JPH0594563U - ディファレンシャルキャリヤ構造 - Google Patents
ディファレンシャルキャリヤ構造Info
- Publication number
- JPH0594563U JPH0594563U JP039565U JP3956592U JPH0594563U JP H0594563 U JPH0594563 U JP H0594563U JP 039565 U JP039565 U JP 039565U JP 3956592 U JP3956592 U JP 3956592U JP H0594563 U JPH0594563 U JP H0594563U
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- JP
- Japan
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- ring gear
- oil
- differential
- differential carrier
- pinion shaft
- Prior art date
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- Pending
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ディファレンシャルキャリヤ内の潤滑油の量
を減らしても、リングギヤにより掻き上げられた油を各
摺動部に効果的に導くようにする。 【構成】 ディファレンシャルキャリヤ1におけるリン
グギヤ9の前上方の内側壁に、導油板12を前下方に傾
斜させて設けたことにより、リングギヤ9により掻き上
げられた油は、導油板12によりすくい取られるか又は
受け止められて、ピニオン軸4を支持する軸受6,7の
方向へ導かれるので、潤滑油の量をリングギヤ9のみが
浸漬されるだけの量としても、リングギヤ9の回転の速
さに関係なく、油を軸受6,7に安定的に供給すること
ができる。
を減らしても、リングギヤにより掻き上げられた油を各
摺動部に効果的に導くようにする。 【構成】 ディファレンシャルキャリヤ1におけるリン
グギヤ9の前上方の内側壁に、導油板12を前下方に傾
斜させて設けたことにより、リングギヤ9により掻き上
げられた油は、導油板12によりすくい取られるか又は
受け止められて、ピニオン軸4を支持する軸受6,7の
方向へ導かれるので、潤滑油の量をリングギヤ9のみが
浸漬されるだけの量としても、リングギヤ9の回転の速
さに関係なく、油を軸受6,7に安定的に供給すること
ができる。
Description
【0001】
本考案は、減速歯車装置及び差動歯車装置を収容して保持するディファレンシ ャルキャリヤ構造に係り、特に、各摺動部の潤滑性を向上させたディファレンシ ャルキャリヤ構造に関する。
【0002】
ディファレンシャルキャリヤ内に保持されたピニオン軸の軸受等の潤滑は、デ ィファレンシャルキャリヤ内の油溜まりに貯留した潤滑油を、減速大歯車である リングギヤやディファレンシャルケースが上方へ掻き上げ、キャリヤの内壁を伝 わった油を供給路に導いて軸受に供給することにより行われる。
【0003】 従って、車両の低速走行時においてリングギヤやディファレンシャルケースの 回転が低下すると、上方へ掻き上げられる潤滑油の量が少なくなって、ピニオン 軸軸受等への油の供給量が減り、潤滑性が損なわれるようになるため、比較的多 量の潤滑油を貯留する必要がある。
【0004】 しかしながら、ディファレンシャルキャリヤ内に多量の潤滑油を貯留すると、 車両の高速走行時において油の掻き上げ抵抗が増大して伝達ロスが大となるため 、高速時の貯油量は少ない方が望ましい。
【0005】 このように、低速時と高速時とでは潤滑油の必要量は相反しており、従来のデ ィファレンシャルキャリヤは、低速時の潤滑性を満足しうる最小限の油量とする とともに、ピニオン軸に油を導入する供給路を大として、リングギヤ及びディフ ァレンシャルケースにより掻き上げられた油がピニオン軸軸受等へ効果的に供給 されるようにしてあるのが一般的である。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】 近年、ディファレンシャルキャリヤ内の油の掻き上げ抵抗を減らして、伝達ロ スをより低減するなどの要求が一段と高まってきており、この要求を満たすため に、油量を可能な限り減らす傾向にある。
【0007】 しかし油量を減らすと、ディファレンシャルケースが油に浸漬されず、リング ギヤのみにより油が掻き上げられるようになる。その結果、リングギヤの回転の 遅い低速時には、油がリングギヤにより連れ廻されて飛散せず、供給路に導入さ れる潤滑油も少量となる。
【0008】 また、高速時において飛散した油は、キャリヤの内壁に当たって供給路に導入 されるが、一部の油はその回転慣性のために再び油溜まりに戻ってしまう。特に 、従来のように供給路を大としてあると、大半の油は供給路に流入する前に落下 してしまい、ピニオン軸軸受方向への油の供給量が減る。
【0009】 このようになると、特にピニオン軸の前部を支持している軸受に十分な量の油 が供給されなくなり、軸受の摩耗や焼付きの原因となる。
【0010】 本考案は、上記問題点を解決するためになされたもので、潤滑油の量を減らし ても、リングギヤにより掻き上げられた油を各摺動部に効果的に導き、もって、 ピニオン軸軸受等の耐焼付性や耐摩耗性を大幅に向上することができるようにし たディファレンシャルキャリヤ構造を提供することを目的としている。
【0011】
上記目的を達成するために、本考案のディファレンシャルキャリヤ構造は、プ ロペラシャフトに連結されドライブピニオンを備えるピニオン軸と、ドライブピ ニオンと噛合するリングギヤと、該リングギヤと一体的に回動するディファレン シャルケースとを収容してなるディファレンシャルキャリヤにおける前記リング ギヤの前上方の内側壁に、前記ピニオン軸を支持する軸受方向に向かって前下方 へ傾斜するとともに、後端をリングギヤの上方寄りの外周端に近接させた導油板 を設けたことを特徴としている。
【0012】 好ましくは、ディファレンシャルキャリヤの後端上部のリングギヤと対向する 内壁面に、下端面がディファレンシャルキャリヤの中心方向に向かって漸次上向 きに傾斜する膨出部を形成するのがよい。
【0013】
リングギヤにより掻き上げられた潤滑油は、導油板によりすくい取られるか又 は受け止められて、ピニオン軸を支持する軸受方向へ導かれるので、潤滑油の量 をリングギヤのみが浸漬されるだけの量としても、リングギヤの回転の速さに関 係なく、油をピニオン軸軸受に安定的に供給することができる。また、リングギ ヤにより掻き上げられた潤滑油が、ディファレンシャルキャリヤ後端に形成した 膨出部に当たって中央へ指向されるので、ディファレンシャルケースを介してピ ニオン軸軸受方向へ導かれるとともに、ディファレンシャルケースを支持するサ イド軸受も効果的に潤滑される。
【0014】
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
【0015】 図1〜図3は、本考案を適用した独立懸架型のリヤディファレンシャル装置を 示すもので、1はディファレンシャルキャリヤ、2はディファレンシャルキャリ ヤ1の後端開口部を覆うカバーである。
【0016】 ディファレンシャルキャリヤ1内の前部側には、後端にドライブピニオン3を 備えるピニオン軸4が前後方向(図1において左側が前方)を向いて収容され、 ピニオン軸4は、前端がプロペラシャフト(図示略)に連結され、ディファレン シャルキャリヤ1の内筒5に内嵌した前後1対の軸受6及び7により回転自在に 支持されている。
【0017】 ディファレンシャルキャリヤ1内の後部側には、差動小歯車と差動大歯車(い ずれも図示略)とを収容してなるディファレンシャルケース8が回転自在に収容 され、ディファレンシャルケース8の中心よりも左方(図1において下方)にオ フセットして固着されたリングギヤ9は、上記ドライブピニオン3と噛合してい る。ディファレンシャルケース8の左右両側部は、ディファレンシャルキャリヤ 1に設けた左右1対のサイド軸受10により支持されている。
【0018】 エンジンからの駆動力はプロペラシャフト、ピニオン軸4、ドライブピニオン 3、リングギヤ9、ディファレンシャルケース8、差動小歯車軸(図示略)、差 動小歯車、差動大歯車、スプラインを介して左右の車軸(図示略)に伝達される 。
【0019】 ディファレンシャルキャリヤ1内におけるリングギヤ9の前上方に形成された 供給路11の内側壁には、図2に示すように、概ねリングギヤ9の接線方向を向 くとともに、内筒5の上面に形成された導油孔5aに向かって前下方へ傾斜する リブ状の導油板12が、その後端をリングギヤ9の上部外周端に近接させて一体 的に連設されている。
【0020】 ディファレンシャルキャリヤ1の後端上部のリングギヤ9と対向する内壁面に は、図3に示すように、下端面がディファレンシャルキャリヤ1の中央に向かっ て漸次上向きに傾斜する膨出部13が一体的に形成されている。
【0021】 上記実施例において、ディファレンシャルキャリヤ1内にリングギヤ9の下端 部が浸漬しうるだけの量の潤滑油を貯留し、これがリングギヤ9の回転により掻 き上げられると、高速時において供給路11の内壁に当たり、油溜まりに戻ろう とする油は、導油板12により受け止められて供給路11の方向へ導かれ、ピニ オン軸4の前後の軸受6,7に供給される。
【0022】 一方、低速時においてリングギヤ9により連れ廻される油は、リングギヤ9に 近接させた導油板12によりすくい取られて供給路11の方向へ導かれる。
【0023】 従って、潤滑油の量をリングギヤ9が浸漬するだけに減らしても、リングギヤ 9の回転の速さに関係なく、油をピニオン軸4の前後の軸受6,7に安定的に供 給することができる。
【0024】 また、ディファレンシャルキャリヤ1の後端に膨出部13を形成すると、リン グギヤ9により掻き上げられた潤滑油が、図1の矢印で示すように、膨出部13 に当たってディファレンシャルキャリヤ1の中央へ指向され、ディファレンシャ ルケース8へ落される。そして、ディファレンシャルケース8へ落とされた潤滑 油の一部は、ディファレンシャルケース8によりはね飛ばされて供給路11の方 向へ導かれ、また一部はディファレンシャルケース8を伝って流れて、リングギ ヤ9より離れて潤滑性が不利とされる右側のサイド軸受10を効果的に潤滑する 。
【0025】
本考案によれば、潤滑油の量をリングギヤのみが浸漬されるだけの量としても 、リングギヤの回転の速さに関係なく、油をピニオン軸軸受等に安定して供給す ることができる。従って、ピニオン軸軸受の耐焼付性、耐摩耗性が大幅に向上し 、耐久性が著しく高まる。
【0026】 ディファレンシャルキャリヤの後端に膨出部を形成すると、リングギヤにより 掻き上げられた油がディファレンシャルキャリヤの中央へ指向されるので、ピニ オン軸軸受ばかりでなく、ディファレンシャルケースを支持するサイド軸受の潤 滑性をも向上することができる。
【図1】本考案の一実施例を適用したディファレンシャ
ル装置の一部切欠平面図である。
ル装置の一部切欠平面図である。
【図2】図1におけるA−A線に沿う要部の縦断側面図
である。
である。
【図3】図2におけるB−B線に沿う要部の背面図であ
る。
る。
1 ディファレンシャルキャリヤ 2 カバー 3 ドライブピニオン 4 ピニオン軸 5 内筒 5a 導油孔 6,7 軸受 8 ディファレンシャルケース 9 リングギヤ 10 サイド軸受 11 供給路 12 導油板 13 膨出部
Claims (2)
- 【請求項1】プロペラシャフトに連結されドライブピニ
オンを備えるピニオン軸と、ドライブピニオンと噛合す
るリングギヤと、該リングギヤと一体的に回動するディ
ファレンシャルケースとを収容してなるディファレンシ
ャルキャリヤにおける前記リングギヤの前上方の内側壁
に、前記ピニオン軸を支持する軸受方向に向かって前下
方へ傾斜するとともに、後端をリングギヤの上方寄りの
外周端に近接させた導油板を設けたことを特徴とするデ
ィファレンシャルキャリヤ構造。 - 【請求項2】請求項1記載の構造において、ディファレ
ンシャルキャリヤの後端上部のリングギヤと対向する内
壁面に、下端面がディファレンシャルキャリヤの中心方
向に向かって漸次上向きに傾斜する膨出部を形成したこ
とを特徴とするディファレンシャルキャリヤ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP039565U JPH0594563U (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | ディファレンシャルキャリヤ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP039565U JPH0594563U (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | ディファレンシャルキャリヤ構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0594563U true JPH0594563U (ja) | 1993-12-24 |
Family
ID=12556605
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP039565U Pending JPH0594563U (ja) | 1992-05-19 | 1992-05-19 | ディファレンシャルキャリヤ構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0594563U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100435589B1 (ko) * | 2000-12-18 | 2004-06-09 | 기아자동차주식회사 | 오일 순환 구조를 가지는 상부 편심형 디프 캐리어 |
US9322468B2 (en) | 2011-06-24 | 2016-04-26 | Mitsubishi Electric Corporation | Reduction gear unit |
US9541162B2 (en) | 2011-06-24 | 2017-01-10 | Mitsubishi Electric Corporation | Reduction gear unit |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS419845Y1 (ja) * | 1966-02-12 | 1966-05-12 | ||
JPS5733356B2 (ja) * | 1979-10-20 | 1982-07-16 | ||
JPS6348054B2 (ja) * | 1981-01-16 | 1988-09-27 | Canon Kk | |
JPH03239852A (ja) * | 1990-02-15 | 1991-10-25 | Hino Motors Ltd | 全駆車用デフのキャリヤケース |
-
1992
- 1992-05-19 JP JP039565U patent/JPH0594563U/ja active Pending
Patent Citations (4)
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19980707 |