JP2001064929A - ノズルアレイと洗浄装置 - Google Patents

ノズルアレイと洗浄装置

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JP2001064929A
JP2001064929A JP24555399A JP24555399A JP2001064929A JP 2001064929 A JP2001064929 A JP 2001064929A JP 24555399 A JP24555399 A JP 24555399A JP 24555399 A JP24555399 A JP 24555399A JP 2001064929 A JP2001064929 A JP 2001064929A
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nozzle
nozzles
cleaning
jet
cavitation
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JP24555399A
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English (en)
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Kazunori Sato
一教 佐藤
Teruaki Matsumoto
曜明 松本
Hiroshi Yatabe
広志 谷田部
Tasuku Shimizu
翼 清水
Tadaaki Mizoguchi
忠昭 溝口
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャビテーションを伴うウォータジェットを
利用して洗浄対象を洗浄すること。 【解決手段】 ノズルアレイ台座36に複数のノズル1
が2列に渡って配列されており、各ノズル1には高圧水
供給流路13に接続された噴射孔15が形成され、各ノ
ズル1の先端側には釣鐘型拡大空洞部16が形成されて
いる。高圧水2がノズル1の噴射孔15からウォータジ
ェットとして噴射されると、このウォータジェットはキ
ャビテーションを伴うキャビテーションジェット3とし
て噴射され、このキャビテーションジェット3の衝撃圧
によって内装板7の表面が洗浄される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズルアレイ及び
洗浄装置に係り、特に、キャビテーションを伴うウォー
タジェットを利用して、照明反射板などの洗浄対象を洗
浄するに好適なノズルアレイ及び洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高速道路、国道や県道のうち、500m
を超える長いトンネルでは、トンネル内の照光を有効に
活用して車両運行の安全とスムーズな流れを確保するた
めに。トンネルの側壁に照光を反射させる内装板が貼り
付けられている。この内装板は、初めはその表面が白色
で覆われているが、排気ガスに含まれる微粒子(すす)
やタール状物質、車両によってトンネル内に持ち込まれ
る様々な塵や油滴、あるいは飛散した泥の粒子が付着
し、長期間のうちに汚れて暗色となり、トンネル内の照
度が低下する。このため、定期的に内装板の表面を洗浄
することが行なわれている。
【0003】この洗浄作業は、従来手作業によって行な
われていたが、近年、特に高速道路では、専用車両に搭
載された洗浄装置によって内装板の表面を洗浄すること
が行なわれている。
【0004】従来、この種の洗浄装置としては、例え
ば、図12に示すものが知られている。この装置は、低
速走行する専用車両に動力源とともに搭載された駆動装
置にシャフト12を連結し、シャフト12の端部に固定
された回転体9の先端側に回転ブラシ8を装着し、トン
ネル内壁6に貼り付けられた内装板7に回転ブラシ8を
押しつけた状態でシャフト12を回転するとともに回転
ブラシ8を回転し、車両の走行にしたがって内装板7の
表面を回転ブラシ8によって順次洗浄するようになって
いる。そして乾式のものは水を用いないで、湿式のもの
は、図に示すように、注水ノズル10から回転ブラシ8
に注水している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術では、回転ブ
ラシ8を回転させて内装板7の表面を洗浄しているた
め、以下のような課題を有する。
【0006】(1)内装板7に付着したすす、タール状
物質、跳ね返った泥などを良好に洗い落すことができな
い。
【0007】(2)上記(1)の理由に関連して、洗浄
速度、すなわち車両の走行速度を高めることができず、
洗浄作業のために交通規制を行なわざるを得ない。
【0008】(3)上記(2)の理由に関連して、特殊
な低速走行車両が必要となり、装置のコストが高くなる
とともに、制限された台数による洗浄のため、洗浄イン
ターバルが長くなる。さらに汚れた内装板7を放置する
と、トンネル内の交通、運行にとって好ましくない。
【0009】(4)上記(2)の理由に関連して、使用
水量すなわち洗浄排水量が増加し、処理コストが高くな
る。
【0010】(5)回転ブラシ8を内装板7に適切に押
しつける必要があり、回転ブラシ8が内装板7から離れ
ると、「空振り」で洗浄能力が「0」になり、一方、回
転ブラシ8を内装板7に強く押しつけすぎると、内装板
7を破損する恐れがある。
【0011】本発明の目的は、キャビテーションを伴う
ウォータジェットを利用して洗浄対象を洗浄することが
できるノズルアレイおよび洗浄装置を提供するととも
に、洗浄装置を用いた洗浄方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、加圧された高圧水が供給される高圧水供
給流路に接続されて噴射孔から洗浄対象に向けてウォー
タジェットを噴射する複数のノズルと、前記各ノズルを
指定の位置に配置して支持する支持台とを備え、前記各
ノズルは、前記噴射孔を中心として前記噴射孔より漸次
径が大きくなる空洞部を有し、各空洞部の開口端は前記
洗浄対象を臨む位置に配置され、前記ウォータジェット
の噴射により前記各空洞部の内外に亘ってキャビテーシ
ョンを伴うジェットが発生してなるノズルアレイを構成
したものである。
【0013】前記ノズルアレイを構成するに際しては、
以下の要素を付加することができる。
【0014】(1)前記複数のノズルは、洗浄時の移動
方向に対して交差する方向に複数列に分かれて配置さ
れ、各列のノズルは、相隣接する他の列のノズルとは洗
浄時の移動方向に対して交差する方向における噴射孔の
位置が異なるように配置されてなる。
【0015】(2)前記複数のノズルは、各ノズルによ
る有効洗浄領域が相隣接するノズルの有効洗浄領域と部
分的に重なるように配置されてなる。
【0016】(3)前記複数のノズルの空洞部のうち同
一の列において相隣接する空洞部を臨む位置に切り欠き
部が形成されてなる。
【0017】(4)前記複数のノズルから噴射されるウ
ォータジェットの噴射圧力を3MPa以上27MPa未
満の範囲から選択して設定してなる。
【0018】(5)前記複数のノズルの噴射孔の中心線
と洗浄対象との成す角度は、キャビテーションジェット
の衝突角度として90度または15度以上70度未満の
範囲から選択した角度に設定されてなる。
【0019】また、本発明は、前記いずれかのノズルア
レイと、前記支持台に回転自在に固定されて前記洗浄対
象の配置された壁面上を前記支持台の移動に合わせて走
行する回転体とを備えてなる洗浄装置を構成したもので
ある。
【0020】前記洗浄装置を構成するに際しては、以下
の要素を付加することができる。
【0021】(1)前記複数のノズルの噴射孔と洗浄対
象との距離を、キャビテーションジェットの軸方向に発
生する衝撃圧分布における2番目のピーク領域に対応づ
けて設定し、この設定に従って前記回転体と前記支持台
とが位置決めされてなる。
【0022】また、本発明は、前記いずれかの洗浄装置
と高圧水供給装置を車両に搭載し、前記高圧水供給装置
から前記洗浄装置の各ノズルに高圧水を供給し、前記洗
浄装置の各ノズルを洗浄対象に相対向させて配置すると
ともに前記洗浄装置の回転体を洗浄対象の配置された壁
面上に配置し、前記車両の走行により前記洗浄対象の表
面を順次洗浄する洗浄方法を採用したものである。
【0023】前記洗浄方法を採用するに際しては、以下
の要素を付加することができる。
【0024】(1)前記車両の走行速度として、10K
m/h以上60Km/h未満の範囲から選択し、選択し
た走行速度で前記車両を走行させること。
【0025】前記した手段によれば、各ノズルの噴射孔
からウォータジェットが噴射されると、このウォータジ
ェットの回りに環状渦が生成され、この環状渦によりウ
ォータジェットに発生するキャビテーションが増幅され
る。このように増幅された活発なキャビテーションが生
成されると、キャビテーションを伴うウォータジェット
が洗浄対象の衝突したときには、気泡崩壊時に生じる衝
撃圧によって洗浄対象表面に付着した付着物を除去する
ことができる。さらにウォータジェットの水流の作用に
よって洗浄対象表面の汚れを洗い流すことができる。
【0026】ノズルアレイを用いて洗浄対象を洗浄する
に際して、各ノズルの噴射孔と洗浄対象との距離は、キ
ャビテーションジェットの軸方向に発生する衝撃圧分布
における2番目のピーク領域に対応ずけて設定すると、
この2番目のピーク領域では、キャビテーションが最も
活発になり、最も効率良くキャビテーションによる洗浄
を行なうことができる。したがって、ノズルに供給する
水の水圧をむやみに高くする必要がなくなり、噴射水
量、すなわち排水量を少なく抑えることが可能になる。
また単一ノズル当たりにおいて、2番目のピーク領域に
おける衝撃圧が所定水準以上になる有効洗浄面積が分か
るが、無駄が生じない程度に、洗浄有効面積が互いに重
なりあわないように、各ノズルを配置することで、洗い
残しが生じたり、洗った後、残った汚れに起因する縞が
生じるのをなくすことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
にしたがって説明する。図1は本発明の一実施形態を示
すノズルアレイおよび洗浄装置の要部断面図、図2は洗
浄装置の要部正面図である。図1及び図2において、洗
浄装置は洗浄用ノズルアレイ24、回転体としてのロー
ラ23を備えて構成されており、ノズルアレイ24は、
複数のノズル1がノズルアレイ台座36に固定されてい
る。ノズルアレイ台座36は各ノズル1を指定の位置に
配置して支持する支持台として構成されており、このノ
ズルアレイ台座36の四隅にはローラ23が回転自在に
固定されている。このローラ23は、洗浄対象としての
内装板7が配置されたトンネル内壁6の壁面上をノズル
アレイ台座36の移動にあわせて走行するようになって
いる。各ノズル1は、ノズルアレイ台座36に2列に分
かれて内装板7の縦(長手)方向に沿ってアレイ(列)
状に配設されており、各ノズル1は、加圧された高圧水
が供給される高圧水供給流路13に接続されている。そ
して、各ノズル1は噴射孔15から内装板7に向けてウ
ォータジェットを噴射するようになっている。さらに各
ノズル1は、噴射孔15を中心として、噴射孔15より
漸次径が大きくなる釣鐘型拡大空洞部16を有し、各空
洞部16の開口端は内装板17を臨む位置に配置され、
ウォータジェットの噴射により、各空洞部16の内外に
渡ってキャビテーションを伴うウォータジェットを発生
するようになっている。
【0028】具体的には、ノズル1には、噴射孔15の
先端側に、釣鐘型拡大空洞部16が設けられており、こ
の空洞部16内でキャビテーションジェット3が生成さ
れるようになっている。すなわち、高圧水2が高圧水供
給流路13から噴射孔15に導かれ、径収縮部(絞り
部)14で高圧水2が減圧・加速され、この高圧水2が
ウォータジェットとして噴射孔15から噴射されると、
空洞部16内に高速のキャビテーションジェット3が生
成される。このキャビテーションジェット3が、洗浄対
象の内装板7に衝突すると、キャビテーションの衝撃圧
とジェットの衝突水流の作用で内装板7の汚れが除去さ
れ、内装板7の反射能力を回復させることができる。
【0029】また拡大空洞部16の出口(開口端)と内
装板7との間には2〜3mmのギャップが設けられてお
り、このギャップから洗浄に伴う水が排出されるように
なっている。またこのように狭いギャップを設けること
で、拡大空洞部16内部には水が充満するので、ウォタ
ージェットは水中でキャビテーションを伴うキャビテー
ションジェット3となる。またこのギャップは、ノズル
アレイ台座36に取付られるローラ23の取付位置によ
って調整することができる。さらに、各ノズル1の拡大
空洞部16には、同一の列において相隣接する空洞部1
6を臨む位置に切欠き部21が形成されている。ノズル
1の拡大空洞部16に切欠き部21を設けると、相隣接
するノズル1から発生するキャビテーションジェット3
同士が干渉し、後述するように、衝突衝撃圧分布をでき
るだけ滑らかにすることができる。
【0030】またノズルアレイ24とローラ23との間
には、ノズルアレイ24を取り囲むようにブラシ22が
植設されており、このブラシ22を介して洗浄排水が系
外に排出されるようになっている。このブラシ22は、
内装板7の上下方向に対しては、その外縁(内装板7の
外側のトンネル内壁6の表面)に押しつけられるように
配置されている。
【0031】上記構成による洗浄装置を用いて内装板7
の表面を実際に洗浄するに際しては、図3に示すよう
に、専用車41に、洗浄装置を始めとして本発明を具体
化した設備一式を搭載する。この場合、専用車41の荷
台には、洗浄用の給水タンク37、ノズルアレイ台座3
6に連結されたノズルアーム38、高圧水を発生するプ
ランジャーポンプ39、プランジャーポンプ30を駆動
するためのエンジン40を搭載する。ノズルアーム38
の一端は荷台に固定されており、ノズルアーム38の途
中にはジョイント43が2か所設けられており、ノズル
アーム38の先端にノズルアレイ台座36が連結されて
いる。縦方向に細長いノズルアレイ台座36は、専用車
41の進行方向βに対して直交する方向へ配置されてお
り、ジョイント43の角度を調整することで、ノズルア
レイ台座36が内装板7に対して押しつけられるように
なっている。またノズル台座36には、高圧ホース42
が接続されており、エンジン40によってプランジャー
ポンプ39が駆動されると、給水タンク37からの水が
高圧水として高圧ホース42を介して供給されるように
なっている。この状態で、専用車41の走行速度とし
て、10Km/h以上60Km/h未満の範囲から選択
し、選択した走行速度で専用車41を走行しているとき
に、各ノズル1からキャビテーションジェット3が噴射
され、トンネル内壁6に配置された内装板7が順次洗浄
される。例えば、洗浄前に汚れていた内装板7”に対し
てキャビテーションジェット3が噴射されると、洗浄済
内装板7’のように汚れが除去され、内装板7の反射能
力を回復させることができる。
【0032】ここで、ノズル1と内装板7との距離を特
定するために、キャビテーションジェット3の特性を測
定したところ、図4に示すような測定結果が得られた。
図4において、周囲が水である環境中にノズル1から吹
き出されたウォータジェットは、激しいキャビテーショ
ンを伴うキャビテーションジェット3となる。このキャ
ビテーションジェット3の衝撃分布圧をジェットの軸方
向に対する変化として測定すると、図に示すように、第
1のピーク4と第2のピーク5を有する曲線となる。こ
れらのピークのうち、本発明においては、下流側に生じ
る2番目のピーク、すなわち「第2ピーク」を利用す
る。ようするに、ノズル1において、噴射孔15の出口
と内装板7との距離を第2ピークに相当する最適スタン
ドオフ距離Xsになるように設定する。この第2ピーク
領域は、後述するように、キャビテーションが最もパワ
フルであり、この領域を利用することで、最も効率の良
い洗浄を達成することができる。
【0033】次に、周囲が水である環境中に、高速のウ
ォータジェットを吹き込んだ際に生じる現象を調べたと
ころ、図5に示すような結果が得られた。図5はこの現
象を模式的に描いたものであり、ノズル1からウォータ
ジェットが吹き出されると、このウォータジェットに
は、吹き出された直後には水芯30が生じ、水芯30が
キャビテーションの生成と連成して分裂する(31)。
この現象は図4に示した第1ピーク4に相当する領域で
生じる。一方、この領域から外れたキャビテーションジ
ェット3の界面には剪断渦32が生じ、この渦32に由
来する渦キャビテーション(Vortex Cavit
ation)が生成され、キャビテーションジェット3
の下流には渦キャビテーション発達領域33が形成され
る。この発達領域33に生じるキャビテーションが最も
パワフルであり、この領域は、図4に示した第2ピーク
に相当する領域である。
【0034】上述した点を考慮し、本実施形態では、渦
キャビテーション領域の発達領域33が洗浄対象の内装
板7に含まれるように、ノズル1と内装板7との位置が
設定されている。
【0035】次に、ノズル1に生じる現象を具体的に表
わすと、図6のようになる。まず、高圧水2がノズル1
の噴射孔15から噴射されると、拡大空洞部16の内外
に渡ってキャビテーションジェット3が形成される。こ
の拡大空洞部16の内部では、吹き出されたキャビテー
ションジェット3を取り囲むように環状の循環渦17が
生じる。この循環渦17はキャビテーションジェット3
の発生に重要な役割を演じており、周囲水18からキャ
ビテーション核(Cavitation Nucle
i)をキャビテーションジェット3中に供給する。さら
にキャビテーションジェット3の界面に対して強い圧力
変動を加えて、界面の剪断渦に由来する渦キャビテーシ
ョンの生成を助長するなどの機能により、キャビテーシ
ョンを増幅する。したがって、このノズル1を用いるこ
とで、強いキャビテーションの作用で洗浄効果を高める
ことができる。
【0036】次に、ノズルアレイ24によって生成され
たキャビテーションジェット3を内装板7に衝突させた
ときに生じる衝撃圧の生成・分布特性を図7にしたがっ
て説明する。
【0037】各ノズル1から噴出したキャビテーション
ジェット3が内装板7の表面に衝突すると、中心が少し
へこんだ丘状の衝突衝撃圧分布34が生じる。この場
合、全ノズル1をアレイ(列)状に配列しているため、
各キャビテーションジェット3の衝突衝撃圧分布34の
うち裾部同士がつながり、ノズルアレイ24によって生
じる衝突衝撃圧分布34は全域において、洗浄に要求さ
れる衝撃圧のしきい値35を上回るようになる。さら
に、同一の列において相隣接するノズル1同士の衝撃圧
発生領域19は、車両が進行方向βに沿って移動するこ
とによって生じる有効洗浄領域20と部分的に重なりあ
う。
【0038】具体的には、図8に示すように、各列のノ
ズル1は、相隣接する他の列のノズルとは洗浄時の移動
方向(車両の移動方向)に対して交差する方向(直交す
る方向)における噴射孔15の位置が異なるように配置
され、各ノズル1による有効洗浄領域20が相隣接する
ノズル1の有効洗浄領域20と部分的に重なるように配
置されている。すなわち、相隣接するノズル及び車両の
進行方向において前後となるノズル1から発生するキャ
ビテーションジェット3の衝突で生じる有効洗浄領域2
0が、無駄にならに程度に部分的に重なりあうようにな
っている。この結果、ノズルアレイ24を進行方向βに
したがって移動させることで、内装板7の表面に洗い残
しがなくなり、内装板7の表面をまんべんなく洗浄する
ことができる。
【0039】ここで、本実施形態のものと従来のものと
比較したところ、図9に示すような比較結果が得られ
た。図9においては、洗浄後における内装板の反射率に
関する比較結果を示してある。縦軸における反射率r
は、従来技術における反射率r*で割ることにより、相
対値r/r*として表わしてある。このため、従来技術
における反射率はr/r*=1となる。これに対して、
本実施形態のものは内装板7の汚れの程度などによるば
らつきはあるものの、r/r*=1.3〜1.6までの
ものが得られた。
【0040】図9から、本実施形態における洗浄装置を
用いることで、反射率の向上を図ることができるととも
に、ノズルアレイ及び洗浄装置をトンネル内装板の洗浄
に適用することの有効性を確認することができた。
【0041】なお、本実施形態におけるノズル1のウォ
ータジェットの噴射圧力は、3MPa以上27MPa未
満の範囲から選択されてある。
【0042】次に、本発明の他の実施形態を図10及び
図11にしたがって説明する。
【0043】本実施形態は、前記実施形態において、ノ
ズル1の噴射孔15の中心線と内装板7とのなす角度と
して、キャビテーションジェット3の衝突角度θ=90
度に設定したのに対して、衝突角度をθ<90度とし、
広い衝突領域でキャビテーションの作用を有効に用いる
ようにしたものである。
【0044】具体的には、ノズル1の代わりに、傾斜ノ
ズル25が用いられており、傾斜ノズル25の先端側に
は噴射孔15を中心として噴射孔15より漸次径が大き
くなる拡大空洞部25が形成されており、この拡大空洞
部27の開口端には斜め切断開口部26が形成されてい
る。そして噴射孔15から噴射されたウォータジェット
はキャビテーションジェット28として噴射され、キャ
ビテーションジェット28によって内装板7の表面が洗
浄されるようになっている。この場合、各傾斜ノズル2
5によって洗浄される有効洗浄領域29はほぼ楕円形状
になっている。すなわち、傾斜ノズル25は内装板7に
対して傾斜した状態で配置されており、キャビテーショ
ンジェット28が内装板7に対して斜めに衝突すると、
衝突分流が鈍角に流れる方向において(図では進行方向
β側において)、衝突分流内の広い領域に渡って強いキ
ャビテーションの作用が生じる。
【0045】本実施形態によれば、前記実施形態より
も、広い衝突領域においてキャビテーションの作用を有
効に利用することができる。
【0046】本実施形態においては、内装板7を洗浄す
るに際して、衝突角度θは15度以上70度未満の範囲
に設定することが望ましい。また傾斜ノズル25の傾き
に関して、傾斜ノズル25の傾き方向は、車両の進行方
向と同じ方向あるいは逆の方向であっても洗浄の効果は
同等である。
【0047】前記各実施形態によるノズルアレイ24及
び洗浄装置を用いることにより以下のような効果が生じ
る。
【0048】(1)内装板7上の粒子状・タール状の付
着物を良好に除去することができる。
【0049】(2)上記(1)の効果に関連し、車両の
走行速度を増大できるので、水洗時間を短縮することが
できる。
【0050】(3)使用水量、言い替えれば排水量を削
減することができる。
【0051】(4)内装板7に付着した有害成分をキャ
ビテーションの作用で分解し、排水を無害化することが
できる。
【0052】(5)キャビテーションジェットを内装板
7に衝突させても、この衝撃が内装板7の局所に集中す
ることがないので、水洗作業中に内装板7を破損させる
恐れもない。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
各ノズルの噴射孔からウォータジェットが噴射される
と、このウォータジェットの回りに環状渦が生成され、
この環状渦によりウォータジェットに発生するキャビテ
ーションが増幅され、増幅された活発なキャビテーショ
ンを伴うウォータジェットを洗浄対象に衝突させるよう
にしたため、気泡崩壊時に生じる衝撃圧によって洗浄対
象表面に付着した付着物を除去することができるととも
に、ウォータジェットの水流の作用によって洗浄対象表
面の汚れを洗い流すことができ、洗浄対象の機能の回復
を高めることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す洗浄装置の要部断面
図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す洗浄装置の要部正面
図である。
【図3】洗浄装置を専用車に搭載して内装板を洗浄する
ときの洗浄方法を説明するための図である。
【図4】ノズルの衝撃圧特性を説明するための図であ
る。
【図5】キャビテーションジェットの現象を説明するた
めの図である。
【図6】キャビテーションジェットと環状渦との関係を
説明するための図である。
【図7】水洗時におけるノズルの衝撃圧特性を説明する
ための図である。
【図8】水洗時における各ノズルの有効洗浄領域と衝撃
圧発生領域との関係を説明するための図である。
【図9】水洗・清掃に伴って得られた反射率について従
来技術と本発明とを比較した比較結果を説明するための
図である。
【図10】本発明の他の実施形態を示す傾斜ノズルの要
部断面図である。
【図11】本発明の他の実施形態を示すノズルアレイの
要部平面図である。
【図12】従来技術の構成説明図である。
【符号の説明】
1 ノズル 2 高圧水 3 キャビテーションジェット 6 トンネル内壁 7 内装板 13 高圧水供給流路 14 径収縮部 15 噴出口 16 釣鐘型拡大空洞部 21 切欠き部 22 ブラシ 23 ローラ 24 洗浄用ノズルアレイ 36 ノズルアレイ台座
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 谷田部 広志 東京都港区浜松町二丁目4番1号 バブコ ック日立株式会社内 (72)発明者 清水 翼 東京都港区浜松町二丁目4番1号 バブコ ック日立株式会社内 (72)発明者 溝口 忠昭 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加圧された高圧水が供給される高圧水供
    給流路に接続されて噴射孔から洗浄対象に向けてウォー
    タジェットを噴射する複数のノズルと、前記各ノズルを
    指定の位置に配置して支持する支持台とを備え、前記各
    ノズルは、前記噴射孔を中心として前記噴射孔より漸次
    径が大きくなる空洞部を有し、各空洞部の開口端は前記
    洗浄対象を臨む位置に配置され、前記ウォータジェット
    の噴射により前記各空洞部の内外に亘ってキャビテーシ
    ョンを伴うジェットが発生してなるノズルアレイ。
  2. 【請求項2】 前記複数のノズルは、洗浄時の移動方向
    に対して交差する方向に複数列に分かれて配置され、各
    列のノズルは、相隣接する他の列のノズルとは洗浄時の
    移動方向に対して交差する方向における噴射孔の位置が
    異なるように配置されてなることを特徴とする請求項1
    記載のノズルアレイ。
  3. 【請求項3】 前記複数のノズルは、各ノズルによる有
    効洗浄領域が相隣接するノズルの有効洗浄領域と部分的
    に重なるように配置されてなること特徴とする請求項1
    または2記載のノズルアレイ。
  4. 【請求項4】 前記複数のノズルの空洞部のうち同一の
    列において相隣接する空洞部を臨む位置に切り欠き部が
    形成されてなることを特徴とする請求項2または3記載
    のノズルアレイ。
  5. 【請求項5】 前記複数のノズルから噴射されるウォー
    タジェットの噴射圧力を3MPa以上27MPa未満の
    範囲から選択して設定してなることを特徴とする請求項
    1、2、3または4記載のノズルアレイ。
  6. 【請求項6】 前記複数のノズルの噴射孔の中心線と洗
    浄対象との成す角度は、キャビテーションジェットの衝
    突角度として90度または15度以上70度未満の範囲
    から選択した角度に設定されてなることを特徴とする請
    求項1、2、3、4または5記載のノズルアレイ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のうちいずれか1項に記
    載のノズルアレイと、前記支持台に回転自在に固定され
    て前記洗浄対象の配置された壁面上を前記支持台の移動
    に合わせて走行する回転体とを備えてなる洗浄装置。
  8. 【請求項8】 前記複数のノズルの噴射孔と洗浄対象と
    の距離を、キャビテーションジェットの軸方向に発生す
    る衝撃圧分布における2番目のピーク領域に対応づけて
    設定し、この設定に従って前記回転体と前記支持台とが
    位置決めされてなることを特徴とする請求項7に記載の
    洗浄装置。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の洗浄装置と高
    圧水供給装置を車両に搭載し、前記高圧水供給装置から
    前記洗浄装置の各ノズルに高圧水を供給し、前記洗浄装
    置の各ノズルを洗浄対象に相対向させて配置するととも
    に前記洗浄装置の回転体を洗浄対象の配置された壁面上
    に配置し、前記車両の走行により前記洗浄対象の表面を
    順次洗浄する洗浄方法。
  10. 【請求項10】 前記車両の走行速度として、10Km
    /h以上60Km/h未満の範囲から選択し、選択した
    走行速度で前記車両を走行させることを特徴とする請求
    項9に記載の洗浄方法。
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