JPH059487A - 電気粘性流体組成物 - Google Patents

電気粘性流体組成物

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JPH059487A
JPH059487A JP16313591A JP16313591A JPH059487A JP H059487 A JPH059487 A JP H059487A JP 16313591 A JP16313591 A JP 16313591A JP 16313591 A JP16313591 A JP 16313591A JP H059487 A JPH059487 A JP H059487A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】大きいせん断応力を発生し、電流特性および経
時安定性に優れた電気粘性流体を提供する。 【構成】ビニル芳香族化合物とポリビニル化合物の共重
合体をスルホン化して得られるスルホン化重合体の粒子
を絶縁性液体に分散してなる電気粘性流体であって、共
重合体を合成する際の重合反応において、重合率が30
重量%以上80重量%未満の範囲に達するまで80℃未
満の温度で重合を行い、その後重合率が99.8重量%
以上に達するまで80℃以上の温度で重合を行うことを
特徴とする電気粘性流体組成物。 【効果】大きいせん断応力を発生し、電流特性および経
時安定性に優れた電気粘性流体が得られ、クラッチ、ダ
ンパ−、ブレ−キ、ショックアブソ−バ−、アクチュエ
−タ−、バルブ、エンジンマウント等の各種デバイスに
応用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気粘性流体組成物に関
するものである。更に詳しくは、比較的弱い電場を印加
することによっても大きいせん断応力を発生し、その際
に流れる電流密度が小さく、かつ発生したせん断応力お
よび電流密度の経時安定性に優れた電気粘性流体組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電気粘性流体とは、例えば絶縁性分散媒
中に固体粒子を分散・懸濁して得られる流体であって、
そのレオロジ−的あるいは流れ性質が電場変化を加える
ことにより粘塑性型の性質に変わる流体であり、一般に
外部電場を印加した際に粘度が著しく上昇し、大きいせ
ん断応力を誘起する、いわゆるウィンズロ−効果を示す
流体として知られている。このウィンズロ−効果は応答
性が速いという特徴を有するため、電気粘性流体はクラ
ッチ、ブレ−キ等のトルク伝達用アクチュエ−タ、エン
ジンマウント、ダンパ−、バブル等の制御用アクチュエ
−タ、電気粘性流体インクジェット等への応用が試みら
れている。
【0003】従来、電気粘性流体組成物としては、シリ
コンオイル、塩化ジフェニル、トランス油等の絶縁油中
に、セルロ−ス、でんぷん、大豆カゼイン、シリカゲ
ル、ポリスチレン系イオン交換樹脂、ポリアクリル酸塩
架橋体等の固体粒子を分散させたものが知られている。
【0004】しかしながら、セルロ−ス、でんぷんや大
豆カゼインを分散相として用いた電気粘性流体組成物は
電場を印加した際に得られるせん断応力が小さいという
問題点があり、ポリアクリル酸塩架橋体を分散相として
用いた電気粘性流体組成物は比較的弱い電場を印加した
だけでは実用上充分なせん断応力が誘起されないという
問題点があった。
【0005】また、ポリスチレン系イオン交換樹脂の一
つであるポリスチレンスルホン酸のアルカリ金属塩型の
イオン交換樹脂を分散相として用いた電気粘性流体組成
物は比較的弱い電場の印加によっても大きなせん断応力
が得られるが、その際に流れる電流密度が大きく、かつ
発生したせん断応力および電流密度の経時安定性に乏し
いという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の電気
粘性流体組成物が有していた上記の問題点を解決するも
のである。したがって、本発明の目的は、比較的弱い電
場の印加によっても大きなせん断応力が発生し、その際
に流れる電流密度が小さく、かつ発生したせん断応力お
よび電流密度の経時安定性に特に優れた電気粘性流体組
成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用】本発明は、ビ
ニル芳香族化合物(a)とポリビニル化合物(b)を必
須成分とし必要に応じてその他のビニル化合物(c)を
加えたモノマ−混合物(A)を重合して重合架橋体
(I)を合成し次いで重合架橋体(I)中に存在する芳
香族環をスルホン化して得られるスルホン化重合体から
なる分散相粒子を絶縁性分散媒中に分散させてなる組成
物であり、モノマ−混合物(A)の重合に際して、重合
率が30重量%以上80重量%未満の範囲に達するまで
80℃未満の温度で重合を行い、その後重合率が99.
8重量%以上に達するまで80℃以上の温度で重合を行
うことを特徴とする電気粘性流体組成物に関するもので
ある。
【0008】本発明で用いるスルホン化重合体を製造す
るには、スルホン化重合体を得る際に中間体として用い
られる重合架橋体(I)の原料であるモノマー混合物
(A)の重合反応において、重合率が30重量%以上8
0重量%未満の範囲に達するまで80℃未満の温度で重
合を行い、その後重合率が99.8重量%以上に達する
まで80℃以上の温度で重合を行う必要がある。
【0009】更に好ましくは、モノマー混合物(A)の
重合反応において、重合率が40重量%以上70重量%
未満の範囲に達するまで50℃以上80℃未満の温度で
重合を行い、その後重合率が99.8重量%以上に達す
るまで80℃以上の温度で重合を行うのがよい。
【0010】モノマー混合物(A)の重合反応において
重合終了時の重合率が99.8重量%未満の場合には、
調製された電気粘性流体組成物に電場を印加した際に得
られるせん断応力および電流密度の経時安定性が乏しい
という問題点が起こる。
【0011】モノマー混合物(A)の重合反応において
重合終了時の重合率が99.8重量%以上の場合であっ
ても、モノマー混合物(A)の重合に際し重合反応を開
始してから重合率80重量%以上になるまで80℃未満
の温度で重合を行いその後80℃以上の温度で加熱した
場合には、調製された電気粘性流体組成物に電場を印加
した際に得られるせん断応力および電流密度の経時安定
性が乏しいという問題点が起こる。
【0012】また、モノマー混合物(A)の重合反応に
おいて重合終了時の重合率が99.8重量%以上の場合
であっても、モノマー混合物(A)の重合に際し重合率
30重量%未満の範囲で80℃以上の温度に加熱した場
合には、調製された電気粘性流体組成物に電場を印加し
た際に得られるせん断応力および電流密度の経時安定性
が乏しいという問題点が起こる。また重合を制御するこ
とが困難となり、再現よく電気粘性流体組成物に好適な
重合架橋体が得られないという問題点が起こる。
【0013】モノマー混合物(A)の重合反応において
重合終了時の重合率が99.8重量%以上の場合であっ
ても、モノマ−混合物(A)の重合に際し重合を開始し
てから重合率が30重量%以上80重量%未満の範囲に
達しても80℃未満の温度から昇温せず重合終了時まで
80℃未満の温度で重合した場合には、調製された電気
粘性流体組成物に電場を印加した際に得られるせん断応
力および電流密度の経時安定性が乏しいという問題点が
起こる。また、重合に長時間を要し実用的でない。
【0014】また、モノマー混合物(A)の重合反応に
おいて重合終了時の重合率が99.8重量%以上の場合
であっても、モノマ−混合物(A)の重合に際し重合開
始時から重合終了時まで80℃以上の温度で重合を行っ
た場合には、調製された電気粘性流体組成物に電場を印
加した際に得られるせん断応力および電流密度の経時安
定性が乏しいという問題点が起こる。また重合を制御す
ることが困難となり、再現よく電気粘性流体組成物に好
適な重合架橋体が得られないという問題点が起こる。
【0015】本発明におけるモノマ−混合物(A)の重
合に際して、重合率が40重量%以上70重量%未満の
範囲に達する50℃以上80℃未満の温度で重合を行
い、その後重合率が99.8重量%以上に達するまで8
0℃以上の温度で重合を行うことが好ましい。重合を開
始してから重合温度を上げる時期をモノマ−混合物
(A)の重合率が40重量%以上70重量%未満の範囲
とすることにより、前記した経時安定性により優れた電
気粘性流体組成物が得られる。また、重合を開始してか
ら重合率が40重量%以上70重量%未満の範囲に達す
るまで50℃以上80℃未満の温度で重合を行ってから
80℃以上に昇温することによって、調製された電気粘
性流体組成物に電場を印加した際に得られるせん断応力
および電流密度の経時安定性を更に高めることができ、
また重合を完了させるのに要する時間を短縮できるとい
う利点が得られる。
【0016】本発明では、モノマー混合物(A)中にビ
ニル芳香族化合物(a)が含まれることが必要であり、
本発明に用いることのできるビニル芳香族化合物(a)
としては、例えばスチレン、ビニルナフタレン、ビニル
アントラセン、ビニルフェナントレンなどのビニル芳香
族炭化水素;メチルスチレン、エチルスチレン、プロピ
ルスチレン、ブチルスチレン、ペンチルスチレン、ヘキ
シルスチレンなどのモノアルキルスチレン化合物;ジメ
チルスチレン、ジエチルスチレン、ジプロピルスチレ
ン、メチルエチルスチレン、メチルプロピルスチレン、
メチルヘキシルスチレン、エチルブチルスチレン、エチ
ルプロピルスチレン、エチルヘキシルスチレン、プロピ
ルブチルスチレンなどのジアルキルスチレン化合物;ト
リメチルスチレン、トリエチルスチレン、トリプロピル
スチレン、メチルジエチルスチレン、ジメチルエチルス
チレン、メチルエチルプロピルスチレン、メチルジプロ
ピルスチレン、ジメチルプロピルスチレン、エチルジプ
ロピルスチレン、ジエチルプロピルスチレンなどのトリ
アルキルスチレン化合物;ビニルメチルナフタレン、ビ
ニルエチルナフタレン、ビニルプロピルナフタレンなど
のビニルモノアルキルナフタレン化合物;ビニルジメチ
ルナフタレン、ビニルジエチルナフタレン、ビニルジプ
ロピルナフタレン、ビニルメチルエチルナフタレンなど
のビニルジアルキルナフタレン化合物;ビニルトリメチ
ルナフタレン、ビニルトリエチルナフタレン、ビニルト
リプロピルナフタレン、ビニルメチルジエチルナフタレ
ン、ビニルジメチルエチルナフタレン、ビニルメチルエ
チルプロピルナフタレンなどのビニルトリアルキルナフ
タレン化合物;クロロスチレン、ブロモスチレン、フル
オロスチレン、クロロメチルスチレン、クロロエチルス
チレン、クロロプロピルスチレン、クロロジメチルスチ
レン、ブロモメチルスチレン、ブロモメチルスチレン、
ブロモエチルスチレン、フルオロメチルスチレン、フル
オロエチルスチレン、ビニルクロロナフタレン、ビニル
ブロモナフタレンなどのハロゲン化ビニル芳香族化合
物:メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、トリメト
キシスチレン、エトキシスチレン、ジエトキシスチレ
ン、トリエトキシスチレン、プロピルオキシスチレン、
ジプロピルオキシスチレン、フェノキシスチレン、メト
キシメチルスチレン、メトキシエチルスチレン、メトキ
シプロピルスチレン、エトキシメチルスチレン、エトキ
シエチルスチレン、プロピルオキシメチルスチレン、プ
ロピルオキシエチルスチレン、メトキシジメチルスチレ
ン、メトキシジエチルスチレン、フェノキシジメチルス
チレン、フェノキシジエチルスチレン、メトキシクロロ
スチレン、メトキシブロモスチレン、ビニルメトキシナ
フタレン、ビニルジメトキシナフタレン、ビニルエトキ
シナフタレン、ビニルジエトキシナフタレン、ビニルメ
トキシメチルナフタレン、ビニルメトキシジメチルナフ
タレン、ビニルジメトキシメチルナフタレン、ビニルメ
トキシクロロナフタレン、ビニルジメトキシクロロナフ
タレン、ビニルジメトキシクロロナフタレンなどのアル
コキシ化もしくはアリ−ルオキシ化ビニル芳香族化合物
等を挙げることができ、これらの中から一種または二種
以上を用いることができる。
【0017】本発明ではモノマ−混合物(A)中にポリ
ビニル化合物(b)が含まれることが必要であり、0.
1〜20.0モル%の範囲であることが好ましい。ポリ
ビニル化合物(b)の割合が20.0モル%を越える場
合、スルホン化が進行しにくくなったり、得られた粒子
を用いた電気粘性流体組成物に電場を印加した際に大き
なせん断応力が得られないという問題点が起こることが
ある。また、ポリビニル化合物(b)の割合が0.1モ
ル%未満の場合、重合により得られた重合架橋体をスル
ホン化した際に粒子同士の付着が起こるという問題点が
起こることがある。
【0018】本発明で使用することのできるポリビニル
化合物(b)としては、例えばジビニルベンゼン、ジビ
ニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルエチルベン
ゼン、ジビニルジエチルベンゼン、ジビニルプロピルベ
ンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルベンゼン、ト
リビニルトルエン、トリビニルキシレン、トリビニルナ
フタレンなどのポリビニル芳香族炭化水素;エチレング
リコ−ルジ(メタ)アクリレ−ト、ジエチレングリコ−
ルジ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパント
リ(メタ)アクリレ−ト、N,N−メチレンビスアクリ
ルアミド、マレイン酸ジアリル、アジピン酸ジアリルな
どのポリビニル脂肪族化合物等を挙げることができ、こ
れらの中から一種または二種以上を用いることができ
る。
【0019】本発明ではモノマー混合物(A)は、ビニ
ル芳香族化合物(a)とポリビニル化合物(b)を必須
成分としてなるが、これら化合物(a)および化合物
(b)の合計量は、モノマー混合物(A)中50.0モ
ル%以上となる割合で使用することが好ましい。
【0020】本発明におけるモノマ−混合物(A)に
は、必要に応じてビニル芳香族化合物(a)やポリビニ
ル化合物(b)以外のビニル化合物(c)を配合するこ
とができ、その構成割合は50モル%以下であることが
好ましい。このようなその他のビニル化合物(c)とし
ては、例えばエチレン、プロピレン、イソプレン、ブタ
ジエン、塩化ビニル、クロロプレンなどのオレフィン系
炭化水素またはこれらのハロゲン置換体;メチル(メ
タ)アクリレ−ト、エチル(メタ)アクリレ−トなどの
不飽和カルボン酸のエステル化合物;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニルなどの1価のカルボン酸のビニルエステ
ル化合物;(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、メチロ−ル化(メタ)アクリルアミドなどの
不飽和アミド化合物またはその誘導体;(メタ)アクリ
ロニトリル、クロトンニトリルなどの不飽和シアン化合
物;(メタ)アリルアルコ−ル、クロトンアルコ−ルな
どの不飽和アルコ−ル化合物;(メタ)アクリル酸など
の不飽和一塩基酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
などの不飽和二塩基酸;マレイン酸モノメチルエステ
ル、マレイン酸モノエチルエステルなどの1価のアルコ
−ルと不飽和二塩基酸とのモノエステル化合物等を挙げ
ることができ、これらの中から一種または二種以上用い
ることができる。
【0021】本発明で用いられる分散相粒子の平均粒子
径は1.0〜50μmの範囲にあることが好ましい。本
発明の電気粘性流体組成物においては、分散相の粒子径
が小さくなるに従い調製された電気粘性流体組成物に電
場を印加した際に得られるせん断応力が小さくなる傾向
にあり、分散相粒子の平均粒子径が1.0μm未満の場
合には、調製された電気粘性流体組成物に電場を印加し
た際に大きなせん断応力が得られないという問題点が起
こることがある。また、分散相粒子の平均粒子径が50
μmを越える場合には、調製された電気粘性流体組成物
にある一定の電場を印加した際に得られるせん断応力値
が不規則となり、安定しにくいという問題点が起こるこ
とがある。
【0022】本発明で用いられる分散相粒子の形状は球
状あるいは楕円球状であることが好ましい。分散相粒子
の形状が球状あるいは楕円球状以外の形状の場合には、
調製された電気粘性流体組成物に電場を印加した際に大
きなせん断応力が得られないという問題点や電場を印加
し続けた状態での経時安定性が乏しくなるという問題点
が起こることがある。
【0023】本発明において用いられる重合架橋体
(I)を合成するための重合方法としては、特に制限は
なく、例えば、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、
溶液重合法、塊状重合法等の公知の重合方法を挙げるこ
とができるが、得られる重合架橋体(I)をスルホン化
すれば本発明に好適な平均粒子径をもつスルホン化重合
体が容易に得られることや球状あるいは楕円球状の重合
架橋体(I)が容易に得られることから懸濁重合法が好
ましい。
【0024】重合率の測定は、直接法である未反応モノ
マーの定量による方法や蒸発法や沈澱法、また重合に伴
う物理定数の変化による方法すなわち比重測定法や粘度
測定法や屈折率や誘電率測定による方法や吸収スペクク
トルによる方法等の方法で行うことができ、これらの重
合率の測定法の詳細は、“高分子合成の実験法”(大津
隆行・木下雅悦 共著、化学同人刊)に記載されてい
る。本発明においては、直接法である蒸発法を用いるこ
とが簡便で好ましい。
【0025】本発明における重合の具体的方法として
は、例えば重合率が30重量%以上80重量%未満の範
囲に達するまで80℃未満の温度、好ましくは重合率が
40重量%以上70重量%未満の範囲に達するまで50
℃以上80℃未満の温度にて0.3〜10時間程度重合
し、その後重合率が99.8重量%以上になるまで80
℃以上の温度で1〜20時間程度重合を行えばよい。
【0026】本発明における重合架橋体(I)を得る際
の重合方法として懸濁重合を用いる場合、その操作とし
ては、例えば水および分散剤などを仕込み、これに撹拌
下に重合開始剤を溶解させたモノマー混合物を加え分散
機や撹拌装置を用いて粒子径規制を行った後、懸濁状態
下に前記した所定の重合条件下にて実施するが、粒子径
規制および重合時においては窒素雰囲気下で行われるこ
とが好ましい。
【0027】懸濁重合の重合開始剤としては、例えば過
酸化ベンゾイル、第三級ブチルヒドロキシパ−オキサイ
ド、過酸化クメン、過酸化ラウロイル、過酸化メチルエ
チルケトン、第三級ブチルパ−フタレイト、カプロイル
パ−オキサイドなどの過酸化物;アゾビスイソブチロニ
トリル、アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルマレロニトリル)、アゾビス(α
−ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(α−メチルブ
チロニトリル)などのアゾ化合物等を挙げることがで
き、これらの中から一種または二種以上用いることがで
きる。中でも、過酸化ベンゾイル、アゾビスイソブチロ
ニトリルを用いることが好ましい。
【0028】懸濁重合の分散媒としては、通常水が用い
られる。
【0029】懸濁重合の分散剤としては、例えばポリビ
ニルアルコ−ル、カルボキシメチルセルロ−ス、スチレ
ン−無水マレイン酸共重合体のアンモニウム塩、ベント
ナイト、ポリ(メタ)アクリル酸ナトリウム、ポリ(ジ
アリルメチルアンモニウムクロライド)などの公知のも
のが使用できる。
【0030】懸濁重合の際に必要に応じて公知の乳化重
合禁止剤を使用して微粒の発生を抑えることができる。
【0031】本発明で用いられる重合架橋体(I)は、
ゲル型と称される実質的に非多孔質の重合架橋体でもよ
く、また、重合の際に得られる重合架橋体に多孔性を付
与する公知の多孔質形成剤、例えば膨潤性の有機溶剤、
非膨潤性の有機溶剤、モノマ−に溶解し得る線状重合体
あるいはこれらの混合物等の共存下にモノマ−混合物を
重合して得られる多孔質重合架橋体であってもよい。
【0032】本発明で用いられる分散相粒子を構成する
スルホン化重合体の粒子は、前記した重合法により得ら
れた重合架橋体(I)をスルホン化し必要に応じて適当
な粒子径に粉砕または造粒して得られる。また重合架橋
体(I)として懸濁重合法で得られた粒子状のものを用
いれば、スルホン化によって本発明における分散相粒子
として好適なスルホン化重合体粒子を容易に得ることが
できるので好ましい。
【0033】本発明で重合架橋体(I)中に存在する芳
香族環をスルホン化するために用いられるスルホン化剤
としては、公知のスルホン化剤を用いればよく、例えば
硫酸、発煙硫酸、クロロ硫酸等を挙げることができ、こ
れらの中から一種または二種以上用いることができる。
【0034】スルホン化剤の主成分として硫酸を用いた
場合には、スルホン化は、普通60〜100℃の範囲内
の温度で0.3〜100時間程度で行われる。硫酸は、
重合架橋体(I)100重量部に対し500重量部以上
の割合で使用することが好ましい。
【0035】スルホン化剤の主成分としてクロロ硫酸を
用いた場合には、スルホン化は普通0〜100℃の範囲
内の温度で0.3〜100時間程度で行われるが、好ま
しい条件として、重合架橋体(I)をクロロ硫酸存在
下に70℃以上の温度で30分以上保持するものや重
合架橋体(I)をクロロ硫酸の存在下に−20℃以上7
0℃未満の温度範囲で0.3〜30時間保持した後、更
に70℃以上の温度で30分以上保持するものを挙げる
ことができる。中でも、スルホン化反応の制御のしやす
さを考慮するとの方法が好ましい。クロロ硫酸は、重
合架橋体(I)100重量部に対し500重量部以上の
割合で使用することが好ましい。
【0036】スルホン化剤として発煙硫酸を用いた場合
には、スルホン化は普通0〜100℃の範囲内の温度で
0.3〜100時間程度で行われるが、好ましい条件と
して、重合架橋体(I)を発煙硫酸存在下に70℃以
上の温度で30分以上保持するものや重合架橋体
(I)を発煙硫酸の存在下に−20℃以上70℃未満の
温度範囲で0.3〜30時間保持した後、更に70℃以
上の温度で30分以上保持するものを挙げることができ
る。中でも、スルホン化反応の制御のしやすさを考慮す
るとの方法が好ましい。発煙硫酸は、重合架橋体
(I)100重量部に対し150重量部以上の割合で使
用することが好ましい。
【0037】スルホン化の反応は、無溶剤下あるいは重
合架橋体(I)に対して非膨潤性の溶剤の存在下あるい
は重合架橋体(I)に対して膨潤性の溶剤の存在下に行
うことができる。
【0038】重合架橋体(I)に対して非膨潤性の溶剤
としては、重合架橋体(I)を膨潤させず且つスルホン
化剤に対して不活性な溶剤であればよく、例えばヘキサ
ン、シクロヘキサン、リグロインなどの脂肪族炭化水素
などを挙げることができる。
【0039】重合架橋体(I)に対して膨潤性の溶剤と
しては、重合架橋体(I)を膨潤させ且つスルホン化剤
に対して不活性な溶剤であればよく、例えばエチレンジ
クロライド、トリクロロエチレン、テトラクロロエタ
ン、ニトロベンゼン、プロピレンクロライド、四塩化炭
素などを挙げることができる。
【0040】これらの溶剤の使用量は、重合架橋体
(I)100重量部に対して1000重量部以下の範囲
内であることが好ましい。
【0041】また、スルホン化反応に際して、例えば硫
酸水銀、硫酸銀などの遷移金属塩や五酸化燐などの五価
のリン化合物をスルホン化剤と併用して用いることがで
きる。このように重合架橋体(I)をスルホン化して得
られるスルホン化重合体の粒子は、スルホン化剤と分離
された後、粒子中に残存する酸等を除去するために多量
の水で十分に洗浄するのがよい。次いで、必要に応じて
中和あるいはイオン交換等の方法によりスルホン酸基の
陽イオンをプロトンから適当な陽イオン種に換えること
ができる。
【0042】本発明で言うスルホン酸基とは、水等の極
性溶媒の存在において陽イオンを遊離して自身はスルホ
ン酸イオンとなるものであり、水等の極性溶剤の存在に
おいて遊離する陽イオンとしては特に制限はない。
【0043】本発明で用いられる分散相粒子を構成する
スルホン化重合体中に存在するスルホン酸基の陽イオン
としては、特に制限はなく、例えば水素;リチウム、ナ
トリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ土類金属;アルミニウムな
どのIIIA族金属;スズ、鉛等のIVA族金属;亜鉛、
鉄、銅、コバルト、ニッケルなどの遷移金属等のカチオ
ン種、アンモニウム、有機4級アンモニウム、ピリジニ
ウム、グアジニウム等を挙げることができ、これらの中
から一種または二種以上用いることができる。
【0044】本発明で用いられる分散相粒子は、前記し
たスルホン化重合体の粒子に少量の水を含有させたもの
が好ましい。本発明の電気粘性流体組成物では、分散相
粒子中に微量の水分が含まれることにより、電場を印加
した際に大きなせん断応力が誘起される。
【0045】本発明における分散相粒子中の水は、該粒
子100重量部に対して20重量部以下であることが好
ましい。水が20重量部を越える場合、分散相粒子同士
が付着したり、あるいは調製された電気粘性流体組成物
の絶縁性が減少するため、電場を印加した際に大きな電
流が流れたりして好ましくない。
【0046】本発明で使用することのできる絶縁性分散
媒としては、特に制限はなく、例えばポリジメチルシロ
キサン、ポリフェニルメチルシロキサンなどのシリコン
オイル;流動パラフィン、デカン、ドデカン、メチルナ
フタレン、ジメチルナフタレン、エチルナフタレン、ビ
フェニル、デカリン、部分水添されたトリフェニルなど
の炭化水素;ビフェニルエ−テルなどのエ−テル化合
物;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベ
ンゼン、ブロモベンゼン、ジブロモベンゼン、クロロナ
フタレン、ジクロロナフタレン、ブロモナフタレン、ク
ロロビフェニル、ジクロロビフェニル、トリクロロビフ
ェニル、ブロモビフェニル、クロロジフェニルメタン、
ジクロロジフェニルメタン、トリクロロジフェニルメタ
ン、ブロモジフェニルメタン、クロロデカン、ジクロロ
デカン、トリクロロデカン、ブロモデカン、クロロドデ
カン、ジクロロドデカン、ブロモドデカンなどのハロゲ
ン化炭化水素;クロロジフェニルエ−テル、ジクロロジ
フェニルエ−テル、トリクロロジフェニルエ−テル、ブ
ロモジフェニルエ−テルなどのハロゲン化ジフェニルエ
−テル化合物;ダイフロイル(ダイキン工業(株)
製)、デムナム(ダイキン工業(株)製)などのフッ化
物;フタル酸ジオクチル、トリメリット酸トリオクチ
ル、セバシン酸ジブチルなどのエステル化合物等を挙げ
ることができ、これらの中から一種または二種以上用い
ることができる。中でも、シリコンオイル、炭化水素が
好ましい。
【0047】本発明の電気粘性流体組成物は、前記した
分散相粒子を絶縁性分散媒中に分散させてなり、組成物
における分散相粒子と絶縁性分散媒との比は、前者10
0重量部に対して後者50〜500重量部の範囲である
ことが好ましい。分散媒の量が500重量部を越える場
合、調製された電気粘性流体組成物に電場を印加した際
に得られるせん断応力が十分大きくならないことがあ
る。また、分散媒の量が50重量部未満の場合、調製さ
れた組成物自体の流動性が低下して、電気粘性流体とし
ての使用が難しくなることがある。
【0048】本発明では、分散相粒子の分散媒中への分
散性向上や電気粘性流体組成物の粘度調節あるいはせん
断応力向上のために、例えば界面活性剤、高分子分散
剤、高分子増粘剤等の各種添加物を組成物中に添加する
ことができる。
【0049】
【発明の効果】本発明の電気粘性流体組成物は、比較的
弱い外部電場を印加した時にでも大きなせん断応力が得
られかつ発生したせん断応力を長期にわたって維持する
という経時安定性にも非常に優れているため、クラッ
チ、ブレ−キ等のトルク伝達用アクチュエ−タ、エンジ
ンマウントダンパ−、バブル等の制御用アクチュエ−
タ、電気粘性流体インクジェット等へ有効に利用でき
る。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明の範囲がこれら実施例のみに限定されるものではな
い。
【0051】
【実施例1】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン260g、工業用ジビニ
ルベンゼン(和光純薬工業(株)製、ジビニルベンゼン
55重量%、エチルスチレン35重量%等の混合物)4
0gおよび過酸化ベンゾイル10gからなる混合物を加
えた。その後、5000rpmの撹拌速度でフラスコ内
の内容物を分散させ、75℃で1時間重合した。ここで
重合率は、60.2重量%であった。
【0052】重合率の測定は、反応内容物をアルミ容器
に約1g秤量し、ヒドロキノンの0.1重量%テトラヒ
ドロフラン溶液約3gを加えて重合を停止させた後、ホ
ットプレ−トで加熱することにより未反応モノマ−を留
去し、恒量値に達したところで残査を秤量し生成重合架
橋体量を算出することで行った。(以下、重合率の測定
は同様に行った。)さらに重合温度を95℃まで昇温し
4時間加熱した。反応終了時の重合率は99.9重量%
であった。得られた固形物を濾別し、十分に水洗した
後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、球状
の重合架橋体{以下、これを重合架橋体(1)とい
う。}286gを得た。
【0053】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに重合架橋体
(1)50gを仕込み、98重量%濃硫酸500gを加
え、均一な分散液とした。反応混合物の温度を80℃に
上げた後、同温度で24時間加熱・撹拌し、スルホン化
反応を行った。その後、反応混合物を0℃の水中に注
ぎ、濾別した後、水・アセトンで洗浄した。得られた固
形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液270mlで
中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機
を用いて、80℃で10時間乾燥し、89gの球状のス
ルホン化重合体からなる分散相粒子{以下、これを分散
相粒子(1)という。}を得た。
【0054】得られた分散相粒子(1)の平均粒子径を
粒度分布測定装置((株)島津製作所製、SALD−1
000)を用いて測定したところ、10μmであった。
分散相粒子(1)のイオン交換容量を中和滴定法および
元素分析法により定量したところ、中和滴定法では4.
5mg当量/g、元素分析法では4.5mg当量/gで
あった。分散相粒子(1)中の含水量をカ−ルフィッシ
ャ−水分計(京都電子工業(株)製、MPS−3P)を
用いて測定したところ、2.5重量部であった。(以下
の実施例および比較例における平均粒子径、イオン交換
容量および含水量の測定は本実施例と同様に行った。)
得られた分散相粒子(1)30gを信越シリコ−ンオイ
ルKF96−20CS(信越化学工業(株)製のジメチ
ルシリコンオイル)70g中に混合・分散させ、本発明
の電気粘性流体組成物{以下、これを流体組成物(1)
という。}を得た。
【0055】
【実施例2】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン284g、実施例1で用
いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン16gおよびアゾ
ビスイソブチルニトリル5gからなる混合物を加えた。
その後、8000rpmの撹拌速度でフラスコ内の内容
物を分散させ、65℃で2時間重合した。ここで重合率
は、42.2重量%であった。さらに重合温度を95℃
まで昇温し6時間加熱した。反応終了時の重合率は9
9.9重量%であった。得られた固形物を濾別し、十分
に水洗した後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾
燥し、球状の重合架橋体{以下、これを重合架橋体
(2)という。}291gを得た。
【0056】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに重合架橋体
(2)50gを仕込み、反応容器を氷浴で0℃に冷却し
た。そこへクロロ硫酸500gを加え、均一な分散液と
した。このまま12時間撹拌した後、氷浴を取り外し、
80℃で3時間加熱・撹拌し、スルホン化反応を行っ
た。その後、反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した
後、水・アセトンで洗浄した。得られた固形物を10重
量%水酸化ナトリウム水溶液280mlで中和した後、
水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機を用いて、8
0℃で10時間乾燥し、102gの球状のスルホン化重
合体からなる分散相粒子{以下、これを分散相粒子
(2)という。}を得た。
【0057】得られた分散相粒子(2)の平均粒子径を
粒度分布測定装置を用いて測定したところ、5μmであ
った。分散相粒子(2)のイオン交換容量を中和滴定法
および元素分析法により定量したところ、中和滴定法で
は5.3mg当量/g、元素分析法では5.4mg当量
/gであった。分散相粒子(2)中の含水量をカ−ルフ
ィッシャ−水分計を用いて測定したところ、2.4重量
部であった。
【0058】得られた分散相粒子(2)30gをサーム
エス900(新日鐵化学(株)製の部分水添されたトリ
フェニル)70g中に混合・分散させ、本発明の電気粘
性流体組成物{以下、これを流体組成物(2)とい
う。}を得た。
【0059】
【実施例3】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン140g、メトキシスチ
レン133g、実施例1で用いたと同じ工業用ジビニル
ベンゼン27gおよびアゾビスイソブチルニトリル5g
からなる混合物を加えた。その後、分散機を用い700
rpmの撹拌速度でフラスコ内の内容物を分散させ、7
0℃で1時間重合した。ここで重合率は、67.3重量
%であった。さらに重合温度を90℃まで昇温し6時間
加熱した。反応終了時の重合率は99.8重量%であっ
た。得られた固形物を濾別し、十分に水洗した後、熱風
乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、球状の重合架
橋体{以下、これを重合架橋体(3)という。}289
gを得た。
【0060】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに重合架橋体
(3)50gおよび98重量%濃硫酸500gを仕込
み、撹拌しながら80℃で24時間スルホン化反応を行
った。その後、反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾別し
た後、水・アセトンで洗浄した。得られた固形物を10
重量%水酸化カリウム水溶液240mlで中和した後、
水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機を用いて、8
0℃で10時間乾燥し、98gの球状のスルホン化重合
体からなる分散相粒子{以下、これを分散相粒子(3)
という。}を得た。
【0061】得られた分散相粒子(3)の平均粒子径を
粒度分布測定装置を用いて測定したところ、25μmで
あった。分散相粒子(3)のイオン交換容量を中和滴定
法および元素分析法により定量したところ、中和滴定法
では4.4mg当量/g、元素分析法では4.2mg当
量/gであった。分散相粒子(3)中の含水量をカ−ル
フィシャ−水分計を用いて測定したところ、2.4重量
部であった。
【0062】得られた分散相粒子(3)30gをサーム
エス900(新日鐵化学(株)製の部分水添されたトリ
フェニル)70g中に混合・分散させ、本発明の電気粘
性流体組成物{以下、これを流体組成物(3)とい
う。}を得た。
【0063】
【実施例4】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン140g、クロロスチレ
ン133g、実施例1で用いたと同じ工業用ジビニルベ
ンゼン27gおよび過酸化ベンゾイル10gからなる混
合物を加えた。その後、分散機を用い5000rpmの
撹拌速度でフラスコ内の内容物を分散させ、70℃で2
時間重合した。ここで重合率は、51.2重量%であっ
た。さらに重合温度を100℃まで昇温し6時間加熱し
た。反応終了時の重合率は99.9重量%であった。得
られた固形物を濾別し、十分に水洗した後、熱風乾燥器
を用いて80℃で12時間乾燥し、球状の重合架橋体
{以下、これを重合架橋体(4)という。}286gを
得た。
【0064】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに重合架橋体
(4)50gを仕込み、反応容器を氷浴で0℃に冷却し
た。そこへ25重量%発煙硫酸500gを加え、均一な
分散液とした。このまま12時間撹拌した後、氷浴を取
り外し、80℃で5時間加熱・撹拌し、スルホン化反応
を行った。その後、反応混合物を0℃の水中に注ぎ、濾
別した後、水・アセトンで洗浄した。得られた固形物を
10重量%水酸化リチウム水溶液140mlで中和した
後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機を用い
て、80℃で10時間乾燥し、91gの球状のスルホン
化重合体からなる分散相粒子{以下、これを分散相粒子
(4)という。}を得た。
【0065】得られた分散相粒子(4)の平均粒子径を
粒度分布測定装置を用いて測定したところ、10μmで
あった。分散相粒子(4)のイオン交換容量を中和滴定
法および元素分析法により定量したところ、中和滴定法
では5.5mg当量/g、元素分析法では5.6mg当
量/gであった。分散相粒子(4)中の含水量をカ−ル
フィッシャ−水分計を用いて測定したところ、3.2重
量部であった。
【0066】得られた分散相粒子(4)30gをブロモ
ベンゼン70g中に混合・分散させ、本発明の電気粘性
流体組成物{以下、これを流体組成物(4)という。}
を得た。
【0067】
【実施例5】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン280g、実施例1で用
いたと同じ工業用ジビニルベンゼン20gおよび過酸化
ベンゾイル10gからなる混合物を加えた。その後、分
散機を用い8000rpmの撹拌速度でフラスコ内の内
容物を分散させ、65℃で2時間重合した。ここで重合
率は、41.3重量%であった。さらに重合温度を95
℃まで昇温し6時間加熱した。反応終了時の重合率は9
9.9重量%であった。得られた固形物を濾別し、十分
に水洗した後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾
燥し、球状の重合架橋体{以下、これを重合架橋体
(5)という。}291gを得た。
【0068】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに重合架橋体
(5)50gおよびテトラクロロエタン250gを仕込
み、反応容器を氷浴で0℃に冷却した。そこへクロロ硫
酸500gを加え、均一な分散液とした。このまま12
時間撹拌した後、氷浴を取り外し、80℃で5時間加熱
・撹拌し、スルホン化反応を行った。その後、反応混合
物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水・アセトンで洗
浄した。得られた固形物をピリジン50gで中和した
後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機を用い
て、80℃で10時間乾燥し、122gの球状のスルホ
ン化重合体からなる分散相粒子{以下、これを分散相粒
子(5)という。}を得た。
【0069】得られた分散相粒子(5)の平均粒子径を
粒度分布測定装置を用いて測定したところ、5μmであ
った。分散相粒子(5)のイオン交換容量を中和滴定法
および元素分析法により定量したところ、中和滴定法で
は4.0mg当量/g、元素分析法では4.0mg当量
/gであった。分散相粒子(5)中の含水量をカ−ルフ
ィッシャ−水分計を用いて測定したところ、2.4重量
部であった。
【0070】得られた分散相粒子(5)30gを流動パ
ラフィン70g中に混合・分散させ、本発明の電気粘性
流体組成物{以下、これを流体組成物(5)という。}
を得た。
【0071】
【比較例1】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン260g、実施例1で用
いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン40gおよび過酸
化ベンゾイル10gからなる混合物を加えた。その後、
5000rpmの撹拌速度でフラスコ内の内容物を分散
させ、75℃で3時間重合した。ここで重合率は、9
3.2重量%であった。さらに重合温度を95℃まで昇
温し5時間加熱した。反応終了時の重合率は、99.6
重量%であった。得られた固形物を濾別し、十分に水洗
した後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、
球状の重合架橋体{以下、これを比較重合架橋体(1)
という。}283gを得た。
【0072】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに比較重合架橋
体(1)50gを仕込み、98重量%濃硫酸500gを
加え、均一な分散液とした。反応混合物の温度を80℃
に上げた後、同温度で24時間加熱・撹拌し、スルホン
化反応を行った。その後、反応混合物を0℃の水中に注
ぎ、濾別した後、水・アセトンで洗浄した。得られた固
形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液270mlで
中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機
を用いて、80℃で10時間乾燥し、87gの球状のス
ルホン化重合体からなる分散相粒子{以下、これを比較
分散相粒子(1)という。}を得た。
【0073】得られた比較分散相粒子(1)の平均粒子
径を粒度分布測定装置を用いて測定したところ、10μ
mであった。分散相粒子(1)のイオン交換容量を中和
滴定法および元素分析法により定量したところ、中和滴
定法では4.5mg当量/g、元素分析法では4.5m
g当量/gであった。分散相粒子(1)中の含水量をカ
−ルフィッシャ−水分計を用いて測定したところ、2.
5重量部であった。
【0074】得られた比較分散相粒子(1)30gを信
越シリコ−ンオイルKF96−20CS(信越化学工業
(株)製のジメチルシリコンオイル)70g中に混合・
分散させ、比較用の電気粘性流体組成物{以下、これを
比較流体組成物(1)という。}を得た。
【0075】
【比較例2】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン260g、実施例1で用
いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン40gおよび過酸
化ベンゾイル10gからなる混合物を加えた。その後、
5000rpmの撹拌速度でフラスコ内の内容物を分散
させ、65℃で2時間重合した。ここで重合率は、5
3.2重量%であった。さらに重合温度を95℃まで昇
温し2時間加熱した。反応終了時の重合率は、99.6
重量%であった。得られた固形物を濾別し、十分に水洗
した後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、
球状の重合架橋体{以下、これを比較重合架橋体(2)
という。}293gを得た。
【0076】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに比較重合架橋
体(2)50gを仕込み、98重量%濃硫酸500gを
加え、均一な分散液とした。反応混合物の温度を80℃
に上げた後、同温度で24時間加熱・撹拌し、スルホン
化反応を行った。その後、反応混合物を0℃の水中に注
ぎ、濾別した後、水・アセトンで洗浄した。得られた固
形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液270mlで
中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機
を用いて、80℃で10時間乾燥し、87gの球状のス
ルホン化重合体からなる分散相粒子{以下、これを比較
分散相粒子(2)という。}を得た。
【0077】得られた比較分散相粒子(1)の平均粒子
径を粒度分布測定装置を用いて測定したところ、10μ
mであった。分散相粒子(2)のイオン交換容量を中和
滴定法および元素分析法により定量したところ、中和滴
定法では4.5mg当量/g、元素分析法では4.5m
g当量/gであった。分散相粒子(2)中の含水量をカ
−ルフィッシャ−水分計を用いて測定したところ、2.
5重量部であった。
【0078】得られた比較分散相粒子(2)30gを信
越シリコ−ンオイルKF96−20CS(信越化学工業
(株)製のジメチルシリコンオイル)70g中に混合・
分散させ、比較用の電気粘性流体組成物{以下、これを
比較流体組成物(2)という。}を得た。
【0079】
【比較例3】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン284g、実施例1で用
いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン16gおよびアゾ
ビスイソブチルニトリル5gからなる混合物を加えた。
その後、8000rpmの撹拌速度でフラスコ内の内容
物を分散させ、70℃で3時間重合した。ここで重合率
は、90.2重量%であった。さらに重合温度を95℃
まで昇温し5時間加熱した。反応終了時の重合率は、9
9.9重量%であった。得られた固形物を濾別し、十分
に水洗した後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾
燥し、球状の重合架橋体{以下、これを比較重合架橋体
(3)という。}288gを得た。
【0080】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに比較重合架橋
体(3)50gを仕込み、98重量%濃硫酸500gを
加え、均一な分散液とした。反応混合物の温度を80℃
に上げた後、同温度で24時間加熱・撹拌し、スルホン
化反応を行った。その後、反応混合物を0℃の水中に注
ぎ、濾別した後、水・アセトンで洗浄した。得られた固
形物を10重量%水酸化ナトリウム水溶液280mlで
中和した後、水で十分に洗浄した。次いで、真空乾燥機
を用いて、80℃で10時間乾燥し、87gの球状のス
ルホン化重合体からなる分散相粒子{以下、これを比較
分散相粒子(3)という。}を得た。
【0081】得られた比較分散相粒子(3)の平均粒子
径を粒度分布測定装置を用いて測定したところ、5μm
であった。比較分散相粒子(3)のイオン交換容量を中
和滴定法および元素分析法により定量したところ、中和
滴定法では4.6mg当量/g、元素分析法では4.5
mg当量/gであった。比較分散相粒子(3)中の含水
量をカ−ルフィッシャ−水分計を用いて測定したとこ
ろ、2.5重量部であった。
【0082】得られた比較分散相粒子(3)30gをサ
ームエス900(新日鐵化学(株)製の部分水添された
トリフェニル)70g中に混合・分散させ、比較用の電
気粘性流体組成物{以下、これを比較流体組成物(3)
という。}を得た。
【0083】
【比較例4】撹拌機、還流冷却機および温度計を備えた
3リットルの四つ口セパラブルフラスコに水1.2リッ
トルを仕込み、クラレポバールPVA−205((株)
クラレ製のポリビニルアルコール)16.0gを添加・
溶解させた後、更に、スチレン260g、実施例1で用
いたのと同じ工業用ジビニルベンゼン40gおよび過酸
化ベンゾイル10gからなる混合物を加えた。その後、
700rpmの撹拌速度でフラスコ内の内容物を分散さ
せ、70℃で1時間重合した。ここで重合率は、28.
7重量%であった。さらに重合温度を95℃まで昇温し
5時間加熱した。反応終了時の重合率は、99.9重量
%であった。得られた固形物を濾別し、十分に水洗した
後、熱風乾燥器を用いて80℃で12時間乾燥し、球状
の重合架橋体{以下、これを比較重合架橋体(4)とい
う。}286gを得た。
【0084】撹拌機、温度計および滴下ロ−トを備えた
2リットルの四つ口セパラブルフラスコに比較重合架橋
体(4)50gおよびテトラクロロエタン250gを仕
込み、反応容器を氷浴で0℃に冷却した。そこへクロロ
硫酸500gを加え、均一な分散液とした。このまま1
2時間撹拌した後、氷浴を取り外し、80℃で5時間加
熱・撹拌し、スルホン化反応を行った。その後、反応混
合物を0℃の水中に注ぎ、濾別した後、水・アセトンで
洗浄した。得られた固形物を10重量%水酸化ナトリウ
ム水溶液270mlで中和した後、水で十分に洗浄し
た。次いで、真空乾燥機を用いて、80℃で10時間乾
燥し、98gの球状のスルホン化重合体からなる分散相
粒子{以下、これを比較分散相粒子(4)という。}を
得た。
【0085】得られた比較分散相粒子(4)の平均粒子
径を粒度分布測定装置を用いて測定したところ、25μ
mであった。比較分散相粒子(4)のイオン交換容量を
中和滴定法および元素分析法により定量したところ、中
和滴定法では5.0mg当量/g、元素分析法では5.
1mg当量/gであった。比較分散相粒子(4)中の含
水量をカ−ルフィッシャ−水分計を用いて測定したとこ
ろ、2.5重量部であった。
【0086】得られた比較分散相粒子(4)30gを信
越シリコ−ンオイルKF96−20CS(信越化学工業
(株)製のジメチルシリコンオイル)70g中に混合・
分散させ、比較用の電気粘性流体組成物{以下、これを
比較流体組成物(4)という。}を得た。
【0087】
【比較例5】ポリスチレンスルホン酸ナトリウムイオン
型イオン交換樹脂であるアンバ−ライトIR−124
(東京有機化学工業(株)製)を150℃で3時間乾燥
後、粉砕・分級して、不定形の比較用の分散相粒子{以
下,これを比較分散相粒子(5)という。}を得た。
【0088】比較分散相粒子(5)の平均粒子径を粒度
分布測定装置を用いて測定したところ10μmであっ
た。比較分散相粒子(5)のイオン交換容量を中和滴定
法および元素分析法により定量したところ、中和滴定法
では4.4mg当量/g、元素分析法では4.4mg当
量/gであった。比較分散相粒子(5)中の含水量をカ
−ルフィッシャ−水分計を用いて測定したところ、2.
5重量部であった。
【0089】得られた比較分散相粒子(5)30gを信
越シリコ−ンオイルKF96−20CS70g中に混合
・分散させ、比較用の電気粘性流体組成物{以下、これ
を比較流体組成物(5)という。}を得た。
【0090】
【実施例6】実施例1〜5および比較例1〜5で得られ
た流体組成物(1)〜(5)および比較流体組成物
(1)〜(5)の各々を共軸電場付回転粘度計に入れ、
内/外筒間隙1.0mm、せん断速度400s~1、温度
25℃の条件で交流の外部電場4000V/mm(周波
数:60Hz)を印加した時のせん断応力値(初期値)
およびその際に流れる電流密度(初期値)を測定した。
【0091】また、4000V/mmの外部電場を印加
した状態で、粘度計を25℃にて14日間連続運転を行
った後のせん断応力値(14日後値)および電流密度
(14日後値)を測定し、流体組成物の経時安定性を調
べた。
【0092】それらの結果を表1に示した。
【0093】
【表1】
【0094】電気粘性流体は、比較的弱い電場で印加し
た際に得られるせん断応力値が大きいというせん断応力
特性に優れたものほど、またそのときに流れる電流密度
が小さいという電流特性に優れたものほど好ましく、せ
ん断応力特性と電流特性が共に優れたものが特に好まし
い。そこでせん断応力特性と電流特性を同時に評価して
優劣を判断するパラメ−タとして、一定の電場に印加し
た際に得られるせん断応力値とそのときに流れる電流密
度の比、すなわち(せん断応力値)/(電流密度){以
下、この値をZ値という。}が有効である。つまりせん
断応力特性と電流特性が共に優れた電気粘性流体組成物
ではZ値が大きくなる。
【0095】流体組成物(1)〜(5)および比較流体
組成物(1)〜(5)の各々に4000V/mm の電
場を印加した際に観測されたせん断応力値と電流密度か
ら求められた各々の流体組成物のZ値の初期値および1
4日後値を表1に示した。
【0096】表1から明らかなように、本発明の流体組
成物(1)〜(5)は、比較的弱い電場の印加によって
も大きなせん断応力が得られ、その際に流れる電流密度
が小さいという電流特性に優れかつ発生したせん断応力
および電流密度の経時安定性に非常に優れていた。ま
た、本発明の流体組成物(1)〜(5)は、初期におい
てZ値が1.9以上であり、且つ14日後においてもZ
値は1.9以上であり、せん断応力特性と電流特性の均
衡の経時安定性にも優れた電気粘性流体組成物であるこ
とがわかった。
【0097】一方、比較流体組成物(1)〜(4)は、
せん断応力および電流密度の経時安定性に劣っていた。
また、比較流体組成物(5)は比較的弱い電場の印加で
は大きなせん断応力が得られず、そのとき流れる電流密
度も大きく、その経時安定性も悪かった。また比較流体
組成物(1)〜(4)のZ値は、初期において1.6以
上であったが、その経時安定性が本発明の流体組成物に
比べて悪かった。比較流体組成物(5)は、初期のZ値
が0.2であり、せん断応力特性と電流特性の均衡が本
発明の流体組成物に比べて悪かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 40:08 40:14 60:10 70:00 (72)発明者 小林 稔 茨城県つくば市観音台1丁目25番地12 株 式会社日本触媒筑波研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル芳香族化合物(a)とポリビニル
    化合物(b)を必須成分とし必要に応じてその他のビニ
    ル化合物(c)を加えたモノマ−混合物(A)を重合し
    て重合架橋体(I)を合成し次いで重合架橋体(I)中
    に存在する芳香族環をスルホン化して得られるスルホン
    化重合体からなる分散相粒子を絶縁性分散媒中に分散さ
    せてなる組成物であり、モノマ−混合物(A)の重合に
    際して、重合率が30重量%以上80重量%未満の範囲
    に達するまで80℃未満の温度で重合を行い、その後重
    合率が99.8重量%以上に達するまで80℃以上の温
    度で重合を行うことを特徴とする電気粘性流体組成物。
  2. 【請求項2】 モノマ−混合物(A)の重合に際して、
    重合率が40重量%以上70重量%未満の範囲に達する
    まで50℃以上80℃未満の温度で重合を行い、その後
    重合率が99.8重量%以上に達するまで80℃以上の
    温度で重合を行うことを特徴とする請求項1記載の電気
    粘性流体組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102431908A (zh) * 2011-09-07 2012-05-02 青岛海西重机有限责任公司 一种定柱式全回转起重机

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