JPH0598436A - Itoスパツタリングタ−ゲツト及びその製造方法 - Google Patents
Itoスパツタリングタ−ゲツト及びその製造方法Info
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- JPH0598436A JPH0598436A JP3289191A JP28919191A JPH0598436A JP H0598436 A JPH0598436 A JP H0598436A JP 3289191 A JP3289191 A JP 3289191A JP 28919191 A JP28919191 A JP 28919191A JP H0598436 A JPH0598436 A JP H0598436A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スパッタリング作業の不安定を来たことな
く、優れた性能の高屈折率透明ITO膜を安定して得る
ことのできるITO焼結タ−ゲットを実現する。 【構成】 酸化インジウムと酸化錫を主成分とし、かつ
ゲルマニウム成分を配合した粉末冶金原料を酸素雰囲気
中で焼結することにより、1〜15wt%の酸化ゲルマニ
ウムを含有すると共に、密度D(g/cm3)とバルク抵抗値
ρ(mΩcm)が a) 5.50 ≦ D ≦ 7.23 , b) −0.333D+2.742 ≧ ρ ≧ −0.283D+2.057
,なる2つの式を同時に満たすITOタ−ゲットを製
造する。
く、優れた性能の高屈折率透明ITO膜を安定して得る
ことのできるITO焼結タ−ゲットを実現する。 【構成】 酸化インジウムと酸化錫を主成分とし、かつ
ゲルマニウム成分を配合した粉末冶金原料を酸素雰囲気
中で焼結することにより、1〜15wt%の酸化ゲルマニ
ウムを含有すると共に、密度D(g/cm3)とバルク抵抗値
ρ(mΩcm)が a) 5.50 ≦ D ≦ 7.23 , b) −0.333D+2.742 ≧ ρ ≧ −0.283D+2.057
,なる2つの式を同時に満たすITOタ−ゲットを製
造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スパッタリングによ
って可視光の屈折率が高いITO膜(Indium-Tin Oxide
膜) を安定形成させるのに好適なタ−ゲット、並びにそ
の製造方法に関するものである。
って可視光の屈折率が高いITO膜(Indium-Tin Oxide
膜) を安定形成させるのに好適なタ−ゲット、並びにそ
の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術とその課題】「ITO膜」 と呼ばれるところ
の“n型導電性の半導体特性”を示す In2O3 ,SnO2
酸化物膜は、非常に高い導電性を有しているほか、高い
可視光透過性(透明性)をも有していることから、近年
になって液晶表示装置,薄膜エレクトロルミネッセンス
表示装置,放射線検出素子,端末機器類の透明タブレッ
ト,窓ガラスの結露防止用発熱膜,帯電防止膜或いは太
陽光集熱器用選択透過膜等、極めて多岐にわたる用途が
開発されている。
の“n型導電性の半導体特性”を示す In2O3 ,SnO2
酸化物膜は、非常に高い導電性を有しているほか、高い
可視光透過性(透明性)をも有していることから、近年
になって液晶表示装置,薄膜エレクトロルミネッセンス
表示装置,放射線検出素子,端末機器類の透明タブレッ
ト,窓ガラスの結露防止用発熱膜,帯電防止膜或いは太
陽光集熱器用選択透過膜等、極めて多岐にわたる用途が
開発されている。
【0003】ところで、上記ITO膜の形成には、化合
物の熱分解を利用したスプレイ法やCVD法等の化学的
成膜法、或いは真空蒸着法やスパッタリング法等の物理
的成膜法等の各手段を適用することができるが、これら
の中にあって「大面積で成膜することが可能でかつ低抵
抗膜を再現性良く形成できる」との利点が注目され、最
近では特に“スパッタリング法”を採用しようとの趨勢
が高まってきている。なお、スパッタリング法によって
ITO膜を形成する場合には、酸化インジウムと酸化錫
を構成成分としたスパッタリングタ−ゲット(以降“I
TOタ−ゲット”と略称する)が使用される。そして、
このITOタ−ゲットは、通常、酸化インジウムと酸化
錫の粉末混合体或いはこれにド−パントを添加した粉末
混合体を常温でプレス成形した後、該成形体を更に大気
中にて1250〜1650℃で焼結して製造されてい
る。
物の熱分解を利用したスプレイ法やCVD法等の化学的
成膜法、或いは真空蒸着法やスパッタリング法等の物理
的成膜法等の各手段を適用することができるが、これら
の中にあって「大面積で成膜することが可能でかつ低抵
抗膜を再現性良く形成できる」との利点が注目され、最
近では特に“スパッタリング法”を採用しようとの趨勢
が高まってきている。なお、スパッタリング法によって
ITO膜を形成する場合には、酸化インジウムと酸化錫
を構成成分としたスパッタリングタ−ゲット(以降“I
TOタ−ゲット”と略称する)が使用される。そして、
このITOタ−ゲットは、通常、酸化インジウムと酸化
錫の粉末混合体或いはこれにド−パントを添加した粉末
混合体を常温でプレス成形した後、該成形体を更に大気
中にて1250〜1650℃で焼結して製造されてい
る。
【0004】ところが、上述のようにITO膜の透明性
を利用した用途が拡大するにつれて次第にその屈折率が
問題視されるようになり、例えば太陽電池の透明電極と
して使用した場合の変換効率向上等のためにより高い屈
折率を示すITO膜が求められるようになった。
を利用した用途が拡大するにつれて次第にその屈折率が
問題視されるようになり、例えば太陽電池の透明電極と
して使用した場合の変換効率向上等のためにより高い屈
折率を示すITO膜が求められるようになった。
【0005】また、上記問題と共に、ITO膜の総合品
質やスパッタリングの作業性に関しITOタ−ゲットに
係わる次のような問題も指摘されるようになった。即
ち、スパッタリングに適用されるITOタ−ゲットは、
前述したように、酸化インジウム粉末や酸化錫粉末を原
料とした焼結体で構成されるのが一般的である。しか
し、前記酸化インジウム粉末や酸化錫粉末は焼結性に劣
る材料であるため高い焼結体密度が得られず、これに起
因していると思われるが、前記方法 (コ−ルドプレス大
気焼結法) で製造されたITO焼結タ−ゲットには (A) スパッタリングが進行するにつれて成膜速度{IT
O膜の付着(成長)速度}が顕著に低下する,(B) スパ
ッタ時にア−キングと呼ばれる異常放電が発生し、成膜
操作の安定性を害しがちである,(C) タ−ゲット寿命が
短い,(D) ITO特有の黒色化が顕著で、比抵抗,エッ
チング特性,透過率等のITO膜特性の劣化が目立つ,
(E) 基板上のゴミ (パ−ティクル) が増加する,等の不
都合が認められ、スパッタリング作業性やITO膜品質
の点で今一つ満足できるものではない。
質やスパッタリングの作業性に関しITOタ−ゲットに
係わる次のような問題も指摘されるようになった。即
ち、スパッタリングに適用されるITOタ−ゲットは、
前述したように、酸化インジウム粉末や酸化錫粉末を原
料とした焼結体で構成されるのが一般的である。しか
し、前記酸化インジウム粉末や酸化錫粉末は焼結性に劣
る材料であるため高い焼結体密度が得られず、これに起
因していると思われるが、前記方法 (コ−ルドプレス大
気焼結法) で製造されたITO焼結タ−ゲットには (A) スパッタリングが進行するにつれて成膜速度{IT
O膜の付着(成長)速度}が顕著に低下する,(B) スパ
ッタ時にア−キングと呼ばれる異常放電が発生し、成膜
操作の安定性を害しがちである,(C) タ−ゲット寿命が
短い,(D) ITO特有の黒色化が顕著で、比抵抗,エッ
チング特性,透過率等のITO膜特性の劣化が目立つ,
(E) 基板上のゴミ (パ−ティクル) が増加する,等の不
都合が認められ、スパッタリング作業性やITO膜品質
の点で今一つ満足できるものではない。
【0006】もっとも、ITO焼結タ−ゲットの密度向
上のため、前記一連のITO焼結タ−ゲット製造工程の
うちの "粉末原料の成形工程" にホットプレスを適用し
た手法(以降“ホットプレス法”と称する)も試みられ
ているが、この方法で製造されたITO焼結タ−ゲット
であっても「成膜速度が時間と共に低下する傾向」や
「ア−キングの発生傾向」にそれほど顕著な改善効果が
見られないばかりか、更に(a) 設備のイニシャルコスト
が高騰する上、設備の大型化も困難となる,(b) 金型等
も高価なものを必要とするので、ランニングコストが高
くなる,(c) 一操業に要する時間が長くなるため量産性
に劣る,等の新たな製造上の問題が生じ、これらが結局
はタ−ゲット価格に影響することから、やはり工業的に
十分満足できる手段とは言い難かった。
上のため、前記一連のITO焼結タ−ゲット製造工程の
うちの "粉末原料の成形工程" にホットプレスを適用し
た手法(以降“ホットプレス法”と称する)も試みられ
ているが、この方法で製造されたITO焼結タ−ゲット
であっても「成膜速度が時間と共に低下する傾向」や
「ア−キングの発生傾向」にそれほど顕著な改善効果が
見られないばかりか、更に(a) 設備のイニシャルコスト
が高騰する上、設備の大型化も困難となる,(b) 金型等
も高価なものを必要とするので、ランニングコストが高
くなる,(c) 一操業に要する時間が長くなるため量産性
に劣る,等の新たな製造上の問題が生じ、これらが結局
はタ−ゲット価格に影響することから、やはり工業的に
十分満足できる手段とは言い難かった。
【0007】このようなことから、本発明が目的とした
のは、スパッタリング作業中に成膜速度が低下したりア
−キング発生等による成膜操作の不安定を来たしたりす
ることがなく、しかも優れた性能を備えた高屈折率の透
明ITO膜を安定して得ることのできる安価なITO焼
結タ−ゲットを実現することであった。
のは、スパッタリング作業中に成膜速度が低下したりア
−キング発生等による成膜操作の不安定を来たしたりす
ることがなく、しかも優れた性能を備えた高屈折率の透
明ITO膜を安定して得ることのできる安価なITO焼
結タ−ゲットを実現することであった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく様々な観点に立って鋭意研究を重ねた結
果、「ITO膜の形成に際し、 ITO焼結タ−ゲットと
して特に酸化ゲルマニウム(GeO2 )成分が添加された
ものを使用してこれをスパッタリングすると、 得られる
ITO膜は非常に屈折率の高いもの(つまり反射率の低
いもの)となり、例えば太陽電池の透明電極に適用した
場合には従来材を凌ぐエネルギ変換効率が達成できる」
との新しい知見を得ることができた。
を達成すべく様々な観点に立って鋭意研究を重ねた結
果、「ITO膜の形成に際し、 ITO焼結タ−ゲットと
して特に酸化ゲルマニウム(GeO2 )成分が添加された
ものを使用してこれをスパッタリングすると、 得られる
ITO膜は非常に屈折率の高いもの(つまり反射率の低
いもの)となり、例えば太陽電池の透明電極に適用した
場合には従来材を凌ぐエネルギ変換効率が達成できる」
との新しい知見を得ることができた。
【0009】更に、これら一連の研究を通じて次のよう
な事実も明らかとなった。即ち、前述したように焼結タ
−ゲットはその密度が性能に大きな影響を与えると考え
られるため、まず、「コ−ルドプレス大気焼結法」で得
られるITO焼結タ−ゲットの密度について検討を加え
たところ、「コ−ルドプレス大気焼結法」にて製造され
るものは様々な工夫を凝らしたとしても密度が 4.2〜5.
8 g/cm3 と理論密度の精々60〜80%程度にしか達し
ないことが分かった。これに対して、「ホットプレス
法」で得られるITO焼結タ−ゲットの場合には、その
密度が6.0 〜6.7g/cm3(理論密度の85〜93%程度)
にまで上昇していることが分かったが、前述したよう
に、「ホットプレス法」で得られるITO焼結タ−ゲッ
トのような高密度品においても、実際にはやはりスパッ
タリング時における成膜操作の不安定や時間の経過に伴
う成膜速度の低下現象が見られる。そのため、このよう
な現象の回避にはITO焼結タ−ゲットの密度を更に向
上させる必要があると仮定し、その密度向上手段の確立
に取り組んだところ、「ITO焼結タ−ゲットの製造に
当って圧縮成形した酸化物粉末混合体の“焼結”を1気
圧以上の高い酸素分圧雰囲気中で実施すると、 前記酸化
物粉末混合体の圧縮成形にコ−ルドプレス法を適用した
場合であっても得られる“ITO焼結タ−ゲット”の密
度を7g/cm3 を超える程まで(理論密度97〜99%程
度)に高めることが可能になる」との確信を得ることが
できた。
な事実も明らかとなった。即ち、前述したように焼結タ
−ゲットはその密度が性能に大きな影響を与えると考え
られるため、まず、「コ−ルドプレス大気焼結法」で得
られるITO焼結タ−ゲットの密度について検討を加え
たところ、「コ−ルドプレス大気焼結法」にて製造され
るものは様々な工夫を凝らしたとしても密度が 4.2〜5.
8 g/cm3 と理論密度の精々60〜80%程度にしか達し
ないことが分かった。これに対して、「ホットプレス
法」で得られるITO焼結タ−ゲットの場合には、その
密度が6.0 〜6.7g/cm3(理論密度の85〜93%程度)
にまで上昇していることが分かったが、前述したよう
に、「ホットプレス法」で得られるITO焼結タ−ゲッ
トのような高密度品においても、実際にはやはりスパッ
タリング時における成膜操作の不安定や時間の経過に伴
う成膜速度の低下現象が見られる。そのため、このよう
な現象の回避にはITO焼結タ−ゲットの密度を更に向
上させる必要があると仮定し、その密度向上手段の確立
に取り組んだところ、「ITO焼結タ−ゲットの製造に
当って圧縮成形した酸化物粉末混合体の“焼結”を1気
圧以上の高い酸素分圧雰囲気中で実施すると、 前記酸化
物粉末混合体の圧縮成形にコ−ルドプレス法を適用した
場合であっても得られる“ITO焼結タ−ゲット”の密
度を7g/cm3 を超える程まで(理論密度97〜99%程
度)に高めることが可能になる」との確信を得ることが
できた。
【0010】そこで、この新しい手法に従って得られた
ITO焼結タ−ゲットの詳細な特性調査を行った結果、
上記「酸素雰囲気中焼結ITOタ−ゲット」は"タ−ゲ
ット寿命", "スパッタリングにより得られるITO膜の
性能" 等の何れにおいても従来材を凌駕するばかりか、
“成膜速度", "膜特性の劣化の改善" 並びに“成膜操作
安定性”の面でも飛躍的な向上を遂げていることが確認
された。しかも、これらの優れた特性が、従来の「ホッ
トプレス法」で得られるITO焼結タ−ゲットよりも密
度が低い「酸素雰囲気中焼結ITOタ−ゲット」にも認
められたのである。
ITO焼結タ−ゲットの詳細な特性調査を行った結果、
上記「酸素雰囲気中焼結ITOタ−ゲット」は"タ−ゲ
ット寿命", "スパッタリングにより得られるITO膜の
性能" 等の何れにおいても従来材を凌駕するばかりか、
“成膜速度", "膜特性の劣化の改善" 並びに“成膜操作
安定性”の面でも飛躍的な向上を遂げていることが確認
された。しかも、これらの優れた特性が、従来の「ホッ
トプレス法」で得られるITO焼結タ−ゲットよりも密
度が低い「酸素雰囲気中焼結ITOタ−ゲット」にも認
められたのである。
【0011】そして、その理由究明のために行われた研
究の結果を種々の角度から解析し、次の知見をも得るこ
とができた。 i) ITO焼結タ−ゲットの成膜速度安定性や成膜操作
の安定性等にはその密度が深く係わっていることは勿論
であるが、バルク抵抗値も密接に関連しており、密度と
バルク抵抗値が特定の領域にあるITO焼結タ−ゲット
では「スパッタの進行に伴って成膜速度が顕著に低下す
る現象」が見られないばかりか、スパッタ時におけるア
−キングの発生が少なくなって成膜操作の安定性が格段
に向上し、高性能のITO膜を能率良く安定して形成す
ることが可能である, ii) 上記“密度とバルク抵抗値が特定の領域にあるI
TO焼結タ−ゲット”は従来の「コ−ルドプレス大気焼
結法」や「ホットプレス法」では実現が困難であるが、
前述した「酸素雰囲気中焼結法」によれば安定して製造
することが可能であって、しかも製造コストを安く抑え
ることができる。
究の結果を種々の角度から解析し、次の知見をも得るこ
とができた。 i) ITO焼結タ−ゲットの成膜速度安定性や成膜操作
の安定性等にはその密度が深く係わっていることは勿論
であるが、バルク抵抗値も密接に関連しており、密度と
バルク抵抗値が特定の領域にあるITO焼結タ−ゲット
では「スパッタの進行に伴って成膜速度が顕著に低下す
る現象」が見られないばかりか、スパッタ時におけるア
−キングの発生が少なくなって成膜操作の安定性が格段
に向上し、高性能のITO膜を能率良く安定して形成す
ることが可能である, ii) 上記“密度とバルク抵抗値が特定の領域にあるI
TO焼結タ−ゲット”は従来の「コ−ルドプレス大気焼
結法」や「ホットプレス法」では実現が困難であるが、
前述した「酸素雰囲気中焼結法」によれば安定して製造
することが可能であって、しかも製造コストを安く抑え
ることができる。
【0012】本発明は、上記各知見事項等に基づいて完
成されたものであり、「構成成分として1〜15wt%の
酸化ゲルマニウムを含有すると共に、 密度D(g/cm3)と
バルク抵抗値ρ(mΩcm)が a) 5.50 ≦ D ≦ 7.23 , b) −0.333D+2.742 ≧ ρ ≧ −0.283D+2.057
,なる2つの式を同時に満たして成るところの“酸化
インジウムと酸化錫を主成分とした原料から粉末冶金法
にて製造されたITOタ−ゲット”を提供し、 可視光の
屈折率やその他の特性に優れるITO膜を優れた成膜速
度,成膜速度安定性,成膜操作安定性の下で形成し得る
ようにした点」を特徴としており、更には「酸化インジ
ウムと酸化錫を主成分とした原料から粉末冶金法によっ
てITOスパッタリングタ−ゲットを製造するに際し、
原料中にゲルマニウム成分を配合すると共に、 焼結を酸
素雰囲気中で実施することにより、 上記各種特性に優れ
るITOタ−ゲットを安定して製造し得るようにした
点」にも大きな特徴を有するものである。
成されたものであり、「構成成分として1〜15wt%の
酸化ゲルマニウムを含有すると共に、 密度D(g/cm3)と
バルク抵抗値ρ(mΩcm)が a) 5.50 ≦ D ≦ 7.23 , b) −0.333D+2.742 ≧ ρ ≧ −0.283D+2.057
,なる2つの式を同時に満たして成るところの“酸化
インジウムと酸化錫を主成分とした原料から粉末冶金法
にて製造されたITOタ−ゲット”を提供し、 可視光の
屈折率やその他の特性に優れるITO膜を優れた成膜速
度,成膜速度安定性,成膜操作安定性の下で形成し得る
ようにした点」を特徴としており、更には「酸化インジ
ウムと酸化錫を主成分とした原料から粉末冶金法によっ
てITOスパッタリングタ−ゲットを製造するに際し、
原料中にゲルマニウム成分を配合すると共に、 焼結を酸
素雰囲気中で実施することにより、 上記各種特性に優れ
るITOタ−ゲットを安定して製造し得るようにした
点」にも大きな特徴を有するものである。
【0013】なお、本発明においてITO焼結タ−ゲッ
ト中の酸化ゲルマニウム(GeO2 )含有割合、並びにI
TO焼結タ−ゲットの“密度D”及び“バルク抵抗値
ρ”を前記の如き範囲に限定したのは次の理由による。
ト中の酸化ゲルマニウム(GeO2 )含有割合、並びにI
TO焼結タ−ゲットの“密度D”及び“バルク抵抗値
ρ”を前記の如き範囲に限定したのは次の理由による。
【0014】まず、タ−ゲット中の酸化ゲルマニウム
(GeO2 )含有割合であるが、GeO2 含有率が1wt%未
満であるとスパッタリングにより形成されるITO膜の
屈折率増加効果が十分ではない。一方、GeO2 含有率が
15wt%を超えると、屈折率の増加効果は認められるも
のの、抵抗値の上昇が著しくなって好ましくない。従っ
て、タ−ゲット中のGeO2 含有率は1〜15wt%と定め
た。
(GeO2 )含有割合であるが、GeO2 含有率が1wt%未
満であるとスパッタリングにより形成されるITO膜の
屈折率増加効果が十分ではない。一方、GeO2 含有率が
15wt%を超えると、屈折率の増加効果は認められるも
のの、抵抗値の上昇が著しくなって好ましくない。従っ
て、タ−ゲット中のGeO2 含有率は1〜15wt%と定め
た。
【0015】また、ITO焼結タ−ゲットの密度Dは、
スパッタ時の成膜速度,成膜速度安定性,バルク抵抗値
と密接に関連するが、該密度が5.50g/cm3 を下回ると特
に成膜速度安定性が損なわれてスパッタの進行に伴い成
膜速度が低下する現象が目立つようになる。一方、7.23
g/cm3 を上回る領域にまでITO焼結タ−ゲットの密度
を上昇させることは「酸素雰囲気中焼結法」によっても
非常に困難で、コスト的な不利を招くことになる。従っ
て、ITO焼結タ−ゲットの密度は5.50〜7.23g/cm3 と
定めたが、実際的には6.70超〜7.23g/cm3 の範囲が好ま
しい領域と言える。
スパッタ時の成膜速度,成膜速度安定性,バルク抵抗値
と密接に関連するが、該密度が5.50g/cm3 を下回ると特
に成膜速度安定性が損なわれてスパッタの進行に伴い成
膜速度が低下する現象が目立つようになる。一方、7.23
g/cm3 を上回る領域にまでITO焼結タ−ゲットの密度
を上昇させることは「酸素雰囲気中焼結法」によっても
非常に困難で、コスト的な不利を招くことになる。従っ
て、ITO焼結タ−ゲットの密度は5.50〜7.23g/cm3 と
定めたが、実際的には6.70超〜7.23g/cm3 の範囲が好ま
しい領域と言える。
【0016】ITO焼結タ−ゲットのバルク抵抗値ρ
は、その密度Dに大きく依存する傾向があり、密度が高
くなると急激に低下する傾向を示す。そして、このバル
ク抵抗値が低い程スパッタ時におけるア−キングの発生
が少ないので好ましいが、密度5.50〜7.23g/cm3 の領域
で ρ < −0.283D+2.057 を達成することは「酸素雰囲気中焼結法」によっても非
常に困難である。一方、ITO焼結タ−ゲットのバルク
抵抗値ρが ρ > −0.333D+2.742 の領域になるとスパッタ時におけるア−キングの発生が
多くなって成膜操作の安定性が損なわれるばかりか、成
膜速度も不安定となってスパッタの進行に伴い成膜速度
が低下する現象が著しくなる。従って、ITO焼結タ−
ゲットのバルク抵抗値ρは −0.333D+2.742 ≧ ρ ≧−0.283D+2.057 の範囲と定めた。
は、その密度Dに大きく依存する傾向があり、密度が高
くなると急激に低下する傾向を示す。そして、このバル
ク抵抗値が低い程スパッタ時におけるア−キングの発生
が少ないので好ましいが、密度5.50〜7.23g/cm3 の領域
で ρ < −0.283D+2.057 を達成することは「酸素雰囲気中焼結法」によっても非
常に困難である。一方、ITO焼結タ−ゲットのバルク
抵抗値ρが ρ > −0.333D+2.742 の領域になるとスパッタ時におけるア−キングの発生が
多くなって成膜操作の安定性が損なわれるばかりか、成
膜速度も不安定となってスパッタの進行に伴い成膜速度
が低下する現象が著しくなる。従って、ITO焼結タ−
ゲットのバルク抵抗値ρは −0.333D+2.742 ≧ ρ ≧−0.283D+2.057 の範囲と定めた。
【0017】なお、本発明に係わるITO焼結タ−ゲッ
トの密度やバルク抵抗値の調整は、原料粉をプレス成形
する際のプレス圧,焼結時の雰囲気(酸素分圧),焼結
温度等を調節することによって可能である。
トの密度やバルク抵抗値の調整は、原料粉をプレス成形
する際のプレス圧,焼結時の雰囲気(酸素分圧),焼結
温度等を調節することによって可能である。
【0016】さて、本発明に係わるITO焼結タ−ゲッ
トは、常法の如く酸化インジウムと酸化錫を主成分とす
る粉末混合体をプレス成形し焼結してITOタ−ゲット
を製造する際、原料粉末混合体にゲルマニウム成分を配
合すると共に、焼結を“1気圧(絶対圧)以上の純酸素
ガス雰囲気", "O2 分圧が1気圧以上である混合ガス雰
囲気”等の酸素雰囲気中で行うことにより安定に製造す
ることができる。
トは、常法の如く酸化インジウムと酸化錫を主成分とす
る粉末混合体をプレス成形し焼結してITOタ−ゲット
を製造する際、原料粉末混合体にゲルマニウム成分を配
合すると共に、焼結を“1気圧(絶対圧)以上の純酸素
ガス雰囲気", "O2 分圧が1気圧以上である混合ガス雰
囲気”等の酸素雰囲気中で行うことにより安定に製造す
ることができる。
【0017】原料粉末混合体中に配合する「ゲルマニウ
ム成分」としては、酸化ゲルマニウム(GeO2)や金属ゲ
ルマニウム粉、或いはゲルマニウムの水酸化物,塩化物
等が使用できるが、GeO2 を用いた場合にはその配合割
合が実質的に“得られるITOタ−ゲット”のGeO2 含
有率となることから、GeO2 を使用することが好ましい
と言える。また、焼結は上記酸素雰囲気中にて行われる
が、好ましくは加圧酸素雰囲気中("1気圧を超える純酸
素ガス雰囲気”又は“O2 分圧が1気圧を超える混合ガ
ス雰囲気")で実施するのが良い。なぜなら、焼結を加圧
酸素雰囲気中で行うと得られるITOタ−ゲットのバル
ク抵抗値が一層低くなるからである。
ム成分」としては、酸化ゲルマニウム(GeO2)や金属ゲ
ルマニウム粉、或いはゲルマニウムの水酸化物,塩化物
等が使用できるが、GeO2 を用いた場合にはその配合割
合が実質的に“得られるITOタ−ゲット”のGeO2 含
有率となることから、GeO2 を使用することが好ましい
と言える。また、焼結は上記酸素雰囲気中にて行われる
が、好ましくは加圧酸素雰囲気中("1気圧を超える純酸
素ガス雰囲気”又は“O2 分圧が1気圧を超える混合ガ
ス雰囲気")で実施するのが良い。なぜなら、焼結を加圧
酸素雰囲気中で行うと得られるITOタ−ゲットのバル
ク抵抗値が一層低くなるからである。
【0018】焼結工程を上述のような酸素雰囲気とする
ことで性能の良好な上記製品が得られる理由は、現在の
ところ未だ明確ではない。しかし、「焼結をN2 やArの
如き不活性なガスの雰囲気中で実施した場合にはITO
の分解が生じて焼結体の密度や性能が低下する」との事
実と、大気中であってもITOは高温に加熱されると酸
素を解離し易い性質を有することから、焼結時の雰囲気
が酸素雰囲気であると高温加熱によるITOの解離が効
果的に防止されると共に、酸素が焼結助剤的な働きをし
て密度向上やバルク抵抗の低下等に寄与しているのでは
ないかと推測される。なお、酸素雰囲気中で実施される
焼結の加熱温度は従来の大気中焼結の場合と同様に16
00〜1700℃程度が適当であり、焼結時間は3時間
以上とするのが望ましい(焼結時間は長いほど好結果が
得られる)。
ことで性能の良好な上記製品が得られる理由は、現在の
ところ未だ明確ではない。しかし、「焼結をN2 やArの
如き不活性なガスの雰囲気中で実施した場合にはITO
の分解が生じて焼結体の密度や性能が低下する」との事
実と、大気中であってもITOは高温に加熱されると酸
素を解離し易い性質を有することから、焼結時の雰囲気
が酸素雰囲気であると高温加熱によるITOの解離が効
果的に防止されると共に、酸素が焼結助剤的な働きをし
て密度向上やバルク抵抗の低下等に寄与しているのでは
ないかと推測される。なお、酸素雰囲気中で実施される
焼結の加熱温度は従来の大気中焼結の場合と同様に16
00〜1700℃程度が適当であり、焼結時間は3時間
以上とするのが望ましい(焼結時間は長いほど好結果が
得られる)。
【0019】続いて、本発明を実施例により比較例と対
比しながら更に具体的に説明する。
比しながら更に具体的に説明する。
【実施例】まず、平均粒径が2μmの酸化インジウム
粉,酸化錫粉並びに酸化ゲルマニウム(GeO2 )粉を準
備し、重量比で90:10となるように酸化インジウム
粉と酸化錫粉とを複数組計り採ると共に、これに表1に
示す割合(GeO2 の揮発ロスを考慮して 1.3倍の添加量
とした)でGeO2 粉を配合し、均一に混合して原料粉末
混合体を作成した。
粉,酸化錫粉並びに酸化ゲルマニウム(GeO2 )粉を準
備し、重量比で90:10となるように酸化インジウム
粉と酸化錫粉とを複数組計り採ると共に、これに表1に
示す割合(GeO2 の揮発ロスを考慮して 1.3倍の添加量
とした)でGeO2 粉を配合し、均一に混合して原料粉末
混合体を作成した。
【0020】
【表1】
【0021】次に、各原料粉末混合体に成形用のバイン
ダ−を加えてから金型に充填し、油圧プレスにて750
kg/cm2の圧力で加圧した後、80℃に加熱してバインダ
−中の水分を蒸発させて乾燥した。引き続いて、これを
焼結炉に装入し、純酸素ガス雰囲気中にて1650℃で
9時間の焼結を行った。なお、加圧酸素雰囲気での焼結
は加圧焼結炉によって実施されたことは言うまでもな
い。このようにして得られた各焼結体の表面を平面研削
盤で削り、更に側辺をダイヤモンドカッタ−で切断して
タ−ゲット製品とした。なお、タ−ゲット中におけるGe
O2 含有率及び酸化インジウム,酸化錫の含有率は、原
料としての配合割合と同じ値であった。
ダ−を加えてから金型に充填し、油圧プレスにて750
kg/cm2の圧力で加圧した後、80℃に加熱してバインダ
−中の水分を蒸発させて乾燥した。引き続いて、これを
焼結炉に装入し、純酸素ガス雰囲気中にて1650℃で
9時間の焼結を行った。なお、加圧酸素雰囲気での焼結
は加圧焼結炉によって実施されたことは言うまでもな
い。このようにして得られた各焼結体の表面を平面研削
盤で削り、更に側辺をダイヤモンドカッタ−で切断して
タ−ゲット製品とした。なお、タ−ゲット中におけるGe
O2 含有率及び酸化インジウム,酸化錫の含有率は、原
料としての配合割合と同じ値であった。
【0022】次いで、これらタ−ゲットを用い、インラ
イン式スパッタリングマシンによって下記条件でITO
膜形成試験を実施し、得られた透明ITO膜の屈折率を
調査した。 スパッタパワ−: 1.2W/cm2, ガス圧:5×10-3Torr, O2 組成:1%。
イン式スパッタリングマシンによって下記条件でITO
膜形成試験を実施し、得られた透明ITO膜の屈折率を
調査した。 スパッタパワ−: 1.2W/cm2, ガス圧:5×10-3Torr, O2 組成:1%。
【0023】一方、比較として、従来の「コ−ルドプレ
ス大気焼結ITOタ−ゲット」並びに「ホットプレスI
TOタ−ゲット」についても同様条件での試験を行っ
た。なお、比較例で使用した「コ−ルドプレス大気焼結
ITOタ−ゲット」及び「ホットプレスITOタ−ゲッ
ト」は次のように作成されたものであった。コ−ルドプレス大気焼結ITOタ−ゲット(比較品) まず、金型に充填した原料混合粉を油圧プレスにて75
0kg/cm2の圧力で加圧してからこれを80℃に加熱して
バインダ−中の水分を蒸発させて乾燥し、続いて大気中
において1650℃で9時間焼結する。次に、得られた
焼結体の表面を平面研削盤で削り、側辺をダイヤモンド
カッタ−で切断してタ−ゲット製品とする。ホットプレスITOタ−ゲット(比較品) グラファイト型へ80℃に加熱し乾燥後冷却した原料混
合粉を充填し、Ar雰囲気中にて加圧力:300kg/cm2,
加熱温度:900℃,加圧加熱時間:1時間なる条件で
ホットプレスして焼結を実施する。次に、得られた焼結
体の表面を平面研削盤で削り、更に側辺をダイヤモンド
カッタ−で切断してタ−ゲット製品とする。
ス大気焼結ITOタ−ゲット」並びに「ホットプレスI
TOタ−ゲット」についても同様条件での試験を行っ
た。なお、比較例で使用した「コ−ルドプレス大気焼結
ITOタ−ゲット」及び「ホットプレスITOタ−ゲッ
ト」は次のように作成されたものであった。コ−ルドプレス大気焼結ITOタ−ゲット(比較品) まず、金型に充填した原料混合粉を油圧プレスにて75
0kg/cm2の圧力で加圧してからこれを80℃に加熱して
バインダ−中の水分を蒸発させて乾燥し、続いて大気中
において1650℃で9時間焼結する。次に、得られた
焼結体の表面を平面研削盤で削り、側辺をダイヤモンド
カッタ−で切断してタ−ゲット製品とする。ホットプレスITOタ−ゲット(比較品) グラファイト型へ80℃に加熱し乾燥後冷却した原料混
合粉を充填し、Ar雰囲気中にて加圧力:300kg/cm2,
加熱温度:900℃,加圧加熱時間:1時間なる条件で
ホットプレスして焼結を実施する。次に、得られた焼結
体の表面を平面研削盤で削り、更に側辺をダイヤモンド
カッタ−で切断してタ−ゲット製品とする。
【0024】上記「ITO膜の屈折率」に関する調査結
果を、使用したITOタ−ゲットの「密度」及び「バル
ク抵抗値」の調査結果と共に前記表1に併記した。表1
に示される結果からも、本発明法によると従来品を上回
る高い密度を有していてバルク抵抗値の低いGeO2 含有
ITO焼結タ−ゲットを得ることができ、しかも本発明
に係わる上記ITOタ−ゲットを使用することによって
高い屈折率を有した透明ITO膜の形成が叶うことを確
認できる。
果を、使用したITOタ−ゲットの「密度」及び「バル
ク抵抗値」の調査結果と共に前記表1に併記した。表1
に示される結果からも、本発明法によると従来品を上回
る高い密度を有していてバルク抵抗値の低いGeO2 含有
ITO焼結タ−ゲットを得ることができ、しかも本発明
に係わる上記ITOタ−ゲットを使用することによって
高い屈折率を有した透明ITO膜の形成が叶うことを確
認できる。
【0025】なお、この実施例にて行われたITO膜形
成試験により、本発明に係わるITOタ−ゲットを使用
した場合には、安定した操業下で上述のように優れた性
能の透明ITO膜が速やかに形成されたのに対して、比
較例7及び8に係わるITOタ−ゲット(従来品)で
は、何れもスパッタの進行につれて成膜速度が著しく低
下する現象が見られたばかりか、スパッタ時にア−キン
グが頻発して操業が不安定化する傾向が認められた。
成試験により、本発明に係わるITOタ−ゲットを使用
した場合には、安定した操業下で上述のように優れた性
能の透明ITO膜が速やかに形成されたのに対して、比
較例7及び8に係わるITOタ−ゲット(従来品)で
は、何れもスパッタの進行につれて成膜速度が著しく低
下する現象が見られたばかりか、スパッタ時にア−キン
グが頻発して操業が不安定化する傾向が認められた。
【0026】ところで、図1及び図2は、本発明例6及
び比較例7に係わる各ITO焼結タ−ゲットを用い、前
述した条件でスパッタリング試験を行った際の各スパッ
タリング経過時間における「成膜速度(付着速度)」及
び「形成されたITO膜の比抵抗」の動向を調査した結
果をまとめたものであるが、この図1及び図2に示され
る結果からも、「本発明に係わるタ−ゲット」を使用し
た場合にはスパッタを長時間継続しても成膜速度或いは
膜の比抵抗がほぼ一定で安定することが確認できる。
び比較例7に係わる各ITO焼結タ−ゲットを用い、前
述した条件でスパッタリング試験を行った際の各スパッ
タリング経過時間における「成膜速度(付着速度)」及
び「形成されたITO膜の比抵抗」の動向を調査した結
果をまとめたものであるが、この図1及び図2に示され
る結果からも、「本発明に係わるタ−ゲット」を使用し
た場合にはスパッタを長時間継続しても成膜速度或いは
膜の比抵抗がほぼ一定で安定することが確認できる。
【0027】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、抵抗値が低い上に屈折率の高いITO透明導電膜を
基板上に能率良く安定形成できるところの、スパッタ性
能の優れた安価なITO焼結タ−ゲットを提供すること
が可能となり、これを電極とする太陽電池や画像ディス
プレイ装置等の著しい性能向上,消費電力低減等が達成
されるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
ば、抵抗値が低い上に屈折率の高いITO透明導電膜を
基板上に能率良く安定形成できるところの、スパッタ性
能の優れた安価なITO焼結タ−ゲットを提供すること
が可能となり、これを電極とする太陽電池や画像ディス
プレイ装置等の著しい性能向上,消費電力低減等が達成
されるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図1】実施例と比較例に係わるITO焼結タ−ゲット
の「スパッタリング経過時間に対する成膜速度(付着速
度)の動向」を示したグラフである。
の「スパッタリング経過時間に対する成膜速度(付着速
度)の動向」を示したグラフである。
【図2】実施例と比較例に係わるITO焼結タ−ゲット
の「スパッタリング経過時間に対する形成ITO膜の抵
抗率動向」を示したグラフである。
の「スパッタリング経過時間に対する形成ITO膜の抵
抗率動向」を示したグラフである。
Claims (3)
- 【請求項1】 酸化インジウムと酸化錫を主成分とした
原料から粉末冶金法にて製造されたITOスパッタリン
グタ−ゲットであって、1〜15wt%の酸化ゲルマニウ
ムを含有すると共に、密度D(g/cm3)とバルク抵抗値ρ
(mΩcm)が下記2つの式を同時に満たして成るITOス
パッタリングタ−ゲット。 a) 5.50 ≦ D ≦ 7.23 , b) −0.333D+2.742 ≧ ρ ≧ −0.283D+2.057
。 - 【請求項2】 酸化インジウムと酸化錫を主成分とした
原料から粉末冶金法によってITOスパッタリングタ−
ゲットを製造するに際し、原料中にゲルマニウム成分を
配合すると共に、焼結を酸素雰囲気中で実施することを
特徴とする、1〜15wt%の酸化ゲルマニウムを含み、
かつ密度D(g/cm3)とバルク抵抗値ρ(mΩcm)が下記2
つの式を同時に満たして成るITOスパッタリングタ−
ゲットの製造方法。 a) 5.50 ≦ D ≦ 7.23 , b) −0.333D+2.742 ≧ ρ ≧ −0.283D+2.057
。 - 【請求項3】 焼結雰囲気を加圧酸素雰囲気中で実施す
る、請求項2に記載のITOスパッタリングタ−ゲット
の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3289191A JPH0598436A (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | Itoスパツタリングタ−ゲツト及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3289191A JPH0598436A (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | Itoスパツタリングタ−ゲツト及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0598436A true JPH0598436A (ja) | 1993-04-20 |
Family
ID=17739955
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3289191A Pending JPH0598436A (ja) | 1991-10-08 | 1991-10-08 | Itoスパツタリングタ−ゲツト及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0598436A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003012965A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-01-15 | Catalysts & Chem Ind Co Ltd | 透明低反射導電性被膜形成用塗布液、透明低反射導電性被膜付基材および表示装置 |
EP2327673A1 (en) * | 2008-09-25 | 2011-06-01 | JX Nippon Mining & Metals Corporation | Oxide sintered compact for producing transparent conductive film |
US9028726B2 (en) | 2008-09-25 | 2015-05-12 | Jx Nippon Mining & Metals Corporation | Oxide sintered compact for producing transparent conductive film |
CN107130217A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-09-05 | 安徽拓吉泰新型陶瓷科技有限公司 | 一种低成本、高密度ito靶材的制备方法 |
-
1991
- 1991-10-08 JP JP3289191A patent/JPH0598436A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003012965A (ja) * | 2001-06-27 | 2003-01-15 | Catalysts & Chem Ind Co Ltd | 透明低反射導電性被膜形成用塗布液、透明低反射導電性被膜付基材および表示装置 |
EP2327673A1 (en) * | 2008-09-25 | 2011-06-01 | JX Nippon Mining & Metals Corporation | Oxide sintered compact for producing transparent conductive film |
EP2327673A4 (en) * | 2008-09-25 | 2012-05-23 | Jx Nippon Mining & Metals Corp | OXIDE-BASED SINK TABLE FOR THE MANUFACTURE OF TRANSPARENT CONDUCTIVE FILM |
US9028726B2 (en) | 2008-09-25 | 2015-05-12 | Jx Nippon Mining & Metals Corporation | Oxide sintered compact for producing transparent conductive film |
CN107130217A (zh) * | 2017-06-01 | 2017-09-05 | 安徽拓吉泰新型陶瓷科技有限公司 | 一种低成本、高密度ito靶材的制备方法 |
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