JP3336513B2 - プレストレスコンクリート用緊張材の定着装置 - Google Patents

プレストレスコンクリート用緊張材の定着装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、プレストレストコン
クリートに用いる緊張材で、特に繊維強化プラスチック
製のプレストレストコンクリート用緊張材の定着装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の定着装置は図1(a),(b)
に示すように、緊張材1の両端部を外面がテーパ状にさ
れた分割型のウェッジ2で挟持し、これをグリップ3に
挿入してセットし、その後、センタホールジャッキ等を
用いて緊張材1に緊張力を与えるようになっている。こ
の際、緊張力が作用するに従ってウェッジ2はグリップ
3内に圧入されて定着力が増大する。
【0003】ところで、この種の定着装置にあってはウ
ェッジ力を利用しているため、その定着力は図1(b)
に示すように、ウェッジ2の先端にいくに従って大きく
なり、これの小径端で最大になる。このため、定着時に
はこのウェッジ2の先端部に当接する部分の緊張材に局
部的な大きな応力(集中応力)が作用してしまう。この
ことは、緊張材に鋼材を用いた場合は殆ど問題がない
が、繊維強化プラスチック(以下、これをFRPと略称
する。)製の緊張材を用いた場合には、大きな問題とな
る。
【0004】すなわち、上記従来の定着装置にて下記の
諸元からなり、かつ図2に示すような交差溝付きのFR
P製の試験体を定着して引張破断試験を行なったとこ
ろ、表1に示すようになり、すべりが生じないで試験で
きた12回の試験結果、その破断荷重の平均値は9.3
トンであった。
【0005】試験体 樹脂:エポキシ樹脂 補強繊維:カーボン繊維(繊維強度500kg/m
2 ) Vf:65% ロッド形状:径8mmの交差溝付き(幅4×深さ0.1
2×ピッチ40mm)のFRP製ロッド
【0006】
【表1】
【0007】上記試験体の本来の破断引張力が約16ト
ン以上であるにもかかわらず、平均9.3トンで破断し
てしまい、充分な緊張力を作用させることができなかっ
た。
【0008】上記の問題に対する改善案として実開昭6
1−161327号公報にて開示されたものがある。こ
の公知技術は図3に示すように、ウェッジ2と緊張材1
との間に金属線材からなる網状の被覆体4を介在させて
いる。
【0009】この公知技術の構成において、線径0.0
66mm、150メッシュの黄銅線にて構成した被覆体
4を用いて試験を行なった結果、ウェッジ2から緊張材
1に作用する定着力は図4中実線で示すようになり、点
線で示す従来のものに比較して、その応力集中度が緩和
されているが、網体による線状の接触部に全て荷重が作
用してしまい、結果的には応力集中が生じてしまう。上
記従来例におけると同様の試験体を用いて引張破断試験
を行なった結果は表2に示すようになり、破断荷重の平
均値は6.2トンとなり、図1に示す従来例より引張破
断荷重はかえって小さかった。
【0010】
【表2】
【0011】また、上記公知技術において、線径0.1
93mm、50メッシュの黄銅線にて構成した被覆体4
を用いて上記と同様の試験を行なった結果は表3に示す
ようになり、破断荷重の平均値は6.1と同様に小さか
った。
【0012】
【表3】
【0013】さらに、上記と異なる第2・第3の従来の
技術として実開平4−116520号公報と、実公平4
−6452号公報に示されたものがある。
【0014】この第2従来の技術にあっては、ウエッジ
と緊張材間に弾性材の層を形成し、この弾性材層を介し
て緊張材を把持するようにしている。この従来の技術で
は弾性材はゴムのようにやわらかい材料を想定してお
り、これでは、小さな応力での変形量が大きく、緊張材
に十分な緊張力を与える前に弾性材が伸びてしまい、緊
張力が抜けてしまうという問題がある。
【0015】一方、上記第3の従来技術にあっては、ウ
エッジと緊張材の間に緩衝材を介在しているが、この緩
衝材とウエッジの接触面の双方に凹凸からなる係合部を
設けており、さらにこの緩衝材の内周面に凹溝を設けた
構成となっているが、この従来技術にあっては、上記凹
凸からなる係合部をウエッジの内周面と緩衝材の外周面
に設け、さらに緩衝材の内周面に凹溝を設けなければな
らず、そのため加工に手間がかかってコストが高くなる
という問題があった。さらに、この従来の技術にあって
は、緩衝材の内面に凹溝があること及び緩衝材がウエッ
ジと共に円周方向に分割されていることにより、緊張材
の外周面に接触しない部分ができてしまい、上記第2の
従来の技術と同様に、この部分が応力集中の発生の要因
になってしまうという問題があった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、上記
各従来の技術に開示された緊張材の定着装置では、十分
な緊張力を得ることができなかった。プレストレストコ
ンクリートに用いられる緊張材は、FRP製に限らず、
金属製の場合でも(鋼製も含む)、この緊張材に高い緊
張力を導入するために、この緊張材の引張り強度は十分
大きいものが要求される。
【0017】そして、高い緊張力を得るためには、定着
装置のウエッジによる拘束力が非常に大きくなるため、
ウエッジ先端での応力集中力も大きくなり、この応力集
中による緊張材の破断は、実際の緊張材の張力による破
断よりも先に起こってしまう。 すなわち、緊張力導入
時の破断荷重は、緊張力よりも応力集中力に左右される
ことになるため、この応力集中を緩和する緩衝材が必要
となってくる。
【0018】特に、FRPは、これを緊張材として用い
る場合、その性質上、長手方向の強度は非常に大きい
が、その反面、ウエッジによる応力集中に伴う局部的な
引張り力や剪断力に対しての強度は金属製の緊張材に比
べて著しく小さい。そして、FRPを緊張材として使用
する場合は、大きい緊張力と、それに伴う大きい拘束力
と、定着部における応力分散の実現が必要となる。
【0019】本願発明は上記のことにかんがみなされた
もので、ウェッジによる拘束力を緊張材の全周面に面状
に作用させることができ、その結果、定着面に集中応力
が生じることがなくなって、FRP製の緊張材本来の引
張破断荷重に近い緊張力が得られるように定着すること
ができるようにしたプレストレストコンクリート用緊張
材の定着装置を提供することを目的とするものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明に係るプレストレストコンクリート緊張材
の定着装置は、グリップと、グリップ内に挿入される分
割型のウエッジとからなり、ウエッジのグリップに対す
る食い込みにより、ウエッジ及びグリップの外周テーパ
面及び内周テーパ面のウエッジ作用でウエッジを縮径さ
せ、これによりウエッジの中心穴に挿通された繊維強化
プラスチック製のコンクリート緊張材を狭持するプレス
トレストコンクリート用緊張材の定着装置において、ウ
エッジの内周面と緊張材間に、アルミ、アルミ合金、
銅、銅合金又は焼き戻し鉄のいずれか1つの材料からな
る一重構造である管体を介在したプレストレストコンク
リート用緊張材の定着装置である。
【0021】
【作 用】緊張材とウエッジの間に、アルミ、アルミ
合金、銅、銅合金又は焼き戻し鉄(弾塑性体)で構成し
管体を緩衝材として介在したことにより、緊張材の定
着に際して、ウエッジをグリップに圧入することにより
管体が変形を起こして、緊張材と管体、ウエッジと管体
とのそれぞれの間の隙間がなくなり、この状態で緊張材
に張力を与えていく。これにより、ウエッジはグリップ
内にくい込んで行き、管体はさらに変形されていく。
【0022】このため、 a.緊張材の緊張によるウエッジのグリップ内の圧入効
果により、管体が変形してこれが緊張材に完全に圧着状
態となり、このことにより、アンカー効果も発現される
ようになり、管体と緊張材間の滑りが防止される。ま
た、このときの緊張材には溝部を含めて管体が完全定着
状態となるため応力集中が防止される。 b.管体がウエッジ2に挟まれて、ウエッジ2の合わせ
部の隙間内に管体の変形部が入り込むので、挟止効果も
発現されて、ウエッジ2と管体間の滑りも防止される。
【0023】
【実 施 例】本発明の実施例を図5及び7に基づいて
説明する。なお、この実施例の説明において、図1に示
す従来例と同一の構成部材は同一の符号を付して説明を
省略する。緊張材1と分割型のウェッジ2の間に弾塑性
体にて構成した管体5を緩衝材である管体として半径方
向に隙間なく介在させる。弾塑性体は弾性と塑性とを合
わせ示す物体で、この実施例ではアルミを用いた。また
FRP製の緊張材1は、補強繊維としてカーボン繊維、
ガラス繊維等の無機繊維やアラミド繊維、ポリエチレン
繊維を、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂や、ナイロン樹脂な
どの熱可塑性樹脂が使用される。そしてこの実施例で
は、補強繊維としてカーボン繊維を、またマトリックス
樹脂としてエポキシ樹脂を使用した。
【0024】以下に上記構成における引張試験例を示
す、試験体となる緊張材1は上述した従来例における試
験例と同一のもの、すなわち、 樹脂:エポキシ樹脂 補張繊維:カーボン繊維(繊維強度500kg/m
2 ) Vf:65% ロッド形状:径8mmの交差溝付き(幅4×深さ0.1
2×ピッチ40mm)のFRP製ロッド(図2参照) を用いる。
【0025】試験方法 図5に示すように、試験体である緊張材1を定着装置
に、管体5を介在させて定着させる。使用した管体5
は、外径10mm、内径8.05mm(実測値、カタロ
グ値は8.00mmと表示)のアルミ管を使用した。セ
ット後、センタホールジャッキにより緊張材1が破断す
るまで緊張力を与え、破断時の荷重をロードセルにて測
定した。なお上記アルミ管の材料としてはJIS規格の
1050番のものを用いた。
【0026】試験結果 緊張材1の破断荷重を表4に示す。
【0027】
【表4】
【0028】この試験結果によれば引張破断荷重の平均
値は13.2トンとなり、上述した従来例及び公知技術
におけるそれより格段に大きく、かつFRP製の緊張材
本来の引張破断荷重(約16トン)に近い値を得ること
ができた。また各試験体における試験結果にバラツキが
小さく、安定した試験結果が得られた。
【0029】上記本発明の実施例において、緊張材1と
ウェッジ2の間に介在された管体5は、これの内周面全
体で緊張材1の外周面に面接触していることにより、ウ
ェッジ2にて管体5が圧縮されたときに、管体5の全内
周面にて緊張材1の外周面を圧縮する。この結果、円周
方向はもちろんのこと、軸方向にも定着力は平均化さ
れ、このときの軸方向の応力分布は図5に示すように殆
ど平行になり、応力集中は緩和される。また、管体5の
つぶされた部分はウエッジ2の対向間隔間に入り込む。
以上のことから本発明実施例では表4に示すような優れ
た結果を得ることができたものと思わる。そして本発明
の実施例によれば、FRP製の緊張材本来の引張強度
(16トン)に近い引張破断荷重にて定着することがで
きた。
【0030】また、図5に示す定着装置における緊張材
1の定着試験と試験体及び装置が同一で、緊張材1の溝
の深さだけを変えたものについて試験した結果を表5、
表6、表7にて示す。表5は溝の深さがゼロ、表6は溝
の深さが0.5mm、表7は溝の深さが0.7mmのも
のの場合のそれぞれの試験結果を示す。なお表7に示す
結果の平均値は、スベリを除く7回の平均である。以上
のことから溝の深さは0.5mmより小さいことが望ま
しいことがわかった。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】削除
【0035】削除
【0036】また、上記管体上記したように弾塑性体
にて構成するが、この弾塑性体としては、弾性と塑性と
を合わせ示す材料であり、応力に対し、脆性破壊が生じ
ないで弾性変形、さらには塑性変形して緊張材1あるい
はウエッジ2の表面形状に沿って変形するものをいう。
【0037】その例としては、各種金属、ゴム、樹脂等
があげられる。そして、例えば、これが弾性体であるゴ
ムである場合には、これの弾性により緊張体1の周囲
に均等に当たるため、すべりや応力集中は妨げるが、こ
れは弾性変形量が大きく、降伏点が小さいので、緊張力
が大きくなると、ゴムの変形が大きすぎるため、緊張材
1が抜けてしまうか、あるいは、降伏点が小さすぎるた
め、小さな緊張力でもゴムが破断してしまうので不適当
である。
【0038】また、ほとんど弾性変形を生じることな
く、塑性変形するもの、例えば鉛や半田等では、施工の
際に余計な力がかかったり、熱膨張等によるわずかな変
位を生じても、それに応じた変形が生じてすべりが生じ
る恐れがある。
【0039】また、これがプラスチックである場合も、
これの降伏点が小さいためゴム同様に不適であるが、こ
れが補強用繊維により強化されたプラスチックの場合
は、例えば、カーボン繊維10%混入、ポリアセタール
樹脂(ポリプラスチック社製)の管状(厚さ1mm)の
ものを使用したところ、上記表4に示すものと同様の結
果が得られた。
【0040】以上のことから、管体は上記したアルミの
ほかに、アルミ合金、銅、銅合金、が実用に供される。
なお上記のほかに、鉄の焼き戻しのものを用いてもよ
い。
【0041】また、ウエッジ2は2つ割りのものにかぎ
るものではなく、3つ割りのものでもよく、さらに図6
に示すようにスリット2aを入れたものも参考例として
考えられる。なおこのウエッジ2の構成材料は鋼製であ
ってもよいがアルミまたはアルミ合金であることが適当
な塑性変形が得られるため好ましい。特に大型の定着体
の場合には施工性の点から軽量であることが好ましいこ
とからアルミ等の軽量金属であるのが好ましい。
【0042】緊張材1の定着装置へのセット時には管体
と緊張材1を、または、管体とウエッジ2を、緊張材1
管体とウエッジ2の相互をそれぞれあらかじめ接着剤
で接着し、あるいはビス止め、かしめ等にて機械的に結
合してもよい。上記各説明における緊張材1は断面円形
状のものの場合について示したが、この緊張材は断面形
状が矩形(板状)であるものにも適用できる。この場合
ウエッジ2の内面形状をこの緊張材の断面形状にしてお
くことはもちろんである。また緊張材1の強度は100
kg/mm2 以上のものが用いられる。なお断面形状が
円形の場合の緊張材としては直径が1mmから25mm
程度のものが用いられる。
【0043】次に、ウエジ2による緊張材1の定着にお
けるメカニズムを考えてみる。図5において、緊張力F
の増加に伴い、ウエッジ2はグリッップ3内にくい込
み、このときのくさび効果により緊張材1への押付力P
が大きくなる。
【0044】しかし、非常に引張り強度の大きい緊張材
(高強度、大径)に大きな緊張力をかけた場合、ウエッ
ジ2のグリップ3へのくい込みがどんどん大きくなり、
それに従って押付力Pも過剰に大きくなってしまい、緊
張材1とウエッジ2の間に管体を介在させて、緊張材1
に応力集中が作用するものを防止しても必要とする緊張
力以下の引張力で緊張材1の破断が生じる可能性があ
る。
【0045】以上のような現象を緩和するために、管体
として加工硬化性能の高い材質のものを用いる必要があ
る。
【0046】緊張材1に管体を介してウエッジ2に嵌合
し、このウエッジ2をグリップ3に嵌合して緊張材1を
定着するに際して、緊張材1の初期すべりを防止するた
めには、緊張力を作用させる前に、ウエッジ2をグリッ
プ3内に圧入し、管体に初期変形を生じさせればよい。
【0047】そのため、初めにハンマー等でウエッジ2
をグリップ3内にたたき入れるのが簡単な方法である
が、ウエッジ2とグリップ3間の摩擦抵抗のため、かな
り強くウエッジ2をたたき込まなければならない。この
際ともすると緊張材1にキズをつける虞れがある。そこ
でウエッジ2をグリップ3にスムーズに圧入するため
に、ウエッジ、グリップ間に摩擦低減材を介在すればよ
いことがわかった。
【0048】上記摩擦低減材としては潤滑油やプラスチ
ックフィルム等が考えられる。図7はプラスチックフィ
ルムを用いた例を示すもので、ウエッジ2とグリップ3
の間にビニルフィルム6を介在してウエッジ2をグリッ
プ3に圧入する。このとき、ビニルフィルム6は作業性
を考慮してあらかじめ袋状にしてウエッジ2と一緒にセ
ットする。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、緊張材1とウエッジ
2の間に、アルミ、アルミ合金、銅、銅合金又は焼き戻
し鉄(弾塑性体)で構成した管体を緩衝材として介在し
たことにより、緊張材1の定着に際して、ウエッジ2を
グリップ3に圧入することにより管体が変形を起こし
て、緊張材1と管体、ウエッジと管体とのそれぞれの間
の隙間がなくなり、この状態で緊張材1に張力を与えて
いくことにより、ウエッジ2はグリップ3内にくい込ん
でいき、管体はさらに変形されて行く。
【0050】このため、 a.緊張材の緊張作用により、管体が変形してこれが緊
張材1に完全に定着状態となり、このことにより、アン
カー効果も発現されるようになり、管体と緊張材間の滑
りが防止される。またこのときの緊張材には溝部を含め
管体が完全定着状態となるため応力集中が防止され
る。 b.管体がウエッジ2に挟まれて、ウエッジ2の合わせ
部の隙間内に管体の変形部が入り込むので、挟止効果も
発現されて、ウエッジ2と管体間の滑りも防止される。
【0051】従って、本願発明によれば、ウエッジ2と
緩衝材である管体と緊張材の相互の間の滑りが防止でき
ると共に、緊張力負荷によるウエッジ2の締め付けによ
る緊張材1への応力集中の防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は緊張材の定着装置の要部を示す分解斜
視図、(b)は断面図である。
【図2】緊張材の一例を示す正面図である。
【図3】公知技術における要部の断面図である。
【図4】公知技術における定着分布図である。
【図5】本願発明の実施例の要部を示す断面図である。
【図6】ウエッジの参考例を示す斜視図である。
【図7】ウエッジとグリップの間にプラスチックフィル
ムを介在して定着装置を組立てる場合の分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…緊張材、2…ウエッジ、2a…スリット、3…グリ
ップ、4…被覆体、5…管体、6…ビニルフィルム。
フロントページの続き (72)発明者 小沢 延行 千葉県市原市潤井戸2082 (72)発明者 菊池 雅男 神奈川県平塚市万田1200 (72)発明者 外岡 学 神奈川県平塚市万田1200 (72)発明者 細川 順二 神奈川県平塚市万田1200 (56)参考文献 特開 平2−54049(JP,A) 実開 平4−116520(JP,U) 実公 平4−6452(JP,Y2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリップと、該グリップ内に挿入される
    分割型のウエッジとからなり、該ウエッジのグリップに
    対する食い込みにより、該ウエッジ及びグリップの外周
    テーパ面及び内周テーパ面のウエッジ作用でウエッジを
    縮径させ、これによりウエッジの中心穴に挿通された繊
    維強化プラスチック製のコンクリート緊張材を狭持する
    プレストレストコンクリート用緊張材の定着装置におい
    て、該ウエッジの内周面と該緊張材間に、アルミ、アル
    ミ合金、銅、銅合金又は焼き戻し鉄のいずれか1つの材
    料からなる一重構造である管体を介在したことを特徴と
    するプレストレストコンクリート用緊張材の定着装置。
JP02388494A 1993-02-24 1994-02-22 プレストレスコンクリート用緊張材の定着装置 Expired - Fee Related JP3336513B2 (ja)

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