JPH0661039A - 磁石取り付け治具 - Google Patents

磁石取り付け治具

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Publication number
JPH0661039A
JPH0661039A JP23645392A JP23645392A JPH0661039A JP H0661039 A JPH0661039 A JP H0661039A JP 23645392 A JP23645392 A JP 23645392A JP 23645392 A JP23645392 A JP 23645392A JP H0661039 A JPH0661039 A JP H0661039A
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JP
Japan
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permanent magnet
cylindrical permanent
magnet
yoke
mounting jig
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Application number
JP23645392A
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English (en)
Inventor
Takehisa Sakaguchi
武久 坂口
Yasuhiro Mochizuki
康弘 望月
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YOKOHAMA SUMITOKU DENSHI KK
Hitachi Metals Ltd
Original Assignee
YOKOHAMA SUMITOKU DENSHI KK
Sumitomo Special Metals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 モータ等の磁気回路を構成する円筒状永久磁
石を着磁状態または無着磁状態にてヨークの所定位置に
取り付ける治具において、位置合わせが容易で作業性が
よく、位置合わせ精度が高く、モータのトルクむら等を
発生させることがない、構成からなる磁石取り付け治具
の提供。 【構成】 磁石取り付け治具40の所定位置に吸引用の
永久磁石45aを配置することにより、該磁石取り付け
治具40に形成される磁極部と、予め着磁された円筒状
永久磁石1の磁極部、または無着磁状態の極異方性円筒
状永久磁石の磁極部との互いの磁気的な吸引作用によ
り、磁石取り付け治具40に高精度に円筒状永久磁石1
を保持し、その状態を維持したままヨークへの取り付け
を完了できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、モータ等の磁気回路
を構成する円筒状永久磁石を着磁状態または無着磁状態
にてヨークの所定位置に取り付ける治具の改良に係り、
治具の磁極部の対向位置に吸引用の磁石を配置すること
により、特に円筒状永久磁石とヨークの取り付け位置の
精度を大幅に向上させる磁石取り付け治具に関する。
【0002】
【従来の技術】永久磁石式磁気回路を構成する永久磁石
をヨークに取り付ける際には、種々の方法が採用されて
いるが、特に永久磁石やヨークの形状寸法、永久磁石の
磁気特性等に応じて、予め着磁された永久磁石をヨーク
に取り付ける所謂着磁組立と、無着磁状態の永久磁石を
ヨークに取り付けた後に着磁する所謂組立着磁の方法が
知られている。いずれの方法においても、永久磁石とヨ
ークとの位置合わせ精度は、その永久磁石式磁気回路の
目的とする作用効果に対して大きな影響を及ぼす。
【0003】以下、この発明を、直径方向にN、S、2
極の磁極を形成してなる円筒状永久磁石を配置するモー
タ用の磁気回路を例にして説明するが、この発明はこの
実施例にのみ限定されるものではない。図6のAは、直
径方向(図中M方向)にN、S、2極の磁極を形成して
なる円筒状永久磁石1を有底円筒状のヨーク2の内周面
所定位置に配置してなるモータ用磁気回路の概要を示す
ものである。図中の中心部は空隙3であり、該空隙部3
にロータ(図示せず)が配置されてモータを構成する。
また図中1aは、円筒状永久磁石1の上端面の一部に形
成された位置合わせ用凹部であり、後述する磁石取り付
け治具の位置合わせ用凸部と嵌合して、該円筒状永久磁
石1とヨーク2との位置合わせの際に使用される。
【0004】図7、図8は図6のAにて示すモータ用磁
気回路を構成する円筒状永久磁石1をヨーク2内の所定
位置に配置する磁石取り付け治具4の構成を説明する概
要図である。図7のA,Bは磁石取り付け治具4を使用
して円筒状永久磁石1をヨーク2内の所定位置に配置し
た時の互いの位置関係の概要を示している。また、図8
のA,Bは、磁石取り付け治具4の構成と円筒状永久磁
石1との位置関係の概要を説明するもので、図7と図8
はそれぞれ90°異なる方向から図示している。磁石取
り付け治具4は通常、非磁性材からなり、先端にテーパ
ー部11を有し円筒状永久磁石1の内周部に挿入する磁
石支持部10、円筒状永久磁石1の上端面に当接する鍔
部12、さらにヨーク2の固定台5に配置され該ヨーク
2と磁石取り付け治具4との位置関係を規制する部材
(図示せず)に連結する治具固定部13から構成されて
いる。また、磁石取り付け治具4の鍔部12下面の一部
に形成されている突起は、円筒状永久磁石1の上端面の
一部に形成された位置合わせ用凹部1aに嵌合する位置
合わせ用凸部14である。
【0005】このような構成において、まずヨーク2を
固定台5の所定位置に固定するが、たえずヨーク2を固
定台5上面に同一条件にて固定するために、通常、ヨー
ク固定治具(図示せず)を使用する。磁石取り付け治具
4を、固定台5に対して位置関係を一定にした状態、す
なわち磁石取り付け治具4を回転させない状態で下降さ
せ、円筒状永久磁石1の内周部に磁石支持部10を挿入
するとともに、磁石取り付け治具4の位置合わせ用凸部
14と円筒状永久磁石1の位置合わせ用凹部1aを嵌合
させ、作業者が円筒状永久磁石1を直接保持したり、特
殊の治具を用いて互いの位置関係を維持しながら該円筒
状永久磁石1をヨーク2の内周面に案内する。さらに、
磁石取り付け治具4の鍔部12の下面にて円筒状永久磁
石1の上端面を押しながら、円筒状永久磁石1をヨーク
2の内周面に圧入する。こうして円筒状永久磁石1をヨ
ーク2内の所定位置に圧入配置した後は、磁石取り付け
治具4を上昇させ元の位置に戻す。上述の組立作業を繰
り返すことによって、複数のモータ用磁気回路を工業的
規模にて量産することが可能になったのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の磁石取り付け治
具4を用いて、予め所定方向に着磁されている円筒状永
久磁石1をヨーク2内の所定位置に圧入配置することが
可能であることを説明した。ここで、円筒状永久磁石1
のヨーク2への固定位置は、最終的にモータとして完成
された時に、他のモータ構成部材との位置関係に大きな
影響を及ぼす。すなわち、通常、円筒状永久磁石1をは
じめ他のモータ構成部材もヨーク2を基準として取りつ
けられることから、例えば、直流モータにおいて、ロー
タに電流を供給する為にヨーク2を介して配置されるブ
ラシと円筒状永久磁石1との相対的な位置に誤差が生じ
ると、ロータへの電流供給タイミングが正しく行われず
トルクむらを発生することとなる。
【0007】上記の磁石取り付け治具4を用いる方法に
おいては、円筒状永久磁石1とヨーク2との位置関係は
最終的に磁石取り付け治具4の位置合わせ用凸部14と
円筒状永久磁石1の位置合わせ用凹部1aの寸法精度に
よって決定される。磁石取り付け治具4の位置合わせ用
凸部14は、比較的高精度に加工できる。しかし、円筒
状永久磁石1がフェライト磁石等の焼結磁石の場合、予
め圧縮成型時の金型の所要位置に該位置合わせ用凹部1
aを形成するための凸部を設けておけば、比較的容易に
成型体の所要位置に凹部1aを形成できるが、焼結時に
成型体が収縮することから、必ずしも精度の高い凹部1
aを形成することはできず、また、焼結後、凹部1aに
再加工を施すことは量産性の観点からも実施されていな
い。さらに、凹部1aの形状も成型性の観点から図示の
如く、通常、半円状となり、必ずしも高精度の位置合わ
せに好ましい形状とは言い難い。
【0008】このことから、一旦磁石取り付け治具4に
支持された円筒状永久磁石1もヨーク2への圧入の際
に、互いの嵌合部、すなわち位置合わせ用凸部14およ
び凹部1aの寸法差によって円筒状永久磁石1が回転移
動してしまい、要求される高精度の位置合わせが安定し
て実現できないという問題点を有していた。
【0009】円筒状永久磁石1の位置合わせ用凹部1a
を、高精度の位置合わせのために矩形状とし、かつその
深さを深くすることも考えられるが、該凹部1aからの
割れ、ひび等の発生が懸念され、しかも必要以上に凹部
1aが大きくなることで、ロータに作用する磁力のアン
バランスを発生することとなる。このように、図6の
B、図7、図8に示すような従来の磁石取り付け治具4
を採用する方法では、円筒状永久磁石1とヨーク2との
取り付け精度に限界があり、上記のようなモータのトル
クむら発生等の要因となっていた。
【0010】また、円筒状永久磁石1をヨーク2に取り
付ける毎に、煩雑な磁石取り付け治具4の位置合わせ用
凸部14と円筒状永久磁石1の位置合わせ用凹部1aと
の嵌合位置合わせが必要であり、作業性が悪いという問
題も有していた。
【0011】この発明は、モータ等の磁気回路を構成す
る円筒状永久磁石を着磁状態または無着磁状態にてヨー
クの所定位置に取り付ける治具において、位置合わせが
容易で作業性がよく、位置合わせ精度が高く、モータの
トルクむら等を発生させることがない、構成からなる磁
石取り付け治具の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記の問題点
を解消することを目的に、治具に磁石を用いた構成につ
いて種々検討した結果、磁石取り付け治具の所定位置に
永久磁石等を効果的に配置することにより、該磁石取り
付け治具に形成される磁極部と、予め着磁された円筒状
永久磁石の磁極部、または無着磁状態の極異方性円筒状
永久磁石の磁極部との互いの磁気的な吸引作用により、
磁石取り付け治具に高精度に円筒状永久磁石を保持し、
さらにその状態を維持したままヨークへの取り付けを完
了することで、円筒状永久磁石とヨークの取り付け位置
精度が大幅に向上することを知見し、この発明を完成し
たものである。
【0013】すなわち、この発明(第一発明)は、内周
面または外周面に複数の磁極を形成する着磁状態の円筒
状永久磁石に挿入または外嵌し、該円筒状永久磁石をヨ
ークの所定位置に取り付ける着磁組立用の磁石取り付け
治具において、前記円筒状永久磁石の所定の磁極部の対
向位置に、該所定の磁極部に対して異磁極を形成する少
なくとも1以上の円筒状永久磁石位置決め用磁極部を配
置することを特徴とする磁石取り付け治具である。
【0014】また、この発明(第二発明)は、内周面ま
たは外周面に複数の異方性化された磁極部を有する無着
磁状態の極異方性円筒状永久磁石に挿入または外嵌し、
該円筒状永久磁石をヨークの所定位置に取り付ける組立
着磁用の磁石取り付け治具において、前記円筒状永久磁
石の所定の磁極部の対向位置に、該所定の磁極部に対し
て吸引作用を及ぼす少なくとも1以上の円筒状永久磁石
位置決め用磁極部を配置することを特徴とする磁石取り
付け治具を併せて提案する。
【0015】この発明においてヨークに取り付けられる
円筒状永久磁石の材質は、フェライト系磁石、希土類系
磁石等の焼結磁石やボンド磁石、鋳造磁石等公知のすべ
ての磁石が対象となり、しかも着磁状態の円筒状永久磁
石を対象とする第一発明においては、等方性、異方性の
如何んを問わずこの発明の磁石取り付け治具の採用が可
能であるが、無着磁状態の円筒状永久磁石を対象とする
第二発明においては、該円筒状永久磁石が極異方性を有
する磁石の場合への採用に限られる。また、磁石取り付
け治具の所定位置に磁極を形成する手段としては後述す
る実施例にて具体的に説明するように、永久磁石を配置
する構成の他、電磁石を配置する構成等の採用も可能で
ある。
【0016】
【作用】以下にこの発明の作用を図面に基づいて説明す
る。図1は、この発明の磁石取り付け治具40を使用し
て円筒状永久磁石1をヨーク2内の所定位置に配置した
時の互いの位置関係の概要を示している。また、図2
は、磁石取り付け治具40の構成と円筒状永久磁石1と
の位置関係を示す概要説明図である。図3のAは、図2
のA−A断面説明図であり、さらに図3のBからDは、
図3のAの構成とは異なる他の実施例を示す断面説明図
である。ここでは、先に説明した図6のAに示すモータ
用の磁気回路、すなわち、直径方向にN、S、2極の磁
極を形成してなる円筒状永久磁石を配置するモータ用の
磁気回路を組み立てる場合を例にして説明する。また、
この発明の磁石取り付け治具40を使用する場合は、後
述する理由から円筒状永久磁石1の上端面の一部に位置
合わせ用凹部を形成する必要がないことから、該凹部は
図1および図2において図示していない。
【0017】磁石取り付け治具40は非磁性材からな
り、先端にテーパー部42を有し円筒状永久磁石1の内
周部に挿入する磁石支持部41、円筒状永久磁石1の上
端面に当接する鍔部43、さらにヨーク2の固定台5に
配置され該ヨーク2と磁石取り付け治具40との位置関
係を規制する部材(図示せず)に連結する治具固定部4
4から構成されている。さらに磁石支持部41の外周部
には一対の蒲鉾状の位置決め用永久磁石45a,45b
が配置されている。この位置決め用永久磁石45a,4
5bは予め磁石支持部41に形成された溝内にそれぞれ
180°の角度を有して正確に固着されるとともに、外
周面には互いに異磁極が形成されている。
【0018】このような構成において、まずヨーク固定
治具(図示せず)を使用してヨーク2を固定台5の所定
位置に固定する。磁石取り付け治具40を、固定台5に
対して位置関係を一定に、磁石取り付け治具4を回転さ
せない状態で下降させ、着磁円筒状永久磁石1の内周部
に磁石支持部10を挿入すると、円筒状永久磁石1は図
示の如く予め所定方向に着磁されていることから、該円
筒状永久磁石1の内周面に形成されている磁極と、磁石
支持部10に配置された位置決め用永久磁石45a,4
5bとの異磁極同士が互いに吸引作用を及ぼし、位置決
め用永久磁石45a,45bの位置に基づき必然的に円
筒状永久磁石1の位置が決定する。しかも、円筒状永久
磁石1は磁気的な吸引作用によって磁石取り付け治具4
0に保持されていることから、従来の磁石取り付け治具
4(図7,8参照)のように、作業者が直接円筒状永久
磁石1を保持したり、他の保持用の治具等を使用するこ
ともない。
【0019】さらに、上記の状態を維持しながら磁石取
り付け治具40の鍔部43の下面にて円筒状永久磁石1
の上端面を押しながら、円筒状永久磁石1をヨーク2の
内周面に圧入する。こうして、円筒状永久磁石1をヨー
ク2内の所定位置に圧入配置した後は、磁石取り付け治
具40を上昇させ元の位置に戻す。この時、円筒状永久
磁石1の内周面に形成されている磁極と磁石取り付け治
具40に配置されている位置決め用永久磁石45a,4
5bとの間で吸引作用が発生するが、円筒状永久磁石1
は所要の機械的強度にて圧入配置されていることから、
該吸引作用によってヨーク2から離脱することはない。
【0020】円筒状永久磁石1とヨーク2との固着を前
記圧入によらず、接着剤等による場合は、一旦円筒状永
久磁石1をヨーク2内の所定の位置に配置しても接着剤
が固化する以前に磁石取り付け治具40を上昇させると
前記吸引作用によって円筒状永久磁石1がヨーク2から
離脱する可能性がある。このような場合は、図3のBに
示す如く、磁石取り付け治具40の鍔部43の一部を削
除して一対の平坦部43a,43bを形成し、一旦円筒
状永久磁石1をヨーク2内の所定の位置に配置した後、
ヨーク2内周面と前記鍔部43の平坦部43a,43b
との隙間から磁石固定治具(図示せず)を挿入して、円
筒状永久磁石1をヨーク2内の所定の位置に仮固定して
から磁石取り付け治具40を上昇させることによって、
目的を達成することができる。
【0021】図3のCの構成は位置決め用永久磁石とし
て、図示の如き所定の直径方向に着磁された円筒状永久
磁石47を、鍔部43の中央部に立設する円柱状の支持
部材46を介して配置する構成を示すもので、図3のA
の構成と同様な効果を得ることができ、しかも図3のA
の構成に比べ位置決め用永久磁石の取り付け配置が容易
である。
【0022】図3のDの構成は、以上に説明した位置決
め用永久磁石の代わりに電磁石を使用した構成であり、
鍔部43の中央部に磁極部を形成する鉄心部48を立設
し、さらに所要方向に励磁コイル49を巻回したもので
あり、図3のAの構成と同様な効果を得ることができ、
特に円筒状永久磁石1をヨーク2内に配置した後、磁石
取り付け治具40を上昇させる際には、励磁コイル49
への電流の供給を停止することにより、電磁石と円筒状
永久磁石1との吸引作用を解除することができる。
【0023】図4のA,B、図5のA,Bは図4のBに
示すコアレスモータ用の磁気回路を組み立てる際に使用
するこの発明の磁石取り付け治具50の概要を示すもの
であり、図4のAは、この発明の磁石取り付け治具50
を使用して円筒状永久磁石21を中央部ヨーク22a外
周の所定位置に配置した時の互いの位置関係の概要を示
している。また、図5のA,Bは、磁石取り付け治具5
0の構成と円筒状永久磁石21との位置関係を示す概要
説明図である。図5のCは、図5のAのC−C断面説明
図である。図4のBに示すモータ用磁気回路は、直径方
向にN、S、2極の磁極を形成してなる円筒状永久磁石
21を中央部ヨーク22a外周の所定位置に配置し、該
円筒状永久磁石21と外周部ヨーク22bとに形成され
る空隙23内にロータとなるコイルを配置する所謂コア
レスモータ用の磁気回路である。
【0024】このモータ用磁気回路の円筒状永久磁石2
1を中央部ヨーク22a外周の所定位置に配置する場合
も、この発明の磁石取り付け治具50を採用することが
できる。磁石取り付け治具50は、非磁性材からなり磁
気回路に配置する円筒状永久磁石21の外周部に外嵌す
る位置決め用円筒状永久磁石52の保持部51と、中央
部ヨーク22aの固定台25に配置され該ヨーク22a
と磁石取り付け治具50との位置関係を規制する部材
(図示せず)に連結する治具固定部53から構成されて
いる。図中54は保持部51の下面に形成される磁石押
圧用環状突起である。また、上記位置決め用円筒状永久
磁石52は、予め図示の如く所定の直径方向に2極着磁
されている。
【0025】このような構成において、まずヨーク固定
治具(図示せず)を使用して中央部ヨーク22aを固定
台25の所定位置に固定する。磁石取り付け治具50
を、固定台25に対して位置関係を一定に、磁石取り付
け治具4を回転させない状態で下降させ、円筒状永久磁
石21の外周部に位置決め用円筒状永久磁石52を外嵌
すると、円筒状永久磁石21は図示の如く予め所定方向
に着磁されていることから、該円筒状永久磁石1の外周
面に形成されている磁極と、位置決め用円筒状永久磁石
52との異磁極同士が互いに吸引作用を及ぼし、位置決
め用円筒状永久磁石52の磁極の位置に基づき必然的に
円筒状永久磁石21の位置が決定する。しかも、円筒状
永久磁石1は磁気的な吸引作用によって磁石取り付け治
具50に保持されていることから、作業者が直接円筒状
永久磁石21を保持したり、他の保持用の治具等を使用
する必要もない。
【0026】さらに、上記の状態を維持しながら磁石取
り付け治具50の保持部51の下面に形成される磁石押
圧用環状突起54にて円筒状永久磁石21の上端面を押
しながら、円筒状永久磁石21を中央部ヨーク22aの
外周面に圧入する。こうして、円筒状永久磁石21を中
央部ヨーク22aの所定位置に圧入配置した後は、磁石
取り付け治具50を上昇させ元の位置に戻す。この後、
中央部ヨーク22aを基準として外周部ヨーク22bを
固定することによってモータ用磁気回路の組立を完了す
る。
【0027】以上の構成では、いずれもヨークに配置す
る円筒状永久磁石が予め着磁されている場合、すなわ
ち、着磁組立の際に使用する磁石取り付け治具について
説明したが、無着磁状態の極異方性円筒状永久磁石をヨ
ークに配置した後に該円筒状永久磁石を着磁する所謂組
立着磁の場合も、この発明の磁石取り付け治具が採用で
きる。すなわち、図1、図2、図4、図5において円筒
状永久磁石1、21を最終的に図示の如き2極着磁をす
るように、予め所定方向に異方性化された磁極部を有す
る無着磁状態の極異方性円筒状永久磁石に置き換えて考
えると、同様に図示される磁石取り付け治具40、50
をそれぞれの円筒状永久磁石の内周部に挿入、または外
周部に外嵌すると、円筒状永久磁石の所定の磁極部の対
向位置に吸引作用を及ぼす円筒状永久磁石位置決め用磁
極部が対向配置することから、予め着磁されている磁石
と同様に位置決めされ、この発明の目的を達成すること
ができる。
【0028】ヨークに配置する円筒状永久磁石が予め着
磁されている場合、および無着磁状態のいずれの場合
も、磁石取り付け治具に形成される円筒状永久磁石位置
決め用磁極部の軸方向長さがヨークに配置する円筒状永
久磁石の軸方向長さとほぼ同等以上である構成を図示し
たが、必ずしもこのような構成に限定されるものではな
い。また、ヨークに配置する円筒状永久磁石と磁石取り
付け治具に形成される円筒状永久磁石位置決め用磁極部
の各々磁極数が同数な構成、すなわち図示の場合はいず
れも各々2極について説明したが、必ずしもこれら磁極
数を同数とする必要はなく、少なくとも1以上の対向配
置する磁極があれば良く、例えば、ヨークに配置する円
筒状永久磁石が2極の場合は、磁石取り付け治具に形成
される磁極数は1極でもこの発明の目的は達成できる。
【0029】しかし、ヨークに配置する円筒状永久磁石
と磁石取り付け治具に形成される円筒状永久磁石位置決
め用磁極部の各々磁極数が同数の場合のほうが、磁気的
な安定性が最も良好となり、高精度の位置決めが可能と
なる。いずれにしても、磁石取り付け治具に配置される
位置決め用の永久磁石および電磁石の形状寸法、磁気特
性等は、ヨークに配置される円筒状永久磁石の形状寸
法、磁気特性等に応じて決定するのが望ましい。さら
に、磁石取り付け治具において磁石以外の部材は非磁性
材の構成で説明したが、必ずしも非磁性材に限定される
ものではなく、磁性材を採用しても、この発明の効果が
損なわれることはない。
【0030】
【実施例】図6のAに示すモータ用磁気回路を構成する
円筒状永久磁石を配置する場合の実施例に基づいて、こ
の発明の効果を確認した。円筒状永久磁石1としては、
外径30mm×内径20mm×高さ10mmで所定の直
径方向に2極着磁された異方性フェライト磁石(最大エ
ネルギー積3.2MGOe)を使用し、従来の磁石取り
付け治具としては図6〜8に示す構成のものを、また、
この発明の磁石取り付け治具としては図1、図2に示す
構成のものを使用した。上記円筒状永久磁石1の上端面
に形成する略半円状の位置合わせ用凹部は、予め金型に
形成される高さ1.0mm×幅2.0mmの略半円状の
突起にて、圧縮成型時に形成されたものを、再加工を施
すことなくそのまま使用した。この発明の磁石取り付け
治具の蒲鉾状位置決め用永久磁石磁石としては、それぞ
れ幅5.0mm×長さ(軸方向)10.0mm×高さ
(厚さ)5.0mmで厚さ方向に着磁された異方性フェ
ライト磁石(最大エネルギー積3.2MGOe)を使用
した。それぞれの磁石取り付け治具を使用して、各々1
0個の円筒状永久磁石1をヨーク内に配置し、目標とさ
れる取り付け位置と磁極のズレ角を測定したところ、従
来の磁石取り付け治具では最大2.0°であったが、こ
の発明の磁石取り付け治具では最大0.5°であった。
【0031】
【発明の効果】この発明の磁石取り付け治具を使用すれ
ば、該磁石取り付け治具に形成される磁極部と、予め着
磁された円筒状永久磁石の磁極部、または無着磁状態の
極異方性円筒状永久磁石の磁極部との互いの磁気的な吸
引作用により、磁石取り付け治具に高精度に円筒状永久
磁石を保持し、さらに、その状態を維持したままヨーク
への取り付けを完了することができ、円筒状永久磁石と
ヨークの取り付け位置精度を大幅に向上することができ
る。従って、ヨークを基準として取り付けられる円筒状
永久磁石とブラシ等の相対的な位置ズレを要因とするモ
ータのトルクむら発生等が低減される。また、円筒状永
久磁石の上面に位置合わせ用凹部等を設ける必要がなく
なることから、圧縮成型時の金型形状が簡単になり、さ
らに凹部からの割れ、ひび等の発生やロータに作用する
磁力のアンバランス等の発生を低減することが可能とな
る。磁石取り付け治具を円筒状永久磁石に挿入または外
嵌するだけで磁石取り付け治具との位置決めが完了し、
また、その状態を直接作業者が保持する必要がないこと
から、円筒状永久磁石のヨークへの取り付け作業性が大
幅に向上する。予め、磁石取り付け治具に配置される磁
極の極性が定まっていることから、ヨークへの取り付け
の際に、円筒状永久磁石の磁極の方向を逆方向とするよ
うな作業ミスも発生しない等の利点が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の磁石取り付け治具を使用して円筒状
永久磁石をヨーク内の所定位置に配置した時の互いの位
置関係の概要を示している。
【図2】AとBは磁石取り付け治具の構成と円筒状永久
磁石との位置関係を示す概要説明図である。
【図3】Aは図2のAのA−A断面説明図であり、さら
にB,C,DはAの構成とは異なる他の実施例を示す断
面説明図である。
【図4】Aはこの発明の磁石取り付け治具を使用して円
筒状永久磁石を中央部ヨーク外周の所定位置に配置した
時の互いの位置関係の概要を示す部分断面説明図であ
り、Bは所謂コアレスモータ用の磁気回路の概要を示す
平面説明図である。
【図5】AとBは磁石取り付け治具50の構成と円筒状
永久磁石21との位置関係を示す概要説明図であり、C
はA図におけるC−C断面説明図である。
【図6】Aはモータ用磁気回路の概要を示す平面説明図
であり、Bはこのモータ用磁気回路を構成する円筒状永
久磁石をヨーク内の所定位置に配置する従来の磁石取り
付け治具の構成を説明する概要図である。
【図7】AとBは図6のAに示すモータ用磁気回路を構
成する円筒状永久磁石をヨーク内の所定位置に配置する
従来の磁石取り付け治具の構成を説明する概要図であ
る。
【図8】AとBは図6のAに示すモータ用磁気回路を構
成する円筒状永久磁石をヨーク内の所定位置に配置する
従来の磁石取り付け治具の構成を説明する概要図であ
る。
【符号の説明】
1,21,47 円筒状永久磁石 1a 位置合わせ用凹部 2 ヨーク 3,23 空隙 4,40,50 磁石取り付け治具 5,25 固定台 10,41 磁石支持部 11,42 テーパー部 12,43 鍔部 13,44,53 治具固定部 14 位置合わせ用凸部 22a 中央部ヨーク 22b 外周部ヨーク 43a,43b 平坦部 45a,45b 位置決め用永久磁石 46 支持部材 48 鉄心部 49 励磁コイル 51 保持部 52 位置決め用円筒状永久磁石 54 磁石押圧用環状突起

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面または外周面に複数の磁極を形成
    する着磁状態の円筒状永久磁石に挿入または外嵌し、該
    円筒状永久磁石をヨークの所定位置に取り付ける着磁組
    立用の磁石取り付け治具において、前記円筒状永久磁石
    の所定の磁極部の対向位置に、該所定の磁極部に対して
    異磁極を形成する少なくとも1以上の円筒状永久磁石位
    置決め用磁極部を配置することを特徴とする磁石取り付
    け治具。
  2. 【請求項2】 内周面または外周面に複数の異方性化さ
    れた磁極部を有する無着磁状態の極異方性円筒状永久磁
    石に挿入または外嵌し、該円筒状永久磁石をヨークの所
    定位置に取り付ける組立着磁用の磁石取り付け治具にお
    いて、前記円筒状永久磁石の所定の磁極部の対向位置
    に、該所定の磁極部に対して吸引作用を及ぼす少なくと
    も1以上の円筒状永久磁石位置決め用磁極部を配置する
    ことを特徴とする磁石取り付け治具。
JP23645392A 1992-08-11 1992-08-11 磁石取り付け治具 Pending JPH0661039A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1989006381A1 (en) * 1988-01-06 1989-07-13 Fuji Photo Film Co., Ltd. Process for processing silver halide photographic material
KR101876771B1 (ko) * 2016-12-23 2018-07-11 계양전기 주식회사 회전자 자석 오조립 방지 장치
JP2020161784A (ja) * 2019-03-20 2020-10-01 日立金属株式会社 極異方性リング磁石の製造装置及び製造方法、ローターの製造装置及び製造方法並びに極異方性リング磁石の極位置位置決め治具

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