JPH0533122A - 蒸着フイルム - Google Patents

蒸着フイルム

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JPH0533122A
JPH0533122A JP18757391A JP18757391A JPH0533122A JP H0533122 A JPH0533122 A JP H0533122A JP 18757391 A JP18757391 A JP 18757391A JP 18757391 A JP18757391 A JP 18757391A JP H0533122 A JPH0533122 A JP H0533122A
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JP
Japan
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film
vapor
magnesium oxide
vapor deposition
gas
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Pending
Application number
JP18757391A
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English (en)
Inventor
Mamoru Sekiguchi
守 関口
Noboru Sasaki
昇 佐々木
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガス遮断性が一層優れ、かつ、そのバラツキが
極めて小さい酸化マグネシウム蒸着フィルムを提供す
る。 【構成】酸化マグネシウムを窒素ガス等のプラズマ空間
を通過させることにより、基材フィルムの少なくとも片
面に結晶性を有する酸化マグネシウム薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は蒸着フィルムに係わり、
さらに言えば、高分子基材フィルム上に酸化マグネシウ
ムの蒸着被膜を形成した蒸着フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】高分子から成る基材フィルムに金属酸化
物の蒸着膜を真空蒸着して成る蒸着フィルムは公知であ
り、透明であること、気体遮断性に優れること等の理由
から、食品の包装材料等に利用されつつある(特公昭5
1−48511号、特公昭63−28017号、特公平
2−15382号等)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、真空蒸
着して得られる金属酸化物の蒸着膜は、金属の真空蒸着
と異なり、蒸着膜の酸素透過率にばらつきが大きく、安
定した品質の蒸着フィルムを供給することが困難で、実
用上問題点を残していた。
【0004】本発明の目的は、ガス遮断性が一層優れ、
かつ、そのバラツキが極めて小さい酸化マグネシウム蒸
着フィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、従来の真空蒸着法で得られた金属酸化物の蒸着
膜は、アモルファス状態であり、不安定のものと考えら
れるとの知見より、基材フィルムに結晶性を有する酸化
マグネシウム薄膜を設けた蒸着が上記課題を解決するこ
とを見いだした。
【0006】
【作用】本発明に係わる蒸着フィルムの酸化マグネシウ
ム薄膜(以下単に膜ともいう)は、従来の真空蒸着法で
得られたものとは、明らかに異なっており、結晶性を有
することが特徴である。
【0007】これにより従来の完全アモルファス状態の
膜に比べ、部分的にでも結晶性を有することで見かけの
密度が向上し、膜緻密性が上がり、また、成膜後空気中
の水分等が膜中へ侵入し難くなり、膜自体が環境に依存
しない安定なものとなり、結果として、いっそうガスの
遮断性が優れると考えられるが詳細は不明である。ま
た、O/Mg比が従来のものより小さいということは、
上記の如く従来の真空蒸着法によるものは、蒸着膜がア
モルファス状態で緻密性に欠けるので、成膜後、空気中
の水分等が蒸着膜中に入り、膜変質、劣化をしており、
このため、見かけのO/Mg比が本発明のものより大き
くなっていると考えられる。
【0008】以下本発明を詳述する。本発明で用いる基
材フィルムは酸化マグネシウム薄膜の支持体であって、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオ
レフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,
6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン−6、ナ
イロン−11、などのポリアミド、ポリカーボネート、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフルオロエ
チレン、芳香族ポリアミド、ポリイミド、などの単体、
あるいは共重合体等からなるフィルム状のものである。
【0009】好ましくは、耐熱性、機械的強度、寸法安
定性に優れるポリエステル、ポリフェニレンスルファイ
ドであるが、特に限定しない。必要に応じて公知の添加
剤、例えば、帯電防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、溶剤
など含んでいてもかまわない。
【0010】基材フィルムの厚さとしては、特に限定し
ないが、強度、ハンドリングの点から3μ以上、400
μの範囲で、好ましくは6μ〜200μが望ましい。
【0011】次に、本発明に用いる酸化マグネシウム
は、天然の炭酸マグネシウムを焼成したもの、海水中の
マグネシウムを出発原料として化学反応により水酸化マ
グネシウムとし、これを焼成したもの、金属マグネシウ
ムを酸素と反応させ、焼成したもの等が使用できる。焼
成温度600〜1000℃の軽質マグネシア、焼成温度
1000〜1500℃のマグネシア、焼成温度1000
〜2000℃のマグネシアクリンカ、あるいはアーク炉
で溶融させて得られる電融マグネシア等のいずれであっ
ても良い。
【0012】本発明における結晶性を有する酸化マグネ
シウム薄膜を得る製法としては、特願平3−47000
号に示す代表的なもの他、従来からの電子ビームによ
り、上記酸化マグネシウム材料を10-5〜10-6Tor
r代の真空系内で蒸発させ、基板上に被膜形成させる真
空蒸着法技術に、直流、交流、高周波、マイクロ波等の
電力を該真空系内に導入し、任意のプラズマ空間を形
成、利用することで目的を達成できる。
【0013】この際、プラズマ形成させるためのガス種
は、アルゴン、酸素、窒素、二酸化炭素等の一般ガス、
あるいはヘキサメレンジシロキサン等の有機シロキサン
等のガス、または、上記酸素、窒素等との混合ガスでも
よい。
【0014】このガスは、上述のように10-5〜10-6
Torrに排気された真空密閉系内の圧力が、1×10
-4〜5×10-3Torr程度になるように導入すること
が好ましいが、最適条件は、プラズマ発生用の電源の種
類、投入電力に依存するので、各々最適化が必要であ
る。
【0015】本発明における結晶性の確認には、通常用
いられているX線回折装置、あるいは薄膜X線回折装置
により容易に確認できる。
【0016】更に本発明の酸化マグネシウム薄膜につい
て述べると、少なくともミラー指数(220)、(20
0)、(111)の回折ピークを有し、(220)面の
回折ピークが最も大きいことが特徴的である。
【0017】また、光電子分光法(XPS)による膜の
組成として、酸素(O)及びマグネシウム(Mg)の原
子比(O/Mg比)は、1.25〜1.32で従来の真
空蒸着法により得られたものより小さいのが特徴であ
る。
【0018】本発明の酸化マグネシウム薄膜の膜厚は、
500Å以上2000Å以下の範囲で、ガス遮断性の極
めて安定した特性を示す。
【0019】従来の真空蒸着法で得られたものは、上記
の如く広い範囲で安定した特性を示さず、不安定のもの
と考えられる。これは、膜の成膜条件の違いによる、蒸
着膜の内部否等の大小によるものと考えられる。
【0020】光学的透明性については従来の真空蒸着法
のものと全く違いがなく、可視波長(800〜400n
m)領域で極めて高い透明性を示す。(80%以上)
【0021】また、結晶性を有する酸化マグネシウム薄
膜を得る他の製法としては、従来法によるアモルファス
状態を有する蒸着膜の形成された基材フィルムを熱処理
することによっても得ることができる。
【0022】次に、本発明の酸化マグネシウム薄膜を得
るための一例を、具体的に図1に示す装置を用いて製造
することができる。図1は本発明の製造装置の一説明図
である。
【0023】すなわち、図1において、装置はその内部
全体が10-5〜10-6Torrに排気されている。排気
は排気口7に接続されたポンプ(図示せず)によりでき
る。
【0024】基材フィルム1は帯状のもので、巻き出し
ロール11から巻き出され、ダンサーロール32、制御
ロール31、エキスパンダーロール33を順次通過した
後、冷却ロール34に抱かれながら走行し、再度エキス
パンダーロール33、制御ロール31、ダンサーロール
32をこの順に通過して巻取りロール12に巻き取られ
る。
【0025】冷却ロール34と蒸着源4とは、その間に
コイル状アンテナ701を挟んで配置されており、加熱
により気化(蒸発)した酸化マグネシウム2蒸気は、コ
イル状アンテナ701の内部を通過して冷却ロール34
表面に到達する。200は遮蔽板で、この遮蔽板200
の間の位置で冷却ロール34は蒸着源4に露出してお
り、酸化マグネシウム2が基材フィルム1表面に付着す
る。
【0026】コイル状アンテナ701はマッチングボッ
クス72を介して高周波電源71に接続しており、所定
の高周波電力を供給することができる。
【0027】また、コイル状アンテナ701の近傍に
は、プラズマ用ガスの導入管5の排出口が配置されてい
る。この導入管5はマスフロコントローラー6を介して
ガス導入源51に接続している。
【0028】なお、有機シロキサン化合物を使用する場
合には、この有機シロキサン化合物を一旦気化さた後導
入する必要がある。100はこの気化装置を示してい
る。
【0029】この装置を用いて蒸着フィルムを作成する
ためには、まず装置内部を排気して真空状態とした後、
マスフロコントローラー6により流量を調節しながらプ
ラズマ用ガスを導入管5から導入し、同時にマッチング
ボックス72を介してコイル状アンテナ701に高周波
電力を供給してプラズマを発生させ、基材フィルム1を
所定速度で走行させながら、蒸着源4を加熱して酸化マ
グネシウム2を気化させれば良い。コイル状アンテナ7
01の負荷に変動があった場合には、マッチングボック
ス72により供給電力を即時に補正することができる。
【0030】
【実施例】
<実施例1> (A)装置─図1の装置。 (B)排気による初期圧力─5×10-6Torr。 (C)基材フィルム。 (a)材質─二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィ
ルム。 (b)厚み─12μm。 (c)幅──200mm。 (d)長さ─1000m。 (D)冷却ロール温度─約−10℃。
【0031】(E)蒸着源。 (a)冷却ロールとの距離─300mm。 (b)蒸発材料─電融マグネシア(タテホ化学(株)社
製SSP#1)。 (c)加熱源─電子銃(加速電圧6kV、エミッション
電流250mA)。 (F)コイル状アンテナの電力─13.56MHz、5
00W。 (G)プラズマ用ガス。 (a)ガス組成─高純度酸素(4N)。 (b)流量─装置内が1×10-4Torrになるように
マスクロコントローラーで調整。
【0032】以上の条件で、水晶式膜厚系で薄膜形成速
度が25Å/secとなる速度で基材フィルムを走行さ
せ、酸化マグネシウム薄膜の厚みが1800Åになるよ
うに蒸着した。この蒸着フィルムを、サンプリングし
て、薄膜X線回折及び光電子分光法(ESCA)により
膜の結晶性、組成分析を行ったところ、図2の如く(2
20)、(111)、(200)のミラー指数を有する
結晶性のものであり、また、膜のマグネシウムに対する
酸素の割合(原子比)は、1.320であった。
【0033】また、この蒸着フィルムの酸素透過率を、
MOCON社製のMOCON OX−TRAN−10/
50Aにより測定したところ、0.8ml/m2 ・da
y・atm(25℃)であった。
【0034】<実施例2〜5>実施例1と同様で、膜厚
が700Å、950Å、1200Å、2250Å、にな
るように蒸着フィルムを作成した。
【0035】<実施例6〜8>プラズマ用ガスとしてア
ルゴン(4N)、窒素(4N)、ヘキサメチレンジシロ
キサンを使用し、膜厚をそれぞれ、1600Å、210
0Å、1880Å、とした他は実施例1と同様に蒸着フ
ィルムを得た。
【0036】<比較例1>真空度を3×10-5Torr
とし、コイル状アンテナに電力を供給せず、いわゆる通
常の真空蒸着法で、真空蒸着フィルムを得た。膜厚は1
650Åであった。この蒸着フィルムを、実施例1と同
様に膜の分析をしたところ、図3の如く結晶性はなくア
モルファスのものであり、また、O/Mgは1.365
であった。
【0037】<比較例2〜4>比較例1と同様で、膜厚
を550Å、850Å、1050Åと変えた。
【0038】実施例1〜8、比較例1〜4の結果を表1
に示す。
【0039】
【表1】
【0040】また、酸素透過率と酸化マグネシウム膜厚
の関係のグラフ図を図4に示す。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、従来からの真空蒸着法
により得られる結晶性を有さない蒸着フィルムに比べ、
ガス遮断性が膜厚の増加に伴い劣化せず、極めて安定し
たものが得られ、かつ、良好な酸素遮断性をもつ蒸着フ
ィルムを提供することができる。
【0042】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着フィルムを得る製造装置の一例を
示す説明図である。
【図2】本発明の一実施例の蒸着フィルムのX線回折曲
線を示すグラフ図である。
【図3】比較例の蒸着フィルムのX線回折曲線を示すグ
ラフ図である。
【図4】酸素透過率と酸化マグネシウム膜厚の関係を示
すグラフ図である。
【符号の説明】
1 基材フィルム 2 酸化マグネシウム 31 制御ロール 32 ダンサーロール 33 エキスパンダーロール 34 冷却ロール 4 蒸着源 5 プラズマ用ガス導入管 51 プラズマ用ガス導入源 6 マスフロコントローラー 701 コイル状アンテナ 71 高周波電源 72 マッチングボックス 7 排気口

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】基材フィルムの少なくとも片面に結晶性を
    有する酸化マグネシウム薄膜を形成したことを特徴とす
    る蒸着フィルム。
JP18757391A 1991-07-26 1991-07-26 蒸着フイルム Pending JPH0533122A (ja)

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JP18757391A JPH0533122A (ja) 1991-07-26 1991-07-26 蒸着フイルム

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JP18757391A JPH0533122A (ja) 1991-07-26 1991-07-26 蒸着フイルム

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06312478A (ja) * 1993-04-30 1994-11-08 Toppan Printing Co Ltd 脱酸素剤用包装体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06312478A (ja) * 1993-04-30 1994-11-08 Toppan Printing Co Ltd 脱酸素剤用包装体

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