JPH059335A - 防振ゴム組成物 - Google Patents

防振ゴム組成物

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JPH059335A
JPH059335A JP18912891A JP18912891A JPH059335A JP H059335 A JPH059335 A JP H059335A JP 18912891 A JP18912891 A JP 18912891A JP 18912891 A JP18912891 A JP 18912891A JP H059335 A JPH059335 A JP H059335A
Authority
JP
Japan
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vibration
rubber
dynamic
spring constant
natural rubber
Prior art date
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Pending
Application number
JP18912891A
Other languages
English (en)
Inventor
Fumihiko Jinno
史彦 甚野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP18912891A priority Critical patent/JPH059335A/ja
Publication of JPH059335A publication Critical patent/JPH059335A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記の(A)および(B)成分を含有する防
振ゴム組成物であり、この防振ゴム組成物中の天然ゴム
100重量部に対してポリアミド微細繊維を5〜40重
量部の割合に設定している。 (A)天然ゴム。 (B)加硫可能な天然ゴムに、ポリアミド微細繊維がア
ルキルフエノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物
を介してグラフト結合している強化ゴム。 【効果】 静ばね定数は大きく、振動伝達の遮断性能の
指標である動倍率が低減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の防振ゴム材
等に用いられる防振ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の軽量化にともない自動車
の振動,騒音対策が、益々重要な技術要素となつてい
る。上記振動,騒音対策として、様々な制振材および遮
音材が用いられており、例えば防振ゴムが自動車の各部
に装着されている。上記防振ゴムの振動,騒音対策にお
ける役割は、大体が振動伝達の遮断であり、一般的には
防振ゴムのばね定数が低ければ低いほど、すなわち防振
ゴムが軟らかければ軟らかいほど振動伝達の遮断性能に
優れていることになる。一方、上記防振ゴムには振動伝
達の遮断性能に加えて機械部品等の支持性能が要求され
ており、あまり軟らかすぎると、機械部品等の支持の際
に大きく撓んでしまう。その結果、支持位置が著しく変
化し、防振ゴムが使用されている構造物、例えば自動車
の基本的な性能に悪影響を与えてしまうことになる。こ
のため、一般に自動車等に用いられる防振ゴムに要求さ
れるばね的特性としては、支持性能、すなわち支持剛性
を示す静ばね定数は大きく、かつ振動伝達の遮断性能、
すなわち伝達される振動状態のばね定数である動ばね定
数が小さいものがよいということになる。したがつて、
上記静ばね定数と動ばね定数の比が小さいほど優れた防
振ゴムであり、一般的に防振ゴムの性能は動倍率(動ば
ね定数/静ばね定数)を指標に表されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そして、この動倍率を
小さくする方法に、例えばその構造面から解決しようと
する場合、防振材として液体封入マウントが知られてい
る。しかしながら、上記液体封入マウントは、その構成
部品である可動板およびかさ構造部分を考慮して全体を
構成しても、振動時に内部に封入された液体の流れが止
まることを避けることができず、振動遮断性能に問題を
有している。また、低動倍率化も、基本的には本体部分
のゴム材料の動的剛性に依存し、根本的な解決とはなら
ない。
【0004】このように、防振ゴムのゴム材料の有する
動倍率が低ければ低いほど、高周波領域においても動ば
ね定数が大きくならないことから、一層の低動倍率化が
望まれているが、防振ゴム材料の動倍率は、通常、防振
ゴム材料中に含有されるカーボンブラツク量に比例し、
カーボンブラツク量を多く含有すればするほど動倍率が
大きく振動絶縁性能が悪化する傾向がみられる。
【0005】上記動倍率が大きくなり振動絶縁性能が悪
化するのは、マトリツクス成分とカーボンブラツクとの
間に生じる摩擦が原因と考えられる。そして、上記両者
間の摩擦の発生を抑制するため、例えば、マトリツクス
成分とカーボンブラツク間を結合する結合剤を配合し、
防振ゴム材料の動倍率の向上(動倍率を小さくする)を
図ることが提案され一部で実施されている(特開平1−
254747号)。しかしながら、このように結合剤を
配合しても得られる防振ゴムは、それ自体が有する動倍
率が大きく、防振ゴムとして優れた特性を有するものが
得られないのが実情である。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、静ばね定数が大きく、かつ動倍率の小さい防
振ゴム組成物の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の防振ゴム組成物は、下記の(A)および
(B)成分を含む防振ゴム組成物であつて、防振ゴム組
成物中の天然ゴム100重量部に対してポリアミド微細
繊維が5〜40重量部の割合に設定されているという構
成をとる。 (A)天然ゴム。 (B)加硫可能な天然ゴムに、ポリアミド微細繊維がア
ルキルフエノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物
を介してグラフト結合している強化ゴム。
【0008】
【作用】すなわち、この発明者は、静ばね定数が大き
く、すなわち支持剛性が高く、しかも低動倍率を実現さ
せるために一連の研究を重ねた。その結果、加硫可能な
天然ゴムに、アルキルフエノールホルムアルデヒド系樹
脂の初期縮合物を介してポリアミド微細繊維をグラフト
結合させた強化ゴムを用い、しかも組成物中の天然ゴム
に対して特定の割合で上記ポリアミド微細繊維を用いる
と、マトリツクス成分である天然ゴムと特殊な強化ゴム
間に摩擦が生じず、その結果、防振ゴム組成物の動的性
能が改良され、静ばね定数が大きく、動倍率の低減がな
されることを見出しこの発明に到達した。
【0009】つぎに、この発明を詳細に説明する。
【0010】この発明の防振ゴム組成物は、天然ゴム
(A成分)と、特殊な強化ゴム(B成分)とを用いて得
られる。
【0011】上記特殊な強化ゴム(B成分)は、加硫可
能な天然ゴムに、ポリアミド微細繊維がアルキルフエノ
ールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物を介してグラ
フト結合しているものである。
【0012】上記ポリアミド微細繊維としては、ナイロ
ン6等があげられる。そして、上記ポリアミド微細繊維
としては、長さが100μm程度で、直径0.05〜
0.8μm、アスペクト比が100〜500のものを用
いることが好ましい。
【0013】上記アルキルフエノールホルムアルデヒド
系樹脂は、下記の一般式(1)で表される樹脂架橋剤で
あり、例えばクレゾールのようなアルキルフエノール
と、ホルムアルデヒドあるいはアセトアルデヒドとをア
ルカリ触媒の存在下で反応させて得られるレゾール型初
期縮合物およびその変性物があげられる。特に、分子中
にメチロール基を2個以上有するものが好適に用いられ
る。
【0014】
【化1】
【0015】〔上記式(1)において、Rはアルキル基
または水素とアルキル基との組み合わせであり、Xはヒ
ドロキシル基または塩素,臭素等のハロゲン原子であ
り、mは1または2、nは2〜15である。〕
【0016】上記ポリアミド微細繊維の配合割合は、防
振ゴム組成物中の天然ゴム100重量部(以下「部」と
略す)に対してポリアミド微細繊維を5〜40部の範囲
に設定する必要がある。すなわち、ポリアミド微細繊維
の配合量が5部未満では低動倍率の防振ゴム組成物が得
られず、逆に40部を超えるとロール作業性が劣化する
からである。
【0017】なお、この発明の防振ゴム組成物には、上
記天然ゴム(A成分),特殊な強化ゴム(B成分)以外
に加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,軟化剤,カツプリ
ング剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0018】この発明の防振ゴム組成物は、例えばつぎ
のようにして得られる。すなわち、上記天然ゴム(A成
分),特殊な強化ゴム(B成分)および必要に応じて他
の添加剤を所定の配合割合で配合し混練することにより
得られる。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明の防振ゴム組成
物は、天然ゴム(A成分)および特殊な強化ゴム(B成
分)を含有するため、両者間で摩擦が生じず、静ばね定
数は大きく、防振ゴム組成物自体の動的性能が改良さ
れ、振動伝達の遮断性能の指標である動倍率の低減が実
現する。また、従来にくらべて同じ静ばね定数を有する
場合、動倍率が小さい。したがつて、支持部材等の支持
剛性は高く、制振,遮音効果に優れており、例えば自動
車等の防振ゴム形成材料として最適である。
【0020】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0021】
【実施例1〜5】下記の表1に示す成分を同表に示す割
合で配合し混練することにより防振ゴム組成物を得た。
【0022】
【表1】
【0023】*1:RSS#1を用いた。 *2:6−ナイロン繊維強化ゴム(宇部興産社製)で、
重量比で天然ゴム:6−ナイロン=100:50のもの
である。 *3:N−フエニル−N′−イソプロピル−p−フエニ
レンジアミンを用いた。 *4:FEFカーボンを用いた。 *5:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスル
フエンアミドを用いた。
【0024】
【比較例1〜4】下記の表2に示す成分を同表に示す割
合で配合し混練することにより防振ゴム組成物を得た。
【0025】
【表2】
【0026】*1:RSS#1を用いた。 *2:6−ナイロン繊維強化ゴム(宇部興産社製)で、
重量比で天然ゴム:6−ナイロン=100:50のもの
である。 *3:N−フエニル−N′−イソプロピル−p−フエニ
レンジアミンを用いた。 *4:FEFカーボンを用いた。 *5:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスル
フエンアミドを用いた。
【0027】このようにして得られた実施例品および比
較例品の防振ゴム組成物を加熱(条件:160℃,30
分)して加硫させることにより、直径50mm×高さ50
mmの円柱体形状の防振ゴムを作製した。そして、上記防
振ゴムにおける静ばね定数(Ks ),動ばね定数(Kd
100)を測定し、動倍率(Kd100/Ks )を算出した。
また、損失係数(tanδ)を併せて測定した。これら
の結果を後記の表3および表4に示す。なお、上記静ば
ね定数(Ks ),動ばね定数(Kd100)および損失係数
(tanδ)はつぎのようにして測定した。
【0028】上記静ばね定数(Ks )は、円柱体形状の
防振ゴムを1mm撓ませ、そのときの力を測定した。
【0029】上記動ばね定数(Kd100)は、図1に示す
ように、防振ゴム1の上面および底面に金具2を取り付
け、防振ゴム1を1mm撓ませ下方から100Hzの周波数
によつて振幅0.05mmで振動させて上方のロードセル
(図示せず)にて検出した。
【0030】上記損失係数(tanδ)は、自動車のア
イドリング時のエンジンの振動を車体に伝達させない指
標となり、上記動ばね定数(Kd100)と同様に防振ゴム
1の上面および底面に金具2を取り付け、防振ゴム1を
1mm撓ませ下方から15Hzの周波数によつて振幅0.5
mmで振動させて上方のロードセル(図示せず)にて検出
した。
【0031】さらに、上記防振ゴムの常態(室温状態で
の測定)における物性、100%伸びのときの引張り応
力(100%モジユラス)、引張強さ(TB)、伸び
(EB)、硬度(HS)を測定し、後記の表3および表
4に併せて示した。
【0032】また、上記防振ゴム組成物を混練してこれ
をロールに巻きつけるときにロールから防振ゴム組成物
が浮いてしまうかどうかを実験し、その結果を加工性と
して評価した。ロールから浮かなかつたものを○、やや
浮き気味のものを△、完全に浮いてしまつたものを×と
して後記の表3および表4に併せて示した。
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】上記表3および表4の結果から、比較例1
品および比較例3品は静ばね定数が低く、支持部材とし
て不適当であり、比較例2品は動倍率が高い。これに対
して実施例品は、いずれも損失係数および静ばね定数が
高く、しかも動倍率も低い。このことから、実施例品は
剛性が高くしかも振動伝達の遮断性能に優れていること
がわかる。
【0036】また、上記実施例品および比較例品の防振
ゴムにおける静ばね定数と動倍率の関係を図2に示し
た。曲線Aが実施例品、曲線Bが比較例品にそれぞれ対
応する。図2の曲線から、実施例品は静ばね定数が大き
くなつても(静的剛性を上げても)動倍率は一定値を保
つているが、比較例品は静ばね定数の上昇とともに動倍
率が急激に上昇している。また、実施例品と比較例品で
は同じ静ばね定数であれば実施例品の方が動倍率が小さ
い。このことから、実施例品は支持部材を支える剛性に
優れているとともに振動,遮断特性にも優れていること
がわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】動特性の測定方法を示す構成図である。
【図2】静ばね定数−動倍率の関係を示す曲線図であ
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成3年9月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車の防振ゴム材
等に用いられる防振ゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の軽量化にともない自動車
の振動,騒音対策が、益々重要な技術要素となつてい
る。上記振動,騒音対策として、様々な制振材および遮
音材が用いられており、例えば防振ゴムが自動車の各部
に装着されている。上記防振ゴムの振動,騒音対策にお
ける役割は、大体が振動伝達の遮断であり、一般的には
防振ゴムのばね定数が低ければ低いほど、すなわち防振
ゴムが軟らかければ軟らかいほど振動伝達の遮断性能に
優れていることになる。一方、上記防振ゴムには振動伝
達の遮断性能に加えて機械部品等の支持性能が要求され
ており、あまり軟らかすぎると、機械部品等の支持の際
に大きく撓んでしまう。その結果、支持位置が著しく変
化し、防振ゴムが使用されている構造物、例えば自動車
の基本的な性能に悪影響を与えてしまうことになる。こ
のため、一般に自動車等に用いられる防振ゴムに要求さ
れるばね的特性としては、支持性能、すなわち支持剛性
を示す静ばね定数は大きく、かつ振動伝達の遮断性能、
すなわち伝達される振動状態のばね定数である動ばね定
数が小さいものがよいということになる。したがつて、
上記静ばね定数と動ばね定数の比が小さいほど優れた防
振ゴムであり、一般的に防振ゴムの性能は動倍率(動ば
ね定数/静ばね定数)を指標に表されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そして、この動倍率を
小さくする方法に、例えばその構造面から解決しようと
する場合、防振材として液体封入マウントが知られてい
る。しかしながら、上記液体封入マウントは、その構成
部品である可動板およびかさ構造部分を考慮して全体を
構成しても、振動時に内部に封入された液体の流れが止
まることを避けることができず、振動遮断性能に問題を
有している。また、低動倍率化も、基本的には本体部分
のゴム材料の動的剛性に依存し、根本的な解決とはなら
ない。
【0004】このように、防振ゴムのゴム材料の有する
動倍率が低ければ低いほど、高周波領域においても動ば
ね定数が大きくならないことから、一層の低動倍率化が
望まれているが、防振ゴム材料の動倍率は、通常、防振
ゴム材料中に含有されるカーボンブラツク量に比例し、
カーボンブラツク量を多く含有すればするほど動倍率が
大きく振動絶縁性能が悪化する傾向がみられる。
【0005】上記動倍率が大きくなり振動絶縁性能が悪
化するのは、マトリツクス成分とカーボンブラツクとの
間に生じる摩擦が原因と考えられる。そして、上記両者
間の摩擦の発生を抑制するため、例えば、マトリツクス
成分とカーボンブラツク間を結合する結合剤を配合し、
防振ゴム材料の動倍率の向上(動倍率を小さくする)を
図ることが提案され一部で実施されている(特開平1−
254747号)。しかしながら、このように結合剤を
配合しても得られる防振ゴムは、それ自体が有する動倍
率が大きく、防振ゴムとして優れた特性を有するものが
得られないのが実情である。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、静ばね定数が大きく、かつ動倍率の小さい防
振ゴム組成物の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の防振ゴム組成物は、下記の(A)および
(B)成分を含む防振ゴム組成物であつて、防振ゴム組
成物中の天然ゴム100重量部に対してポリアミド微細
繊維が5〜40重量部の割合に設定されているという構
成をとる。 (A)天然ゴム。 (B)加硫可能な天然ゴムに、ポリアミド微細繊維がア
ルキルフエノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物
を介してグラフト結合している強化ゴム。
【0008】
【作用】すなわち、この発明者は、静ばね定数が大き
く、すなわち支持剛性が高く、しかも低動倍率を実現さ
せるために一連の研究を重ねた。その結果、加硫可能な
天然ゴムに、アルキルフエノールホルムアルデヒド系樹
脂の初期縮合物を介してポリアミド微細繊維をグラフト
結合させた強化ゴムを用い、しかも組成物中の天然ゴム
に対して特定の割合で上記ポリアミド微細繊維を用いる
と、マトリツクス成分である天然ゴムと特殊な強化ゴム
間に摩擦が生じず、その結果、防振ゴム組成物の動的性
能が改良され、静ばね定数が大きく、動倍率の低減がな
されることを見出しこの発明に到達した。
【0009】つぎに、この発明を詳細に説明する。
【0010】この発明の防振ゴム組成物は、天然ゴム
(A成分)と、特殊な強化ゴム(B成分)とを用いて得
られる。
【0011】上記特殊な強化ゴム(B成分)は、加硫可
能な天然ゴムに、ポリアミド微細繊維がアルキルフエノ
ールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物を介してグラ
フト結合しているものである。
【0012】上記ポリアミド微細繊維としては、ナイロ
ン6等があげられる。そして、上記ポリアミド微細繊維
としては、長さが100μm程度で、直径0.05〜
0.8μm、アスペクト比が100〜500のものを用
いることが好ましい。
【0013】上記アルキルフエノールホルムアルデヒド
系樹脂は、下記の一般式(1)で表される樹脂架橋剤で
あり、例えばクレゾールのようなアルキルフエノール
と、ホルムアルデヒドあるいはアセトアルデヒドとをア
ルカリ触媒の存在下で反応させて得られるレゾール型初
期縮合物およびその変性物があげられる。特に、分子中
にメチロール基を2個以上有するものが好適に用いられ
る。
【0014】
【化1】
【0015】〔上記式(1)において、Rはアルキル基
または水素とアルキル基との組み合わせであり、Xはヒ
ドロキシル基または塩素,臭素等のハロゲン原子であ
り、mは1または2、nは2〜15である。〕
【0016】上記ポリアミド微細繊維の配合割合は、防
振ゴム組成物中の天然ゴム100重量部(以下「部」と
略す)に対してポリアミド微細繊維を5〜40部の範囲
に設定する必要がある。すなわち、ポリアミド微細繊維
の配合量が5部未満では低動倍率の防振ゴム組成物が得
られず、逆に40部を超えるとロール作業性が劣化する
からである。
【0017】なお、この発明の防振ゴム組成物には、上
記天然ゴム(A成分),特殊な強化ゴム(B成分)以外
に加硫剤,加硫促進剤,老化防止剤,軟化剤,カツプリ
ング剤等を必要に応じて適宜配合することができる。
【0018】この発明の防振ゴム組成物は、例えばつぎ
のようにして得られる。すなわち、上記天然ゴム(A成
分),特殊な強化ゴム(B成分)および必要に応じて他
の添加剤を所定の配合割合で配合し混練することにより
得られる。
【0019】
【発明の効果】以上のように、この発明の防振ゴム組成
物は、天然ゴム(A成分)および特殊な強化ゴム(B成
分)を含有するため、両者間で摩擦が生じず、静ばね定
数は大きく、防振ゴム組成物自体の動的性能が改良さ
れ、振動伝達の遮断性能の指標である動倍率の低減が実
現する。また、従来にくらべて同じ静ばね定数を有する
場合、動倍率が小さい。したがつて、支持部材等の支持
剛性は高く、制振,遮音効果に優れており、例えば自動
車等の防振ゴム形成材料として最適である。
【0020】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0021】
【実施例1〜5】下記の表1に示す成分を同表に示す割
合で配合し混練することにより防振ゴム組成物を得た。
【0022】
【表1】
【0023】*1:RSS#1を用いた。 *2:6−ナイロン繊維強化ゴム(宇部興産社製)で、
重量比で天然ゴム:6−ナイロン=100:50のもの
である。 *3:N−フエニル−N′−イソプロピル−p−フエニ
レンジアミンを用いた。 *4:FEFカーボンを用いた。 *5:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスル
フエンアミドを用いた。
【0024】
【比較例1〜4】下記の表2に示す成分を同表に示す割
合で配合し混練することにより防振ゴム組成物を得た。
【0025】
【表2】
【0026】*1:RSS#1を用いた。 *2:6−ナイロン繊維強化ゴム(宇部興産社製)で、
重量比で天然ゴム:6−ナイロン=100:50のもの
である。 *3:N−フエニル−N′−イソプロピル−p−フエニ
レンジアミンを用いた。 *4:FEFカーボンを用いた。 *5:N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスル
フエンアミドを用いた。
【0027】このようにして得られた実施例品および比
較例品の防振ゴム組成物を加熱(条件:160℃,30
分)して加硫させることにより、直径50mm×高さ50
mmの円柱体形状の防振ゴムを作製した。そして、上記防
振ゴムにおける静ばね定数(Ks ),動ばね定数(Kd
100)を測定し、動倍率(Kd100/Ks )を算出した。
これらの結果を後記の表3および表4に示す。なお、上
記静ばね定数(Ks ),動ばね定数(Kd100)および損
失係数(tanδ)はつぎのようにして測定した。
【0028】上記静ばね定数(Ks )は、円柱体形状の
防振ゴムを1mm撓ませ、そのときの荷重を測定した。
【0029】上記動ばね定数(Kd100)は、図1に示す
ように、防振ゴム1の上面および底面に金具2を取り付
け、防振ゴム1を1mm撓ませ下方から100Hzの周波数
によつて振幅0.05mmで振動させて上方のロードセル
(図示せず)にて検出した。
【0030】さらに、上記防振ゴムの常態(室温状態で
の測定)における物性、100%伸びのときの引張り応
力(100%モジユラス)、引張強さ(TB)、伸び
(EB)、硬度(HS)を測定し、後記の表3および表
4に併せて示した。
【0031】また、上記防振ゴム組成物を混練してこれ
をロールに巻きつけるときにロールから防振ゴム組成物
が浮いてしまうかどうかを実験し、その結果を加工性と
して評価した。ロールから浮かなかつたものを○、やや
浮き気味のものを△、完全に浮いてしまつたものを×と
して後記の表3および表4に併せて示した。
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】上記表3および表4の結果から、比較例1
品および比較例3品は静ばね定数が低く、支持部材とし
て不適当であり、比較例2品は動倍率が高い。これに対
して実施例品は、いずれも静ばね定数が高く、しかも動
倍率も低い。このことから、実施例品は剛性が高くしか
も振動伝達の遮断性能に優れていることがわかる。
【0035】また、上記実施例品および比較例品の防振
ゴムにおける静ばね定数と動倍率の関係を図2に示し
た。曲線Aが実施例品、曲線Bが比較例品にそれぞれ対
応する。図2の曲線から、実施例品は静ばね定数が大き
くなつても(静的剛性を上げても)動倍率は一定値を保
つているが、比較例品は静ばね定数の上昇とともに動倍
率が急激に上昇している。また、実施例品と比較例品で
は同じ静ばね定数であれば実施例品の方が動倍率が小さ
い。このことから、実施例品は支持部材を支える剛性に
優れているとともに振動,遮断特性にも優れていること
がわかる。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記の(A)および(B)成分を含む防
    振ゴム組成物であつて、防振ゴム組成物中の天然ゴム1
    00重量部に対してポリアミド微細繊維が5〜40重量
    部の割合に設定されていることを特徴とする防振ゴム組
    成物。 (A)天然ゴム。 (B)加硫可能な天然ゴムに、ポリアミド微細繊維がア
    ルキルフエノールホルムアルデヒド系樹脂の初期縮合物
    を介してグラフト結合している強化ゴム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109021316A (zh) * 2018-06-29 2018-12-18 宁国中信零部件有限公司 一种空调压缩机用减震垫橡胶组合物及其加工工艺

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JPS58136638A (ja) * 1982-02-09 1983-08-13 Ube Ind Ltd 強化弾性体の製造法

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