JPH059414A - 防汚塗料組成物 - Google Patents

防汚塗料組成物

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JPH059414A
JPH059414A JP18959091A JP18959091A JPH059414A JP H059414 A JPH059414 A JP H059414A JP 18959091 A JP18959091 A JP 18959091A JP 18959091 A JP18959091 A JP 18959091A JP H059414 A JPH059414 A JP H059414A
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polymer
acetoacetyl group
copper
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Eiichiro Takiyama
栄一郎 滝山
Takashi Fujimaki
隆 藤巻
Atsushi Hasegawa
淳 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、長期間安定した防汚作用を示す、
特に海水に適した防汚塗料組成物を提供することにあ
る。 【構成】 ビヒクル成分として最終的な共重合ポリマー
の形態がアセトアセチル基を有するモノマーとこれと共
重合可能なモノマーとからなるアセトアセチル基を有す
るポリマーを用い、これに無機銅化合物および/または
銅と、ジエチルチオカーバメート金属塩を配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海中の生物、例えば貝
類、海藻類の海中における付着を防止する、いわゆる防
汚塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】船底あるいは海中構築物等に対する海中
生物の付着を防止することは、これらの効率的運用およ
び保守管理上極めて重要なことである。このための対策
として、従来から有機錫を含有した塗料が有効なものと
して使用されてきた。しかしながら、近年、有機錫化合
物の、主として魚類における蓄積性が問題視されるよう
になって、公衆衛生の面からこれを防汚剤として利用す
ることが困難となる傾向にある。一方、これらの有機錫
系塗料に替わって魚類における蓄積性がなく、然も以前
から使用実績のある亜酸化銅を中心とする無機銅化合物
の利用が再び注目されるようになってきた。
【0003】しかし、従来からよく知られているよう
に、トリフェニル錫メタクリレートのような、ポリマー
が水中で極く少量づつ表面から流出する、いわゆる“う
なぎ塗料”的な機能を、例えば典型的な無機銅化合物で
ある亜酸化銅を防汚剤とする塗料がもつことは困難であ
るとされる。
【0004】亜酸化銅を防汚剤としロジンをビヒクルと
する塗料は、海水中での損耗が激しく、長期の防汚作用
を有する塗料とはならず、また、塩化ゴム系のビヒクル
を用いた防汚塗料も、表面に分布した亜酸化銅が溶出す
れば防汚作用は消失するといわれている。
【0005】亜酸化銅を含む塗膜が防汚作用を示すため
には、8〜11μg/cm2 /日の亜鉛化銅の溶出がなけ
ればならないとされており、この値を長期間にわたって
一定値に保つことが、安定な働きをする防汚塗料として
必須のものとなる。
【0006】すなわち、亜酸化銅を必要量含み、表面の
塗膜が絶えず十分な量の亜酸化銅を供給し得るように更
新される塗料用のビヒクルを得るために、数多くの研究
が行われている。
【0007】それらの中には、水溶性ポリマーを形成す
るモノマー、例えばビニルピロリドンを共重合ポリマー
の一成分に用いる例、あるいは第3級アミノ基を有する
モノマーを使用する例などがある。
【0008】しかし、既存のこれらポリマーをビヒクル
とする防汚塗料は、それが使用環境により物性の変化を
示さない、すなわちポリマーの溶解性に経日変化を生じ
ているわけではない。
【0009】望ましい傾向は前出した“うなぎ塗料”的
な傾向、すなわち亜酸化銅を含みながら表面のポリマー
が常に亜酸化銅の一定量づつを供給できるように更新さ
れていくことである。
【0010】本発明者らの一部は、亜酸化銅などの無機
銅化合物を防汚剤に用い、長期間にわたって防汚作用を
示すに十分な量の銅イオンを放出できるビヒクルについ
て検討を進めてきた結果、少なくとも一成分としてアセ
トアセチル基を有するポリマーを用いることにより目的
を達成できることを見いだし、先に出願してきた(特開
平3−126771号公報)。
【0011】しかし、亜酸化銅などの無機銅化合物を防
汚剤とする場合には、防汚作用がいまだ必ずしも満足す
べきものではなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来技術が有する問題点を解決し、海中生物の付着防止
用防汚塗料組成物を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために検討を重ねた結果、先に本発明者らの
一部が提案し、特許出願した防汚塗料組成物(特開平3
−126771号公報)にジエチルチオカーバメート金
属塩を添加することによって、より長期間、安定した防
汚作用を示す防汚塗料組成物が得られることを見出し、
本発明に到達した。
【0014】すなわち、本発明は、〔A〕最終的な共重
合ポリマーの形態が、(1)アセトアセチル基を有する
モノマーと、(2)これと共重合可能なモノマーの少な
くとも1種類とを共重合して得られる形のものであるア
セトアセチル基を有するポリマー、〔B〕無機銅化合物
および/または銅、および〔C〕一般式
【化2】〔(C2 5 2 NCSS〕2 M (但し、Mは金属原子を示す。)で示されるジエチルチ
オカーバメート金属塩とを併用することよりなる防汚塗
料組成物に関する。
【0015】本発明でビヒクル成分として利用される最
終的な共重合ポリマーの形態が、アセトアセチル基を有
するポリマーは、(1)アセトアセチル基を有するモノ
マーとこれと共重合可能なモノマーの共重合によって
か、あるいは(2)ヒドロキシル基を有するポリマーに
ジケテンを反応させることにより合成することができ
る。
【0016】上記(1)および(2)の方法を代表例で
示すと次のとおりである。
【0017】方法(1)
【化3】
【0018】方法(2)
【化4】
【0019】アセトアセチル基を有するポリマーは、単
独重合体でも、あるいは共重合可能なモノマーとの共重
合体でも合成が可能である。
【0020】よく知られているように、アセトアセチル
基は典型的なケト−エノール互変異性
【0021】
【化5】 を示すためか、アセトアセチル基を有するモノマーの単
独重合では、前述したケト−エノールの互変異性が関係
するものと考えられるが、重合率が高まるにつれ急速に
ゲル状となるために、重合調節剤を多量に用いなければ
安定したポリマーを得ることが難しかった。
【0022】しかし、この欠点はアセトアセチル基を有
するモノマーと共重合可能なモノマーを共重合すること
により軽減できることが明らかにされた。
【0023】さらに、アセトアセチル基を有するモノマ
ーと共重合可能なモノマーを併用して共重合させたアセ
トアセチル基を有するポリマーは、亜酸化銅などの防汚
剤を併用した場合、その溶出速度をコントロールできる
ことも見いだされた。
【0024】本発明の方法(1)に用いられるアセトア
セチル基を有するポリマーを得るためのアセトアセチル
基を有するモノマーとしては、例えば次の不飽和アルコ
ールとジケテンとの反応生成物が好適例としてあげられ
る。
【0025】2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ア
リルアルコール等である。一級アルコールの方がジケテ
ンとの反応は容易であり、本発明のためには十分であ
る。
【0026】アセトアセチル基を有するモノマーと共重
合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、非水溶性
モノマーや水溶性モノマーの各種のタイプを用いること
ができる。
【0027】例えば水溶性モノマーを多く用いると、当
初の銅イオンの溶出は急激であるが、経日変化もまた大
であり、所望の日数にわたって必要とされるイオン濃度
を維持できなくなる傾向があり、非水溶性モノマーの利
用は逆の傾向を示す。したがって、アセトアセチル基を
有するモノマーを主成分とし、水溶性モノマー量をコン
トロールし、さらに必要に応じて非水溶性モノマーを第
3成分として加えるならば、所望の銅イオン放出を長期
間にわたり期待できるようになる。
【0028】このようなアセトアセチル基を有するモノ
マーと共重合可能なモノマーとしては、スチレン、ビニ
ルトルエン、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、塩化ビニル、ビニルピロリド
ン、アクリル酸、メタクリル酸、メチロールアクリルア
ミド、アクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒド
ロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート、ならびに第4級アンモニウム塩形成モ
ノマー、代表的には不飽和3級アミンであるジメチルア
ミノエチルメタクリレートとベンジルクロライドの付加
物等があげられる。
【0029】アセトアセチル基を有するモノマーと、こ
れに共重合可能なモノマーとの使用割合は、アセトアセ
チル基を有するモノマーが99モル%以下20モル%以
上が好ましい。アセトアセチル基を有するモノマーの使
用割合が99モル%より多い場合は、安定したポリマー
を得ることが難しく、また20モル%未満では併用する
モノマーが非水溶性である場合、銅イオンの流出速度が
遅くなって所望の防汚効果が得難い。より適当な割合
は、95モル%以下50モル%以上である。
【0030】重合は通常の諸方法が適用されるが、アセ
トアセチル基を有するモノマーの使用割合が50モル%
以上のような場合には、前述したように重合末期の粘度
上昇を避けるために、連鎖移動剤、代表的にはメルカプ
タン類を1重量%以上使用することが適当である。
【0031】また、前記方法(2)のごとく、ヒドロキ
シル基を有するポリマーにジケテンを反応させることに
よっても、アセトアセチル基を有するポリマーを得るこ
とができる。
【0032】本発明の方法(2)で用いられるヒドロキ
シル基を有するポリマーとしては、ヒドロキシル基を有
するモノマーと他モノマーとを共重合することによって
得られる共重合体の他に、例えばエチレンと酢酸ビニル
共重合体のけん化物、あるいはそのアセタール、ホルマ
ール、ブチラール化ポリマーなどがあげられる。
【0033】ヒドロキシル基を有するモノマーとして
は、前記方法(1)で述べた不飽和アルコールが好適例
としてあげられる。また、他モノマーについても、同様
に前述した共重合可能なモノマーがあげられる。
【0034】ヒドロキシル基を有するポリマーとジケテ
ンの反応は、密閉容器中60℃前後の温度、有機錫化合
物、3級アミン等の触媒の存在下で行われる。
【0035】本発明において、アセトアセチル基を有す
るポリマーと混合使用する防汚剤は、無機銅化合物およ
び/または銅と、ジエチルチオカーバメート金属塩であ
る。
【0036】無機銅化合物としては、最も代表的なもの
としては亜酸化銅があげられ、その他には例えば塩基性
炭酸銅、塩基性硫酸銅、塩基性リン酸銅、炭酸銅、水酸
化銅、珪酸銅等をあげることができる。銅としては、例
えば銅粉があげられる。
【0037】無機銅化合物および/または銅の使用割合
は、一般にはビヒクル成分である前記アセトアセチル基
を有するポリマー100重量部に対して50〜200重
量部であり、用途、使用場所等の環境により増減するこ
とができる。無機銅化合物および/または銅の使用割合
が50重量部未満では、本発明の効果が乏しく、また使
用割合が200重量部より多い場合はもはや防汚能力の
向上がみられず、経済的でない。
【0038】本発明においては、無機銅化合物および/
または銅の防汚剤に、さらにジエチルチオカーバメート
金属塩を配合することにより、一段と防汚作用が高めら
れる。
【0039】ジエチルチオカーバメート金属塩は、一般
【化6】〔(C2 5 2 NCSS〕2 M (但し、Mは金属原子を示す)で示されるものである。
金属原子としては、マンガン、亜鉛、鉄などがあげられ
る。
【0040】前記一般式で示されるジエチルチオカーバ
メート金属塩のうち、特に金属原子がマンガンの場合に
は、商品名“マンネブ”、亜鉛の場合には“ジネブ”の
名で、農薬(防菌、防カビ、防腐剤)として著名であ
り、広く用いられており、農薬の中では安全性も高い、
とされている。その他鉄塩なども知られている。
【0041】ジエチルチオカーバメート金属塩の使用割
合は、アセトアセチル基を有するポリマー100重量部
に対して1重量部以上50重量部以下が好適である。ジ
エチルチオカーバメート金属塩の使用割合が1重量部未
満では添加の効果が乏しく、50重量部より多く添加し
ても性能の向上をみることが難かしい。
【0042】これらの成分から本発明の防汚塗料組成物
を調整する方法には特に制限はなく、例えばメチルエチ
ルケトン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトンなどの
ごときアセトアセチル基を有するポリマーを溶解する溶
剤により適度の粘度になるように溶解調整し、防汚塗料
とすることが好ましい。
【0043】本発明の防汚塗料組成物には、必要に応じ
てフィラー、着色剤、ポリマー、オリゴマーならびに無
機銅化合物および銅、ジエチルチオカーバメート金属塩
以外の防汚剤等を併用できることは勿論である。
【0044】
【作用】本発明において、アセトアセチル基を有するポ
リマーと例えば亜酸化銅、ジエチルチオカーバメート金
属塩との併用が、なぜ一定量の銅イオンを放出すること
ができるのかは必ずしも明らかではないが、アセトアセ
チル基と銅化合物とのキレート結合の形成、さらにはア
セトアセチル基のアルカリ性水溶液中での加水分解の促
進によるヒドロキシル基の再生と、これに伴うポリマー
の水溶性の増大といった事実が、何らかの関係を有して
いることも推測される。
【0045】
【実施例】次に、本発明の理解を助けるために、以下に
実施例を示す。なお、実施例中の部は、特に断わりのな
い限り重量部である。
【0046】実施例1共重合ポリマー(A)の合成 撹拌機、還流コンデンサー、温度計、ガス導入管を付し
た1lのセパラブルフラスコに、2−アセトアセチルエ
チルメタクリレート342g、ビニルピロリドン44
g、メチルエチルケトン324g、アゾビスイソブチロ
ニトリル4g、t−ブチルラウリルメルカプタン4gを
仕込み、窒素気流中、70〜75℃で8時間重合した。
途中4時間後にアゾビスイソブチロニトリル2gを追加
した。重合率は約91%であり、数平均分子量約11万
のアセトアセチル基を有する共重合ポリマー(A)(メ
チルエチルケトン溶液)が淡黄色、粘度約113ポイズ
で得られた。
【0047】防汚塗料〔I〕の製造 共重合ポリマー(A)100重量部(以下、単に部と記
す)、亜酸化銅110部、メチルイソブチルケトン20
部をよく混練し、ペースト状の防汚塗料〔I〕とした。
【0048】防汚塗料〔II〕の製造 防汚塗料〔I〕の配合に、更にジエチルチオカーバメー
トマンガン塩を30部、メチルエチルケトン20部を追
加混合したものを防汚塗料〔II〕とした。
【0049】防汚塗料〔I〕および〔II〕をそれぞれ裏
面をポリアミド硬化のエポキシ樹脂で防食コーティング
したボンデライト鋼板上に、塗膜厚みが70〜100μ
mになるように3回にわたって塗装、乾燥塗膜とした。
いづれも鉛筆硬度2H、ゴバン目密着テスト100/1
00の塗膜が得られた。
【0050】銅イオン溶出試験 上記の塗装されたそれぞれの試料について、レケム(R
echum)のグリシン溶液を用いる方法に準じて、銅
イオン溶出のリーチングテストを行った。すなわち、 グリシン 1.785g 食塩 27.960g 0.1%苛性ソーダ 28.8cc 蒸留水 1000cc でpHを10.5に調整した液を用いた。
【0051】促進倍率は普通20〜30倍と言われてい
るが、ここでは20倍として計算した。試験開始当初3
日間(60日相当)の銅イオン溶出量はいづれも110
〜91μg/cm2 /日で、360日相当で27〜46μ
g/cm2 /日となり、以後720日目で21〜33μg
/cm2 /日と幾分減少したが、基準とされている10μ
g/cm2 /日を上廻っていた。
【0052】30cm×30cmに切断した厚さ6mmのスレ
ート板に、昭和高分子(株)製“スプレイダム#50
0”を約2mm厚にスプレー塗装、硬化塗膜とした後、防
汚塗料〔I〕および〔II〕をそれぞれ塗膜厚みが70〜
100μmになるように3回にわたり塗装、乾燥した。
【0053】上記の塗装されたスレート板、および未塗
装のスレート板を2月から11月までの10ヶ月にわた
り、海面下1mの同一場所に浸漬したところ、防汚塗料
〔I〕を塗装したスレート板の塗膜には、約1/3の面
積に青ノリ様の海藻が付着していたが、貝類の付着は認
められなかった。また、防汚塗料〔II〕を塗装したスレ
ート板の塗膜には、貝類は勿論、青ノリ様の海藻もほと
んど付着していなかった。一方、同時に同一場所に浸漬
した同寸法の未塗装のスレート板には、下地が見えない
程びっしりと、ふじつぼ始め他の貝類の付着があった。
【0054】実施例2共重合ポリマー(B)の合成 撹拌機、還流コンデンサー、滴下ロート、ガス導入管付
温度計を付した1lのセパラブルフラスコに、スチレン
62g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート182
g、t−ブチルラウリルメルカプタン1.5g、アゾビ
スイソブチロニトリル2.5g、酢酸エチル170gを
仕込み、窒素気流中16時間、70〜75℃で重合し
た。この間、アゾビスイソブチロニトリルを4時間毎に
2回各1.5gづつを追加した。重合率は約95%であ
り、数平均分子量約69000のヒドロキシル基を有す
るポリマーの酢酸エチル溶液が得られた。
【0055】温度を60℃に下げ、ジブチル錫ジラウレ
ート1g加え、ジケテン90gを約1時間にわたって滴
下した。滴下終了後、60℃にて6時間保持した。赤外
分析の結果、ヒドロキシル基の約70%がアセトアセチ
ル化されたものと推定された。得られたポリマーは、2
−アセトアセチルエチルメタクリレート約50モル%、
スチレン30モル%、2−ヒドロキシルエチルメタクリ
レート約20モル%の、アセトアセチル基を有する多元
共重合ポリマーに相当するものとみられた。淡黄褐色、
シラップ状の共重合ポリマー(B)(酢酸エチル溶液)
が得られた。
【0056】防汚塗料〔III 〕の製造 共重合ポリマー(B)100部、メチルイソブチルケト
ン30部、銅粉50部、亜酸化銅90部をよく混練して
ペースト状の防汚塗料〔III 〕とした。
【0057】防汚塗料〔IV〕の製造 防汚塗料〔IV〕(前記配合物)に、更にジエチルチオカ
ーバメート亜塩塩を20部、メチルエチルケトン10部
を加え混練したものを防汚塗料〔IV〕とした。
【0058】上記防汚塗料〔III 〕および〔IV〕をそれ
ぞれ実施例1と同様に処理したボンデライト鋼板上に、
乾燥膜厚70〜100μになるように塗装した。これら
の試料について、実施例1と同様の促進テストを実施し
た結果、当初3日間の溶出量は、防汚塗料〔III 〕が9
8〜110μg/cm2 /日、防汚塗料〔IV〕が79〜9
4μg/cm2 /日であったが、360日相当で、防汚塗
料〔III 〕が50〜56μg/cm2 /日、防汚塗料〔I
V〕が41〜58μg/cm2 /日であり、720日相当
では、防汚塗料〔III 〕は35〜41μg/cm2 /日、
防汚塗料〔IV〕は37〜44μg/cm2 /日であった。
【0059】実施例1と同様に、処理スレート板上に防
汚塗料〔III 〕および〔IV〕をそれぞれ塗装したもの
は、2月〜11月までの10カ月間の海中浸漬で、共に
貝類の付着はなく、防汚塗料〔IV〕を塗装したスレート
板の塗膜には青ノリ様の藻が約20〜25(%)付着し
ていたが、防汚塗料〔IV〕を塗装したスレート板の塗膜
にはほとんど付着が認められなかった。一方、同時に同
一場所に浸漬した同寸法未塗装のスレート板には、下地
が見えない程びっしりと、ふじつぼ他の貝類が付着して
いた。
【0060】
【発明の効果】本発明の防汚塗料組成物は、前述のよう
に構成したので、可使時間が長く基材への塗装性に優れ
ており、海水中に浸漬した場合、アセトアセチル基の作
用により、銅イオン溶出速度を一定にすることができる
ため長期間の防汚性に優れた塗膜性能が得られ、船底、
漁網、海中構造物、海中に長時間浸漬する各種器具類等
のような海中生物の付着防止が要求されるあらゆるもの
の海中生物は付着防止用の防汚塗料として極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 201/06 PDM 6770−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 〔A〕最終的な共重合ポリマーの形態
    が、 (1)アセトアセチル基を有するモノマーと、 (2)これと共重合可能なモノマーの少なくとも1種類
    とを共重合して得られる形のものであるアセトアセチル
    基を有するポリマー、 〔B〕無機銅化合物および/または銅、および 〔C〕一般式 【化1】〔(C2 5 2 NCSS〕2 M (但し、Mは金属原子を示す。)で示されるジエチルチ
    オカーバメート金属塩とを併用することよりなる防汚塗
    料組成物。
  2. 【請求項2】 〔A〕アセトアセチル基を有するポリマ
    ー100重量部に対し、〔B〕無機銅化合物および/ま
    たは銅50〜200重量部および〔C〕ジエチルチオカ
    ーバメート金属塩1〜50重量部を配合する請求項1記
    載の防汚塗料組成物。
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