JPH0597775A - 有機カーボネートの製造法 - Google Patents

有機カーボネートの製造法

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JPH0597775A
JPH0597775A JP4078097A JP7809792A JPH0597775A JP H0597775 A JPH0597775 A JP H0597775A JP 4078097 A JP4078097 A JP 4078097A JP 7809792 A JP7809792 A JP 7809792A JP H0597775 A JPH0597775 A JP H0597775A
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Terry E Krafft
テリー・エドワード・クラフト
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Abstract

(57)【要約】 フェノールのような有機ヒドロキシ化合物と一酸化炭素
及び酸素とを、第4級アンモニウム塩、コバルトジアセ
テートのような無機助触媒及びベンゾフェノン又は1,
10−フェナントロリンのような有機助触媒と組合せて
使用されるパラジウム物質の形のパラジウム触媒の有効
量の存在下で反応させることによる着色体を含まないジ
フェニルカーボネートのような有機カーボネートの製造
法が提供される。触媒有価物の再循環も達成されさる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフェノールのような有機
ヒドロキシ化合物と一酸化炭素及び酸素とを、パラジウ
ム触媒、第4級アンモニウム塩及びコバルト塩のような
金属物質及びベンゾフェノンのような有機物質の助触媒
の存在下で反応させることによる有機カーボネートの製
造法に関する。特に本発明は触媒の有価物の再循環のた
めの一手段を提供しかつ特定の有機助触媒成分の分解か
らもたらされる着色体の生成を最小限に抑制するジフェ
ニルカーボネートの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】J.E.BackvallらはJ.Am.Chem.Soc.,1987,
109,4750-4752 における彼等の報文“Biomimetic Aerob
ic 1,4-Oxidation of 1,3-Dienes Catalyzed by Cobalt
Tetraphenylporphyrin-Hydroquinone-Palladium(I
I)、An Example of Triple Catalysis”中で、酸化反
応において触媒的電子伝達体としてp−ベンゾキノン−
ハイドロキノンを用いる大環状金属錯体の使用及び共役
ジエンのパラジウム触媒による酸化を示している。ま
た、T.C.T.Chang は米国特許出願SN.07/607,
773号明細書において、有機ヒドロキシ化合物を一酸
化炭素及び酸素ならびに元素態又は化学的に結合された
パラジウム、コバルト、テトラアルキルアンモニウムハ
ライド及び少なくとも一種のキノン、芳香族ジオール還
元生成物又はそれらの混合物の形の触媒を使用する有機
カーボネートの製造法を示している。T.C.T.Chang はま
た米国特許出願SN.217,248号明細書(198
8年11月7日出願)において、前記米国特許出願S
N.07/607,773号明細書に示したと同様の、
ただし化学的に結合されたコバルトの代りに二価又は三
価のマンガンを使用した方法を用いて有機カーボネート
を製造する方法を示している。
【0003】米国特許出願SN.07/503,404
号明細書(1990年2月4日出願)には、フェノール
のような有機ヒドロキシ化合物、一酸化炭素及び酸素を
有効量のパラジウム触媒及び乾燥剤としての二酸化炭素
の存在下で反応させる有機カーボネートの製造法が記載
されている。この米国特許出願明細書に教示されている
ごとく、酢酸パラジウム(II)のようなパラジウム触媒
と組合せて、テトラアルキルアンモニウムハライド及び
少なくとも一種のキノン及び該キノンの還元によって形
成される芳香族ジオール又はそれらの混合物を使用し得
る。さらに、マンガン又はコバルト助触媒も使用し得
る。
【0004】有機カーボネートの製造のための前述した
方法は有毒なかつ刺激性のガスであるホスゲンの使用を
必要としない点で重要なものであるが、これまでの経験
では、触媒の有価物の再循環及び/又は着色体を含まな
い有機カーボネートの回収がしばしば達成不可能である
ことが認められている。ハイドロキノンのようなキノン
の使用は触媒の失活を生起すると考えられる。有機カー
ボネートの分離後に不純物を含まない触媒の有価物を再
循環する試みはカルボニル化の間にキノンの分解が生起
するので困難をもたらす。したがって、着色体を含まな
い生成物を簡単な手段で回収するとともに触媒の有価物
の再循環を達成し得る。ホスゲンを使用しない有機カー
ボネートの製造法を提供することが望ましいであろう。
【0005】
【発明の概要】本発明は、有機ヒドロキシ化合物をパラ
ジウム触媒の存在下で接触酸化して有機カーボネートを
製造する際、酸化−還元的電子移動を仲介するベンゾキ
ノン又はハイドロキノンのようなキノンをベンゾフェノ
ン又はメチルフェニルケトンのようなケトン又はアント
ラセンのような芳香族多環式コールタール炭化水素で置
換する場合に、有機ヒドロキシ化合物のカルボニル化
を、触媒有価物の再循環ならびに着色体を実質的に含ま
ない有機カーボネートの回収の達成を伴って、満足に遂
行し得るとの知見に基づくものである。
【0006】したがって、本発明は、つぎの工程: (1)有機ヒドロキシ化合物と一酸化炭素及び酸素の混
合物とを、約50℃ないし約170℃の温度及び約10
0psi ないし約5000psi の圧力下で、つぎの成分: (a)パラジウム物質、(b)第4級アンモニウム塩、
(c)コバルト、鉄、セリウム、マンガン、モリブデ
ン、サマリウム、バナジウム、クロム及び銅からなる金
属群又は金属化合物群から選んだ金属助触媒物質、及び
(d)芳香族ケトン、脂肪族ケトン及び芳香族多環式コ
ールタール炭化水素からなる物質群から選んだ有機助触
媒、を含有してなるカルボニル化触媒として有効なパラ
ジウム触媒の触媒量の存在下で接触させ; (2)工程(1)の混合物を少なくとも約45℃の温度
及び少なくとも約1トルの圧力下で蒸留して有機ヒドロ
キシ化合物を除去せしめ; (3)工程(2)の混合物を少なくとも約120℃の温
度及び少なくとも約1トルの圧力下で蒸留して着色体を
含まない有機カーボネートを回収し;そして (4)工程(3)の残渣からパラジウム助触媒系の有価
物を回収する;工程からなる有機カーボネートの製造法
を提供する。
【0007】
【発明の詳細な開示】本発明の実施に有用なパラジウム
物質又は触媒は元素態であることができ、あるいはパラ
ジウム化合物として使用することができる。したがっ
て、炭素のような不活性担体上に沈着されたパラジウム
黒、金属又は非晶質パラジウム又はパラジウム化合物な
らびにたとえばハライド、硝酸塩、カルボン酸塩のよう
なパラジウム化合物又は一酸化炭素、アミン、ホスフィ
ン又はオレフィンのような化合物を含むパラジウムの錯
体を使用し得る。好ましいパラジウム化合物はC2-6
肪族酸とのカルボン酸塩を包含する有機酸のパラジウム
(II)塩である。酢酸パラジウム(II)が特に好まし
い。使用し得るテトラアルキルアンモニウムハライドは
テトラアルキルアンモニウムクロライド及びブロマイ
ド、好ましくはブロマイドである。テトラアルキルアン
モニウムハライドのアルキル基は第1級及び第2級アル
キル基であることができかつ1−8個の炭素原子を有し
得る。テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド、テ
トラメチルアンモニウムブロマイド及びテトラエチルア
ンモニウムブロマイドが特に好ましい。
【0008】使用し得る金属助触媒物質はコバルト化合
物及びマンガン化合物を包含する。これらの化合物は二
価又は三価であることができかつそれらはハライド及び
カルボキシレートのような塩及びアミン、ホスフィン、
ジケトン及び一酸化炭素との錯体を包含し得る。酢酸コ
バルト(II)が特に好ましい。コバルト及びマンガンの
ほかに、フェロセン及び塩化第二鉄のような鉄塩、酢酸
銅、臭化銅、銅アセトアセトネートのような銅塩及び塩
化セリウム(III )、臭化セリウム及び酢酸セリウムの
ようなセリウム塩を使用し得る。
【0009】有機助触媒はベンゾフェノン、アセトフェ
ノン及び2−メトキシアセトフェノンのような芳香族ケ
トン及びメチルイソブチルケトン(MIBK)のような
脂肪族ケトン及び芳香族多環式コールタール炭化水素、
たとえばアントラセン、ピレン、クリセン、フェナント
レン、1,10−フェナントロリン及びナフタセンを包
含する。
【0010】本発明の実施に使用される有機ヒドロキシ
化合物は脂肪族、脂環族及び芳香族モノヒドロキシ又は
ポリヒドロキシ化合物、たとえばメタノール、エタノー
ル、ブタノール、シクロヘキサノール、フェノール、ク
レゾール、キシレノール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、レゾルシノール、ハイドロキノン及び
ビスフェノール−Aから選択し得る。芳香族ヒドロキシ
化合物が好ましく、フェノールが特に好ましい。
【0011】パラジウムは有機ヒドロキシ化合物200
−20,000モル当り約1g原子のPdに相当する量で
使用し得る。金属助触媒、たとえばコバルト又はマンガ
ンはパラジウム1g原子当り金属助触媒約0.1−5g
原子の割合で使用し得る。テトラアルキルアンモニウム
ハライドはパラジウム1g原子当りテトラアルキルアン
モニウムハライド約0.01−100モルを与えるに足
る量でカルボニル化混合物中に使用し得る。ベンゾフェ
ノンのような有機助触媒はパラジウム1g原子当り有機
助触媒0.01−50モルを与えるに足る量で使用し得
る。
【0012】前述した成分に加えて、二酸化炭素のよう
な乾燥剤を使用することができ、かゝる乾燥剤は有機ヒ
ドロキシ化合物1モル当り約0.01ないし約50モル
の二酸化炭素を与えるに足る量で使用し得る。二酸化炭
素のほかに、分子篩(モレキュラーシーブ)も乾燥剤と
して使用することができる。本発明の好ましい実施態様
においては、まず有機ヒドロキシ化合物、一酸化炭素及
び酸素含有ガス、たとえば空気又は酸素、ならびに触媒
成分、たとえばパラジウム触媒物質、第4級アンモニウ
ム塩、金属助触媒及び有機助触媒を、適当な乾燥剤を用
い又は用いることなしに、反応器中に導入し得る。これ
らの種々の成分間の接触はさきに述べたごとき高圧及び
高温で行なうことができる。一酸化炭素及び酸素の分圧
は少なくとも約50psi ないし3000psi であること
ができ、好ましい分圧はそれぞれ約500ないし200
0及び約50ないし300psiの範囲である。
【0013】二酸化炭素を乾燥剤として使用する場合に
は、周囲条件下で有機ヒドロキシ化合物1モル当り約
0.01−50モルの二酸化炭素を使用し得る。ある場
合には、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、デカ
ン、トルエン及びキシレンのような脂肪族、脂環族及び
芳香族炭化水素;アセトニトリル;塩化メチレン、クロ
ロホルム及びクロルベンゼンのようなハロゲン化炭化水
素;ジフェニルエーテル、ジグリム及びジオキサンのよ
うなエーテル;ジメチルホルムアミド;及び酢酸エチル
及びギ酸メチルのようなエステルを包含する溶剤を反応
に使用し得る。二酸化炭素のほかに、活性アルミナ、硫
酸カルシウム、塩化カルシウム、無水の炭素又は木炭及
び分子篩のような他の乾燥剤を使用し得る。
【0014】反応の終了時に、フェノールのような残存
する有機ヒドロキシ化合物を1トルないし大気圧の圧力
における蒸留によって容易に除去することができる。フ
ェノールを使用する場合には、55℃ないし125℃の
温度で1トルないし15トルの圧力を使用することが好
ましい。着色体を含まない有機カーボネートの回収は、
ジフェニルカーボネートを蒸留する場合には、約1トル
ないし大気圧の圧力、好ましくは15トルないし45ト
ルの圧力で達成し得る。120℃ないし325℃の範
囲、好ましくは155℃ないし302℃の範囲の温度を
使用し得る。
【0015】パラジウム触媒及び助触媒成分の再循環は
その後に蒸留残渣から行ない得る。
【0016】
【実施例の記載】つぎに、本発明を当業者によりよく実
施せしめ得るように、実施例をあげて本発明をさらに説
明するが、これらの実施例は何等本発明を限定するもの
ではない。実施例中、すべての部は重量部である。実施例1 フェノール50.0g(0.531モル)、テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド(TBAB)1.50g
(4.65ミリモル)、パラジウムジアセテート(Pd
(OAc )2 )0.050g(0.222ミリモル)、コ
バルトジアセテート(Co(OAc )2 )0.035g
(0.198ミリモル)及びベンゾフェノン0.750
g(4.12ミリモル)を反応器に添加する。この反応
器を密閉しそして漏洩試験のために900psi のCO2
装入し、ついで大気圧まで排気する。ついで、この反応
器を2×1500psi のCOでフラッシュしてからCOで2
100psi まで加圧し(高圧漏洩試験)、そして大気圧
まで排気する。この反応器をさらに4×1500psi の
2 でフラッシュ処理する。4回目の酸素によるパージ
処理の終りに、反応器中の酸素雰囲気を300psigまで
減少させる。ついで、この酸素雰囲気に400psi のCO
2 及び900psi のCOを添加する。ついでこの反応器を
100℃まで加熱する。ジフェニルカーボネートの生成
量を測定するために予定された時点で試料を採取する。
各試料採取の後、反応器雰囲気を1000psi (Pt)
まで排気し、ついで200psi のO2 及び700psi の
COを添加することによって再活性化する。5時間後、ガ
スクロマトグラフィー(GC)に基づいて11.36%
のジフェニルカーボネートを含む褐色混合物が得られ
る。
【0017】この反応溶液を100℃、15トルで蒸留
してフェノールの除去を達成する。ついで、残渣を16
0−165℃、15トルで蒸留してジフェニルカーボネ
ートを回収する。実質的に白色のジフェニルカーボネー
トを6−9%の収率で得る。反応混合物を1トルで15
0℃の温度に達するまで約3時間真空蒸留した後、暗色
の固体金属残渣を得る。これをセラミック容器中に装入
して空気中で700℃に16時間加熱する。この残渣の
元素分析は該残渣が約32重量%のパラジウム及び約1
3重量%のコバルトを含有することを示す。この残渣を
微粉末状に機械的に粉砕して活性カルボニル化触媒を製
造する。実施例2 実施例1の方法に従って、フェノール50.0g(0.
531モル)、TBAB1.30g(4.04ミリモ
ル)、Pd(OAc 2 0.035g(0.156ミリモ
ル)、フェロセン0.035mg(0.188ミリモル)
及びベンゾフェノン0.275g(2.54ミリモル)
を反応器中に添加する。反応器を密閉し、それに900
psi のCO2 を装入して漏洩をチェックし、ついで大気圧
まで排気する。この反応器を2×1500psi のCOでフ
ラッシュ処理し、ついでCOで2100psi まで加圧しそ
して再び大気圧まで排気する。さらにこの反応器を4×
1500psi のO2 でフラッシュ処理し、4回目の酸素
パージ処理の終了時に反応器中の酸素雰囲気を300ps
igまで減少させる。この反応器に400psi のCO2 及び
900psi のCOを添加する。この反応器を100℃まで
加熱する。試料を周期的に採取し、各試料採取後に該雰
囲気を1000psi (Pt)まで排気し、ついでO
2 (200psi )及びCO(700psi)を添加すること
によって再活性化する。2時間目の試料採取後にフェノ
ールに基づいて着色したジフェニルカーボネート4.3
4%が得られる。反応溶液を100℃、15トルで蒸留
してフェノールを除去する。この残渣をついで160−
165℃、15トルで蒸留してジフェニルカーボネート
を回収する。実質的に純粋なジフェニルカーボネートが
2−4%の収率で得られる。実施例1の方法を使用して
活性パラジウム触媒有価物の回収を達成する。実施例3 実施例1の方法に従って、フェノール50.0g(0.
531モル)、TBAB1.5g(4.65ミリモ
ル)、Pd(OAc )2 0.060g(0.267ミリモ
ル)、Co(OAc )2 0.045g(0.254ミリモ
ル)及びアントラセン0.400g(2.24ミリモ
ル)を反応器に添加する。反応器を密閉しそしてCO 2
00psi を装入し、漏洩をチェックし、ついで大気圧ま
で排気する。この反応器を2×1500psi のCOでフラ
ッシュ処理し、ついでCOで2100psi まで加圧(高圧
漏洩試験)した後に大気圧まで再び排気する。この反応
器を4×1500psi のO2 でフラッシュ処理し、4回
目の酸素パージ処理工程の終了時に反応器中の酸素雰囲
気を300psi まで減少させる。この酸素雰囲気に40
0psiのCO2 及び900psi のCOを添加する。この反応
器を100℃まで加熱する。ジフェニルカーボネートの
生成量を測定するために、予定された時点で試料を採取
する。各試料採取の後、反応器の雰囲気を該雰囲気を1
000psi (Pt)まで排気し、ついでO2 (200ps
i )及びCO(700psi )を添加することによって再活
性化する。6時間の反応後、赤褐色のジフェニルカーボ
ネートを10.75%の収率で得る。ついで、反応溶液
を90−105℃、15トルで蒸留してフェノールを除
去する。ついで蒸留残渣を160−165℃、15トル
で蒸留してジフェニルカーボネートを回収する。実質的
に白色のジフェニルカーボネートが7−10%の収率で
得られる。実施例1の方法を使用して活性触媒有価物の
回収を達成する。実施例4 CO2 900psi を反応器に装入して漏洩をチェックし、
ついで大気圧まで排気する。この反応器にはフェノール
50.0g(0.531モル)、TBAB1.50g
(4.65ミリモル)、Pd(OAc )2 0.55g(0.
245ミリモル)、Co(OAc )2 0.040g(0.2
26ミリモル)及び2′−メトキシアセトフェノン0.
340g(2.02ミリモル)が含まれている。つい
で、この反応器を2×1500psi のCOでフラッシュ処
理し、ついでCOで2100psi まで加圧(高圧漏洩試
験)した後に再び大気圧まで排気する。この反応器を4
×1500psi のO2 でフラッシュ処理し、4回目の酸
素パージ工程の終了時に反応器中の酸素雰囲気を300
psi まで減少させる。この酸素雰囲気に400psi のCO
2 及び900psi のCOを添加しそして反応器を100℃
まで加熱する。ジフェニルエーテルの生成量を測定する
ために予定された時点で試料を採取する。各試料採取の
後、この反応器の雰囲気を該雰囲気を1000psi (P
t)まで排気し、ついで200psi のO2 及び700ps
i のCOを添加することによって再活性化する。6時間
後、赤褐色のジフェニルカーボネート生成物が10.7
5重量%の収率で得られる。
【0018】この反応容器を90−105℃、15トル
で蒸留してフェノールを除去する。ついで、その残渣を
160−165℃、15トルで蒸留してジフェニルカー
ボネートを回収する。実質的に白色のジフェニルカーボ
ネートが7−10%の収率で得られる。実施例1の方法
を使用して活性触媒有価物の回収を達成する。実施例5 フェノール50.0g(0.531モル)、TBAB
1.50g(4.65ミリモル)、Pd(OAc )2 0.0
45g(0.200ミリモル)、無水二塩化セリウム
0.050g(0.203ミリモル)及びベンゾフェノ
ン0.300g(2.78ミリモル)をオートクレーブ
中に装入する。この反応器を密閉し、900psi のCO2
を装入して漏洩をチェックし、ついで大気圧まで排気す
る。ついで、この反応器を2×1500psi のCOでフラ
ッシュ処理し、ついでCOで2100psi まで加圧(高圧
漏洩試験)した後に再び大気圧まで排気する。この反応
器を4×1500psi のO2 でフラッシュ処理しそして
4回目の酸素パージ工程の終了時に反応器中の酸素雰囲
気を300psigまで減少させる。この酸素雰囲気に40
0psi のCO2 及び900psi のO2 を添加する。この反
応器を100℃まで加熱する。ジフェニルカーボネート
の生成をモニターするために反応器から周期的に試料を
採取する。各試料採取の後、反応器の雰囲気を1000
psi (Pt)まで排気し、ついで200psi のO2 及び
700psiのCOを添加することによって再活性化する。
5時間後に褐色のジフェニルカーボネートが3.26%
の収率で得られた。
【0019】この反応溶液を90−105℃、15トル
で蒸留してフェノールを除去する。ついで、その残渣を
160−165℃、15トルで蒸留してジフェニルカー
ボネートを回収する。実質的に白色のジフェニルカーボ
ネートが1−3%の収率で得られる。実施例1の方法に
従って、この蒸留残渣から活性金属触媒有価物を回収す
る。実施例6 フェノール35.0g(0.372モル)、TBAB
1.14g(3.54ミリモル)、Pd(OAc )2 0.0
28g(0.125ミリモル)、Co(OAc )2 0.01
8g(0.102ミリモル)、メチルイソブチルケトン
(MIBK)2.00g(19.97ミリモル)及び2
−メトキシエチルエーテル(ジグリム)35g(261
ミリモル)をオートクレーブに導入する。この反応器を
密閉し、900psi のCO2 を装入して漏洩をチェック
し、ついで大気圧まで排気する。この反応器を2×15
00psi のCOでフラッシュ処理し、ついでCOで2100
psi まで加圧(高圧漏洩試験)してから反応器を再び大
気圧まで排気する。この反応器を4×1500psi のO
2 でフラッシュ処理しそして4回目の酸素パージ工程の
終了時に反応器中の酸素雰囲気を300psigまで減少さ
せる。この酸素雰囲気に400psi のCO2 及び900ps
i のCOを添加する。この反応器を100℃まで加熱す
る。ジフェニルカーボネートの生成量を測定するため
に、反応混合物の試料を予定された時点で採取する。各
試料採取の後、反応器雰囲気を1000psi (Pt)ま
で排気し、ついで200psi のO2 及び700psi のCO
を添加することによって再活性化する。5時間の反応の
後、赤褐色のジフェニルカーボネートが11.41%の
収率で得られる。この反応溶液を95−100℃、15
トルで蒸留してフェノールを除去する。その残渣をつい
で155−165℃、15トルで蒸留してジフェニルカ
ーボネートを回収する。実質的に白色のジフェニルカー
ボネートが6−10%の収率で得られる。実施例1の方
法に従ってこの留出残渣から活性金属触媒有価物を回収
する。実施例7 フェノール(50.2g;0.533モル)、ジフェニ
ルエーテル(DPE、6.710g;39.4ミリモ
ル)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(TBA
B、1.720g;5.34ミリモル)、ベンゾフェノ
ン(0.325g;3.01ミリモル)、実施例1から
回収されたパラジウム触媒38mg及びCo(OAc )2 (2
7mg;0.153ミリモル)を容量300mlの登録商標
パル(Parr)型の攪拌されている耐圧反応器(オートク
レーブ)に室温で添加する。この反応器を密閉しそして
該混合物の上記内部雰囲気を4×400psi のガス状二
酸化炭素(CO2 )でパージ−交換し、ついでO2 (40
0psi )、CO2 (400psi )及びCO(800psi )を
装入して1600psi の全圧を得る。加圧後、この反応
器を100℃まで加熱する。反応溶液をほゞ540−5
50rpm で攪拌して反応混合物中に効率的な通気を確保
する。ジフェニルカーボネートの生成量を測定するため
に反応混合物の試料を周期的に採取してガスクロマトグ
ラフィーにより分析する。反応雰囲気は反応器内を10
00psi まで排気し、ついでO2(300psi )及びCO
(600psi )を再装入することによって周期的に再活
性化する。この再活性化工程及びガスクロマトグラフ分
析はつぎの時点で、すなわち0.5,1.0,2.0,
3.0(再活性化処理は行なわない)及び4.0時間後
に行なう。この反応溶液は最初の2時間の間は0.75
%未満のジフェニルカーボネートの生成率を示すのみで
ある。3時間の時点までに、ジフェニルカーボネートの
収量は0.866g(1.5%)に上昇する。4時間の
時点では、ジフェニルカーボネートの収量は1.79g
(3.1%)である。反応の終了時点(5時間)まで
に、ジフェニルカーボネートの収量は3.58g(6.
2%)に達した。ジフェニルカーボネートの回収は実施
例1の方法に従って行なう。
【0020】上述した実施例は本発明の方法の実施に使
用し得るきわめて多数の変形のうちの若干の例を示した
ものであるが、本発明はこれらの実施例に先立つ詳細な
開示中に示したごとき著しくより広範な実施態様、たと
えばフェロセンのような無機助触媒及びアントラセンの
ような有機助触媒の使用、を包含するものであることは
勿論である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 テリー・エドワード・クラフト アメリカ合衆国、コロラド州、ロングモン ト、パークレーン・ロード、7456番 (72)発明者 ゲーリー・レイ・フアラー アメリカ合衆国、ニユーヨーク州、スコテ イア、エス・テイー・ステフアンス・レー ン、34番

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎの工程: (1)有機ビドロキシ化合物と一酸化炭素及び酸素の混
    合物とを、約50℃ないし約170℃の温度及び約10
    0psi ないし約3000psi の圧力下で、つぎの成分: (a)パラジウム物質、 (b)第4級アンモニウム塩、 (c)コバルト、鉄、セリウム、マンガン、モリブデ
    ン、サマリウム、バナジウム、クロム及び銅からなる金
    属群又は金属化合物群から選んだ金属助触媒物質、及び (d)芳香族ケトン、脂肪族ケトン及び芳香族多環式コ
    ールタール炭化水素からなる群の一員から選んだ有機助
    触媒、を含有してなるパラジウム触媒の存在下で、接触
    させ; (2)工程(1)の混合物を少なくとも約45℃の温度
    及び少なくとも約1トルの圧力下で蒸留して有機ヒドロ
    キシ化合物を除去せしめ; (3)工程(2)の混合物を少なくとも約120℃の温
    度及び少なくとも約1トルの圧力下で蒸留して着色体を
    含まない有機カーボネートを回収し;そして (4)工程(3)の残渣からパラジウム助触媒系の有価
    物を回収する;工程からなる有機カーボネートの製造
    法。
  2. 【請求項2】 有機ヒドロキシ化合物がフェノールであ
    る請求項1記載の有機カーボネートの製造法。
  3. 【請求項3】 パラジウム触媒が酢酸パラジウム(II)
    である請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 第4級アンモニウム塩がテトラブチルア
    ンモニウムブロマイドである請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】 金属助触媒が酢酸コバルトである請求項
    1記載の製造法。
  6. 【請求項6】 有機助触媒がベンゾフェノン、アントラ
    セン、1,10−フェナントロリン、又は2′−メトキ
    シアセトフェノンである請求項1記載の製造法。
  7. 【請求項7】 金属助触媒がフェロセンである請求項1
    記載の製造法。
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