JPH06100318A - 管状体内壁面でのフェライト膜形成方法 - Google Patents

管状体内壁面でのフェライト膜形成方法

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JPH06100318A
JPH06100318A JP3208773A JP20877391A JPH06100318A JP H06100318 A JPH06100318 A JP H06100318A JP 3208773 A JP3208773 A JP 3208773A JP 20877391 A JP20877391 A JP 20877391A JP H06100318 A JPH06100318 A JP H06100318A
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JP
Japan
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ferrite film
forming
tubular body
treatment
wall surface
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JP3208773A
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Masanori Abe
正紀 阿部
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Nippon Paint Co Ltd
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    • G11B23/02Containers; Storing means both adapted to cooperate with the recording or reproducing means
    • G11B23/027Containers for single reels or spools

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  • Compounds Of Iron (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 管状体内壁面に均一、かつ強固なフェライト
膜を有する管状体の有用性に鑑み、極めて簡便な方法に
より管状体の内壁面にフェライト膜を形成しうる方法を
提供する。 【構成】 金属イオンとして少なくとも第1鉄イオン
〔Fe(II)〕を含有する反応液と、該反応液中の第1
鉄イオンを第2鉄イオン〔Fe(III )〕に酸化するこ
とができる酸化剤を含有する酸化液を、比較的低温下で
管状体の透孔部に通液させて、管状体内壁面に均一にか
つ、強固なスピネル型構造のフェライト膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、人工血管などの管状体
の内壁面に第2鉄イオン〔Fe(III )〕を含むフェラ
イト膜を形成させる方法に関する。更に詳しくは、本発
明は各種管状体の透孔部に第1鉄イオン〔Fe(II)〕
を含む反応液と該第1鉄イオンを酸化する酸化剤を含む
酸化液とを所望の温度下で通液させることにより、管状
体内壁面に第2鉄イオン〔Fe(III )〕を含むスピネ
ル型構造の均一な結晶性フェライト膜を形成させる方法
に関するものである。
【0002】
【従来技術】所定の固体表面にフェライト膜を形成する
方法としては、特開昭59−111929号公報に各種
の方法が要約されている。例えば、従来の方法として、
(1) 溶液コート法、(2) 電気泳動電着法、(3) 乾式メッ
キ法(スパッタリング、真空蒸着、アーク放電など)、
(4) 溶融スプレー法、(5) 気相成長法などがある。しか
し、これらにおいて、(1) 〜(3) は膜を非晶質状で固体
表面に形成し、次いでフェライト型結晶構造のものにす
る方法であり、その際極めて高い温度(例えば700℃
以上)で熱処理をしなければならないという欠点を有す
る。また、(4) も基板を1000℃以上に保たなければ
ならず、更に(5) の場合も基板が高融点の酸化物単結晶
のものでなければならない。要するに、従来技術におい
ては、基板として融点、分解温度の低い物質を使用する
ことができない。
【0003】なお、引用公報は本発明者の新たなフェラ
イト膜の形成方法に関するものであり、従来の方法と比
較して、全く新しいフェライト膜の形成方法が提案され
ている。前記引用公報のフェライト膜の形成方法は、次
の通りである。即ち、フェライトを構成する金属元素及
び酸素元素を水溶液中の所定の固体表面に結晶化させて
析出させるために、(i) まず、金属イオンとして少な
くとも第1鉄イオンを含む水溶液中で、該第1鉄イオン
または他の金属イオンを固体表面に均一に吸着させ、(i
i) 次いで、吸着層を適宜の方法で酸化させる、という
ものである。これにより第1鉄イオンを含む水溶液を用
いて形成された吸着層中の水酸化第1鉄イオン〔FeO
+ 〕は水酸化第2鉄イオン〔FeOH2+〕に酸化され
てフェライト型構造となる。また、水溶液中に他の金属
イオンが存在する場合、これら金属イオンとの間でもフ
ェライト結晶化反応を起こす。前記引用公報に係る発明
により形成されたフェライト膜は、固体表面に強固な付
着力を有し、容易に剥離しないものであり、その磁気的
性質から磁気記録媒体、光磁気記録媒体、磁気ヘッド、
磁気光学素子、マイクロ波素子、磁歪素子、磁気音響素
子などに応用され得るものである。
【0004】一方、医療分野において、磁場と血栓の関
係において、血管に静磁場をかけた場合、マイナスの電
気を帯びた赤血球などの血球成分が血管内を通過すると
き磁場の変化が誘発され、これが血栓の防止に有効であ
ることが報告されている。このために、プラスチック材
に磁性粉体を混入させたものから人工血管を製造するこ
とが提案されている。いしかしながら、プラスチック材
への磁性粉体の混入という態様では、人工血管という製
品の性格上、種々の欠点を伴うものである。即ち、磁性
粉体は、それ自体が不均一な粒子系であり、かつ磁性粉
体を十分に強い静磁場を発生させ得る高濃度で完全に均
一にプラスチック材に混入させることが困難であること
から、このアプローチではより安全性の高い人工血管が
得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記した
人工血管などの管状体にみるように、管状体の内壁面に
均一、かつ強固なフェライト膜を形成し、これを磁化し
た製品が各種の応用分野で要求されていることに鑑み、
管状体内壁面でのフェライト膜形成方法について鋭意検
討を加えた。その結果、前記した本発明者らが、先に提
案したフェライト膜の形成方法が有効であることが見い
出された。本発明は、先に本発明者らが提案したフェラ
イト膜の形成方法をベースにして、管状体内壁面に均
一、かつ強固なフェライト膜を形成する新規な方法を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明は、管状体内壁面においてフェライト膜を形成する
方法において、金属イオンとして少なくとも第1鉄イオ
ン〔Fe(II)〕を含有する反応液と、該反応液中の第
1鉄イオンを第2鉄イオン〔Fe(III )〕に酸化する
酸化剤を含有する酸化液を、所望の温度下で管状体の透
孔部に通液させることを特徴とする管状体内壁面でのフ
ェライト膜形成方法に関するものである。
【0007】以下、本発明の技術的構成を、詳しく説明
する。本発明において使用する金属イオンとして少なく
とも第1鉄イオン〔Fe(II)〕を含有する反応液とし
ては、例えば塩化第1鉄FeCl2 等の第1鉄塩、ある
いはこれと他の金属元素の塩とを水に溶かすことによっ
て得られるもの、あるいは金属鉄を酸で溶かすことなど
によって得てもよく、この水溶液のpHを6.5以上、
好ましくは8以下とすることがよい。なお、反応液(水
溶液)において、加水分解によりFeOH+ のイオン種
が存在し、これが管状体の内壁面に吸収する。通常、内
壁面は該金属イオンが吸着するためのOH基、COOH
基などの吸着席を有するものである。
【0008】本発明において、反応液中の第1鉄イオン
〔Fe(II)〕は管状体内壁面に吸着し、これが後述す
る酸化液により酸化第2鉄イオン〔Fe(III )〕に酸
化されて、スピネル型構造になる。その際、よく知られ
ているように他の金属イオンを含むスピネル型構造を形
成させるように、反応液に他の金属イオンを含有させる
ようにしてもよい。例えば、フェライト膜は、前記反応
液が金属イオンとしてFe2+イオンのみを含む場合に
は、金属元素として鉄のみを含むスピネル・フェライ
ト、即ちマグネタイトFe3 4 あるいはマグヘマイト
γ−Fe2 3 の膜が形成され、水溶液がFe2+イオン
とその他の遷移金属イオンM(M=Zn2+,Co2,3+
Ni2+,Mn2,3+,Fe3+,Cu2+,V3,4,5+,S
5+,Li+ ,Mo4,5+,Ti4+,Rd3+,Mg2+,A
3+,Si4+,Cr3+,Sn2,4+など)を含む場合に
は、鉄以外の金属元素を含むフェライトの膜、例えばM
が一種の場合にはコバルトフェライト(Cox Fe3-x
4 )、ニッケルフェライト(Nix Fe3-x 4 )…
などの膜が形成され、Mが数種の場合にはMn−Znフ
ェライト(Mnx Zny Fe3-x-y 4 )などの混晶フ
ェライトの膜が形成されることになる。従って、所望に
より前記した各種の他の金属イオンを単独、あるいは複
合して反応液に添加することができる。
【0009】本発明において使用する酸化液としては、
前記反応液中の第1鉄イオン〔Fe(II)〕を酸化して
第2鉄イオン〔Fe(III )〕を生成せしめるものであ
れば、いかなるものでもよい。具体的には硝酸塩、亜硝
酸塩、過酸化水素などの水溶液が有効である。
【0010】本発明においてフェライト膜を形成するた
めに使用される管状体は、人工血管などのプラスチック
製のもの、あるいは磁力により廃水処理などを行なう場
合には金属製パイプなど各種のものであってよい。特
に、本発明のフェライト膜の形成方法は前記したように
従来法のような高温度を必要とすることなく、せいぜい
200℃以下、好ましくは60〜100℃の温度下で効
率的にフェライト膜を形成できるため、耐熱性の低い各
種素材の管状体を使用することができる。その際、前記
したように本発明のフェライト膜形成方法においては、
反応液中の金属イオン(第1鉄イオンまたは第1鉄イオ
ンと他の金属イオン)が管状体内壁面に効率よく吸着す
ることが重要である。そのためには、その内壁面を物理
的処理や化学的処理により、これらイオン種が吸着しや
すいようにOH基やCOOH基を富化させておくことは
有効である。周知のように、この種の活性化処理におけ
る物理的処理としては、プラズマ処理、コロナ処理、火
炎処理、電子線照射処理、紫外線処理などがあり、また
化学的処理としては酸やアルカリによる処理、シランカ
ップリングによる処理、OH基やCOOH基を有するプ
ラスチック(例えばアクリル酸系ポリマーなど)の被覆
処理などがある。
【0011】本発明においては、前記反応液と酸化液
を、各種の管状体の透孔部に所定温度下に通液して、管
状体内壁面にフェライト膜を形成させるようにしてい
る。特に、通液の態様としては、反応液を連続的に、酸
化液を間欠的に通液することが生産性やフェライトの粒
子の発生を防止できるため好ましいものである。即ち、
理論的には、反応液のみを一定時間通液し、その後酸化
液のみを一定時間通液しうる態様も考えられるが、反応
液中の第1鉄イオンなどを内壁面に完全に吸着させ、か
つフェライト膜の厚さを成長させる観点から、またフェ
ライト膜生成反応の過程において、水溶液中で微粒子の
析出が見られ、これが基板表面上の均一なフェライト膜
成長に支障となる恐れがあることから、前記したように
反応液を連続的に通液する態様が好ましい。
【0012】本発明において、管状体内壁面に効率よく
フェライト膜を形成するには、せいぜい200℃以下の
温度下、好ましくは100℃以下の温度下、更に好まし
くは60〜100℃の温度下で、前記した反応液と酸化
液が反応するようにすればよい。そのためには両液を当
該温度に加熱しておくとか、あるいは管状体の周囲にヒ
ータを装着するか、管状体を所望の加熱媒体(例えば熱
水槽、加熱油槽)に浸漬させるなどの方法を採用すれば
よい。
【0013】本発明における管状体なの内壁面における
フェライト膜形成反応について説明する。
【0014】(1) まず、金属イオンとして少なくとも第
1鉄イオンを含む反応液、具体的にはFeOH+ を含む
反応液が管状体の透孔部に通液されると、管状体の内壁
面上(内壁面上に多数のOH基の吸着席があるとす
る。)にFeOH+ が均一吸着される。これを化学式で
表わすと、次式(1) のようになる。 FeOH+ → (内壁面)−FeOH+ ……(i) なお、反応液中に第1鉄イオンがFeOH+ 以外の例え
ばFeSO4 で存在するとき、加水分解により前記(i)
式の反応を次式により行なわせることができる。 Fe2++SO4 2-+H2 O→(内壁面)−FeOH+
+ +SO4 2- 上式において、このような場合には加水分解に伴って水
溶液のpHが次第に低下(酸性サイドにシフト)するこ
とになるため、常に一定の条件下でフェライト膜を形成
するためには系のpHを一定に保つことが必要である。
このためには酢酸アンモニウムなどの緩衝液を使用すれ
ばよい。
【0015】(2) 次に、管状体内壁面に均一に吸着され
たFeOH+ を、次式(ii)のように酸化させる。 (内壁面)−FeOH+ +H+ → (内壁面)−Fe2+……(ii)
【0016】以上のようにして形成される内壁面上のF
eOH2+は、反応液中のFeOH+、あるいは更に他の
金属の水酸化イオンMOH+(n-1)と反応し、次式(iii)
のごとくフェライト結晶化反応を生じ、フェライト結晶
を生成する。 (内壁面)− xFeOH2++ yFeOH+ + zMOH+(n-1) → (内壁面)−(Fex 3+,Fey 2+,Mz n+)O4 +3H+ ……(iii) (但し、x +y +z =3) ここで前記(i) 式で述べたように、FeOH+ が内壁面
上に均一に吸着されて(内壁面)−FeOH+ の層が均
一に形成されていれば(ii)式、(iii) 式を経て生成され
るフェライト結晶も均一に得られ、しかもこのフェライ
ト結晶層は、それ自体前記したFeOH+ の吸着に関し
ての界面活性を均一に有しているために、この結晶層の
上に前記(i) 式の吸着反応により更に(内壁面)−Fe
OH+ が生ずる。したがって前記(iii) 式の酸化反応を
連続的に行なわせることで、管状体内壁面上には順次フ
ェライト層が均一に成長・堆積され、適宜の厚さのフェ
ライト膜が得られることになるのである。なお以上の反
応において、反応液中に第1鉄イオン以外の他の金属元
素イオンが共存する場合には、管状体内壁面上に吸着す
る第1層のイオン中にはFeOH+ と共に他の水酸化金
属イオンも共存するため、前記(i) ,(ii),(iii) 式の
総称するフェライト膜生成反応によりFe以外の元素を
含むフェライト結晶の成長が得られたことになる。
【0017】以上、説明したように、本発明により所望
の管状体なの内壁面に極めて簡便に、均一かつ強固なフ
ェライト膜を形成することができる。なお、フェライト
膜の肉厚は、反応液や酸化液の濃度や通液速度などに依
存するが、150〜300オングストローム/分の割合
でフェライト膜を形成させることができる。本発明によ
り製造される内壁面にフェライト膜を有する管状体は種
々の応用分野で利用される。例えば、フェライト磁性膜
で内壁をコートしたプラスチックチューブ(高分子管
体)の磁性膜を、磁気ヘッドを用い、チューブの長手方
向もしくは円周方向にN,S,N,S,……と微小領域
ごとに符号を反転させて磁化したものを人工血管に用い
ると、血液中の負に帯電した血球(赤血球等)と漏洩磁
力線との相互作用により、血栓の付着が著しく防止され
る。従来技術としては、磁力線と帯電血球との相互作用
によって血栓の付着を防止するために、磁性微粒子を分
散させたプラスチックを成型して管体としていたが、こ
の場合、血栓の付着防止に要求される十分強い磁力を得
るためにプラスチックの微粒子の含有率を高めると、管
体として成形することが困難になり、また管体の柔軟性
が失われる等の問題があったが、本発明はこれを克服す
るものである。更に、内壁フェライト・コート管体を磁
性中空糸フィルターに用いることにより、磁性ハイブリ
ッド薬品(医薬品分子に磁性超微粒子を固定し、外磁場
で医薬品の移動、分離、凝集などを行わしめるようにし
たもの)や磁性分子、磁性超微粒子などを高効率で選択
的に除去することが可能になる。
【0018】以下、本発明を実施例により更に詳しく説
明する。なお、本発明は実施例のものに限定されないこ
とはいうまでもないことである。
【0019】〔実施例1〕外径4mm、内径3mm、長さ4
0cmのテフロンチューブ(管体)の片側に三つ股を接続
し、三つ股の二つの入口のそれぞれから、ポンプにより
反応液(原料FeCl2 ・4H2 OおよびpHバッファ
ーCH3 COONH4 を含む)を連続的に、酸化液(酸
化剤NaNO2 およびpHバッファーCH3 COONH
4 を含む)を含む)を間欠的(5秒供給、10秒間停
止)に送り込んだ。反応液と酸化液の組成、pH値、流
量は表1の通りである。前記チューブを、銅パイプのま
わりに抵抗線をまいたヒータの中におき80℃に昇温し
た状態で上記の溶液を60分間通液した。これにより、
厚さ(原子的先方の分析結果から計算)1.5μm の磁
性膜が内壁に堆積され、X線回析の結果マグネタイトF
3 4 と同定された。磁性膜の抗磁力は140 Oe で
あった。
【0020】
【表1】
【0021】〔実施例2〕実施例1と同形状のテフロン
チューブに、実施例1と同様、ただし、反応液、酸化液
の組成を表2のように変え、チューブをホットバスの温
水中において90℃に昇温し、60分間通液した。これ
により、厚さ2.0μm の磁性膜が内壁に堆積され、こ
れはマグネタイトFe3 4 と同定された。
【0022】
【表2】
【0023】〔実施例3〕実施例1と同形状のビニール
チューブに、実施例2と同様、ただし、表3のごとくF
2+,Co2+を含む反応液を用いて60分間通液した。
これにより、Fe3-x Cox 4 (x=0.2)と同定
された厚さ約1.8μm の磁性膜が内壁に堆積され、こ
の磁性膜の抗磁力は1.1 KOeであった。
【0024】
【表3】
【0025】〔実施例4〕実施例3と同様、ただし表4
のごとくFe2+,Ni2+,Zn2+を含む反応液を用いて
60分間通液した。これにより、Fe1.3 Ni0.3 Zn
0.4 4 と同定された厚さ約1.3μm の磁性膜が内壁
に堆積され、この磁性膜の抗磁力は80 Oe であった。
【0026】
【表4】
【0027】〔実施例5〕実施例1のチューブのまわり
に0.5mm径の導線高周波コイルをまき、チューブ内を
10 mTorrの酸素雰囲気とし、高周波コイルに13.5
6 MHz、30 Wの高周波電流を3分間流し、チューブ内
にO2 プラズマを発生させた。その結果チューブ内壁の
水ぬれが向上したことが、内壁に付着する水滴の目視か
ら明かに認められた。このような表面活性化処理を行な
ったテフロンチューブを用い、実施例2と同じ条件で反
応液と酸化液を通液したところ、同様の組成、厚さの磁
性膜が得られたが、その表面の緻密さが著しく改善され
たことが目視および走査形電子顕微鏡(SEM)による
表面観察により明かにされた。
【0028】〔実施例6〕実施例1のテフロンチューブ
に次のような方法のいずれかにより表面活性化処理を行
なった。(1) チューブをホットバスで70℃に保ち、シ
ランカップリング剤(サランエースS210)の水溶液
を管内に5ml/minで流した、(2) 室温で管内に50% H
Clを0.5ml/minで流した。(3) 室温で管内に1N N
aOH水溶液を0.5ml/minで流した。このようにして
表面活性化処理したテフロンチューブを用い、実施例3
と同じ条件でメッキを行なったところ、表面の緻密さが
著しく改善されたことが目視とSEM観察で明かにされ
た。
【0029】〔実施例7〕外径1mm、内径0.4mmのテ
フロンチューブおよび塩化ビニールチューブを実施例6
(3) に示されている表面改質処理を行なった後、実施例
2に示されている方法でメッキを行ない、厚さ約2.0
μm のFe3 4 磁性膜を得た。
【0030】
【発明の効果】本発明により、従来技術では管状体内壁
面に均一かつ強固なフェライト膜を形成させることが困
難であったものを、極めて簡便に形成させることができ
る。例えば、従来技術により管状体内壁面にフェライト
膜を形成させるためには、溶液コート法や電着法などに
よりフェライト膜の前駆体(プレカーサ)を内壁面に形
成し、次いで高温加熱処理してスピネル型酸化物の結晶
を得るという煩雑な方式を採用しなければならない。こ
の点、本発明においては、管状体内壁面に低温下で反応
液と酸化液を通液するという極めて簡便な方式を採用す
る。しかも、管状体の素材としてプラスチック材や鋼材
など任意のものが使用できるため、各種用途に適合した
素材の管状体を処理することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管状体内壁面においてフェライト膜を形
    成する方法において、金属イオンとして少なくとも第1
    鉄イオン〔Fe(II)〕を含有する反応液と、該反応液
    中の第1鉄イオンを第2鉄イオン〔Fe(III )〕に酸
    化する酸化剤を含有する酸化液を所望の温度下で管状体
    の透孔部に通液させることを特徴とする管状体内壁面で
    のフェライト膜形成方法。
  2. 【請求項2】 反応液を連続的に、かつ酸化液を間欠的
    に管状体の透孔部に通液させるものである請求項1に記
    載のフェライト膜形成方法。
  3. 【請求項3】 反応液が、1〜4のイオン価数を持つ第
    1鉄イオン〔Fe(II)〕以外の金属イオンを含有する
    ものである請求項1に記載のフェライト膜形成方法。
  4. 【請求項4】 酸化液が、亜硝酸ナトリウム水溶液また
    は過酸化水素水溶液である請求項1に記載のフェライト
    膜形成方法。
  5. 【請求項5】 所望の温度が、60〜100℃である請
    求項1に記載のフェライト膜形成方法。
  6. 【請求項6】 管状体内壁面が、活性化処理されたもの
    である請求項1に記載のフェライト膜形成方法。
  7. 【請求項7】 活性化処理が、プラズマ処理、コロナ処
    理、火炎処理、電子線照射処理、紫外線処理の物理的処
    理または化学的処理である請求項1に記載のフェライト
    膜形成方法。
JP3208773A 1990-08-16 1991-07-26 管状体内壁面でのフェライト膜形成方法 Pending JPH06100318A (ja)

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