JPH0592219A

JPH0592219A - 薄肉引抜管の曲がり矯正方法

Info

Publication number: JPH0592219A
Application number: JP25134291A
Authority: JP
Inventors: Teruo Tate; 輝雄舘; Junichiro Kaneki; 潤一郎鹿子木
Original assignee: Showa Aluminum Corp
Current assignee: Showa Aluminum Can Corp
Priority date: 1991-09-30
Filing date: 1991-09-30
Publication date: 1993-04-16
Anticipated expiration: 2011-05-29
Also published as: JP2501983B2

Abstract

(57)【要約】【目的】薄肉引抜管であっても変形を生じさせること
なく十分な曲がり矯正を行うことのできる曲がり矯正方
法を提供する。【構成】引抜管（１）の内部中空部（1a）に、長さ方
向に沿って引抜管の縮径方向の変形阻止状態に中子
（６）を挿入する。次いで、引抜管（１）を間隔的に配
した支持部材（２）（２）で支持するとともに、両支持
部材の中間位置で支持方向と逆方向から引抜管に押圧荷
重を付与することにより曲がり矯正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、アルミニウム等の金
属からなる薄肉引抜管の曲がり矯正方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】アルミニウム等からなる引抜管は、表面
粗度の良好性の故に、電子複写機やレーザビームプリン
タの感光ドラム、マグネットローラー等各種精密機器の
素材として使用されるようになってきている。

【０００３】而して上記のような引抜管は、引抜上がり
の状態においては一般に曲がりを生じているため、引抜
後この曲がりを矯正することが行われている。

【０００４】従来、上記のような引抜管の曲がり矯正方
法は、次のようにして行われていた。即ち、図４に示す
ように、離間状態に配置した２つの支持示部材（２）
（２）によって引抜管（１）の曲がり方向を上にした状
態つまり上に凸の状態にして下方から間隔的に支持す
る。そして、支持部材（２）（２）の中間位置におい
て、引抜管（１）に上方から押圧部材（３）による下向
き押圧荷重を加えることにより、曲がり矯正を行ってい
た。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にして曲がり矯正を行うと、引抜管（１）は支持部材
（２）（２）との接触部（４）（４）及び押圧部材
（３）との接触部（５）において縮径方向への集中荷重
を受けることになる。この場合、引抜管（１）の肉厚が
大きい場合は、かかる集中荷重に十分耐えることができ
るが、薄肉の場合には接触部（４）（５）において引抜
管に局部的な変形を生じる。このため、薄肉引抜管に対
しては大きな押圧荷重を付与することが困難であり、十
分な曲がり矯正を行うことができないという欠点があっ
た。

【０００６】この発明は、かかる欠点を解消するために
なされたものであって、薄肉引抜管であっても変形を生
じさせることなく十分な曲がり矯正を行い得る引抜方法
の提供を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、図面の符号を参照して示すと、引抜管
（１）を間隔的に配した支持部材（２）（２）で支持す
るとともに、両支持部材の中間位置で支持方向と逆方向
から引抜管に押圧荷重を付与することにより曲がり矯正
を行う引抜管の曲がり矯正方法において、前記引抜管
（１）の内部中空部（1a）に、長さ方向に沿って引抜管
の縮径方向の変形阻止状態に中子（６）を挿入し、この
状態で前記曲がり矯正を行うことを特徴とする薄肉引抜
管の曲がり矯正方法を要旨とする。

【０００８】

【作用】まず、引抜管（１）の内部中空部（1a）に、引
抜管（１）の縮径方向の変形阻止状態に中子（６）を挿
入する。具体的には、引抜管（１）の内径よりも僅かに
小さい外径の中子（６）を挿入する。

【０００９】この状態で、従来と同様にして引抜管の曲
がり矯正を行う。引抜管（１）は支持部材（２）（２）
及び押圧部材（３）との各接触部（４）（４）（５）に
おいて縮径方向の集中荷重を受けるが、引抜管（１）内
には中子（６）が挿入されているから、引抜管（１）の
縮径方向の変形が阻止される。従って、引抜管（１）が
薄肉のものであっても変形を考慮することなく曲げ矯正
のための押圧力を付与できるから、十分な曲げ矯正が行
われる。

【００１０】

【実施例】次にこの発明の実施例をアルミニウム引抜管
の曲がり矯正を例にとって説明する。なお、従来例で説
明したものと同一名称部分については同一符号を付して
説明する。

【００１１】引抜上がりのアルミニウム引抜管（１）の
内部中空部（1a）に、図２に示すように、長さ方向に沿
って引抜管（１）と同一長さ又は長尺の断面円形の中子
（６）を挿入する。中子（６）は、引抜管（１）を縮径
方向の変形阻止状態に内方から支持する役割を果たすも
のである。かかる中子（６）の外径が引抜管（１）の内
径よりも著しく小さいと上記目的を十分に達成できず、
引抜管（１）にへこみ等の変形を生じることから、図３
に示すように、中子（６）と引抜管（１）のギャップ
（Ｓ）即ち半径差は０．０１ｍｍ以下に設定するのが良
い。ただし、ギャップ（Ｓ）が零換言すれば引抜管
（１）の内径と中子（６）の外径とが等しいときは中子
（６）の引抜管（１）への挿入が困難となることから、
ギャップ（Ｓ）が零より大きく０．１ｍｍ以下となる範
囲で、中子（６）による内面支持力と中子（６）の引抜
管（１）への挿入容易性とを考慮して中子（６）の外径
を決定するのが良い。

【００１２】中子（６）の材質は、引抜管（１）の曲げ
矯正に伴い該中子も曲げを受けることから、矯正時の曲
げに耐え得る材料とする必要がある。具体的には、鉄、
真鍮等でも良いが、好ましくは弾性に富んだＭＣナイロ
ン、テフロン等の硬質樹脂を挙げ得る。

【００１３】次に、上記中子入引抜管（１）の曲げ矯正
を行う。この矯正は、図１に示すように、従来と同じく
支持部材（２）（２）を間隔的に配置するとともに、そ
の上に引抜管（１）を上方凸の状態に乗せて支持させ
る。次いで、支持部材（２）（２）の中央部の位置にお
いて引抜管（１）の上方から押圧部材（３）を下降さ
せ、引抜管（１）に下方への押圧力を付与する。この押
圧力により、引抜管（１）は支持部材（２）（２）及び
押圧部材（３）との接触面（４）（５）において集中荷
重を受けるが、引抜管（１）の中空内部（1a）には縮径
方向への変形阻止状態に中子（６）が挿入されているか
ら、上記集中荷重によっても引抜管（１）が局部的にへ
こんだりすることはない。

【００１４】押圧部材（３）による荷重により引抜管
（１）は下向き凸への曲げ荷重を受け、その曲がりが防
止される。

【００１５】

【発明の効果】この発明は上述の次第で、引抜管の中空
内部長さ方向に、引抜管の縮径方向の変形阻止状態に中
子を挿入して曲がり矯正を行うから、支持部材や押圧部
材との接触部において引抜管が受ける集中荷重に対して
従来生じていた局部的な変形を防止することができる。
その結果、薄肉の引抜管であっても十分な曲がり矯正を
付与することができるから、フレ精度をさらに向上した
高品質の引抜管を提供することができる。しかも、従来
十分な曲がり矯正を行えなかったために不良品となって
いたものを良品とすることができ、歩留まりの大幅な向
上を図り得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】中子を挿入して引抜管の曲がり矯正を行う本発
明の実施例を示す斜視図である。

【図２】引抜管に中子を挿入する前の状態の断面図であ
る。

【図３】引抜管ととの寸法関係をしめす要部拡大図であ
る。

【図４】従来の引抜管の曲がり矯正状態を示す斜視図で
ある。

【符号の説明】

１…引抜管２…支持部材３…押圧部材６…中子

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】引抜管（１）を間隔的に配した支持部材
（２）（２）で支持するとともに、両支持部材の中間位
置で支持方向と逆方向から引抜管に押圧荷重を付与する
ことにより曲がり矯正を行う引抜管の曲がり矯正方法に
おいて、前記引抜管（１）の内部中空部（1a）に、長さ方向に沿
って引抜管の縮径方向の変形阻止状態に中子（６）を挿
入し、この状態で前記曲がり矯正を行うことを特徴とす
る薄肉引抜管の曲がり矯正方法。