JPH0598615A - 壁面清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い清掃能力を達成すると共に洗浄水を節約
できる壁面清掃装置１を提供する。 【構成】 回転軸５の移動方向前方側に位置されて回転
ブラシ２と壁面６とが接する接線に臨みこの接線直前に
洗浄水を噴射する洗浄水ノズル３と、上記回転軸５の移
動方向後方側に位置されて上記回転ブラシ２と壁面６と
が接する接線に斜め上方より臨みこの接線後方の壁面６
に洗浄水と圧気とを噴射する洗浄水圧気混合ノズル４と
を設けて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、トンネル、高速道路等
の道路を挟む側壁のように一定の高さを有し長手方向に
連続して設けられた壁面をこれに沿わせて洗浄水を噴射
させながら回転ブラシを掃引させて清掃する壁面清掃装
置に係り、特に、高い清掃能力を達成すると共に洗浄水
を節約できる壁面清掃装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】トンネル内の壁面或いは、高速道路等の
道路を挟む側壁は、自動車の通行によって排気ガスや道
路上の塵芥が付着して汚れ、美観、安全上好ましくない
ので、積極的に清掃を施さなければならない。従来、一
般にトンネル内の壁面を清掃するには、トンネルの壁面
に沿って移動する移動装置を走行させながら、この移動
装置に搭載された清掃具を壁面に臨ませて壁面を清掃す
る壁面清掃装置が用いられる。この移動装置は道路を通
過する自動車等の妨害にならないように、また、清掃面
積を大きくするために横幅を狭く、高さを高くして形成
される。

【０００３】一般にこのような壁面清掃装置に搭載され
て用いられる清掃具としては、回転ブラシが知られてい
る。回転ブラシは回転軸の周りに適度に可撓性を有する
刷毛を軸方向に幅広く植設したもので、この刷毛面を壁
面に押し当てるように回転軸を壁面に平行に近接させ軸
回りに回転させて壁面を摩擦することにより、間断なく
壁面を掃き続けることができる。このような回転ブラシ
を上記移動装置に回転軸を上下方向に向けて搭載し、壁
面を走行方向に摩擦するように回転させながら移動装置
を走行させて掃引すると、回転ブラシの掃引された帯状
の部分が清掃されることになる。

【０００４】また、清掃効果を増すために、上記回転ブ
ラシの走行方向前方より壁面と回転ブラシとの接触面に
洗浄水を噴射する洗浄水ノズルが備えられている。洗浄
水は噴射の勢いで汚れを押し流し、且つ汚れに水分を与
えて回転ブラシによる壁面からの剥離を容易にし、さら
に汚れを随伴して壁面を伝って流下する働きをする。ま
た、洗浄水を使用することで清掃時に空気中に塵芥が舞
い上がることが防止される。このように洗浄水を使用す
ることは、利点が多い。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、汚れを
随伴して壁面を伝って流下する洗浄水がその流下の途中
で停滞することがある。また、汚れが流下の途中で壁面
に再付着してしまうこともある。このように、洗浄水の
滞留や汚れの再付着が発生すると充分な清掃が達成され
ないことになり問題があった。

【０００６】また、前述したように壁面清掃装置は、道
路を通過する自動車等の妨害にならないように横幅が狭
い移動装置を用いて構成される。上記洗浄水はこの移動
装置に装備させた貯水タンク或いは、移動装置に牽引さ
れた移動貯水タンクに貯留されて運搬されることにな
る。しかし、移動装置或いは移動貯水タンクの横幅が狭
いことから大量の洗浄水を運搬するには好適でない。従
って、一回の掃引に使用できる洗浄水の総量が限定さ
れ、その結果洗浄水ノズルから噴射させる時間当たりの
量が多くできないことになる。このため洗浄水ノズルか
らの噴射量が充分に得られないことが起こり、上述した
洗浄水の滞留や汚れの再付着が発生しやすく洗浄水を使
用する利点が損なわれてしまう問題があった。また、洗
浄水の供給が充分に行われたとしても、水資源節約の観
点からは好ましいとはいえない問題があった。

【０００７】そこで、本発明の目的は、上記課題を解決
し、高い清掃能力を達成すると共に洗浄水を節約できる
壁面清掃装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、回転軸の移動方向前方側に位置されて回転
ブラシと壁面とが接する接線に臨みこの接線直前に洗浄
水を噴射する洗浄水ノズルと、上記回転軸の移動方向後
方側に位置されて上記回転ブラシと壁面とが接する接線
の後方近傍に斜め上方より臨みこの接線後方の壁面に洗
浄水と圧気とを斜め下方向に向け平面扇状に噴射する洗
浄水圧気混合ノズルとを設けたものである。

【０００９】

【作用】上記構成により、回転ブラシの移動方向前方側
から洗浄水を噴射すると同時に移動方向後方斜め上方か
らも洗浄水が圧気と共に平面扇状に噴射されることにな
る。この移動方向後方からの平面扇状の洗浄水及び圧気
は、移動方向前方側から噴射され回転ブラシによって壁
面と摩擦されて汚れを含んだ洗浄水の壁面流下を助ける
ことになる。即ち、移動方向後方斜め上方かからの洗浄
水及び圧気は濯ぎの他に汚れ水を高速にスクレ−プする
ように流下させる効果をもたらすことになる。

【００１０】このように、移動方向後方斜め上方からの
洗浄水及び圧気は、移動方向前方側及び移動方向後方斜
め上方から洗浄水のみを噴射する場合に比べて、洗浄水
の使用総量を多くすることなく高い清掃効果が得られ、
節水が可能になる。

【００１１】

【実施例】以下本発明の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。

【００１２】図１に示される壁面清掃装置１は、壁面に
沿って移動する移動装置が省略されて描かれているが、
この移動装置及び移動装置に搭載された回転ブラシ２、
前方洗浄水噴射ノズル３、後方洗浄水圧気噴射ノズル４
から主に構成されている。回転ブラシ２は回転軸５の周
りに適度に可撓性を有する刷毛を軸方向に幅広く植設し
たもので、この刷毛面を壁面６に押し当てるように回転
軸５を壁面６に平行に近接させ軸回りに回転させて壁面
６を摩擦することにより、間断なく壁面６を掃き続ける
ことができるものである。回転ブラシ２は移動装置に回
転軸を上下方向に向けて搭載され、移動装置を走行させ
て掃引すると帯状の範囲Ａが清掃されるように構成され
ている。回転ブラシ２を回転駆動するモ−タ７は回転軸
５の上端部に取り付けられている。

【００１３】前方洗浄水噴射ノズル３は、回転ブラシ２
の軸方向の長さと略等しい長さの管体８で構成され、回
転ブラシ２に平行に設けられ回転軸５の移動方向前方側
に位置されている。管体８の側面には列状に所定の間隔
で洗浄水を噴射する噴射口９が設けられている。管体８
の一端は閉じられ他の一端には洗浄水を供給する給水パ
イプ１０が接続されている。給水パイプ１０には圧力調
整弁１１が設けられその上流側には水ポンプ等の洗浄水
供給源１２が接続されている。前方洗浄水噴射ノズル３
は、その噴射口９が回転ブラシ２と壁面６が接する接線
近傍を臨ませて設けられており、これより噴射される洗
浄水が回転ブラシ２と壁面６が接する接線或いはその直
前の壁面に当たるように構成されている。

【００１４】後方洗浄水圧気噴射ノズル４は、回転ブラ
シ２より回転軸５の移動方向後方に位置され、回転ブラ
シ２と壁面６とが接する接線に斜め上方より臨んで設け
られた２本の管体１３、１４と、回転ブラシ２と壁面６
とが接する接線に臨む側面に所定の間隔で設けられ洗浄
水と圧気とを混合して噴射する混合噴射ノズル１５とか
ら構成されている。管体１３の一端は閉じられ他の一端
には洗浄水を供給する給水パイプ１６が接続されてい
る。給水パイプ１６には圧力調整弁１７が設けられその
上流側には水ポンプ等の洗浄水供給源１２が接続されて
いる。管体１４の一端は閉じられ他の一端には圧気を供
給する圧気パイプ１８が接続されている。圧気パイプ１
８には圧力調整弁１９が設けられその上流側には空気圧
縮機等の圧気源２０が接続されている。混合噴射ノズル
１５はその基端部に管体１３と管体１４とを導入され、
先端部に平面扇状の多数の小孔で構成された噴射口２１
を有している。先端部の噴射口２１は所定の間隔で配列
され回転ブラシ２と壁面６とが接する接線に斜め上方よ
り臨むように位置されている。即ち、管体１３、１４か
ら供給される洗浄水と圧気とが混合され噴射口２１より
壁面６に向けて噴射されるように構成されている。

【００１５】図２は、この壁面清掃装置１の平面図であ
り、図示するように移動装置２２は上記回転ブラシ２、
前方洗浄水噴射ノズル３、後方洗浄水圧気噴射ノズル４
を搭載している。移動装置２２は壁面６に沿って矢印Ｂ
方向に走行できるように図示されないが車輪等の走行手
段とその動力源と壁面６との間隔を保って走行するため
の方向修正手段とを有している。

【００１６】次に実施例の作用を述べる。

【００１７】壁面清掃装置１にあっては、移動装置２２
は壁面６に沿って矢印Ｂ方向に走行される。この時、モ
−タ７を動作させて回転ブラシ２を回転させると、回転
ブラシ２は、刷毛面で壁面６を摩擦して汚れを剥離させ
ることになる。同時に圧力調整弁１１を適宜調整して前
方洗浄水噴射ノズル３より洗浄水を噴射させると、洗浄
水は回転ブラシ２と壁面６が接する接線或いはその直前
の壁面に当たり、汚れを剥離させると共に水気を与えて
回転ブラシ２の清掃力を増強することになる。剥離され
洗浄水に混合された汚れは、回転ブラシ２の遠心力によ
り飛散するか或いは、壁面６を伝って流下することにな
る。壁面６を伝って流下する汚れは、壁面６下部の側溝
等に流れ込むが、一部は壁面６に滞留する。移動装置２
２が走行することにより、この流下中の汚れ及び滞留す
る汚れは、回転ブラシ２後方に下方に拡がりを持つ三角
形の領域Ｄを形成する。

【００１８】一方、後方洗浄水圧気噴射ノズル４は、上
記回転ブラシ２の運転と同時に給水パイプ１６の圧力調
整弁１７を適宜調整して洗浄水を供給させ、圧気パイプ
１８の圧力調整弁１９を適宜調整して圧気を供給させ
る。給水パイプ１６より洗浄水を供給し且つ圧気パイプ
１８より圧気を供給することにより、回転ブラシ２と壁
面６とが接する接線に斜め上方より臨む平面扇状の噴射
口２１から、洗浄水と圧気とが噴射されることになる。
噴射口２１は回転ブラシ２と壁面６とが接する接線に傾
きを有して臨んでいるので、上記汚れが形成する三角形
の領域Ｄの斜辺に向かって洗浄水と圧気とが噴射される
ことになる。洗浄水及び圧気は、三角形の領域Ｄ内の汚
れをスクレ−プするように吹き飛ばし且つ水分を増加さ
せて汚れの壁面を伝う自然流下を助けることになる。即
ち、移動方向後方からの洗浄水及び圧気は濯ぎ及び汚れ
水を高速で流下させる効果をもたらすことになる。

【００１９】このようにして、後方洗浄水圧気噴射ノズ
ル４からの洗浄水及び圧気が、回転ブラシ２後方に下方
に拡がりを持つ三角形の領域Ｄに残存する汚れを濯ぎ落
とすことにより、回転ブラシ２が掃引された帯状の範囲
Ａが念入りに清掃されることになる。即ち、清掃効果が
高められることになる。

【００２０】次に、本発明の別の実施例を説明する。

【００２１】図３に示すように、壁面清掃装置１ａは走
行方向前方より順に、前方洗浄水噴射ノズル３、回転ブ
ラシ２、後方洗浄水噴射ノズル２３、圧気噴射ノズル２
４を備えている。前方洗浄水噴射ノズル３、回転ブラシ
２は、それぞれ前記実施例で説明したものと同じであ
る。後方洗浄水噴射ノズル２３は、前方洗浄水噴射ノズ
ル３と略同一構造のものであり、回転ブラシ２に沿わせ
て後方より臨ませて配置されている。圧気噴射ノズル２
４は前記実施例で説明した後方洗浄水圧気噴射ノズル４
を圧気噴射機構のみとしたものである。壁面清掃装置１
ａは後方からの洗浄水と圧気とを別々に噴射させるよう
に構成されている。このような構成により後方からの洗
浄水によって汚れの自然流下が促進され、その後方より
圧気によって残存する汚れが吹き飛ばされることにな
る。

【００２２】

【発明の効果】本発明は次の如き優れた効果を発揮す
る。

【００２３】（１）汚れが壁面に残存しなくなり、清掃
効果が上がる。

【００２４】（２）少ない洗浄水で清掃効果を上げるこ
とができるので、洗浄水を節約できる。

【００２５】（３）多量の洗浄水を運搬しなくてよいの
で装置が軽量、簡素化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す側面図である。

【図２】本発明の一実施例を示す平面図である。

【図３】本発明の別の実施例を示す側面図である。

【符号の説明】

１ 壁面清掃装置 ２ 回転ブラシ ３ 洗浄水ノズル ４ 洗浄水圧気混合ノズル ５ 回転軸 ６ 壁面

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関 敏行 東京都江東区豊洲三丁目２番16号 石川島 播磨重工業株式会社豊洲総合事務所内 (72)発明者 早矢仕 文男 東京都江東区豊洲三丁目２番16号 石川島 播磨重工業株式会社豊洲総合事務所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転軸を有しその周囲に径方向外方に臨
   ませてブラシを設けてなる回転ブラシを具備し、該回転
   ブラシを回転させながら壁面に押当てると共に上記回転
   軸を平行移動させて壁面を清掃する壁面清掃装置におい
   て、上記回転軸の移動方向前方側に位置されて上記回転
   ブラシと壁面とが接する接線に臨みこの接線直前に洗浄
   水を噴射する洗浄水ノズルと、上記回転軸の移動方向後
   方側に位置されて上記回転ブラシと壁面とが接する接線
   に斜め上方より臨みこの接線後方の壁面に洗浄水と圧気
   とを噴射する洗浄水圧気混合ノズルとを設けたことを特
   徴とする壁面清掃装置。