JPH059256Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、自動車用バンパのライセンスプレ
ート取付部の構造に関する。

（従来の技術とその問題点） 自動車用バンパとしては、近時、車体の軽量
化、燃料費の節減、法規制、嗜好の多様化等の要
因により、合成樹脂により成形したものが提供さ
れている。

ところで、このバンパは、合成樹脂製であるた
めにこれに直接ライセンスプレートを取付けるこ
とができず、スプリングナツトを用いてライセン
スプレートを取付けている。

即ち、従来の自動車用バンパのライセンスプレ
ート取付部の構造としては、第６図に示すよう
に、バンパ１の中央部に設けたライセンスプレー
ト取付部２の左右上端部に夫々一対のナツト取付
孔３，３及び一対のボルト挿通孔４，４を穿設
し、これら一対のナツト取付孔３，３に夫々スプ
リングナツト５，５を嵌入せしめる構成であつ
た。そして、前記ボルト挿通孔４，４、スプリン
グナツト５，５に穿設した孔、及びライセンスプ
レートの孔にボルトを螺挿してバンパにライセン
スプレートを取付けていた。

しかしながら、ライセンスプレートは国により
その大きさが異なるので、この従来例のライセン
スプレート取付部の構造によると、１種類のライ
センスプレートしか使用できず、複数のライセン
スプレートに対応しようとすると、それに応じた
バンパを用意しなければならず、著しく不経済で
あつた。

かかる欠点を解消するものとしては、第７図に
示すように、ライセンスプレート取付部２の左右
上端部に夫々複数個のナツト取付孔３，３及び複
数個のボルト挿通孔４，４を穿設し、各ナツト取
付孔３，３，３，３に夫々スプリングナツト５，
５，５，５を嵌入せしめる構成のものも提供され
ている。

しかしながら、この従来例によると、各ナツト
取付孔３に１個づつスプリングナツト５を取付け
る構成であるため、余分なナツトを付ける必要が
あるという欠点を有していた。

（考案の目的） この考案は、上記従来例に鑑み、一対のスプリ
ングナツトを取付けるだけで複数のライセンスプ
レートに対応することができる自動車用バンパの
ライセンスプレート取付部の構造を提供すること
を目的とする。

（目的を達成するための手段） この考案の自動車用バンパのライセンスプレー
ト取付部の構造は、上記目的を達成するために、
バンパに設けたライセンスプレート取付部の左右
上端部に一対の横長孔を穿設すると共に上記各横
長孔の下部に左右方向に間隔をあけて複数個のボ
ルト挿通孔を穿設し、上記横長孔にスプリングナ
ツトを摺動可能に嵌入せしめて、そのスプリング
ナツトをいずれかのボルト挿通孔に位置合せ自在
に構成している。

（実施例） 第１図はこの考案の一実施例を具備する自動車
用バンパの斜視図を示し、第２図はそのライセン
スプレート取付部の正面図を示し、第３図はその
縦断面図を示す。

１１は合成樹脂製のバンパであり、１２はバン
パ１１の中央部に設けたライセンスプレート取付
部である。

ライセンスプレート取付部１２の左右上端部に
は一対の横長孔１３，１３を穿設してあり、これ
ら横長孔１３，１３の下部には左右方向に間隔を
あけて夫々複数個のボルト挿通孔１４，１４…を
穿設してある。横長孔１３，１３の横長さ及びボ
ルト挿通孔１４，１４…の位置は、ライセンスプ
レートＰに穿設したボルトＢを挿通するための孔
の位置に応じて適宜定めればよい。

１５は断面Ｕ字状を呈するスプリングナツトで
あり、前片部１５ａ及び後片部１５ｂを有する。
前片部１５ａ及び後片部１５ｂには、ボルトＢを
挿通するための孔１６，１６を穿設してある。

そして、スプリングナツト１５の後片部１５ｂ
を前記横長孔１３に嵌入せしめてスプリングナツ
ト１５をライセンスプレート取付部１２に取付け
てあり、スプリングナツト１５は横長孔１３内を
左右方向に摺動可能としてある。

ライセンスプレート取付部１２にライセンスプ
レートＰを取付けるには、次のようにして行う。
まず、スプリングナツト１５を摺動せしめ、ライ
センスプレートＰの幅に対応した所望部位のボル
ト挿通孔１４とスプリングナツト１５の孔１６，
１６とを合わせる。次いで、ライセンスプレート
Ｐの孔とボルト挿通孔１４及びスプリングナツト
１５の孔１６，１６とを合わせ、ボルトＢを螺挿
せしめる。

このように、各横長孔１３に対応して複数個の
ボルト挿通孔１６を設け、その横長孔１３にスプ
リングナツト１５をスライド自在に取付けて任意
のボルト挿通孔１６に位置合せ自在としたため、
スプリングナツト１５のスライド位置を変えるだ
けで幅の異なる複数種類のライセンスプレートＰ
を取付けできる。また、第７図の従来例のよう
に、捨てナツトが生じることもない。

第４図はこの考案の他の実施例であるライセン
スプレート取付部の正面図を示し、第５図はその
縦断面図を示す。

即ち、第４図及び第５図に示すライセンスプレ
ート取付部１２は、その左右上端部に一対の横長
孔１３，１３を穿設し、これら横長孔１３，１３
の下部に左右方向に間隔をあけて夫々複数個のボ
ルト挿通孔１４，１４…を穿設してある構成は上
記第１実施例と同様である。相違する点は、ボル
ト挿通孔１４，１４…の下部に、横長孔１３と平
行に一対の横溝１７，１７を刻設している点であ
る。この横溝１７の長さは、前記横長孔１３の横
長さと同様に定めればよい。また、スプリングナ
ツト１５には、その後片部１５ｂの前記横溝１７
と対応する部位に横溝１７と係合する突条１８を
設けている点も相異する。

そして、スプリングナツト１５の後片部１５ｂ
を前記横長孔１３に嵌入せしめると共に、前記突
条１８を横溝１７に係合せしめてスプリングナツ
ト１５をライセンスプレート取付部１２に取付け
てある。かくして、スプリングナツト１５はライ
センスプレート取付部１２に固定され、輸送中ス
プリングナツト１５が外れるおそれがない。ま
た、スプリングナツト１５は、横溝１７に沿つて
摺動するので、ボルト挿通孔１４，１４…と孔１
６，１６との上下方向の位置ずれが生じず、孔合
わせを極めて容易に行うことができる。

（考案の効果） 以上のように、この考案のライセンスプレート
取付部の構造によれば、一対のスプリングナツト
を用いるだけで複数のライセンスプレートに対応
することができ、極めて経済的である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例を具備する自動
車用バンパの斜視図、第２図はそのライセンスプ
レート取付部の正面図、第３図はその縦断面図、
第４図は第２実施例であるライセンスプレート取
付部の正面図、第５図はその縦断面図、第６図は
従来例の正面図、第７図は他の従来例の正面図で
ある。 １１……バンパ、１２……ライセンスプレート
取付部、１３……横長孔、１４……ボルト挿通
孔、１５……スプリングナツト、１６……孔、１
７……横溝、１８……突条。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. バンパに設けたライセンスプレート取付部の左
   右上端部に一対の横長孔を穿設すると共に前記各
   横長孔の下部に左右方向に間隔をあけて複数個の
   ボルト挿通孔を穿設し、前記横長孔にスプリング
   ナツトを摺動可能に嵌入せしめて、そのスプリン
   グナツトをいずれかのボルト挿通孔に位置合せ自
   在としたとを特徴とする自動車用バンパのライセ
   ンスプレート取付部の構造。