JPH059190U - スイツチング電源装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 全ての出力電圧の電圧精度を高めることがで
き、しかも電力損失の少ないスイッチング電源装置を提
供する。 【構成】 このスイッチング電源装置は、全ての出力電
圧Ｖ₁ 〜Ｖ₃ の変化分を、各出力回路にそれぞれ設けた
分圧回路３１〜３３およびシャントレギュレータ２１〜
２３を用いてそれぞれ検出し、そしてこの各出力電圧の
変化分を、共通のフォトカプラ８を介して一次側の発振
制御回路６へフィードバックするようにしている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、一つのトランスの二次側から複数の直流出力を取り出す、いわゆ る１トランス多出力方式のスイッチング電源装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種のスイッチング電源装置の従来例を図２に示す。

【０００３】 このスイッチング電源装置は、一例としてフライバック方式のものであり、直 流入力をスイッチング素子（図示例はトランジスタ）４でオンオフしながらトラ ンス２の一次巻線２ａに供給し、オフ時にトランス２内の蓄積エネルギーを、こ の例では三つの二次巻線２ｂ〜２ｄからダイオード１１〜１３をそれぞれ介して 直流出力として取り出すよう構成されている。

【０００４】 スイッチング素子４の駆動および制御は、発振制御回路６によって行われるが 、その方式は自励式、他励式を問わない。

【０００５】 このような複数出力の場合、従来は、その内の一つ（例えば最も負荷の重い出 力）の出力電圧のみを検出してこれを一次側へフィードバックして定電圧制御を かけていた。例えばこの例では、出力電圧Ｖ₁ を分圧回路３１で分圧してシャン トレギュレータ２１の参照電圧端子へ入力し、このシャントレギュレータ２１で 出力電圧Ｖ₁ の変化分を検出してフォトカプラ８を駆動して発振制御回路６へフ ィードバックし、この発振制御回路６で定電圧制御を行うようにしている。

【０００６】 そして残りの出力電圧Ｖ₂ 、Ｖ₃ は、出力回路の途中に３端子レギュレータ１ ６、１８（またはＡＶＲ回路）のような安定化手段を設けて安定化させていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】 ところが、上記のようなスイッチング電源装置においては、フィードバック制 御がかけられている出力電圧Ｖ₁ は、負荷変動があっても電圧変動は殆どないが 、出力電圧Ｖ₂ 、Ｖ₃ 側は、出力電圧Ｖ₁ 側の負荷変動に伴って電圧変動が起こ るという問題がある。これは簡単に言えば、例えば出力電圧Ｖ₁ 側の負荷が重く なると、出力電圧Ｖ₁ を低下させまいとしてトランス２の一次巻線２ａへの入力 が増大し、それに伴って二次巻線２ｃ、２ｄの出力電圧が３端子レギュレータ１ ６、１８で吸収できない程度に上昇する場合があるからである。

【０００８】 また、３端子レギュレータ１６、１８のような安定化手段を挿入しておくと、 それによる電力損失も増えるため、当該スイッチング電源装置の効率が低下する という問題もある。

【０００９】 そこでこの考案は、全ての出力電圧の電圧精度を高めることができ、しかも電 力損失の少ないスイッチング電源装置を提供することを主たる目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案のスイッチング電源装置は、前記複数の直 流出力の各出力電圧の変化分を、各出力回路にそれぞれ設けた分圧回路およびシ ャントレギュレータを用いてそれぞれ検出し、そしてこの各出力電圧の変化分を 一括して定電圧制御系へフィードバックするようにしたことを特徴とする。

【００１１】

【作用】

上記構成によれば、全ての出力電圧にフィードバック制御がかけられるので、 全ての出力電圧の電圧精度が向上する。しかも、従来制御出力以外の出力に挿入 していた３端子レギュレータ等の安定化手段が不要になるので、電力損失も減少 し、かつコスト的にも安くなる。

【００１２】

【実施例】

図１は、この考案の一実施例に係るスイッチング電源装置を示す回路図である 。図２の従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては 当該従来例との相違点を主に説明する。

【００１３】 この実施例においては、出力電圧Ｖ₂ 、Ｖ₃ の回路にも、従来挿入していた３ 端子レギュレータ１６、１８を設ける代わりに、出力電圧Ｖ₁ の回路と同様に、 分圧回路３２、３３およびシャントレギュレータ２２、２３をそれぞれ設けてい る。即ち、出力電圧Ｖ₂ 、Ｖ₃ を分圧回路３２、３３で分圧してシャントレギュ レータ２２、２３の参照電圧端子へそれぞれ入力し、この各シャントレギュレー タ２２、２３で出力電圧Ｖ₂ 、Ｖ₃ の変化分をそれぞれ検出するようにしている 。

【００１４】 そして、両シャントレギュレータ２２、２３は、電流の逆流防止用（即ちシャ ントレギュレータ２２、２３へ流れる電流を吸い込み電流とするための）ダイオ ード４２、４３をそれぞれ介して、前述したシャントレギュレータ２１に並列接 続している。即ち、このようにして全ての出力電圧Ｖ₁ 〜Ｖ₃ の変化分を、共通 のフォトカプラ８を介して一次側の発振制御回路６へフィードバックするように している。

【００１５】 このようにすれば、全ての出力電圧Ｖ₁ 〜Ｖ₃ にフィードバック制御がかけら れ安定化が図られるので、全ての出力電圧Ｖ₁ 〜Ｖ₃ の電圧精度が向上する。

【００１６】 しかも、従来制御出力以外の出力に挿入していた３端子レギュレータ１６、１ ８等の安定化手段が不要になるので、それに伴う電力損失が減少して当該スイッ チング電源装置の効率が向上すると共に、コスト的にも安くなる。

【００１７】 なお、上記は３出力の場合の例であるが、この考案はそれに限定されるもので はなく、２出力あるいは４出力以上の場合にも勿論適用することができる。

【００１８】 また、トランス２の二次巻線は、上記例のように別個の巻線でも良いし、一つ の巻線からタップを出したようなものでも良い。

【００１９】 また、この考案は、上記例のようなフライバック方式に限定されるものではな く、フォワード方式にも勿論適用することができる。

【００２０】

【考案の効果】

以上のようにこの考案によれば、全ての出力電圧にフィードバック制御がかけ られ安定化が図られるので、全ての出力電圧の電圧精度が向上する。しかも、従 来制御出力以外の出力に挿入していた３端子レギュレータ等の安定化手段が不要 になるので、それに伴う電力損失が減少して当該スイッチング電源装置の効率が 向上すると共に、コスト的にも安くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この考案の一実施例に係るスイッチング電源
装置を示す回路図である。

【図２】 従来のスイッチング電源装置の一例を示す回
路図である。

【符号の説明】

２ トランス ２ｂ〜２ｄ 二次巻線 ４ スイッチング素子 ６ 発振制御回路 ８ フォトカプラ ２１〜２３ シャントレギュレータ ３１〜３３ 分圧回路

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 一つのトランスの二次側から複数の直流
   出力を取り出す方式のスイッチング電源装置において、
   前記複数の直流出力の各出力電圧の変化分を、各出力回
   路にそれぞれ設けた分圧回路およびシャントレギュレー
   タを用いてそれぞれ検出し、そしてこの各出力電圧の変
   化分を一括して定電圧制御系へフィードバックするよう
   にしたことを特徴とするスイッチング電源装置。