JPH06124827A - コバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法 - Google Patents

コバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

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JPH06124827A
JPH06124827A JP3177360A JP17736091A JPH06124827A JP H06124827 A JPH06124827 A JP H06124827A JP 3177360 A JP3177360 A JP 3177360A JP 17736091 A JP17736091 A JP 17736091A JP H06124827 A JPH06124827 A JP H06124827A
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英昭 貞村
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高密度記録用の磁性酸化鉄粒子粉末として好
適である高い保磁力を有し、且つ、保磁力分布と角型比
が良く、しかも、黒色度に優れているとともに、化学
的、磁気的な経時安定性に優れているコバルト被着型磁
性酸化鉄粒子粉末を工業的に得られる製造法を提供す
る。 【構成】 針状マグネタイト粒子粉末の水性分散液に水
酸化アルカリ水溶液を加えてアルカリ性懸濁液とし、該
懸濁液に非酸化性雰囲気下、40〜60℃の温度範囲で
第一鉄塩水溶液を添加・攪拌して、前記針状マグネタイ
ト粒子の表面にマグネタイト層を生成させ、次いで、コ
バルト塩水溶液を添加し、加熱攪拌して前記マグネタイ
ト層の上にスピネル型フェライト層を生成させ、次い
で、当該懸濁液を酸化性雰囲気下、加熱攪拌することに
より前記スピネル型フェライト層の表面を酸化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高密度記録用の磁性酸
化鉄粒子粉末として好適である高い保磁力を有し、且
つ、保磁力分布と角型比が良く、しかも、黒色度に優れ
ているとともに、化学的、磁気的な経時安定性に優れて
いるコバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化
が進むにつれて磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録
媒体に対する記録密度特性の向上が要求されている。
【0003】磁気記録媒体の記録密度特性を向上させる
ためには、用いる磁性材料粒子粉末ができるだけ微細な
粒子で、且つ、高い保磁力を有することである。この事
実は、例えば、総合電子リサーチ発行の「磁気記録媒体
総合資料集」(昭和60年)の第185〜187頁の
「‥‥最近の磁気テープの技術革新は目覚しく、‥‥記
録の高密度化がはかれている。すなわち、オーディオ機
器、ビデオ機器あるいは、フロッピーディスクドライブ
にしろ、高密度・短波長記録技術をベースにして小型化
・軽量化・操作性のよさに重点がおかれている。そして
それにマッチした磁気塗膜技術として、磁性粉の微粒子
高保磁力粉を用いた1〜2ミクロン厚の超表面平滑薄塗
膜化、‥‥ビデオテープにしても、昭和57年秋には微
粒子磁性粉を用いたハイグレード(HG)タイプ‥‥今
後の高画質化への展開として、テープ側では超微粒子磁
性酸化鉄粉を用いた‥‥飛躍的な画質の改善が見込まれ
よう。‥‥」なる記載の通りであり、現在にあっても、
磁性酸化鉄粒子粉末の微粒子化への要求はとどまるとこ
ろがない。
【0004】一方、ビデオ機器においては、通常、走行
テープの端末を光で検出する機構が採られているため使
用されるビデオテープの光透過率が高くなると誤作動が
発生する可能性が増大する。しかしながら、現在最も多
くビデオテープに用いられているCo被着型γ−Fe2
3 粒子粉末は、その微粒子化が進むと光透過率が高く
なるという問題をかかえている。
【0005】カーボンブラツク等の非磁性充填剤を多く
添加して光透過率を改善しようとする試みもなされてい
るが、カーボンブラック等の非磁性体を用いると高密度
記録化が阻害される。
【0006】そこで、非磁性充填剤を添加することなく
光透過率を改善する方法として、黒色度に優れた針状マ
グネタイト粒子や針状ベルトライド化合物粒子の粒子表
面にCoを被着した磁性酸化鉄粒子粉末が用いられるよ
うになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述の針状マグネタイ
ト粒子や針状ベルトライド化合物粒子の粒子表面にCo
被着する技術手段は周知であり、高い保磁力を有し、し
かも、黒色度に優れた磁性酸化鉄粒子粉末であることも
よく知られている。
【0008】しかし、針状マグネタイト粒子や針状ベル
トライド化合物粒子の粒子表面にCoを被着した磁性酸
化鉄粒子粉末は、含まれている第一鉄が徐々に酸化され
て磁気特性の経時的な劣化が生起するという問題があ
り、微粒子になる程その傾向は顕著である。
【0009】この事実は、例えば、特開平3−1912
7号公報の「‥‥強磁性酸化鉄粉末のFe2+/Fe3+
増加させると磁気的な安定性が低下して、磁気記録媒体
のHc変化が大きくなり、この変化に伴ない電磁変換特
性も不安定になるという問題があり、Fe2+/Fe3+
大きい、強磁性酸化鉄粉末を用いた磁気記録媒体は、広
く使用されなかった。‥‥」なる記載の通りである。
【0010】そこで、磁気的な経時安定性を目的とした
Co被着型磁性酸化鉄粒子粉末としては、特公昭60−
44254号公報、特公昭63−23137号公報、特
開昭51−23697号公報、特開昭59−15222
6号公報、特開昭61−17426号公報、特開昭61
−252605号公報、特開昭62−197322号公
報などに記載された技術手段が挙げられる。
【0011】しかしながら、特公昭63−23137号
公報や特開昭59−152226号公報に開示されてい
る技術手段においては、実施例に示されるように低温で
被着処理した場合には、Fe(OH)2 コロイドの核晶
上への吸着が生じ難いため、Fe(OH)2 コロイドが
核晶以外に浮遊してしまうので磁気的な安定性が不充分
であり、被着後にオートクレーブや乾式加熱などの加熱
処理を加えることによって安定性を向上させる場合に
も、その効果は未だ不充分である。
【0012】また、特開昭51−23697号公報に開
示されている技術手段においては、酸化性雰囲気下で被
着させているため、核晶を針状マグネタイト粒子とした
場合にはCoイオンが核晶中へ拡散し、磁気的な経時変
化と共に保磁力分布が大きくなるなどの好ましくないこ
とが起こる。
【0013】また、特公昭60−44254号公報や特
開昭62−197322号公報に開示されている技術手
段においては、被着後に液中で酸化処理をしたとして
も、核晶の粒子表面にCo又はCo及びFeを被着させ
ているため、Coイオンが核晶中へ拡散し、磁気的な経
時変化が抑えられない。
【0014】また、特開昭61−17426号公報や特
開昭61−252605号公報に開示されている技術手
段においては、第一鉄塩水溶液を添加して沸点以下で3
0分以上攪拌するとしており、また、いずれの実施例に
も示されるように70℃で添加し、100℃で攪拌して
いる。このような高温で添加した場合には、Fe(O
H)2 コロイドが均一に混合される前に、急激な化学反
応が進行するため反応の不均一性が増幅され、保磁力分
布が大きくなる。
【0015】本発明は、上述の諸問題に鑑み、高い保磁
力を有し、且つ、保磁力分布、角型比及び電気抵抗が良
く、しかも、光透過率、すなわち、黒色度に優れている
とともに、化学的、磁気的な経時安定性に優れているコ
バルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末を得ることを技術的課
題とするものである。
【0016】
【課題を解決する為の手段】前記技術的課題は、次の通
りの本発明方法によって達成できる。
【0017】即ち、本発明は、15〜24重量%の第一
鉄を含む針状マグネタイト粒子の水性分散液に水酸化ア
ルカリ水溶液を加えてアルカリ性懸濁液とし、該懸濁液
に非酸化性雰囲気下、40〜60℃の温度範囲で第一鉄
塩水溶液を添加して攪拌することにより、前記針状マグ
ネタイト粒子の表面にマグネタイト層を生成させ、次い
で、当該懸濁液にコバルト塩水溶液を添加して非酸化性
雰囲気下で60℃を越え沸点以下の温度範囲で180分
間を越える時間加熱攪拌することにより、前記針状マグ
ネタイト粒子の表面にマグネタイトとコバルト化合物と
からなるスピネル型フェライト層を生成させ、次いで、
当該懸濁液を酸化性雰囲気とし、60℃を越え沸点以下
の温度範囲で加熱攪拌することにより、前記スピネル型
フェライト層の表面を酸化させた後、濾別、水洗、乾燥
することにより15重量%以上の第一鉄を含む黒色度に
優れたコバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末を得ることか
らなるコバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法であ
る。
【0018】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0019】本発明における針状マグネタイト粒子とし
ては、第一鉄が15〜24重量%程度含まれている針状
若しくは紡錘状のマグネタイト粒子又はマグヘマイトと
マグネタイトとの中間酸化物であるベルトライド化合物
粒子を使用できる。これらにNi、Si、Al、Zn、
P、Ba、Sr、Ca、Pb等の1種又は2種以上を含
む粒子を用いることもできる。
【0020】本発明における水酸化アルカリ水溶液とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア
水等の水溶液を使用できる。
【0021】本発明における第一鉄塩水溶液としては、
硫酸第一鉄、塩化第一鉄等の水溶液を使用できる。
【0022】本発明におけるコバルト塩水溶液として
は、硫酸コバルト、塩化コバルト、硝酸コバルト等の水
溶液を使用できる。
【0023】本発明においては、針状マグネタイト粒子
の水性分散液に水酸化アルカリ水溶液とを添加してアル
カリ性懸濁液とする。第一鉄塩水溶液又はコバルト塩水
溶液に先立って水酸化アルカリ水溶液を添加してアルカ
リ性懸濁液とするのは、第一鉄塩水溶液を添加した後の
急激な温度変化による化学反応の進行を避けるためであ
り、そのpHは11以上とすることが好ましい。
【0024】本発明における第一鉄塩水溶液の添加量
は、針状マグネタイト粒子に対しFe2+として5〜15
重量%であり、40〜60℃の温度範囲で添加・攪拌し
てマグネタイト層を生成させる。5重量%未満の場合に
は、核晶の粒子表面のマグネタイト層がうすくなるた
め、コバルト化合物を被着した場合に高い保磁力が得ら
れ難い。15重量%を越えてもよいが、コバルトとのス
ピネル型フェライト層を形成する場合は、実用上この程
度でよい。
【0025】40℃未満の場合には、核晶の粒子表面に
析出したFe(OH)2 コロイドのマグネタイト化が遅
く、核晶上以外にFe(OH)2 コロイドが浮遊するこ
とになり、コバルト塩水溶液と第一鉄塩水溶液とを同時
添加した時と同様に磁気的な安定性が得られ難い。60
℃を越える場合には、反応が急激であり、均一な混合状
態となる前に反応が進行するために保磁力分布が大きく
なるので好ましくない。
【0026】本発明におけるマグネタイト層を生成させ
るための攪拌時間は、5〜120分間の範囲から選定す
ることが好ましい。その所要時間は、核晶となる針状マ
グネタイト粒子の比表面積、反応温度及び第一鉄塩の添
加量によって異なるため厳密には特定し難いが、5分間
未満の場合には、反応が充分行なわれない可能性があ
り、120分間を越える場合には、すでに充分に反応し
ているため工業的に意味がない。
【0027】本発明におけるコバルト塩水溶液の添加量
は、針状マグネタイト粒子粉末に対してCo換算で0.
1重量%を越える量であり、好ましくは0.5重量%を
越える量である。尚、高い保磁力を得る場合には、コバ
ルト塩を多く添加すればよく特にその制限はないが、通
常は、10.0重量%位まで添加される。
【0028】この場合の添加温度はCo(OH)2 コロ
イドを均一に析出・混合させるためには60℃以下であ
り、攪拌時間は、10〜60分間の範囲から選定するこ
とが好ましい。10分間未満の場合には、充分に混合さ
せることが出来ないおそれがある。また、60分間を越
えても工業的にその意義がない。
【0029】本発明におけるマグネタイト粒子の表面に
マグネタイト層とコバルト化合物とからなるスピネル型
フェライト層を生成させる加熱攪拌は、60℃を越え沸
点以下であり、好ましくは90℃を越え沸点以下の温度
範囲である。60℃未満の場合には、被着反応が著しく
遅くなり、充分な磁気特性も得られない。沸点を越える
場合にも、被着することはできるがオートクレーブなど
の装置を必要とするため工業的には沸点以下で行なうの
が好ましい。
【0030】この場合の攪拌時間は180分間を越える
時間であって、900分間以下の範囲から選定すること
が好ましい。180分間未満の場合には、被着が充分で
なく、また、900分間を越えても工業的に意義がな
い。実用上、望ましい範囲は、180〜600分間であ
る。
【0031】本発明におけるマグネタイト層とスピネル
型フェライト層とを生成させる各添加、各攪拌処理は、
非酸化性雰囲気下で行なう。非酸化性雰囲気下で第一鉄
の酸化を抑制して、マグネタイト化を効果的に行なうと
共に、被着において高い保磁力と優れた保磁力分布を得
るためである。また、独立してゲータイト粒子や粒状の
マグネタイト粒子が生成するのを防ぐためでもある。ま
た、各反応において第一鉄が酸化され第二鉄となるのを
防止し、できるだけ多くの第一鉄を残して黒色度に優れ
た磁性酸化鉄粒子とするためでもある。尚、非酸化性雰
囲気は、N2 、Arガス等不活性ガス流下で行なうこと
が望ましい。
【0032】本発明においてはスピネル型フェライト層
を生成させて被着が終了した後、当該懸濁液を酸化性雰
囲気とし、60℃〜沸点以下の温度範囲で加熱攪拌する
ことにより、スピネル型フェライト層の表面を酸化させ
る。60℃未満の場合には、化学的、磁気的な経時安定
性の効果が不充分であり、沸点を越える場合には、オー
トクレーブ等の装置が必要となるため、工業的に望まし
くない。
【0033】この場合の攪拌時間は、被処理粒子粉末の
比表面積、反応濃度や酸化性ガスの流量等によって異な
るため厳密には特定し難いが30〜180分間の範囲か
ら選定するのが好ましい。30分間未満の場合には、充
分な酸化被膜が得られない可能性があり、180分間を
越える場合には、経済的ではない。
【0034】その方法としては、当該懸濁液中に酸化性
ガス(例えば、空気)を吹き込む方法や酸化剤(例え
ば、硝酸、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウムなど)を
添加する方法がある。
【0035】本発明において得られるコバルト含有強磁
性酸化鉄粒子に含まれる第一鉄の含有量は、15重量%
以上である。15重量%未満の場合には充分な黒色度が
得られず、また、多くても良いが実用上24重量%程度
までである。
【0036】
【作用】前述したように針状マグネタイト粒子にCo被
着した粒子粉末は、黒色度には優れているが化学的及び
磁気的な経時安定性に問題があることが知られている。
【0037】その原因は針状ゲータイト粒子を加熱脱水
・還元の各熱処理によって得られた第一鉄が24重量%
程度含まれる針状マグネタイト粒子乃至前記マグネタイ
ト粒子を加熱酸化して急激な酸化反応の途中で難しい制
御をして得られた第一鉄が15〜24重量%程度含まれ
る針状マグネタイト粒子は、いずれも活性度が高く空気
中において化学的、磁気的な経時劣化が生じることにあ
る。
【0038】そのような活性度が高い針状マグネタイト
粒子を用いてCo被着処理を行なっても化学的及び磁気
的な経時安定性に優れた磁性酸化鉄粒子が得られる技術
手段の検討を行なった。
【0039】本発明者は、例えば、特開昭63−295
441号公報の「‥‥マグネタイト化変成反応速度は、
30℃を境として明らかに勾配が異なることがわかる。
‥‥温度条件は、被着・熟成を通じて30℃以下が望ま
しい。‥‥マグネタイト化反応に寄与せずに存在する吸
着した水酸化第1鉄の状態のものが多いほど‥‥」なる
記載について着目した。
【0040】そして、核晶の粒子表面にFe(OH)2
コロイドが吸着した場合には、Fe(OH)2 がFe3
4 に変成しない限り、Fe(OH)2 の上にFe(O
H)2 コロイドは吸着しないために、新たに析出したF
e(OH)2 コロイドは核晶の粒子表面以外に浮遊して
いるという知見を得た。
【0041】そこで、Fe(OH)2 がFe3 4 に変
成し、新たに析出したFe(OH)2 コロイドが核晶の
粒子表面に次々と堆積させる温度を検討した結果、40
〜60℃が最もよいことを見つけた。
【0042】また、コバルト塩水溶液を添加し、マグネ
タイトが幾重にも堆積した層の上にコバルト化合物を吸
着させて加熱攪拌することにより、マグネタイト層のマ
グネタイトとコバルト化合物とのスピネル型フェライト
層を形成させても、マグネタイトが幾重にも堆積してい
るためにコバルト化合物のCoイオンが核晶中へは拡散
し難い。
【0043】更に、当該懸濁液を酸化性雰囲気とし、酸
化性ガスを吹き込み高温で攪拌してスピネル型フェライ
ト層の表面に薄く均一な酸化被膜を生成させることによ
り化学的、磁気的な経時安定性を高めることができた。
【0044】Co被着した後に加熱処理する方法として
は、Co被着後に被着スラリーをオートクレーブ中で1
00〜250℃で湿式熱処理する方法、被着スラリーを
濾別、水洗した湿ケーキを水蒸気の存在下で加熱処理す
る方法及び前記湿ケーキを乾燥した後に乾式加熱処理す
る方法などの技術手段も知られている。
【0045】しかしながら、前記各技術手段においては
オートクレーブ等の装置を必要とするのは工業的ではな
く、また、湿ケーキの加熱処理や乾式加熱処理では均一
な酸化被膜が得られ難い。
【0046】従って、被着反応終了後に当該懸濁液中に
酸化性ガスを吹き込んで酸化被膜を得る湿式酸化による
技術手段が最も好ましい。
【0047】以上に述べた如く、針状マグネタイト粒子
の表面にマグネタイトを幾重にも堆積し、その上にコバ
ルト化合物を析出させて加熱攪拌することにより得られ
るマグネタイトとコバルト化合物とからなるスピネル型
フェライト層を生成し、更に、その上を薄く均一な酸化
被膜としたことにより、Coイオンが核晶中へ拡散する
こともなく、また、最外層を酸化被膜とし、その内側を
Coのスピネル型フェライト層としたことにより化学的
及び磁気的な経時安定性を飛躍的に向上させることがで
きたのである。
【0048】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。
【0049】尚、以下の実施例並びに比較例における粒
子の長軸径、軸比(長軸径/短軸径)は、電子顕微鏡写
真から測定した数値の平均値で、また、比表面積はBE
T法により測定した値で示した。針状磁性酸化鉄粒子粉
末の磁気特性は、「振動試料型磁力計VSM−3S−1
5」(東英工業(株)製)を使用し、外部磁場10KO
eまでかけて測定した。
【0050】第一鉄の含有量の測定は、磁性酸化鉄粒子
粉末をフラスコに投入し、不活性ガスで置換し通気しな
がら硫酸と燐酸との混酸を添加・加熱溶解した後、当該
溶液中の第一鉄を酸化還元滴定法により求めた。
【0051】ΔFe2;及びΔHcは、温度60℃、相対
湿度90%の恒温槽に2週間放置した後にそれぞれ測定
し、初期の値を差し引いた値である。
【0052】保磁力分布(S.F.D.)の測定はシー
ト試料片を用い、前記磁気測定機の微分回路を使用し
て、保磁力の微分曲線を得、この曲線の半値巾を測定
し、この値のピーク値の保磁力で除することにより求め
た。
【0053】磁気シートの光透過率は、「光電分光光度
計UV−2100」((株)島津製作所製)を用いて測
定した線吸収係数で示した。線吸収係数は次式で定義さ
れ、値が大きい程、光を透しにくいことを示す。 線吸収係数(μm-1)=ln(1/t)/FT t:λ=900nmにおける光透過率(−) FT:測定に用いたフィルムの磁性層厚み(μm) 尚、線吸収係数が1.2以上(膜厚4.0μm)であれ
ば、VHS規格で定められている光透過率0.8%以下
を満足させることができる。また、線吸収係数が1.4
以上であれば、Co被着型磁性酸化鉄粒子粉末の黒色度
も充分優れているといえる。尚、黒色度の評価は前述し
たように実質的な評価メジャーである線吸収係数で表し
た。
【0054】シート状試料片は、100ccのポリビン
に磁性酸化鉄粒子粉末、樹脂及び溶剤を下記の割合で入
れた後、ペイントコンディショナーで6時間混合分散を
行うことにより調整した磁性塗料を厚さ25μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルム上にアプリケーターを
用いて50μmの厚さに塗布し、次いで、3KGaus
sの磁場中で乾燥させることにより得た。 3mmφスチルボール 800重量部 磁性酸化鉄粒子粉末 100重量部 スルホン酸ナトリウム基を有するポリウレタン樹脂 20重量部 シクロヘキサノン 83.3重量部 メチルエチルケトン 83.3重量部 トルエン 83.3重量部
【0055】実施例1 針状マグネタイト粒子粉末(平均長軸径0.22μm、
軸比(長軸径/短軸径)8.0、BET比表面積35m
2 /g、保磁力370Oe、第一鉄17.5重量%)8
00gを10700mlの水に分散して得られた水性分
散液に、18mol/lのNaOH水溶液1588ml
(アルカリイオン濃度として2.0Nに相当する。)を
加え、N2 ガスを流して非酸化性雰囲気とした上で懸濁
液の温度40℃とした。以後、非酸化性雰囲気下で処理
した。該懸濁液に1.8mol/lのFeSO4 水溶液
446ml(Fe量は、針状マグネタイト粒子粉末に対
して5.6重量%に相当する。)を添加し、5分間維持
して黒褐色沈澱粒子を生成させた。
【0056】前記懸濁液に1.8mol/lのCoSO
4 水溶液271ml(Co量は、針状マグネタイト粒子
粉末に対して3.6重量%に相当する。)を1分間で添
加した。続いて、添加後30分間攪拌処理を続けた。更
に、非酸化性雰囲気下で100℃に昇温し、240分間
保持し加熱攪拌した。
【0057】次いで、N2 ガスを止め、前記100℃の
懸濁液中に500ml/minの割合で空気を60分間
吹き込んで黒色沈澱粒子を生成させた。
【0058】上記黒色沈澱粒子を常法により、濾別、水
洗、乾燥して、黒色粒子粉末を得た。得られた黒色粒子
粉末は、X線回折の結果、コバルトと第一鉄とを含むC
o被着型磁性酸化鉄粒子粉末であった。
【0059】得られたCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末
は、平均長軸径0.22μm、軸比(長軸径/短軸径)
7.7、保磁力687Oe、飽和磁化値82.9emu
/g、第一鉄16.8重量%であった。また、ΔFe2+
は−6.3重量%、ΔHcは−9Oeであり、経時劣化
の少ないものであった。
【0060】得られたCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末を
用いて、シート試料片を作製して求めたシート特性は、
保磁力690Oe、角型比(Br/Bm)0.833、
保磁力分布(S.F.D.)0.381、電気抵抗2.
0×109 Ω/sq、線吸収係数(λ=900nm)
1.67であった。
【0061】実施例2〜8、比較例1〜6 被処理磁性酸化鉄粒子粉末の種類、懸濁液の温度、第一
鉄塩水溶液の量及び添加後の攪拌時間、コバルト塩水溶
液の量、昇温後の被着処理温度及び攪拌時間並びに空気
吹き込みの温度及び攪拌時間を種々変化させた以外は、
実施例1と同様にしてCo被着型磁性酸化鉄粒子粉末を
得た。
【0062】この時の主要製造条件及び諸特性を表1乃
至表3に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】本発明によって製造されたコバルト被着
型磁性酸化鉄粒子粉末は、前出実施例に示した通り、高
い保磁力を有し、且つ、保磁力分布、角型比及び電気抵
抗が良く、しかも、黒色度に優れているとともに、化学
的及び磁気的な経時安定性に優れているので高密度記録
用磁性材料として好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15〜24重量%の第一鉄を含む針状マ
    グネタイト粒子の水性分散液に水酸化アルカリ水溶液を
    加えてアルカリ性懸濁液とし、該懸濁液に非酸化性雰囲
    気下、40〜60℃の温度範囲で第一鉄塩水溶液を添加
    して攪拌することにより、前記針状マグネタイト粒子の
    表面にマグネタイト層を生成させ、次いで、当該懸濁液
    にコバルト塩水溶液を添加して非酸化性雰囲気下で60
    ℃を越え沸点以下の温度範囲で180分間を越える時間
    加熱攪拌することにより、前記針状マグネタイト粒子の
    表面にマグネタイトとコバルト化合物とからなるスピネ
    ル型フェライト層を生成させ、次いで、当該懸濁液を酸
    化性雰囲気とし、60℃を越え沸点以下の温度範囲で加
    熱攪拌することにより、前記スピネル型フェライト層の
    表面を酸化させた後、濾別、水洗、乾燥することにより
    15重量%以上の第一鉄を含む黒色度に優れたコバルト
    被着型磁性酸化鉄粒子粉末を得ることを特徴とするコバ
    ルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103896342A (zh) * 2014-02-28 2014-07-02 沈阳理工大学 一种棒状尖晶石型铁氧体的制备方法

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