JPH06184734A - 透明導電性薄膜の製造方法 - Google Patents

透明導電性薄膜の製造方法

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JPH06184734A
JPH06184734A JP5206213A JP20621393A JPH06184734A JP H06184734 A JPH06184734 A JP H06184734A JP 5206213 A JP5206213 A JP 5206213A JP 20621393 A JP20621393 A JP 20621393A JP H06184734 A JPH06184734 A JP H06184734A
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thin film
zinc oxide
transparent conductive
conductive thin
producing
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Haruo Uyama
晴夫 宇山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】資源的に豊富であり、安価でありかつ公害をも
たらす恐れの少ない物質である酸化亜鉛系の薄膜形成材
料を用いながら、高い透過率と低い電気抵抗を有する薄
膜を基材上に析出でき、高速で、かつ基材に影響を与え
ない透明導電性薄膜の製造方法を提供する。 【構成】酸化亜鉛単独、または酸化亜鉛に少量の三価以
上の金属もしくは半導体を少なくとも一種含む混合物を
薄膜形成材料とする透明導電性薄膜の製造方法であっ
て、前記薄膜形成材料を加熱気化し、酸素分圧が3×1
-4〜7×10-4Torrあるいは酸素と他の不活性気
体の混合ガスの分圧が3×10-4〜7×10 -4Torr
であるプラズマ空間を通過させた後、基材上に付着させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電性薄膜の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から可視光の範囲で高い透過率を有
し、かつ低い電気抵抗を有する透明導電性薄膜を製造す
る方法として、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD
法、イオンプレーテイング法等の真空成膜法を用い、金
属または金属酸化物からなる薄膜形成材料を気化させ、
基材上に成膜する方法が知られている。
【0003】なお、これに用いる金属または金属酸化物
からなる薄膜形成材料としては、インジウム−錫系、亜
鉛系等が挙げられるが、資源的に豊富であり、安価であ
りかつ公害をもたらす恐れの少ない物質である酸化亜鉛
系が着目されるようになってきている。
【0004】基材上にそのような物質を真空蒸着法で成
膜する場合、薄膜形成材料としては酸化亜鉛を用いる。
この方法で成膜すれば、基材を加熱することなしに短時
間で薄膜を形成できるという利点があるが、酸化亜鉛は
熱により分解性するため、目的とする組成を有する薄膜
を基材上に析出できない(つまり、高い透過率と低い電
気抵抗が得られない)という問題点があり、事実上行な
われていない。
【0005】また、スパッタリング法で成膜する場合、
薄膜形成材料としては酸化亜鉛を用いる。この方法で成
膜すれば、薄膜形成材料と近い組成の薄膜を形成できる
という利点があるが、薄膜の形成に時間を多く要し、か
つターゲットの作製において焼結などいくつかのステッ
プを要するという問題点がある。
【0006】また、CVD法で成膜する場合、薄膜形成
材料としてはジメチル亜鉛等の有機亜鉛化合物を用い
る。この方法で成膜すれば、目的とする化学組成の薄膜
を得ることができるという利点があるが、基材をプラズ
マ中に長時間曝すことより、基材として耐熱性の優れた
ものを用いる場合には問題はないが、高分子フィルム等
の基材を用いた場合は機械的な強度を損なってしまう場
合がある。さらに、CVD法では自然発火する材料や空
気中の水分と反応する物質を原料とすることが多く、そ
の取扱いが困難であるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な真空蒸着法の欠点を克服するためになされたものであ
って、資源的に豊富であり、安価でありかつ公害をもた
らす恐れの少ない物質である酸化亜鉛系の薄膜形成材料
を用いながら、高い透過率と低い電気抵抗を有する薄膜
を基材上に析出でき、高速で、かつ基材に影響を与えな
い透明導電性薄膜の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
酸化亜鉛単独、または酸化亜鉛に少量の三価以上の金属
もしくは半導体を少なくとも一種含む混合物を薄膜形成
材料とする透明導電性薄膜の製造方法であって、前記薄
膜形成材料を加熱気化し、酸素分圧が3×10 -4〜7×
10-4Torrであるプラズマ空間を通過させた後、基
材上に付着させることを特徴とする透明導電性薄膜の製
造方法である。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に基づき、三価以上の金属もしくは半導体が、アルミ
ニウム、ホウ素、スカンジウム、ガリウム、ケイ素、イ
ットリウム、イッテルビウム、インジウムあるいはタリ
ウムであることを特徴とする透明導電性薄膜の製造方法
である。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項1記載また
は請求項2記載の発明に基づき、プラズマ空間を生成さ
せる放電が、ラジオ波放電、直流放電、低周波放電ある
いはマイクロ波放電であることを特徴とする透明導電性
薄膜の製造方法である。
【0011】請求項3記載の発明は、酸化亜鉛単独、ま
たは酸化亜鉛に少量の三価以上の金属もしくは半導体を
少なくとも一種含む混合物を薄膜形成材料とする透明導
電性薄膜の製造方法であって、前記薄膜形成材料を加熱
気化し、酸素と不活性気体の混合ガスの分圧が3×10
-4〜7×10-4Torrであるプラズマ空間を通過させ
た後、基材上に付着させることを特徴とする透明導電性
薄膜の製造方法である。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項4に記載さ
れる発明に基づき、不活性気体が少なくともヘリウム、
ネオン、アルゴン 、クリプトンあるいはキセノンのう
ち一種であることを特徴とする透明導電性薄膜の製造方
法である。
【0013】
【作用】本発明の作用は明確にはできないが、本発明に
よれば、加熱・気化した酸化亜鉛あるいは酸化亜鉛に少
量の金属もしくは半導体を含む物質を基材との間に生成
した酸素プラズマ中を通過させることにより、一度分解
した蒸発源が適当な条件下で生成したプラズマ中で反応
し、化学量論的に亜鉛過剰のあるいは少量のアルミニウ
ム、ホウ素、スカンジウム、ガリウム、ケイ素、イット
リウム、イッテルビウム、インジウム、タリウムのうち
少なくとも一種が混在した目的とする透明導電性薄膜
が、基材の表面に析出するものと推察するものである。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
る。本発明に用いられる薄膜形成材料は、酸化亜鉛の単
独のみであっても良いが、少量のアルミニウム、ホウ
素、スカンジウム、ガリウム、ケイ素、イットリウム、
イッテルビウム、インジウム、タリウム等の三価以上の
金属もしくは半導体を少なくとも一種含む混合物であっ
ても良い。これらの金属もしくは半導体のイオン価数は
亜鉛のそれに比べて多く、酸化亜鉛に混合することによ
り、化学量論組成よりずれ金属過剰の状態となる。それ
により、安定な導電体を形成できる。これらの含有量を
少量(例えばアルミニウムの場合1〜2%、ホウ素の場
合0.5〜1%)としたのは、酸化亜鉛の蒸気圧とこれ
らの金属の蒸気圧が極端に異なり、製造しようとする酸
化亜鉛薄膜中で金属原子が局在化し、製造した薄膜の諸
性質の劣化を招いてしまうからである。また、上記薄膜
形成材料は、抵抗加熱法、電子ビーム加熱法等の加熱方
法で加熱気化する。
【0015】本発明に用いられる基材は、透明である程
度の剛性があれば特に限定されるものではなく、例えば
ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム等の高
分子フィルムであっても、ガラスであってもよい。
【0016】本発明におけるプラズマ空間は、酸素分圧
が3×10-4〜7×10-4Torrであることが必要で
ある。つまり、酸素分圧が3×10-4Torr未満であ
ると、光線透過率が悪く(80%以下)、8×10-4
orr以上であると、面積抵抗が大きい(1kΩ/cm
2 以上)からである。
【0017】また、蒸発気化した酸化亜鉛を通過させる
プラズマ空間は酸素単独で構成される気体以外に、酸素
に適当量のヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトンあ
るいはキセノンなどの不活性気体を混合させた気体によ
り構成されていてもよいが、本発明では、気体の分圧を
3×10-4〜7×10-4Torrの範囲とすることが必
要である。不活性気体は直接酸化亜鉛薄膜の生成反応に
関与することはないが、酸素に添加することで、ペニン
グ効果によりプラズマ空間全体の電子エネルギー分布が
抑制され、一層の反応性の制御が可能となるものであ
る。すなわち、それぞれの不活性気体の準安定エネルギ
ーの違いにより、プラズマ空間中の酸素の状態の制御が
可能となる。本発明で用いられる不活性気体は先に列挙
したものの何れでも構わないが、経済性ならびに取り扱
いからアルゴンが好ましい。
【0018】さらに、プラズマ空間を生成させる放電
は、ラジオ波放電、直流放電、低周波放電、マイクロ波
放電等を用いることができる。なお、プラズマを生成さ
せる電力(入射波電力から反射波電力を差し引いたも
の)は、放電の方式により異なるが、ラジオ波(13.56M
Hz)放電の場合400 W以上である。
【0019】本発明の製造方法に使用される装置の一例
を図1に示す。同装置は、反応容器1で覆い、所定の比
で混合した蒸発源5中の薄膜形成材料を電子銃4から発
せられた電子ビームにより加熱気化させ、その蒸気を誘
導コイル3(誘導結合方式)により生成したラジオ波放
電プラズマ中を通過させ、基材ホルダー2に保持された
基材6に到達させるように設計・構成されているもので
ある。
【0020】一般に、酸化亜鉛などの熱による分解性を
有する物質を電子ビーム加熱ような方法を用いて蒸着さ
せることは希である。しかし本発明者らは成膜条件の範
囲が狭くなるものの、蒸発した気体に対して特定の条件
下でアシストをすることにより、従来のスパッタリング
方法により得られるような薄膜を得ることが可能とな
る。例えば、分解により過剰となった亜鉛粒子への酸素
導入口7からの酸素の供給およびその反応性を高めるた
めの気体の活性化である。
【0021】酸素の供給量、すなわち反応容器内の酸素
分圧が低い(3×10-4Torr未満)と導電性はある
程度有するものの、光線透過率の低い薄膜が生成され
る。一方、酸素分圧が高い(8×10-4Torr以上)
と、成膜速度が極端に低下してしまう。さらに、気体を
活性化するためのエネルギー(気体のプラズマ化に必要
な電力)の大小は蒸発した気体粒子と酸素分子・原子・
イオンとの反応性を左右するものである。
【0022】この場合、気体をプラズマ化させる手段
は、プラズマ空間において強制的にイオンや電子を移動
させる必要がなく、さらに酸素ガスの活性化のみが目的
であることより、いかなる放電方法でもよい。各種放電
方法において中程度のエネルギーを有し、酸素ガスを容
易に活性化でき、かつある程度の体積(プラズマ空間)
を生成できるラジオ波放電で充分である。
【0023】したがって、本発明は、加熱・気化した粒
子に対してプラズマ化させることにより活性化した酸素
ガスを反応させることにより、酸化亜鉛あるいは酸化亜
鉛に少量のアルミニウム、ホウ素、スカンジウム、ガリ
ウム、ケイ素、イットリウム、イッテルビウム、インジ
ウム、タリウムのうち少なくとも一種を含む薄膜を再現
性良くかつ高速で成膜する際の最適な条件を見いだし、
適応範囲を広げようとするものである。
【0024】実施例における光線透過率は紫外・可視分
光光度計による550 nmでの透過率である。抵抗値は抵抗
計を用いた面積抵抗の測定値で示した。
【0025】<実施例1>酸化亜鉛粉末(純度99.99
%)に0、1、2、4wt%の金属アルミニウム(純度
99.99 %)を混合した粉末を蒸着源とした。これらの粉
末は導電性を有してはいない。蒸着源および基材として
透明なポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはガ
ラスを装置に装着した後、反応容器内を8×10-6Tor
r以下まで排気した。その後、酸素ガスを供給し、反応
容器内の圧力を6×10-4Torrとして、電子ビームに
より蒸着源を加熱しながら、誘導結合方式のラジオ波
(13.56MHz)放電プラズマを500 Wの電力で生成させ、
成膜速度1000Å/minで膜を析出させた。得られた酸化亜
鉛蒸着フィルムの光線透過率および面積抵抗値を表1に
示す。金属アルミニウムを1wt%含む酸化亜鉛粉末を
蒸着源を利用した際に得られた膜が最も良い特性を示し
ていた。
【0026】
【表1】
【0027】<実施例2>酸化亜鉛粉末に1wt%の金
属アルミニウムを混合した粉末を蒸着源とした。実施例
1と同様の基材を用いて、ラジオ波の電力を500 Wとし
て酸素分圧を変化させて酸化亜鉛蒸着フィルムを得た。
結果を図2に示す。酸素分圧3×10-4Torr以下の条
件において作製した薄膜は、金属的光沢を有しており、
酸素分圧8×10-4Torr以上の条件で作製した蒸着フ
ィルムの光線透過率は80%以上であったが、面積抵抗値
が5kΩ/cm2以上となっており、透明導電性薄膜を製造
する際の酸素分圧の範囲は3×10-4〜7×10-4Torr
が最適であった。
【0028】<実施例3>実施例2と同様の蒸着源およ
び基材を用い、酸素分圧を6×10-4Torrとしてラジ
オ波の電力を変化させて酸化亜鉛薄膜を得た。結果を図
3に示す。プラズマを生成させずに蒸着を試みた場合に
は、蒸着フィルムは金属光沢を有しており、ほとんど光
線を透過しない膜であった。プラズマを生成させる電力
を200 W以下として作製した蒸着フィルムの面積抵抗値
は1kΩ/cm2以上であり、光線透過率は10%以下であっ
た。さらに電力を400 W以上とすることにより、光線透
過率は70%以上となり、面積抵抗値も1kΩ/cm2以下と
なった。透明導電性薄膜を製造する際のラジオ波の電力
は400 W以上が最適であった。
【0029】<実施例4>酸化亜鉛粉末(純度99.99
%)に0.5 wt%のホウ素(純度99.99 %)を混合した
粉末を蒸着源とした。これらの粉末は導電性を有しては
いない。蒸着源および基材として透明なポリエチレンテ
レフタレートフィルムあるいはガラスを装置に装着した
後、反応容器内を8×10-6Torr以下まで排気した。
その後、酸素ガスを供給し、反応容器内の圧力を6×10
-4Torrとして、電子ビームにより蒸着源を加熱しな
がら、誘導結合方式のラジオ波放電プラズマを500 Wの
電力で生成させ、成膜速度1000Å/minで膜を析出させ
た。得られた酸化亜鉛蒸着フィルムの光線透過率および
面積抵抗値を表2に示す。酸化亜鉛粉末にアルミニウム
を混合した場合と同程度の電気抵抗および光線透過率を
有する蒸着フィルムが得られた。
【0030】
【表2】
【0031】酸化亜鉛粉末に1wt%の金属アルミニウ
ムを混合した粉末を蒸着源とした。実施例1と同様の基
材を用いて、ラジオ波の電力を500Wとしてガスの分
圧を6×10-4Torrとして、酸素に添加するアルゴン
の量を変化させて酸化亜鉛蒸着フィルムを得た。その結
果を図4に示す。酸素へのアルゴンの添加量が0から5
0体積%までは良好な面積抵抗値および光線透過率を示
していたが、50体積%以上では面積抵抗値、光線透過
率ともに悪化した。
【0032】<比較例1>酸化亜鉛粉末(純度99.99
%)に1wt%の金属アルミニウム(純度99.99 %)を
混合した粉末を蒸着源とした。蒸着源および基材として
透明なポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはガ
ラスを装置に装着した後、反応容器内を8×10-6Tor
r以下まで排気した。その後、酸素ガスを供給し、反応
容器内の圧力を6×10-4Torrとして、電子ビームに
より蒸着源を加熱し、プラズマを生成させずに成膜速度
1000Å/minで膜を析出させた。得られた酸化亜鉛蒸着フ
ィルムの光線透過率および面積抵抗値を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】<比較例2>酸化亜鉛粉末(純度99.99
%)に1wt%の金属アルミニウム(純度99.99 %)を
混合した粉末を蒸着源とした。蒸着源および基材として
透明なポリエチレンテレフタレートフィルムあるいはガ
ラスを装置に装着した後、反応容器内を8×10-6Tor
r以下まで排気した。その後、酸素ガスを供給せずに、
電子ビームにより蒸着源を加熱し、誘導結合方式のラジ
オ波放電プラズマを500 Wの電力で生成させ、成膜速度
1000Å/minで膜を析出させた。得られた酸化亜鉛蒸着フ
ィルムの光線透過率および面積抵抗値を表4に示す。
【0035】
【表4】
【0036】<比較例3>酸化亜鉛粉末(純度99.9
9%)に1wt%の金属アルミニウム(純度99.99
%)を混合した粉末を蒸着源とした。蒸着源および基材
として透明なポリエチレンテウレフタレートフィルムあ
るいはガラスを装置に装着した後、反応容器内を8×10
-6Torr以下まで排気した。その後、アルゴンガスを
供給し、電子ビームにより蒸着源を加熱し、誘導結合方
式のラジオ波放電プラズマを500 Wの電力で生成させ、
成膜速度1000Å/minで膜を析出させた。得られた酸化亜
鉛蒸着フィルムの光線透過率および面積抵抗値を表5に
示す。
【0037】
【表5】
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明による透明導
電性薄膜の製造方法によれば、スパッタリング法のよう
な加工をすることなく熱的な分解性のある酸化亜鉛粉末
を原料とした透明導電性薄膜を形成することができ、基
材に耐熱性の小さなものを用いることも可能であり、従
来技術と比べて低温度でしかも高速度で再現性良く容易
に透明導電性薄膜を形成できるなど極めて優れた効果が
得られる。また、不活性基体を酸素に添加することで、
ペニング効果によりプラズマ空間全体の電子エネルギー
分布が抑制され、一層の反応性の制御が可能となる効果
を得ることができる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による透明導電性薄膜の製造方法の一例
を説明するための電子ビーム蒸着装置を示す主要部断面
構成図である。
【図2】実施例2における酸化亜鉛蒸着フィルム形成時
の酸素分圧に対する光線透過率および面積抵抗の変化を
示す説明図である。
【図3】実施例3における酸化亜鉛蒸着フィルム形成時
の電力に対する光線透過率および面積抵抗の変化を示す
説明図である。
【図4】実施例5における酸化亜鉛蒸着フィルム形成時
の酸素へのアルゴンガスの添加量に対する光線透過率お
よび面積抵抗の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2 基材ホルダー 3 誘導コイル 4 電子銃 5 蒸着源 6 基材 7 酸素導入口

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化亜鉛単独、または酸化亜鉛に少量の三
    価以上の金属もしくは半導体を少なくとも一種含む混合
    物を薄膜形成材料とする透明導電性薄膜の製造方法であ
    って、前記薄膜形成材料を加熱気化し、酸素分圧が3×
    10-4〜7×10-4Torrであるプラズマ空間を通過
    させた後、基材上に付着させることを特徴とする透明導
    電性薄膜の製造方法。
  2. 【請求項2】三価以上の金属もしくは半導体が、アルミ
    ニウム、ホウ素、スカンジウム、ガリウム、ケイ素、イ
    ットリウム、イッテルビウム、インジウムあるいはタリ
    ウムであることを特徴とする請求項1記載の透明導電性
    薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】プラズマ空間を生成させる放電が、ラジオ
    波放電、直流放電、低周波放電あるいはマイクロ波放電
    であることを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載
    の透明導電性薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】酸化亜鉛単独、または酸化亜鉛に少量の三
    価以上の金属もしくは半導体を少なくとも一種含む混合
    物を薄膜形成材料とする透明導電性薄膜の製造方法であ
    って、前記薄膜形成材料を加熱気化し、酸素と不活性気
    体の混合ガスの分圧が3×10-4〜7×10-4Torr
    であるプラズマ空間を通過させた後、基材上に付着させ
    ることを特徴とする透明導電性薄膜の製造方法。
  5. 【請求項5】不活性気体が少なくともヘリウム、ネオ
    ン、アルゴン、クリプトンあるいはキセノンのうち一種
    であることを特徴とする請求項4記載の透明導電性薄膜
    の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006307254A (ja) * 2005-04-27 2006-11-09 Micro Denshi Kk マイクロ波酸素プラズマを利用した薄膜形成装置
JP2010100913A (ja) * 2008-10-24 2010-05-06 Citizen Tohoku Kk 薄膜形成装置および薄膜形成方法
JP2010185127A (ja) * 2009-01-13 2010-08-26 Mitsubishi Materials Corp ZnO膜の成膜方法

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