)を加えて、室温下、75分攪拌した。
反応をメタノール(5ml)を加えて停止し、溶媒を留
去した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(50ml)を
加え、クロロホルム(3×50ml)で抽出し、有機層
は水洗(50ml)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。この溶液の溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/
3)で精製すると5’−ジメトキシトリチル−デオキシ
アデノシンのPEG修飾体が得られた(4.97g,収
率75.7%)。得られた化合物の1H NMR(40
0MHz,CDCl3)は、δ=9.45(brs,1
H,NH),8.66(s,1H,H8),8.16
(s,1H,H2),7.97(d,J=8.4Hz,
2H,ArH),7.42−7.08(m,9H,Ar
H),6.94(d,J=8.4Hz,2H,Ar
H),6.73(d,J=8.8Hz,4H,Ar
H),6.48(t,J=6.4Hz,1H,H
1'),4.98−4.62(m,2H),4.30−
4.08(m,3H),3.95−3.42(m),
3.34(s,3H,OCH3),2.90−2.75
(m,1H,H2"),2.68−2.46(m,1
H,H2' )であった。 【0025】(実施例4)チミジンの核酸塩基へのモノ
メトキシポリエチレングリコール修飾体の導入 ピリジン共沸(2×20ml)を施したチミジン(3.
03g,12.5mmol)を、アルゴン雰囲気下、無
水ピリジン(40ml)に懸濁させ、ジイソプロピルエ
チルアミン(10.9ml,62.5mmol)添加し
た。ここに室温下、トリメチルクロロシラン(4.0m
l,31.25mmol)を添加し30分攪拌した。合
成例3に示した方法で安息香酸−モノメトキシポリエチ
レングリコール(5.0g,10.6mmol)から調
製した安息香酸クロリド−モノメトキシポリエチレング
リコールをアルゴン雰囲気下、無水ピリジン(5ml)
に溶解し、これを先の反応溶液に添加し、1終夜攪拌し
た。再び0℃に冷却し、飽和リン酸二水素カリウム水溶
液(40ml)を添加して反応を停止し、クロロホルム
(3×100ml)で抽出した。有機層は水洗(100
ml)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液の
溶媒を留去し、無水ピリジン(40ml)に溶解、0℃
に冷却し、フッ化水素−ピリジン(10ml)をゆっく
りと滴下した。滴下後5分間攪拌し、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液(50ml)で中和した。クロロホルム
(3×100ml)で抽出し、有機層は飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液(3×100ml)で洗浄、水洗(10
0ml)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶液
の溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(クロロホルム/メタノール=100/3→100/
5)で精製するとチミジンのPEG修飾体が得られた
(6.73g,91.5%)。得られた化合物の1HN
MR(400MHz,CDCl3)は、δ=7.86
(d,J=8.8Hz,2H,ArH),7.73
(s,1H,H6),6.98(d,J=8.8Hz,
2H,ArH),6.21(m,1H,H1'),4.
39(br,1H),4.19(t,J=4.4Hz,
2H,ArOCH2),3.97−3.41(m),
3.37(s,3H,OCH3),2.38−2.12
(m,2H,H2'andH2"),1.91(s,3H,
CH3)であった。 【0026】(実施例5)チミジンのPEG修飾体のト
リチル化 ピリジン共沸(2×20ml)を施した、実施例4で得
られたチミジンのPEG修飾体(8.30g,12.0
mmol)を、アルゴン雰囲気下、無水ピリジン(50
ml)に溶解し、0℃に冷却した。ここに4,4’−ジ
メトキシトリチルクロリド(5.0g,15.0mmo
l)を加えて、室温下、3時間攪拌した。反応をメタノ
ール(5ml)で停止し、溶媒を留去した。飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液(100ml)を加え、クロロホル
ム(3×100ml)で抽出し、有機層は飽和食塩水
(100ml)で洗浄、水洗(100ml)し、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去し、シ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メ
タノール=100/3)で精製すると5’−ジメトキシ
トリチル−チミジンのPEG修飾体が得られた(7.2
0g,収率60%)。得られた化合物の1H NMR
(400MHz,CDCl3)は、δ=7.85(d,
J=8.8Hz,2H,ArH),7.73(s,1
H,H6),7.41(d,J=7.2Hz,2H,A
rH),7.38−7.20(m,7H,ArH),
6.93(d,J=8.8Hz,2H,ArH),6.
84(d,J=7.2Hz,4H,ArH),6.37
(t,J=6.8Hz,1H,H1'),4.55(b
r,1H),4.15(t,J=4.8Hz,2H,A
rOCH2),4.03(br,1H),3.84
(t,J=4.8Hz,2H,OCH2),3.78
(s,6H,ArOCH3),3.72−3.41
(m),3.35(s,3H,OCH3),2.42−
2.25(m,2H,H2' andH2"),1.43
(s,3H,CH3)であった。 【0027】(合成例4)フェニル酢酸−モノメトキシ
ポリエチレングリコール CH3O(CH2CH2O)n64CH2COOH トシル−モノメトキシポリエチレングリコール(60
g,0.12mol)を無水アセトニトリル(400m
l)に溶解し、4−ヒドロキシフェニル酢酸メチル(3
3g,0.20mol)と炭酸カリウム(28g,0.
20mol)を加えた。この懸濁液をアルゴン気流下、
18時間加熱還流し、放冷後氷水(300ml)に加え
た。クロロホルム(3×200ml)で抽出し、有機層
を1N水酸化ナトリウム水溶液(2×200ml)で洗
浄、水洗(200ml)の後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥した。この溶液の溶媒を留去するとフェニル酢酸メ
チル−モノメトキシポリエチレングリコールが得られた
(55.8g,収率94%)。フェニル酢酸メチル−モ
ノメトキシポリエチレングリコール(55.8g,0.
11mol)を1N水酸化ナトリウム(500ml)に
溶解し、室温下、1終夜攪拌した。反応液はジエチルエ
ーテル(2×200ml)で洗浄し、水相に濃塩酸(8
0ml)を加えて酸性とし、クロロホルム(3×200
ml)で抽出した。有機相は水洗(200ml)し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去
するとフェニル酢酸−モノメトキシポリエチレングリコ
ールが得られた(50.8g、収率93%)。得られた
化合物の1H NMR(400MHz,CDCl3)は、
δ=7.18(d,J=8.0Hz,2H,ArH),
6.86(d,J=8.0Hz,2H,ArH),4.
10(t,J=5.2Hz,2H,ArOCH2),
3.83(t,J=5.2Hz,2H,OCH2),
3.79−3.58(m),3.55(s,2H,Ar
CH2),3.37(s,3H,OCH3)。13C NM
R(100MHz,CDCl3)δ=176.0(C=
O),157.9(ArC),130.3(ArC),
126.0(ArC),114.7(ArC),71.
9,70.8,70.6,70.5,70.4,69.
8,67.4,58.9(OCH3),40.1(Ar
CH2)であった。 【0028】(合成例5)グルコール酸−モノメトキシ
ポリエチレングリコール CH3O(CH2CH2O)nCH2COOH カリウム−tert−ブトキシド(12.43g,11
0mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(100m
l)に、0℃、アルゴン雰囲気下、グルコール酸メチル
(7.7ml,100mmol)加えた。30分攪拌し
た後、無水テトラヒドロフラン(100ml)に溶解し
たトシル−モノメトキシポリエチレングリコール(3
7.2g,73.8mmol)を加え、1終夜加熱還流
した。反応液を氷水(200ml)に投入し、クロロホ
ルム(3×200ml)で抽出した。有機層は1N水酸
化ナトリウム水溶液(2×200ml)で洗浄、水洗
(200ml)の後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、
溶液の溶媒を留去するとグルコール酸メチル−モノメト
キシポリエチレングリコールが得られた(17.30
g,収率55.5%)。グルコール酸メチル−モノメト
キシポリエチレングリコール(17.30g,41mm
ol)を1N水酸化ナトリウム(200ml)に溶解
し、室温下、1終夜攪拌した。反応液はジエチルエーテ
ル(2×200ml)で洗浄し、水相に濃塩酸(20m
l)を加えて酸性とし、クロロホルム(3×150m
l)で抽出した。有機相は水洗(100ml)し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム/メタノール=100/5)で精製するとグルコール
酸−モノメトキシポリエチレングリコールが15.42
g(収率92%)得られた。得られた化合物の1H N
MR(400MHz,CDCl3)は、δ=4.16
(s,2H,CH2CO),3.90−3.45
(m),3.38(s,3H,OCH3)であった。 【0029】(合成例6)ヒドロキシピバリン酸−モノ
メトキシポリエチレングリコール CH3O(CH2CH2O)nCH2C(CH3)COOH カリウム−tert−ブトキシド(14.67g,12
0mmol)を含むテトラヒドロフラン溶液(100m
l)に、0℃、アルゴン雰囲気下、ヒドロキシピバリン
酸メチル(12.8ml,100mmol)を加えた。
30分攪拌した後、無水テトラヒドロフラン溶液100
mlに溶解したトシル−モノメトキシポリエチレングリ
コール(40g,80mmol)を加え、15時間加熱
還流した。反応液を氷水(200ml)に投入し、クロ
ロホルム(3×200ml)で抽出した。有機相は1N
水酸化ナトリウム水溶液(2×200ml)で洗浄、水
洗(200ml)、飽和食塩水(200ml)で洗浄の
後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液の溶媒
を留去するとヒドロキシピバリン酸メチル−モノメトキ
シポリエチレングリコールが得られた(35.5g,収
率95.6%)。ヒドロキシピバリン酸メチル−モノメ
トキシポリエチレングリコール(48g,103mmo
l)を1N水酸化ナトリウム(500ml)に溶解し、
室温下、1終夜攪拌した。反応液はジエチルエーテル
(3×100ml)で洗浄し、水相に濃塩酸(80m
l)を加えて酸性とし、クロロホルム(3×200m
l)で抽出した。有機相は水洗(200ml)し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム/メタノール=100/5)で精製するとヒドロキシ
ピバリン酸−モノメトキシポリエチレングリコールが得
られた(35.5g,収率76.6%)。得られた化合
物の1H NMR(400MHz,CDCl3)は、δ=
3.92−3.45(m),3.38(s,3H,OC
3),1.20(s,6H,CH3)であった。 【0030】(実施例6)2’−デオキシグアノシンの
核酸塩基へのモノメトキシポリエチレングリコール修飾
体の導入及びそのトリチル化 ピリジン共沸(2×20ml)を施したデオキシグアノ
シン(2.85g,10mmol)を、0℃、アルゴン
雰囲気下、無水ピリジン(40ml)に懸濁させ、トリ
メチルクロロシラン(6.3ml,50mmol)を添
加し室温で30分攪拌した。別に良く乾燥したグルコー
ル酸−モノメトキシポリエチレングリコール(4.16
g,10mmol)をアルゴン雰囲気下、無水アセトニ
トリル(20ml)に溶解し、トリエチルアミン(1.
0ml,10mmol)と塩化ピバロイル(1.23m
l,10mmol)を室温で加え、30分攪拌した。こ
の反応溶液を先のヌクレオシドの溶液に加え、更に3時
間攪拌した。反応液は0℃として蒸留水(5ml)を加
えて反応を停止し、溶媒を約1/2減圧留去した後、0
℃で30%アンモニア水(5ml)を加え15分攪拌し
た。溶媒を減圧留去し、飽和食塩水(50ml)加え、
クロロホルム(4×50ml)で抽出した。有機層は飽
和食塩水(100ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。この溶液の溶媒を留去し、ピリジン共沸
(3×20ml)を施した後、無水ピリジン(50m
l)に溶解し、0℃で4,4'−ジメトキシトリチルクロ
リド(3.38g,10.0mmol)を加えて、室温
下、75分攪拌した。反応はメタノール(5ml)で停
止し、溶媒を留去した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
(100ml)を加え、クロロホルム(3×100m
l)で抽出し、有機層は飽和食塩水(100ml)で洗
浄、水洗(100ml)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。この溶液の溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/
3)で精製すると5'−ジメトキシトリチル−デオキシ
グアノシンのPEG修飾体が得られた(5.94g,収
率61%)。得られた化合物の1H NMR(400M
Hz,CDCl3)は、δ=11.95(brs,1
H,NH),10.02(brs,1H,NH),8.
32(s,1H,H8),6.29(t,J=4.4H
z,1H,H1'),5.05−4.60(br,3
H),4.26(s,1H,CH2),4.12−3.
42(m),3.37(s,1H,CH3),2.69
−2.42(m,2H,H2' andH2")であった。 【0031】(合成例7)トシル−モノメトキシポリエ
チレングリコール CH3O(CH2CH2O)nSO264CH3 数平均分子量(Mn)2,000のモノメトキシポリエ
チテングリコール(250g,0.125mol)をテ
トラヒドロフラン(300ml)に溶解し、2.5N水
酸化ナトリウム水溶液(80ml)を加え0℃に冷却し
た。この溶液にテトラヒドロフラン(80ml)に溶解
したp−トルエンスルホニルクロリド(30g,0.2
0mol)を5℃以下を維持しながら1時間かけて滴下
した。滴下終了後さらに3時間攪拌し、反応液を氷水
(500ml)に投入した。クロロホルム(3×400
ml)で抽出し、有機層を水洗(2×400ml)、飽
和食塩水(400ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去するとトシル−モ
ノメトキシポリエチレングリコールが得られた(260
g,収率96.7%)。得られた化合物の1H NMR
(400MHz,CDCl3)は、δ=7.60(d,
J=8.0Hz,2H,ArH),7.35(d,J=
8.0Hz,2H,ArH),4.16(t,J=4.
8Hz,2H,SO3CH2),3.82−3.45
(m),3.38(s,3H,OCH3),2.45
(s,3H,ArCH3)であった。 【0032】(合成例8)安息香酸−モノメトキシポリ
エチレングリコール CH3O(CH2CH2O)n64COOH トシル−モノメトキシポリエチレングリコール(260
g,0.121mol)を無水アセトニトリル(750
ml)に溶解し、これに4−ヒドロキシ安息香酸メチル
(38g,0.25mol)と炭酸カリウム(35g,
0.25mol)を加えた。この懸濁液をアルゴン気流
下、2時間加熱還流し、放冷後氷水(500ml)に加
えた。クロロホルム(1×600ml,2×200m
l)で抽出し、有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液
(5×400ml)、飽和食塩水(400ml)で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液の溶媒
を留去すると安息香酸メチル−モノメトキシポリエチレ
ングリコールが得られた(250g,収率96.8
%)。得られた化合物の1H NMR(400MHz,
CDCl3)は、δ=7.98(d,J=8.8Hz,
2H,ArH),6.93(d,J=8.8Hz,2
H,ArH),4.18(t,J=4.8Hz,2H,
ArOCH2),3.91−3.85(m,5H,CO2
CH3andOCH2),3.85−3.43(m),3.
38(s,3H,OCH3)であった。13C NMR
(100MHz,CDCl3)は、δ=166.8(C
=O),162.5(ArC),131.5(Ar
C),122.7(ArC),114.2(ArC),
71.9,70.9,70.6,70.3,70.2,
69.9,67.6,59.0(OCH3),51.8
(CO2CH3)であった。安息香酸メチル−モノメトキ
シポリエチレングリコール(250g,0.117mo
l)を1N水酸化ナトリウム(500ml)に溶解し、
室温下、1終夜攪拌した。反応液はジエチルエーテル
(3×300ml)で洗浄し、水層に濃塩酸(80m
l)を加えて酸性とし、ジエチルエーテル(5×300
ml)で洗浄、水層よりクロロホルム(3×500m
l)で抽出した。有機層を水洗(500ml)し、無水
硫酸マグネシウムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去
し、残査を2−プロパノールから再結晶(3回)すると
安息香酸−モノメトキシポリエチレングリコールが得ら
れた(210g,収率83.9%)。得られた化合物の
1HNMR(400MHz,CDCl3)は、δ=8.0
1(d,J=8.8Hz,2H,ArH),6.94
(d,J=8.8Hz,2H,ArH),4.20
(t,J=4.8Hz,2H,ArOCH2),3.8
8(t,J=4.8Hz,2H,ArOCH2),3.
85−3.43(m),3.38(s,3H,OC
3)であった。安息香酸−モノメトキシポリエチレン
グリコール(25g,11.8mmol)を無水トルエ
ン(50ml)に懸濁させ、ここに塩化チオニル(10
ml)を加えた。アルゴン気流下、45分加熱還流し、
過剰の塩化チオニルと溶媒を留去すると、安息香酸クロ
リド−モノメトキシポリエチレングリコールが得られ
た。安息香酸クロリド−モノメトキシポリエチレングリ
コールは精製せず、溶媒留去後さらに1終夜減圧乾燥さ
せたものを次反応にそのまま用いた。 【0033】(実施例7)2’−デオキシシチジンの核
酸塩基へのモノメトキシポリエチレングリコール修飾体
の導入 ピリジン共沸(2×20ml)を施した2’−デオキシ
シチジンモノ塩酸塩(3.955g,15mmol)
を、アルゴン雰囲気下、無水ピリジン(40ml)に懸
濁させ、0℃に冷却した。ここにトリメチルクロロシラ
ン(9.5ml,75mmol)を添加し20分攪拌し
た。合成例8に示した方法で安息香酸−モノメトキシポ
リエチレングリコール(25.0g,11.8mmo
l)から調製した安息香酸クロリド−モノメトキシポリ
エチレングリコールをアルゴン雰囲気下、無水ピリジン
(50ml)に溶解し、これを先の反応溶液に添加し、
室温にて2.5時間攪拌した。0℃に冷却し、蒸留水
(10ml)を添加して反応を停止し、溶媒を減圧留去
して約1/2に濃縮した後、再び0℃に冷却し、30%
アンモニア水(10ml)を加え15分攪拌した。溶媒
を留去し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100m
l)を加え、クロロホルム(3×100ml)で抽出し
た。有機層は水洗(2×100ml)し、無水硫酸ナト
リウムで乾燥した。この溶液の溶媒を留去し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノー
ル=100/2→100/5)で精製するとデオキシシ
チジンのPEG修飾体が得られた(5.470g,収率
20%)。得られた化合物の1H NMR(400MH
z,CDCl3)は、δ=9.00(brs,1H,N
H),8.46(d,J=8.0Hz,1H,H6),
7.87(d,J=8.8Hz,2H,ArH),7.
52(br,1H,H5),6.98(d,J=8.8
Hz,2H,ArH),6.22(t,J=5.6H
z,1H,H1'),4.58−4.50(br,2
H),4.36−4.15(m,3H),4.10−
3.41(m),3.38(s,3H,OCH3),
2.62−2.52(m,1H,H2"),2.37−
2.23(m,1H,H2')であった。 【0034】 【発明の効果】本発明のヌクレオシド化合物は、オリゴ
デオキシリボヌクレオチドおよびオリゴリボヌクレオチ
ドの製造において、ヌクレオチド鎖を構築する際の出発
原料として、あるいは鎖長を伸長する基本構成単位とし
て利用できる。本発明のヌクレオシド化合物は、これら
はポリエチレングリコールの良溶媒に対して可溶である
ことから、均一系での反応の実施が可能であり、従来の
固相法と比較すると、反応規模の調節は格段に容易にで
き、また、ヌクレオチド鎖構築において化学量論的反応
の実施も可能であるので、大過剰の試薬類の使用は必要
がなくなり、経済的にも有用性が認められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Nucleic Acids Res earch,1989年,Vol.17, N o.12,p.4863−4871 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 19/06 - 19/10 C07H 19/16 - 19/207 C07H 21/00 - 21/04 REGISTRY(STN) CA(STN) CAOLD(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】下記式(1)で表されるヌクレオシド化合
    物。 【化1】 (式中、R1およびR2は水素原子またはヌクレオチド化
    学において通常用いられる保護基を示し、R3は水素原
    子、水酸基、アルコキシ基またはトリアルキルシリルオ
    キシ基を示し、Aは2価基でアリレン基またはヘテロ原
    子を含んでもよい直鎖もしくは分岐鎖を含むアルキレン
    基を示し、Bは下記式(2)のいずれかの基を示し、n
    は3以上の整数を示す) 【化2】
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