JP2006108557A - フェライト薄膜およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 フェライトめっき法によって形成されたフェライト膜において、生成速度を向上して工業的な生産性を増し、フェライト膜の組成および組織を制御し、260℃程度の温度で熱処理した後も高比抵抗でかつ軟磁気特性が優れたフェライト薄膜およびその製造方法を得る。
【解決手段】 フェライトめっきにて形成されたFe,Ni,Zn系のフェライト薄膜において、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であって、約260℃で熱処理した後の、表面抵抗率(Ω)と膜厚(cm)の積が106Ωcm以上であるフェライト薄膜とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スピネル型フェライト膜に関し、特にインダクタンス素子、インピーダンス素子、磁気ヘッド、マイクロ波素子、磁歪素子、及び高周波領域において不要電磁波の干渉によって生じる電磁障害を抑制するために用いられる電磁干渉抑制体などに好適なスピネル型のフェライト薄膜およびその製造方法に関する。
近年の電子機器の小型化の進展により、それを構成する電子部品への小型化の要求は、年々高まってきている。その要求に伴い、たとえば、インダクタンス素子、インピーダンス素子、磁気ヘッド、マイクロ波素子、磁歪素子、及び高周波領域において不要電磁波の干渉によって生じる電磁障害を抑制するための電磁干渉抑制体等に用いられる軟磁気特性を有する材料には、応用されるデバイスに適した軟磁気特性および小型化(シート化または薄膜化)が求められている。また、小型化が進むに従い、デバイスの高密度実装化が進んでおり、上記の軟磁気特性を有する材料には、高信頼性のため高比抵抗化が求められている。
フェライトめっきとは、例えば特許文献1に示されているように、固体表面に、金属イオンとして少なくとも第1鉄イオンを含む水溶液を接触させ、固体表面にFe2+またはこれと他の水酸化金属イオンを吸着させ、続いて吸着したFe2+を酸化させることによりFe3+を得、これが水溶液中の水酸化金属イオンとの間でフェライト結晶化反応を起こし、これによって固体表面にフェライト膜を形成することをいう。フェライトめっきでは、膜を形成しようとする基体として、前述した水溶液に対して耐性があらゆる材質を用いることができる。また更に、水溶液を介した反応であるため、温度が比較的低温(常温〜水溶液の沸点以下)でスピネル型フェライト膜を形成できるという特徴がある。そのため、上記のような磁気デバイスへの応用が期待される技術の一つである。
従来、この技術を基にフェライト膜の均質化、反応速度の向上を図ったものが特許文献2であり、また、特許文献3には、固体表面に界面活性を付与して種々の固体にフェライト膜を形成する内容が記載されている。また、特許文献4、特許文献5、特許文献6には、フェライト膜の形成速度の向上に関することが記載されている。
特許第1475891号 特許第1868730号 特開昭61−030674号 特許第1774864号 特許第1979295号 特開平02−116631号
フェライトめっきは、膜を形成しようとする固体が前述した水溶液に対して耐性があれば何でも良い。更に、水溶液を介した反応であるため、温度が比較的低温(常温〜水溶液の沸点以下)でスピネル型フェライト膜を形成できるという特徴がある。そのため、他のフェライト膜の作製技術に比べて、固体の限定範囲が小さい。
上記のようにインダクタンス素子、インピーダンス素子、磁気ヘッド、マイクロ波素子、磁歪素子、及び高周波領域における電磁干渉抑制体等への応用という観点からみると、それに用いられる磁性体は優れた軟磁気特性および高比抵抗化が求められており、さらには、これらの特性が高温環境下におかれても劣化が少ないことが求められている。上記フェライトめっきにより得られる膜の比抵抗(おおよそ表面抵抗率と膜厚の積に等しい)と軟磁気特性を制御するためには、その膜の組成および組織制御が不可欠である。
しかしながら、上記のような従来技術では高特性は得られなかった。さらには、約260℃程度の温度で熱処理をすると比抵抗が劣化するため、他の電子部品と共にリフローはんだ付け工程を通すと絶縁性・信頼性が劣化する問題があった。
そこで、本発明における目的は、フェライトめっき法によって形成されたフェライト膜において、懸かる従来の欠点を解消し、生成速度を向上して工業的な生産性を増し、フェライト膜の組成および組織を制御し、260℃程度の温度で熱処理した後も高比抵抗で、かつ軟磁気特性が優れたフェライト薄膜およびその製造方法を得ることである。
本発明では、フェライト薄膜の製造方法を、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程と、前記反応液、酸化液の内フェライト膜生成に寄与しない残分を基体から除去する工程とすることによって、フェライト薄膜の組成を、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3以上であり、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3以下であるフェライト薄膜とするものである。
また、本発明は、前記と同じ製造方法にて、フェライト薄膜の組成を、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.2/3以上であり、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.7/3以下であり、Co有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0/3より大きく0.3/3以下であるフェライト薄膜とするものである。
即ち、本発明は、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程と、前記反応液、酸化液の内フェライト膜生成に寄与しない残分を基体から除去する工程とからなるフェライト膜の製造方法にて形成されるFe,Ni,Zn系のフェライト薄膜において、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3以上であり、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3以下であるフェライト薄膜である。
また、本発明は、前記フェライト薄膜が、約260℃で熱処理した後の、表面抵抗率(Ω)と膜厚(cm)の積が106Ωcm以上であるフェライト薄膜である。
また、本発明は、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程と、前記反応液、酸化液の内フェライト膜生成に寄与しない残分を基体から除去する工程とからなるフェライト膜の製造方法にて形成されるFe,Ni,Zn,Co系のフェライト薄膜において、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.2/3以上であり、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.7/3以下であり、Co有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0/3より大きく0.3/3以下であるフェライト薄膜である。
また、本発明は、前記フェライト薄膜が、約260℃で熱処理した後の、表面抵抗率(Ω)と膜厚(cm)の積が106Ωcm以上のフェライト薄膜である。
また、本発明は、Fe,Ni,Zn系、あるいはFe,Ni,Zn,Co系のフェライト薄膜の製造方法であって、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程と、前記反応液、酸化液の内フェライト膜生成に寄与しない残分を基体から除去する工程とからなるフェライト薄膜の製造方法である。
本発明によれば、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程と、前記反応液、酸化液のFeの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3以上でありかつZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3以下であるか、または前記フェライト薄膜が更にCoを含有し、その含有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0/3以上0.3/3以下であるフェライト薄膜が表面抵抗率×膜厚の値が熱処理後も高くかつ優れた軟磁気特性を有することが分かる。
内フェライト膜の生成に寄与しない残分を基体から除去する工程とからなることを特徴とするフェライト膜の製造方法により、フェライト膜の生成速度を向上して工業的な生産性を増すことが可能となり、工業的な利用価値は大である。さらに、上記製造方法により、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3以上であり、かつZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3以下であるか、または前記フェライト薄膜が更にCoを含有し、その含有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0/3より大きく0.3/3以下であるフェライト薄膜が表面抵抗率×膜厚の値が熱処理後も高くかつ優れた軟磁気特性を有するフェライト薄膜が得られ、例えばインダクタンス素子、インピーダンス素子、磁気ヘッド、マイクロ波素子、磁歪素子、及び高周波領域における電磁干渉抑制体等への応用が期待できる。
本発明によれば、生成速度が向上し、工業的な生産性が増し、かつフェライト膜の組成および組織が制御された、260℃程度の温度で熱処理した後も高比抵抗で、かつ軟磁気特性が優れたフェライト薄膜およびその製造方法が得られる。
本発明のフェライト薄膜は、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程と、前記反応液、酸化液の内フェライト膜生成に寄与しない残分を基体から除去する工程とからなるフェライト膜の製造方法にて形成されるFe,Ni,Zn系のフェライト薄膜、あるいはFe,Ni,Zn,Co系のフェライト薄膜である。
ここで、本発明では、フェライト薄膜の組成を、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3以上であり、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3以下であるフェライト薄膜とするものである。
ここで、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3を越えると、フェライト薄膜の比抵抗が、低下する不具合が発生し、また、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3未満であると、フェライト薄膜の比抵抗が低下する不具合が発生し、また、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3を越えると、フェライト薄膜のMsが低下する不具合が発生する。
また、本発明では、フェライト薄膜の組成をFeの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.2/3以上であり、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.7/3以下であり、Co有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0/3より大きく0.3/3以下であるフェライト薄膜とするものである。
ここで、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3を越えると、フェライト薄膜の比抵抗が低下する不具合が発生し、また、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3未満であると、フェライト薄膜の比抵抗が低下する不具合が発生し、また、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3を越えると、同じくフェライト薄膜のMsが低くなる不具合が発生する。また、Co含有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.3/3を越えると、フェライト薄膜の保磁力が高くなる不具合が発生する。
かつ、上記2種類の組成のフェライト薄膜共に、約260℃で熱処理した後の、表面抵抗率(Ω)と膜厚(cm)の積が106Ωcm以上のフェライト薄膜となる。
本発明において、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であるフェライト薄膜が260℃程度の温度で熱処理した後も表面抵抗率と膜厚の積が高い原因は、フェライト中のFe2+が従来の材料よりも少ないため、Fe2+とFe3+の間で生じる電気伝導が阻害されているためと推定される。
また、本発明においてFeの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3以上であり、かつZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3以下であるか、または前記フェライト薄膜が更にCoを含有し、その含有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0/3より大きく0.3/3以下であるフェライト薄膜が優れた軟磁気特性を有する原因は、フェライト中のFe2+、Fe3+、Ni2+、Co2+等のイオンによって生じるトータルの磁気異方性が比較的小さく、かつキュリー温度が比較的高いためと推定される。
本発明における反応液、酸化液を除去する工程が、フェライトめっき膜の生成速度を向上し、かつ均質な柱状結晶とすることの原因の詳細は明らかとなっていない。しかし、反応液、酸化液を除去する工程が、固体表面以外での副次的なフェライト微粒子の形成を抑制し、また固体表面に均一にFe2+を吸着させるものと考えられる。
以下、本発明のフェライト薄膜の製造方法について詳細に説明する。図1に、本製造方法で用いるフェライト薄膜の製造装置の概略を示す。4はフェライト膜を形成する基体であり、回転台3の上に設置される。5,6はめっきに必要な液を貯蔵するためのタンクである。前述しためっき工程における反応液、酸化液の除去を効率よく行うために必要な液は幾つかに分けて準備する方が良い。
図1では、めっきに必要な液を二つに分けた場合を示す。タンク5,6に貯蔵された溶液は、ノズル1,2を介して基体4に供給される。その際、例えば、ノズル1を介して基体4に溶液が供給された後、供給された溶液が回転による遠心力で除去され、ノズル2を介して基体4に供給された溶液が、回転による遠心力で除去されることを繰り返す。
図1では、反応液、及び酸化液を基体から除去する際、遠心力を用いているが、重力によって反応液、酸化液に付与される流動性によって除去しても構わない。
図1に示すような装置の回転板の上にプラズマ処理により親水化処理をしたガラス製基板を設置し、150rpmで回転させながら脱酸素イオン交換水を供給しながら90℃まで加熱した。ついで、装置内にN2ガスを導入し脱酸素雰囲気を形成した。反応液はFeCl2・4H2O、NiCl2・6H2O、ZnCl2、CoCl2・6H2Oをそれぞれ所定の量、溶かしたものを用いた。また、脱酸素イオン交換水中にNaNO2とCH3COONH4をそれぞれ0.3,5.0g/リットル溶かしたものを酸化液とした。
前記反応液および酸化液をノズルにより、それぞれ50ml/minの流量で供給した。取り出したガラス基板の板上には黒色鏡面膜が形成されており、Ni,Zn,FeおよびO、またはNi,Zn,Fe,CoおよびOからなるフェライトであることを確認した。SEMを用いた組織観察の結果、膜厚が均一である組織が形成されていた。表1に、反応液の組成と得られた膜の組成を示す。
Figure 2006108557
表2に、膜の組成と成膜上がりおよび200℃で3分間、大気中で熱処理した後の表面抵抗率×膜厚の値、飽和磁化Msおよび保磁力Hcを示す。
Figure 2006108557
ここで、Coを添加した発明材5と6では、表面抵抗率(Ω)と膜厚(cm)の積が108Ωcm以上得られている。
Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3以上であり、かつZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3以下であるか、または前記フェライト薄膜が更にCoを含有し、その含有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0/3より大きく0.3/3以下であるフェライト薄膜が、表面抵抗率×膜厚の値が熱処理後も高く、かつ優れた軟磁気特性を有することが分かる。
(比較例)
図1に示すような装置の回転板の上にプラズマ処理により親水化処理をしたガラス製基板を設置し、テーブルの回転数以外は実施例と同一の条件で製膜した。回転数は3rpmとした。その後、取り出した基板の板上には膜が形成されており、SEMを用いた組織観察の結果、膜厚の均一性が著しく劣化しており、また軟磁気特性は実施例で得られたものよりも著しく劣化していた。
図1において、テーブルの回転は基体表面に遠心力を加える効果を持つ。従って、本比較例の結果は、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程、反応液を基体から除去する工程、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程、酸化液を基体から除去する工程の繰り返しからなる製造方法が均一な組織を有するフェライト膜の製造に不可欠であることを示していると思われる。
このように、本発明によれば、表面抵抗率×膜厚の値が、熱処理後も高いフェライト薄膜が得られ、例えば、インダクタンス素子、インピーダンス素子、磁気ヘッド、マイクロ波素子、磁歪素子、及び高周波領域における電磁干渉抑制体等への応用が期待できる。
本発明の実施例に用いたフェライト薄膜の製造装置の概略図。
符号の説明
1,2 ノズル
3 回転台
4 基体
5,6 タンク

Claims (4)

  1. 少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程と、前記反応液、酸化液の内フェライト膜の生成に寄与しない残分を基体から除去する工程とからなるフェライト膜の製造方法にて形成されるFe,Ni,Zn系のフェライト薄膜において、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn)の値が0.2/3以上であり、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn)の値が0.7/3以下であることを特徴とするフェライト薄膜。
  2. 前記フェライト薄膜は、約260℃で熱処理した後の、表面抵抗率(Ω)と膜厚(cm)の積が106Ωcm以上であることを特徴とする請求項1に記載のフェライト薄膜。
  3. 少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体に接触させる工程と、前記反応液、酸化液の内フェライト膜の生成に寄与しない残分を基体から除去する工程とからなるフェライト膜の製造方法にて形成されるFe、Ni、Zn、Co系のフェライト薄膜において、Feの含有量がモル比でFe/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が2.0/3以下であり、Ni含有量がモル比でNi/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.2/3以上であり、Zn含有量がモル比でZn/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0.7/3以下であり、Co有量がモル比でCo/(Fe+Ni+Zn+Co)の値が0/3より大きく0.3/3以下であることを特徴とするフェライト薄膜。
  4. 前記フェライト薄膜は、約260℃で熱処理した後の、表面抵抗率(Ω)と膜厚(cm)の積が106Ωcm以上であることを特徴とする請求項3に記載のフェライト薄膜。
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