JPH0595A - アミノ酸を共有結合させて強化したペプチドまたは蛋白質製品の製造方法 - Google Patents

アミノ酸を共有結合させて強化したペプチドまたは蛋白質製品の製造方法

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JPH0595A
JPH0595A JP3308513A JP30851391A JPH0595A JP H0595 A JPH0595 A JP H0595A JP 3308513 A JP3308513 A JP 3308513A JP 30851391 A JP30851391 A JP 30851391A JP H0595 A JPH0595 A JP H0595A
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Nee Nemuth Gyorgy Hajos
ハヨーシユ ネー ネームト ヂヨエヂイー
Anna Halasz
ハラース アンナ
Laszlo Pallos
パルロシユ ラースロー
Frigyes Goergenyi
ゴエルゲーニユイ フリヂエシユ
Tibor Szarvas
サルヴアシユ チボール
Eva Gelencser
ゲレンチエール エーヴア
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Egyt Gyogyszervegyeszeti Gyar
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
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    • C12P21/02Preparation of peptides or proteins having a known sequence of two or more amino acids, e.g. glutathione
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    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P21/00Preparation of peptides or proteins
    • C12P21/06Preparation of peptides or proteins produced by the hydrolysis of a peptide bond, e.g. hydrolysate products

Abstract

(57)【要約】 【構成】アミノ酸、特に必須アミノ酸をエチルエステル
などその活性アシル誘導体の形態で、乳蛋白質などの蛋
白質またはペプチドを基質として含有する反応混液に添
加し、次いで、α-キモトリプシンなどの蛋白質分解酵
素を用いた制御下プロテアーゼ触媒作用によって酵素利
用ペプチド改質を実行することにより、前記アミノ酸
を、共有結合によって前記蛋白質またはペプチドに結合
させる。 【効果】慣用のプラステイン反応によるものに比して、
生物学的利用能が著しく優れたアミノ酸強化食品が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アミノ酸を共有結合さ
せたペプチドまたは蛋白質製品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酵素を触媒に用いた蛋白質の改質は、酵
素による蛋白質の加水分解とは別に、現在まで長期間に
わたり、かつ現在もなお、「プラステイン」反応と称され
ている。この反応は、文献資料によれば次の事項を目的
としてこれを発展させることが可能である。すなわち、 − 物理的特性を変化させ、苛性ペプチドを除去して蛋
白質の溶解度を高めること、 − 望ましくない色彩、臭気、および味を有する成分を
除去するために、必須制限アミノ酸を組み込み、不要の
アミノ酸を除去し、かつ界面活性剤を製造すること、 である[ホィッテイカー(J.R. Whitaker)およびピグサー
バー(A.J. Puigsever):アドバンセズ・イン・ケミスト
リー・シリーズ(Advan. Chemistry Ser.)、第198巻(198
2年)57〜87ページ;フジマキ(M. Fujimaki)、アライ(S.
Arai)、およびヤマシタ(N. Yamashita):アドバンセズ
・イン・ケミストリー・シリーズ、第160巻(1977年)156
〜184ページ]。
【0003】反応は、37℃で行われ、24時間継続される
のが通例である。蛋白質またはペプチドの濃度は、反応
混液に添加される段階で、25〜50重量%の範囲であるの
が一般的である。
【0004】酵素による蛋白質の改質は、その栄養価を
高めることを目的として行われ、文献にも記載されてい
る。例えば、これを用いることによって、大豆蛋白質の
メチオニン含量は7%増大し、L-リシンがグルテン中に
取り込まれ、また、光合成由来のL-リシン、L-メチオニ
ン、およびL-トリプトファンが共有結合によって同時に
取り込まれる[フィリップス(R.D. Phillips)およびビュ
ーチャト(L.R. Beuchat):米国化学会シンポジウム・シ
リーズ(ACS SymposioumSer.)、第147号(1981年)275〜29
8ページ;フジマキら:「食品蛋白質:化学的および酵素
的改質による改良(Food Proteins: Improvement throug
h Chemical and Enzymatic Modification)」(1977年)よ
り、156ページ]。
【0005】大豆蛋白質の場合、メチオニンを結合させ
る一段階の方法がアライらによって記載されている[ア
グリカルチュラル・アンド・バイオロジカル・ケミスト
リー(Agric. Biol. Chem.)、第43巻第5号(1979年)1,06
9〜1,074ページ]。
【0006】米国特許第4,016,147号明細書には、低フ
ェニルアラニン含量の蛋白質またはペプチドを調製する
酵素的方法が開示されている。
【0007】ハンガリー国特許第194,487号明細書に
は、フェニルケトン尿症に罹患した患者に供するため
の、フェニルアラニン含量を低下させた同種の蛋白質性
規定食用製品の製造方法が記載されている。L-メチオニ
ンは、部分的には必須アミノ酸(食品蛋白質中でしばし
ば制限アミノ酸となる)として、かつ部分的には唯一の
生物学的メチル化剤として、生体において特に重要な役
割を演じる。そのため、年齢および健康状態の必要性に
応じ、あるいはストレスに付随する状態に応じて、その
欠乏を補うのに特別な配慮が必要であり、かつ、適切な
量および方式で規定食用の補完物を与える必要性ににつ
いても、配慮しなければならない。この明白な必要性の
ゆえに発明者らは、上記の観点に従って意識的に設定さ
れた、改質アミノ酸組成物よりなる消化の容易な蛋白質
を含有する、蛋白質を基質とする一群の規定食用製品開
発の可能性を探求することになった。
【0008】生理学的実験によれば、(栄養価の増大の
ための)強化を目的として添加された必須アミノ酸が、
基本となる基質蛋白質と緩やかに結合しているに過ぎな
い場合、それらの再吸収および生物学的利用能は不充分
であることが証明されている。対照的に、これらのアミ
ノ酸が前記蛋白質と共有結合で結合され、これに組み込
まれていさえすれば、それらの生物学的利用能は、(選
択的にはそれらの栄養素としての利用度も)最高準位に
達するのである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、その
適用によって、食品蛋白質および規定食用製品の栄養価
の改善と、それらのアミノ酸組成および構造の予め定め
た計画に応じた改質と、健康の保全および安全な栄養補
給に重要な役割を有すると思われる標的蛋白質の製造と
が可能となるような方法を案出することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、組み込もうと
するアミノ酸が、活性化された誘導体の形態で、強化し
ようとする蛋白質またはペプチドを含有する反応混液に
添加され、プロテアーゼなる酵素を用いた管理されたプ
ロテアーゼ触媒作用によって、酵素利用ペプチド改質が
実行された場合に、上記の目的を完全に達成することが
可能であり、共有結合によるアミノ酸の結合を実現でき
るとの認識に基づいている。
【0011】従って本発明は、アミノ酸を共有結合させ
て強化したペプチドまたは蛋白質製品の製造方法に関す
る。本発明の方法は、結合させようとするアミノ酸を、
その活性誘導体の形態で、強化しようとする蛋白質また
はペプチドを基質として含有する反応混液に添加し、次
いで、プロテアーゼなる酵素を用いた制御下プロテアー
ゼ触媒作用によって酵素利用ペプチド改質を実行し、得
られた製品および過剰量のアミノ酸誘導体を、反応混液
から移転させることによって、完全に実現される。
【0012】本発明の方法を用いることによって、完全
化または強化に用いられるアミノ酸、または前記アミノ
酸で構成されるペプチドは、基本となる基質蛋白質鎖中
に挿入される。
【0013】先行技術の方法によれば、メチオニン含量
の強化は、専ら当該蛋白質の栄養価を高める目的でなさ
れるのが常であった。これに対して、これらメチオニン
強化蛋白質はまた、栄養補給を通じて経口的に投与する
ことの可能な、身体に対する独占的メチル化剤の材料と
もなり得ることを、発明者らは示唆している。このこと
は、人体がメチル化剤の不足に陥るような、例えばスト
レスに付随する状態、高齢、衰弱状態などにおいて、特
定の年齢または疾病に関しては特に重要である。
【0014】本発明の方法は、文献に記載のプラステイ
ン反応とは対照的に、酵素利用ペプチド改質(EPM)とよ
ばれる。
【0015】先行技術に属する「プラステイン製品」にお
いては、当初のアミノ酸と補完のためのアミノ酸との
間、およびペプチド鎖同士の間に働く分子間引力は、こ
れに関する文献資料によれば、疎水性のファンデアワー
ルス力およびイオン(塩結合)力である。これに対して、
本発明により製造の製品においては、アミノ酸の組み込
みが共有結合によるものであることは、分析試験など数
種類の方法を用いてこれを確認することができる。「プ
ラステイン製品」に特徴的に予見される、しばしば認め
られ得る(開始物質である水解物のそれと比較しての)平
均分子量の増加とは対照的に、本発明による反応条件下
で製造される製品の平均分子量には、顕著な増加が全く
認められない。
【0016】本発明の方法においては、EPM反応の基質
としては好都合にも、植物由来の蛋白質、単細胞蛋白
質、乳蛋白質(あるいは部分的加水分解で得られる「調理
済み」乳蛋白質)、工業的生産に派生する副産蛋白質、お
よび非慣用的蛋白質を用いることが可能である。本発明
の方法を実行する観点からは、部分的に加水分解された
「調理済み」乳蛋白質または未加工の乳蛋白質(カゼイ
ン、ホエーなどの蛋白質)が基質として用いるのが好都
合である。
【0017】酵素利用ペプチド改質(EPM)反応を実行す
るには、異なる種類のエンドペプチダーゼまたはエキソ
ペプチダーゼ、あるいはトランスペプチダーゼ、好まし
くは食品業界または規定食用製品製造業界に認可された
プロテアーゼ(蛋白質分解酵素)を用いることができる。
このような好適な酵素としては、α-キモトリプシン、
パパイン、トリプシン、ペプシン、プロナーゼ、アルカ
ラーゼ(alcalase)、カルボキシペプチダーゼがある。こ
れらの酵素は、それぞれ別個に、あるいは質量比および
用いる順序を熟慮した上で組み合わせて、これを用いる
ことができる。
【0018】いかなるアミノ酸を用いることもできる
が、必須アミノ酸を用いるのが有利であり、このアミノ
酸を含有するオリゴペプチドの形態で用いるのが好都合
である。
【0019】結合させようとするアミノ酸は、活性誘導
体の形態で用いるべきである。このような誘導体として
は、対応するアミノ酸のエステル、チオエステル、無水
物、およびその他の活性アシル誘導体がある。
【0020】本発明の方法の一好適実施例によれば、L-
メチオニンがアミノ酸の結合に用いられる。反応は、37
±15℃の温度で、pH値を4.0〜8.5として2〜16時間これ
を行わせるのが好ましい。反応混液に対する基質の比率
は、10〜25重量%とし、結合させようとするアミノ酸と
基質の質量比は、アミノ酸の質量について計算して1/2
〜1/40とする。
【0021】反応混液からの本発明の方法の製品、およ
び過剰量の使用アミノ酸誘導体の移転には、公知の分離
手法、例えば透析、凍結乾燥、限外濾過、膜分離、ある
いはこれらの組み合わせが用いられる。
【0022】本発明のEPM法を用いることによって、き
わめて多くの異なる製品を製造することが可能である
が、その適用の主たる分野は、下記のとおりに要約する
ことができる。 − 主として規定食用製品(幼児食向け、およびベビー
フード用調合乳)を目的とする選択された用途に向け
て、調和のとれたアミノ酸組成を有する蛋白質(いわゆ
る「標的蛋白質」)の製法が提供される。 − メチオニン強化蛋白質製品の製法 (a) ストレスの影響下にある人間向けに。 (b) 発癌性の危険が考慮される場合の予防および治療
のための天然のラジカル捕捉剤または解毒剤として。 (c) 肝疾患およびアルコール中毒症の治療に。 (d) 人体を対象に必要とされるメチル化剤とするの
に。 − 特殊な目的による規定食用製品および医用食品の製
法。 (a) 術後患者向けの適切なアミノ酸組成の容易に消化
し得る蛋白質として。 (b) 薬剤吸収の遅延を生起させる蛋白質成分として。 (c) 高齢者向けの規定食用製品として。 (d) スポーツマンに対しての肉体的適格性を改善する
一般強壮剤として。 − 食品添加物の製法
【0023】これらすべてに加えて、EPM法を用いて製
造された製品のいくつかは、動物の育種に、例えば家禽
および家畜向けの栄養素として、あるいは毛皮採取用動
物の育種に有用である。
【0024】本発明の方法、およびその方法を用いて製
造された製品の主たる利点は、下記に列挙するとおりで
ある。 (a) 添加アミノ酸の共有結合が形成されることによっ
て、製品の生物学的利用能、すなわち栄養素としての利
用度が著しく向上する。 (b) ある種の食品および規定食用製品の蛋白質の栄養
価の改善を可能にする。 (c) 食品および規定食用製品の蛋白質のアミノ酸組成
および構造の計画的かつ目的指向的な改質、すなわち、
主として幼児向けおよびベビーフード用調合乳を用途と
するいわゆる「標的」蛋白質がもたらされる。 (d) 製品が健康の保全および安全な栄養補給に重要な
役割を果たし得る。 (e) メチオニンを強化した蛋白質製品が製造され、好
都合にもこれは、肝疾患の患者の治療に、およびアルコ
ール中毒症およびある種の形態の癌に罹患した患者の治
療に適用される。 (f) 動物育種に用いて、好都合な栄養素および食品添
加物に利用できる。 (g) 方法が工業的規模でも実行可能である。
【0025】
【実施例】以下、実施例を用いて、本発明の方法並びに
本方法を用いて得られる製品を更に詳細に説明するが、
保護の対象範囲は、これら25例の記載内容に限定される
わけではない。
【0026】実施例1 カゼイン[ハンメルステン(Hammersten)社製]8gを蒸留
水に溶解させ、0.1モル水酸化ナトリウム約75mlを加え
て溶液のpHを7.5に調整する。最終液量は800mlである。
次いで、α-キモトリプシン[米国ミズーリ州セントルイ
ス所在、シグマ社製]80mgをこれに加え、マグネチック
スターラを用いて懸濁液を37℃にて1時間攪拌し、この
液体を凍結させて凍結乾燥を施す。
【0027】上記の方法で調製された水解物25gを蒸留
水に懸濁させ、次いで、塩酸メチオニンメチルエステル
21.1gを加える。得られた混合液を完全に混合し、数ml
の蒸留水を加え、1モルの水酸化ナトリウム約20mlを加
えてpHを6.0に調整した後、最終液量を100mlまで増量す
る。α-キモトリプシン[ドイツ国ハイデルベルク所在、
セルバ社製]250mgをこれに加え、懸濁液を充分に混合
し、次いで、攪拌することなく、これを37℃にて16時間
温置する。得られたゼラチン化製品に48時間の透析を施
した後、凍結乾燥を施して過剰量のメチオニン誘導体を
除去する。
【0028】実施例2 カゼイン[ハンガリー国レアナル(Reanal)社製]10gを初
め1m3の水に懸濁させ、次いで希塩酸を用いてpHを1.6
に調整する。次いで、ペプシン100gを用い、37℃にて2
時間の加水分解を施す。反応の全期間を通じて継続的に
攪拌する。次いで、水酸化ナトリウムを用いて懸濁液の
pHを6.0に調整し、上記の条件下で2回目の加水分解を
パパインを用いて行う。
【0029】上記の方法に従って調製した基質の濃度
は、300kg/m3であって、酵素対基質の質量比は1:100
であり、温置の温度は37℃、pHは6.0、温置時間は攪拌
なしの16時間である。アミノ酸組み込みのためのメチオ
ニンメチルエステルの基質に対する質量比は5:100で
ある。メチオニンを結合させるには、数種類の蛋白質分
解酵素、すなわち「プロナーゼ」[それぞれ米国カリフォ
ルニア州パロアルト所在、カルビオケム(Calbiochem)社
製、および前出セルバ社製]、α-キモトリプシン[前出
シグマ社製]、およびパパインを用いる。最後の場合
は、パパイン活性化剤としてL-カゼインを用いる。
【0030】実施例3 カゼイン[前出ハンメルステン社製]16gを蒸留水に溶解
させ、溶液のpHを7.5に調整し、最終液量を800mlとす
る。次いで、α-キモトリプシン[セルバ社製]160mgを加
えて加水分解を施す。反応時間は1時間、温度は37℃で
ある。
【0031】上記により調製の水解物25gを蒸留水に懸
濁させ、次いで、塩酸メチオニンメチルエステル21.1g
を加える。pHを6.0に調整し、混合液の最終液量を100ml
とする。次いで、懸濁液にα-キモトリプシン250mgを加
えて、37℃にて16時間温置する。
【0032】得られたゼラチン化製品に透析を施し、そ
の後、凍結乾燥を施す。
【0033】実施例4 アルカラーゼ[デンマーク国ノルディスク所在、ノボ(No
vo)社製]を用い、1%溶液中でpH値を8.5とし、55℃に
て2時間の加水分解をカゼインに施す。攪拌し続けて2
時間後に、塩酸を用いて混合液のpHを6.0に調整する。8
5℃にて5分間の熱処理後、混合液に凍結乾燥を施す。
【0034】EPM反応の実行中は、pHを6.9に調整し、上
記の要領で調製した水解物は12.7重量%の濃度で用い
る。水解物の乾燥重量330.2gに対して計算して63.9gのL
-メチオニンエチルエステル、およびアルカラーゼ(Alca
lase:商品名、前出ノボ社製)8mlを水解物に加える。
酵素およびエステルはともに、水溶液の形態でこれを加
える。
【0035】実施例5 パパインによる卵黄水解物を基質に用いる。用いた卵黄
は、何例かの事例では新鮮であったが、他の実験では、
凍結乾燥を施し、乾燥させ、極度に凍結させ、あるいは
放射線照射が施されている。
【0036】EPM反応の実行には、卵黄水解物15gを、パ
パインおよび9.75gのL-メチオニンエチルエステルの存
在下でpH6.0の緩衝液100mlに溶かして、37℃にて6時間
温置する
【0037】実施例6 16gのプロミンE500[Promine-E500:商品名、ベルギー国
プールズ所在、ピュリナ・プロテインズ社(Purina Prot
eins B.V.)製]を蒸留水800mlに懸濁させ、pH値を7.5と
して、α-キモトリプシン80mgを用いて2時間消化させ
る。得られた製品に凍結乾燥を施す。
【0038】EPM反応を行わせるには、上記の製品2.0g
にメチオニンメチルエステル1.8gおよびα-キモトリプ
シン20mgを加え、pH6.0として37℃にて10時間、攪拌す
ることなくこれを温置する。
【0039】実施例7 乳蛋白質に基づき、調和された必須アミノ酸組成物から
なる規定食用食品を製造するのに、発明者らは、スポル
トロビ[Sportrobi:商品名、ハンガリー国クルメンド所
在、エギス・ラクタ(Egis Lacta)社製]と称される酵素
利用調理済み乳蛋白質標品をEPM反応の基質として用い
た。酵素利用調理済み乳蛋白質標品をメチオニンで強化
する目的は、酵素利用調理済み蛋白質の規定食としての
利点を、その調和された必須アミノ酸組成物に近似させ
ることによって一層高めることにある。
【0040】実験は、(a)未だ加水分解を施していない
乳蛋白質標品、および(b)パパインによる2時間の加水
分解を既に施してある乳蛋白質標品の両者について行わ
れた。結合させようとするアミノ酸誘導体は、いずれの
場合もL-メチオニンエチルエステルであって、これを反
応混液に添加する。酵素触媒としてはパパインまたはα
-キモトリプシンを用いた。メチオニン含量における強
化達成の度合を表1に要約する。
【0041】
【表1】
【0042】表1から明らかなとおり、メチオニン強化
度は、2時間の加水分解を追加的に施した後にEPM反応
の基質に用いた標品において最高となるが、栄養素に関
するFAO-WHO合同勧告に示された限りでの最適メチオニ
ン含量は、調理済み乳蛋白質を基質に用いた場合にして
既に、得られたメチオニン比で4.6%として超過達成さ
れている。
【0043】実施例8 L-ドーパ(3,4-ジヒドロキシ-L-フェニルアラニン)をL-
ドーパエチルエステルとしてカゼイン水解物に組み込
む。基質に対して1/5重量部のL-ドーパエチルエステル
を反応混液に含ませる。
【0044】実験は、2種類の酵素を用い、(a)α-キ
モトリプシンまたはアルカラーゼを用いてカゼインのα
-キモトリプシン4時間水解物に、および(b)カゼイン
のアルカラーゼ1時間または2時間水解物に、それぞれ
L-ドーパを組み込んでこれを行なった。
【0045】実施例9 管理された自己溶菌を利用して部分的に加水分解して得
られた醸造酵母蛋白質、あるいは超音波細胞崩壊を用い
て得られたその水溶性蛋白質分画を実験に用いた。凍結
乾燥させた基質から調製した溶液の濃度は、それぞれ20
0g/dm3および400g/dm3である。メチオニンは、そのエチ
ルエステルの形態で用い、α-キモトリプシン、カルボ
キシペプチダーゼ、および酵母自体のカルボキシペプチ
ダーゼを触媒として用いた。メチオニンの未結合部分を
製品から除去するには透析を用いた。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年12月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】 実施例2 カゼイン[ハンガリー国レアナル(Reanal)社
製]10kgを初め1mの水に懸濁させ、次いで希塩
酸を用いてpHを1.6に調整する。次いで、ペプシン
100gを用い、37℃にて2時間の加水分解を施す。
反応の全期間を通じて継続的に攪拌する。次いで、水酸
化ナトリウムを用いて懸濁液のpHを6.0に調整し、
上記の条件下で2回目の加水分解をパパインを用いて行
う。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // A23L 1/305 8114−4B A61K 37/02 ADD 8314−4C 37/18 8314−4C (72)発明者 ラースロー パルロシユ ハンガリー国 1126 ブダペスト ウゴチ ヤ ウツツア 8/ア (72)発明者 フリヂエシユ ゴエルゲーニユイ ハンガリー国 1115 ブダペスト サカシ ツ アー ウツツア 60/ア (72)発明者 チボール サルヴアシユ ハンガリー国 1122 ブダペスト マロシ ユ ウツツア 24 (72)発明者 エーヴア ゲレンチエール ハンガリー国 1035 ブダペスト ヴオエ ロエシユヴアーリ ウート 33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ酸を共有結合させて強化したペプ
    チドまたは蛋白質製品の製造方法であって、結合させよ
    うとするアミノ酸をその活性誘導体の形態で、強化しよ
    うとする蛋白質またはペプチドを基質として含有する反
    応混液に添加する段階と、プロテアーゼなる酵素を用い
    た制御下プロテアーゼ触媒作用によって酵素利用ペプチ
    ド改質を実行する段階と、得られた製品および過剰量の
    アミノ酸誘導体を反応混液から移転させる段階とを備え
    ることを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 結合させようとするアミノ酸として、必
    須アミノ酸を用いる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 結合させようとするアミノ酸を、オリゴ
    ペプチドの形態で反応混液に混入する請求項1または2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 結合させようとするアミノ酸を、そのエ
    ステル、チオエステル、無水物、あるいは他の何らかの
    活性アシル誘導体の形態で用いる請求項1または2記載
    の方法。
  5. 【請求項5】 結合させようとするアミノ酸の活性誘導
    体として、L-メチオニンエチルエステルを用いる請求項
    1、2、および4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 アミノ酸の結合工程に用いられる基質
    が、植物由来の蛋白質、単細胞蛋白質、乳蛋白質、工業
    的製造工程に派生する副産蛋白質、あるいは非慣用的蛋
    白質である請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 プロテアーゼなる酵素として、エンドペ
    プチダーゼまたはエキソペプチダーゼ、あるいはトラン
    スペプチダーゼを用いる請求項1ないし6のいずれかに
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 プロテアーゼなる酵素として、α-キモ
    トリプシン、パパイン、トリプシン、ペプシン、プロナ
    ーゼ、アルカラーゼ(alcalase)、カルボキシペプチダー
    ゼなど、食品業界または規定食用製品製造業界に認可さ
    れたものを用いる請求項1ないし7のいずれかに記載の
    方法。
JP3308513A 1990-10-26 1991-10-28 アミノ酸を共有結合させて強化したペプチドまたは蛋白質製品の製造方法 Pending JPH0595A (ja)

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