JPS648042B2 - - Google Patents

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JPS648042B2
JPS648042B2 JP55106223A JP10622380A JPS648042B2 JP S648042 B2 JPS648042 B2 JP S648042B2 JP 55106223 A JP55106223 A JP 55106223A JP 10622380 A JP10622380 A JP 10622380A JP S648042 B2 JPS648042 B2 JP S648042B2
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JP
Japan
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acicular
particles
feooh
magnesium
magnetic
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Application number
JP55106223A
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English (en)
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JPS5732305A (en
Inventor
Hiroo Mishima
Yoshiro Okuda
Toshiharu Harada
Akira Kosaka
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Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
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Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP10622380A priority Critical patent/JPS5732305A/ja
Publication of JPS5732305A publication Critical patent/JPS5732305A/ja
Publication of JPS648042B2 publication Critical patent/JPS648042B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、磁気記録用磁性材料として特に適し
た高い保磁力Hcと大きな飽和磁束密度σsを有す
る針状晶Fe−Mg合金磁性粒子粉末の製造法に関
するものである。詳しくは、平均値で長軸0.3〜
2.0μm、軸比(長軸:短軸)28:1以上60:1以
下という優れた針状晶を有するマグネシウムを含
有する針状晶α−FeOOH粒子粉末を得、該マグ
ネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒子粉末
若しくはこれを加熱脱水して得られたマグネシウ
ムを含有する針状晶α−Fe2O3粒子粉末を還元性
ガス中で加熱還元することにより優れた針状晶を
有する針状晶Fe−Mg合金磁性粒子粉末を得るこ
とを目的とする。 近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化が進む
につれて、記録媒体に対する高性能化の必要性が
益々生じてきている。すなわち、高密度記録、高
出力特性、殊に、周波数特性の向上が要求され
る。磁気記録媒体に対する上記のような要求を満
足させる為に適した磁性材料の特性は、高い保磁
力と大きな飽和磁束密度を有することである。 ところで、従来から磁気記録媒体に用いられて
いる磁性材料は、マグネタイト、マグヘマイト、
二酸化クロム等の磁性粉末であり、これらの磁性
粉末は飽和磁束密度σs70〜85emu/g、保磁力
Hc250〜500Oeを有するものである。 殊に、上記酸化物磁性粒子粉末のσsは最大
85emu/g程度であり、一般にはσs70〜80emu/
gであることが再生出力並びに記録密度に限度を
与えている主因となつている。更にCOを含有し
ているCo−マグネタイトやCo−マグヘマイト磁
性粉末も使用されているが、これらの磁性粒子粉
末は保磁力Hcが400〜800Oeと高いという特徴を
有するが、これに反して飽和磁束密度σsが60〜
70emu/gと低いものである。 最近、高出力並びに高密度記録に適する特性を
備えた磁性粒子粉末すなわち、高い保磁力と大き
な飽和磁束密度を有する磁性粒子粉末の開発が盛
んであり、そのような特性を有する磁性粒子粉末
は、一般に、針状晶含水酸化鉄粒子、針状晶酸化
鉄粒子若しくは、これらに鉄以外の他の異種金属
を含むものを還元性ガス中350℃程度で加熱還元
することにより得られる針状晶鉄磁性粒子粉末若
しくは針状晶合金磁性粒子粉末である。 現在、磁気記録用として使用されている針状晶
鉄磁性粒子粉末、並びに針状晶合金磁性粒子粉末
の保磁力は、形状異方性に大きく依存するもので
あり、針状晶鉄磁性粒子粉末並びに針状晶合金磁
性粒子粉末の針状晶は、最も重要な特性の一つで
ある。 また、磁気テープ、磁気デイスク等磁気記録媒
体の出力特性、感度特性は、残留磁束密度Brに
依存し、残留磁束密度Brは、磁性粒子粉末のビ
ークル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填
性に依存している。 そして、塗膜中での配向性及び充填性を向上さ
せるためには、ビークル中に分散させる磁性粒子
粉末ができるだけ優れた針状晶を有する事が要求
される。 上述したように、優れた針状晶を有する針状晶
鉄磁性粒子粉末並びに針状晶合金磁性粒子粉末
は、現在、最も要求されているところであり、こ
のような特性を備えた針状晶鉄磁性粒子粉末並び
に針状晶合金磁性粒子粉末を得るためには、出発
原料である針状晶α−FeOOH粒子が優れた針状
晶を有することが必要である。 従来、PH11以上のアルカリ領域で針状晶α−
FeOOH粒子を製造する方法として最も代表的な
公知方法は、第一鉄塩溶液に当量以上のアルカリ
溶液を加えて得られる水酸化第一鉄粒子を含む溶
液をPH11以上にて80℃以下の温度で酸化反応を行
うことにより、針状晶α−FeOOH粒子を得るも
のである。 この方法により得られた針状晶α−FeOOH粒
子粉末は、長さ0.5〜1.5μ程度の針状形態を呈し
た粒子であるが、軸比(長軸:短軸)は高々10:
1程度であり、優れた針状晶を有する粒子である
とは言い難い。 このように軸比が10:1程度の針状晶α−
FeOOH粒子を還元工程を経て針状晶鉄磁性粒子
とする場合には、還元工程に於て粒子が収縮する
ので得られた針状晶鉄磁性粒子の軸比は、高々
2:1程度のものとなつてしまう。 一方、本発明者は、長年にわたり針状晶α−
FeOOH粒子粉末の製造及び開発にたずさわつて
いるものであるが、その過程において、針状晶α
−FeOOH粒子の製造に際して原料鉄塩である第
一鉄塩水溶液に、Fe以外のある種の異種金属イ
オンを添加した場合には、一般に、粒子の長軸方
向に成長しやすくなり、軸比の大きなα−
FeOOH粒子が得られるという現象を見い出して
いる。 Fe以外のある種の異種金属イオンとしては、
例えば、Co、Ni、Cr、Mn、Cd、等である。 しかし、これらFe以外の異種金属イオンの添
加は、一般的に、針状晶α−FeOOH粒子の極微
細化を招来し、添加量の増加に伴つて、その傾向
は益々、顕著になることが知られている。 このように極微細化した針状晶α−FeOOH粒
子は、磁気記録用磁性粒子粉末の出発原料として
は適さないものである。 本発明者は、上述した従来技術に鑑み、PH11以
上のアルカリ領域で得られる針状晶α−FeOOH
粒子粉末の極微細化を招来することなく軸比の向
上をはかるべく、種々検討を重ねた結果、本発明
に到達したのである。 即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液とアルカリ水
溶液とを反応させて得られたFe(OH)2を含むPH
11以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化す
ることにより針状晶α−FeOOH粒子を生成させ
るにあたり、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ
水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化反応を行
わせる前の前記懸濁液のいずれかの液中に水可溶
性マグネシウム塩をFeに対しMg換算で0.5〜20.0
原子%添加しておき、しかる後、酸素含有ガスを
通気して13.5乃至22.5時間の針状晶α−FeOOH
生成反応を行うことにより、平均値で長軸0.3〜
2.0μm、軸比(長軸:短軸)28:1以上60:1以
下であるマグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子を生成し、該マグネシウムを含有す
る針状晶α−FeOOH粒子若しくはこれを加熱脱
水して得られたマグネシウムを含有する針状晶α
−Fe2O3粒子を還元性ガス中300℃〜450℃の温度
範囲で加熱還元して針状晶Fe−Mg合金磁性粒子
とすることによりなる針状晶Fe−Mg合金磁性粒
子粉末の製造法である。 先ず、本発明の完成するに至つた技術的背景及
び本発明の構成について述べる。 本発明者は、前述した従来技術に鑑み、PH11以
上のアルカリ領域で得られる針状晶α−FeOOH
粒子粉末の極微細化を招来することなく軸比の向
上をはかるようなFe以外の異種金属イオンの種
類、添加量、及び、反応系における添加時期つい
て検討を重ねた結果、第一鉄塩水溶液とアルカリ
水溶液とを反応させて得られたFe(OH)2を含む
PH11以上の懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化
することにより針状晶α−FeOOH粒子を生成さ
せるにあたり、前記第一鉄塩水溶液、前記アルカ
リ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化反応を
行わせる前の前記懸濁液のいずれかの液中に水可
溶性マグネシウム塩をFeに対しMg換算で0.5〜
20.0原子%添加しておき、しかる後、酸素含有ガ
スを通気して13.5乃至22.5時間の針状晶α−
FeOOH生成反応を行つた場合には、針状晶α−
FeOOH粒子の極微細化を招来させることなく軸
比を向上させることができ、平均値で長軸0.3〜
2.0μm、軸比(長軸:短軸)28:1以上60:1以
下のマグネシウムを含有する針状晶α−FeOOH
粒子を得ることができるという新しい知見を得
た。 即ち、マグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子の生成反応は、マグネシウムを含む
Fe(OH)2懸濁液からのマグネシウムを含有する
針状晶α−FeOOH核粒子の発生という段階と、
該マグネシウムを含有する針状晶α−FeOOH核
粒子の成長という段階の二段階からなるものであ
るが、酸素含有ガスを通気して酸化する前にあら
かじめ、Fe(OH)2を含む懸濁液中に水可溶性マ
グネシウム塩を添加しておくという本発明方法に
よれば、マグネシウムイオンがマグネシウムを含
有する針状晶α−FeOOH核粒子の発生の段階で
軸比の優れたマグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH核粒子を生成させ、更に、該マグネシウ
ムを含有する針状晶α−FeOOH核粒子の成長段
階では粒子の短軸方向への成長を抑制し、粒子の
長軸方向への成長を促進させるので、軸比の優れ
たマグネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒
子を得ることができるのである。この現象に於け
る水可溶性マグネシウム塩の作用についての理論
的な解明は未だ十分には行つていないが、本発明
者は、マグネシウムイオンがマグネシウムを含有
する針状晶α−FeOOH核粒子の成長段階で粒子
の短軸方向への成長を抑制し、且つ、粒子の長軸
方向への成長を促進させるという作用・効果を有
するのは、マグネシウムイオンが粒子の長軸に垂
直な面に比べ、長軸に平行な面に吸着しやすいこ
とが一要因と考えている。マグネシウムイオンの
上記作用・効果を発揮させる為には、後出の実施
例に示した通り、針状晶α−FeOOH粒子の生成
反応を少なくとも13.5時間以上かけてゆつくり行
なうことが必要である。 従来、α−FeOOH粒子粉末の生成においてマ
グネシウムを添加させるものとして粉体粉末冶金
協会昭和49年度春季大会講演概要集108ページに
記載の方法がある。 この方法の反応系は、アルカリとして炭酸アル
カリを用い、PH7〜11の領域でα−FeOOH粒子
を生成させるものであり、得られる粒子の形状は
紡錘形を呈したものである。 この反応系において「炭酸アルカリ中にヘキサ
メタリン酸、ピロリン酸、酒石酸等のナトリウム
塩を、あるいは、第一鉄塩中にZn、Cu、Mg、
Mn、Cr、Al等の硫酸塩を第一鉄に対し0.2〜2
重量%添加した場合、反応生成物は微細な粒径を
有する」ものとなる旨記載されている。 例えば、この反応系において、温度50℃で得ら
れたα−FeOOH粒子の長軸は平均軸で1.0μm程
度であるが、ヘキサメタリン酸ナトリウムを2%
添加した場合は平均値で0.15μm程度となる。 従つて、この反応系においては、上記添加剤を
添加した場合には粒子の微細化を招来し、これは
本発明における水可溶性マグネシウム塩の作用効
果とはまつたく相異するものである。尚、水可溶
性マグネシウム塩に類似したものとして同じアル
カリ土類金属である水可溶性カルシウム塩がある
が、本発明においては水可溶性マグネシウム塩に
代えて水可溶性カルシウム塩を使用しても針状晶
α−FeOOH粒子の長軸方向への成長を促進さ
せ、軸比28:1以上60:1以下にするという効果
は得られない。 次に、本発明者が行なつた数多くの実験例か
ら、その一部を抽出して説明すれば、次の通りで
ある。 図1は、水可溶性マグネシウム塩の添加量とマ
グネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒子の
軸比との関係図である。 即ち、Feに対しMg換算で0.1〜20.0原子%を含
むように硫酸マグネシウムを添加して得られた硫
酸第一鉄1.0mol/水溶液と苛性ソーダ水溶液
とを用いてPH13のFe(OH)2を含む懸濁液を得、
該懸濁液に、温度45℃において毎分1000の空気
を13.5乃至22.5時間通気して酸化することにより
得られたマグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子の軸比と硫酸マグネシウムの添加量
の関係を示したものである。 図1に示されるように水可溶性マグネシウム塩
の添加量の増加に伴つてマグネシウムを含有する
針状晶α−FeOOH粒子の軸比は向上する傾向を
示す。 図2は、水可溶性マグネシウム塩の添加量と図
1の場合と同一の反応条件のもとで生成されたマ
グネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒子の
長軸との関係を示したものである。 図2に示されるように、水可溶性マグネシウム
塩の添加量がFeに対しMg換算で2原子%までは
水可溶性マグネシウム塩の増加に伴つてマグネシ
ウムを含有する針状晶α−FeOOH粒子の長軸
は、増加する傾向を示す。 水可溶性マグネシウム塩の添加量がFeに対し
Mg換算で2原子%を越えて増加すると次第に長
軸が減少する。 この現象は、水可溶性マグネシウム塩の添加量
が増加した為にマグネシウムイオンが粒子の長軸
に垂直な面にも吸着し、粒子の長軸方向への成長
も抑制されたものと考えられる。 しかし、同時に粒子の長軸に平行な面に対して
もマグネシウムイオンの吸着が増加する為に短軸
方向への成長は益々抑制されることになり、従つ
て、粒子自体の軸比は図1に示されるように、水
可溶性マグネシウム塩の添加量がFeに対しMg換
算で2原子%以上になつても低下することはな
い。 図3は、本発明の方法(後述する実施例2)に
より得られたマグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子粉末の電子顕微鏡写真(×20000)
を示したものである。 図3から明らかなように、本発明方法により得
られたマグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子粉末は優れた針状晶を有するもので
ある。 次に、本発明方法実施にあたつての諸条件につ
いて述べる。 本発明において使用される第一鉄塩水溶液とし
ては、硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等が
ある。 本発明において使用される水可溶性マグネシウ
ム塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシ
ウム、硝酸マグネシウム等を使用することができ
る。 本発明における水可溶性マグネシウム塩の添加
は、Fe(OH)2を含む懸濁液中に酸素含有ガスを
通気してα−FeOOH粒子粉末を生成する前であ
ることが必要であり、第一鉄塩水溶液中、アルカ
リ水溶液中又は、Fe(OH)2を含む懸濁液中のい
ずれにおいても添加することができる。 尚、酸素含有ガス通気開始後、既に、一部針状
晶α−FeOOH核粒子が生成している段階で水可
溶性マグネシウム塩を添加しても十分な効果は得
られない。 本発明において、水可溶性マグネシウム塩の添
加量は、Feに対しMg換算で0.5〜20.0原子%であ
る。 水可溶性マグネシウム塩の添加量がFeに対し
Mg換算で0.5原子%以下である場合には本発明の
目的を十分達成することができない。 20.0原子%以上である場合も、本発明の目的を
達成することができるが、得られたマグネシウム
を含有する針状晶α−FeOOH粒子若しくはこれ
を加熱脱水して得られたマグネシウムを含有する
針状晶α−Fe2O3粒子を加熱還元して得られた針
状晶Fe−Mg合金磁性粒子粉末は純度の低下によ
り、飽和磁束密度が大巾に減少し好ましくない。
得られる針状晶Fe−Mg合金磁性粒子粉末の飽和
磁束密度を考慮した場合、0.5〜15.0原子%が好
ましい。本発明における針状晶α−FeOOH粒子
の生成反応時間は13.5乃至22.5時間である。13.5
時間以下である場合には、軸比(長軸:短軸)
28:1以上の針状晶α−FeOOH粒子が得られな
い。 得られるマグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子粉末は、平均値で長軸0.3〜2.0μm、
軸比(長軸:短軸)28:1以上60:1以下であ
る。 長軸が平均値で0.3μm以下、2.0μm以上である
場合は磁気記録用出発原料として好ましくない。 マグネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒
子粉末の軸比(長軸:短軸)が28:1以下である
場合には、該マグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子粉末若しくはこれを加熱脱水して得
られるマグネシウムを含有する針状晶α−Fe2O3
粒子粉末を加熱還元して得られた針状晶Fe−Mg
合金磁性粒子粉末は、加熱還元工程に於いて粒子
が収縮するので軸比が優れたものとは言い難く、
従つて、磁気記録用出発原料としてのマグネシウ
ムを含有する針状晶α−FeOOH粒子粉末の軸比
は28:1以上であることが好ましい。 本発明方法により得られたマグネシウムを含有
する針状晶α−FeOOH粒子粉末若しくはこれを
加熱脱水して得られたマグネシウムを含有する針
状晶α−Fe2O3粒子粉末は周知の手段により加熱
還元を行えばよいが、これらを上記マグネシウム
を含有する針状晶α−FeOOH粒子粉末の粒子形
態、特に針状晶をこわさないように行う必要があ
ることは当然である。通常は、300℃〜450℃で行
えばよい。 以上の通りの構成の本発明は、次の通りの効果
を奏するものである。 即ち、本発明によれば、酸素含有ガスを通気し
て酸化する前にあらかじめFe(OH)2を含む懸濁
液中に水可溶性マグネシウム塩を添加しておき、
しかる後、酸素含有ガスを通気して13.5乃至22.5
時間の針状晶α−FeOOH生成反応を行うことに
より、PH11以上のアルカリ領域で得られる針状晶
α−FeOOH粒子の極微細化を招来することなく
軸比を向上させることとができ、平均値で長軸
0.3〜2.0μm、軸比(長軸:短軸)28:1以上
60:1以下である優れた針状晶を有するマグネシ
ウムを含有する針状晶α−FeOOH粒子粉末を得
ることができ、該マグネシウムを含有する針状晶
α−FeOOH粒子粉末若しくはこれを加熱脱水し
て得られたマグネシウムを含有する針状晶α−
Fe2O3粒子粉末を出発原料とし、加熱還元するこ
とにより、針状晶の優れた針状晶Fe−Mg合金磁
性粒子粉末を得ることができる。 このようにして得られた針状晶Fe−Mg合金磁
性粒子粉末は、高い保磁力と大きな飽和磁束密度
を有するので、現在、最も要求されている高出
力、高感度、高密度記録用磁性材料として使用す
ることができる。 また、本発明により得られた針状晶Fe−Mg合
金磁性粒子粉末は、従来、特性向上の為に、Co
及び/又はNiを添加して得られるCo及び/又は
Niを含有する針状晶α−FeOOH粒子粉末を加熱
還元して得られる針状晶Fe−Co合金磁性粒子粉
末、針状晶Fe−Ni合金磁性粒子粉末、針状晶Fe
−Co−Ni合金磁性粒子粉末と比べ、同等若しく
はそれ以上の特性を有し、また、MgはCo、Niに
比べ安価な原料である為、非常に経済的である。 更に、磁性塗料の製造に際して、上記の針状晶
Fe−Mg合金磁性粒子粉末を用いた場合には、塗
膜中での配向性及び充填性が極めて優ぐれ、好ま
しい磁気記録媒体を得ることができる。 次に、実施例並びに比較例により本発明を説明
する。 尚、前出の実験例及び以下の実施例並びに比較
例における粒子の軸比(長軸:短軸)、長軸は、
いずれも電子顕微鏡写真から測定した数値の平均
値で示した。 <マグネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒
子粉末又は針状晶α−FeOOH粒子粉末の製造> 実施例1〜9 比較例1; 実施例 1 Feに対しMg換算で1.0原子%を含むように硫酸
マグネシウム(MgSO4・7H2O)994gを存在さ
さて得られた硫酸第一鉄1.00mol/水溶液400
を、あらかじめ反応器中に準備された4.75−N
のNaOH水溶液400に加え、PH13.4、温度45℃
においてマグネシウムを含むFe(OH)2懸濁液の
生成反応を行つた。 上記マグネシウムを含むFe(OH)2懸濁液に温
度45℃において、毎分1000の空気を16.6時間通
気してマグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子を生成した。 得られたマグネシウムを含有する針状晶α−
FeOOH粒子は、X線回折の結果、α−FeOOH
粒子の結晶構造と同じ回折図形が得られた。ま
た、螢光X線分析の結果、Mgが検出された。従
つて、マグネシウムが針状晶α−FeOOH粒子中
に固溶していると考えられる。 酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り塩酸
酸性に調整した後、赤血塩溶液を用いてFe2+
青色呈色反応の有無で判定した。 生成粒子は、常法により、別、水洗、乾燥、
粉砕した。このマグネシウムを含有する針状晶α
−FeOOH粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均
値で長軸0.68μm、軸比(長軸:短軸)28:1で
あり、針状晶が優れたものであつた。 実施例 2〜9 第一鉄塩水溶液の種類、NaOH水溶液の濃度、
水可溶性マグネシウム塩の種類、添加量、添加時
期を種々変化させた以外は実施例1と同様にして
マグネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒子
を生成した。 この時の主要製造条件及び特性を表1に示す。 実施例2〜9で得られたマグネシウムを含有す
る針状晶α−FeOOH粒子粉末はいずれも電子顕
微鏡観察の結果、針状晶が優れたものであつた。 実施例2で得られたマグネシウムを含有する針
状晶α−FeOOH粒子粉末の電子顕微鏡写真(×
20000)を図3に示す。 比較例 1 硫酸マグネシウムを添加しないで、他の諸条件
は実施例1と同様にして針状晶α−FeOOH粒子
粉末を生成した。 この時の主要製造条件及び特性を表1に示す。 得られた針状晶α−FeOOH粒子粉末の電子顕
微鏡写真(×20000)を図4に示す。 図4から明らかなように、得られた針状晶α−
FeOOH粒子粉末は、平均値で長軸0.48μm、軸比
(長軸:短軸)9:1であり、針状晶が悪いもの
であつた。 <マグネシウムを含有する針状晶α−Fe2O3粒子
粉末の製造> 実施例10; 実施例 10 実施例8で得られたマグネシウムを含有する針
状晶α−FeOOH粒子粉末1000gを空気中300℃
で加熱脱水して、マグネシウムを含有する針状晶
α−Fe2O3粒子粉末を得た。 この粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均値で
長軸0.85μm、軸比(長軸:短軸)55:1であり、
針状晶の優れたものであつた。 <針状晶Fe−Mg合金磁性粒子粉末又は針状晶鉄
磁性粒子粉末の製造> 実施例11〜20、比較例2; 実施例 11 実施例1で得られたマグネシウムを含有する針
状晶α−FeOOH粒子粉末120gを3の一端開
放型レトルト容器中に投入し、駆動回転させなが
らH2ガスを毎分40の割合で通気し、還元温度
320℃で還元した。 還元して得られた針状晶Fe−Mg合金磁性粒子
粉末は、空気中に取り出したとき急激な酸化を起
さないように、一旦、トルエン液中に浸漬して、
これを蒸発させることにより、粒子表面に安定な
酸化皮膜を施した。 このようにして得た針状晶Fe−Mg合金磁性粒
子粉末は、X線回折の結果、鉄と同じ体心立方構
造単一相の回折図形が得られた。また、螢光X線
分析の結果、Mgが検出された。従つて、鉄とマ
グネシウムが固溶していると考えられる。 この針状晶Fe−Mg合金磁性粒子粉末の諸特性
を表2に示す。 実施例12〜20、比較例2 出発原料の種類、還元温度を種々変化させた以
外は実施例11と同様にして針状晶Fe−Mg合金磁
性粒子粉末又は針状晶鉄磁性粒子粉末を得た。 この粒子粉末の諸特性を表2に示す。 実施例12〜20で得られた針状晶Fe−Mg合金磁
性粒子粉末は、いずれも電子顕微鏡観察の結果、
針状晶が優れたものであつた。 実施例12で得られた針状晶Fe−Mg合金磁性粒
子粉末の電子顕微鏡写真(×20000)を図5に示
す。 比較例2で得られた針状晶鉄磁性粒子粉末は、
図6に示す電子顕微鏡写真(×20000)から明ら
かなように、平均値で長軸0.2μm、軸比(長軸:
短軸)2:1であり、針状晶が悪いものであつ
た。 <磁気テープの製造> 実施例21〜30、 比較例3; 実施例 21 実施例11で得られた針状晶Fe−Mg合金磁性粒
子粉末を用いて、適量の分散剤、塩ビ酸ビ共重合
体、熱可塑性ポリウレタン樹脂及びトルエン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトンから
なる混合溶剤を一定の組成に配合した後、ボール
ミルで8時間混合分散して磁気塗料とした。 得られた磁気塗料に上記混合溶剤を加え適性な
塗料粘度になるように調整し、ポリエステル樹脂
フイルム上に通常の方法で塗布乾燥させて、磁気
テープを製造した。この磁気テープの保磁力Hc
は、752Oe、残留磁束密度Brは、3220Gauss、角
型Br/Bmは0.721、配向度1.73であつた。 実施例22〜30、比較例3; 針状晶磁性粒子粉末の種類を種々変化した以外
は、実施例21と全く同様にして磁気テープを製造
した。この磁気テープの諸特性を表3に示す。
【表】
【表】
【表】 【図面の簡単な説明】
図1は、水可溶性マグネシウム塩の添加量とマ
グネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒子の
軸比との関係図である。図2は、水可溶性マグネ
シウム塩の添加量と図1の場合と同一の反応条件
のもとで生成されたマグネシウムを含有する針状
晶α−FeOOH粒子の長軸との関係を示したもの
である。図3乃至図6は、いずれも電子顕微鏡写
真(×20000)であり、図3は実施例2で得られ
たマグネシウムを含有する針状晶α−FeOOH粒
子粉末、図4は比較例1で得られた針状晶α−
FeOOH粒子粉末、図5は実施例12で得られた針
状晶Fe−Mg合金磁性粒子粉末、図6は比較例2
で得られた針状晶鉄磁性粒子粉末である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを反応さ
    せて得られたFe(OH)2を含むPH11以上の懸濁液
    に酸素含有ガスを通気して酸化することにより針
    状晶α−FeOOH粒子を生成させるにあたり、前
    記第一鉄塩水溶液、前記アルカリ水溶液及び酸素
    含有ガスを通気して酸化反応を行わせる前の前記
    懸濁液のいずれかの液中に水可溶性マグネシウム
    塩をFeに対しMg換算で0.5〜20.0原子%添加して
    おき、しかる後、酸素含有ガスを通気して13.5乃
    至22.5時間の針状晶α−FeOOH生成反応を行う
    ことにより、平均値で長軸0.3〜2.0μm、軸比
    (長軸:短軸)28:1以上60:1以下であるマグ
    ネシウムを含有する針状晶α−FeOOHを生成
    し、該マグネシウムを含有する針状晶α−
    FeOOH粒子若しくはこれを加熱脱水して得られ
    たマグネシウムを含有する針状晶α−Fe2O3粒子
    を還元性ガス中300℃〜450℃の温度範囲で加熱還
    元して針状晶Fe−Mg合金磁性粒子を得ることを
    特徴とする針状晶Fe−Mg合金磁性粒子粉末の製
    造法。 2 懸濁液中に添加しておく水可溶性マグネシウ
    ム塩が、Feに対しMg換算で0.5〜15.0原子%であ
    る特許請求の範囲第1項記載の針状晶Fe−Mg合
    金磁性粒子粉末の製造法。
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