JPH06100317A - 磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 - Google Patents
磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法Info
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- JPH06100317A JPH06100317A JP4056370A JP5637092A JPH06100317A JP H06100317 A JPH06100317 A JP H06100317A JP 4056370 A JP4056370 A JP 4056370A JP 5637092 A JP5637092 A JP 5637092A JP H06100317 A JPH06100317 A JP H06100317A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 高い保磁力を有し、且つ、黒色を呈してお
り、しかも、磁気的、化学的に安定である磁性酸化鉄粒
子粉末及び当該磁性酸化鉄粒子粉末を工業的に得られる
製造法を提供する。 【構成】 Fe3 O4 粒子を核晶粒子とし、該核晶粒子
の粒子表面にCoFe2O4 が結晶成長しているスピネ
ル型複合粒子からなる磁性酸化鉄粒子粉末であり、当該
磁性酸化鉄粒子粉末は、Fe3 O4 粒子が分散されてい
るpH10以上のアルカリ性分散液に、50℃以上沸点
以下の温度において酸素含有ガスを通気しながらCo2+
1モルに対しFe2+を2モル以上3モル未満の割合とな
る様に調整したCo2+及びFe2+を含む混合溶液又はC
o2+及びFe2+の水酸化物を含む懸濁液を、アルカリ性
分散液中のCoイオン及びFeイオンの濃度がCo2+と
Fe2+との総和で0.005Mを越え0.5M未満の範
囲となるように添加することにより得られる。
り、しかも、磁気的、化学的に安定である磁性酸化鉄粒
子粉末及び当該磁性酸化鉄粒子粉末を工業的に得られる
製造法を提供する。 【構成】 Fe3 O4 粒子を核晶粒子とし、該核晶粒子
の粒子表面にCoFe2O4 が結晶成長しているスピネ
ル型複合粒子からなる磁性酸化鉄粒子粉末であり、当該
磁性酸化鉄粒子粉末は、Fe3 O4 粒子が分散されてい
るpH10以上のアルカリ性分散液に、50℃以上沸点
以下の温度において酸素含有ガスを通気しながらCo2+
1モルに対しFe2+を2モル以上3モル未満の割合とな
る様に調整したCo2+及びFe2+を含む混合溶液又はC
o2+及びFe2+の水酸化物を含む懸濁液を、アルカリ性
分散液中のCoイオン及びFeイオンの濃度がCo2+と
Fe2+との総和で0.005Mを越え0.5M未満の範
囲となるように添加することにより得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い保磁力を有し、且
つ、黒色を呈しており、しかも、磁気的、化学的安定性
に優れている磁性酸化鉄粒子粉末を提供することを目的
とする。
つ、黒色を呈しており、しかも、磁気的、化学的安定性
に優れている磁性酸化鉄粒子粉末を提供することを目的
とする。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化
が進むにつれて、磁気テープ、磁気ディスク等の記録媒
体に対する高性能化の必要性が益々生じてきている。即
ち、高記録密度、高感度特性、高出力特性はもちろん、
磁気的、化学的安定性に優れていることが要求される。
磁気記録媒体に対する上記のような要求を満足させる為
に要求される磁性酸化鉄粒子粉末の特性は、高い保磁力
を有し、且つ、黒色を呈しており、しかも、磁気的、化
学的安定性に優れていることが要求されている。
が進むにつれて、磁気テープ、磁気ディスク等の記録媒
体に対する高性能化の必要性が益々生じてきている。即
ち、高記録密度、高感度特性、高出力特性はもちろん、
磁気的、化学的安定性に優れていることが要求される。
磁気記録媒体に対する上記のような要求を満足させる為
に要求される磁性酸化鉄粒子粉末の特性は、高い保磁力
を有し、且つ、黒色を呈しており、しかも、磁気的、化
学的安定性に優れていることが要求されている。
【0003】この事実は、例えば、特公昭55−658
0号公報の「近年、益々記録信号が短波長領域へ移行す
る傾向にあり、特にビデオカセット用においてこの傾向
が著しい、即ち、高密度記録、高出力特性、殊に、周波
数特性の向上と同時に磁気的安定性が要求される。磁気
記録媒体に対する上記のような要求を満足させる為に適
した磁性材料の特性は、磁気的安定性と高い保磁力(H
c)を有することである。」なる記載の通りである。
0号公報の「近年、益々記録信号が短波長領域へ移行す
る傾向にあり、特にビデオカセット用においてこの傾向
が著しい、即ち、高密度記録、高出力特性、殊に、周波
数特性の向上と同時に磁気的安定性が要求される。磁気
記録媒体に対する上記のような要求を満足させる為に適
した磁性材料の特性は、磁気的安定性と高い保磁力(H
c)を有することである。」なる記載の通りである。
【0004】従来、高い保磁力を有する磁性粒子粉末と
して所謂、Coドープ型の磁性酸化鉄粒子と所謂、Co
被着型の磁性酸化鉄粒子とが知られている。前者はマグ
ネタイト粒子の生成反応にあたり予めCo塩を添加して
おくことにより、又は出発原料であるゲータイト粒子の
生成反応にあたり予めCo塩を添加してCo含有ゲータ
イト粒子を生成させ、次いで、還元してCo含有マグネ
タイト粒子とするか、必要により更に酸化してCo含有
マグヘマイト粒子とすることにより得られる。後者は、
出発原料であるゲータイト粒子を還元して得られたマグ
ネタイト粒子又は必要により更に酸化して得られたマグ
ヘマイト粒子を前駆体粒子として前駆体粒子の粒子表面
をCo化合物で被覆することにより得られる。
して所謂、Coドープ型の磁性酸化鉄粒子と所謂、Co
被着型の磁性酸化鉄粒子とが知られている。前者はマグ
ネタイト粒子の生成反応にあたり予めCo塩を添加して
おくことにより、又は出発原料であるゲータイト粒子の
生成反応にあたり予めCo塩を添加してCo含有ゲータ
イト粒子を生成させ、次いで、還元してCo含有マグネ
タイト粒子とするか、必要により更に酸化してCo含有
マグヘマイト粒子とすることにより得られる。後者は、
出発原料であるゲータイト粒子を還元して得られたマグ
ネタイト粒子又は必要により更に酸化して得られたマグ
ヘマイト粒子を前駆体粒子として前駆体粒子の粒子表面
をCo化合物で被覆することにより得られる。
【0005】Coドープ型の磁性酸化鉄粒子粉末は、周
知の通り、磁気的、化学的に大変不安定である。Co被
着型の磁性酸化鉄粒子粉末は、Coドープ型の磁性酸化
鉄粒子に比べ、磁気的、化学的安定性が比較的優れてお
り、特に、前駆体粒子がマグネタイト粒子である場合は
前駆体粒子がマグヘマイト粒子である場合に比べ、高い
保磁力と大きな飽和磁化を有しており、加圧に対して比
較的安定である為、Co被着型のマグネタイト粒子粉末
は磁気記録用磁性酸化鉄粒子粉末としてその使用が期待
されている。
知の通り、磁気的、化学的に大変不安定である。Co被
着型の磁性酸化鉄粒子粉末は、Coドープ型の磁性酸化
鉄粒子に比べ、磁気的、化学的安定性が比較的優れてお
り、特に、前駆体粒子がマグネタイト粒子である場合は
前駆体粒子がマグヘマイト粒子である場合に比べ、高い
保磁力と大きな飽和磁化を有しており、加圧に対して比
較的安定である為、Co被着型のマグネタイト粒子粉末
は磁気記録用磁性酸化鉄粒子粉末としてその使用が期待
されている。
【0006】しかし、Co被着型のマグネタイト粒子粉
末は、一般に粒子中にFe2+を含有していることに起因
して磁気的、化学的に不安定であることが知られてい
る。この現象は、特公昭55−6580号公報の「コバ
ルト含有針状晶マグネタイト粒子粉末は保磁力並びに飽
和磁束密度共に大きく、‥‥磁気記録用磁性材料として
その使用が期待されるものであるが、一方でFe2+を有
するため保磁力の経時変化が大きいという欠点を有する
ものである。」なる記載、及び「‥‥コバルト含有針状
晶マグネタイト粒子粉末を空気中に取り出した場合に
は、酸化されてFe2+が化学量論量よりも少なくなり、
結晶格子中に空位が生じる原因となる。そして、このよ
うなコバルト含有針状晶マグネタイト粒子粉末を室温放
置した場合には、空位を介した陽イオン(Fe2+、Co
2+)の安定位置への移動が起り、経時的に保磁力が漸増
するとされている。‥‥コバルト含有針状晶マグネタイ
ト粒子粉末を室温放置した場合、保磁力が経時変化する
のは、結晶格子中におけるイオンの配位の仕方に問題が
ある‥‥。‥‥室温放置した場合には、空位を介したF
e2+、Co2+の安定位置への移動が起り、その結果、保
磁力の経時変化が起る‥‥」なる記載の通りである。
末は、一般に粒子中にFe2+を含有していることに起因
して磁気的、化学的に不安定であることが知られてい
る。この現象は、特公昭55−6580号公報の「コバ
ルト含有針状晶マグネタイト粒子粉末は保磁力並びに飽
和磁束密度共に大きく、‥‥磁気記録用磁性材料として
その使用が期待されるものであるが、一方でFe2+を有
するため保磁力の経時変化が大きいという欠点を有する
ものである。」なる記載、及び「‥‥コバルト含有針状
晶マグネタイト粒子粉末を空気中に取り出した場合に
は、酸化されてFe2+が化学量論量よりも少なくなり、
結晶格子中に空位が生じる原因となる。そして、このよ
うなコバルト含有針状晶マグネタイト粒子粉末を室温放
置した場合には、空位を介した陽イオン(Fe2+、Co
2+)の安定位置への移動が起り、経時的に保磁力が漸増
するとされている。‥‥コバルト含有針状晶マグネタイ
ト粒子粉末を室温放置した場合、保磁力が経時変化する
のは、結晶格子中におけるイオンの配位の仕方に問題が
ある‥‥。‥‥室温放置した場合には、空位を介したF
e2+、Co2+の安定位置への移動が起り、その結果、保
磁力の経時変化が起る‥‥」なる記載の通りである。
【0007】即ち、Co被着型のマグネタイト粒子粉末
は、一定温度に加熱した場合、加熱前後における保磁力
値が変動し、保磁力値の熱履歴に可逆性がなくなった
り、一定期間放置した場合、保磁力が経時的に向上した
り、飽和磁化が経時的に低下したり(以下、磁気的不安
定という。)、また、Fe2+が経時的に減少する(以
下、化学的不安定という。)等の現象が生起する。
は、一定温度に加熱した場合、加熱前後における保磁力
値が変動し、保磁力値の熱履歴に可逆性がなくなった
り、一定期間放置した場合、保磁力が経時的に向上した
り、飽和磁化が経時的に低下したり(以下、磁気的不安
定という。)、また、Fe2+が経時的に減少する(以
下、化学的不安定という。)等の現象が生起する。
【0008】一方、磁気テープ、特にビデオテープ等の
磁気記録媒体の走行の停止は、磁気記録媒体の光透過率
の大きい部分をビデオデッキによって検知することによ
り行われている。近時、記録媒体の高性能化に伴って磁
気記録媒体の薄膜化や記録層中に分散されている磁性酸
化鉄粒子粉末の超微粒子化が益々推進される傾向にあ
り、その結果磁気記録層全体の光透過率が大きくなって
ビデオデッキによる検知が困難となるという問題が生じ
ている。
磁気記録媒体の走行の停止は、磁気記録媒体の光透過率
の大きい部分をビデオデッキによって検知することによ
り行われている。近時、記録媒体の高性能化に伴って磁
気記録媒体の薄膜化や記録層中に分散されている磁性酸
化鉄粒子粉末の超微粒子化が益々推進される傾向にあ
り、その結果磁気記録層全体の光透過率が大きくなって
ビデオデッキによる検知が困難となるという問題が生じ
ている。
【0009】この問題を解決する為、磁気記録層にカー
ボンを添加して光透過率を小さくすることが行われてい
る。その為、現行のビデオテープにおいては磁気記録層
へのカーボンの添加は必須となっている。しかし、磁性
に関与しないカーボンの多量の添加は、磁気記録媒体の
高性能化に相反することから、磁気記録層に分散させる
磁性酸化鉄粒子粉末としてCo被着型のマグヘマイト粒
子に比べ黒色度の高いCo被着型マグネタイト粒子粉末
を使用することにより、カーボンの含有量をできるだけ
減少させることが行われている。
ボンを添加して光透過率を小さくすることが行われてい
る。その為、現行のビデオテープにおいては磁気記録層
へのカーボンの添加は必須となっている。しかし、磁性
に関与しないカーボンの多量の添加は、磁気記録媒体の
高性能化に相反することから、磁気記録層に分散させる
磁性酸化鉄粒子粉末としてCo被着型のマグヘマイト粒
子に比べ黒色度の高いCo被着型マグネタイト粒子粉末
を使用することにより、カーボンの含有量をできるだけ
減少させることが行われている。
【0010】Co被着型のマグネタイト粒子粉末の黒色
度合は、「粉体および粉末冶金」第26巻第7号第23
9〜240頁の「試料の黒色度合いはFe(II)含有
量および平均粒径によって左右され、平均粒径0.2μ
mの粉末は青味を帯びた黒色粉末であり黒色顔料として
最も好適である。‥‥Fe(II)含有量が10%以上
では黒色度合に若干の差異が認められるが、試料はいず
れも黒色である。Fe(II)含有量が10%以下に減
少すると各試料は黒色から赤茶色に変化する。」なる記
載の通り、主にFe2+含有量によって左右され、Fe2+
含有量が増加する程黒味が増加する傾向にあることが知
られている。
度合は、「粉体および粉末冶金」第26巻第7号第23
9〜240頁の「試料の黒色度合いはFe(II)含有
量および平均粒径によって左右され、平均粒径0.2μ
mの粉末は青味を帯びた黒色粉末であり黒色顔料として
最も好適である。‥‥Fe(II)含有量が10%以上
では黒色度合に若干の差異が認められるが、試料はいず
れも黒色である。Fe(II)含有量が10%以下に減
少すると各試料は黒色から赤茶色に変化する。」なる記
載の通り、主にFe2+含有量によって左右され、Fe2+
含有量が増加する程黒味が増加する傾向にあることが知
られている。
【0011】Co被着型のマグネタイト粒子粉末の磁気
的、化学的不安定性を改良する為の試みは従来から種々
検討されており、例えば、FeOx (x=1.33〜
1.5)からなる酸化鉄の核晶粒子の粒子表面にFe3
O4 又は不定比化合物からなる予備被覆と該予備被覆上
にCoの水酸化物の被覆を形成させる方法(特開昭63
−74920号公報)がある。
的、化学的不安定性を改良する為の試みは従来から種々
検討されており、例えば、FeOx (x=1.33〜
1.5)からなる酸化鉄の核晶粒子の粒子表面にFe3
O4 又は不定比化合物からなる予備被覆と該予備被覆上
にCoの水酸化物の被覆を形成させる方法(特開昭63
−74920号公報)がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】高い保磁力を有し、且
つ、黒色を呈しており、しかも、磁気的、化学的に安定
である磁性酸化鉄粒子粉末は、現在最も要求されている
ところであるが、前出特開昭63−74920号公報に
記載の磁性酸化鉄粒子粉末は、これら諸特性を十分満足
するものとは言い難いものである。
つ、黒色を呈しており、しかも、磁気的、化学的に安定
である磁性酸化鉄粒子粉末は、現在最も要求されている
ところであるが、前出特開昭63−74920号公報に
記載の磁性酸化鉄粒子粉末は、これら諸特性を十分満足
するものとは言い難いものである。
【0013】即ち、特開昭63−74920号公報に記
載の磁性酸化鉄粒子粉末は、保磁力の温度依存性をでき
るだけ小さくすることを目的とするものであり、加熱前
後における保磁力の熱履歴に可逆性を持たせたり、保磁
力及び飽和磁化の磁気的安定性やFe2+の化学的安定性
を改良することを目的とする本発明とはその作用・効果
が全く相違するものである。また、Fe2+含有量が少な
く黒色度合が劣るものである。
載の磁性酸化鉄粒子粉末は、保磁力の温度依存性をでき
るだけ小さくすることを目的とするものであり、加熱前
後における保磁力の熱履歴に可逆性を持たせたり、保磁
力及び飽和磁化の磁気的安定性やFe2+の化学的安定性
を改良することを目的とする本発明とはその作用・効果
が全く相違するものである。また、Fe2+含有量が少な
く黒色度合が劣るものである。
【0014】そこで、本発明は、高い保磁力を有し、且
つ、黒色を呈しており、しかも、磁気的、化学的に安定
である磁性酸化鉄粒子粉末を得ることを技術的課題とす
る。
つ、黒色を呈しており、しかも、磁気的、化学的に安定
である磁性酸化鉄粒子粉末を得ることを技術的課題とす
る。
【0015】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、Fe
3 O4 粒子を核晶粒子とし、該核晶粒子の粒子表面にC
oFe2 O4 が結晶成長しているスピネル型複合粒子か
らなる磁性酸化鉄粒子粉末及びFe3 O4 粒子が分散さ
れているpH10以上のアルカリ性分散液に、50℃以
上沸点以下の温度において酸素含有ガスを通気しながら
Co2+1モルに対しFe2+を2モル以上3モル未満の割
合となる様に調整したCo2+及びFe2+を含む混合溶液
又はCo2+及びFe2+の水酸化物を含む懸濁液を、前記
アルカリ性分散液中のCoイオン及びFeイオンの濃度
がCo2+とFe2+との総和で0.005Mを越え0.5
M未満の範囲となるように添加することにより、前記F
e3O4 粒子の粒子表面にCoFe2 O4 を結晶成長さ
せることからなる磁性酸化鉄粒子粉末の製造法である。
りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、Fe
3 O4 粒子を核晶粒子とし、該核晶粒子の粒子表面にC
oFe2 O4 が結晶成長しているスピネル型複合粒子か
らなる磁性酸化鉄粒子粉末及びFe3 O4 粒子が分散さ
れているpH10以上のアルカリ性分散液に、50℃以
上沸点以下の温度において酸素含有ガスを通気しながら
Co2+1モルに対しFe2+を2モル以上3モル未満の割
合となる様に調整したCo2+及びFe2+を含む混合溶液
又はCo2+及びFe2+の水酸化物を含む懸濁液を、前記
アルカリ性分散液中のCoイオン及びFeイオンの濃度
がCo2+とFe2+との総和で0.005Mを越え0.5
M未満の範囲となるように添加することにより、前記F
e3O4 粒子の粒子表面にCoFe2 O4 を結晶成長さ
せることからなる磁性酸化鉄粒子粉末の製造法である。
【0016】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。本発明におけるFe3 O4 粒子粉末は、
第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリや炭酸アルカリ等のア
ルカリ水溶液との反応により生成した鉄含有沈澱物を空
気酸化するか、又は、含水酸化第二鉄粒子粉末又は酸
化第二鉄粒子粉末と水酸化第一鉄とを含むpH6以上の
懸濁液を40℃以上の温度で加熱することにより、湿式
法により水溶液中から生成した粒状Fe3 O4 粒子粉
末、針状レピッドクロサイト粒子を200〜500℃
の温度範囲で加熱脱水して得られた針状マグヘマイト粒
子を水酸化第一鉄コロイドを含むアルカリ性懸濁液中に
分散させ、該懸濁液を非酸化性雰囲気下において40〜
100℃の温度範囲で加熱攪拌することにより湿式法に
より水溶液中から生成した針状マグネタイト粒子粉末、
第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリや炭酸アルカリ等の
アルカリ水溶液との反応により生成した鉄含有沈澱物を
空気酸化して得られる針状、紡錘状等の含水酸化第二鉄
粒子を還元性雰囲気下で加熱還元する、所謂、乾式法に
より得られた針状や紡錘状のFe3 O4 粒子粉末のいず
れも使用することができる。
いて述べる。本発明におけるFe3 O4 粒子粉末は、
第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリや炭酸アルカリ等のア
ルカリ水溶液との反応により生成した鉄含有沈澱物を空
気酸化するか、又は、含水酸化第二鉄粒子粉末又は酸
化第二鉄粒子粉末と水酸化第一鉄とを含むpH6以上の
懸濁液を40℃以上の温度で加熱することにより、湿式
法により水溶液中から生成した粒状Fe3 O4 粒子粉
末、針状レピッドクロサイト粒子を200〜500℃
の温度範囲で加熱脱水して得られた針状マグヘマイト粒
子を水酸化第一鉄コロイドを含むアルカリ性懸濁液中に
分散させ、該懸濁液を非酸化性雰囲気下において40〜
100℃の温度範囲で加熱攪拌することにより湿式法に
より水溶液中から生成した針状マグネタイト粒子粉末、
第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリや炭酸アルカリ等の
アルカリ水溶液との反応により生成した鉄含有沈澱物を
空気酸化して得られる針状、紡錘状等の含水酸化第二鉄
粒子を還元性雰囲気下で加熱還元する、所謂、乾式法に
より得られた針状や紡錘状のFe3 O4 粒子粉末のいず
れも使用することができる。
【0017】Fe3 O4 粒子中のFe2+の酸化を防止又
は抑制する為には、湿式法により水溶液中に生成したマ
グネタイト粒子をそのまま使用することが好ましい。上
記粒状マグネタイト粒子粉末は、球状、六面体、八面体
等いずれの形状であってもよく、そのサイズは、平均粒
子径0.01〜0.5μmの粒子を使用することができ
る。
は抑制する為には、湿式法により水溶液中に生成したマ
グネタイト粒子をそのまま使用することが好ましい。上
記粒状マグネタイト粒子粉末は、球状、六面体、八面体
等いずれの形状であってもよく、そのサイズは、平均粒
子径0.01〜0.5μmの粒子を使用することができ
る。
【0018】上記針状又は紡錘状Fe3 O4 粒子粉末と
しては、磁気記録用磁性酸化鉄粒子として一般に用いら
れている平均長軸径0.01〜0.3μm、軸比(長軸
径/短軸径)2以上、殊に、5〜20の粒子を使用する
ことができる。
しては、磁気記録用磁性酸化鉄粒子として一般に用いら
れている平均長軸径0.01〜0.3μm、軸比(長軸
径/短軸径)2以上、殊に、5〜20の粒子を使用する
ことができる。
【0019】CoFe2 O4 の結晶成長にあたっては、
核晶粒子として使用するFe3 O4粒子粉末が空気中の
酸素により酸化されない様にすることが肝要であり、上
記湿式法による場合にはFe3 O4 粒子粉末が生成して
いる反応溶液をそのまま用いてCoFe2 O4 の結晶成
長を行うか、上記乾式法による場合には、窒素等の不活
性ガスをパージした容器に一旦取り出した後CoFe2
O4 の結晶成長を行えばよい。
核晶粒子として使用するFe3 O4粒子粉末が空気中の
酸素により酸化されない様にすることが肝要であり、上
記湿式法による場合にはFe3 O4 粒子粉末が生成して
いる反応溶液をそのまま用いてCoFe2 O4 の結晶成
長を行うか、上記乾式法による場合には、窒素等の不活
性ガスをパージした容器に一旦取り出した後CoFe2
O4 の結晶成長を行えばよい。
【0020】本発明においてFe3 O4 粒子の粒子表面
にCoFe2 O4 の結晶成長させる為には、Co2+及び
Fe2+を含む混合溶液又はCo2+及びFe2+の水酸化物
を含む懸濁液をあらかじめCo2+1モルに対しFe2+を
2モル以上3モル未満の割合で調整し、且つ、前記Co
2+及びFe2+を含む混合溶液又はCo2+及びFe2+の水
酸化物を含む懸濁液をアルカリ性分散液中のCo2+イオ
ン及びFe2+イオンの濃度がCo2+とFe2+との総和で
0.005Mを越え0.5M未満の範囲となるように制
御しながら添加することが肝要である。
にCoFe2 O4 の結晶成長させる為には、Co2+及び
Fe2+を含む混合溶液又はCo2+及びFe2+の水酸化物
を含む懸濁液をあらかじめCo2+1モルに対しFe2+を
2モル以上3モル未満の割合で調整し、且つ、前記Co
2+及びFe2+を含む混合溶液又はCo2+及びFe2+の水
酸化物を含む懸濁液をアルカリ性分散液中のCo2+イオ
ン及びFe2+イオンの濃度がCo2+とFe2+との総和で
0.005Mを越え0.5M未満の範囲となるように制
御しながら添加することが肝要である。
【0021】組成調整したCo2+及びFe2+を含む混合
溶液又は組成調整したCo2+及びFe2+の水酸化物を含
む懸濁液を用いない場合には、CoFe2 O4 を結晶成
長させることができない。
溶液又は組成調整したCo2+及びFe2+の水酸化物を含
む懸濁液を用いない場合には、CoFe2 O4 を結晶成
長させることができない。
【0022】Co2+及びFe2+を含む混合溶液は、Co
塩水溶液と第一鉄塩水溶液とを混合することにより、C
o2+及びFe2+の水酸化物を含む懸濁液は、Co塩水溶
液及び第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリとの反応により
生成される。Co塩水溶液としては、硫酸コバルト、塩
化コバルト等を使用することができる。第一鉄塩水溶液
としては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄等を使用することが
できる。水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等を使用することができる。Co塩水溶
液及び第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリの添加順序は、
いずれが先でもまた同時であってもよい。
塩水溶液と第一鉄塩水溶液とを混合することにより、C
o2+及びFe2+の水酸化物を含む懸濁液は、Co塩水溶
液及び第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリとの反応により
生成される。Co塩水溶液としては、硫酸コバルト、塩
化コバルト等を使用することができる。第一鉄塩水溶液
としては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄等を使用することが
できる。水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム等を使用することができる。Co塩水溶
液及び第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリの添加順序は、
いずれが先でもまた同時であってもよい。
【0023】Co2+及びFe2+を含む混合溶液又はCo
2+及びFe2+の水酸化物を含む懸濁液中のCo2+とFe
2+との割合は、Co2+1モルに対しFe2+が2モル以上
3モル未満である。Fe2+が2モル未満である場合に
は、長時間酸化反応を行なっても反応母液中に未反応の
ままのCo(OH)2 が残存して磁性酸化鉄粒子中に混
入するため、本発明の目的とする磁気的、化学的安定性
に優れた磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができない。3
モル以上である場合にも本発明の目的とする磁性酸化鉄
粒子粉末が得られるが、CoFe2 O4 の生成に関与し
ないFe2+がFe3 O4 となって核晶粒子であるFe3
O4 粒子の粒子表面に生成する為、必要以上に添加する
意味がない。
2+及びFe2+の水酸化物を含む懸濁液中のCo2+とFe
2+との割合は、Co2+1モルに対しFe2+が2モル以上
3モル未満である。Fe2+が2モル未満である場合に
は、長時間酸化反応を行なっても反応母液中に未反応の
ままのCo(OH)2 が残存して磁性酸化鉄粒子中に混
入するため、本発明の目的とする磁気的、化学的安定性
に優れた磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができない。3
モル以上である場合にも本発明の目的とする磁性酸化鉄
粒子粉末が得られるが、CoFe2 O4 の生成に関与し
ないFe2+がFe3 O4 となって核晶粒子であるFe3
O4 粒子の粒子表面に生成する為、必要以上に添加する
意味がない。
【0024】本発明のアルカリ性分散液中におけるCo
イオン及びFeイオンの添加時の濃度は、Co2+とFe
2+との総和で0.005Mを越え0.5M未満である。
0.005M以下の場合には、CoFe2 O4 の結晶成
長が不十分であり、本発明の目的とする磁気的、化学的
安定性に優れた磁性酸化鉄粒子を得ることができない。
0.5M以上の場合には、核晶粒子上にCoFe2 O4
を結晶成長させることは可能であるがCoFe2 O4 の
結晶成長に長時間を要し、またCoFe2 O4が単独で
分別、沈澱するので好ましくない。
イオン及びFeイオンの添加時の濃度は、Co2+とFe
2+との総和で0.005Mを越え0.5M未満である。
0.005M以下の場合には、CoFe2 O4 の結晶成
長が不十分であり、本発明の目的とする磁気的、化学的
安定性に優れた磁性酸化鉄粒子を得ることができない。
0.5M以上の場合には、核晶粒子上にCoFe2 O4
を結晶成長させることは可能であるがCoFe2 O4 の
結晶成長に長時間を要し、またCoFe2 O4が単独で
分別、沈澱するので好ましくない。
【0025】本発明におけるCoFe2 O4 の結晶成長
は、pH10以上のアルカリ性分散液に、50℃以上沸
点以下の温度において酸素含有ガスを通気しながら行
う。酸素含有ガスを通気しない場合には、CoFe2 O
4 が生成せず、本発明の目的とする磁気的、化学的安定
性に優れた磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができない。
は、pH10以上のアルカリ性分散液に、50℃以上沸
点以下の温度において酸素含有ガスを通気しながら行
う。酸素含有ガスを通気しない場合には、CoFe2 O
4 が生成せず、本発明の目的とする磁気的、化学的安定
性に優れた磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができない。
【0026】アルカリ性分散液中の温度が50℃未満の
場合には、CoFe2 O4 が生成せず、本発明の目的と
する磁気的、化学的安定性に優れた磁性酸化鉄粒子を得
ることができない。本発明は水溶液中における反応であ
るからその上限値は沸点である。
場合には、CoFe2 O4 が生成せず、本発明の目的と
する磁気的、化学的安定性に優れた磁性酸化鉄粒子を得
ることができない。本発明は水溶液中における反応であ
るからその上限値は沸点である。
【0027】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、後出
実施例に示す通り、Fe3 O4 粒子の結晶面にCoFe
2 O4 が結晶成長しているスピネル型複合粒子である。
実施例に示す通り、Fe3 O4 粒子の結晶面にCoFe
2 O4 が結晶成長しているスピネル型複合粒子である。
【0028】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、粒子
表面がCoFe2 O4 の組成を有していることが肝要で
あり、CoFe2 O4 の組成でない場合には、本発明の
目的とする磁気的、化学的安定性に優れた磁性酸化鉄粒
子粉末を得ることができない。
表面がCoFe2 O4 の組成を有していることが肝要で
あり、CoFe2 O4 の組成でない場合には、本発明の
目的とする磁気的、化学的安定性に優れた磁性酸化鉄粒
子粉末を得ることができない。
【0029】本発明における核晶粒子は、Fe3 O4 の
組成を有していることが肝要である。結晶格子中に空位
を多数有する核晶粒子を用いると磁気的、化学的安定性
に優れた磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができず、ま
た、黒色度が低下する。
組成を有していることが肝要である。結晶格子中に空位
を多数有する核晶粒子を用いると磁気的、化学的安定性
に優れた磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができず、ま
た、黒色度が低下する。
【0030】本発明におけるCoFe2 O4 の量は、核
晶粒子であるFe3 O4 粒子の表面を単相で被覆する程
度の量であれば、本発明の目的とする磁気的、化学的安
定性に優れている磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができ
る。
晶粒子であるFe3 O4 粒子の表面を単相で被覆する程
度の量であれば、本発明の目的とする磁気的、化学的安
定性に優れている磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができ
る。
【0031】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、Fe3
O4 粒子が分散されているpH10以上のアルカリ性分
散液に、50℃以上沸点以下の温度において酸素含有ガ
スを通気しながらCo2+1モルに対しFe2+を2モル以
上3モル未満の割合となる様に調整したCo2+及びFe
2+を含む混合溶液又はCo2+及びFe2+の水酸化物を含
む懸濁液を、前記アルカリ性分散液中のCoイオン及び
Feイオンの濃度がCo2+とFe2+との総和で0.00
5Mを越え0.5M未満の範囲となるように添加した場
合には、Fe3 O4 粒子を核晶粒子とし、該核晶粒子の
粒子表面にCoFe2 O4 が結晶成長しているスピネル
型複合粒子を得ることができ、当該スピネル型複合粒子
粉末は、高い保磁力を有し、且つ、黒色を呈しており、
しかも、磁気的、化学的安定性に優れているという事実
である。
O4 粒子が分散されているpH10以上のアルカリ性分
散液に、50℃以上沸点以下の温度において酸素含有ガ
スを通気しながらCo2+1モルに対しFe2+を2モル以
上3モル未満の割合となる様に調整したCo2+及びFe
2+を含む混合溶液又はCo2+及びFe2+の水酸化物を含
む懸濁液を、前記アルカリ性分散液中のCoイオン及び
Feイオンの濃度がCo2+とFe2+との総和で0.00
5Mを越え0.5M未満の範囲となるように添加した場
合には、Fe3 O4 粒子を核晶粒子とし、該核晶粒子の
粒子表面にCoFe2 O4 が結晶成長しているスピネル
型複合粒子を得ることができ、当該スピネル型複合粒子
粉末は、高い保磁力を有し、且つ、黒色を呈しており、
しかも、磁気的、化学的安定性に優れているという事実
である。
【0032】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、核晶
粒子が粒状粒子である場合には、保磁力100〜300
0 Oeを有しており、核晶粒子が針状粒子又は紡錘状
粒子である場合には、保磁力400〜3000 Oeを
有している。
粒子が粒状粒子である場合には、保磁力100〜300
0 Oeを有しており、核晶粒子が針状粒子又は紡錘状
粒子である場合には、保磁力400〜3000 Oeを
有している。
【0033】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、−3
5℃〜150℃の温度範囲における保磁力の熱履歴が可
逆的である。
5℃〜150℃の温度範囲における保磁力の熱履歴が可
逆的である。
【0034】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、温度
60℃、湿度90%以上の条件下に長時間放置した場合
でも、保磁力及び飽和磁化は初期の値を維持しており、
磁気的安定性が極めて優れたものである。
60℃、湿度90%以上の条件下に長時間放置した場合
でも、保磁力及び飽和磁化は初期の値を維持しており、
磁気的安定性が極めて優れたものである。
【0035】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、Fe
2+含有量が初期の値を維持しており、化学的安定性が優
れていることによって初期の黒色度を十分に維持してい
る。
2+含有量が初期の値を維持しており、化学的安定性が優
れていることによって初期の黒色度を十分に維持してい
る。
【0036】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末が磁気
的、化学的安定性に優れている理由について本発明者
は、Fe3 O4 を核晶粒子とし、該核晶粒子の粒子表面
にCoFe2 O4 が結晶成長しているスピネル型複合粒
子であるから、該スピネル型複合粒子の粒子表面がFe
2+を実質的に含まないので酸化に対して安定であり、核
晶粒子であるFe3 O4 中のFe2+の酸化が防止又は抑
制され、その結果、結晶格子中に空位が生じることがな
くFe2+やCo2+の移動が生起しない為であろうと考え
ている。
的、化学的安定性に優れている理由について本発明者
は、Fe3 O4 を核晶粒子とし、該核晶粒子の粒子表面
にCoFe2 O4 が結晶成長しているスピネル型複合粒
子であるから、該スピネル型複合粒子の粒子表面がFe
2+を実質的に含まないので酸化に対して安定であり、核
晶粒子であるFe3 O4 中のFe2+の酸化が防止又は抑
制され、その結果、結晶格子中に空位が生じることがな
くFe2+やCo2+の移動が生起しない為であろうと考え
ている。
【0037】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における粒子
の長軸径、軸比(長軸径/短軸径)は、いずれも電子顕
微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。また、磁
性酸化鉄粒子粉末中のCo量はICAPプラズマ発光分
光分析法により、Fe2+及びFe3+は酸化還元滴定法に
より測定した値で示した。磁気特性は、「振動試料型磁
力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用い
て外部磁場を10KOeまでかけて測定した。
説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における粒子
の長軸径、軸比(長軸径/短軸径)は、いずれも電子顕
微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。また、磁
性酸化鉄粒子粉末中のCo量はICAPプラズマ発光分
光分析法により、Fe2+及びFe3+は酸化還元滴定法に
より測定した値で示した。磁気特性は、「振動試料型磁
力計VSM−3S−15」(東英工業(株)製)を用い
て外部磁場を10KOeまでかけて測定した。
【0038】磁性粒子粉末の加熱前後における保磁力の
熱履歴は、振動試料型磁力計用の測定試料を石英保護管
でおおい、該保護管内を窒素雰囲気とした後25℃から
150℃まで昇温した後室温(25℃)まで降温する過
程における50℃、70℃、90℃、110℃、130
℃及び150℃の各温度に上記測定試料を1分間保持し
た後に測定して得られる保磁力の値を温度と保磁力の関
係を示す図にプロットすることにより求めた。図中、○
印は昇温過程の各温度における保磁力値であり、△印は
降温過程の各温度における保磁力値である。○印と△印
とが重なる程保磁力の履歴が可逆的であり、○印と△印
が離れる程保磁力の履歴が非可逆的となることを意味す
る。
熱履歴は、振動試料型磁力計用の測定試料を石英保護管
でおおい、該保護管内を窒素雰囲気とした後25℃から
150℃まで昇温した後室温(25℃)まで降温する過
程における50℃、70℃、90℃、110℃、130
℃及び150℃の各温度に上記測定試料を1分間保持し
た後に測定して得られる保磁力の値を温度と保磁力の関
係を示す図にプロットすることにより求めた。図中、○
印は昇温過程の各温度における保磁力値であり、△印は
降温過程の各温度における保磁力値である。○印と△印
とが重なる程保磁力の履歴が可逆的であり、○印と△印
が離れる程保磁力の履歴が非可逆的となることを意味す
る。
【0039】磁性酸化鉄粒子粉末の初期のFe2+量は、
高純度窒素中60℃で24時間乾燥して得られた磁性酸
化鉄粒子粉末の測定値で示した。また、経時によるFe
2+量の変化は、空気中温度60℃、湿度90%の条件下
に放置した後の酸化鉄粒子粉末中の測定値を示した。
高純度窒素中60℃で24時間乾燥して得られた磁性酸
化鉄粒子粉末の測定値で示した。また、経時によるFe
2+量の変化は、空気中温度60℃、湿度90%の条件下
に放置した後の酸化鉄粒子粉末中の測定値を示した。
【0040】経時による色相の変化は、同条件下におけ
るL* 値(明度)、a* 値及びb*値の測定値で示し
た。L* 値(明度)、a* 値及びb* 値は、測色用試料
片を多光源分光測色計MSC−IS−2D(スガ試験機
(株)製)を用いてHunterのLab空間によりL
* 値、a* 値、b* 値をそれぞれ測色し、国際照明委員
会(Commission Internationa
le de l’Eclairage、CIE)197
6(L* 、a* 、b* )均等知覚色空間に従って表示し
た値で示した。
るL* 値(明度)、a* 値及びb*値の測定値で示し
た。L* 値(明度)、a* 値及びb* 値は、測色用試料
片を多光源分光測色計MSC−IS−2D(スガ試験機
(株)製)を用いてHunterのLab空間によりL
* 値、a* 値、b* 値をそれぞれ測色し、国際照明委員
会(Commission Internationa
le de l’Eclairage、CIE)197
6(L* 、a* 、b* )均等知覚色空間に従って表示し
た値で示した。
【0041】色相の測定用試料片は、磁性酸化鉄粒子粉
末0.5gとヒマシ油0.5ccをフーバー式マーラー
で練ってペースト状とし、このペーストにクリヤラッカ
ー4.5gを加え混練し塗料化して、キャストコート紙
上に6milのアプリケータを用いて塗布することによ
って得た。
末0.5gとヒマシ油0.5ccをフーバー式マーラー
で練ってペースト状とし、このペーストにクリヤラッカ
ー4.5gを加え混練し塗料化して、キャストコート紙
上に6milのアプリケータを用いて塗布することによ
って得た。
【0042】実施例1 攪拌機を備えた容積50 lの気泡塔を反応槽として用
い、核晶粒子として前出の方法で得られた粒状Fe3
O4 粒子粉末(平均粒子径0.15μm、保磁力150
Oe、飽和磁化85.2emu/g)1294gが混
合分散されている水懸濁液32 lに100 l/分の
割合で空気を通気しながら18−NのNaOH水溶液を
3.033 l加えてpH14.1のアルカリ性分散液
とした。このアルカリ性分散液を90℃に加熱し、別に
調整した1.68−MのFeSO4 と0.840−Mの
CoSO4 との混合溶液(Co2+1モルに対しFe2+が
2モルに該当する。)10 lを前記アルカリ性分散液
にCo2+とFe2+の濃度がCo2+とFe2+との総和で
0.05Mとなるように制御しながら添加し、複合粒子
の合成反応を60分に亘り行った。反応終了後、常法に
より濾過、水洗、乾燥を行い黒色粒子粉末を得た。得ら
れた黒色粒子粉末は、平均粒子径0.21μm、保磁力
Hc840 Oe、飽和磁化σs75.5emu/g、
Fe2+量13.2wt%であって、L* 値22.0、a
* 値−0.07、b* 値−1.15であった。
い、核晶粒子として前出の方法で得られた粒状Fe3
O4 粒子粉末(平均粒子径0.15μm、保磁力150
Oe、飽和磁化85.2emu/g)1294gが混
合分散されている水懸濁液32 lに100 l/分の
割合で空気を通気しながら18−NのNaOH水溶液を
3.033 l加えてpH14.1のアルカリ性分散液
とした。このアルカリ性分散液を90℃に加熱し、別に
調整した1.68−MのFeSO4 と0.840−Mの
CoSO4 との混合溶液(Co2+1モルに対しFe2+が
2モルに該当する。)10 lを前記アルカリ性分散液
にCo2+とFe2+の濃度がCo2+とFe2+との総和で
0.05Mとなるように制御しながら添加し、複合粒子
の合成反応を60分に亘り行った。反応終了後、常法に
より濾過、水洗、乾燥を行い黒色粒子粉末を得た。得ら
れた黒色粒子粉末は、平均粒子径0.21μm、保磁力
Hc840 Oe、飽和磁化σs75.5emu/g、
Fe2+量13.2wt%であって、L* 値22.0、a
* 値−0.07、b* 値−1.15であった。
【0043】図1に示す通り、−35〜150℃の温度
範囲における保磁力の熱履歴は可逆的であり、また、表
1に示す通り、温度60℃、湿度90%の環境下におい
て保磁力及び飽和磁化はほとんど変化しておらず、磁気
的安定性が優れていることが認められた。尚、図1にお
いて25℃から150℃まで昇温した後室温まで降温し
た場合の保磁力の熱履歴とともに、更に、−35℃まで
冷却した後再び25℃まで加熱する過程における10
℃、−20℃及び−35℃の各温度に測定試料を1分間
保持した後に測定して得られる保磁力の履歴もあわせて
示した。また、温度60℃、湿度90%の環境下におけ
るFe2+含有量及び色相も表1及び表2に示す通りほと
んど変化しておらず、化学的に安定であることが認めら
れた。
範囲における保磁力の熱履歴は可逆的であり、また、表
1に示す通り、温度60℃、湿度90%の環境下におい
て保磁力及び飽和磁化はほとんど変化しておらず、磁気
的安定性が優れていることが認められた。尚、図1にお
いて25℃から150℃まで昇温した後室温まで降温し
た場合の保磁力の熱履歴とともに、更に、−35℃まで
冷却した後再び25℃まで加熱する過程における10
℃、−20℃及び−35℃の各温度に測定試料を1分間
保持した後に測定して得られる保磁力の履歴もあわせて
示した。また、温度60℃、湿度90%の環境下におけ
るFe2+含有量及び色相も表1及び表2に示す通りほと
んど変化しておらず、化学的に安定であることが認めら
れた。
【0044】この黒色粒子粉末は、X線回折の結果スピ
ネル型結晶構造を示すピークのみが認められ、且つ、下
記の方法により測定したCo2+、Fe2+及びFe3+の組
成分析の結果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であ
り、核晶粒子がFe3 O4 であることが認められた。
尚、組成分析は、上記黒色粒子粉末10gを100ml
の水に懸濁させ、該懸濁液を反応容器に入れ60℃に加
熱した後、攪拌しながら200mlの1−NのHCl溶
液を加え、溶液中に溶解したCo2+、Fe2+及びFe3+
量を測定することにより行った。即ち、測定試料を6点
用意しHClを加えた瞬間をt=0として1、5、1
0、30、60、120分の各時間を経過するごとに試
料を1点ずつとり出し、黒色粒子を濾別して得られた濾
液中のCo2+、Fe2+及びFe3+の量をそれぞれ分析し
た。その結果t=1の液からは、Fe2+は検出せず、C
o2+:Fe3+が1:2の割合であった。このことから黒
色粒子の粒子表面はCoFe2 O4 組成であると認めら
れた。また、t=120の懸濁液中から濾別した黒色粒
子を純水で水洗して水可溶性塩を除去した後黒色粒子の
組成分析を行った。その結果、Co2+は検出されずFe
3+:Fe2+が2:1であった。このことから得られた黒
色粒子の核晶部分はFe3 O4 組成であることが認めら
れた。
ネル型結晶構造を示すピークのみが認められ、且つ、下
記の方法により測定したCo2+、Fe2+及びFe3+の組
成分析の結果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であ
り、核晶粒子がFe3 O4 であることが認められた。
尚、組成分析は、上記黒色粒子粉末10gを100ml
の水に懸濁させ、該懸濁液を反応容器に入れ60℃に加
熱した後、攪拌しながら200mlの1−NのHCl溶
液を加え、溶液中に溶解したCo2+、Fe2+及びFe3+
量を測定することにより行った。即ち、測定試料を6点
用意しHClを加えた瞬間をt=0として1、5、1
0、30、60、120分の各時間を経過するごとに試
料を1点ずつとり出し、黒色粒子を濾別して得られた濾
液中のCo2+、Fe2+及びFe3+の量をそれぞれ分析し
た。その結果t=1の液からは、Fe2+は検出せず、C
o2+:Fe3+が1:2の割合であった。このことから黒
色粒子の粒子表面はCoFe2 O4 組成であると認めら
れた。また、t=120の懸濁液中から濾別した黒色粒
子を純水で水洗して水可溶性塩を除去した後黒色粒子の
組成分析を行った。その結果、Co2+は検出されずFe
3+:Fe2+が2:1であった。このことから得られた黒
色粒子の核晶部分はFe3 O4 組成であることが認めら
れた。
【0045】実施例2 18−NのNaOH水溶液3.033 lに代えて2.
767 lを用いてpH14.1のアルカリ性懸濁液と
し、CoSO4 の濃度を0.840Mに代えて0.60
M(Co2+1モルに対しFe2+が2.8モルに該当す
る。)、空気吹き込み量を80 l/分、アルカリ性分
散液の温度を95℃とし、且つ、Co2+及びFe2+の濃
度をCo2+とFe2+との総和で0.03Mとなるように
制御しながら添加した以外は、実施例1と同様にして複
合粒子の合成反応を行った。得られた黒色粒子粉末は、
平均粒子径0.19μm、保磁力Hc484 Oe、飽
和磁化σs86.2emu/g及びFe2+量15.9w
t%であって、且つ、L* 値21.5、a* 値−0.0
4、b* 値−1.07であった。
767 lを用いてpH14.1のアルカリ性懸濁液と
し、CoSO4 の濃度を0.840Mに代えて0.60
M(Co2+1モルに対しFe2+が2.8モルに該当す
る。)、空気吹き込み量を80 l/分、アルカリ性分
散液の温度を95℃とし、且つ、Co2+及びFe2+の濃
度をCo2+とFe2+との総和で0.03Mとなるように
制御しながら添加した以外は、実施例1と同様にして複
合粒子の合成反応を行った。得られた黒色粒子粉末は、
平均粒子径0.19μm、保磁力Hc484 Oe、飽
和磁化σs86.2emu/g及びFe2+量15.9w
t%であって、且つ、L* 値21.5、a* 値−0.0
4、b* 値−1.07であった。
【0046】また、図2中の直線aに示す通り、加熱前
後における保磁力の熱履歴は可逆的であり、表1に示す
通り、温度60℃、湿度90%の環境下における保磁力
及び飽和磁化はほとんど変化しておらず、磁気的安定性
が優れていることが認められた。温度60℃、湿度90
%の環境下におけるFe2+含有量及び色相も表1及び表
2に示す通りほとんど変化しておらず、化学的に安定で
あることが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線
回折の結果、スピネル型結晶構造を示すピークのみが認
められ、且つ、実施例1と同様にして組成を分析した結
果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であり、核晶部分
がFe3 O4 であることが認められた。
後における保磁力の熱履歴は可逆的であり、表1に示す
通り、温度60℃、湿度90%の環境下における保磁力
及び飽和磁化はほとんど変化しておらず、磁気的安定性
が優れていることが認められた。温度60℃、湿度90
%の環境下におけるFe2+含有量及び色相も表1及び表
2に示す通りほとんど変化しておらず、化学的に安定で
あることが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線
回折の結果、スピネル型結晶構造を示すピークのみが認
められ、且つ、実施例1と同様にして組成を分析した結
果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であり、核晶部分
がFe3 O4 であることが認められた。
【0047】実施例3 核晶粒子として粒状Fe3 O4 に代えて針状Fe3 O4
(長軸0.20μm、短軸0.03μm、保磁力Hc4
20 Oe、飽和磁化81.2emu/g)1200g
を用い、18−NのNaOH水溶液2.715 lに代
えて0.827lを用いてpH13.6のアルカリ性懸
濁液とし、CoSO4 の濃度を0.840Mに代えて
0.178M、FeSO4 の濃度を1.68Mに代えて
0.356M(Co2+1モルに対しFe2+が2モルに該
当する。)とし、且つ、Co2+及びFe2+の濃度がCo
2+とFe2+との総和で0.01Mとなるように制御しな
がら添加した以外は実施例1と同様にして複合粒子の合
成反応を行った。得られた黒色粒子粉末は、長軸0.2
1μm、短軸0.032μm、保磁力Hc967 O
e、飽和磁化77.1emu/g及びFe2+量15.5
wt%であって、L* 値23.0、a* 値0.11、b
* 値−0.84であった。
(長軸0.20μm、短軸0.03μm、保磁力Hc4
20 Oe、飽和磁化81.2emu/g)1200g
を用い、18−NのNaOH水溶液2.715 lに代
えて0.827lを用いてpH13.6のアルカリ性懸
濁液とし、CoSO4 の濃度を0.840Mに代えて
0.178M、FeSO4 の濃度を1.68Mに代えて
0.356M(Co2+1モルに対しFe2+が2モルに該
当する。)とし、且つ、Co2+及びFe2+の濃度がCo
2+とFe2+との総和で0.01Mとなるように制御しな
がら添加した以外は実施例1と同様にして複合粒子の合
成反応を行った。得られた黒色粒子粉末は、長軸0.2
1μm、短軸0.032μm、保磁力Hc967 O
e、飽和磁化77.1emu/g及びFe2+量15.5
wt%であって、L* 値23.0、a* 値0.11、b
* 値−0.84であった。
【0048】図2中の直線bに示す通り、加熱前後にお
ける保磁力の熱履歴は可逆的であり、表1に示す通り、
温度60℃、湿度90%の環境下における保磁力及び飽
和磁化はほとんど変化しておらず、磁気的安定性が優れ
ていることが認められた。また、温度60℃、湿度90
%の環境下におけるFe2+含有量及び色相も表1及び表
2に示す通りほとんど変化しておらず、化学的に安定で
あることが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線
回折の結果、スピネル型結晶構造を示すピークのみが認
められ、且つ、実施例1と同様にして組成を分析した結
果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であり、核晶部分
がFe3 O4 であることが認められた。
ける保磁力の熱履歴は可逆的であり、表1に示す通り、
温度60℃、湿度90%の環境下における保磁力及び飽
和磁化はほとんど変化しておらず、磁気的安定性が優れ
ていることが認められた。また、温度60℃、湿度90
%の環境下におけるFe2+含有量及び色相も表1及び表
2に示す通りほとんど変化しておらず、化学的に安定で
あることが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線
回折の結果、スピネル型結晶構造を示すピークのみが認
められ、且つ、実施例1と同様にして組成を分析した結
果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であり、核晶部分
がFe3 O4 であることが認められた。
【0049】実施例4 18−NのNaOH水溶液0.827 lに代えて1.
420 lを用いてpH13.8のアルカリ性懸濁液と
し、CoSO4 の濃度を0.178Mに代えて0.35
6M、FeSO4 の濃度を0.356Mに代えて0.7
12M(Co2+1モルに対しFe2+が2モルに該当す
る。)、空気吹き込み量を120 l/分、アルカリ性
分散液中の温度を95℃とし、且つ、Co2+及びFe2+
の濃度がCo2+とFe2+との総和で0.15Mとなるよ
うに制御しながら添加した以外は実施例3と同様にして
複合粒子の合成反応を行った。得られた黒色粒子粉末
は、長軸0.23μm、短軸0.033μm、保磁力1
467 Oe、飽和磁化73.4emu/g、Fe2+量
12.1wt%であって、L* 値21.2、a* 値0.
06、b* 値−0.96であった。
420 lを用いてpH13.8のアルカリ性懸濁液と
し、CoSO4 の濃度を0.178Mに代えて0.35
6M、FeSO4 の濃度を0.356Mに代えて0.7
12M(Co2+1モルに対しFe2+が2モルに該当す
る。)、空気吹き込み量を120 l/分、アルカリ性
分散液中の温度を95℃とし、且つ、Co2+及びFe2+
の濃度がCo2+とFe2+との総和で0.15Mとなるよ
うに制御しながら添加した以外は実施例3と同様にして
複合粒子の合成反応を行った。得られた黒色粒子粉末
は、長軸0.23μm、短軸0.033μm、保磁力1
467 Oe、飽和磁化73.4emu/g、Fe2+量
12.1wt%であって、L* 値21.2、a* 値0.
06、b* 値−0.96であった。
【0050】図2中の直線cに示す通り、加熱前後にお
ける保磁力の熱履歴は可逆的であり、表1に示す通り、
温度60℃、湿度90%の環境下における保磁力及び飽
和磁化はほとんど変化しておらず、磁気的安定性が優れ
ていることが認められた。また、温度60℃、湿度90
%の環境下におけるFe2+含有量及び色相も表1及び表
2に示す通りほとんど変化しておらず、化学的に安定で
あることが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線
回折の結果、スピネル型結晶構造を示すピークのみが認
められ、且つ、実施例1と同様にして組成を分析した結
果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であり、核晶部分
がFe3 O4 であることが認められた。
ける保磁力の熱履歴は可逆的であり、表1に示す通り、
温度60℃、湿度90%の環境下における保磁力及び飽
和磁化はほとんど変化しておらず、磁気的安定性が優れ
ていることが認められた。また、温度60℃、湿度90
%の環境下におけるFe2+含有量及び色相も表1及び表
2に示す通りほとんど変化しておらず、化学的に安定で
あることが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線
回折の結果、スピネル型結晶構造を示すピークのみが認
められ、且つ、実施例1と同様にして組成を分析した結
果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であり、核晶部分
がFe3 O4 であることが認められた。
【0051】実施例5 核晶粒子として針状Fe3 O4 (長軸0.30μm、短
軸0.042μm、保磁力Hc430 Oe、飽和磁化
82.3emu/g)を用い、18−NのNaOH水溶
液0.827 lに代えて1.120 lを用いてpH
13.7のアルカリ性懸濁液とし、CoSO4 の濃度を
0.178Mに代えて0.267M、FeSO4 の濃度
を0.356Mに代えて0.534M(Co2+1モルに
対しFe2+が2モルに該当する。)、空気吹き込み量を
80 l/分、アルカリ性分散液中の温度を90℃と
し、且つ、Co2+及びFe2+の濃度がCo2+とFe2+の
総和で0.10Mになる様に制御しながら添加した以外
は実施例3と同様にして反応を行った。得られた黒色粒
子粉末は、長軸0.32μm、短軸0.045μm、保
磁力1020 Oe、飽和磁化79.1emu/g、F
e2+量16.0wt%であって、L* 値18.8、a*
値0.01、b* 値−1.12であった。
軸0.042μm、保磁力Hc430 Oe、飽和磁化
82.3emu/g)を用い、18−NのNaOH水溶
液0.827 lに代えて1.120 lを用いてpH
13.7のアルカリ性懸濁液とし、CoSO4 の濃度を
0.178Mに代えて0.267M、FeSO4 の濃度
を0.356Mに代えて0.534M(Co2+1モルに
対しFe2+が2モルに該当する。)、空気吹き込み量を
80 l/分、アルカリ性分散液中の温度を90℃と
し、且つ、Co2+及びFe2+の濃度がCo2+とFe2+の
総和で0.10Mになる様に制御しながら添加した以外
は実施例3と同様にして反応を行った。得られた黒色粒
子粉末は、長軸0.32μm、短軸0.045μm、保
磁力1020 Oe、飽和磁化79.1emu/g、F
e2+量16.0wt%であって、L* 値18.8、a*
値0.01、b* 値−1.12であった。
【0052】図2中の直線dに示す通り、加熱前後にお
ける保磁力の熱履歴は可逆的であり、表1に示す通り、
温度60℃、湿度90%の環境下における保磁力及び飽
和磁化はほとんど変化しておらず、磁気的安定性が優れ
ていることが認められた。また、温度60℃、湿度90
%の環境下におけるFe2+含有量及び色相も表1及び表
2に示す通りほとんど変化しておらず、化学的に安定で
あることが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線
回折の結果、スピネル型結晶構造を示すピークのみが認
められ、且つ、実施例1と同様にして組成を分析した結
果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であり、核晶部分
がFe3 O4 であることが認められた。
ける保磁力の熱履歴は可逆的であり、表1に示す通り、
温度60℃、湿度90%の環境下における保磁力及び飽
和磁化はほとんど変化しておらず、磁気的安定性が優れ
ていることが認められた。また、温度60℃、湿度90
%の環境下におけるFe2+含有量及び色相も表1及び表
2に示す通りほとんど変化しておらず、化学的に安定で
あることが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線
回折の結果、スピネル型結晶構造を示すピークのみが認
められ、且つ、実施例1と同様にして組成を分析した結
果、粒子表面の組成がCoFe2 O4 であり、核晶部分
がFe3 O4 であることが認められた。
【0053】比較例1 18−NのNaOH水溶液3.033 lに代えて1.
833 lのNaOHを用いてpH13.9のアルカリ
性分散液とし、且つ、1.2MのFeSO4 と0.24
MのCoSO4 の混合水溶液(Co2+1モルに対しFe
2+が5モルに該当する。)10 lを用い、アルカリ性
懸濁液中の液温を80℃、空気吹き込み量を120 l
/分とし、且つ、FeSO4 とCoSO4 との混合溶液
をCo2+及びFe2+の濃度がCo2+とFe2+との総和で
0.03Mとなるように制御しながら添加した以外は実
施例1と同様にして複合粒子の合成反応を2時間行い、
その後、常法により濾過、水洗、乾燥を行い黒色粒子粉
末を得た。得られた黒色粒子粉末は、平均粒子径0.2
0μm、飽和磁化σs85.2emu/g、保磁力Hc
650 Oe、Fe2+量12.2wt%であり、L* 値
19.39、a* 値0.45、b* 値−1.02であっ
た。
833 lのNaOHを用いてpH13.9のアルカリ
性分散液とし、且つ、1.2MのFeSO4 と0.24
MのCoSO4 の混合水溶液(Co2+1モルに対しFe
2+が5モルに該当する。)10 lを用い、アルカリ性
懸濁液中の液温を80℃、空気吹き込み量を120 l
/分とし、且つ、FeSO4 とCoSO4 との混合溶液
をCo2+及びFe2+の濃度がCo2+とFe2+との総和で
0.03Mとなるように制御しながら添加した以外は実
施例1と同様にして複合粒子の合成反応を2時間行い、
その後、常法により濾過、水洗、乾燥を行い黒色粒子粉
末を得た。得られた黒色粒子粉末は、平均粒子径0.2
0μm、飽和磁化σs85.2emu/g、保磁力Hc
650 Oe、Fe2+量12.2wt%であり、L* 値
19.39、a* 値0.45、b* 値−1.02であっ
た。
【0054】図3に示す通り、加熱前後における保磁力
の熱履歴は非可逆的であり、また、表1に示す通り、温
度60℃、湿度90%の環境下における保磁力及び飽和
磁化は大巾に変化しており、磁気的に不安定であること
が認められた。また、表1に示す通り、Fe2+含有量も
大巾に低下しており、その結果、表2に示す通り色相も
大巾に変化していることから、化学的に不安定であるこ
とが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線回折の
結果、スピネル型結晶構造を示し、また実施例1と同様
にして組成分析を行った結果t=1の液からCo2+、F
e2+及びFe3+が検出された。このことから該黒色粒子
の粒子表面はCo2+、Fe2+及びFe3+を有するスピネ
ル物質で、一般式Cox Fe1-x Fe2 O3 で与えられ
る組成物であると認められた。
の熱履歴は非可逆的であり、また、表1に示す通り、温
度60℃、湿度90%の環境下における保磁力及び飽和
磁化は大巾に変化しており、磁気的に不安定であること
が認められた。また、表1に示す通り、Fe2+含有量も
大巾に低下しており、その結果、表2に示す通り色相も
大巾に変化していることから、化学的に不安定であるこ
とが認められた。尚、この黒色粒子粉末は、X線回折の
結果、スピネル型結晶構造を示し、また実施例1と同様
にして組成分析を行った結果t=1の液からCo2+、F
e2+及びFe3+が検出された。このことから該黒色粒子
の粒子表面はCo2+、Fe2+及びFe3+を有するスピネ
ル物質で、一般式Cox Fe1-x Fe2 O3 で与えられ
る組成物であると認められた。
【0055】比較例2 18−NのNaOH水溶液3.033 lに代えて3.
344 lのNaOHを用いてpH14.2のアルカリ
性分散液とし、且つ、1.68MのFeSO4と1.1
2MのCoSO4 の混合水溶液(Co2+1モルに対しF
e2+が1.5モルに該当する。)10 lを用い、アル
カリ性懸濁液中の液温を80℃、空気吹き込み量を10
0 l/分とし、且つ、FeSO4 とCoSO4 との混
合溶液を、Co2+及びFe2+の濃度がCo2+とFe2+と
の総和で0.15Mとなるように制御しながら添加した
以外は実施例1と同様にして合成反応を行った。空気吹
き込み開始から2時間、4時間及び8時間の各時点で反
応母液を採取して電子顕微鏡により生成物の観測を行っ
たところ、いずれのサンプルからも六角板状の粒子の混
在が確認された。この六角板状粒子は電子線回折の結果
Co(OH)2 であった。
344 lのNaOHを用いてpH14.2のアルカリ
性分散液とし、且つ、1.68MのFeSO4と1.1
2MのCoSO4 の混合水溶液(Co2+1モルに対しF
e2+が1.5モルに該当する。)10 lを用い、アル
カリ性懸濁液中の液温を80℃、空気吹き込み量を10
0 l/分とし、且つ、FeSO4 とCoSO4 との混
合溶液を、Co2+及びFe2+の濃度がCo2+とFe2+と
の総和で0.15Mとなるように制御しながら添加した
以外は実施例1と同様にして合成反応を行った。空気吹
き込み開始から2時間、4時間及び8時間の各時点で反
応母液を採取して電子顕微鏡により生成物の観測を行っ
たところ、いずれのサンプルからも六角板状の粒子の混
在が確認された。この六角板状粒子は電子線回折の結果
Co(OH)2 であった。
【0056】比較例3 Co2+及びFe2+の濃度がCo2+とFe2+との総和で
0.6Mとなるように制御しながら添加した以外は実施
例1と同様にして合成反応を行った。反応終了後、水
洗、乾燥して得られた粒子の電子顕微鏡観察を行った結
果、核晶粒子であるFe3 O4 粒子よりも小さな粒子と
大きく成長した粒子が観察され、単独で分別した粒子が
混合していることが認められた。
0.6Mとなるように制御しながら添加した以外は実施
例1と同様にして合成反応を行った。反応終了後、水
洗、乾燥して得られた粒子の電子顕微鏡観察を行った結
果、核晶粒子であるFe3 O4 粒子よりも小さな粒子と
大きく成長した粒子が観察され、単独で分別した粒子が
混合していることが認められた。
【0057】比較例4 Co2+及びFe2+の濃度がCo2+とFe2+との総和で
0.001Mとなるように制御しながら添加した以外は
実施例1と同様にして合成反応を行った。反応終了後、
水洗、乾燥して得られた粒子の電子顕微鏡観察を行った
結果、核晶粒子であるFe3 O4 粒子よりも小さな粒子
と大きく成長した粒子が観察され、単独で分別した粒子
が混合していることが認められた。
0.001Mとなるように制御しながら添加した以外は
実施例1と同様にして合成反応を行った。反応終了後、
水洗、乾燥して得られた粒子の電子顕微鏡観察を行った
結果、核晶粒子であるFe3 O4 粒子よりも小さな粒子
と大きく成長した粒子が観察され、単独で分別した粒子
が混合していることが認められた。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【発明の効果】本発明に係る磁性酸化鉄粒子粉末は、前
出実施例に示した通り、高い保磁力を有し、且つ、黒色
を呈しており、しかも、磁気的、化学的安定性に優れて
いるので、高記録密度、高感度、高出力用であって磁気
的、化学的安定性に優れた記録媒体用の磁性粒子粉末と
して好適である。
出実施例に示した通り、高い保磁力を有し、且つ、黒色
を呈しており、しかも、磁気的、化学的安定性に優れて
いるので、高記録密度、高感度、高出力用であって磁気
的、化学的安定性に優れた記録媒体用の磁性粒子粉末と
して好適である。
【図1】実施例1で得られたスピネル型複合粒子の−3
5℃〜150℃の温度範囲における保磁力の熱履歴を示
す。
5℃〜150℃の温度範囲における保磁力の熱履歴を示
す。
【図2】実施例2乃至5で得られたスピネル型複合粒子
の25℃〜150℃の温度範囲における保磁力の熱履歴
を示す。図2中、直線a乃至直線dは、それぞれ実施例
2乃至5で得られたスピネル型複合粒子である。
の25℃〜150℃の温度範囲における保磁力の熱履歴
を示す。図2中、直線a乃至直線dは、それぞれ実施例
2乃至5で得られたスピネル型複合粒子である。
【図3】比較例1で得られたスピネル型複合粒子の25
℃〜150℃の温度範囲における保磁力の熱履歴を示
す。
℃〜150℃の温度範囲における保磁力の熱履歴を示
す。
Claims (2)
- 【請求項1】 Fe3 O4 粒子を核晶粒子とし、該核晶
粒子の粒子表面にCoFe2 O4 が結晶成長しているス
ピネル型複合粒子からなる磁性酸化鉄粒子粉末。 - 【請求項2】 Fe3 O4 粒子が分散されているpH1
0以上のアルカリ性分散液に、50℃以上沸点以下の温
度において酸素含有ガスを通気しながらCo2+1モルに
対しFe2+を2モル以上3モル未満の割合で調整したC
o2+及びFe2+を含む混合溶液又はCo2+及びFe2+の
水酸化物を含む懸濁液を、前記アルカリ性分散液中のC
oイオン及びFeイオンの濃度がCo2+とFe2+との総
和で0.005Mを越え0.5M未満の範囲となるよう
に添加することにより、前記Fe3 O4 粒子の粒子表面
にCoFe2 O4 を結晶成長させることを特徴とする磁
性酸化鉄粒子粉末の製造法。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056370A JPH06100317A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 |
US08/012,164 US5449565A (en) | 1992-02-05 | 1993-01-28 | Magnetic iron oxide particles, a process for producing the same and a magnetic recording medium |
EP93300763A EP0555056B1 (en) | 1992-02-05 | 1993-02-02 | Magnetic iron oxide particles, a process for producing the same and a magnetic recording medium |
DE69310223T DE69310223T2 (de) | 1992-02-05 | 1993-02-02 | Magnetische Eisenoxidteilchen, Verfahren zur Herstellung und magnetischer Aufnahmeträger |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4056370A JPH06100317A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100317A true JPH06100317A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=13025374
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4056370A Pending JPH06100317A (ja) | 1992-02-05 | 1992-02-05 | 磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5449565A (ja) |
EP (1) | EP0555056B1 (ja) |
JP (1) | JPH06100317A (ja) |
DE (1) | DE69310223T2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6803164B2 (en) | 2001-09-12 | 2004-10-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Magnetic black toner |
WO2008090916A1 (ja) | 2007-01-26 | 2008-07-31 | Canon Kabushiki Kaisha | 磁性トナー |
Families Citing this family (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5648170A (en) * | 1993-04-27 | 1997-07-15 | Toda Kogyo Corporation | Coated granular magnetite particles and process for producing the same |
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