JPH0591098U - スピーカの磁気回路構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、ギャップ形成用治具が不要で、接
着剤の硬化を待たずに直ちに着磁工程等の次の工程を行
うことができるスピーカの磁気回路構造を提供する。 【構成】 ボトムプレート１上にマグネット３をセンタ
ーポール２と同心状に載置し、前記マグネット３上にト
ッププレート５を前記センターポール２と同心状に載置
して構成するスピーカの磁気回路構造において、前記マ
グネット３の内径面および前記トッププレート５に設け
た段差部８に共通に当接してマグネット３およびトップ
プレート５の同心位置を規制する非磁性材のガイドリン
グ９をセンターポール２に嵌装する。 【効果】 マグネット３およびトッププレート５は、ガ
イドリング９によりセンターポール２に同心状に位置規
制されるので、トッププレート５とマグネット３の間に
施した接着剤が未硬化でも接着面水平方向ズレは起こら
ない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、可動輪線型スピーカの磁気回路構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

図２に、従来の可動輪線型スピーカの磁気回路構造を示す。 同図において、１はボトムプレート、２はセンターポール、３はマグネット、 ４はボトムプレート上に形成したマグネット位置規制用段差部、５はトッププレ ート、６はエアギャップである。

【０００３】 上記磁気回路を組み立てるには、まず、ボトムプレート１の段差部４の外径で マグネット３の内径をガイドすることにより、マグネット３をセンターポール２ と同心状に位置規制し、かつマグネット３とボトムプレート１の間に接着剤を施 しておく。次にギャップ形成用治具７を用い、トッププレート５をセンターポー ル２に同心状に位置規制して両者間にギャップ６を残すようにし、かつトッププ レート５とマグネット３の間に接着剤を施し、接着剤が硬化してから治具７を取 り除くようにしている。

【０００４】 しかして、上記磁気回路構造において、ボイスコイルを効率よく駆動させるた めには、エアギャップ幅を円周上のどの位置においても一定にしなければ、これ を満足することはできない。またマグネットが正確に磁気回路の中心に位置しな いと、マグネットからトッププレート、センターポール、ボトムプレートに至る 回路の距離が不均等になり、エアギャップ内の磁束が均一でなくなるばかりでな く、エアギャップ内の総磁束を低下させ、ボイスコイルを効率よく駆動させるこ とができず、品質ムラとなる。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

図２に示した磁気回路構造では、接着剤硬化前に着磁を行うと、センターポー ル２とトッププレート５が吸引して偏心するので、ギャップ形成用治具７はマグ ネット３とトッププレート５の間に施した接着剤が硬化して充分な強度が発現す るまで取り除くことができない。そのための手段として接着剤が充分に硬化して から着磁しギャップ形成治具を取り外すのであるが、この方法では接着剤の充分 な硬化を待たなければ、ギャップ形成治具を外すことができず、そのためにボイ スコイルやダンパー、コーン等およびダイヤフラムアッセンブリを装着できず、 また接着剤硬化後に前記治具を除去する工程が必要であり、スピーカ製造工程の 複雑化は避けられない。

【０００６】

【考案の目的】

本考案は、ギャップ形成治具が不要で、接着剤の硬化を待たずに直ちに着磁工 程やボイスコイルやダンパー、コーン等ならびにダイヤフラムアッセンブリの装 着等の次の工程を行うことができ、全体の製造工程の短縮化に寄与できるスピー カの磁気回路構造を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、センターポールを有するボトムプレート上にマグネットをセンター ポールと同心状に載置し、前記マグネット上にトッププレートを前記センターポ ールと同心状に載置して構成するスピーカの磁気回路構造において、前記マグネ ットの内径面および前記トッププレートに設けた段差部に当接してマグネットお よびトッププレートの同心位置を規制するガイドリングが前記センターポールに 嵌装した構成を要旨としている。

【０００８】

【作用】

上記構成のスピーカの磁気回路構造においては、センターポールに嵌装したガ イドリングにより、マグネットおよびトッププレートはセンターポールに対して 同心位置に規制される。したがって、ギャップ形成治具は不要となり、かつ接着 剤の硬化を待たずに着磁工程等の次の工程を行うことが可能となる。

【０００９】

【実施例】

図１に、本考案の一実施例を示す。図２と同一または類似する部材には同じ符 号が付されている。 すなわち、１はボトムプレート、２はセンターポール、３はマグネット、５は トッププレートであり、トッププレート５はマグネット当接側に段差部８を備え ている。センターポール２には、非鉄金属またはプラスチック等の非磁性材料で 作ったガイドリング９が嵌装されている。このガイドリング９は、センターポー ル２への嵌入穴をもつ円板部９ａと、円板部９ａの外周から起立する環状部９ｂ とで構成され、この環状部９ｂがマグネット３の内径面と当接し、かつ環状部９ ｂの上端がトッププレート５の段差部８の内径面に当接することで、マグネット ３とトッププレート５がセンターポール２に対し、それぞれ同心位置に規制され る。

【００１０】 その結果、エアギャップ６を構成することができると同時にマグネット３の位 置を設定することができる。また、マグネット３とトッププレート５との間の接 着剤が未硬化でも、接着面水平方向ズレが起こらないので、着磁されると、マグ ネット３の吸引力でボトムプレート１とトッププレート５がマグネット３に固定 された状態となる。

【００１１】

【考案の効果】

以上に述べたように、本考案によれば、ギャップ形成治具が不要で、接着剤の 硬化を待たずに直ちに着磁工程等の次の工程を行うことができるスピーカの磁気 回路構造を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すスピーカの磁気回路構
造の断面図である。

【図２】従来のスピーカの磁気回路構造の断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ボトムプレート ２ センターポール ３ マグネット ４ マグネット位置規制用段差部 ５ トッププレート ６ ギャップ ７ ギャップ形成用治具 ８ ギャップ位置規制用段差部 ９ ガイドリング ９ａ 円板部 ９ｂ 環状部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボトムプレート上にマグネットをセンタ
   ーポールと同心状に載置し、前記マグネット上にトップ
   プレートを前記センターポールと同心状に載置して構成
   するスピーカの磁気回路構造において、前記マグネット
   の内径面および前記トッププレートに設けた段差部に当
   接してマグネットおよびトッププレートの同心位置を規
   制するガイドリングが前記センターポールに嵌装されて
   いることを特徴とするスピーカの磁気回路構造。