JPH059581Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、都市ガス、水道などの配管に使用す
るパツキン形管継手に関し、特にこのパツキン形
状に関する。

［従来の技術］ 従来のパツキン形管継手を第４図および第５図
に示す。

パツキン形管継手は、一般にほぼ円筒状の継手
本体２と、この継手本体２の端部に装着する円環
状のパツキン３と、このパツキン３を継手本体２
に押付ける円環状の押圧体４からなつている。

継手本体２の端部内周面は、最端部に行くに従
つて大径となるテーパ面となつており、このテー
パ面にパツキン３が当接する。パツキン３は弾性
体によりなり、継手本体２と当接する面と反対側
に押圧体４が配置される。押圧体４は第４図に示
すようにフランジで、このフランジ形押圧体４
と、継手本体２に設けたフランジとをボルト・ナ
ツトで組付けてパツキン３を押付ける形式があ
る。

また、第５図に示すように押圧体４は袋ナツト
で、この袋ナツトと継手本体２に形成したおねじ
とをねじ接合してパツキン３を押付ける形式もあ
る。

さらに第４図に示すように、この押圧体４とパ
ツキン３との間にリテーナ５を介在させたパツキ
ン形管継手、あるいは第５図に示すように押圧体
４とパツキン３との間にリテーナ５および喰込み
リング６を介在させたパツキン形管継手もある。

このパツキン形管継手に管１を接続するには、
まず管１の外周端部に押圧体４を取付け、さらに
喰込みリング６、リテーナ５をこの順に押圧体４
に隣接して管１の外周に取付け、最後にパツキン
３を管１の外周一番端部側に取付ける。次にこの
パツキン３、リテーナ５、喰込みリング６および
押圧体４を取付けた管１を継手本体２のテーパ面
より継手本体２の内部に挿入する。

最後に押圧体４を継手本体２に取付け、押圧体
４によつてパツキン３を継手本体２のテーパ面に
押付けて接続が完了する。

ここで従来のパツキン形管継手で、特公昭59−
48911号公報に開示されたものを第４図に示し、
同じく従来のパツキン形管継手で特公昭57−
39981号公報に開示されたものを第５図に示す。

これら従来のパツキン形管継手は、パツキン３
の特に形状に特徴があるので、以下にパツキン３
について説明する。

これらのパツキン３はいずれも継手本体２側が
テーパ面であり、第５図のパツキン形管継手は、
パツキン３のテーパ面と内周面とのなす角度が、
継手本体２のテーパ面と管１の外周面とのなす角
度より大きくなつている。

また、第４図のパツキン形管継手はパツキン３
が２段テーパ面であり、継手本体２側を第１テー
パ面とし、押圧体４側を第２テーパ面としたと
き、継手本体２のテーパ面とパツキン３の第１テ
ーパ面とのなす角度をθ1、同じく継手本体２のテ
ーパ面とパツキン３の第２テーパ面とのなす角度
をθ2とする。

ここでθ1＞θ2となつている。

［考案が解決しようとする問題点］ 以上説明した従来のパツキン形管継手は、継手
本体とパツキンとの接触部において、接触部の前
後におけるパツキン面と継手本体テーパ面とのな
す角度が小さいので、パツキンを継手本体のテー
パ面に押付けたとき、パツキンの変形が広範囲に
わたり面圧が低く、この部分へのシール性が悪
い。かつ、パツキンの押付方向前方先端が尖つて
いるので、このパツキン先端が継手本体のテーパ
面奥の管との平行面にまで達することがあり、こ
の後さらにパツキンを継手本体のテーパ面に押付
けてもテーパ面における面圧が得られず、パツキ
ンと継手本体のシール性が悪い問題点がある。

［問題点を解決するための手段］ 本考案は、ほぼ円筒状で端部内図面が最端部に
行くに従つて大径となるテーパ面を有する継手本
体と、この継手本体のテーパ面に装着する円環状
の弾性体よりなるパツキンと、このパツキンを前
記継手本体のテーパ面に押付ける押圧体とからな
るパツキン形管継手において、前記パツキンは、
両側面が軸と直角な平面を有し、内径面と各側面
との面取りＲ１面を有し、外経面と前記継手本体
側の側面との間に前記面取りＲ１面より大きい面
取りＲ２面を有することを特徴とするパツキン形
管継手である。

この本考案によるパツキン形管継手は、パツキ
ンの形状に、以上説明したような特徴がある。す
なわち、パツキンの継手本体側の側面に軸方向と
の直角な面を有しているのでパツキンを継手本体
のテーパ面に押付けてもパツキンの先端がテーパ
面の最奥部まで達しない。さらにパツキンの前記
した直角な面に続く面取りＲ２面がまず継手本体
のテーパ面に接し、この後パツキンを押付けても
接触面積が急に大きくならないので適度な面圧を
得ることができて、パツキンと継手本体のテーパ
面とのシール性が良好である。

［実施例］ 本考案によるパツキン形管継手は、パツキン特
にパツキンの形状に特徴がある。従って接続する
管１、継手本体２および押圧体４は従来のそれら
と同様であり、パツキン３と押圧体４との間に装
着するリテーナ５あるいは喰込リング６について
も従来のパツキン形管継手と同様である。そこで
本考案によるパツキン形管継手のパツキン３の実
施例を第１〜第３図に示す。

第１図は円環状でゴムなどの弾性体よりなるパ
ツキン３の縦断面図である。

パツキン３の内径面は、片側に行くに従って大
径となるテーパ面３１とこのテーパ面３１の両端
部に面取りＲ１面３２を有しており、内径面の大
径側は接続する管１の外径１１より大きく、かつ
内径面の小径側は接続する管１の外径１１より小
さい。

パツキン３の両側面は、このパツキン軸に対
し、直角な平面３３を有している。

ここで、この両側面の平面３３は各々、内径面
のテーパ面３１の両端部にある面取りＲ１面と連
続してつながつている。

パツキン３の外径面は、このパツキン軸と平行
な円筒外周面３４である。

この円筒外周面３４と内径大径側の直角な平面
３３との間に面取りＲ１面３２を有している。

この円筒外周面３４と内径小径側の直角な平面
３３との間には面取りＲ２面３５を有しており、
この面取りＲ２面３５は、前記した面取りＲ１面
３２より半径が大きい。

面取りＲ１面３２は３個所あり、これらの半径
は特に同じでなくてもよい。

以上説明した本実施例のパツキン３を用いたパ
ツキン形管継手は、パツキン３の内径面がテーパ
面となつており、この大径側が接続する管１の外
径より大きく、この小径側が接続する管１の外径
より小さいので、パツキン３を接続する管１に装
着が容易であり、かつパツキン３と接続する管１
との密着性、シール性が良い。

また、パツキン３の継手本体２側の側面に平面
３３が形成してあるので、パツキン３が継手本体
２の内周面平行部まで達することはない。

また、継手本体２のテーパ内周面と当接するパ
ツキン３の形状は、直角をなす側面の平面３３と
円筒外周面３４の面取りＲ２面３５であるので、
パツキン３を押圧体４によつて継手本体２のテー
パ内周面に押付けたとき、これらの接触面積が大
き過ぎて面圧が小さ過ぎることがない。

次に第２図および第３図に縦断面図で示すパツ
キン３の実施例は他の実施例すなわち第２実施例
である。

この第２実施例のパツキン３は以前に説明した
実施例のパツキン３と内径面、外径面および内径
大径側の側面が同様の形状である。

第２実施例のパツキン３は内径小径側の側面に
継手本体２のテーパ内周面とθの角度の平面３６
をわずかに小さく有し、この平面３６と円筒外周
面３４との間に面取りＲ２面３５が形成されてい
る。

このθの角は、円筒外周面３４と継手本体２の
テーパ内周面とのなす角度でもある。

この第２実施例のパツキン３を用いたパツキン
形管継手は、第１実施例のパツキン３を用いたパ
ツキン形管継手と同様の効果の他に、パツキン３
と継手本体２のテーパ内周面との接触部がこの中
央を基準に左右が対称であるので、パツキン３の
変形もほぼ左右対称となつて歪が偏らず均一とな
り、寿命が長い効果もある。

［考案の効果］ 本考案によるパツキン形管継手は、継手本体と
パツキンとの接触面圧が適当で、かつパツキンが
継手本体の平行部まで達しない効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案によるパツキン形管継手のパ
ツキンの実施例を示す縦断面図、第２図は同じく
他の実施例を示す縦断面図、第３図は第２図の実
施例のパツキンを接続する管に装着し、継手本体
テーパ面に押付けようとする状態の縦断面図、第
４図は従来のパツキン形管継手の部分縦断面図、
第５図は他の従来のパツキン形管継手の部分縦断
面図である。 １……管、２……継手本体、４……押圧体、５
……リテーナ、６……喰込みリング、３……パツ
キン、３１……内径面のテーパ面、３２……面取
りＲ１面、３３……側面の平面、３４……円筒外
周面、３５……面取りＲ２面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ほぼ円筒状で端部内周面が最端部に行くに従つ
   て大径となるテーパ面を有する継手本体と、この
   継手本体のテーパ面に装着する円環状の弾性体よ
   りなるパツキンと、このパツキンを前記継手本体
   のテーパ面に押付ける押圧体とからなるパツキン
   形管継手において、前記パツキンは、両側面が軸
   と直角な平面を有し、内径面と各側面との間に面
   取りＲ１面を有し、外径面と前記継手本体側の側
   面との間に前記面取りＲ１面より大きい面取りＲ
   ２面を有することを特徴とするパツキン形管継
   手。