JPH0594378U - ストール小便器成形型の排泥用通路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 リム通水路内に余剰泥漿が残らないように排
泥通路を形成する。 【構成】 ストール小便器のタレ受部を形成する便鉢内
底面部の分割型の手前側先端突出部の外周側面に、排泥
用の凹部を上下方向に連続して穿設する。そして、該凹
部の内面側に、泥漿の着肉を防止し、リム通水路の余剰
泥漿を排出する通路を形成するための不透水性材料を装
着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ストール小便器の内面側を形成するための多数に分割された中型の うちのタレ受部を形成する便鉢内底面部の分割型の排泥用通路に関するものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

通常、この種のストール小便器は、図３に示すように、背面型１と、左右の二 つに分割される側面型２と、下型３と、複数個に分割される中型４とで形成され ている。中型４は、上部分割型５と、中央部分割型６と、タレ受部７を形成する 底面部分割型８とに分割され、更にこれらの分割型５，６，８が左右及び真中等 の複数個に分割されている。

【０００３】 前記タレ受部７を形成する底面部分割型８及び下型３には、排泥用の通路９及 び鋳込み通路１０を形成するための不透水性材料が配設されている。この不透水 性材料としては、通常は塩化ビニールパイプが用いられている。

【０００４】 而して、排泥用の通路９及び鋳込み通路１０を通じて各成形型内へ注入された 泥漿は、各成形型の成形面へ順次着肉して成長するようになる。そして、所定肉 厚に成長した後は、リム通水路１１及び排水トラップ部１２の余剰泥漿を排出し 、脱型している。脱型後は、乾燥，施釉が行われ、最後に焼成される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、従来の前記リム通水路１１の余剰泥漿を排出するための通路９は、 図４及び図５に示すように、タレ受部７を形成する底面部分割型８のうちの最も 手前側に位置する分割片８ａの突出先端側に、塩化ビニールパイプの不透水性材 料がその全周を埋設されて形成されている。 そのため、不透水性材料と分割片８ａの突出最先端部との間に、型自体の肉厚 部８ｂが形成されるようになり、図４に示す如く、リム通水路１１の余剰泥漿の うち、前記型自体の肉厚部８ｂの上に堆積している余剰泥漿１３が排出されない ままで、リム通水路１１内に残るという問題があった。

【０００６】 このように余剰泥漿１３がリム通水路１１内に残ると、これがリム通水路１１ の余分な肉厚となって他の部分との間において収縮時間が異なるようになり、キ レと称する欠陥の原因になっていた。また前記排出されないで残る泥漿１３は、 そのままリム通水路１１の肉厚となって通路面積を狭めるようになり、洗浄水の 流れを妨げて洗浄不良を起こす原因になっていた。

【０００７】 更に、リム通水路１１の下端側においては、脱型後に、便鉢内面側に面して洗 浄水を噴出する洗浄小孔をポンスで所定間隔ごとに複数個穿設しているが、前記 残った余剰泥漿１３により肉厚が厚くなった領域においては、洗浄小孔が形成で きなくなるという欠点があった。これは、ポンス内へ着肉した余剰泥漿１３が取 り込まれなくなるからである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、リム通 水路の下端側に余剰泥漿が排出されないで残ることのないようにした通路を提供 せんとするものである。 而して、前記課題を解決するために本考案が採用した手段は、ストール小便器 のタレ受部を形成する便鉢内底面部の分割型において、該分割型の手前側先端突 出部の外周側面に、排泥用の凹部を上下方向に連続して穿設し、該凹部の内面側 に、泥漿の着肉を防止し、リム通水路の余剰泥漿を排出する通路を形成するため の不透水性材料を装着したことを特徴とするストール小便器成形型の排泥用通路 である。

【０００９】

【作用】

本考案にあっては、タレ受部を形成する便鉢内底面部の分割型の手前側先端突 出部の外周側面に、排泥用の凹部を上下方向に連続して穿設している。そして、 該凹部の内面側には塩化ビニール等の不透水性材料を設置している。そのため、 リム通水路の排泥用の通路は、小便器本体のスカート部を形成する着肉部から連 続して形成され、リム通水路内に余剰泥漿が残るということはない。 すなわち、リム通水路において肉厚が異なることに起因するキレの問題や通水 面積が狭くなって流れが悪くなり、洗浄不良を起こす等の問題、更にはリム通水 路に洗浄小孔を穿設できなくなるという問題等がない。

【００１０】

【実施例】

以下に、本考案の構成を図面に示す実施例に基づいて説明すると次の通りであ る。なお、従来の場合と同一符号は同一部材である。

【００１１】 図１及び図２は本考案の一実施例に係るものであり、図１は小便器本体のタレ 受部７の部分とその成形型を示す縦断面図、図２はタレ受部７を形成するための 分割型８ａの横断面平面図である。同図に示す如く、この実施例にあっては、便 鉢内底面部を形成する分割型８ａの手前側先端突出部の外周側面に、概略半円筒 形状の凹部１４を上下面にわたって穿設している。そして、この凹部１４の内面 側に、塩化ビニールパイプを縦分割した不透水性材料１５を取り付けており、こ れによりリム通水路１１の余剰泥漿を排出する通路１６を形成するようにしてい る。その他の構成については、図３に示す従来の場合と同じである。

【００１２】 次に、このように形成されたストール小便器成形型の動作態様を説明する。先 ず、各成形型によって形成された鋳込み空間内へ鋳込み通路１０及び余剰泥漿の 排泥通路１６を通じて泥漿を注入し、各成形型の成形面へ泥漿を着肉成長させる 。この場合に、注入された泥漿は、前記不透水性材料１５を通じて分割型８ａ側 へ水分が吸収されることはないので、該部分の通路１６に泥漿が着肉することは ない。

【００１３】 そして、所定時間経過後に、前記余剰泥漿の排泥通路１６及び鋳込み通路１０ を通じてリム通水路１１と排水トラップ１２の余剰泥漿を排出し、脱型する。こ れにより、小便器本体の成形生素地が得られる。而して、この実施例における前 記余剰泥漿の排出は、前記排泥通路１６が便鉢内底面部を形成する分割型８ａの 手前側先端突出部の外周側面に露呈して設けられているので、小便器本体のスカ ート部を形成する肉厚部１７に連続した余剰泥漿もその全部が排出されるように なる。つまり、リム通水路１１内に余剰泥漿が残ることはない。

【００１４】 ところで、本考案は上述した実施例に限定されるものではなく、適宜の変更が 可能である。例えば、不透水性の材料は、塩化ビニールパイプ以外にもその他の 合成樹脂材料や木材又は金属材料等が適用可能である。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように本考案にあっては、タレ受部を形成する便鉢内底面部の分 割型の手前側先端突出部の外周側面に、排泥用の凹部を穿設し、該凹部の内面に 不透水性材料を設置している。このようにして形成されるリム通水路の排泥用の 通路は、小便器本体のスカート部を形成する着肉部から連続して形成されること になり、リム通水路内に余剰泥漿が残るということはない。

【００１６】 それ故、本考案にあっては、従来のストール小便器成形型において発生してい た、次の欠点を解決することが可能である。すなわち、従来の成形型では、リム 通水路内に余剰泥漿が残って肉厚の異なる部分が形成され、収縮時間の差による キレの問題や通水面積が狭くなって流れが悪くなり、洗浄不良を起こす等の問題 があったが、本考案ではこのような問題は起こらない。また従来の成形型では、 リム通水路に洗浄小孔を穿設できなくなるという問題等があったが、本考案では このような問題も皆無である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る成形型の一部を示す縦断面図であ
る。

【図２】本考案に係る分割型の一部を示す横断面平面図
である。

【図３】従来の成形型の全体を示す縦断面図である。

【図４】従来の成形型の一部を示す縦断面図である。

【図５】従来の分割型の一部を示す横断面平面図であ
る。

【符号の説明】

８…分割型 ８ａ…分割片 １１…リム通水路 １４…凹部 １５…不透水性材料 １６…排泥用通路

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ストール小便器のタレ受部を形成する便
   鉢内底面部の分割型において、該分割型の手前側先端突
   出部の外周側面に、排泥用の凹部を上下方向に連続して
   穿設し、該凹部の内面側に、泥漿の着肉を防止し、リム
   通水路の余剰泥漿を排出する通路を形成するための不透
   水性材料を装着したことを特徴とするストール小便器成
   形型の排泥用通路。