JPH06100376A - β−サイアロン質焼結体及びその製造方法 - Google Patents

β−サイアロン質焼結体及びその製造方法

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JPH06100376A
JPH06100376A JP4277816A JP27781692A JPH06100376A JP H06100376 A JPH06100376 A JP H06100376A JP 4277816 A JP4277816 A JP 4277816A JP 27781692 A JP27781692 A JP 27781692A JP H06100376 A JPH06100376 A JP H06100376A
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JP
Japan
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sialon
sintered body
rare earth
phase
grain boundary
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JP4277816A
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English (en)
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Kazusuke Minamizawa
一右 南澤
Norikazu Sashita
則和 指田
Tatsuya Shiogai
達也 塩貝
Kazunari Suzuki
一成 鈴木
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Nihon Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温域での強度が高いβ−サイアロン質焼結
体を提供すること。 【構成】 焼結助剤として式:M23(Mは稀土類元
素)で表される稀土類酸化物を添加したβ−サイアロン
質焼結体において、粒界相がM3Al512の結晶相から
成るβ−サイアロン質焼結体。上記M3Al512の結晶
相を生成させる手段として、焼結後1350〜1650℃で0.5
〜24時間保持する結晶化熱処理を行う。 【効果】 粒界相にM3Al512の結晶相を生成させる
ことにより、高温域での強度、特に1300℃を越える高温
域での強度が極めて高いβ−サイアロン質焼結体が得ら
れる。そして、本発明により高温域での高強度が要求さ
れる各種高温構造材用素材として優れた焼結体を提供す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温強度の高いβ−サ
イアロン質焼結体及びその製造方法に関し、特に1300℃
を越える高温域での強度が極めて高く、各種高温構造材
料として適用可能なβ−サイアロン質焼結体及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】β−サイアロンは、窒化けい素(Si3
4)にアルミニウム(Al)及び酸素(O)が固溶し
た化合物であり、一般式:Si6-ZAlZZ8-Z(0<
Z≦4.2)で表される化合物である。このβ−サイアロ
ン質焼結体は、機械的強度が高く、耐摩耗性、耐熱性に
優れていることから、各種耐火物材料、自動車用エンジ
ン部材、セラミックス製ガスタ−ビンエンジン部材等と
して有望視されている材料である。
【0003】このβ−サイアロンは、難焼結性であり、
このため稀土類酸化物(代表的にはY23)などの各種
焼結助剤を添加し、液相焼結する方法が提案されている
(特開昭63−303864号公報参照)。この液相焼結法で製
造されたβ−サイアロン質焼結体は、概ね1300℃以下の
温度域までは高強度を保持するものであり、このため13
00℃以下の温度域で使用されており、実用化されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
従来のβ−サイアロン質焼結体は、添加した焼結助剤等
が粒界にガラス相として存在しているものであり、この
ため1300℃を越える高温域では、粒界ガラス相の軟化に
より強度が低下するという欠点があった。
【0005】そこで、本発明者等は、β−サイアロン質
焼結体の高温強度を向上させるため鋭意研究を重ねた結
果、β−サイアロン粉末に焼結助剤として稀土類酸化物
を添加したβ−サイアロン質焼結体において、粒界相が
3Al512の結晶相から成るβ−サイアロン質焼結体
とした場合に特に高温強度が高い焼結体を得ることがで
きるとの知見を得て、本発明を完成したものであり、本
発明の目的は、1300℃を越える高温域での強度が極めて
高いβ−サイアロン質焼結体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、粒界相がM3
Al512の結晶相から成ることを特徴とし、また、こ
の結晶相を生成させる手段として、1350〜1650℃で0.5
〜24時間結晶化熱処理を行うことを特徴とし、これによ
り上記した高温域での強度が極めて高いβ−サイアロン
質焼結体を提供するものである。
【0007】即ち、本発明のβ−サイアロン質焼結体
は、「焼結助剤として式:M23(Mは稀土類元素)で
表される稀土類酸化物を添加したβ−サイアロン質焼結
体において、粒界相がM3Al512の結晶相から成るこ
とを特徴とするβ−サイアロン質焼結体。」を要旨とす
るものであり、また、本発明のβ−サイアロン質焼結体
の製造方法は、「β−サイアロン粉末に焼結助剤として
式:M23(Mは稀土類元素)で表される稀土類酸化物
を添加し、この混合粉末を成形し、該成形体を焼成して
焼結体とした後、1350〜1650℃で0.5〜24時間結晶化熱
処理し、粒界相にM3Al512の結晶相を生成させるこ
とを特徴とするβ−サイアロン質焼結体の製造方法。」
を要旨とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明すると、本発明
におけるβ−サイアロン粉末原料は、所望のZ値をもつ
単一相からなる粉末を用いることができる。その平均粒
径としては、2μm以下が好ましい。2μmを越える粒径
のものを使用すると、β−サイアロン粉末自体の焼結性
が低下するので好ましくない。また、本発明において、
このβ−サイアロン粉末原料に必要に応じて窒化アルミ
ニウムなどの金属窒化物を添加することもできる(後記
実施例2参照)。
【0009】上記β−サイアロン粉末原料に添加する稀
土類酸化物(焼結助剤)としては、できるだけ微細なも
のが望ましく、特にその平均粒径が5μm以下のものが
好ましい。5μmを越える粒径の場合、β−サイアロン
粉末との混合が不均一になりやすく、緻密化を阻害する
恐れがあるため好ましくない。稀土類酸化物の添加量
は、0.5〜10重量部が好ましい。0.5重量部未満では緻密
化せず(後記比較例1参照)、一方、10重量部より多い
と粒界相が多くなり、高温強度が低下するので好ましく
ない(後記比較例2参照)。
【0010】前記したβ−サイアロン粉末原料(必要に
応じさらに窒化アルミニウムなどの金属窒化物を添加し
た粉末原料)に上記稀土類酸化物(焼結助剤)を混合
し、所望の形状に成形した後、炉内に配置して焼結す
る。焼結手段としては、常圧焼結、ガス圧焼結、HIP
焼結など従来の慣用の焼結法をいずれも採用することが
でき、また、焼結条件としては、1600〜2000℃、5〜180
分間程度保持し、これにより焼結体を製造する。
【0011】次に、この焼結体中の粒界ガラス相を結晶
化させるための熱処理、即ち、M3Al512の結晶相を
生成させるための結晶化熱処理を行う。この結晶化熱処
理条件は、1350〜1650℃の温度範囲で0.5〜24時間保持
するのが好ましい。熱処理温度が1350℃未満では、M3
Al512の結晶が析出しないため(後記比較例4、1
3参照)、所望の効果が得られず、一方、1650℃を越え
る温度では、M3Al512析出量が少なくなり(後記比
較例5参照)、同じく所望の効果が得られず、いずれも
好ましくない。
【0012】また、結晶化熱処理条件のうち保持時間に
ついては、これが0.5時間よりも少ないと結晶が析出し
ないので効果がなく(後記比較例6参照)、24時間より
長くてもより一層の効果は期待できず、経済的に不利に
なるのみである。結晶化熱処理における雰囲気として
は、β−サイアロン質焼結体の酸化を防ぐ必要があるた
め、例えばN2雰囲気などの非酸化雰囲気中で熱処理を
行う。以上の結晶化熱処理によって粒界相がM3Al5
12の結晶相から成り、1300℃を越える高温域での強度が
極めて高いβ−サイアロン質焼結体を得ることができる
(後記実施例1〜7参照)。
【0013】
【作用】β−サイアロン質焼結体の粒界相にM3Al5
12の結晶を析出させることにより高温強度が高くなる作
用機構は、以下のように推察される。前記した本発明に
よる結晶化熱処理を行っても、粒界ガラス相のすべてが
完全に結晶化することは困難であり、少量のガラス相が
残存すると考えられる。この場合、高温強度の値は残存
した少量のガラス相の耐熱性(粘性)でほぼ決まると考
えられる。M3Al512の結晶が析出した後の残存ガラ
ス相の成分は、Alが少ない組成となっている。そし
て、一般にAlが少ない組成ほどガラス相の粘性が高い
ことから、M3Al512結晶が析出することにより、高
温強度が高くなると考えられる。
【0014】また、結晶化熱処理の条件によっては、例
えば焼成後の降温時に本発明の前記した結晶化熱処理条
件(1350〜1650℃で0.5〜24時間)に保持したとしても
3Al512の結晶相が析出せず、他の結晶相が析出す
る場合もある(後記比較例7、10、12参照)。この
場合、析出した結晶相の構成元素にAlが含まれていな
いため、残存ガラス相の成分は、M3Al512が析出し
た場合よりもAlが多い組成となっているため、結晶相
が析出しても高温強度は低くなると推察される。
【0015】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明をより詳細に説明する。 (実施例1〜7)β−サイアロン(日本セメント社製:
Z=0.5)にY23、Er23、Yb23、AlNを表
1に示す配合量で添加し、ボ−ルミル、エタノ−ル中で
24時間混合した後乾燥した。得られた混合粉末を30×50
×5mmにプレス成形した後、この成形体を同一組成か
らなる粉末内に埋没させて炉内にセットし、常圧窒素雰
囲気下で1700℃で3時間保持して緻密な焼結体を得た。
【0016】この焼結体に対して表1に示す条件で熱処
理(結晶化熱処理)を行い、粒界相の結晶化を行った。
得られた焼結体について、X線回折による生成結晶相の
同定を行い、表1にβ−サイアロン以外の生成相を表1
に示した。また、JIS-1601(ファインセラミックスの曲
げ強さ試験方法)に基づき切断・研削加工して試験片を
作製し、1350℃での曲げ試験を行つた。その測定結果を
同じく表1に示した。
【0017】(比較例1〜13)比較のため、表1に示
す条件、即ち、(1) 熱処理を行わないもの(比較例3、
8、9、11)、(2) 熱処理条件を変えたもの:本発明
で規定する熱処理条件“1350〜1650℃、0.5〜24時間保
持”の範囲外としたもの(比較例4、5、6、13)、
(3) 熱処理方法を変えM3Al512以外の結晶を析出さ
せたもの:焼成後、降温時に熱処理をしたもの(比較例
7、10、12)、(4) 焼結助剤(Y23)を少量又は
多量配合したもの(比較例1、2)、について実施例と
同様の試験を行った。その結果を表1に併記した。
【0018】
【表1】
【0019】表1の実施例1〜7から明らかなように、
焼結助剤として稀土類酸化物を使用したβ−サイアロン
質焼結体において、結晶化熱処理を行って粒界相にM3
Al512の結晶相を生成させたものは、その1350℃で
の強度がすべて600MPa以上という高温域での強度が
極めて高い焼結体が得られることが理解できる。これに
対して、前記(1)〜(4)の比較例では、表1から明らかな
ように、いずれもその1350℃での強度が410MPa以下
のものであった。
【0020】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、粒界相
にM3Al512の結晶相を生成させることにより、高温
強度の高い、特に1300℃を越える高温域での強度が極め
て高いβ−サイアロン質焼結体が得られる効果が生ず
る。そして、本発明により、各種耐火物材料、自動車用
エンジン部材、セラミックス製ガスタ−ビンエンジン部
材等の高温域での高強度が要求される各種高温構造材用
素材として優れた焼結体を提供することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結助剤として式:M23(Mは稀土類
    元素)で表される稀土類酸化物を添加したβ−サイアロ
    ン質焼結体において、粒界相がM3Al512の結晶相か
    ら成ることを特徴とするβ−サイアロン質焼結体。
  2. 【請求項2】 β−サイアロン粉末に焼結助剤として
    式:M23(Mは稀土類元素)で表される稀土類酸化物
    を添加し、この混合粉末を成形し、該成形体を焼成して
    焼結体とした後、さらに1350〜1650℃で0.5〜24時間結
    晶化熱処理し、粒界相にM3Al512の結晶相を生成さ
    せることを特徴とするβ−サイアロン質焼結体の製造方
    法。
JP4277816A 1992-09-22 1992-09-22 β−サイアロン質焼結体及びその製造方法 Pending JPH06100376A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005035832A (ja) * 2003-07-14 2005-02-10 Taiheiyo Cement Corp サイアロン焼結体および半導体製造装置用部品
JP2014055088A (ja) * 2012-09-13 2014-03-27 Yokohama National Univ 鋼材取り扱い用部材及びその製造方法

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