JPH059334A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents

生分解性樹脂組成物

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JPH059334A
JPH059334A JP18801691A JP18801691A JPH059334A JP H059334 A JPH059334 A JP H059334A JP 18801691 A JP18801691 A JP 18801691A JP 18801691 A JP18801691 A JP 18801691A JP H059334 A JPH059334 A JP H059334A
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ethylene
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acetate copolymer
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とデ
ンプン系高分子との併用系でありながらも、工業的に採
用しうる良好な成形性を有すると同時に、好ましい基礎
的物性および所期の生分解性ないし崩壊性を有する成形
物を与えることのできる生分解性樹脂組成物を提供する
ことを目的とする。 【構成】 エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とデ
ンプン系高分子とからなる樹脂組成物を溶融成形して生
分解性を有する成形物を得るにあたり、上記エチレン−
酢酸ビニル共重合体ケン化物として含水率20〜60重
量%のものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物とデンプン系高分子とからなり、成形
加工性および物性にすぐれた成形物を与えることのでき
る生分解性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】包装材料としてのプラスチックス製のフ
ィルムや容器、農業用資材としてのプラスチックスフィ
ルムや結束用テープをはじめとするプラスチックス成形
物は、正規の処理ルート以外で廃棄されることがある。
この場合、該成形物は長年その形状を維持するため、深
刻な廃棄物公害を生じている。そこで、野外、田畑、河
川等に廃棄されるおそれのある成形物は、使用目的が達
成された後は土中や水中の微生物によりすみやかに分解
されることが望まれる。
【0003】このような背景から、生分解性成形物を得
るための生分解性組成物の研究開発が盛んに行われてい
る。これらの研究開発のうちエチレン−酢酸ビニル共重
合体ケン化物(つまりエチレン−ビニルアルコール共重
合体)とデンプン系高分子とからなる生分解性ないし崩
壊性組成物については、次のような出願がなされてい
る。
【0004】特開平3−31333号公報には、エチレ
ン/ビニルアルコール共重合体および変性澱粉を含んで
なる生分解性プラスチック物品製造用ポリマー組成物で
あって、該エチレン/ビニルアルコール共重合体のエチ
レン含量が10〜90重量%であり、メルトフローイン
デックス(230℃、2.16kgで測定)が2〜50である
ポリマー組成物が示されている。
【0005】該公報には、エチレン/ビニルアルコール
共重合体のより好ましい性質は以下の通りであるとして
いる。 ・ 極限粘度[η](ジメチルスルホキシド中30
℃): 0.5〜0.9 、好ましくは0.65〜0.80 ・ 分子量分布Mw/Mn (テトラヒドロフラン中のGP
C): 1.3〜4 ・ 融点:180℃未満、好ましくは160〜170℃ ・ 加水分解度90〜99.9%
【0006】また、この公報には高沸点可塑剤について
の記述があり、特許請求の範囲の請求項4においては高
沸点塑剤を澱粉成分に対して0.05〜100重量%の濃度
含むこと、請求項5においては高沸点可塑剤を澱粉成分
に対して20〜100重量%の濃度含むことが示されて
いる。そして実施例1には、エチレン/ビニルアルコー
ル共重合体に対して15重量%のグリセリンを配合した
押出混合物50重量部を、澱粉70重量部、水50重量
部および尿素15重量部と混合して押出機でペレット加
工した後、インフレート用ヘッドを備えた押出機にてフ
ィルムに成形する例が、実施例2には、含水率11重量
%の澱粉63重量%、グリセリン25重量%、尿素7重
量%およびエチレン−アクリル酸共重合体5重量%を押
出してペレット化した後、得られたペレット60重量%
とエチレン−ビニルアルコール共重合体40重量%とを
混合して押出成形した例が、実施例3〜8には、含水率
11重量%の澱粉39重量%、エチレン/ビニルアルコ
ール共重合体37重量%、グリセリン12.8重量%、水
3.2重量%、エチレン−アクリル酸共重合体3重量%お
よび尿素5重量%を実施例1と同様にしてペレット化お
よびフィルムに成形した例が示されている。なお、エチ
レン−ビニルアルコール共重合体は実質的に無水のもの
を用いていると考えられる。
【0007】特開平3−24101号公報には、澱粉
を、高沸点可塑剤と尿素、アルカリ土類またはアルカリ
金属水酸化物およびこれらの混合物から選ばれた変性剤
と共に、可塑剤の沸点以下で120〜170℃の温度に
おいて澱粉を変性するのに十分な時間混合することから
なる生分解性プラスチック物品製造用変性澱粉組成物の
製法が示されており、該公報の実施例の直前の個所に
は、この変性澱粉組成物はエチレン/ビニルアルコール
共重合体と混合するのに適しているとの記載がある。
【0008】この公報の特許請求の範囲の請求項2には
高沸点可塑剤を澱粉重量に対して0.05〜100重量%加
えること、請求項4には高沸点可塑剤を澱粉重量に対し
て20〜100重量%加えることが示されている。そし
て実施例1〜4には含水率11重量%の澱粉63重量%
にグリセリン25重量%を配合して押出成形して変性澱
粉を得ること、実施例5にはこの変性澱粉ペレット60
重量%とエチレン/ビニルアルコール共重合体40重量
%とを混合して押出成形した例が示されている。
【0009】特開平2−14228号公報には、水を含
む分解澱粉および少なくとも1種の実質的に水不溶性の
合成熱可塑性ポリマーを含む溶融体から得られる配合ポ
リマー材料が示されている。この公報の出願の特許請求
の範囲の請求項4には、熱可塑性ポリマーとして、エチ
レン/酢酸ビニル−コポリマー、エチレン/ビニルアル
コール−コポリマー、エチレン/アクリル酸−コポリマ
ー、エチレン/アクリル酸エチル−コポリマー、エチレ
ン/アクリル酸メチル−コポリマー、ABS−コポリマ
ー、スチレン/アクリロニトリル−コポリマー、ポリア
セタールが用いられるとしてあり、このようにエチレン
/ビニルアルコール−コポリマーについても言及がある
が、エチレン/ビニルアルコール−コポリマーを用いた
実施例はあげられていない。
【0010】この公報には可塑化剤についても記述があ
り、特許請求の範囲の請求項14には全成分の約 0.5〜
15重量%の可塑化剤が加えられること、請求項16に
は可塑化剤および水の含有量の合計が全成分の25重量
%以下であることが示されている。
【0011】そして請求項20には、澱粉/水成分を基
準として5〜30重量%の含水率を有する澱粉を密閉容
器内で昇温下に溶融体を生成するのに十分な長さの時間
加熱することによってポリマー材料を製造するにあた
り、溶融体生成の前またはその間に該澱粉/水材料を実
質的に水不溶性の合成熱可塑性ポリマーを混合するとの
記載があり、該公報の5頁右下欄8〜12行には、
「『実質的に水不溶性の合成熱可塑性ポリマー』として
は、ポリマーは、好ましくは室温においてポリマー10
0gあたり最大で5%の割合、より好ましくは最大で約
2%の割合で水を溶解すると理解される。」と述べられ
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】エチレン−ビニルアル
コール共重合体とデンプン系高分子とからなる生分解性
組成物は、溶融成形時に熱分解しやすいデンプン系高分
子を多量に含む上、エチレン−ビニルアルコール共重合
体自身が汎用の熱可塑性樹脂の中では比較的溶融成形が
難しい樹脂の一つであるので、両者の併用系においては
成形トラブルを生じたり成形物に欠陥を生じやすいとい
う問題点がある。そこで工業的な生産に際しては、多価
アルコールや尿素などの高沸点可塑剤を相当量配合して
溶融成形に供することが不可欠となるが、このような高
沸点可塑剤の配合は成形物の性質(たとえば可塑剤の成
形物表面への移行によるべたつきの発生、成形物の基礎
的物性の低下)にとってマイナスとなる上、衛生上の問
題を起こすおそれがある。このようなトラブルを防ぐた
めには可塑剤の使用量を抑えなければならないが、その
場合は先に述べたように溶融成形性が悪くなる。
【0013】特開平3−31333号公報や特開平3−
24101号公報において、広い範囲の高沸点可塑剤の
使用が示されているにかかわらずその実施例では相当量
の高沸点可塑剤を配合しているのは、高沸点可塑剤の配
合量を多くしないと成形性そのものが損なわれるという
事情があるからである。なお特開平2−14228号公
報においては、実際にエチレン−ビニルアルコール共重
合体を用いた実施例がなく、該共重合体とデンプン系高
分子との配合系における検討がなされていない。
【0014】そしてこれらの公報において配合に用いら
れる水は、未乾燥デンプン系高分子等に含有されている
水分や系外から新たに加えられる水に由来するものであ
り、このような水分の供給方式が従来のエチレン−ビニ
ルアルコール共重合体/デンプン系高分子からなる組成
物を溶融成形するときの手法となっている。
【0015】結局、上に引用した特開平3−31333
号公報、特開平2−14228号公報および特開平3−
24101号公報は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケ
ン化物(エチレン−ビニルアルコール共重合体)とデン
プン系高分子とからなる生分解性ないし崩壊性組成物に
関するバックグラウンドとしての技術を示しているにと
どまり、工業的に採用しうるに足る良好な成形性を保ち
ながら、成形物に要求される性質(可塑剤の移行防止
性、好ましい基礎的物性、好ましい生分解性)を確保す
ることは未解決事項となっている。
【0016】本発明は、このような背景下において、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とデンプン系高分
子との併用系でありながらも、工業的に採用し得る良好
な成形性を有すると同時に、可塑剤の移行防止性、好ま
しい基礎的物性および所期の生分解性ないし崩壊性を有
する成形物を与えることのできる生分解性樹脂組成物を
提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の生分解性樹脂組
成物は、エチレン含量が20〜60モル%、酢酸ビニル
単位のケン化度が90モル%以上の組成を有しかつ含水
率が20〜60重量%である含水エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物(A) と、デンプン系高分子(B) とから
なるものである。
【0018】以下本発明を詳細に説明する。
【0019】本発明においては、含水エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(A) として、エチレン含量が20
〜60モル%、酢酸ビニル単位のケン化度が90モル%
以上の組成のものを用いる。エチレン含量、ケン化度が
この範囲からはずれるときは、機械的性質やガスバリア
性が不足するようになる。
【0020】含水エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物(A) の含水率は20〜60重量%に設定される。含水
率が20重量%未満の場合には、デンプン系高分子(B)
との相溶分散性が劣って円滑な溶融成形性が達成しえな
くなり、可塑剤の併用が不可避となる。一方含水率が6
0重量%を越えると、溶融成形時に発泡が起こって円滑
な成形が困難となったり、得られる成形物の表面特性が
悪くなったりする。なお、上記で規定の含水率の含水エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A) のDSCによ
るピーク温度(融点に相当)は110℃以下、特に90
〜105℃程度)となる。
【0021】上記共重合組成を有するエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物は、本発明の趣旨を損なわない限
りにおいて、他の共重合可能なモノマー、たとえば、他
のα−オレフィン、エチレン性不飽和カルボン酸系化合
物(酸、無水物、塩、エステル、アミド、ニトリル
等)、ビニルエーテル、酢酸ビニル以外のビニルエステ
ル、エチレン性不飽和スルホン酸系化合物(酸、塩
等)、オキシアルキレン基含有モノマーなどで共重合変
性されていてもよく、またオキシアルキレンエーテル
化、シアノエチル化、アセタール化、ウレタン化などの
「後変性」されたものであってもよい。
【0022】上記の含水エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物(A) は、典型的には、エチレン−酢酸ビニル共
重合体をアルカリケン化した後のエチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物のメタノール溶液に水を加えて水−メ
タノール混合溶媒溶液となし、ついでその溶液を水中に
導入して凝固させ、さらにその凝固物をペレット化また
は粉砕した後、洗浄精製することにより取得される。洗
浄精製に際しては、酸、特に弱酸の水溶液または稀薄な
強酸またはその酸性塩の水溶液で充分に洗浄し、さらに
必要に応じ水洗によって樹脂の付着した酸を除去した
後、所望の含水率となるような乾燥条件で乾燥するよう
にすることが望ましい。
【0023】ここで弱酸としては、酢酸、プロピオン
酸、グリコール酸、乳酸、アジピン酸、アゼライン酸、
グルタール酸、コハク酸、安息香酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸をはじめ通常pKa(25℃)が 3.5以上の
ものが用いられる。強酸としては、シュウ酸、マレイン
酸などpKa(25℃)が 2.5以下の有機酸やリン酸、
硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸があげられ、これらの強
酸の酸性塩も用いることができる。強酸(またはその酸
性塩)による処理は、弱酸による処理を行った後、水洗
の前または後に行うのが通常である。
【0024】デンプン系高分子(B) としては、生デンプ
ン(トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷デン
プン、コムギデンプン、キッサバデンプン、サゴデンプ
ン、タピオカデンプン、モロコシデンプン、コメデンプ
ン、マメデンプン、クズデンプン、ワラビデンプン、ハ
スデンプン、ヒシデンプン等);物理的変性デンプン
(α−デンプン、分別アミロース、湿熱処理デンプン
等);酵素変性デンプン(加水分解デキストリン、酵素
分解デキストリン、アミロース等);化学分解変性デン
プン(酸処理デンプン、次亜塩素酸酸化デンプン、ジア
ルデヒドデンプン等);化学変性デンプン誘導体(エス
テル化デンプン、エーテル化デンプン、カチオン化デン
プン、架橋デンプン等)などが用いられる。なお、化学
変性デンプン誘導体のうちエステル化デンプンとして
は、酢酸エステル化デンプン、コハク酸エステル化デン
プン、硝酸エステル化デンプン、リン酸エステル化デン
プン、尿素リン酸エステル化デンプン、キサントゲン酸
エステル化デンプン、アセト酢酸エステル化デンプンな
ど、エーテル化デンプンとしては、アリルエーテル化デ
ンプン、メチルエーテル化デンプン、カルボキシメチル
エーテル化デンプン、ヒドロキシエチルエーテル化デン
プン、ヒドロキシプロピルエーテル化デンプンなど、カ
チオン化デンプンとしては、デンプンと2−ジエチルア
ミノエチルクロライドの反応物、デンプンと2,3−エ
ポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドの反
応物など、架橋デンプンとしては、ホルムアルデヒド架
橋デンプン、エピクロルヒドリン架橋デンプン、リン酸
架橋デンプン、アクロレイン架橋デンプンなどがあげら
れる。
【0025】デンプン系高分子(B) は、含水物として含
水エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A) との配合
に供することもできる。
【0026】含水エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
物(A) とデンプン系高分子(B) との配合割合は、乾燥基
準の重量比で80:20〜20:80、殊に70:30
〜30:70とすることが望ましく、デンプン系高分子
(B) の割合が余りに少ないときは生分解性ないし崩壊性
が損なわれ、一方その割合が余りに多いときは成形物の
機械的物性が不足するようになる。ただし用途によって
は、上記配合割合から若干はずれても差し支えないこと
もある。
【0027】本発明の樹脂組成物は、さらに多価アルコ
ール(グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトール、エチレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ポリプロピレングリコール、マンニトール、ソルビトー
ル等)や尿素などの可塑剤を適当量配合することもでき
るが、可塑剤無添加または少量添加であっても円滑な溶
融成形ができる点が本発明の特長である。
【0028】そのほか、必要に応じ上記以外の樹脂成分
(ポリビニルアルコールやその誘導体、エチレン共重合
体やその他のポリオレフィン、水素添加スチレン−ブタ
ジエンゴム、ポリウレタン、ポリアミド、ポリヒドロキ
シブチレート等)、デンプン系高分子以外の天然高分子
(多糖類系高分子、セルロース系高分子、タンパク質系
高分子等)、熱安定剤、自動酸化剤、充填剤、着色剤、
耐水化剤などを配合することもできる。
【0029】溶融成形法としては、押出成形法(ブロー
成形法を含む)や射出成形法が採用されるが、カレンダ
ー成形法、その他の成形法も採用することができる。溶
融成形に際しては、含水エチレン−酢酸ビニル共重合体
ケン化物(A)およびデンプン系高分子(B) を別々にある
いは同時に押出機に供給して溶融混練を行って一旦ペレ
ット化し、ついでこのペレットを目的に応じた成形機に
供給して所期の形状に成形する方法が好適に採用され
る。前段の押出機はベント付き押出機を用いるのが通常
である。後段の溶融成形温度は150℃以下に設定する
ことが多い。
【0030】本発明の生分解樹脂組成物により得られる
成形物は、包装用資材(フィルム、シート、ボトル、カ
ップ、トレイ、缶キャリア等);農業用資材(農業用フ
ィルム、結束テープ等);民生用資材(おむつのバック
シート、買物袋、ゴミ袋等)をはじめ、種々の用途に用
いることができる。
【0031】
【作用】本発明においては、含水エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物(A) として、含水率が20〜60重量
%のものを用いているため、成形物の諸性質および衛生
性の点で不利となる可塑剤の配合を省略したり大幅に減
少しても良好な成形性が確保される。
【0032】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。
【0033】実施例1〜5、比較例1〜4 〈含水または無含水エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物の製造〉エチレン含量が29.0モル%、38.0モル%ま
たは44.0モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体の
メタノール溶液に触媒としての水酸化ナトリウムのメタ
ノール溶液を加えて塔内で連続ケン化反応を行い、得ら
れたケン化物のメタノール溶液に水を加えてメタノール
−水混合溶媒溶液とした後、20℃以下の水中にノズル
から吐出した。これにより溶液は約3mm径のストランド
状に凝固したので、該凝固物を水中から引き上げて切断
した。
【0034】このストランド状凝固物をペレタイザーに
よりペレット化し、水洗によりポリマー中に含まれる酢
酸ナトリウムを除去し、さらに酢酸の希薄水溶液による
洗浄、ついでリン酸の稀薄水溶液による洗浄を行った
後、種々の乾燥条件で乾燥して目標含水率に調整した。
【0035】得られた含水または無含水エチレン−酢酸
ビニル共重合体ケン化物の組成、含水率、融点(DSC
によるピーク温度)を表1に示す。
【0036】 表1 A-1 A-1a A-2 A-3 A'-1 A'-2 A'-3 エチレン含量(モル%) 44.0 44.0 38.0 29.0 44.0 38.0 29.0 ケン化度(モル%) 99.5 99.5 99.5 99.5 99.5 99.5 99.5 含水率(重量%) 53 26 30 55 0.5 1.0 0.5 融点(℃) 96 100 98 93 164 172 186
【0037】〈コンパウンドのペレット化〉 上記で製造した含水または無含水エチレン−酢酸ビニル
共重合体ケン化物のペレット、生デンプン(含水率12
重量%のコーンスターチ)および必要に応じグリセリン
を後述の表2に示す割合および組み合わせでヘンシェル
ミキサーに投入して混合し、ついでベント付き二軸押出
機に供給してストランド状に溶融押出すると共に、ペレ
タイザーでペレット化した。二軸押出条件は下記の通り
とした。
【0038】スクリュー径 30mm L/D 30 スクリュー回転数 150rpm ベント オープンベント ダイス 直径 3.0mmのノズル2本
【0039】〈溶融成形〉上記で得たコンパウンドペレ
ットを型締圧100TONの射出成形機に供給し、下記
の条件で射出成形を行って、大きさ100mm×100m
m、厚さ 1.5mmのシート片(平板)、JIS K−71
13に基く1号型引張試験片およびJISK−2703
に基く曲げ試験片を作成した。
【0040】射出圧力 1200kg/cm2 射出スピード 高速側 金型 ファンゲートによる平板の金型、
サイドゲート1号型引張試験片金型および曲げ試験片金
型 金型温度 40℃
【0041】〈結果〉結果を条件と共に表2に示す。
【0042】 表2 実 施 例 比 較 例 1 2 3 4 5 1 2 3 4 使用EVOH A-1 A-1 A-1a A-2 A-3 A'-1 A'-2 A'-3 A'-1 含水率 (重量%) 53 53 26 30 55 0.5 1.0 1.0 0.5 配合割合(重量部) EVOH 150 100 100 100 160 70 70 70 70 生デンプン 100 100 100 100 100 100 100 100 100 グリセリン - - - - - - - - 35 ペレット加工性 良好 良好 良好 良好 良好 不可 不可 不可 良好 加工ペレットの組成 (重量%) EVOH 33 26 40 38 34 - - - 34 生デンプン 42 50 47 48 41 - - - 44 水 25 24 13 14 25 - - - 5 グリセリン - - - - - - - - 17 加工ペレットの 良好 良好 良好 良好 良好 - - - 良好 射出成形性 機械的強度 引張強度(kg/cm2) 240 300 350 360 260 - - - 250 伸度(%) 50 40 40 35 40 - - - 40 曲げ強度(kg/cm2) 220 280 350 350 250 - - - 250 ブリードの有無 なし なし なし なし なし - - - あり 生分解性(崩壊性) 6ケ月 b b b b b - - - c 1年 a a a a a - - - b (注)EVOHは、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン
化物。ペレット加工性の項において、「良好」は混和性
良好でストランドの引き取りも良好、「不可」は混和性
不良でストランドにならず、ペレット化ができないため
射出成形に至らず。機械的強度は、JIS K−711
3(引張試験法)、JIS K−2703(曲げ試験
法)に準じて20℃で測定した。
【0043】なお、生分解性(崩壊性)については、上
記で得られた平板状のサンプル片を堆肥混合土中に埋め
立て、6ケ月後および1年後に掘り出してサンプル片の
状態を目視観察し、次の3段階で評価した。比較例1〜
3は成形性が劣るので評価を行っていない。 a:サンプル片の体積の50%以上が崩形している。 b:サンプル片の表面全面に凹凸が見られ、端部4辺も
凹凸となり、崩壊が進行中。 c:サンプル片の表面および端部に部分的に凹状斑点が
見られる。
【0044】
【発明の効果】本発明の生分解性樹脂組成物は、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とデンプン系高分子と
の併用系であるにもかかわらず、工業的に採用し得る良
好な溶融成形性を有する。しかも、成形物の物性および
衛生性の点で不利となる可塑剤の配合を省略したり大幅
に減ずることができるので、基礎的物性を確保しながら
所期の生分解性ないし崩壊性を発揮させることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン含量が20〜60モル%、酢酸ビ
    ニル単位のケン化度が90モル%以上の組成を有しかつ
    含水率が20〜60重量%である含水エチレン−酢酸ビ
    ニル共重合体ケン化物(A) と、デンプン系高分子(B) と
    からなる生分解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】含水エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
    物(A) が、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物の水
    −メタノール混合溶剤溶液を水中に導入して凝固させ、
    洗浄精製処理後に含水率を調整したものである請求項1
    記載の生分解性組成物。
  3. 【請求項3】含水エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化
    物とデンプン系高分子の配合割合が、乾燥基準の重量比
    で80:20〜20:80である請求項1記載の生分解
    性樹脂組成物。
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