JPH0120201B2 - - Google Patents

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JPH0120201B2
JPH0120201B2 JP57151467A JP15146782A JPH0120201B2 JP H0120201 B2 JPH0120201 B2 JP H0120201B2 JP 57151467 A JP57151467 A JP 57151467A JP 15146782 A JP15146782 A JP 15146782A JP H0120201 B2 JPH0120201 B2 JP H0120201B2
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JP
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acicular
magnetic
feooh
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JP57151467A
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JPS5941453A (ja
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Hiroo Mishima
Yoshiro Okuda
Toshiharu Harada
Akira Kosaka
Tomoyuki Imai
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Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
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Publication date
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Priority to US06/513,866 priority patent/US4437881A/en
Priority to EP83304415A priority patent/EP0100669B1/en
Priority to DE8383304415T priority patent/DE3370557D1/de
Publication of JPS5941453A publication Critical patent/JPS5941453A/ja
Publication of JPH0120201B2 publication Critical patent/JPH0120201B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、オーデイオ、ビデオ等の磁気記録用
磁性材料、特に、ビデオ用の磁性材料として最適
である針状晶を有し、粒度が均斉であり樹枝状粒
子が混在しておらず、その結果、かさ密度が大き
く、且つ、微粒子で比表面積が大きく、しかも、
高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsとを有するSi、
Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末
及びその製造法に関するものである。 磁気記録媒体の製造に際して、本発明により得
られるSi、Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金磁
性粒子粉末を用いた場合には、針状晶を有し、粒
度が均斉であり、樹枝状粒子が混在しておらず、
その結果、かさ密度が大きく、且つ、微粒子で比
表面積が大きく、しかも、高い保磁力Hcと大き
な飽和磁化σsとを有することに起因して、磁性粒
子のビークル中での分散性、塗膜中での配向性及
び充填性が極めて優れており、磁気テープの記録
再生時に生じるノイズレベルが低く、且つ、高出
力特性が得られる優れた磁気記録媒体を得ること
ができる。 近年、ビデオ用、オーデイオ用磁気記録再生用
機器の長時間記録化、小型軽量化が激化してお
り、特に、昨今におけるVTR(ビデオ・テープ・
レコーダー)の普及は目覚しく、長時間記録化並
びに小型軽量化を目指したVTRの開発が盛んに
行われており、一方においては、磁気記録媒体で
ある磁気テープに対する高性能化、高密度記録化
の要求が益々高まつてきている。 即ち、磁気記録媒体の高画像画質、高出力特
性、殊に周波数特性の向上及びノイズレベルの低
下が要求され、その為には、残留磁束密度Brの
向上、高保磁力Hc化並びに、分散性、充填性、
テープ表面の平滑性の向上が必要であり、益々
S/N比の向上が要求されてきている。 磁気記録媒体のこれら諸特性は磁気記録媒体に
使用される磁性材料と密接な関係を持つており、
例えば、日経エレクトロニクス(1976年)5月3
日号第82頁〜105頁に掲載されている「ビデオ及
びオーデイオ用磁気テープの最近の進歩」という
文献中、第83〜84頁に記載の「ビデオテープレコ
ーダの画質の内テープによつて変化する特性で主
要なものは、S/N比、クロマ・ノイズ、
ビデオ周波数特性―である。 ………これら画質を表す量は、テープ、ヘツド
系の電磁変換特性によつて決まり、電磁変換特性
はテープの物理特性と相関を持つている。更にテ
ープの物理特性は磁性材料によつて決まる要素が
大きい。」という記載等から明らかである。 上述した通り、磁気記録媒体の高画像画質等の
諸特性は、使用される磁性材料と密接な関係を有
するものであり、磁性材料の特性改善が強く望ま
れている。 今、磁気記録媒体の諸特性と使用される磁性材
料の特性との関係について詳述すれば次の通りで
ある。 ビデオ用磁気記録媒体として高画像画質を得る
為には、前出の日経エレクトロニクスの記載から
も明らかな通り、ビデオS/N比クロマ・ノ
イズビデオ周波数特性の向上が要求される。 ビデオS/N比の向上をはかる為には、磁性粒
子粉末の微粒子化及びそのビークル中での分散
性、塗膜中での配向性及び充填性を向上させるこ
と、並びに、磁気記録媒体の表面の平滑性を改良
することが重要である。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第85頁
の「輝度信号のSN比(CN比)に関係している
テープの物理量としては、単位体積当りの平均粒
子数とその分散状態(分散性)及び表面の平滑性
がある。表面性、分散性が一定なら平均粒子数の
平方根に比例してSN比は良くなるので、粒子体
積が小さく、且つ充てん度の高くできる磁性粉ほ
ど有利である。」等の記載からも明らかである。 即ち、ビデオS/Nの向上をはかる一つの方法
としては磁気記録媒体に起因するノイズレベルを
低下させることが重要であり、そのためには、上
記記載から明らかなように使用される磁性材料で
ある針状磁性粒子粉末の粒子サイズを微細化する
方法が有効であることが知られている。 磁性粒子粉末の粒子サイズを表わす一般的な方
法として粒子粉末の比表面積の値がしばしば用い
られるが磁気記録媒体に起因するノイズレベルが
磁性粒子粉末の比表面積が大きくなる程、低くな
る傾向にあることも一般的に知られているところ
である。 この現象は、例えば電子通信学会技術研究報告
MR81―11第27頁23―9の「Fig3」等に示されて
いる。「Fig、3」はCo被着針状晶マグヘマイト
粒子粉末における粒子の比表面積とノイズレベル
との関係を示す図であり、粒子の比表面積が大き
くなる程ノイズレベルは直線的に低下している。 この関係は、針状晶鉄磁性粒子粉末及び針状晶
合金磁性粒子粉末についても同様に言えることで
ある。 磁性粒子粉末のビークル中での分散性、塗膜中
での配向性及び充填性を向上させる為には、ビー
クル中に分散させる磁性粒子粉末が針状晶を有
し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在してお
らず、その結果、かさ密度が大きいことが要求さ
れる。 次に、クロマ・ノイズの向上をはかる為には、
磁気記録媒体の表面性の改良が重要であり、その
為には分散性、配向性の良い磁性粒子粉末がよ
く、そのような磁性粒子粉末としては針状晶を有
し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在してお
らず、その結果、かさ密度が大きいことが要求さ
れる。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第85頁
の「クロマ・ノイズはテープ表面性の比較的長周
期の粗さに起因しており、塗布技術との関係が深
い。分散性、配向性の良い粉の方が表面性を良く
しやすい。」等の記載からも明らかである。 更に、ビデオ周波数特性の向上をはかる為に
は、磁気記録媒体の保磁力Hcが高く、且つ、飽
和残留磁束密度Brが大きいことが必要である。 磁気記録媒体の保磁力Hcを高める為には、磁
性粒子粉末の保磁力Hcができるだけ高いことが
要求される。 飽和残留磁束密度Brは、磁性粒子粉末の飽和
磁化σsができるだけ大きく、磁性粒子粉末のビー
クル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性
に依存している。 この事実は、前出日経エレクトロニクス第84〜
85頁の「最大出力は、テープの飽和残留磁束密度
BrとHc、及び実効間隔によつて決まる。Brが大
きければ再生ヘツドに入る磁束が多くなり出力は
増加する。………。Hcを増加させると自己減磁
は少なくなり、出力は増加する。………。テープ
のBrを大きくするには、磁性体が完全な状態
(例えば単結晶の状態)で持つている飽和磁化量
Is(σs)が大きいことがまず基本となる。………。
同じ材質でも、………磁性粉の割合を示す充填度
などによつてもBrは変わる。また、角形化(残
留磁化量/飽和磁化量)に比例するので、これが
大きいことが要求される。………。角型比を高く
するには、粒子の大きさが揃つており、針状比が
大きく、磁場配向性に優れている磁性粉が有利で
ある。………」等の記載からも明らかである。 上記に詳述した通り、磁気記録媒体の高画像画
質、高出力特性、殊に、周波数特性の向上、及
び、ノイズレベルの低下等の高性能化の要求を満
たす為には、使用される磁性粒子粉末の特性とし
ては、針状晶を有し、粒度が均斉であり樹枝状粒
子が混在しておらず、且つ、比表面積が大きく、
しかも、高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsを有
することが必要である。 ところで、従来から磁気記録媒体に用いられて
いる磁性材料は、マグネタイト、マグヘマイト、
二酸化クロム等の磁性粉末であり、これらの磁性
粉末は飽和磁化σs70〜85emu/g、保磁力Hc250
〜500Oeを有するものである。 殊に、上記酸化物磁性粒子粉末のσsは最大
85emu/g程度であり、一般にはσs70〜80emu/
gであることが再生出力並びに記録密度に限度を
与えている主因となつている。 更にCoを含有しているCo―マグネタイトやCo
―マグヘマイト磁性粉末も使用されているが、こ
れらの磁性粒子粉末は保磁力Hcが400〜800Oeと
高いという特徴を有するが、これに反して飽和磁
化σsが60〜80emu/gと低いものである。 最近、高出力並びに高密度記録に適する特性を
備えた磁性粒子粉末すなわち、飽和磁化σsが大き
く、且つ、高い保磁力を有する磁性粒子粉末の開
発が盛んであり、そのような特性を有する磁性粒
子粉末は、一般に、針状晶含水酸化鉄粒子、針状
晶酸化鉄粒子若しくは、これらに鉄以外の異種金
属を含むものを還元性ガス中350℃程度で加熱還
元することにより得られる針状晶鉄磁性粒子粉末
若しくは針状晶合金磁性粒子粉末である。 これら針状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶合
金磁性粒子粉末は、従来用いられている磁性酸化
鉄粒子粉末並びにCo含有磁性酸化鉄粒子粉末に
比較して飽和磁化σsが著しく大きく、保磁力Hc
が高いという特徴を有しており、磁気記録媒体と
して塗布した場合、大きい残留磁束密度Brと高
い保磁力Hcを有する為に高密度記録、高出力特
性が得られるので注目をあびており近年実用化が
なされている。 高い保磁力Hcと大きな飽和磁化σsを有する針
状晶鉄磁性粒子粉末若しくは針状晶合金磁性粒子
粉末は、前述した通り、針状晶を有し、粒度が均
斉であり、樹枝状粒子が混在していないことが必
要であり、このような特性を備えた磁性粒子粉末
を得るためには、出発原料である針状晶α―
FeOOH粒子が粒度が均斉であり、樹枝状粒子が
混在していないことが必要である。 従来、PH11以上のアルカリ領域で針状晶α―
FeOOH粒子を製造する方法として最も代表的な
公知方法は、第一鉄塩水溶液に当量以上のアルカ
リ溶液を加えて得られるFe(OH)2を含む水溶液
をPH11以上にて80℃以下の温度で酸化反応を行う
ことにより、針状晶α―FeOOH粒子を得るもの
である。 この方法により得られた針状晶α―FeOOH粒
子粉末は長さ0.5〜1.5μ程度の針状形態を呈した
粒子であるが、樹枝状粒子が混在しており、また
粒度から言えば、均斉な粒度を有した粒子である
とは言い難い。このように、粒度が不均斉であ
り、また樹枝状粒子が混在している針状晶α―
FeOOH粒子が生成する原因について以下に考察
する。 一般に、針状晶α―FeOOH粒子の生成は、針
状晶α―FeOOH核の発生と該針状晶α―
FeOOH核の成長の二段階からなる。そして、針
状晶α―FeOOH核は、第一鉄塩水溶液とアルカ
リとを反応して得られるFe(OH)2と溶存酸素と
の反応により生成するが、溶存酸素との接触反応
が部分的、且つ、不均一である為、針状晶α―
FeOOH核の発生と該針状晶α―FeOOH核の成
長が同時に生起し、しかも、α―FeOOH生成反
応が終了するまで幾重にも新しい核が発生するの
で、得られた針状晶α―FeOOH粒子は粒度が不
均斉であり、また樹枝状粒子が混在したものにな
ると考えられる。 また、前記方法における反応水溶液中の反応鉄
(Fe2+)濃度は、通常、0.2mol/程度であり、
かつ、針状晶α―FeOOH粒子の生成に、長時間
を必要とする。 即ち、前記方法によれば、0.2mol/程度の
うすい反応鉄濃度においてさえも、粒度が不均斉
であり、樹枝状粒子が混在している針状晶α―
FeOOH粒子粉末が生成しやすかつたのである。 本発明者は、上述したところに鑑み、針状晶を
有し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在して
おらず、且つ、比表面積が大きく、しかも、高い
保磁力Hcと大きな飽和磁化σsを有する針状晶合
金磁性粒子粉末を得るべく、種々検討を重ねてき
た。そして、本発明者は、第一鉄塩水溶液とアル
カリ水溶液とを反応させて得られたFe(OH)2
含むPH11以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気して
酸化することにより針状晶α―FeOOH粒子を生
成させるにあたり、前記アルカリ水溶液及び酸素
含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前の前記
懸濁液のいずれかの液中に、水可溶性ケイ酸塩を
Feに対しSi換算で0.1〜1.7原子%添加しておき、
且つ、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ水溶
液、酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる
前の前記懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化
反応を行わせている前記反応溶液のいずれかの液
中に水可溶性クロム塩をFeに対しCr換算で0.1〜
5.0原子%及び水可溶性ニツケル塩をFeに対しNi
換算で0.1〜7.0原子%添加しておくことにより、
Si、Cr、及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒
子を生成させ、該Si、Cr及びNiを含有する針状
晶α―FeOOH粒子若しくはこれを加熱脱水して
得られたSi、Cr及びNiを含有する針状晶α―
Fe2O3粒子を還元することによつて針状晶を有
し、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在してお
らず、且つ、比表面積が大きく、しかも、高い保
磁力Hcと大きな飽和磁化σsとを有する針状晶合
金磁性粒子粉末が得られることを見出し本発明を
完成したものである。 即ち、本発明は、Feに対しSi換算で0.1〜1.7原
子%のSi、Cr換算で0.1〜5.0原子%のCr及びNi換
算で0.1〜7.0原子%のNiを含有する針状晶鉄合金
磁性粒子からなる磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒
子粉末及び第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを
反応させて得られたFe(OH)2を含むPH11以上の
懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化することに
より針状晶α―FeOOH粒子を生成させるにあた
り、前記アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気
して酸化反応を行わせる前の前記懸濁液のいずれ
かの液中に、水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換
算で0.1〜1.7原子%添加しておき、且つ、前記第
一鉄塩水溶液、前記アルカリ水溶液、酸素含有ガ
スを通気して酸化反応を行わせる前の前記懸濁液
及び酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせて
いる前記反応溶液のいずれかの液中に水可溶性ク
ロム塩をFeに対しCr換算で0.1〜5.0原子%及び水
可溶性ニツケル塩をFeに対しNi換算で0.1〜7.0原
子%添加しておくことにより、Si、Cr及びNiを
含有する針状晶α―FeOOH粒子を生成させ、該
Si、Cr及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子
若しくはこれを加熱脱水して得られたSi、Cr及
びNiを含有する針状晶α―Fe2O3粒子を還元性ガ
ス中300℃〜500℃の温度範囲で加熱還元してFe
に対しSi換算で0.1〜1.7原子%のSi、Cr換算で0.1
〜5.0原子%のCr及びNi換算で0.1〜7.0原子%の
Niを含有する針状晶鉄合金磁性粒子を得ること
によりなる磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子粉末
の製造法である。 次に、本発明を完成するに至つた技術的背景及
び本発明の構成について述べる。 PH11以上のアルカリ領域で、従来法により生成
した針状晶α―FeOOH粒子は前述した通り、粒
度が不均斉であり、また樹枝状粒子が混在したも
のである。 本発明者は、長年にわたり針状晶α―FeOOH
粒子粉末の製造及び開発にたずさわつているもの
であるが、その過程において、粒度が均斉であ
り、樹枝状粒子が混在していない針状晶α―
FeOOH粒子を得ることができるという技術を既
に確立している。 即ち、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在し
ていない針状晶α―FeOOH粒子は、第一鉄塩水
溶液とアルカリ水溶液とを反応させて得られた
Fe(OH)2を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気し
て酸化することにより針状晶α―FeOOH粒子を
生成させる方法において、前記アルカリ水溶液及
び酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前
の前記懸濁液のいずれかの液中に、水可溶性ケイ
酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜1.7原子%添加して
おくことにより得ることができる(特公昭55−
8461号公報、特公昭55−32652号公報)。 従来、PH11以上のアルカリ領域で得られた針状
晶α―FeOOH粒子は、一般に粒度が不均斉で樹
枝状粒子が混在しているが、これは、針状晶α―
FeOOH粒子の前駆体であるFe(OH)2のフロツク
が不均斉であると同時に、Fe(OH)2のフロツク
を構成しているFe(OH)2の粒子そのものが不均
斉であること、更に、Fe(OH)2を含む水溶液か
ら針状晶α―FeOOH核粒子の発生と該針状晶α
―FeOOH核粒子の成長が同時に生起し、しかも
α―FeOOH生成反応が終了するまで幾重にも新
しい核が発生することに起因する。 前述した様に、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶
液とを反応させて得られたFe(OH)2を含む懸濁
液に酸素含有ガスを通気して酸化することにより
針状晶α―FeOOH粒子を生成させるにあたり、
前記アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して
酸化反応を行わせる前の前記懸濁液のいずれかの
液中に水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1
〜1.7原子%となるように添加した場合には、Fe
(OH)2のフロツクを十分微細で均斉なフロツク
にし、また、Fe(OH)2のフロツクを構成してい
るFe(OH)2粒子そのものを十分微細で均斉な粒
子とすることができ、更に、水可溶性ケイ酸塩が
Fe(OH)2を含む水溶液から針状晶α―FeOOH粒
子を生成する際の酸化反応を抑制する効果を有す
ることに起因して、針状晶α―FeOOH核粒子の
発生と該針状晶α―FeOOH核粒子の成長を段階
的に行うことができるため、粒度が均斉であり、
また、樹枝状粒子が混在しない針状晶α―
FeOOH粒子を得ることができるのである。 上記の方法において使用される水可溶性ケイ酸
塩としてはナトリウム、カリウムのケイ酸塩があ
る。 アルカリ水溶液への水可溶性ケイ酸塩の添加量
は、Feに対しSi換算で0.1〜1.7原子%である。添
加した水可溶性ケイ酸塩はほぼ全量が生成針状晶
α―FeOOH粒子中に含有され、後出の表2に示
される通り、得られた針状晶α―FeOOH粒子
は、添加量とほぼ同量のFeに対しSi換算で、
0.203〜1.03原子%を含有している。水可溶性ケ
イ酸塩の添加量がFeに対しSi換算で0.1原子%以
下である場合には、粒度が均斉で樹枝状粒子が混
在していない針状晶粒子を得る効果が十分ではな
く、1.7原子%以上である場合は粒状のマグネタ
イト粒子が混入してくる。 上述した粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在
していない針状晶α―FeOOH粒子又は該針状晶
α―FeOOH粒子を加熱脱水して得られた針状晶
α―Fe2O3粒子を出発原料とし、該出発原料を加
熱還元することにより得られた針状晶合金磁性粒
子粉末もまた粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混
在していないものであるが、その結果、かさ密度
が大きく、塗料化の際の分散性がよく、且つ、塗
膜中での充填性が高く、残留磁束密度Brが大き
くなるという特徴を有するものであるが、比表面
積について言えば高々20m2/g程度である。 そこで、本発明者は、粒度が均斉であり、樹枝
状粒子が混在していないSiを含有する針状晶鉄合
金磁性粒子粉末の比表面積を向上させる方法につ
いて種々検討を重ねた結果、粒度が均斉であり、
樹枝状粒子が混在していないSiを含有する針状晶
α―FeOOH粒子の生成にあたり、第一鉄塩水溶
液、アルカリ水溶液、酸素含有ガスを通気して酸
化反応を行わせる前のFe(OH)2懸濁液及び酸素
含有ガスを通気して酸化反応を行わせている反応
溶液のいずれかの液中に水可溶性クロム塩を添加
し、得られたSi及びCrを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を加熱還元した場合には、Siを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を向上
させることができるという知見を得た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例から、その一部を抽出して説明すれば、次
の通りである。 図1は、水可溶性クロム塩の添加量とSi及び
Crを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末及びCr
を含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積
の関係図である。 即ち、Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶
液300を、あらかじめ、反応器中に準備された
ケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0〜1.0原子%、
硫酸クロムをFeに対しCr換算で0〜5.0原子%を
添加して得られたNaOH水溶液400に加え、PH
13.8においてFe(OH)2を含む懸濁液を得、該懸濁
液に温度45℃において毎分1000の空気を通気し
て酸化反応を行わせることによりSi及びCrを含
有する針状晶α―FeOOH粒子を生成し、次い
で、該粒子を430℃で4.0時間加熱還元することに
より得られたSi及びCrを含有する針状晶鉄合金
磁性粒子粉末及びCrを含有する針状晶合金磁性
粒子粉末の比表面積と硫酸クロムの添加量の関係
を示したものである。 図中、曲線aはSi無添加の場合、曲線b,c
は、それぞれSi添加量が0.35原子%、1.0原子%の
場合である。 曲線b,cに示されるようにSi及びCrを併用
して添加した場合には得られるSi及びCrを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を著し
く向上させることができ、この場合、硫酸クロム
の添加量の増加に伴つて比表面積が大きくなる傾
向を示す。 この現象は、図1中の曲線aに示されるCrを
単独で添加した場合よりも一層顕著に現われるこ
とから本発明者はSiとCrとの相乗効果によるも
のと考えている。 上述したようにSi及びCrを含有する針状晶鉄
合金磁性粒子粉末は粒度が均斉であり、樹枝状粒
子が混在しておらず、且つ、比表面積が大きいも
のであるが、一方、Crの添加量の増加に伴つて
保磁力が低下するという傾向があつた。 そこで、本発明者は、Si及びCrを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力を向上させる方
法について、種々検討を重ねた結果、Si及びCr
を含有する針状晶α―FeOOH粒子の生成にあた
り、第一鉄塩水溶液、アルカリ水溶液、酸素含有
ガスを通気して酸化反応を行わせる前のFe
(OH)2懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化
反応を行わせている反応溶液のいずれかの液中に
水可溶性ニツケル塩を添加し、得られたSi、Cr
及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子を加熱
還元した場合には、大きな比表面積を維持したま
までSi及びCrを含有する針状晶鉄合金磁性粒子
粉末の保磁力を向上させることができるという知
見を得た。 この現象について、本発明者が行つた数多くの
実験例からその一部を抽出して説明すれば、次の
通りである。 図2は、水可溶性ニツケル塩の添加量とSi、
Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末
の保磁力の関係図である。 即ち、Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶
液300を、あらかじめ、反応器中に準備された
ケイ酸ソーダをFeに対しSi換算で0.35原子%、硫
酸クロムをFeに対しCr換算で0.5原子%、硫酸ニ
ツケルをFeに対しNi換算で0〜7.0原子%を含む
ように添加して得られたNaOH水溶液400に加
え、PH14.0においてFe(OH)2を含む懸濁液を得、
該懸濁液に温度45℃において毎分1000の空気を
通気して酸化反応を行わせることによりSi、Cr
及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子を生成
し、次いで、該粒子を420℃で、4.0時間加熱還元
することにより得られたSi、Cr及びNiを含有す
る針状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力と硫酸ニツ
ケルの添加量の関係を示したものである。 図2に示されるように硫酸ニツケルの添加量の
増加に伴つてSi、Cr及びNiを含有する針状晶鉄
合金磁性粒子粉末の保磁力が高くなる傾向を示
す。 このように大きな比表面積を維持したままで保
磁力を向上させるという現象は、Si、Cr、Niの
いずれを除去した場合にも得られないことから、
本発明者はSi及びCrとNiとの相乗効果によるも
のと考えている。 次に、本発明実施にあたつての諸条件について
述べる。 本発明において使用される水可溶性クロム塩と
しては、硫酸クロム、塩化クロムを使用すること
ができる。 水可溶性クロム塩の添加時期については、本発
明では針状晶α―FeOOH粒子の生成反応時にク
ロムを存在させておくことが必要であり、このた
めには第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液中、
Fe(OH)2を含む懸濁液中、又は、酸素含有ガス
の通気開始後針状晶α―FeOOH粒子が生成中の
反応溶液中のいずれかに添加しておけばよい。 尚、針状晶α―FeOOH粒子の生成が完全に完
了してしまつている段階で水可溶性クロム塩を添
加してもクロムが粒子中に入らないから本発明に
おけるクロム添加の効果は得られない。 本発明における水可溶性クロム塩の添加量は
Feに対しCr換算で0.1〜5.0原子%である。添加し
た水可溶性クロム塩はほぼ全量が生成針状晶α―
FeOOH粒子中に含有され、後出の表2に示され
る通り、得られた針状晶α―FeOOH粒子は、添
加量とほぼ同量のFeに対しCr換算で、0.296〜
2.99原子%を含有している。 水可溶性クロム塩の添加量がFeに対しCr換算
で0.1原子%以下である場合には、得られる針状
晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を大きくする効
果が得られない。 5.0原子%以上である場合にも、得られる針状
晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積を大きくすると
いう効果は得られるが保磁力及び飽和磁化が低下
し好ましくない。 本発明において使用される水可溶性ニツケル塩
としては、硫酸ニツケル、塩化ニツケル、硝酸ニ
ツケル等を使用することができる。 水可溶性ニツケル塩の添加時期については、本
発明では針状晶α―FeOOH粒子の生成反応時に
ニツケルを存在させておくことが必要であり、こ
のためには第一鉄塩水溶液中、アルカリ水溶液
中、Fe(OH)2を含む懸濁液中、又は、酸素含有
ガスの通気開始後針状晶α―FeOOH粒子が生成
中の反応溶液中のいずれかに添加しておけばよ
い。 尚、針状晶α―FeOOH粒子の生成が完全に完
了してしまつている段階で水可溶性ニツケル塩を
添加してもニツケルが粒子中に入らないから本発
明におけるニツケル添加の効果は得られない。 本発明における水可溶性ニツケル塩の添加量は
Feに対しNi換算で0.1〜7.0原子%である。添加し
た水可溶性ニツケル塩はほぼ全量が生成針状晶α
―FeOOH粒子中に含有され、後出の表2に示さ
れる通り、得られた針状晶α―FeOOH粒子は、
添加量とほぼ同量のFeに対しNi換算で2.05〜5.04
原子%を含有している。 水可溶性ニツケル塩の添加量がFeに対しNi換
算で0.1原子%以下である場合には、得られる針
状晶鉄合金磁性粒子粉末の保磁力を大きくする効
果が得られない。 7.0原子%以上である場合にも、本発明の目的
を達成することができるがα―FeOOH粒子生成
の際に針状晶以外の異物が混在するので好ましく
ない。得られたSi、Cr及びNiを含有する針状晶
鉄合金磁性粒子粉末は、後出の表3に示される通
り、SiをFeに対しSi換算で0.202〜1.02原子%、
CrをFeに対しCr換算で0.297〜2.99原子%及びNi
をFeに対しNi換算で2.01〜5.03原子%を含有して
おり、添加量のほぼ全量が含有されるのである。 本発明における還元温度は300℃〜500℃であ
る。300℃以下である場合には還元反応の進行が
遅く、長時間を要する。 また、500℃以上である場合には還元反応が急
激に進行して針状晶粒子の変形と、粒子および粒
子相互間の焼結を引き起してしまう。 以上の通りの構成の本発明は、次の通りの効果
を奏するものである。 即ち、本発明によれば、針状晶を有し、粒度が
均斉であり、樹枝状粒子を含まず、かさ密度が大
きく、且つ、比表面積が大きく、しかも、高い保
磁力Hcと大きな飽和磁化σsとを有するSi、Cr及
びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末を得
ることができるので、現在最も要求されている高
画像画質、高出力、高感度、高記録密度用磁性粒
子粉末として使用することができる。 更に、磁性塗料の製造に際して、上記のSi、
Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末
を用いた場合には、ノイズレベルが低く、且つ、
ビークル中での分散性、塗膜中での配向性及び充
填性が極めて優れ、好ましい磁気記録媒体を得る
ことができる。しかも、本発明により得られる
Si、Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子
粉末はあまりに超微粒子ではないから、塗料化時
に於ける取扱いが比較的容易である。 次に、実施例並びに比較例により本発明を説明
する。 尚、前出の実験例及び以下の実施例並びに比較
例における粒子の比表面積はBET法により測定
したものであり、粒子の軸比(長軸:短軸)、長
軸は、いずれも電子顕微鏡写真から測定した数値
の平均値で示した。 また、かさ密度はJIS K 5101―1978「顔料試
験方法」に従つて測定した。 粒子中のSi量、Cr量及びNi量は、「螢光X線分
析装置3063M型」(理学電機工業製)を使用し、
JIS K 0119―1979の「けい光X線分析通則」に
従つて、けい光X線分析を行うことにより測定し
た。 磁気テープの諸特性は外部磁場10KOeの下で
測定した結果である。 <針状晶α―FeOOH粒子粉末の製造> 実施例1〜13、比較例1; 実施例 1 Fe2+1.2mol/を含む硫酸第一鉄水溶液300
を、あらかじめ、反応器中に準備されたFeに対
しSi換算で0.20原子%を含むようにケイ酸ソーダ
(3号)(SiO228.55wt%)152g、Feに対しCr換
算で0.50原子%を含むように硫酸クロム644g、
Feに対しNi換算で3.0原子%を含むように硫酸ニ
ツケル2884gを添加して得られた5.45―Nの
NaOH水溶液400に加え、PH14.0、温度45℃に
おいてSi、Cr及びNiを含むFe(OH)2懸濁液の生
成反応を行つた。 上記Si、Cr及びNiを含むFe(OH)2懸濁液に、
温度50℃において毎分1000の空気を6.3時間通
気してSi、Cr及びNiを含有する針状晶α―
FeOOH粒子を生成した。 酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り塩酸
酸性に調節した後、赤血塩溶液を用いてFe2+
青色呈色反応の有無で判定した。 生成粒子は、常法により、別、水洗、乾燥、
粉砕した。 得られたSi、Cr及びNiを含有する針状晶α―
FeOOH粒子は、X線回折の結果、α―FeOOH
粒子の結晶構造と同じ回折図形が得られた。 また、螢光X線分析の結果、SiをFeに対し
0.204原子%、CrをFeに対し0.496原子%、Niを
Feに対し3.02原子%含有するものであつた。 従つて、Si、Cr及びNiが針状晶α―FeOOH粒
子中に固溶していると考えられる。 このSi、Cr及びNiを含有する針状晶α―
FeOOH粒子は図3に示す電子顕微鏡写真(×
20000)から明らかな通り平均値で長軸0.50μm、
軸比(長軸:短軸)28:1であり、粒度が均斉で
樹枝状粒子が混在しないものであつた。 実施例 2〜13 第一鉄塩水溶液の種類、濃度、NaOH水溶液
の濃度、及び水可溶性ケイ酸塩、水可溶性クロム
塩、水可溶性ニツケル塩の種類、添加量、添加時
期を種々変化させた以外は実施例1と同様にして
Si、Cr及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子
を生成した。 この時の主要製造条件を表1に、特性を表2に
示す。 尚、実施例5におけるFe(OH)2懸濁液の生成
反応は、40℃で行い、針状晶α―FeOOHの生成
反応は45℃で行つた。 比較例 1 ケイ酸ソーダ、硫酸クロム及び硫酸ニツケルを
添加しないで、他の諸条件は実施例1と同様にし
て針状晶α―FeOOH粒子粉末を生成した。 この時の主要製造条件を表1に、特性を表2に
示す。 得られた針状晶α―FeOOH粒子粉末は、図4
に示す電子顕微鏡写真(×20000)から明らかな
通り、平均値で長軸0.45μm、軸比(長軸:短軸)
9:1であり、粒度が不均斉で、樹枝状粒子が混
在しているものであつた。 <Si、Cr及びNiを含む針状晶α―Fe2O3粒子粉末
の製造> 実施例 14 実施例5で得られたSi、Cr及びNiを含む針状
晶α―FeOOH粒子粉末3000gを空気中300℃で
加熱脱水して、Si、Cr及びNiを含む針状晶α―
Fe2O3粒子粉末を得た。 得られたSi、Cr及びNiを含む針状晶α―Fe2O3
粒子粉末は螢光X線分析の結果、SiをFeに対し
0.256原子%、CrをFeに対し0.499原子%、Niを
Feに対し5.03原子%含有するものであつた。 この粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均値で
長軸0.38μm、軸比(長軸:短軸)30:1であり、
粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであつ
た。 <針状晶鉄又は鉄合金磁性粒子粉末の製造> 実施例15〜28 比較例2; 実施例 15 実施例1で得られたSi、Cr及びNiを含有する
針状晶α―FeOOH粒子粉末100gを3の一端
開放型レトルト容器中に投入し、駆動回転させな
がらH2ガスを毎分35の割合で通気し、還元温
度390℃で還元した。 還元して得られたSi、Cr及びNiを含有する針
状晶鉄合金磁性粒子粉末は、空気中に取り出した
とき急激な酸化を起さないように、一旦、トルエ
ン液中に浸漬して、これを蒸発させることによ
り、粒子表面に安定な酸化皮膜を施した。 このようにして得たSi、Cr及びNiを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、X線回折の結果、
鉄と同じ体心立方構造単一相の回折図形が得られ
た。 また、螢光X線分析の結果、SiをFeに対し
0.203原子%、CrをFeに対し0.498原子%、Niを
Feに対し3.02原子%含有するものであつた。 従つて、鉄とSi、Cr及びNiが固溶していると
考えられる。 このSi、Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金磁
性粒子粉末は、平均値で長軸0.28μm、軸比(長
軸:短軸)8:1、比表面積38.6m2/g、かさ密
度0.43g/mlであり、保磁力1130Oe、飽和磁化
164.5emu/gであつた。 また、この粒子粉末は、図5に示す電子顕微鏡
写真(×20000)から明らかな通り、粒度が均斉
であり、樹枝状粒子が混在していないものであつ
た。 実施例16〜28、比較例2 出発原料の種類、還元温度を種々変化させた以
外は実施例15と同様にしてSi、Cr及びNiを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末又は鉄磁性粒子粉
末を得た。 尚、実施例28は、出発原料として実施例14で得
られたSi、Cr及びNiを含有する針状晶α―Fe2O3
粒子粉末を用いた。 得られた粒子粉末の諸特性を表3に示す。 実施例16〜28で得られたSi、Cr及びNiを含有
する針状晶鉄合金磁性粒子粉末は、電子顕微鏡観
察の結果、粒度が均斉であり、樹枝状粒子が混在
しないものであつた。 比較例2で得られた鉄磁性粒子粉末は、平均値
で長軸0.20μm、軸比(長軸:短軸)2:1、比
表面積15.8m2/g、かさ密度0.17g/mlであり、保
磁力704Oe、飽和磁化160.3emu/gであつた。 また、この粒子粉末は図6に示す電子顕微鏡写
真(×20000)から明らかな通り、粒度が不均斉
であり、形状のくずれが大きいものであつた。 <磁気テープの製造> 実施例29〜42、 比較例3; 実施例 29 実施例15で得られたSi、Cr及びNiを含有する
針状晶鉄合金磁性粒子粉末を用いて、適量の分散
剤、塩ビ酢ビ共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹
脂及びトルエン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンからなる混合溶剤を一定の組成に
配合した後、ボールミルで8時間混合分散して磁
気塗料とした。 得られた磁気塗料に上記混合溶剤を加え適性な
塗料粘度になるように調整し、ポリエステル樹脂
フイルム上に通常の方法で塗布乾燥させて、磁気
テープを製造した。 この磁気テープの保磁力Hcは、1030Oe、残留
磁束密度Brは、3720Gauss、角型Br/Bmは
0.706、配向度1.66であつた。 実施例30〜42、比較例3; 針状晶磁性粒子粉末の種類を種々変化した以外
は、実施例29と全く同様にして磁気テープを製造
した。 この磁気テープの諸特性を表4に示す。
【表】 B:アルカリ水溶液中に添加 D:針状晶α〓F
eOOH粒子の生成反応中に添加
【表】
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
図1は、水可溶性クロム塩の添加量とSi及び
Crを含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末及びCr
を含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末の比表面積
の関係図である。図2は、水可溶性ニツケル塩の
添加量とSi、Cr及びNiを含有する針状晶鉄合金
磁性粒子粉末の保磁力の関係図である。図3乃至
図6は、いずれも電子顕微鏡写真(×20000)で
あり、図3は実施例1で得られたSi、Cr及びNi
を含有する針状晶α―FeOOH粒子粉末、図4は
比較例1で得られた針状晶α―FeOOH粒子粉
末、図5は実施例15で得られたSi、Cr及びNiを
含有する針状晶鉄合金磁性粒子粉末、図6は比較
例2で得られた鉄磁性粒子粉末である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Feに対しSi換算で0.1〜1.7原子%のSi、Cr換
    算で0.1〜5.0原子%のCr及びNi換算で0.1〜7.0原
    子%のNiを含有する針状晶鉄合金磁性粒子から
    なる磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子粉末。 2 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応さ
    せて得られたFe(OH)2を含むPH11以上の懸濁液
    に酸素含有ガスを通気して酸化することにより針
    状晶α―FeOOH粒子を生成させるにあたり、前
    記アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸
    化反応を行なわせる前の前記懸濁液のいずれかの
    液中に、水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で
    0.1〜1.7原子%添加しておき、且つ、前記第一鉄
    塩水溶液、前記アルカリ水溶液、酸素含有ガスを
    通気して酸化反応を行わせる前の前記懸濁液及び
    酸素含有ガスを通気して酸化反応を行わせている
    前記反応溶液のいずれかの液中に水可溶性クロム
    塩をFeに対しCr換算で0.1〜5.0原子%及び水可溶
    性ニツケル塩をFeに対しNi換算で0.1〜7.0原子%
    添加しておくことにより、Si、Cr及びNiを含有
    する針状晶α―FeOOH粒子を生成させ、該Si、
    Cr及びNiを含有する針状晶α―FeOOH粒子若し
    くはこれを加熱脱水して得られたSi、Cr及びNi
    を含有する針状晶α―Fe2O3粒子を還元性ガス中
    300℃〜500℃の温度範囲で加熱還元してFeに対
    しSi換算で0.1〜1.7原子%のSi、Cr換算で0.1〜
    5.0原子%のCr及びNi換算で0.1〜7.0原子%のNi
    を含有する針状晶鉄合金磁性粒子を得ることを特
    徴とする磁気記録用針状晶鉄合金磁性粒子粉末の
    製造法。
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