JPH0593680A - 合成繊維に樹脂液を含浸させて固化した棒状体の引張試験用治具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】合成繊維に樹脂液を含浸させて固化した棒状体
を引張試験機に簡単に固定し、引張試験を短時間に簡単
に行なうこと 【構成】合成繊維に樹脂液を含浸させて固化した棒状体
１の両端を引張試験機にチャック形の治具２で固定し、
その一端を引張ることにより該棒状体の引張試験を行な
うようにしたものに於いて、該チャック形の治具の爪３
を銅若しくはアルミニウムで形成する 【効果】爪の表面が該棒状体の表面形状に応じた形状に
変形して該棒状体に加わる引張力に耐えて固定すること
が出来、所定の長さに切断した棒状体を特に加工せずに
固定することが出来て引張試験を簡単短時間で行なえる

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、合成繊維に樹脂液を含
浸させて固化した棒状体の土木建築材料の引張試験に使
用する治具に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、引張力の大きい全芳香族ポリアミ
ド繊維等の合成樹脂繊維や炭素繊維等の無機繊維を引き
揃え或いは組紐状に編んだ集束体に、バインダーとして
エポキシ樹脂等の樹脂液を含浸させて固化した棒状体は
知られており、これを土木建築材料に使用することも行
なわれている。こうした使用には該棒状体の引張試験が
必要不可欠であり、その試験には、該棒状体の両端部を
引張試験機に強固に固定する必要がある。該棒状体はそ
の端部の固定のために鉄製のチャックで強く掴むと合成
繊維が破断してしまい、また緩く掴むと端部の変形のた
めに破断するまで引張力を与える途中でその固定部が抜
けてしまい、引張試験が行なえないので、図１に見られ
るように、該棒状体ａの両端部にスチールパイプｂ，ｂ
を接着剤で取り付けておき、該パイプｂを介して試験機
のクロスヘッドのチャックｃに固定している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のように、棒状体
の両端にパイプを取り付ける作業はかなり煩わしく、接
着剤の固化を待つ時間が掛かるので能率が悪い不都合が
あった。

【０００４】本発明は、このような棒状体の試験に伴う
不都合を解決することを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、合成繊維に
樹脂液を含浸させて固化した棒状体の両端を引張試験機
にチャック形の治具で固定し、その一端を引張ることに
より該棒状体の引張試験を行なうようにしたものに於い
て、該チャック形の治具の爪を銅若しくはアルミニウム
で形成することにより、上記の目的を達成するようにし
た。

【０００６】

【作用】上記棒状体の端部を引張試験機のチャックに固
定すると、前記したように該棒状体が変形して引張力を
与えたときに抜ける不都合があるが、本発明の如く爪を
銅又はアルミニウムで形成したチャック形の治具を使用
すると、側方から加わる締め付け力により爪が該棒状体
の表面形状に適合した形に変形し、引張力を与えても該
棒状体が破断するまで強固に掴み続けることが出来、必
要な長さに切断した棒状体をそのまま試験機に取り付け
て簡単に引張試験を行なえる。

【０００７】

【実施例】本発明の実施例を図２及び図３に基づき説明
すると、これらの図に於いて符号１は合成繊維に樹脂液
を含浸させた棒状体を示し、図示の例では該棒状体１を
引張力の大きい全芳香族ポリアミド繊維を組紐状に編ん
だ集束体に、バインダーとしてエポキシ樹脂液を含浸さ
せて固化して作成した。該棒状体１は引張強度が大きく
軽量で可撓性があり、腐蝕しないので、土木建築材料と
して例えば鉄筋の代わりに好都合に利用できる。しか
し、この棒状体１を引張試験のためにその両端を引張試
験機にチャックで直接固定すると、前記したように破断
したりチャックから抜けてしまう不都合があるので、図
示の如くチャック形の治具２に比較的柔らかい銅或いは
アルミニウム製の爪３を介在させて該棒状体１の端部を
掴むようにした。該チャック形の治具２は、適当な間隔
を存して固定されたテーパ面６を有する２つ割のヘッド
５、５で構成されるものとし、これらのヘッド５の隙間
に、２つ割のくさび形断面の板状の爪３、３で該棒状体
１の両側を挟んだものを差し込むようにした。図示され
てはいないが、該棒状体１の他端部も同様に固定され
る。

【０００８】その作動を説明するに、適当な長さに切断
した棒状体１の両端部を夫々治具２に爪３を介して差し
込み、一方の治具２を棒状体１の引張り方向へ移動させ
ると、該棒状体１の移動に伴って爪３が治具２の隙間に
食い込んでいき、引張試験が行なわれるが、該爪３は銅
或いはアルミニウムで形成されているため、その棒状体
１に接する面が治具２の締付け力により棒状体１の凸凹
した表面形状に合致した形状に変形し、換言すれば棒状
体１の表面が爪３に食込み、該棒状体１に大きな引張力
が加わっても治具２から抜け出すことがなくなる。

【０００９】

【発明の効果】以上のように本発明によるときは、合成
繊維に樹脂液を含浸させて固化した棒状体の両端を引張
試験機に固定するチャック形の治具の爪を銅若しくはア
ルミニウムで形成したので、該爪の表面が該棒状体の表
面形状に応じた形状に変形して該棒状体に加わる引張力
に耐えて固定することが出来、所定の長さに切断した棒
状体を特に加工せずに固定することが出来て引張試験を
簡単短時間で行なえる等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来例の説明図

【図２】本発明の実施例の截断側面図

【図３】図２の平面図

【符号の説明】

１…棒状体 ２…チャック形の治具 ３…爪

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 島本 明 兵庫県神戸市西区高塚台１丁目５−５ 株 式会社神戸製鋼所技術開発本部西神総合研 究所内 (72)発明者 材寄 勉 兵庫県尼崎市中浜町10番地１ 神鋼鋼線工 業株式会社内 (72)発明者 高橋 春夫 愛知県名古屋市中村区椿町１−３−1007 アイシーエス株式会社内 (72)発明者 松原 澄行 千葉県流山市駒木518番地１号 三井建設 株式会社技術開発本部技術研究所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】合成繊維に樹脂液を含浸させて固化した棒
   状体の両端を引張試験機にチャック形の治具で固定し、
   その一端を引張ることにより該棒状体の引張試験を行な
   うようにしたものに於いて、該チャック形の治具の爪を
   銅若しくはアルミニウムで形成したことを特徴とする合
   成繊維に樹脂液を含浸させて固化した棒状体の引張試験
   治具。