JP2783702B2 - 窒化珪素質焼結体 - Google Patents
窒化珪素質焼結体Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービンやターボ
ロータ等の熱機関に好適な高温における抗折強度、耐酸
化性に優れた窒化珪素質焼結体に関する。
ロータ等の熱機関に好適な高温における抗折強度、耐酸
化性に優れた窒化珪素質焼結体に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、窒化珪素質焼結体は高温におけ
る強度、硬度、熱的化学的安定性に優れることからエン
ジニアリングセラミックス、特に熱機関用材料として注
目されている。具体的な熱機関としてはターボロータや
ガスタービン用部品が挙げられ、これらに適用する場
合、焼結体に対し室温から約1200℃の範囲、部品に
よっては1400℃の高温において優れた機械的特性が
要求されている。
る強度、硬度、熱的化学的安定性に優れることからエン
ジニアリングセラミックス、特に熱機関用材料として注
目されている。具体的な熱機関としてはターボロータや
ガスタービン用部品が挙げられ、これらに適用する場
合、焼結体に対し室温から約1200℃の範囲、部品に
よっては1400℃の高温において優れた機械的特性が
要求されている。
【0003】一般にこれら窒化珪素質焼結体を製造する
方法としては、窒化珪素自体が難焼結性であることか
ら、希土類元素酸化物等の各種の焼結助剤を添加し、ホ
ットプレス法、常圧焼成法およびガス圧焼成法等により
窒素を含む雰囲気中で焼成することが行われている。ま
た、最近では高密度、高強度化を目的として、所望の組
成からなる窒化珪素成形体の表面にガラス等からなる不
透過性シールを形成し、高圧力下で焼成する方法(以
下、シールHIPという)も研究されている。
方法としては、窒化珪素自体が難焼結性であることか
ら、希土類元素酸化物等の各種の焼結助剤を添加し、ホ
ットプレス法、常圧焼成法およびガス圧焼成法等により
窒素を含む雰囲気中で焼成することが行われている。ま
た、最近では高密度、高強度化を目的として、所望の組
成からなる窒化珪素成形体の表面にガラス等からなる不
透過性シールを形成し、高圧力下で焼成する方法(以
下、シールHIPという)も研究されている。
【0004】一方、組成の点からは、Y2 O3 等の希土
類元素酸化物の他、Al2 O3 、MgO等の酸化物が焼
結助剤として最も一般的に使用されているが、焼結体の
高温特性を考慮した場合、Al2 O3 やMgOなどが含
まれると焼結体の粒界に低融点物質が生成されるために
高温強度や高温耐酸化性が低下するという見地から上記
の酸化物を実質的に含まないSi3 N4 −RE2O
3 (希土類酸化物)−SiO2 の三元系からなる組成も
検討されている。
類元素酸化物の他、Al2 O3 、MgO等の酸化物が焼
結助剤として最も一般的に使用されているが、焼結体の
高温特性を考慮した場合、Al2 O3 やMgOなどが含
まれると焼結体の粒界に低融点物質が生成されるために
高温強度や高温耐酸化性が低下するという見地から上記
の酸化物を実質的に含まないSi3 N4 −RE2O
3 (希土類酸化物)−SiO2 の三元系からなる組成も
検討されている。
【0005】また、焼結体の組織の点からは、高温特性
を決定する要因として焼結体中の粒界相が注目されてお
り、粒界相自体の強度を向上させることを目的として粒
界相を実質上結晶化しようとする試みがなされている。
そこで最近に至っては、上記の三元系の組成に対し、焼
成条件の検討あるいは焼結体の熱処理等によって粒界に
Si3 N4 −RE2 O3 −SiO2 からなる各種の結晶
相、例えばメリライト、アパタイト、YAMあるいはワ
ラストナイト等を析出させることによって高温特性を改
良する試みも行われている。
を決定する要因として焼結体中の粒界相が注目されてお
り、粒界相自体の強度を向上させることを目的として粒
界相を実質上結晶化しようとする試みがなされている。
そこで最近に至っては、上記の三元系の組成に対し、焼
成条件の検討あるいは焼結体の熱処理等によって粒界に
Si3 N4 −RE2 O3 −SiO2 からなる各種の結晶
相、例えばメリライト、アパタイト、YAMあるいはワ
ラストナイト等を析出させることによって高温特性を改
良する試みも行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、粒界
に上記の高融点の各種結晶相を析出した場合において
も、粒界には微量の低融点ガラス質が残存しており、こ
れにより高温特性が低下するために十分な対策には至っ
ていない。
に上記の高融点の各種結晶相を析出した場合において
も、粒界には微量の低融点ガラス質が残存しており、こ
れにより高温特性が低下するために十分な対策には至っ
ていない。
【0007】この粒界を形成する成分は、基本的には系
の焼結性を高めるために配合された希土類元素酸化物等
の焼結助剤成分である。高温特性が劣化する要因として
は粒界部分の軟化あるいはすべりによると考えられる
が、この焼結助剤成分の粒界への存在は、高温特性を低
下させる要因となっている。よって、粒界中の焼結助剤
成分量を減らすことが考えられるが、焼結性を考慮した
場合にその量を減らすにしても限界がある。よって、こ
の焼結助剤成分の粒界への残存は高温特性を高めるため
の大きな障害となっているのが現状である。
の焼結性を高めるために配合された希土類元素酸化物等
の焼結助剤成分である。高温特性が劣化する要因として
は粒界部分の軟化あるいはすべりによると考えられる
が、この焼結助剤成分の粒界への存在は、高温特性を低
下させる要因となっている。よって、粒界中の焼結助剤
成分量を減らすことが考えられるが、焼結性を考慮した
場合にその量を減らすにしても限界がある。よって、こ
の焼結助剤成分の粒界への残存は高温特性を高めるため
の大きな障害となっているのが現状である。
【0008】本発明は、上記の問題に対して粒界中の焼
結助剤成分量を低減し、1400℃の高温における抗折
強度を改善した窒化珪素質焼結体を提供することを目的
とするものである。
結助剤成分量を低減し、1400℃の高温における抗折
強度を改善した窒化珪素質焼結体を提供することを目的
とするものである。
【0009】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記の
問題点に対して検討を加えた結果、Si3 N4 −RE2
O3 −SiO2 系の組成、特に窒化珪素が70乃至99
モル%と、希土類元素酸化物が0.1〜10モル%と、
過剰酸素(SiO2 換算量)で25モル%以下の組成か
らなる窒化珪素質焼結体において、窒化珪素結晶粒子内
に希土類元素を含む粒子を存在させることにより、粒界
の焼結助剤成分量を低減し、1400℃における高温強
度を大きく向上させることが出来ることを知見した。
問題点に対して検討を加えた結果、Si3 N4 −RE2
O3 −SiO2 系の組成、特に窒化珪素が70乃至99
モル%と、希土類元素酸化物が0.1〜10モル%と、
過剰酸素(SiO2 換算量)で25モル%以下の組成か
らなる窒化珪素質焼結体において、窒化珪素結晶粒子内
に希土類元素を含む粒子を存在させることにより、粒界
の焼結助剤成分量を低減し、1400℃における高温強
度を大きく向上させることが出来ることを知見した。
【0010】以下、本発明を詳述する。
【0011】本発明によれば、焼結体の組成が窒化珪素
70〜99モル%、特に80〜93.5モル%と、希土
類元素酸化物0.1〜10モル%、特に0.5〜5モル
%、過剰酸素(SiO2 換算)が25モル%以下、特に
6〜20モル%の割合からなることが重要である。焼結
体の組成を上記の範囲に限定したのは、窒化珪素、希土
類酸化物、過剰酸素のいずれかが前述の範囲を逸脱して
も焼結不足を招いたり、希土類元素を含む粒子が充分に
窒化珪素粒子内に取り込まれず、室温強度ならびに高温
強度が劣化するためである。
70〜99モル%、特に80〜93.5モル%と、希土
類元素酸化物0.1〜10モル%、特に0.5〜5モル
%、過剰酸素(SiO2 換算)が25モル%以下、特に
6〜20モル%の割合からなることが重要である。焼結
体の組成を上記の範囲に限定したのは、窒化珪素、希土
類酸化物、過剰酸素のいずれかが前述の範囲を逸脱して
も焼結不足を招いたり、希土類元素を含む粒子が充分に
窒化珪素粒子内に取り込まれず、室温強度ならびに高温
強度が劣化するためである。
【0012】なお、過剰酸素とは、焼結体の系全体に含
まれる全酸素量から希土類元素酸化物として化学量論的
量で混入した酸素を除いた酸素量で、具体的には窒化珪
素原料中の不純物酸素あるいはSiO2 として添加され
た酸素から構成され、いずれもSiO2 換算量を示す。
まれる全酸素量から希土類元素酸化物として化学量論的
量で混入した酸素を除いた酸素量で、具体的には窒化珪
素原料中の不純物酸素あるいはSiO2 として添加され
た酸素から構成され、いずれもSiO2 換算量を示す。
【0013】通常、窒化珪素質焼結体は、組織的には窒
化珪素結晶粒子と結晶粒子の界面に粒界相が存在し、粒
界相は通常焼結助剤成分である希土類元素酸化物(RE
2 O3 )やSiO2 、場合によっては窒化珪素より構成
され、これらの成分によってガラスあるいは結晶質が形
成されるが、本発明によれば、窒化珪素結晶粒内に希土
類元素を含む粒子が存在する。窒化珪素結晶粒子は平均
粒径が0.5〜30μmの大きさで存在するが、希土類
元素を含む粒子はおよそ0.01〜0.1μmの大きさ
で存在する。
化珪素結晶粒子と結晶粒子の界面に粒界相が存在し、粒
界相は通常焼結助剤成分である希土類元素酸化物(RE
2 O3 )やSiO2 、場合によっては窒化珪素より構成
され、これらの成分によってガラスあるいは結晶質が形
成されるが、本発明によれば、窒化珪素結晶粒内に希土
類元素を含む粒子が存在する。窒化珪素結晶粒子は平均
粒径が0.5〜30μmの大きさで存在するが、希土類
元素を含む粒子はおよそ0.01〜0.1μmの大きさ
で存在する。
【0014】上記のように希土類元素を含む粒子を窒化
珪素結晶粒子内に析出させる方法としては、焼結過程で
窒化珪素粒子が粒成長する際に焼結助剤成分を粒内に取
り込ませることが必要である。そのためには、特に焼結
助剤として微粒の粉末を用いること、および窒化珪素の
α型からβ型への転移の速度を制御することが重要であ
る。具体的には焼結助剤粉末の粒径を1μm以下とし、
また、α型からβ型への転移が始まる1500〜170
0℃で一時的に保持するか、もしくは昇温速度を5℃/
min以下に制御してα型からβ型への転移速度を遅く
することが有効である。窒化珪素結晶粒子内に取り込ま
れる粒子の組成は明らかではないが、組成分析からRE
2 O3 −SiO2 −Si3 N4 系の結晶質と考えられ
る。
珪素結晶粒子内に析出させる方法としては、焼結過程で
窒化珪素粒子が粒成長する際に焼結助剤成分を粒内に取
り込ませることが必要である。そのためには、特に焼結
助剤として微粒の粉末を用いること、および窒化珪素の
α型からβ型への転移の速度を制御することが重要であ
る。具体的には焼結助剤粉末の粒径を1μm以下とし、
また、α型からβ型への転移が始まる1500〜170
0℃で一時的に保持するか、もしくは昇温速度を5℃/
min以下に制御してα型からβ型への転移速度を遅く
することが有効である。窒化珪素結晶粒子内に取り込ま
れる粒子の組成は明らかではないが、組成分析からRE
2 O3 −SiO2 −Si3 N4 系の結晶質と考えられ
る。
【0015】本発明における窒化珪素質焼結体を製造す
る方法をより具体的に説明すると、原料粉末として窒化
珪素粉末、希土類元素酸化物粉末、場合により酸化珪素
粉末を用い、窒化珪素、希土類元素酸化物、過剰酸素
(SiO2換算量) が前述したような組成になるように
秤量混合する。なお、窒化珪素粉末は焼結性を促進する
ためBET比表面積が3〜20m2 /g、α化率90%
以上であることが望ましい。また、窒化珪素粉末には不
純物酸素が一般に0.8〜1.5重量%程度含有される
が、全体の酸素量は酸化珪素の添加によって任意に調整
できる。また、希土類元素酸化物粉末としては平均粒径
1μm以下の微粒の粉末を用いる。
る方法をより具体的に説明すると、原料粉末として窒化
珪素粉末、希土類元素酸化物粉末、場合により酸化珪素
粉末を用い、窒化珪素、希土類元素酸化物、過剰酸素
(SiO2換算量) が前述したような組成になるように
秤量混合する。なお、窒化珪素粉末は焼結性を促進する
ためBET比表面積が3〜20m2 /g、α化率90%
以上であることが望ましい。また、窒化珪素粉末には不
純物酸素が一般に0.8〜1.5重量%程度含有される
が、全体の酸素量は酸化珪素の添加によって任意に調整
できる。また、希土類元素酸化物粉末としては平均粒径
1μm以下の微粒の粉末を用いる。
【0016】上記の混合粉末に適宜バインダーを添加し
て造粒後、成形する。成形は周知の方法を採用でき、具
体的にはプレス成形、押し出し成形、鋳込み成形あるい
は射出成形等が採用できる。
て造粒後、成形する。成形は周知の方法を採用でき、具
体的にはプレス成形、押し出し成形、鋳込み成形あるい
は射出成形等が採用できる。
【0017】このようにして得られた成形体はバインダ
ー除去した後、焼成する。焼成は、その焼成手段にもよ
るが1450〜2000℃の非酸化性雰囲気で焼成す
る。焼成手段としてはガス圧焼成法、熱間静水圧焼成法
等が好適である。
ー除去した後、焼成する。焼成は、その焼成手段にもよ
るが1450〜2000℃の非酸化性雰囲気で焼成す
る。焼成手段としてはガス圧焼成法、熱間静水圧焼成法
等が好適である。
【0018】ガス圧焼成法によれば、焼成温度を150
0〜2000℃に制御し、雰囲気に窒素ガスをガス圧
1.5〜100気圧で導入し焼成する。また、必要に応
じて熱間静水圧焼成法を用いて500〜2000気圧の
高圧下で熱処理することによりさらに緻密化を促進でき
る。
0〜2000℃に制御し、雰囲気に窒素ガスをガス圧
1.5〜100気圧で導入し焼成する。また、必要に応
じて熱間静水圧焼成法を用いて500〜2000気圧の
高圧下で熱処理することによりさらに緻密化を促進でき
る。
【0019】また、熱間静水圧焼成法によれば、成形体
表面にガラス等からなるシール材を塗布形成し高温高圧
下で焼成する、いわゆるシールHIP法が採用される。
この具体的方法としては、まず焼成に先立ち前述した方
法で得た成形体に対し、焼成工程においてシール材であ
るガラス等との反応を防止することを目的としてBN粉
末等のガラスと濡れ性の悪い粉末をスラリー化して厚み
1〜10mm程度で成形体に塗布するか、または上記ス
ラリーをスプレー塗布する。
表面にガラス等からなるシール材を塗布形成し高温高圧
下で焼成する、いわゆるシールHIP法が採用される。
この具体的方法としては、まず焼成に先立ち前述した方
法で得た成形体に対し、焼成工程においてシール材であ
るガラス等との反応を防止することを目的としてBN粉
末等のガラスと濡れ性の悪い粉末をスラリー化して厚み
1〜10mm程度で成形体に塗布するか、または上記ス
ラリーをスプレー塗布する。
【0020】その後、この成形体の表面に高温にてシー
ルを形成するガラス粉末を塗布するかあるいは上記成形
体をガラス製カプセル内に封入する。また他の方法とし
て、前記成形体を内部にガラス粉末が充填されたルツボ
内に埋めることもできる。その後、HIP法により高温
高圧下で焼成する。
ルを形成するガラス粉末を塗布するかあるいは上記成形
体をガラス製カプセル内に封入する。また他の方法とし
て、前記成形体を内部にガラス粉末が充填されたルツボ
内に埋めることもできる。その後、HIP法により高温
高圧下で焼成する。
【0021】焼成は、まず成形体表面に存在するガラス
の軟化点以上、焼成温度にまで昇温すると同時に該温度
における窒化珪素の分解平衡圧と同等もしくはそれより
0.01〜0.2MPa程度高い圧力の窒素ガスを導入
しつつ、前記ガラスを軟化させ成形体表面にガラスによ
るガス不透過性膜を形成する。ガス不透過性膜が成形体
表面に完全に形成された後、炉内圧力を充分に緻密化し
うる条件下、例えば、50MPa以上の圧力まで上昇さ
せる。この時の圧力媒体は、窒素、アルゴン等の不活性
ガスを用いる。この段階で希土類酸化物、SiO2 、窒
化珪素により液相が生成され、焼成が進行し、その緻密
化はほぼ終了する。その後温度、圧力を共に下げ焼成を
終了する。なお、焼成温度は1450℃〜1800℃、
特に1450℃〜1730℃に設定される。
の軟化点以上、焼成温度にまで昇温すると同時に該温度
における窒化珪素の分解平衡圧と同等もしくはそれより
0.01〜0.2MPa程度高い圧力の窒素ガスを導入
しつつ、前記ガラスを軟化させ成形体表面にガラスによ
るガス不透過性膜を形成する。ガス不透過性膜が成形体
表面に完全に形成された後、炉内圧力を充分に緻密化し
うる条件下、例えば、50MPa以上の圧力まで上昇さ
せる。この時の圧力媒体は、窒素、アルゴン等の不活性
ガスを用いる。この段階で希土類酸化物、SiO2 、窒
化珪素により液相が生成され、焼成が進行し、その緻密
化はほぼ終了する。その後温度、圧力を共に下げ焼成を
終了する。なお、焼成温度は1450℃〜1800℃、
特に1450℃〜1730℃に設定される。
【0022】上記のいずれの焼成方法においても、窒化
珪素がα型からβ型に転移する1500〜1700℃の
温度域で一時的に保持するか、あるいはこの温度領域の
昇温速度を5℃/min以下に制御することにより、焼
結助剤成分の窒化珪素結晶粒内への取り込みを促進する
ことができる。
珪素がα型からβ型に転移する1500〜1700℃の
温度域で一時的に保持するか、あるいはこの温度領域の
昇温速度を5℃/min以下に制御することにより、焼
結助剤成分の窒化珪素結晶粒内への取り込みを促進する
ことができる。
【0023】また、本発明によれば、焼結体中の粒界の
結晶性を高める上で粒界に存在してガラス相を形成し易
い酸化物、具体的にはAl2 O3 、CaO、MgO、F
e2 O3 等の酸化物は焼結体全量中、0.05重量%以
下であることが望ましい。また、希土類元素酸化物とし
ては、Y2 O3 が一般的であるが、Yb2 O3 、Er2
O3 、Ho2 O3 、Dy2 O3 等の重希土類元素酸化物
を用いる方が色ムラ等の発生を防止するとともに安定し
た特性の焼結体を得ることができる点で望ましい。
結晶性を高める上で粒界に存在してガラス相を形成し易
い酸化物、具体的にはAl2 O3 、CaO、MgO、F
e2 O3 等の酸化物は焼結体全量中、0.05重量%以
下であることが望ましい。また、希土類元素酸化物とし
ては、Y2 O3 が一般的であるが、Yb2 O3 、Er2
O3 、Ho2 O3 、Dy2 O3 等の重希土類元素酸化物
を用いる方が色ムラ等の発生を防止するとともに安定し
た特性の焼結体を得ることができる点で望ましい。
【0024】
【作用】本発明によれば、窒化珪素結晶粒内に希土類元
素を含む粒子を存在させることにより、焼結体の粒界量
を相対的に減少させることができ、これにより希土類元
素および酸素を含む粒界の存在による粒界の低融点化お
よび粒界のすべり等の発生を抑制し、これにより焼結体
の高温特性を高めることができる。
素を含む粒子を存在させることにより、焼結体の粒界量
を相対的に減少させることができ、これにより希土類元
素および酸素を含む粒界の存在による粒界の低融点化お
よび粒界のすべり等の発生を抑制し、これにより焼結体
の高温特性を高めることができる。
【0025】
【実施例】原料粉末として、窒化珪素粉末(BET比表
面積5m2 /g、α化率95%、不純物酸素量1.0重
量%)と、平均粒径0.8μmの各種希土類酸化物およ
びSiO2 粉末を用いて、表1に示す組成に成るように
調合し混合後、1t/cm2 でプレス成形した。なお、
表中、試料No.13については平均粒径4μmの希土類
元素酸化物を用いた。
面積5m2 /g、α化率95%、不純物酸素量1.0重
量%)と、平均粒径0.8μmの各種希土類酸化物およ
びSiO2 粉末を用いて、表1に示す組成に成るように
調合し混合後、1t/cm2 でプレス成形した。なお、
表中、試料No.13については平均粒径4μmの希土類
元素酸化物を用いた。
【0026】次に上記のようにして得られた成形体を5
0atmの窒素ガス雰囲気下で表1に示す温度で焼成し
た。各焼結体に対し、JIS−R−1601に従い、室
温、1400℃における4点曲げ抗折強度を測定した。
また、各焼結体の窒化珪素結晶粒子を電子顕微鏡で観察
するとともに、希土類元素の分布をTEMにより測定
し、窒化珪素結晶粒内への希土類元素を含む粒子の存在
の有無を確認した。結果は表1に示した。
0atmの窒素ガス雰囲気下で表1に示す温度で焼成し
た。各焼結体に対し、JIS−R−1601に従い、室
温、1400℃における4点曲げ抗折強度を測定した。
また、各焼結体の窒化珪素結晶粒子を電子顕微鏡で観察
するとともに、希土類元素の分布をTEMにより測定
し、窒化珪素結晶粒内への希土類元素を含む粒子の存在
の有無を確認した。結果は表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】実施例2 実施例1と同様の原料粉末を用い、表2に示す割合に成
るように調合混合した。尚、表中、試料No.22につい
ては平均粒径が4μmの希土類元素酸化物粉末を用い
た。その後、この混合粉末を1t/cm2 でプレス成形
後、窒素雰囲気中で1400℃の温度で1時間仮焼処理
した。
るように調合混合した。尚、表中、試料No.22につい
ては平均粒径が4μmの希土類元素酸化物粉末を用い
た。その後、この混合粉末を1t/cm2 でプレス成形
後、窒素雰囲気中で1400℃の温度で1時間仮焼処理
した。
【0029】次にこの成形体に対しBN粉末(粒径1〜
5μm )のペーストを1〜10mmの厚みで塗布後、S
iO2 を主成分とするガラスを1〜10mmの厚みで塗
布し、熱間静水圧焼成炉に配置して各種の条件で焼成を
行い、表2に示すような特性の異なる数種の試料を作成
した。得られた焼結体に対して実施例1と同様に特性の
評価を行うとともに窒化珪素結晶粒内への希土類元素含
有粒子の存在を確認した。結果は表2に示した。
5μm )のペーストを1〜10mmの厚みで塗布後、S
iO2 を主成分とするガラスを1〜10mmの厚みで塗
布し、熱間静水圧焼成炉に配置して各種の条件で焼成を
行い、表2に示すような特性の異なる数種の試料を作成
した。得られた焼結体に対して実施例1と同様に特性の
評価を行うとともに窒化珪素結晶粒内への希土類元素含
有粒子の存在を確認した。結果は表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】表1および表2によれば、焼結助剤量が全
く同一である試料No.4とNo.13との比較におい
て明らかなように、窒化珪素粒子内に希土類元素を含む
粒子が存在しない焼結体はいずれも1400℃における
抗折強度が本発明に比較して低いものであった。
く同一である試料No.4とNo.13との比較におい
て明らかなように、窒化珪素粒子内に希土類元素を含む
粒子が存在しない焼結体はいずれも1400℃における
抗折強度が本発明に比較して低いものであった。
【0032】これに対し、本発明の試料はいずれも窒化
珪素粒子内に希土類元素を含む粒子が析出しており、特
性の上でも優れた高温強度を示した。
珪素粒子内に希土類元素を含む粒子が析出しており、特
性の上でも優れた高温強度を示した。
【0033】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の窒化珪素質
焼結体によれば、Si3 N4 −RE2 O3 (希土類元素
酸化物)−SiO2 の単純3元系において、窒化珪素粒
子内に希土類元素を含む粒子を存在させることにより、
焼結体の高温抗折強度を向上させることができる。これ
により、窒化珪素質焼結体のガスタービン用部品やター
ボロータ等の熱機関用部品の他、産業用構造材料として
その用途を拡大することができる。
焼結体によれば、Si3 N4 −RE2 O3 (希土類元素
酸化物)−SiO2 の単純3元系において、窒化珪素粒
子内に希土類元素を含む粒子を存在させることにより、
焼結体の高温抗折強度を向上させることができる。これ
により、窒化珪素質焼結体のガスタービン用部品やター
ボロータ等の熱機関用部品の他、産業用構造材料として
その用途を拡大することができる。
Claims (1)
- 【請求項1】窒化珪素70乃至99モル%と、希土類元
素酸化物0.1〜10モル%と、過剰酸素(SiO2 換
算量)25モル%以下からなる窒化珪素質焼結体であっ
て、窒化珪素結晶粒内に希土類元素を含む粒子が存在す
ることを特徴とする窒化珪素質焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3217241A JP2783702B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 窒化珪素質焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3217241A JP2783702B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 窒化珪素質焼結体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0558738A JPH0558738A (ja) | 1993-03-09 |
JP2783702B2 true JP2783702B2 (ja) | 1998-08-06 |
Family
ID=16701067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3217241A Expired - Fee Related JP2783702B2 (ja) | 1991-08-28 | 1991-08-28 | 窒化珪素質焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2783702B2 (ja) |
-
1991
- 1991-08-28 JP JP3217241A patent/JP2783702B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0558738A (ja) | 1993-03-09 |
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