JPH059709A - 透明バリヤーフイルムの製造方法 - Google Patents

透明バリヤーフイルムの製造方法

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JPH059709A
JPH059709A JP3162989A JP16298991A JPH059709A JP H059709 A JPH059709 A JP H059709A JP 3162989 A JP3162989 A JP 3162989A JP 16298991 A JP16298991 A JP 16298991A JP H059709 A JPH059709 A JP H059709A
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伸彦 今井
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守 関口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】透明プラスチックフィルム上に、薄膜のガスバ
リヤー性のバラツキを生じないアルミニウム酸化物とア
ルミニウム水酸化物の混合薄膜を形成する方法を提供す
る。 【構成】透明プラスチックフィルム1を真空系内で連続
的に走行させながら、冷却ロール4の下方に配置された
ソース100からアルミニウム酸化物を蒸発させる一
方、供給源61から水蒸気を供給して、このアルミニウ
ム酸化物の気体と水蒸気を混合すると共に、この混合物
に上記透明プラスツクフィルムを接触させてアルミニウ
ム酸化物と水酸化物の混合物から成る薄膜を凝縮させ
る。全工程が真空系内で連続的に完了し、外部の不純物
等によるガスバリヤー性のバラツキが生じない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は透明バリヤーフィルムの
製造方法に関する。更に詳しくはアルミニウム酸化物と
アルミニウム水酸化物の混合物の薄膜を有する透明バリ
ヤーフィルムを再現性良く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム酸化物の薄膜がガスバリヤ
ー性に優れていることは良く知られており、例えば特開
昭58−217344号公報に記載されている。
【0003】しかし、アルミニウム酸化物の薄膜は多孔
質であるため、そのガスバリヤー性も十分なものではな
かった。このガスバリヤー性を向上するため、アルミニ
ウム酸化物の薄膜を湿熱処理する方法が特開昭63−2
22849号公報、特開昭63−223163号公報に
記載されている。
【0004】この方法によれば、真空系内で金属アルミ
ニウムを蒸発させ、気体状の金属アルミニウムと酸素等
の酸化性ガスと反応させてアルミニウム酸化物の薄膜を
製膜したり、あるいはアルミニウム酸化物を蒸発させて
その薄膜を製膜した長尺のプラスチックフィルムを、4
0℃、80%R.H.等の高温多湿下に保存したり、室
温〜40℃の水に浸漬して水分を吸着した後40〜80
℃に加熱処理する。湿熱処理によりアルミニウム水酸化
物が生じ、封孔される結果、ガスバリヤー性が向上す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム酸化物の薄膜の形成された長尺のプラスチックフ
ィルムを巻取り状態から巻き戻してかかる湿熱処理を行
うと薄膜が傷ついたり、不純物が混入してそのガスバリ
ヤー性等の物性を損なうことが多い。また巻取り状態の
まま湿熱処理を行うことも可能であるが、巻芯に近い部
分の薄膜と巻取り外周に近い部分の薄膜との間で処理ム
ラが生じ易く、従ってやはりガスバリヤー性等の物性に
バラツキが生じることを避けることができなかった。
【0006】そこで、本発明はアルミニウム水酸化物の
薄膜に起因するガスバリヤー性を有するフィルムであっ
て、しかもガスバリヤー性にバラツキの生じない透明バ
リヤー性フィルムの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1記載の発明は、長尺の透明プラスチックフ
ィルムを真空系内で連続的に走行させながら、その表面
をアルミニウム酸化物と水蒸気の混合ガスと接触させて
アルミニウム酸化物とアルミニウム水酸化物の混合物か
ら成る透明でガスバリヤー性の薄膜を形成させることを
特徴とする透明バリヤーフィルムの製造方法を提供す
る。
【0008】また、同じ目的を達成するため、請求項2
記載の発明は、長尺の透明プラスチックフィルムを真空
系内で連続的に走行させながら、その表面をアルミニウ
ム酸化物のガスと接触させて透明なアルミニウム酸化物
の薄膜を形成した後、水蒸気と接触させて水和して、ア
ルミニウム酸化物とアルミニウム水酸化物成る透明でガ
スバリヤー性の混合物の薄膜を形成させることを特徴と
する透明バリヤーフィルムの製造方法を提供する。
【0009】さらに、同じ目的を達成するため、請求項
3記載の発明は、長尺の透明プラスチックフィルムを真
空系内で連続的に走行させながら、その表面をアルミニ
ウム酸化物と水蒸気の混合ガスと接触させてアルミニウ
ム酸化物とアルミニウム水酸化物の混合物から成る透明
でガスバリヤー性の薄膜を形成させた後、水蒸気と接触
させて水和することを特徴とする透明バリヤーフィルム
の製造方法を提供する。
【0010】以下図面を参照して本発明を説明する。図
1は本発明の製造方法に使用する装置の説明図である。
図2は本発明の製造方法に係るアルミニウム酸化物の生
成工程を示す説明図である。
【0011】本発明に係る透明プラスチックフィルムは
薄膜の支持体となるものである。薄膜の透明性を生かす
点から透明であることを必要とする。ガスバリヤー性の
バラツキのない薄膜製膜のため、また特に請求項2記載
の発明にあってはアルミニウム酸化物の薄膜製膜に連続
して実質的に一工程でアルミニウム酸化物とアルミニウ
ム水酸化物の混合物から成る薄膜を形成するため、連続
走行可能な長尺のフィルムであることを要する。このよ
うな長尺のプラスチックフィルムは巻取りの形で供給さ
れる。
【0012】かかるプラスチックフィルムとしては、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレ
フィン;ポリスチレン;ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレートなどのポリエステル;ナイロン−6、ナイ
ロン−12、芳香族ポリアミド等のポリアミド;ポリカ
ーボネート;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポ
リイミド等が使用できる。またこれらを構成するモノマ
ーの共重合体または他のモノマーとの共重合体であって
も良い。また、フィルムは公知の添加剤、例えば帯電防
止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤等を含むも
のであっても良い。プラスチックフィルムは、強度、伸
度、熱特性、寸法安定性等の点で延伸したフィルムが好
ましいが、未延伸のものであっても良い。
【0013】透明プラスチックフィルムの厚さに制限は
ないが、3〜400μmの範囲のフィルムが使用でき
る。機械的強度とフレキシビリティの点から5〜200
μmの範囲のフィルムが好ましい。
【0014】アルミニウム酸化物とアルミニウム水酸化
物の混合物から成る薄膜の製膜もしくはアルミニウム酸
化物の薄膜の製膜に先立ち、透明プラスチックフィルム
の薄膜製膜面に、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ
処理、グロー放電処理などの表面処理を施しても良い。
公知のアンカーコート処理を施しても良い。請求項1記
載の発明にあっては、真空系内でこの透明プラスチック
フィルム表面をアルミニウム酸化物と水蒸気の混合ガス
と接触させてアルミニウム酸化物とアルミニウム水酸化
物の混合物から成る透明でガスバリヤー性の薄膜を形成
させる。
【0015】この方法は、例えば、図1に示す装置を使
用して行うことができる。図1において、装置全体はポ
ンプ11の排気により10-4〜10-6Torr.の真空
度に維持されている。長尺の透明プラスチックフィルム
は巻出しロール1に巻き取られており、連続的に巻き出
されて、順次ダンサーロール2、エキスパンダーロール
3を経て冷却ロール4の位置で、この冷却ロール4を抱
くように走行しながら、その表面にアルミニウム酸化物
とアルミニウム水酸化物の混合物から成る蒸気が接触
し、この蒸気は冷却されて長尺の透明プラスチックフィ
ルム表面に凝縮し、この混合物から成る薄膜が製膜され
る。
【0016】薄膜形成原料はアルミニウム酸化物と水蒸
気で、アルミニウム酸化物は冷却ロール4直下に配置さ
れたソース100から供給される。ソース100に収容
されたアルミニウム酸化物は、電子線照射や抵抗加熱等
の方法により加熱され、蒸発して気体状態となり、冷却
ロール4方向に移動する。一方、水蒸気は供給源61か
らマスフロコントローラー71によりその流量を制御
し、蒸発した気体状態のアルミニウム酸化物に接触する
位置に供給される。気体状態のアルミニウム酸化物は水
蒸気と接触して互いに反応し、アルミニウム水酸化物を
生じる。こうして生じたアルミニウム水酸化物と未反応
のアルミニウム酸化物の混合物の蒸気は、上述のよう
に、冷却ロール4の位置で、この冷却ロール4に冷却さ
れた透明プラスチックフィルムの表面に接触して冷却さ
れ、その表面に凝縮してアルミニウム酸化物とアルミニ
ウム水酸化物の混合物の薄膜を生成する。なお、水蒸気
は、安定供給を確保するため、アルゴン等の不活性のガ
スをキャリャガスとして、これと水蒸気を混合して供給
する方法が好ましい。
【0017】こうして製膜された透明プラスチックフィ
ルムは再びエキスパンダーロール3、ダンサーロール2
を経て巻取りロール9に巻き取られる。
【0018】なお、加熱されて気体状態となったアルミ
ニウム酸化物は、水蒸気と接触させる前に、酸素プラズ
マと接触させて、その酸化度を向上させることができ
る。図2はこの方法を示すもので、ソース100から蒸
発したアルミニウム酸化物の蒸気に、高純度酸素ガス供
給源300からマスフロコントローラー400を介して
供給された高純度酸素ガスを供給し、この位置に設けら
れた高周波コイル700によりプラズマ状態に変えられ
る。高周波コイル700には電源500からマッチング
ボックス600を介して13.56MHzの高周波電力
が供給され、この電力により酸素ガスをプラズマ状態に
変化させる。高純度酸素ガスから生じた酸素プラズマ
は、生じるとともにアルミニウム酸化物の蒸気と反応し
て、その酸化度を向上する。酸化度の向上したアルミニ
ウム酸化物は、上述の通り、次いで水蒸気と接触し、さ
らに冷却ロール4上の冷却された透明プラスチックフィ
ルムと接触して凝縮し、薄膜を生成する。
【0019】請求項2記載の発明もまた図1記載の装置
により実施することができる。すなわち、巻き出しロー
ル1から巻き出され、ダンサーロール2やエキスパンダ
ーロール3を介して冷却ロール4上に供給された透明プ
ラスチックフィルム表面にまずアルミニウム酸化物の薄
膜を製膜する。このアルミニウム酸化物の薄膜は、図1
に記載するように、ソース100に収容されたアルミニ
ウム酸化物を電子線照射や抵抗加熱等の方法により加熱
し、蒸発して気体状態となったアルミニウム酸化物を冷
却ロール4方向に透明プラスチックフィルム表面に凝縮
させることによりアルミニウム酸化物の薄膜を製膜する
ことができる。この場合には、マスフロコントローラー
71により水蒸気の供給を行わない。
【0020】アルミニウム酸化物の製膜された透明プラ
スチックフィルムは、次いでグロー放電領域5を通過す
る。グロー放電領域5においては、供給源62からマス
フロコントローラー72を介して水蒸気またはアルゴン
ガス等の不活性ガスから成るキャリャガスと混合された
水蒸気が供給され、グロー放電することによりこの水蒸
気にエネルギーを供給して上記アルミニウム酸化物の薄
膜を水和する。
【0021】また、グロー放電処理の後、もしくはグロ
ー放電に代えて、イオンボンバード領域8においてアル
ミニウム酸化物やアルミニウム酸化物とアルミニウム水
酸化物の混合物の薄膜にイオンボンバード処理を施すこ
とにより、このアルミニウム酸化物を水和することもで
きる。このイオンボンバード処理に用いられるイオン
は、供給源63からマスフロコントローラー73を通じ
て供給された水蒸気またはアルゴンガス等の不活性ガス
から成るキャリャガスと混合された水蒸気を、イオンボ
ンバード領域8に配置された電極から供給された電圧3
00〜400V、電流値500〜530mAのエネルギ
ーでイオン化したもので、発生したイオンを上記薄膜に
衝突させることにより、薄膜中のアルミニウム酸化物の
水和が可能となる。
【0022】また、請求項3記載の発明は、ソース10
0から蒸発した気体状態のアルミニウム酸化物に供給源
300から供給された水蒸気、アルゴンガス等の不活性
ガスから成るキャリャガスと混合された水蒸気、または
水蒸気と酸素ガスの混合ガスのプラズマを接触させて水
和してアルミニウム水酸化物とアルミニウム酸化物の混
合物の蒸気を発生させ、この混合物を走行する透明プラ
スチックフィルム上に凝縮させて薄膜を製膜した後、さ
らにこのフィルムをグロー放電領域5を通過させ、供給
源62から供給された水蒸気によりさらにアルミニウム
水酸化物とアルミニウム酸化物の混合物の水和度を高
め、混合物の薄膜中のアルミニウム水酸化物の比率を増
大する。この方法によれば、請求項1もしくは請求項2
記載の発明にくらべてもなおガスバリヤー性等の物性を
安定して制御することができ、常に一定の物性を有する
透明バリヤーフィルムを製造することができる。
【0023】請求項1〜3のいずれの発明によって得ら
れる薄膜もアルミニウム酸化物とアルミニウム水酸化物
の混合物から成る。薄膜はAl2 3 とAl(OH)3
の混合物から成ることが望ましいが、この他AlO、A
2 2 、Al(OH)、Al(OH)2 等を含むこと
が通常である。この混合物薄膜は300〜3000Åの
厚さを有することが望ましい。300Å未満ではガスバ
リヤー性が十分でない。3000Åを越えると混合物薄
膜が固くなり、透明ガスバリヤーフィルムのフレキシビ
リティが損なわれ、屈曲により混合物薄膜にクラックが
生じ易い。クラックの発生によりガスバリヤー性の劣
化、バラツキを生じる結果となる。
【0024】また、得られた透明バリヤーフィルムの混
合物薄膜面にヒートシール性樹脂層を設けた積層材料と
することによりフレキシビリティ、透明性、ガスバリヤ
ー性を有する包装材料として使用することができる。こ
のヒートシール性樹脂層としては、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の一般に
用いられているポリオレフィンまたはオレフィン共重合
体が使用でき、積層はこのヒートシール性樹脂から成る
フィルムを接着剤を介して透明バリヤーフィルムの混合
物薄膜面に積層しても良いし、このヒートシール性樹脂
を押し出し機内部で溶融して透明バリヤーフィルムの混
合物薄膜面に押し出しコーティングして積層しても良
い。
【0025】
【作用】請求項1〜3記載のいずれの発明によっても、
透明プラスチックフィルム表面には、その表面が外気に
触れることなく、真空系内でアルミニウム酸化物とアル
ミニウム水酸化物の混合物から成る薄膜が形成できる。
また、この混合物薄膜は、走行する透明プラスチックフ
ィルムに、走行するに従って順次形成されるため、巻き
出し部分と巻き芯近くのフィルムの処理条件が一定とな
り、均一で安定した物性のアルミニウム酸化物とアルミ
ニウム水酸化物の混合物から成る薄膜の製膜が可能とな
る。得られた薄膜は金属アルミニウムを含まず、透明性
に優れたものである。また、この混合物薄膜は多孔質の
アルミニウム酸化物の微細孔やクラック等の膜欠陥をア
ルミニウム水酸化物が封じたり補う構造を有する緻密な
薄膜で、2.4Å程度の酸素分子や水蒸気分子の透過を
防止する。こうして、均一で安定した物性の透明バリヤ
ーフィルムの製造が可能となる。
【0026】
【実施例】以下図面を参照して実施例を説明する。 <実施例1>装置は図1及び図2に示すものを使用し
た。ソース100に純度99.8%のAl2 3 を配置
し、透明プラスチックフィルムの巻出しロールとしては
厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートを使用し、
装置全体を9×10-6Torr.の真空度まで排気し
た。次いで、このポリエチレンテレフタレートフィルム
を、図1に示すように、ダンサーロール2、エキスパン
ダーロール3、冷却ロール4、エキスパンダーロール
3、ダンサーロール2の順に走行させ、、巻取りロール
9に巻き取った。
【0027】冷却ロール4の直下に配置された上記ソー
ス100を電子ビームにより加熱し、Al2 3 を加熱
蒸発させる一方、供給源61からマスフロコントローラ
ー71を介して水蒸気とアルゴンが80:20の組成か
ら成るガスをソース100と冷却ロール4の間に供給し
た。
【0028】なお、ポリエチレンテレフタレートフィル
ムの走行速度は、水晶発振式モニターによりモニタリン
グして、この上に製膜される混合物薄膜の厚み30Å/
secとなるように調節し、混合物薄膜の厚みが100
0Åとなるまで薄膜形成した。また、製膜中、装置内は
常時8×10-5Torr.の真空度に維持した。得られ
た透明バリヤーフィルムの酸素透過率、水蒸気透過率、
光線透過率を、ポリエチレンテレフタレートの走行方向
に沿って10ケ所測定し、その最大値と最小値をデータ
として採用した。なお、酸素透過率(cc/m2 ・da
y・atm)はMOCON OXTRAN−10/50
A(MOCON社製)で25℃、100%R.H.の条
件で測定し、水蒸気透過率(g/m2 ・day)はMO
CON DARMATRAN−W6(MOCON社製)
で40℃、90%R.H.の条件で測定し、光線透過率
(%−550nm)は島津マルチパーパス実用上の効果
分光光度計で測定した。この結果を表1に示す。
【0029】<実施例2>冷却ロール4位置でポリエチ
レンテレフタレートフィルム上に混合物薄膜を製膜した
後、イオンボンバード領域8で水蒸気とアルゴンを8
0:20の率で混合したガスを使用し、イオンボンバー
ド処理を施した他は実施例1と同様に透明バリヤーフィ
ルムを製造した。酸素透過率、水蒸気透過率、光線透過
率の測定データを表1に示す。
【0030】<実施例3>装置は図1及び図2に示すも
のを使用した。ソース100に純度99.8%のAl2
3 を配置し、透明プラスチックフィルムの巻出しロー
ルとしては厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート
を使用し、装置全体を9×10-6の真空度まで排気し
た。次いで、このポリエチレンテレフタレートフィルム
を、図1に示すように、ダンサーロール2、エキスパン
ダーロール3、冷却ロール4、エキスパンダーロール
3、ダンサーロール2の順に走行させ、、巻取りロール
9に巻き取った。冷却ロール4の直下に配置された上記
ソース100を電子ビームにより加熱し、Al2 3
加熱蒸発させ、冷却ロール4上でポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にAl2 3 の薄膜を製膜した。
【0031】次いで、グロー放電領域5において、供給
源62からマスフロコントローラー72を介して水蒸気
とアルゴンを80:20の率で混合した混合ガスを供給
し、1kV、0.2Aの条件でグロー放電することによ
りこの水蒸気にエネルギーを供給して上記アルミニウム
酸化物の薄膜を水和した。
【0032】ポリエチレンテレフタレートフィルムの走
行速度は、水晶発振式モニターによりモニタリングし
て、この上に製膜される混合物薄膜の厚み30Å/se
cとなるように調節し、混合物薄膜の厚みが1000Å
となるまで薄膜形成した。また、製膜中、装置内は常時
8×10-5Torr.の真空度に維持した。酸素透過
率、水蒸気透過率、光線透過率の測定データを表1に示
す。
【0033】<実施例4>装置は図1及び図2に示すも
のを使用した。ソース100に純度99.8%のAl2
3 を配置し、透明プラスチックフィルムの巻出しロー
ルとしては厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート
を使用し、装置全体を9×10-6Torr.の真空度ま
で排気した。
【0034】次いで、このポリエチレンテレフタレート
フィルムを、図1に示すように、ダンサーロール2、エ
キスパンダーロール3、冷却ロール4、エキスパンダー
ロール3、ダンサーロール2の順に走行させ、、巻取り
ロール9に巻き取った。冷却ロール4の直下に配置され
た上記ソース100を電子ビームにより加熱し、Al2
3 を加熱蒸発させる一方、供給源300からマスフロ
コントローラー400を介して高純度酸素ガスをソース
100と冷却ロール4の間に配置された高周波コイル7
00に供給し、この高周波コイル700に電源500か
らマッチングボックス600を介して13.56MH
z、1KWの高周波電力を供給して酸素プラズマを発生
させ、この酸素プラズマを上記Al2 3 に接触させ
た。なお、プラズマ発生位置の真空度は3×10-4To
rr.である。
【0035】また、冷却ロール4の直下に配置された上
記ソース100を電子ビームにより加熱し、Al2 3
を加熱蒸発させる一方、供給源61からマスフロコント
ローラー71を介して水蒸気とアルゴンが80:20の
組成から成るガスを高周波コイル700と冷却ロール4
の間に供給した。
【0036】次いで、グロー放電領域5において、供給
源62からマスフロコントローラー72を介して水蒸気
とアルゴンを80:20の率で混合した混合ガスを供給
し、1kV、0.2Aの条件でグロー放電することによ
りこの水蒸気にエネルギーを供給して上記アルミニウム
酸化物の薄膜を水和した。
【0037】さらにイオンボンバード領域8において水
蒸気とアルゴンを80:20の率で混合したガスを使用
し、イオンボンバード処理を施した。
【0038】ポリエチレンテレフタレートフィルムの走
行速度は、水晶発振式モニターによりモニタリングし
て、この上に製膜される混合物薄膜の厚み30Å/se
cとなるように調節し、混合物薄膜の厚みが1000Å
となるまで薄膜形成した。また、製膜中、装置内は常時
8×10-5Torr.の真空度に維持した。酸素透過
率、水蒸気透過率、光線透過率の測定データを表1に示
す。
【0039】<比較例1>装置は図1及び図2に示すも
のを使用した。ソース100に純度99.8%のAl2
3 を配置し、透明プラスチックフィルムの巻出しロー
ルとしては厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート
を使用し、装置全体を9×10-6Torr.の真空度ま
で排気した。
【0040】次いで、このポリエチレンテレフタレート
フィルムを、図1に示すように、ダンサーロール2、エ
キスパンダーロール3、冷却ロール4、エキスパンダー
ロール3、ダンサーロール2の順に走行させ、、巻取り
ロール9に巻き取った。冷却ロール4の直下に配置され
た上記ソース100を電子ビームにより加熱し、Al2
3 を加熱蒸発させ、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上にアルミニウム酸化物の薄膜を製膜した。
【0041】このフィルムを巻取り状態のまま40℃、
80%の条件下に1週間放置し、100℃の熱風乾燥機
で30分間乾燥した。得られたフィルムの 酸素透過
率、水蒸気透過率、光線透過率の測定データを表1に示
す。
【0042】<比較例2>装置は図1及び図2に示すも
のを使用した。ソース100に純度99.8%のAl2
3 を配置し、透明プラスチックフィルムの巻出しロー
ルとしては厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート
を使用し、装置全体を9×10-6Torr.の真空度ま
で排気した。
【0043】次いで、このポリエチレンテレフタレート
フィルムを、図1に示すように、ダンサーロール2、エ
キスパンダーロール3、冷却ロール4、エキスパンダー
ロール3、ダンサーロール2の順に走行させ、、巻取り
ロール9に巻き取った。冷却ロール4の直下に配置され
た上記ソース100を電子ビームにより加熱し、Al2
3 を加熱蒸発させ、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上にアルミニウム酸化物の薄膜を製膜した。
【0044】このフィルムを沸騰水中に30秒間浸漬し
た。得られたフィルムの酸素透過率、水蒸気透過率、光
線透過率の測定データを表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【効果】以上のように本発明によればアルミニウム水酸
化物の薄膜に起因するガスバリヤー性を有するフィルム
であって、しかもガスバリヤー性にバラツキの生じない
透明バリヤー性フィルムの製造方法を得ることができ
る。
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に使用する装置の説明図。
【図2】本発明の製造方法に係るアルミニウム酸化物の
生成工程を示す説明図。
【符号の説明】
1 巻出しロール 11 ポンプ 2 ダンサーロール 3 エキスパンダーロール 4 冷却ロール 5 グロー放電領域 61 供給源 62 供給源 63 供給源 71 マスフロコントローラー 72 マスフロコントローラー 73 マスフロコントローラー 8 イオンボンバード領域 9 巻取りロール 100 ソース 300 高純度酸素ガス供給源 400 マスフロコントローラー 500 電源 600 マッチングボックス 700 高周波コイル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長尺の透明プラスチックフィルムを真空系
    内で連続的に走行させながら、その表面をアルミニウム
    酸化物と水蒸気の混合ガスと接触させてアルミニウム酸
    化物とアルミニウム水酸化物の混合物から成る透明でガ
    スバリヤー性の薄膜を形成させることを特徴とする透明
    バリヤーフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】長尺の透明プラスチックフィルムを真空系
    内で連続的に走行させながら、その表面をアルミニウム
    酸化物のガスと接触させて透明なアルミニウム酸化物の
    薄膜を形成した後、水蒸気と接触させて水和して、アル
    ミニウム酸化物とアルミニウム水酸化物成る透明でガス
    バリヤー性の混合物の薄膜を形成させることを特徴とす
    る透明バリヤーフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】長尺の透明プラスチックフィルムを真空系
    内で連続的に走行させながら、その表面をアルミニウム
    酸化物と水蒸気の混合ガスと接触させてアルミニウム酸
    化物とアルミニウム水酸化物の混合物から成る透明でガ
    スバリヤー性の薄膜を形成させた後、水蒸気と接触させ
    て水和することを特徴とする透明バリヤーフィルムの製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113874543A (zh) * 2019-05-31 2021-12-31 东洋纺株式会社 透明阻气薄膜和其制造方法

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