JPH0593983A - ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 - Google Patents
ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法Info
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- JPH0593983A JPH0593983A JP27894591A JP27894591A JPH0593983A JP H0593983 A JPH0593983 A JP H0593983A JP 27894591 A JP27894591 A JP 27894591A JP 27894591 A JP27894591 A JP 27894591A JP H0593983 A JPH0593983 A JP H0593983A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 カラー写真用ハロゲン化銀乳剤において乾燥
時に発生するカブリ現象を防止することの出来るハロゲ
ン化銀写真感光材料の製造方法を提供することにある。
又、本発明は今迄の技術が乾燥される膜の含水率が乾量
基準300重量%以下に対して乾燥条件を制限していた
のを、研究の結果乾量基準の70〜3重量%に条件を制
限し、300〜70重量%の間は乾燥条件を従来通り例
えば乾球温度21℃以下,関係湿度30%以下を用いて
乾燥能率の上昇を図ったことにある。 【構成】 銀量/オイルの重量比が3.5〜25の範囲
に相当するカラー写真用ハロゲン化銀乳剤の乾燥におい
て、乾燥中の乳剤膜の含水率が乾量基準で70〜3重量
%の間、11.5℃≦露点≦27℃,35%≦関係温度
≦85%,乾球温度36°以下の諸条件を満足する条件
下で乾燥させることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料の製造方法。
時に発生するカブリ現象を防止することの出来るハロゲ
ン化銀写真感光材料の製造方法を提供することにある。
又、本発明は今迄の技術が乾燥される膜の含水率が乾量
基準300重量%以下に対して乾燥条件を制限していた
のを、研究の結果乾量基準の70〜3重量%に条件を制
限し、300〜70重量%の間は乾燥条件を従来通り例
えば乾球温度21℃以下,関係湿度30%以下を用いて
乾燥能率の上昇を図ったことにある。 【構成】 銀量/オイルの重量比が3.5〜25の範囲
に相当するカラー写真用ハロゲン化銀乳剤の乾燥におい
て、乾燥中の乳剤膜の含水率が乾量基準で70〜3重量
%の間、11.5℃≦露点≦27℃,35%≦関係温度
≦85%,乾球温度36°以下の諸条件を満足する条件
下で乾燥させることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料の製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料の製造方法に関する。詳細には、支持体に写真用塗布
液を塗布し、次いでこれを乾燥する時のカブリ現象を防
止するハロゲン化銀写真感光材料の製造方法に関するも
のである。
料の製造方法に関する。詳細には、支持体に写真用塗布
液を塗布し、次いでこれを乾燥する時のカブリ現象を防
止するハロゲン化銀写真感光材料の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般にハロゲン化銀写真感光材料の乾燥
は、支持体上に各種の層、例えばハロゲン化銀乳剤層,
ゼラチンを含有するフィルター層,保護層等を塗布し、
ついで乾球温度−10〜10℃の低温空気で冷却凝固し
た後、垂れ式搬送,ストレート式搬送,アーチ式搬送,
蛇行式搬送,空気支持式搬送等の方法で支持搬送させな
がら乾球温度15〜45℃,関係湿度10〜35%の空
気を支持体上の層の乾燥状態に応じて供給し、更に乾球
温度20〜26℃、関係湿度50〜70%の空気で調湿
することによって行われる。乾燥の終った写真感光材料
は長期保存に適する水分を含有している。上記の乾燥方
法は、低ハロゲン化銀を含有する写真感光材料の乾燥に
おいては良好な結果を与えるが、迅速処理および高感度
高解像力の目的に使用される高ハロゲン化銀を含有する
写真感光材料の乾燥においては致命的な欠点を与える。
即ち、上記の方法によって乾燥された高ハロゲン化銀写
真感光材料は現像処理された時著しいカブリの増加を示
す(本発明の明細書において、カブリとは現像によって
還元される非露光部乳剤中の銀量を指す。)この傾向
は、高ハロゲン銀写真感光材料にゼラチンを含む保護層
を設けた時及び支持体としてポリエステルフィルムの如
き伸縮性の小さな非吸湿性フイルムを使用する時に著し
い。かかる欠点は以下の如き理由によると考えられる。
即ち、ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀の含有率が高
いため、ゼラチンが低湿度空気によって急激に乾燥され
ると、塗布膜が急激に収縮して歪を生じること及びハロ
ゲン化銀が保護層中のゼラチンの歪の影響を受け易くな
ることである。更に、支持体がポリエステル、ポリカー
ボネート、或いはポリスチレンの如きフイルムの場合、
伸縮性が小さく、吸湿性が無いため一層その傾向が助長
される。この乾燥カブリを低減させる対策として、特公
昭47−37441号公報には伸縮性が小さくかつ非吸
湿性のフイルム支持体上に、ハロゲン化銀とゼラチンの
重量比が0.8以上であるゼラチン−ハロゲン化銀乳剤
層と、ゼラチンを含有する保護層とを塗布し、次いでこ
れを乾燥して高ハロゲン化銀を含有するゼラチン−ハロ
ゲン化銀写真感光材料を製造する方法において、支持体
上に構成された全層に含有される平均乾量に基いて30
0%以下の水分を50〜70%の空気相対湿度,20〜
35℃の乾球温度のもとで乾燥することを特徴とする方
法が、又、特開昭63−26654号公報には、支持体
に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤を塗布し、
次いでこれを乾燥するハロゲン化銀写真感光材料の製造
方法において、平均乾量基準で300重量%以下の水分
を湿球温度10〜25℃かつ相対湿度35〜60%の空
気で乾燥し、さらに乾球温度35〜60%の空気で乾燥
し、さらに乾球温度35〜50℃かつ相対湿度40〜6
0%の空気雰囲気で加熱処理することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料の製造方法が開示されている。
は、支持体上に各種の層、例えばハロゲン化銀乳剤層,
ゼラチンを含有するフィルター層,保護層等を塗布し、
ついで乾球温度−10〜10℃の低温空気で冷却凝固し
た後、垂れ式搬送,ストレート式搬送,アーチ式搬送,
蛇行式搬送,空気支持式搬送等の方法で支持搬送させな
がら乾球温度15〜45℃,関係湿度10〜35%の空
気を支持体上の層の乾燥状態に応じて供給し、更に乾球
温度20〜26℃、関係湿度50〜70%の空気で調湿
することによって行われる。乾燥の終った写真感光材料
は長期保存に適する水分を含有している。上記の乾燥方
法は、低ハロゲン化銀を含有する写真感光材料の乾燥に
おいては良好な結果を与えるが、迅速処理および高感度
高解像力の目的に使用される高ハロゲン化銀を含有する
写真感光材料の乾燥においては致命的な欠点を与える。
即ち、上記の方法によって乾燥された高ハロゲン化銀写
真感光材料は現像処理された時著しいカブリの増加を示
す(本発明の明細書において、カブリとは現像によって
還元される非露光部乳剤中の銀量を指す。)この傾向
は、高ハロゲン銀写真感光材料にゼラチンを含む保護層
を設けた時及び支持体としてポリエステルフィルムの如
き伸縮性の小さな非吸湿性フイルムを使用する時に著し
い。かかる欠点は以下の如き理由によると考えられる。
即ち、ハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀の含有率が高
いため、ゼラチンが低湿度空気によって急激に乾燥され
ると、塗布膜が急激に収縮して歪を生じること及びハロ
ゲン化銀が保護層中のゼラチンの歪の影響を受け易くな
ることである。更に、支持体がポリエステル、ポリカー
ボネート、或いはポリスチレンの如きフイルムの場合、
伸縮性が小さく、吸湿性が無いため一層その傾向が助長
される。この乾燥カブリを低減させる対策として、特公
昭47−37441号公報には伸縮性が小さくかつ非吸
湿性のフイルム支持体上に、ハロゲン化銀とゼラチンの
重量比が0.8以上であるゼラチン−ハロゲン化銀乳剤
層と、ゼラチンを含有する保護層とを塗布し、次いでこ
れを乾燥して高ハロゲン化銀を含有するゼラチン−ハロ
ゲン化銀写真感光材料を製造する方法において、支持体
上に構成された全層に含有される平均乾量に基いて30
0%以下の水分を50〜70%の空気相対湿度,20〜
35℃の乾球温度のもとで乾燥することを特徴とする方
法が、又、特開昭63−26654号公報には、支持体
に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤を塗布し、
次いでこれを乾燥するハロゲン化銀写真感光材料の製造
方法において、平均乾量基準で300重量%以下の水分
を湿球温度10〜25℃かつ相対湿度35〜60%の空
気で乾燥し、さらに乾球温度35〜60%の空気で乾燥
し、さらに乾球温度35〜50℃かつ相対湿度40〜6
0%の空気雰囲気で加熱処理することを特徴とするハロ
ゲン化銀写真感光材料の製造方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら特公昭4
7−37441号公報に示す技術は、ハロゲン化銀乳剤
がネガ及びレントゲン等の白黒用感光材料の場合につい
て示してあり、写真感度もISO32〜200であっ
た。当時はカラー写真用感光材料の場合は感度も低く乾
燥カブリは問題にならなかったが、最近カラー用写真感
光材料においても高感度のものが用いられるようにな
り、乾燥カブリが問題となって来た。カラー写真用ハロ
ゲン化銀乳剤の場合は乳剤中にカプラーの保護のためオ
イルを使用しているが、オイルを多く含むものは乾燥カ
ブリを発生しにくい性格がある。又特開昭63−266
54号公報に示すものはカラー写真用ハロゲン化銀乳剤
を含めたものを対象としているが、現在においては乾燥
カブリ対策としては充分ではなかった。
7−37441号公報に示す技術は、ハロゲン化銀乳剤
がネガ及びレントゲン等の白黒用感光材料の場合につい
て示してあり、写真感度もISO32〜200であっ
た。当時はカラー写真用感光材料の場合は感度も低く乾
燥カブリは問題にならなかったが、最近カラー用写真感
光材料においても高感度のものが用いられるようにな
り、乾燥カブリが問題となって来た。カラー写真用ハロ
ゲン化銀乳剤の場合は乳剤中にカプラーの保護のためオ
イルを使用しているが、オイルを多く含むものは乾燥カ
ブリを発生しにくい性格がある。又特開昭63−266
54号公報に示すものはカラー写真用ハロゲン化銀乳剤
を含めたものを対象としているが、現在においては乾燥
カブリ対策としては充分ではなかった。
【0004】本発明の目的は上記問題点に対処し、カラ
ー写真用ハロゲン化銀乳剤において乾燥時に発生するカ
ブリ現象を防止することの出来るハロゲン化銀写真感光
材料の製造方法を提供することにある。又、本発明は今
迄の技術が乾燥される膜の含水率が乾量基準で300重
量%以下に対して乾燥条件を制限していたのを、研究の
結果乾量基準の70〜3重量%に条件を制限し、300
〜70重量%の間は乾燥条件を従来通り例えば乾球温度
21℃以下,関係湿度30%以下を用いて乾燥能率の上
昇を図ったことにある。
ー写真用ハロゲン化銀乳剤において乾燥時に発生するカ
ブリ現象を防止することの出来るハロゲン化銀写真感光
材料の製造方法を提供することにある。又、本発明は今
迄の技術が乾燥される膜の含水率が乾量基準で300重
量%以下に対して乾燥条件を制限していたのを、研究の
結果乾量基準の70〜3重量%に条件を制限し、300
〜70重量%の間は乾燥条件を従来通り例えば乾球温度
21℃以下,関係湿度30%以下を用いて乾燥能率の上
昇を図ったことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明の上記目
的は (1) 銀量/オイルの重量比が3.5〜25の範囲に
おいて相当するカラー写真用ハロゲン化銀乳剤の乾燥に
おいて、乾燥中の乳剤膜の含水率が乾量基準で70〜3
重量%の間、11.5℃≦露点≦27℃,35%≦関係
湿度≦85%,乾球温度36°以下の諸条件を満足する
条件下で乾燥させることを特徴とする、ハロゲン化銀写
真感光材料の製造方法。 (2) 該ハロゲン化銀乳剤層の少くとも1層がISO
200〜6400のものであることを特徴とする請求項
(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料の製造方法によ
って達成される。
的は (1) 銀量/オイルの重量比が3.5〜25の範囲に
おいて相当するカラー写真用ハロゲン化銀乳剤の乾燥に
おいて、乾燥中の乳剤膜の含水率が乾量基準で70〜3
重量%の間、11.5℃≦露点≦27℃,35%≦関係
湿度≦85%,乾球温度36°以下の諸条件を満足する
条件下で乾燥させることを特徴とする、ハロゲン化銀写
真感光材料の製造方法。 (2) 該ハロゲン化銀乳剤層の少くとも1層がISO
200〜6400のものであることを特徴とする請求項
(1)記載のハロゲン化銀写真感光材料の製造方法によ
って達成される。
【0006】本発明におけるカラー写真用ハロゲン化銀
乳剤とは、銀量/オイルの重量比が3.5〜25の範囲
に相当するカラー写真用ハロゲン化銀乳剤についてい
う。本発明は特に銀量が全層で0.4g/cm3 以上の
時に有効である。一般に塗布膜中のオイルは比較的弾性
率が低い為、塗布膜中の応力の緩和材となっており、高
感度製品でもオイル量の多いものは、カブリを起こしに
くい。しかしながら最近の写真感光材料では、オイル量
を減らして塗布膜を薄層化させて鮮鋭度を向上させ、銀
量を増やして粒状性の良化と感度上昇を計っているが、
乾燥カブリではこのオイル量に対し銀量の多いものがカ
ブリを発生し易い。本発明は銀/オイルが25にもなる
乳剤層のカブリ対策としても有効である。因に本発明は
銀量/ゼラチンの重量比でいえば0.2〜1.5に適用
される。本発明において乾燥中の乳剤膜の含水率が乾量
基準で70〜3重量%ということは、写真感光材料の恒
率乾燥の限界含水率は乾量基準で約300重量%である
が、70重量%というと減率乾燥の後期になる。本発明
者達は鋭意研究の結果、300〜70重量%の間は従来
の迅速乾燥条件が使用できるということを知った。塗布
膜の収縮は70重量%近辺より初まるので、それ以後の
乾燥条件を制限することが望ましい。含水率乾量基準7
0〜3重量%の間は乾燥条件によっては表面だけ乾燥し
て急激且つ不均一な膜の収縮の為銀結晶に歪を与えて乾
燥カブリを生じたり、又、膜内部に湿分が残り付着をお
こしたりする。その為に本発明は70〜3重量%の含水
率の間、乾燥条件として11.5≦露点≦27℃,35
%≦関係温度≦85%,乾球温度36℃以下の諸条件を
満足する条件下で乾燥させた。この範囲内での条件選定
はAg/オイル,Ag/ゼラチン,その他乾燥風が塗布
膜に当る速度等によって選定されるが、より好ましい範
囲としては25℃≦乾球温度≦34℃,55%≦関係温
度≦75%,最高露点≦27℃の範囲であり、最適条件
としては26℃≦乾球温度≦30℃,60%≦関係温度
≦75%である。その意味としては、露点が11.5℃
以下に落ちると乾燥能率が低下して実用的でない。又露
点が27℃以上では乾燥膜面の温度が上昇し、写真品質
に悪影響を与えて好ましくない。関係湿度が下る程乾燥
が促進され35%以下では乾燥カブリが出やすくなる
し、関係温度が85%以上になると乾燥速度が非常に遅
くなるばかりでなく、接着故障を生ずる危険性がある。
又乾球温度が高くなる程乾燥速度が早くなり36℃以上
になると塗布膜表面が過乾になり乾燥カブリが発生す
る。又、乾燥速度は乾燥風速が被乾燥物にあたる速度に
よっても大きく影響されるので、乾燥風速40m/se
c以下で被乾燥物と乾燥風吹出口間の距離は10mm以
上が望ましい。より好ましい条件としては乾燥風速30
m/sec以下で,距離10mm以上である。本発明は
特にISO200〜6400の範囲内の乳剤品種に対応
した好適な条件を選んで乾燥することにより、写真品質
の優れた乾燥カブリの少ないカラー写真用ハロゲン化銀
乳剤を製造することが出来る。又、本発明の場合は乳剤
膜の含水率が乾量基準で300〜70重量%の間(恒率
乾燥及び減率乾燥の前段階)は湿球温度21℃以下で関
係湿度35%以下の空気を用いて乾燥能率の良い乾燥を
行って、乾燥時間の短縮を計ることが出来る。
乳剤とは、銀量/オイルの重量比が3.5〜25の範囲
に相当するカラー写真用ハロゲン化銀乳剤についてい
う。本発明は特に銀量が全層で0.4g/cm3 以上の
時に有効である。一般に塗布膜中のオイルは比較的弾性
率が低い為、塗布膜中の応力の緩和材となっており、高
感度製品でもオイル量の多いものは、カブリを起こしに
くい。しかしながら最近の写真感光材料では、オイル量
を減らして塗布膜を薄層化させて鮮鋭度を向上させ、銀
量を増やして粒状性の良化と感度上昇を計っているが、
乾燥カブリではこのオイル量に対し銀量の多いものがカ
ブリを発生し易い。本発明は銀/オイルが25にもなる
乳剤層のカブリ対策としても有効である。因に本発明は
銀量/ゼラチンの重量比でいえば0.2〜1.5に適用
される。本発明において乾燥中の乳剤膜の含水率が乾量
基準で70〜3重量%ということは、写真感光材料の恒
率乾燥の限界含水率は乾量基準で約300重量%である
が、70重量%というと減率乾燥の後期になる。本発明
者達は鋭意研究の結果、300〜70重量%の間は従来
の迅速乾燥条件が使用できるということを知った。塗布
膜の収縮は70重量%近辺より初まるので、それ以後の
乾燥条件を制限することが望ましい。含水率乾量基準7
0〜3重量%の間は乾燥条件によっては表面だけ乾燥し
て急激且つ不均一な膜の収縮の為銀結晶に歪を与えて乾
燥カブリを生じたり、又、膜内部に湿分が残り付着をお
こしたりする。その為に本発明は70〜3重量%の含水
率の間、乾燥条件として11.5≦露点≦27℃,35
%≦関係温度≦85%,乾球温度36℃以下の諸条件を
満足する条件下で乾燥させた。この範囲内での条件選定
はAg/オイル,Ag/ゼラチン,その他乾燥風が塗布
膜に当る速度等によって選定されるが、より好ましい範
囲としては25℃≦乾球温度≦34℃,55%≦関係温
度≦75%,最高露点≦27℃の範囲であり、最適条件
としては26℃≦乾球温度≦30℃,60%≦関係温度
≦75%である。その意味としては、露点が11.5℃
以下に落ちると乾燥能率が低下して実用的でない。又露
点が27℃以上では乾燥膜面の温度が上昇し、写真品質
に悪影響を与えて好ましくない。関係湿度が下る程乾燥
が促進され35%以下では乾燥カブリが出やすくなる
し、関係温度が85%以上になると乾燥速度が非常に遅
くなるばかりでなく、接着故障を生ずる危険性がある。
又乾球温度が高くなる程乾燥速度が早くなり36℃以上
になると塗布膜表面が過乾になり乾燥カブリが発生す
る。又、乾燥速度は乾燥風速が被乾燥物にあたる速度に
よっても大きく影響されるので、乾燥風速40m/se
c以下で被乾燥物と乾燥風吹出口間の距離は10mm以
上が望ましい。より好ましい条件としては乾燥風速30
m/sec以下で,距離10mm以上である。本発明は
特にISO200〜6400の範囲内の乳剤品種に対応
した好適な条件を選んで乾燥することにより、写真品質
の優れた乾燥カブリの少ないカラー写真用ハロゲン化銀
乳剤を製造することが出来る。又、本発明の場合は乳剤
膜の含水率が乾量基準で300〜70重量%の間(恒率
乾燥及び減率乾燥の前段階)は湿球温度21℃以下で関
係湿度35%以下の空気を用いて乾燥能率の良い乾燥を
行って、乾燥時間の短縮を計ることが出来る。
【0007】
(実施例−1)ISO感度1600のカラーネガ感光材
料の塗布組成をTACベース上に塗布して乾燥を行い、
カラー用ハロゲン化銀写真感光材料を作った。カラーネ
ガ感光材料の塗布膜の構成は、アンチハレーション層2
層と、その上にハロゲン化銀粒子の大きさの違う赤感層
3層と、さらに、その上にゼラチン保護層を有する計6
層である。赤感層の組成と乾燥膜厚について表1に示
す。
料の塗布組成をTACベース上に塗布して乾燥を行い、
カラー用ハロゲン化銀写真感光材料を作った。カラーネ
ガ感光材料の塗布膜の構成は、アンチハレーション層2
層と、その上にハロゲン化銀粒子の大きさの違う赤感層
3層と、さらに、その上にゼラチン保護層を有する計6
層である。赤感層の組成と乾燥膜厚について表1に示
す。
【0008】
【表1】
【0009】乾燥条件は乾球温度39℃、湿球温度21
℃(関係湿度18%)で含水率70重量%まで迅速に乾
燥し、その後本発明の乾燥条件、乾球温度28℃,湿球
温度22℃(関係湿度80%),乾燥吹出風速35m/
sec,乾燥吹出口とフィルム間距離10〜15mmで
含水率3%迄乾燥したものは、含水率70重量%から3
重量%まで乾球温度35℃,湿球温度22℃で乾燥した
ものに比較して、未露光品の現像処理後のシアン発色濃
度を0.04低く抑えられカブリ現象を防止できた。又
ISO感度1600のカラーネガ感光材料をISO感度
6400相当まで増減処理したものにおいても同様の効
果があることを確認した。
℃(関係湿度18%)で含水率70重量%まで迅速に乾
燥し、その後本発明の乾燥条件、乾球温度28℃,湿球
温度22℃(関係湿度80%),乾燥吹出風速35m/
sec,乾燥吹出口とフィルム間距離10〜15mmで
含水率3%迄乾燥したものは、含水率70重量%から3
重量%まで乾球温度35℃,湿球温度22℃で乾燥した
ものに比較して、未露光品の現像処理後のシアン発色濃
度を0.04低く抑えられカブリ現象を防止できた。又
ISO感度1600のカラーネガ感光材料をISO感度
6400相当まで増減処理したものにおいても同様の効
果があることを確認した。
【0010】(実施例−2)ISO感度250のカラー
ネガ感光材料の塗布液組成をTACベース上に塗布して
乾燥を行い、ハロゲン化銀写真感光材料を作った。カラ
ーネガ感光材料の塗布膜構成は青感層1層とその上にゼ
ラチン保護層を有する計2層である。青感層の組成と乾
燥膜厚について表2に示す。
ネガ感光材料の塗布液組成をTACベース上に塗布して
乾燥を行い、ハロゲン化銀写真感光材料を作った。カラ
ーネガ感光材料の塗布膜構成は青感層1層とその上にゼ
ラチン保護層を有する計2層である。青感層の組成と乾
燥膜厚について表2に示す。
【0011】
【表2】
【0012】乾燥条件は乾球温度30℃,湿球温度16
℃(関係湿度21%)で含水率70重量%まで迅速乾燥
を行い、その後含水率3重量%まで乾球温度28℃,湿
球温度18℃(関係湿度35%),乾燥吹出風速30m
/sec,乾燥吹出口とフイルム間距離10〜15mm
にて乾燥したものは、含水率70から3重量%まで乾球
温度25℃,湿球温度16.3℃(関係湿度40%)で
乾燥したもの(特開昭63−26654号公報記載の範
囲)に比較して、未露光品の現像処理後のイエロー発色
濃度を0.02低く抑えられカブリ現象を防止できた。
℃(関係湿度21%)で含水率70重量%まで迅速乾燥
を行い、その後含水率3重量%まで乾球温度28℃,湿
球温度18℃(関係湿度35%),乾燥吹出風速30m
/sec,乾燥吹出口とフイルム間距離10〜15mm
にて乾燥したものは、含水率70から3重量%まで乾球
温度25℃,湿球温度16.3℃(関係湿度40%)で
乾燥したもの(特開昭63−26654号公報記載の範
囲)に比較して、未露光品の現像処理後のイエロー発色
濃度を0.02低く抑えられカブリ現象を防止できた。
【0013】(実施例−3)実施例−1の表1に示す赤
感材中層を単層塗布し乾燥を行ないハロゲン化銀写真感
光材料を作った。当初の乾燥条件は乾球温度39℃,湿
球温度21℃(関係湿度17%)で含水率70重量%ま
で迅速乾燥を行い、その後、図1に示す湿度図表の丸印
の諸条件にて含水率3重量%まで乾燥した。乾燥吹出風
速は40m/sec,乾燥吹出口とフィルム間距離は1
0〜15mmである。その結果湿度図表上の黒丸はカブ
リ現象を起し、白丸はカブリ現象を起さなかった条件を
示す。本発明の条件範囲は全て白丸であった。
感材中層を単層塗布し乾燥を行ないハロゲン化銀写真感
光材料を作った。当初の乾燥条件は乾球温度39℃,湿
球温度21℃(関係湿度17%)で含水率70重量%ま
で迅速乾燥を行い、その後、図1に示す湿度図表の丸印
の諸条件にて含水率3重量%まで乾燥した。乾燥吹出風
速は40m/sec,乾燥吹出口とフィルム間距離は1
0〜15mmである。その結果湿度図表上の黒丸はカブ
リ現象を起し、白丸はカブリ現象を起さなかった条件を
示す。本発明の条件範囲は全て白丸であった。
【0014】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の製
造方法により、乾燥膜の収縮による乾燥カブリの発生し
易い状態において、乾燥速度を調節することが出来るの
で、塗布膜表面のみが過剰乾燥になって歪を生じること
がなくなり、乾燥時のカブリが防止され、更に耐接着
性,耐レチキュレーション性も向上する。また関係湿度
を比較的高く選ぶことによって、製造工程内での静電気
故障(スタチック,異物の付着)も防止できる。尚、含
水率が70重量%に至る迄は比較的高温度低関係湿度の
空気によって迅速に乾燥出来るので、全体として乾燥速
度が遅くなることはない。
造方法により、乾燥膜の収縮による乾燥カブリの発生し
易い状態において、乾燥速度を調節することが出来るの
で、塗布膜表面のみが過剰乾燥になって歪を生じること
がなくなり、乾燥時のカブリが防止され、更に耐接着
性,耐レチキュレーション性も向上する。また関係湿度
を比較的高く選ぶことによって、製造工程内での静電気
故障(スタチック,異物の付着)も防止できる。尚、含
水率が70重量%に至る迄は比較的高温度低関係湿度の
空気によって迅速に乾燥出来るので、全体として乾燥速
度が遅くなることはない。
【図1】本発明の条件範囲と実施例−3の乾燥条件を示
す湿度図表である。
す湿度図表である。
○ カブリ現象を起さない乾燥条件 ● カブリ現象を示した乾燥条件
Claims (2)
- 【請求項1】 銀量/オイルの重量比が3.5〜25の
範囲に相当するカラー写真用ハロゲン化銀乳剤の乾燥に
おいて、乾燥中の乳剤膜の含水率が乾量基準で70〜3
重量%の間、11.5℃≦露点≦27℃,35%≦関係
湿度≦85%,乾球温度36°以下の諸条件を満足する
条件下で乾燥させることを特徴とする、ハロゲン化銀写
真感光材料の製造方法。 - 【請求項2】 該ハロゲン化銀乳剤層の少くとも1層が
ISO200〜6400のものであることを特徴とする
請求項1記載のハロゲン化銀写真感光材料の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27894591A JPH0593983A (ja) | 1991-10-01 | 1991-10-01 | ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27894591A JPH0593983A (ja) | 1991-10-01 | 1991-10-01 | ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0593983A true JPH0593983A (ja) | 1993-04-16 |
Family
ID=17604257
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27894591A Pending JPH0593983A (ja) | 1991-10-01 | 1991-10-01 | ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0593983A (ja) |
-
1991
- 1991-10-01 JP JP27894591A patent/JPH0593983A/ja active Pending
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